JP2001185190A - 燃料電池用水素の製造方法 - Google Patents

燃料電池用水素の製造方法

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JP2001185190A
JP2001185190A JP37362899A JP37362899A JP2001185190A JP 2001185190 A JP2001185190 A JP 2001185190A JP 37362899 A JP37362899 A JP 37362899A JP 37362899 A JP37362899 A JP 37362899A JP 2001185190 A JP2001185190 A JP 2001185190A
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methanol
hydrogen
oxide
compound
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Futoshi Ikoma
太志 生駒
Yasushi Hiramatsu
靖史 平松
Mikio Yoneoka
幹男 米岡
Shoji Isobe
昭司 磯部
Takahiro Naka
貴弘 中
Hideaki Sumi
英明 隅
Masataka Furuyama
雅孝 古山
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Honda Motor Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れると共に、高活性のメタノール
改質用触媒を用い、メタノールに水蒸気と空気を反応さ
せて、自己熱供給型反応により、水素を主体とする改質
ガスを効率よく発生させ、工業的に有利な燃料電池用水
素の製造方法を提供する。 【解決手段】 触媒の存在下、メタノールに水蒸気及び
空気を反応させて水素を主体とする改質ガスを製造する
に当たり、上記触媒として、酸化銅,酸化亜鉛及び酸化
アルミニウムを主成分とし、さらに白金及び/又はパラ
ジウムを含むものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池用水素の製造
方法の改良に関する。さらに詳しくは、本発明は、耐熱
性に優れると共に、高活性の触媒を用い、メタノールに
水蒸気と空気を反応させて、自己熱供給型反応により、
水素を主体とする改質ガスを効率よく発生させる燃料電
池用水素の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、化石燃料に代わるエネルギー源と
して、水素が注目されている。水素は燃やすと水ができ
るだけで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素や有害な
窒素酸化物などが排出されないので、将来のクリーンエ
ネルギーとして期待されている。メタノールは、触媒の
存在下で比較的容易に水素を主体とするガスに改質され
ることが従来から良く知られている。特にメタノールを
水蒸気と反応させることにより、分離の困難な一酸化炭
素をほとんど含まないガスに改質されることから、今後
増大が予想される水素の簡便な供給源として注目を集め
ている。
【0003】一方、地球温暖化の主因とされる二酸化炭
素の排出を抑えると共に、大気汚染をもたらす窒素酸化
物を排出しない発電システムとして、現在燃料電池の開
発研究が積極的に行われている。この燃料電池は、水素
と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネ
ルギーを電気エネルギーに変換するものであって、エネ
ルギーの利用効率が高く、そして電解質の種類に応じて
リン酸型,溶融炭酸塩型,固体酸化物型,固体高分子型
などのタイプがある。燃料としては、天然ガスやメタノ
ールなどの炭化水素系物質を用い、装置内で改質して水
素を製造するのが一般的である。
【0004】このような燃料電池は、環境対応技術とし
て注目され、例えば自動車や船舶などの移動体用電源を
始め、工場やビル,集合住宅などの自家発電,医療機器
を扱う病院などの無停電電源などとしての利用が期待さ
れている。特に、自動車分野においては、メタノール改
質燃料電池自動車の開発が積極的になされている。そし
て、自動車に搭載される燃料電池は、小型で簡単な構造
のものが要求されることから、反応器に空気を導入して
メタノールの水蒸気改質に必要な反応熱を、燃焼熱によ
り供給する自己熱供給型反応器の開発が進められてい
る。
【0005】従来、メタノールを改質する触媒として、
アルミナ、シリカなどの担体に、種々の触媒基質を担持
させた触媒が提案されている。例えば特開昭57−68
140号公報には、アルミナを予め塩基性物質の酸化物
で被覆した担体上に白金、パラジウムからなる群の1種
以上の金属を担持させたメタノール改質用触媒が記載さ
れている。特開昭57−144031号公報には、アル
ミナにニッケルおよびカリウムを含有させたアルミナ系
メタノール分解用触媒が記載されている。特開昭57−
174138号公報には、銅、亜鉛、クロムからなる群
の一種以上の酸化物またはその水酸化物にニッケルを担
持させたメタノール改質用触媒が記載されている。特開
昭57−174139号公報には、銅、亜鉛、クロムか
らなる群の一種以上の酸化物またはその水酸化物と、ニ
ッケルの酸化物またはその水酸化物とからなるメタノー
ル改質用触媒が記載されている。特開昭59−1990
43号公報には、アルミナを予めアルカリ金属酸化物で
被覆した担体上に白金、パラジウムからなる群の一種以
上の金属を担持させたメタノール改質用触媒が記載され
ている。
【0006】しかしながら、上記特開昭57−6814
0号公報、特開昭57−174138号公報および特開
昭57−174139号公報に記載の触媒は、低温活性
が充分ではないこと、カーボンの析出が起こりやすいた
め寿命が短いことなどの問題点がある。特開昭57−6
8140号公報及び特開昭59−199043号公報記
載の触媒は、塩基性物質の酸化物(アルカリ金属酸化
物)で担体を予め被覆処理しなければならないという工
業的な不利がある。特開昭57−144031号公報記
載の触媒は、反応温度350℃における転化率が例えば
52%と低いこと、転化率を75〜91%にまで上げる
ためには触媒をアルゴン気流中500℃で前処理しなけ
ればならないことなどの問題点がある。
【0007】また、上記各引例において、実施例でメタ
ノールの分解反応を行っており、生成ガス中には約30
%程度の一酸化炭素が含まれている。従ってメタノール
の分解反応の後に水と混合して公知の水性ガス転化反応
により一酸化炭素から水素と炭酸ガスを生成させて水素
を分離する必要がある。このメタノールの分解反応は吸
熱反応であるので、外部加熱が必要であり、装置が複雑
となる。上記各メタノール改質用触媒は、触媒活性、副
生物の抑制、耐熱性が不十分である。自己熱供給型反応
器においては、メタノールの一部を酸化させるために、
酸化反応の起こる部分では水蒸気改質反応と比較して高
い温度となるので、耐熱性の高い触媒が要求される。ま
た、搭載容量等に制限ある車載用では改質反応器を小型
化する必要があり、高い活性の触媒が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、耐熱性に優れると共に、高活性のメタノール
改質用触媒を用い、メタノールに水蒸気と空気を反応さ
せて、自己熱供給型反応により、水素を主体とする改質
ガスを効率よく発生させ、工業的に有利に燃料電池用水
素を製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、酸化銅、酸化
亜鉛及び酸化アルミニウムを主成分とし、さらに白金及
び/又はパラジウムを含有する触媒、あるいは上記触媒
の前駆体を用い、メタノールに水蒸気及び空気を反応さ
せることにより、その目的を達成しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0010】すなわち、本発明は、触媒の存在下、メタ
ノールに水蒸気及び空気を反応させて水素を主体とする
改質ガスを製造するに当たり、上記触媒として、酸化
銅,酸化亜鉛及び酸化アルミニウムを主成分とし、さら
に白金及び/又はパラジウムを含むものを用いることを
特徴とする燃料電池用水素の製造方法を提供するもので
ある。すなわち、本発明は、(1)触媒の存在下、メタ
ノールに水蒸気及び空気を反応させて水素を主体とする
改質ガスを製造するに当たり、上記触媒として、酸化
銅,酸化亜鉛及び酸化アルミニウムを主成分とし、さら
に白金及び/又はパラジウムを含むものを用いることを
特徴とする燃料電池用水素の製造方法、及び(2)触媒
の存在下、メタノールに水蒸気及び空気を反応させて水
素を主体とする改質ガスを製造するに当たり、上記触媒
として、焼成により酸化物に変化しうる銅化合物,亜鉛
化合物及びアルミニウム化合物を含む前駆体混合物を主
成分とし、さらに焼成により酸化物に変化しうる白金及
び/又はパラジウムを含む触媒前駆体を用いることを特
徴とする燃料電池用水素の製造方法を提供するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池用水素の製造方
法は、メタノールに水蒸気と空気を反応させて、水素を
主体とする改質ガスを製造する方法であって、メタノー
ル改質用触媒として、(1)酸化銅,酸化亜鉛及び酸化
アルミニウムを主成分として、さらに白金及び/又はパ
ラジウムを含む触媒、又は(2)焼成により酸化物に変
化しうる酸化銅,酸化亜鉛及び酸化アルミニウムを含む
前駆体混合物を主成分とし、さらに焼成により酸化物に
変化しうる白金及び/又はパラジウムを含む触媒前駆体
を使用する。上記(1)の触媒は、(2)の触媒前駆体
を後述で説明するように、焼成処理することにより、調
製することができる。上記(2)の触媒前駆体において
は、主成分として、焼成により酸化物に変化しうる銅化
合物,亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を含む前駆体
混合物が用いられるが、この前駆体混合物の調製におい
て、原料として用いられる銅化合物,亜鉛化合物又はア
ルミニウム化合物としては、水溶性塩であって、その水
溶液を沈澱剤で処理して得られた沈澱物を焼成した際に
酸化物に変化しうる化合物が、好ましく用いられる。
【0012】このような銅化合物の例としては、酢酸
銅,硫酸銅,硝酸銅などの水溶性の有機酸塩や無機酸塩
が挙げられ、亜鉛化合物の例としては、酢酸亜鉛,硫酸
亜鉛,硝酸亜鉛などの水溶性の有機酸塩や無機酸塩が挙
げられ、アルミニウム化合物の例としては、硫酸アルミ
ニウムや硝酸アルミニウムなどの水に可溶な無機酸塩が
挙げられる。また、白金やパラジウムの原料としては塩
化白金酸塩や塩化パラジウムなどの水溶性化合物の他、
アセチルアセトナト白金、酢酸パラジウムなどの有機溶
媒に可溶な塩等が挙げられる。沈殿剤には水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ化合物が挙げら
れる。
【0013】アルミニウムの前駆体は水に可溶のアルミ
ニウム塩と塩基性沈殿剤とから調製されたものが好まし
く、例えばアルミニウムを含む水溶液と水酸化アルカリ
水溶液などから調製できる。前記前駆体混合物として
は、共沈澱法で調製されたスラリー状混合物又はその乾
燥粉末が用いられる。前記前駆体混合物は、ホウ素化合
物の共存下で、銅の無機酸塩水溶液とアルカリ沈殿及び
酸化亜鉛と炭酸ガスを用いて調製された前駆体スラリー
とアルミニウムの前駆体スラリーを混合して得られたス
ラリーから製造される。すなわち、この混合スラリーを
通常純水などで洗浄した後にスラリー状混合物として用
いること又はそのスラリーを濾過、洗浄し、乾燥して乾
燥粉として用いることができる。ホウ素化合物の原料と
してはホウ酸が好ましい。
【0014】スラリー状混合物で使用する場合は、白金
やパラジウムの前駆体スラリーを混合して用いることが
好ましい。白金やパラジウムの前駆体は水に可溶な白金
やパラジウムと塩基性沈殿剤とから調製したものが好ま
しい。他方、乾燥粉で使用する場合は、乾燥粉を真空乾
燥後、有機溶媒に可溶な白金やパラジウム塩をアセトン
などに溶かし、含浸法で添加することができる。白金と
パラジウム触媒とを含む触媒を製造する場合には、白金
化合物及びパラジウム化合物を同時に沈殿させて、白金
とパラジウムとを含む前駆体を混合することができ、ま
た白金前駆体とパラジウム前駆体とを併せて混合するこ
ともできる。
【0015】沈澱調製時の銅及び亜鉛化合物の水溶液中
の濃度は、好ましくは0.2〜3モル/リットル、より好
ましくは0.5〜2モル/リットルの範囲である。また、
沈澱剤の使用量は、化学量論的量の1〜2倍程度が好ま
しく、特に1.1〜1.6倍の範囲が好ましい。沈澱調製時
の温度は、通常20〜90℃、好ましくは35〜85℃
の範囲で選定される。このようにして調製された触媒前
駆体の組成は、銅/亜鉛の原子比で0.2〜12、好ま
しくは0.5〜10である。銅、亜鉛、アルミニウム及
び白金,パラジウムの金属原子としての組成は、通常銅
30〜80重量%、亜鉛15〜50重量%、アルミニウ
ム1〜20重量%、白金及び/又はパラジウム0.05〜
20重量%、好ましくは、それぞれ40〜70重量%、
20〜40重量%、4〜16重量%、0.1〜10重量%
である。またホウ素原子として、通常0.5〜3重量%で
ある。
【0016】このようにして得られた触媒前駆体スラリ
ーは、そのまま乾燥、あるいは乾燥・焼成し、破砕して
大きさを揃えて、又は成型して使用される。また得られ
たスラリーに必要に応じてアルミナゾルのようなバイン
ダーを添加して、担体や担体構造物に担持することがで
きる。担持後、乾燥してそのまま、あるいは焼成後使用
することができる。また、スラリーの乾燥品、又は乾
燥、焼成したものを粉砕し、水に懸濁させ、必要に応じ
てアルミナゾルのようなバインダーを添加して、担体及
び担体構造物に担持しても使用することができる。この
場合、担持後乾燥してそのまま、あるいは焼成後使用す
ることができる。乾燥温度は50〜150℃で、焼成は
空気中180〜500℃、好ましくは200〜450℃
で行われる。
【0017】本発明の方法においては、前記のようにし
て調製された触媒前駆体又はその焼成処理物からなるメ
タノール改質用触媒の存在下、メタノールに水蒸気と空
気を反応させ、自己熱供給型反応により、水素を主体と
する改質ガスを製造する。この反応においては、上記メ
タノール改質用触媒は、水蒸気改質の場合と同様に、例
えば水素及び一酸化炭素含有ガスによって活性化処理を
行ってもよく、また、活性化処理することなく、反応に
供することもできる。メタノールに水蒸気と空気を反応
させる際の反応条件としては、メタノールに対する水蒸
気のモル比は、通常1〜10モル、好ましくは1〜5モ
ルの範囲で選定され、一方、メタノールに対する空気の
モル比は、通常0.3〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0
モルの範囲で選定される。また、反応温度は、通常15
0〜600℃、好ましくは200〜500℃の範囲であ
り、メタノールのLHSV(液時空間速度)は0.1〜5
0h-1、好ましくは0.5〜40h-1である。反応圧力
は、常圧〜0.5MPaの範囲で選定される。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例に
おいて、次式による反応器出口ガス組成からのメタノー
ル反応率により触媒性能の評価を行った。 メタノール反応率(%)=([CO]+[CO2])/([CO]+[CO2]+
[CH3OH])×100
【0019】製造例1 炭酸ナトリウム(無水)177gを1000ミリリット
ルのイオン交換水と共に5リットルの丸底フラスコに入
れ溶解し、40℃とした。ここに硫酸銅(5水塩)31
5g、ホウ酸19.7g及びイオン交換水800ミリリ
ットルを40℃に調節した溶液を注下し、続いて酸化亜
鉛77.0gをイオン交換水300ミリリットルに分散
したスラリーを加え、直ちに炭酸ガスを6リットル/h
の割合で吹き込んだ。1時間後80℃に昇温し、30分
間保持した。二酸化炭素の吹き込みは2時間で停止し
た。次いで60℃まで冷却したのち、ここに硫酸アルミ
ニウム51.4gを150ミリリットルのイオン交換水
に溶解した溶液と水酸化ナトリウム21.9gを160
ミリリットルのイオン交換水に溶解した溶液とから調製
したスラリーを加え20分間攪拌した。このように調製
した混合スラリーを濾過し、0.05モル%の水酸化ナ
トリウム水溶液12リットルとイオン交換水3リットル
で洗浄した。続いて80℃で乾燥し、Cu-Zn-Al触媒を得
た。Cu-Zn-Al触媒粉末20gを酢酸パラジウム0.158
g のアセトン溶液50ミリリットルに浸漬し、減圧下3
0〜50℃にてアセトンを蒸発除去した。その後、36
0℃にて2時間焼成し、0.5wt%Pd-Cu-Zn-Al触媒を得
た。室温まで冷却後、打錠成形器で嵩密度が2.5g/
ミリリットルになるように成形した。打錠品を粉砕し、
篩で0.5〜1.0mmの範囲で粒径を揃え反応に供した。
この触媒をAとする。
【0020】製造例2 製造例1と同様の方法で、1.0wt%Pd-Cu-Zn-Al触媒を得
た。この触媒をBとする。
【0021】製造例3 製造例1と同様の方法で調製したCu-Zn-Al触媒の前駆体
の粉末をアセチルアセトナト白金0.151gのアセトン
溶液50ミリリットルに浸漬し、減圧下30〜50℃に
てアセトンを蒸発除去した。その後、360℃にて2時
間焼成し、0.5wt%Pt-Cu-Zn-Al触媒を得た。この触媒を
Cとする。
【0022】製造例4 製造例3で得た0.5wt%Pt-Cu-Zn-Al触媒を湿式粉砕し、
アルミナゾルを混合してスラリーとした後、コージェラ
イト製のハニカム(400セル/平方インチ)で、浸
漬、過剰分の吹き飛ばし、および乾燥の工程を繰り返
し、乾燥後の触媒担持量が150g/リットルになるよ
うに担持させた。この触媒をDとする。
【0023】製造例5 製造例1と同様な方法で調製した焼成前のCu-Zn-Al触媒
前駆体を用い、製造例4と同じ方法でコージェライト製
ハニカム(400セル/平方インチ)に186.9g/
リットルになるように担持させた。この触媒を6g/リ
ットル酢酸パラジウム−アセトン溶液に、浸漬および乾
燥を繰り返し、0.95g/リットルになるように酢酸パ
ラジウムを担持させた。この触媒は焼成後に換算する
と、0.3wt%Pd-Cu-Zn-Al触媒を150g/リットル担持
したことになる。この触媒をGとする。
【0024】製造比較例1 製造例1と同様の方法で調製したCu-Zn-Al触媒の前駆体
を焼成、打錠、粉砕し、粒径を揃えたCu-Zn-Al触媒を得
た。この触媒をEとする。
【0025】製造比較例2 製造例1と同様の方法で調製したCu-Zn-Al触媒を360
℃で2時間焼成後、湿式粉砕し、アルミナゾルを混合し
てスラリーとした後、コージェライト製のハニカム(4
00セル/平方インチ)で、浸漬、過剰分の吹き飛ば
し、および乾燥の工程を繰り返し、乾燥後の触媒担持量
が150g/リットルになるように担持させた。この触
媒をFとする。
【0026】製造比較例3 製造例1と同様な方法で調製した焼成前のCu-Zn-Al触媒
前駆体を用い、製造例4と同じ方法でコージェライト製
ハニカム(400セル/平方インチ)に187.5g/
リットルになるように担持させた。この触媒は焼成後に
換算すると、Cu-Zn-Al触媒を150g/リットル担持し
たことになる。この触媒をHとする。
【0027】実施例1〜3及び比較例1 触媒A,B,C,Eを、活性評価する前にメタノールL
HSV5h-1、180℃にて還元処理を実施した後、水
/メタノール比1.5のメタノール水溶液をメタノールL
HSVを変えて蒸発器に導入し、蒸発器出口後に空気を
混合し200℃の混合ガスとして触媒層に入るように導
入ラインの温度調節行った。反応は触媒層の出口温度が
250℃になるように空気量で制御した。反応後のガス
組成はガスクロマトグラフィーにより分析した。メタノ
ールLHSV15h-1、20h-1、25h-1におけるメ
タノール反応率の評価結果を第1表に示す。
【0028】
【表1】 第1表から分かるように、本発明に係る触媒を用いた実
施例1〜3は、メタノールのLHSV15〜25h-1
おいて、いずれも比較例1に比べてメタノール反応率が
高い。
【0029】実施例4〜6及び比較例2 触媒A,B,C,Eを、活性評価する前にメタノールL
HSV5h-1、180℃にて還元処理を実施した後、水
/メタノール比1.5のメタノール水溶液をメタノールL
HSV15h-1で蒸発器に導入し、蒸発器出口後に空気
を混合し200℃で触媒層に入るように導入ラインの温
度調節を行った。反応はLHSV20h -1で触媒層出口
温度が所定温度になるように空気量で制御した。反応後
のガス組成はガスクロマトグラフィにより分析した。触
媒層出口温度225℃、250℃、275℃におけるメ
タノール反応率の評価結果を第2表に示す。
【0030】
【表2】 第2表から分かるように、本発明に係る触媒を用いた実
施例4〜6は、触媒層温度225〜275℃において、
いずれも比較例2に比べてメタノール反応率が高い。
【0031】実施例7及び比較例3 触媒D,Fを、活性評価する前にメタノールLHSV5
-1、180℃にて還元処理を実施した後、水/メタノ
ール比1.5のメタノール水溶液をメタノールLHSV1
5h-1で蒸発器に導入し、蒸発器出口後に空気を混合し
200℃で触媒層に入るように導入ラインの温度調節を
行った。反応はLHSVを30h-1とし、触媒層出口温
度が250℃になるように空気量で制御した。反応後の
ガス組成はガスクロマトグラフィーにより分析した。反
応評価は触媒の耐熱性を簡易評価する目的で275℃、
メタノールLHSV30h-1で熱処理し、その前後に触
媒層出口温度を250℃に戻して測定した。処理時間0
h、2h、4hにおけるメタノール反応率の評価結果を
第3表に示す。
【0032】
【表3】 第3表から分かるように、本発明に係る触媒を用いた実
施例7は、比較例3に比べて耐熱性に優れる。
【0033】実施例5及び比較例3 触媒G、Hを活性評価する前にメタノールLHSV5h
-1、180℃にて還元処理を実施した後、水/メタノー
ル比1.5のメタノール水溶液をメタノールLHSVを変
えて蒸発器に導入し、蒸発器出口後に空気を混合し20
0℃の混合ガスとして触媒層に入るように導入ラインの
温度調節行った。反応は触媒層の出口温度が250℃に
なるように空気量で制御した。反応後のガス組成はガス
クロマトグラフィーにより分析した。メタノールLHS
V15h-1、20h-1、25h-1におけるメタノール反
応率の評価結果を第4表に示す。
【0034】
【表4】 第4表から分かるように、本発明に係る触媒を用いた実
施例5は、メタノールのLHSV15〜25h-1におい
て、いずれも比較例3に比べてメタノール反応率が高
い。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、耐熱性に優れる
と共に、高活性のメタノール改質用触媒を用い、メタノ
ールに水蒸気と空気を反応させて、自己熱供給型反応に
より、水素を主体とする改質ガスを効率よく発生させ、
燃料電池用水素を工業的に有利に製造することができ
る。また、実施例からも明らかなように、本発明による
銅、亜鉛及びアルミニウムを主成分として白金及び/又
はパラジウムを添加した触媒は、特に低温で活性が高く
耐熱処理による活性低下が少ない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 靖史 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 (72)発明者 米岡 幹男 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 (72)発明者 磯部 昭司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中 貴弘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 隅 英明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 古山 雅孝 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA06 EA07 EC01 EC03 4G069 AA05 AA08 AA15 BA03A BA03B BC31A BC31B BC35A BC35B BC72A BC72B BC75A BC75B CC25 CC32 FB08 FB30 5H027 AA04 AA05 AA06 BA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下、メタノールに水蒸気及び
    空気を反応させて水素を主体とする改質ガスを製造する
    に当たり、上記触媒として、酸化銅,酸化亜鉛及び酸化
    アルミニウムを主成分とし、さらに白金及び/又はパラ
    ジウムを含むものを用いることを特徴とする燃料電池用
    水素の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が、焼成により酸化物に変化しうる
    銅化合物,亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を含む前
    駆体混合物を主成分とし、さらに焼成により酸化物に変
    化しうる白金及び/又はパラジウムを含む触媒前駆体を
    焼成してなるものである請求項1記載の燃料電池用水素
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒の存在下、メタノールに水蒸気及び
    空気を反応させて水素を主体とする改質ガスを製造する
    に当たり、上記触媒として、焼成により酸化物に変化し
    うる銅化合物,亜鉛化合物及びアルミニウム化合物を含
    む前駆体混合物を主成分とし、さらに焼成により酸化物
    に変化しうる白金及び/又はパラジウムを含む触媒前駆
    体を用いることを特徴とする燃料電池用水素の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 銅化合物,亜鉛化合物及びアルミニウム
    化合物を含む前駆体混合物が共沈澱法で調製されたスラ
    リー状混合物又は乾燥粉末混合物である請求項2又は3
    記載の燃料電池用水素の製造方法。
  5. 【請求項5】 銅化合物,亜鉛化合物及びアルミニウム
    化合物を含む前駆体混合物が、ホウ素化合物の存在下
    で、銅の無機酸塩水溶液とアルカリ沈澱剤,及び酸化亜
    鉛と二酸化炭素を用いて調製したものである請求項4記
    載の燃料電池用水素の製造方法。
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