JP2001172592A - 紙工用接着剤 - Google Patents

紙工用接着剤

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JP2001172592A
JP2001172592A JP2000307316A JP2000307316A JP2001172592A JP 2001172592 A JP2001172592 A JP 2001172592A JP 2000307316 A JP2000307316 A JP 2000307316A JP 2000307316 A JP2000307316 A JP 2000307316A JP 2001172592 A JP2001172592 A JP 2001172592A
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polymerization
adhesive
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mol
vinyl
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JP2000307316A
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Seiji Tanimoto
征司 谷本
Naokiyo Inomata
尚清 猪俣
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期接着力、耐水接着力および放置安定性に
優れた紙工用接着剤を得ること。 【解決手段】 分子内にエチレン単位を1〜15モル%
含有する、けん化度95モル%以上のビニルアルコール
系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体の重合
体を分散質とする水性エマルジョンであって、該エマル
ジョンを製膜して得た皮膜を20℃の水中に24時間浸
漬した時、溶出率が1.5%以下および吸水率が30%
以下を示す水性エマルジョンを含む紙工用接着剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い耐水接着性、
初期接着性を有し、かつ放置安定性にも優れる紙工用接
着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール(以下、P
VAと略記することがある)はエチレン性不飽和単量
体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量
体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられてお
り、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得ら
れるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工用
およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用およ
び不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。しかしなが
ら、紙工用接着剤用途においては、耐水接着力が低い、
接着剤粘度の経時変化が大きい、低温時のエマルジョン
粘度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの
性質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが
大であることが知られている。
【0003】すなわち、乳化重合用分散剤としてのPV
A系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわ
ゆる“完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の“部
分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐
水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温
放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易
いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使
用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化
性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、両者のPVA系
重合体の併用、両者の中間的な鹸化度のPVA系重合体
の使用等が行われているが、耐水性、エマルジョン粘度
の低温放置安定性を同時に満足することはできなかっ
た。そこで、エチレン単位を含有するビニルアルコール
系重合体が提案(特開平11−21529、特開平11
−21380、特開平10−226774等)され、耐
水性と低温放置安定性が大幅に改善された。しかしなが
ら、エチレン単位を有していても、いわゆる完全鹸化P
VAであるが故に、乳化重合安定性の観点からは、部分
鹸化PVAに劣るため、多量のエチレン単位を含有する
ビニルアルコール系重合体を分散剤として用いねばなら
ない。また、多量のビニルアルコール系重合体を使用す
るために、耐水接着力、初期接着力、さらには放置安定
性の両者を完全に満足することができないのが現状であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで耐水接着力、初期接着力、さらには放置安
定性に優れる紙工用接着剤を提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する紙工用接着剤を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、分子内にエチレン単位を1〜15モル%
含有する、けん化度95モル%以上のビニルアルコール
系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体の重合
体を分散質とする水性エマルジョンであって、該エマル
ジョンを製膜して得た皮膜を20℃の水中に24時間浸
漬した時、溶出率が1.5%以下および吸水率が30%
以下を示す水性エマルジョンを含む紙工用接着剤が上記
目的を満足するものであることを見出し、本発明を完成
させるにいたった。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の紙工用接着剤に用いる水
性エマルジョンの分散剤として用いられる分子内にエチ
レン単位を1〜15モル%含有し、けん化度95モル%
以上のビニルアルコール系重合体は、ビニルエステルと
エチレンとの共重合体をけん化することにより得ること
ができる。
【0007】ここで、ビニルエステルとしては、蟻酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
【0008】エチレン単位の含有量としては、1〜15
モル%であることが必要であり、好ましくは3〜13
%、さらに好ましくは5〜12%である。エチレン単位
の含有量が1モル%未満の場合には、上述の耐水性と低
温放置安定性を同時に満足する水性エマルジョンが得ら
れず、15モル%を越える場合には、水溶性が低下し、
安定な水性エマルジョンが得られない懸念が生じる。
【0009】また、該分散剤は本発明の効果を損なわな
い範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合
したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメ
チルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウ
ム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラ
フルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリ
ルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、チオ
ール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合
物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量
体を、エチレンと共重合し、それをけん化することによ
って得られる末端変性物も用いることができる。
【0010】本発明の紙工用接着剤に用いる水性エマル
ジョンの分散剤として用いる分子内にエチレン単位を1
〜15モル%含有し、けん化度95モル%以上のビニル
アルコール系重合体のけん化度は、95モル%以上であ
ることが必要であり、より好ましくは、96モル%以
上、さらに好ましくは97モル%以上である。けん化度
が95モル%未満の場合には、耐水性に優れた水性エマ
ルジョンが得られない。該ビニルアルコール系重合体の
重合度は、100〜8000の範囲が好ましく、300
〜3000がより好ましい。重合度が100未満の場合
には、PVA保護コロイドとしての特徴が発揮されず、
8000を越える場合には、該PVA系重合体の工業的
な製造に問題がある。
【0011】本発明の紙工用接着剤に用いる水性エマル
ジョンの分散質を構成するビニルエステル系単量体とし
ては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好
ましい。
【0012】また、本発明の特徴を損なわない範囲で、
エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体を共重合
しても構わない。このような単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化
ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデ
ンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリ
ル酸およびそのエステル、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリ
ル酸およびそのエステル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれら
の四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルア
ミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−ス
チレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などの
スチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、
また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジ
エン系単量体が挙げられる。これらのうち、とくにエチ
レンをビニルエステル系単量体と併用することはひとつ
の好適な態様である。
【0013】本発明の紙工用接着剤に用いる水性エマル
ジョンは、該エマルジョンを製膜して得た皮膜を20℃
の水中に24時間浸漬した時、溶出率が1.5%以下お
よび吸水率が30%以下を示す水性エマルジョンである
ことが必要である。ここで溶出率、吸水率とは後述する
方法で測定される値であるが、溶出率は1.1%以下で
あることがより好適であり、また吸水率は27%以下で
あることがより好適である。溶出率が1.5%を越えた
場合、あるいは吸水率が30%を越えた場合、得られる
紙工用接着剤の耐水性が低下する恐れがある。
【0014】本発明の紙工用接着剤に用いる水性エマル
ジョンは、特に(1)分散剤として分子内にエチレン単
位を1〜15モル%含有する、けん化度95モル%以上
のビニルアルコール系重合体を用い、(2)過酸化水
素、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウムから選ば
れる少なくとも一種の重合開始剤をビニルエステル系単
量体に対してモル比で0.001〜0.01使用し、さ
らに(3)重合初期にビニルエステル系単量体を単量体
全量の5〜20重量%仕込み、かつ上記重合開始剤を初
期仕込みのビニルエステル系単量体に対してモル比で
0.005〜0.025一括添加する重合操作を行って
得た水性エマルジョンが好適に用いられる。
【0015】初期重合は、分散剤の水溶液に単量体、重
合開始剤を加え、重合温度50〜70℃、好適には55
〜65℃、重合時間15〜60分、好適には20〜50
分の条件下で行われる。初期重合において単量体は一括
添加することが好適である。初期重合はビニルエステル
の残存濃度(生成ポリマーに対する重量%)が10%以
下、好適には5%以下、さらに好適には1%以下になっ
た時点で終了する。初期重合後は、後期重合に入る。後
期重合では重合開始剤は一括添加が好適であるが、連続
添加あるいは断続添加でも良い。単量体は連続添加が好
適であるが、一括添加(ショット添加)でも良い。また
後期重合では、重合温度は初期重合温度よりも5〜30
℃高くすることが好適であり、55〜100℃、好適に
は60〜95℃、さらに好適には70〜90℃の範囲内
で行われる。重合圧力は、初期重合、後期重合とも常圧
で良いが、必要に応じ加圧する必要がある。特にビニル
エステルと他の単量体、例えばエチレンとの共重合体エ
マルジョンを製造する場合は、圧力下で行うことが必要
である。分散剤として使用するエチレン変性PVA系重
合体の使用量については特に制限はないが、単量体10
0重量部に対して好ましくは3〜20重量部、より好ま
しくは5〜15重量部の範囲である。該使用量が3重量
部未満および20重量部を越える場合には、重合安定性
が低下したり、放置安定性が低下することがある。本発
明においては、これらの分散剤の使用量は少量であって
も充分本発明の目的を達成することができる。
【0016】また、前記重合開始剤は還元剤と併用し、
レドックス系で用いられる場合もある。その場合、通
常、過酸化水素は酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガ
リットなどとともに用いられる。また、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウムは亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水
素ナトリウムなどとともに用いられる。還元剤の使用量
も特に限定されないが、通常、重合開始剤に対して、
0.05〜3.0当量用い、好ましくは0.1〜2.0
当量、より好ましくは0.3〜1.5当量用いる。
【0017】本発明の紙工用接着剤は、上記の方法で得
られる水性エマルジョンをそのまま用いることができる
が、必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲で、
従来公知の各種エマルジョンを添加して用いることがで
きる。なお、本発明の紙工用接着剤に用いる水性エマル
ジョンにおける分散剤としては、前述のけん化度95モ
ル%以上のエチレン変性PVA系重合体が用いられる
が、必要に応じて、従来公知のアニオン性、ノニオン性
あるいはカチオン性の界面活性剤や、PVA系重合体、
ヒドロキシエチルセルロースなどを併用することもでき
る。
【0018】本発明の紙工用接着剤は、初期接着力、耐
水接着力および放置安定性に優れており、紙管用接着
剤、製袋用接着剤、合紙、段ボール用等の紙、パルプ材
などの紙工用接着剤として広く用いられる。
【0019】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られた紙加工用接着剤の耐水
接着力、放置安定性を下記の要領で評価した。
【0020】(紙工用接着剤の評価) (1)皮膜の耐水性 得られた水性エマルジョンを20℃65%RH下で、P
ET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮
膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それ
を試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮膜
の吸水率、溶出率を求めた。 溶出率(%)={1−(浸漬後の皮膜絶乾重量)/(浸漬
前の皮膜絶乾重量)}×100 吸水率(%)={(浸漬後の皮膜吸水重量)/(浸漬前の
皮膜絶乾重量)−1}×100 ・浸漬前の皮膜絶乾重量;浸漬前の皮膜重量(含水)−
{浸漬前の皮膜重量(含水)× 皮膜含水率(%)/10
0} ・皮膜含水率;皮膜(20℃水に浸漬するサンフ゜ルとは別
のサンフ゜ル)を、105℃で4時間で絶乾し、皮膜の含水
率をあらかじめもとめる。 ・浸漬後の皮膜絶乾重量;浸漬後の皮膜を105℃で4時間
絶乾した重量。 ・浸漬後の皮膜吸水重量;浸漬後の皮膜を水から引き上
げた後、皮膜についた水をガーゼで拭き取った後秤量。 (2)初期接着力 JT製初期接着力試験機(JT−1)を用い、得られた
紙工用接着剤をクラフト紙に塗布して初期接着力を測定
した(圧締時間10秒間)。 (3)リングクラッシュ強度 紙管用原紙を2枚接着させた加工品を用い、JIS-P8126
にしたがって20℃、65%RH下の強度を測定した。 (4)耐水接着力 得られた紙工用接着剤をクラフト紙に30g/m2塗布
し、はりあわせてハンドロールで3回圧締した。乾燥
後、得られた加工品を30℃の水中に24時間浸漬し、
その後の接着状態を観察した。○紙破、△若干紙破、×
剥離 (5)放置安定性試験 紙工用接着剤を5℃および50℃に放置した場合の90
日後の粘度変化を観察した。
【0021】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.0
%、エチレン変性量7.0mol%)26gを仕込み95℃
で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒
素置換後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温
した後、酒石酸の10%水溶液を4.4gおよび5%過
酸化水素水3g(酢酸ビニルに対し、モル比で0.01
5)をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合
を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビ
ニルの残存量:1重量%未満)を確認した。酒石酸の1
0%水溶液を0.9gおよび5%過酸化水素水3gをシ
ョット添加後、酢酸ビニル234gを2時間にわたって
連続的に添加し、重合温度80℃に維持して重合を完結
させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用
いてろ過した。以上の結果、固形分濃度47.3%のポ
リ酢酸ビニル系エマルジョン(Em−1)が得られた。
このエマルジョンの評価を前述の方法により行った。結
果を表1に示す。
【0022】実施例2 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−126gを仕込み95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、20
0rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸
の10%水溶液を4.4gおよび5%過酸化水素水3g
をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開
始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニル
の残存量:1重量%未満)を確認した。酒石酸の10%
水溶液を0.9g添加し、1%過酸化水素水15gおよ
び酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に添加
して、重合温度80℃に維持して重合を完結させた。冷
却後、60メッシュのステンレス製金網を用いてろ過し
た。ろ過後のろ過残量により、実施例1と同様の方法で
重合安定性を評価した。以上の結果、固形分濃度47.
2%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン(Em−2)が得
られた。このエマルジョンの評価を前述の方法により行
った。結果をあわせて表1に示す。
【0023】実施例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−126gを仕込み95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、20
0rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸
の10%水溶液18gおよび酢酸ビニル26gを仕込
み、1%過酸化水素水85gを2.5時間にわたって連
続的に添加し、重合を開始した。重合開始30分後に初
期重合終了(酢酸ビニルの残存量:1重量%未満)を確
認し、さらに酢酸ビニル234gを2時間にわたって連
続的に添加した。酢酸ビニル添加終了後、1%過酸化水
素水4.8gをショットで添加し、重合温度80℃に維
持して重合を完結させた。冷却後、60メッシュのステ
ンレス製金網を用いてろ過した。ろ過後のろ過残量によ
り、実施例1と同様の方法で重合安定性を評価した。以
上の結果、固形分濃度47.6%のポリ酢酸ビニル系エ
マルジョン(Em−3)が得られた。このエマルジョン
の評価を前述の方法により行った。結果をあわせて表1
に示す。
【0024】実施例4 実施例1において用いたPVA−1を用いる代わりにP
VA−2(重合度1700、けん化度98.0%、エチ
レン変性量5.0mol%)を用いた他は実施例1と同様に
して固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジ
ョン(Em−4)が得られた。このエマルジョンの評価
を前述の方法により行った。結果をあわせて表1に示
す。
【0025】比較例1 実施例1において用いたPVA−1を用いる代わりにP
VA−3(重合度1700、けん化度98.5%、クラ
レ製PVA−117)を用いた他は実施例1と同様にし
て固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジョ
ン(Em−5)が得られた。このエマルジョンの評価を
前述の方法により行った。結果をあわせて表1に示す。
【0026】実施例5 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−126gを仕込み95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、20
0rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、亜硫酸
水素ナトリウム10%水溶液を20gおよび酢酸ビニル
26gを仕込み、1%過硫酸アンモニウム23.5gを
ショット添加して重合を開始し、重合開始30分後に初
期重合終了(酢酸ビニルの残存量:1重量%未満)を確
認した。次に酢酸ビニル234gを2時間にわたって連
続的に添加して重合を完結させた。冷却後、60メッシ
ュのステンレス製金網を用いてろ過した。ろ過後のろ過
残量により、実施例1と同様の方法で重合安定性を評価
した。以上の結果、固形分濃度47.3%のポリ酢酸ビ
ニル系エマルジョン(Em−6)が得られた。このエマ
ルジョンの評価を前述の方法により行った。結果をあわ
せて表1に示す。
【0027】実施例6 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−126gを仕込み95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、20
0rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、亜硫酸
水素ナトリウム10%水溶液を20gおよび酢酸ビニル
26gを仕込み、1%過硫酸カリウム27.9gをショ
ット添加して重合を開始した。重合開始30分後に初期
重合終了(酢酸ビニルの残存量:1重量%未満)を確認
した。次に酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続
的に添加して重合を完結させた。冷却後、60メッシュ
のステンレス製金網を用いてろ過した。ろ過後のろ過残
量により、実施例1と同様の方法で重合安定性を評価し
た。以上の結果、固形分濃度47.3%のポリ酢酸ビニ
ル系エマルジョン(Em−7)が得られた。このエマル
ジョンの評価を前述の方法により行った。結果をあわせ
て表1に示す。
【0028】比較例2 実施例1において用いたPVA−1を用いる代わりにP
VA−4(重合度1700、けん化度88.0%、クラ
レ製PVA−217)を用いた他は実施例1と同様にし
て固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジョ
ン(Em−8)が得られた。このエマルジョンの評価を
前述の方法により行った。結果をあわせて表1に示す。
【0029】比較例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−126gを仕込み95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、20
0rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸
の10%水溶液を12gおよび5%過酸化水素水30g
をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開
始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢酸ビニル
の残存量:1重量%未満)を確認した。次に酒石酸の1
0%水溶液を0.9gおよび5%過酸化水素水30gを
ショット添加後、酢酸ビニル234gを2時間にわたっ
て連続的に添加し、重合を完結させた。冷却後、60メ
ッシュのステンレス製金網を用いてろ過した。ろ過後の
ろ過残量により、実施例1と同様の方法で重合安定性を
評価した。以上の結果、固形分濃度47.5%のポリ酢
酸ビニル系エマルジョン(Em−9)が得られた。この
エマルジョンの評価を前述の方法により行った。結果を
あわせて表1に示す。
【0030】比較例4 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−126gを仕込み95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、20
0rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸
の10%水溶液を0.15gおよび5%過酸化水素水
0.1gをショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み
重合を開始した。重合開始30分後に初期重合終了(酢
酸ビニルの残存量:1重量%未満)を確認した。次に酒
石酸の10%水溶液を0.1gおよび5%過酸化水素水
0.1gをショット添加後、酢酸ビニル234gを2時
間にわたって連続的に添加し、重合温度80℃に維持し
て重合を行ったが、途中でブロック化し、水性エマルジ
ョンが得られなかった。なお、過酸化水素の全酢酸ビニ
ルに対するモル比は0.000097であり、過酸化水
素初期仕込み量の酢酸ビニル初期仕込み量に対するモル
比は0.00049であった。
【0031】比較例5 市販の高耐水性ポリ酢酸ビニル系エマルジョン:ワッカ
ー社製DPN-15を用い、前述の方法により評価を行った。
結果をあわせて表1に示す。
【0032】前述の実施例および比較例で使用したPV
A、重合開始剤量等を表2にまとめて示す
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明の紙工用接着剤は、初期接着力、
耐水接着力および放置安定性に優れており、紙管用接着
剤、製袋用接着剤、合紙、段ボール用等の紙、パルプ材
などの紙質材用接着剤として広く用いられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にエチレン単位を1〜15モル%
    含有する、けん化度95モル%以上のビニルアルコール
    系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体の重合
    体を分散質とする水性エマルジョンであって、該エマル
    ジョンを製膜して得た皮膜を20℃の水中に24時間浸
    漬した時、溶出率が1.5%以下および吸水率が30%
    以下を示す水性エマルジョンを含む紙工用接着剤。
  2. 【請求項2】 水性エマルジョンが、ビニルエステル系
    単量体を乳化重合するに際し、(1)分散剤として分子
    内にエチレン単位を1〜15モル%含有する、けん化度
    95モル%以上のビニルアルコール系重合体を用い、
    (2)過酸化水素、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カ
    リウムから選ばれる少なくとも一種の重合開始剤をビニ
    ルエステル系単量体に対してモル比で0.001〜0.
    01使用し、さらに(3)重合初期にビニルエステル系
    単量体を単量体全量の5〜20重量%仕込み、かつ上記
    重合開始剤を初期仕込みのビニルエステル系単量体に対
    してモル比で0.005〜0.025一括添加する重合
    操作を行って得た水性エマルジョンである請求項1記載
    の紙工用接着剤。
  3. 【請求項3】 紙工用接着剤が、紙管用接着剤である請
    求項1または2記載の紙工用接着剤。
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