JP2001040175A - 水性エマルジョンおよびその製造方法 - Google Patents
水性エマルジョンおよびその製造方法Info
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- JP2001040175A JP2001040175A JP11218671A JP21867199A JP2001040175A JP 2001040175 A JP2001040175 A JP 2001040175A JP 11218671 A JP11218671 A JP 11218671A JP 21867199 A JP21867199 A JP 21867199A JP 2001040175 A JP2001040175 A JP 2001040175A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐水性および低温放置安定性に優れた水性エ
マルジョンを得ること、および重合安定性に優れた製造
方法を提供すること。 【解決手段】 分子内にエチレン単位を1〜15モル%
含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系
重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体およびジ
エン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位
100重量部に対し、カルボキシル基含有エチレン性不
飽和単量体単位0.1〜20重量部を含有する重合体を
分散質とする水性エマルジョン。
マルジョンを得ること、および重合安定性に優れた製造
方法を提供すること。 【解決手段】 分子内にエチレン単位を1〜15モル%
含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系
重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体およびジ
エン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位
100重量部に対し、カルボキシル基含有エチレン性不
飽和単量体単位0.1〜20重量部を含有する重合体を
分散質とする水性エマルジョン。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性エマルジョン
およびその製造方法に関し、詳しくは、エチレン単位を
有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレ
ン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少
なくとも一種の単量体単位及びカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とする
水性エマルジョンおよびその製造方法に関する。さらに
詳細には、耐水性および低温放置安定性に優れる水性エ
マルジョンおよび重合安定性に優れる製造方法に関す
る。
およびその製造方法に関し、詳しくは、エチレン単位を
有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレ
ン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少
なくとも一種の単量体単位及びカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とする
水性エマルジョンおよびその製造方法に関する。さらに
詳細には、耐水性および低温放置安定性に優れる水性エ
マルジョンおよび重合安定性に優れる製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリビニルアルコール(以
下、PVAと略記することがある)はエチレン性不飽和
単量体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系
単量体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられて
おり、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得
られるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工
用およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用お
よび不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。しかしなが
ら、該水性エマルジョンのあるものは、流動性(高速塗
工性)が不足している、また耐水性が悪い、エマルジョ
ン粘度の温度依存性が大きい、低温時のエマルジョン粘
度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの性
質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが大
であることが知られている。
下、PVAと略記することがある)はエチレン性不飽和
単量体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系
単量体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられて
おり、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得
られるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工
用およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用お
よび不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。しかしなが
ら、該水性エマルジョンのあるものは、流動性(高速塗
工性)が不足している、また耐水性が悪い、エマルジョ
ン粘度の温度依存性が大きい、低温時のエマルジョン粘
度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの性
質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが大
であることが知られている。
【0003】すなわち、乳化重合用分散剤としてのPV
A系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわ
ゆる“完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の“部
分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐
水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温
放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易
いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使
用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化
性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、両者のPVA系
重合体の併用、両者の中間的な鹸化度のPVA系重合体
の使用等が行われているが、耐水性、エマルジョン粘度
の低温放置安定性を同時に満足することはできなかっ
た。そこで、エチレン単位を含有するビニルアルコール
系重合体が提案され、耐水性と低温放置安定性が大幅に
改善された。しかしながら、エチレン単位を有していて
も、いわゆる完全鹸化PVAであるが故に、乳化重合安
定性の観点からは、部分鹸化PVAに劣るため、多量の
エチレン単位を含有するビニルアルコール系重合体を分
散剤として用いねばならない。また、多量のビニルアル
コール系重合体を使用するために、耐水性と放置安定性
の両者を完全に満足することができないのが現状であっ
た。
A系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわ
ゆる“完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の“部
分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐
水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温
放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易
いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使
用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化
性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、両者のPVA系
重合体の併用、両者の中間的な鹸化度のPVA系重合体
の使用等が行われているが、耐水性、エマルジョン粘度
の低温放置安定性を同時に満足することはできなかっ
た。そこで、エチレン単位を含有するビニルアルコール
系重合体が提案され、耐水性と低温放置安定性が大幅に
改善された。しかしながら、エチレン単位を有していて
も、いわゆる完全鹸化PVAであるが故に、乳化重合安
定性の観点からは、部分鹸化PVAに劣るため、多量の
エチレン単位を含有するビニルアルコール系重合体を分
散剤として用いねばならない。また、多量のビニルアル
コール系重合体を使用するために、耐水性と放置安定性
の両者を完全に満足することができないのが現状であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで耐水性、低温放置安定性の両者に優れる水
性エマルジョンおよび重合安定性に優れる製造方法を提
供することを目的とするものである。
事情のもとで耐水性、低温放置安定性の両者に優れる水
性エマルジョンおよび重合安定性に優れる製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する水性エマルジョンを開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、分散剤として分子内にエチレン単位
を1〜15モル%含有し、けん化度95モル%以上のビ
ニルアルコール系重合体を用い、エチレン性不飽和単量
体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の
単量体単位100重量部に対し、カルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体単位0.1〜20重量部を含有す
る重合体を分散質とする水性エマルジョン、および上記
のビニルアルコール系重合体を分散剤として、エチレン
性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少な
くとも一種の単量体100重量部に対し、カルボキシル
基含有エチレン性不飽和単量体0.1〜20重量部を乳
化重合することにより得られる水性エマルジョンおよび
その製造方法が上記目的を満足するものであることを見
出し、本発明を完成した。
ましい性質を有する水性エマルジョンを開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、分散剤として分子内にエチレン単位
を1〜15モル%含有し、けん化度95モル%以上のビ
ニルアルコール系重合体を用い、エチレン性不飽和単量
体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の
単量体単位100重量部に対し、カルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体単位0.1〜20重量部を含有す
る重合体を分散質とする水性エマルジョン、および上記
のビニルアルコール系重合体を分散剤として、エチレン
性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少な
くとも一種の単量体100重量部に対し、カルボキシル
基含有エチレン性不飽和単量体0.1〜20重量部を乳
化重合することにより得られる水性エマルジョンおよび
その製造方法が上記目的を満足するものであることを見
出し、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水性エマルジョンの分散
剤として用いられる分子内にエチレン単位を1〜15モ
ル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコー
ル系重合体は、ビニルエステルとエチレンとの共重合体
をけん化することにより得ることができる。
剤として用いられる分子内にエチレン単位を1〜15モ
ル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコー
ル系重合体は、ビニルエステルとエチレンとの共重合体
をけん化することにより得ることができる。
【0007】ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど
が挙げられるが、酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど
が挙げられるが、酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。
【0008】エチレン単位の含有量としては、1〜15
モル%であることが必要であり、好ましくは3〜13
%、さらに好ましくは5〜12%である。エチレン単位
の含有量が1モル%未満の場合には、上述の耐水性と低
温放置安定性を同時に満足する水性エマルジョンが得ら
れず、15モル%を越える場合には、水溶性が低下し、
安定な水性エマルジョンが得られない懸念が生じる。
モル%であることが必要であり、好ましくは3〜13
%、さらに好ましくは5〜12%である。エチレン単位
の含有量が1モル%未満の場合には、上述の耐水性と低
温放置安定性を同時に満足する水性エマルジョンが得ら
れず、15モル%を越える場合には、水溶性が低下し、
安定な水性エマルジョンが得られない懸念が生じる。
【0009】また、該分散剤は本発明の効果を損なわな
い範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合
したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無
水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン
酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリ
ルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロ
リド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニ
ル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホ
ン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙
げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン
酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどの
ビニルエステル系単量体を、エチレンと共重合し、それ
をけん化することによって得られる末端変性物も用いる
ことができる。
い範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合
したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無
水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン
酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリ
ルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロ
リド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニ
ル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホ
ン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙
げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン
酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどの
ビニルエステル系単量体を、エチレンと共重合し、それ
をけん化することによって得られる末端変性物も用いる
ことができる。
【0010】本発明の水性エマルジョンの分散剤として
用いる分子内にエチレン単位を1〜15モル%含有し、
けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体の
けん化度は、95モル%以上であることが必要であり、
より好ましくは、96モル%以上、さらに好ましくは9
7モル%以上である。けん化度が95モル%未満の場合
には、耐水性に優れた水性エマルジョンが得られない。
該ビニルアルコール系重合体の重合度は、100〜80
00の範囲が好ましく、300〜3000がより好まし
い。重合度が100未満の場合には、PVA保護コロイ
ドとしての特徴が発揮されず、8000を越える場合に
は、該PVA系重合体の工業的な製造に問題がある。
用いる分子内にエチレン単位を1〜15モル%含有し、
けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体の
けん化度は、95モル%以上であることが必要であり、
より好ましくは、96モル%以上、さらに好ましくは9
7モル%以上である。けん化度が95モル%未満の場合
には、耐水性に優れた水性エマルジョンが得られない。
該ビニルアルコール系重合体の重合度は、100〜80
00の範囲が好ましく、300〜3000がより好まし
い。重合度が100未満の場合には、PVA保護コロイ
ドとしての特徴が発揮されず、8000を越える場合に
は、該PVA系重合体の工業的な製造に問題がある。
【0011】本発明の水性エマルジョンにおける分散質
を構成するエチレン性不飽和単量体およびジエン系単量
体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位としては、
エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィ
ン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、
ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、ギ
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメ
タクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの
四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミ
ド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチ
レンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などのス
チレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、ま
た、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエ
ン系単量体が挙げられ、これらは単独あるいは二種以上
混合して用いられる。上記エチレン性不飽和単量体の中
でも、ビニルエステル系単量体、エチレンとビニルエス
テル系単量体との併用が好適である。
を構成するエチレン性不飽和単量体およびジエン系単量
体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位としては、
エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィ
ン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、
ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、ギ
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメ
タクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの
四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミ
ド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチ
レンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などのス
チレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、ま
た、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエ
ン系単量体が挙げられ、これらは単独あるいは二種以上
混合して用いられる。上記エチレン性不飽和単量体の中
でも、ビニルエステル系単量体、エチレンとビニルエス
テル系単量体との併用が好適である。
【0012】また、本発明においてはカルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体を用いることが不可欠であ
る。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体として
は特に制限されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸等が挙げられ、特にアクリル
酸が好適に用いられる。
有エチレン性不飽和単量体を用いることが不可欠であ
る。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体として
は特に制限されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸等が挙げられ、特にアクリル
酸が好適に用いられる。
【0013】本発明の水性エマルジョンは、前述したエ
チレン単位を有するビニルアルコール系重合体(以後エ
チレン変性PVAと略記することがある)の水溶液を分
散剤に用いて、従来公知の重合開始剤の存在下に、上記
エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ば
れる少なくとも一種の単量体およびカルボキシル基含有
エチレン性不飽和単量体を一時又は連続的に添加して、
乳化重合することにより得られる。また、エチレン性不
飽和単量体を、予めエチレン単位を有するビニルアルコ
ール系重合体水溶液を用いて乳化したものを、連続的に
重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。該エチ
レン変性PVA系重合体の使用量については特に制限は
ないが、上記エチレン性不飽和単量体およびジエン系単
量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位とカルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する重
合体100重量部に対して好ましくは1〜30重量部、
より好ましくは2〜20重量部の範囲である。該使用量
が1重量部未満および30重量部を越える場合には、重
合安定性が低下したり、初期接着力や耐水接着力が低下
することがある。本発明の水性エマルジョンは、上記の
方法で得られる水性エマルジョンをそのまま用いること
ができるが、必要があれば、本発明の効果を損なわない
範囲で、従来公知の各種エマルジョンを添加して用いる
ことができる。なお、本発明の水性エマルジョンにおけ
る分散剤としては、前述のエチレン変性PVA系重合体
が用いられるが、必要に応じて、従来公知のアニオン
性、ノニオン性あるいはカチオン性の界面活性剤や、P
VA系重合体、ヒドロキシエチルセルロースなどを併用
することもできる。
チレン単位を有するビニルアルコール系重合体(以後エ
チレン変性PVAと略記することがある)の水溶液を分
散剤に用いて、従来公知の重合開始剤の存在下に、上記
エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ば
れる少なくとも一種の単量体およびカルボキシル基含有
エチレン性不飽和単量体を一時又は連続的に添加して、
乳化重合することにより得られる。また、エチレン性不
飽和単量体を、予めエチレン単位を有するビニルアルコ
ール系重合体水溶液を用いて乳化したものを、連続的に
重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。該エチ
レン変性PVA系重合体の使用量については特に制限は
ないが、上記エチレン性不飽和単量体およびジエン系単
量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位とカルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を含有する重
合体100重量部に対して好ましくは1〜30重量部、
より好ましくは2〜20重量部の範囲である。該使用量
が1重量部未満および30重量部を越える場合には、重
合安定性が低下したり、初期接着力や耐水接着力が低下
することがある。本発明の水性エマルジョンは、上記の
方法で得られる水性エマルジョンをそのまま用いること
ができるが、必要があれば、本発明の効果を損なわない
範囲で、従来公知の各種エマルジョンを添加して用いる
ことができる。なお、本発明の水性エマルジョンにおけ
る分散剤としては、前述のエチレン変性PVA系重合体
が用いられるが、必要に応じて、従来公知のアニオン
性、ノニオン性あるいはカチオン性の界面活性剤や、P
VA系重合体、ヒドロキシエチルセルロースなどを併用
することもできる。
【0014】本発明において、カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和単量体および
ジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体1
00重量部に対して、0.1〜20重量部用いることが
重要で、好ましくは0.2〜15重量部、より好ましく
は0.25〜10重量部である。カルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体が0.1重量部未満の場合、重合
安定性向上が見られない可能性があり、20重量部をこ
えると得られたエマルジョンの耐水性が低下することが
ある。
レン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和単量体および
ジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体1
00重量部に対して、0.1〜20重量部用いることが
重要で、好ましくは0.2〜15重量部、より好ましく
は0.25〜10重量部である。カルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体が0.1重量部未満の場合、重合
安定性向上が見られない可能性があり、20重量部をこ
えると得られたエマルジョンの耐水性が低下することが
ある。
【0015】また、カルボキシル基含有エチレン性不飽
和単量体の添加方法も特に制限されないが、カルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体をエチレン性不飽和単
量体あるいはジエン系単量体に均一に混合して使用す
る、あるいは、重合初期に投入する単量体のなかにカル
ボキシル基含有エチレン性不飽和単量体全量を投入する
方法などが挙げられる。
和単量体の添加方法も特に制限されないが、カルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体をエチレン性不飽和単
量体あるいはジエン系単量体に均一に混合して使用す
る、あるいは、重合初期に投入する単量体のなかにカル
ボキシル基含有エチレン性不飽和単量体全量を投入する
方法などが挙げられる。
【0016】本発明の水性エマルジョンは、耐水性およ
び低温放置安定性に優れており、紙用、木工用およびプ
ラスチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバイン
ダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工
などの分野で好適に用いられる。
び低温放置安定性に優れており、紙用、木工用およびプ
ラスチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバイン
ダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工
などの分野で好適に用いられる。
【0017】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエマルジョンの耐水
性、低温放置安定性を、下記の要領で評価した。
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエマルジョンの耐水
性、低温放置安定性を、下記の要領で評価した。
【0018】(エマルジョンの評価) (1)皮膜の耐水性 得られた水性エマルジョンを20℃65%RH下で、P
ET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮
膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それ
を試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮膜
の吸水率、溶出率を求めた。 (2)耐水接着力 ライナー紙にバーコーターによって、エマルジョンを5
0g/m2塗布し、ただちに同種のライナー紙を貼り合
わせ、ハンドローラーによって軽く圧締、接着し、20
℃、相対湿度(RH)65%下にて24時間養生して試
験体とした。 ・耐水性試験 上記試験体を30℃の水中に24時間浸漬後の剥離状態
を観察し、5段階(1:自然剥離、2:紙破率0%、
3:紙破率40%、4:紙破率75%、5:紙破率10
0%)で評価した。 (3)低温放置安定性試験 エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の30
日後の粘度変化を観察した。
ET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮
膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それ
を試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮膜
の吸水率、溶出率を求めた。 (2)耐水接着力 ライナー紙にバーコーターによって、エマルジョンを5
0g/m2塗布し、ただちに同種のライナー紙を貼り合
わせ、ハンドローラーによって軽く圧締、接着し、20
℃、相対湿度(RH)65%下にて24時間養生して試
験体とした。 ・耐水性試験 上記試験体を30℃の水中に24時間浸漬後の剥離状態
を観察し、5段階(1:自然剥離、2:紙破率0%、
3:紙破率40%、4:紙破率75%、5:紙破率10
0%)で評価した。 (3)低温放置安定性試験 エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の30
日後の粘度変化を観察した。
【0019】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水260
g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.0
%、エチレン変性量7.0mol%)37gを仕込み95℃
で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒
素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル37
g、アクリル酸3.7gを仕込み、60℃に昇温した
後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下
で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル3
33gを3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結
させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用
いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、下記の基準で
重合安定性を評価した。 ◎ ろ過残なし ○ 0.5g未満 △ 0.5〜2g × 2g以上 ろ過残量が少ないほど重合安定性が優れ、多いほど重合
安定性が悪いことを示す。以上の結果、固形分濃度4
8.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。
このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタ
レート5部を添加混合した(Em−1)。このエマルジ
ョンの評価を前述の方法により行った。結果を表1に示
す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水260
g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.0
%、エチレン変性量7.0mol%)37gを仕込み95℃
で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒
素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル37
g、アクリル酸3.7gを仕込み、60℃に昇温した
後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下
で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル3
33gを3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結
させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用
いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、下記の基準で
重合安定性を評価した。 ◎ ろ過残なし ○ 0.5g未満 △ 0.5〜2g × 2g以上 ろ過残量が少ないほど重合安定性が優れ、多いほど重合
安定性が悪いことを示す。以上の結果、固形分濃度4
8.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。
このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタ
レート5部を添加混合した(Em−1)。このエマルジ
ョンの評価を前述の方法により行った。結果を表1に示
す。
【0020】実施例2 実施例1においてアクリル酸の量を10gとした以外
は、実施例1と同様にして固形分濃度48.9%のポリ
酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添
加混合し(Em−2)、評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
は、実施例1と同様にして固形分濃度48.9%のポリ
酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添
加混合し(Em−2)、評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
【0021】比較例1 実施例1においてアクリル酸を用いなかった以外は、実
施例1と同様にして固形分濃度48.4%のポリ酢酸ビ
ニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの10
0重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合し
(Em−3)、評価を前述の方法により行った。結果を
表1に示す。
施例1と同様にして固形分濃度48.4%のポリ酢酸ビ
ニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの10
0重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合し
(Em−3)、評価を前述の方法により行った。結果を
表1に示す。
【0022】比較例2 実施例1においてアクリル酸の量を0.1gとした以外
は、実施例1と同様にして固形分濃度48.9%のポリ
酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添
加混合し(Em−4)、評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
は、実施例1と同様にして固形分濃度48.9%のポリ
酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添
加混合し(Em−4)、評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
【0023】比較例3 実施例1においてアクリル酸の量を100gとした以外
は、実施例1と同様にして固形分濃度48.7%のポリ
酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添
加混合し(Em−5)、評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
は、実施例1と同様にして固形分濃度48.7%のポリ
酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添
加混合し(Em−5)、評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
【0024】比較例4 実施例1においてPVA−1を用いる代わりに、PVA
−2( PVA−117;重合度1700、けん化度9
8.5%)を用い、アクリル酸を用いなかった以外は、
実施例1と同様にして固形分濃度48.3%のポリ酢酸
ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの1
00重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合
し(Em−6)、評価を前述の方法により行った。結果
を表1に示す。
−2( PVA−117;重合度1700、けん化度9
8.5%)を用い、アクリル酸を用いなかった以外は、
実施例1と同様にして固形分濃度48.3%のポリ酢酸
ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの1
00重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合
し(Em−6)、評価を前述の方法により行った。結果
を表1に示す。
【0025】比較例5 実施例1においてPVA−1を用いる代わりに、PVA
−3( PVA−217;重合度1700、けん化度8
8.0%)を用い、アクリル酸を用いなかった以外は、
実施例1と同様にして固形分濃度48.4%のポリ酢酸
ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの1
00重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合
し(Em−7)、評価を前述の方法により行った。結果
を表1に示す。
−3( PVA−217;重合度1700、けん化度8
8.0%)を用い、アクリル酸を用いなかった以外は、
実施例1と同様にして固形分濃度48.4%のポリ酢酸
ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの1
00重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合
し(Em−7)、評価を前述の方法により行った。結果
を表1に示す。
【0026】実施例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水270
g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.0
%、エチレン変性量7.0mol%)48gを仕込み95℃
で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒
素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル37
g、アクリル酸3.7gを仕込み、60℃に昇温した
後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下
で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル3
33gを3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結
させた。重合中に凝集などがなく、重合安定性に優れて
おり、固形分濃度48.6%のポリ酢酸ビニル系エマル
ジョンが得られた。このエマルジョンの100重量部に
対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em−
8)。このエマルジョンの評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水270
g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.0
%、エチレン変性量7.0mol%)48gを仕込み95℃
で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒
素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル37
g、アクリル酸3.7gを仕込み、60℃に昇温した
後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下
で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル3
33gを3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結
させた。重合中に凝集などがなく、重合安定性に優れて
おり、固形分濃度48.6%のポリ酢酸ビニル系エマル
ジョンが得られた。このエマルジョンの100重量部に
対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em−
8)。このエマルジョンの評価を前述の方法により行っ
た。結果を表1に示す。
【0027】比較例6 実施例3においてアクリル酸を用いなかった以外は、実
施例3と同様にして固形分濃度48.5%のポリ酢酸ビ
ニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの10
0重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合し
(Em−9)、評価を前述の方法により行った。結果を
表1に示す。
施例3と同様にして固形分濃度48.5%のポリ酢酸ビ
ニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの10
0重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合し
(Em−9)、評価を前述の方法により行った。結果を
表1に示す。
【0028】実施例4 窒素吹き込み口、温度計、撹拌機を備えた耐圧オートク
レーブにPVA−4(重合度1700、けん化度98.
0%、エチレン変性量4.0mol%)の4.5%水溶液1
00部を仕込み、60℃に昇温してから、窒素置換を行
った。酢酸ビニル80部およびアクリル酸2.4部を仕
込んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧し、0.5%
過酸化水素水溶液/5%ロンガリット水溶液を圧入し、
重合を開始した。残存酢酸ビニル濃度が10%となった
ところで、エチレン放出し、エチレン圧力20kg/cm2と
し、3%過酸化水素水溶液を圧入し重合を完結させた。
重合中に凝集などがなく、重合安定性に優れており、固
形分濃度49.5%、エチレン含量10重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−10)が
得られた。評価を前述の方法により行った。結果を表1
に示す。
レーブにPVA−4(重合度1700、けん化度98.
0%、エチレン変性量4.0mol%)の4.5%水溶液1
00部を仕込み、60℃に昇温してから、窒素置換を行
った。酢酸ビニル80部およびアクリル酸2.4部を仕
込んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧し、0.5%
過酸化水素水溶液/5%ロンガリット水溶液を圧入し、
重合を開始した。残存酢酸ビニル濃度が10%となった
ところで、エチレン放出し、エチレン圧力20kg/cm2と
し、3%過酸化水素水溶液を圧入し重合を完結させた。
重合中に凝集などがなく、重合安定性に優れており、固
形分濃度49.5%、エチレン含量10重量%のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−10)が
得られた。評価を前述の方法により行った。結果を表1
に示す。
【0029】比較例7 実施例4においてアクリル酸を用いなかった以外は、実
施例4と同様にして固形分濃度49.6%のエチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−11)が得ら
れた。評価を前述の方法により行った。結果を表1に示
す。
施例4と同様にして固形分濃度49.6%のエチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルジョン(Em−11)が得ら
れた。評価を前述の方法により行った。結果を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の水性エマルジョンは、耐水性お
よび低温放置安定性に優れており、紙用、木工用および
プラスチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバイ
ンダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加
工などの分野で好適に用いられる。また、本発明の水性
エマルジョンの製造方法は、重合安定性に優れている。
よび低温放置安定性に優れており、紙用、木工用および
プラスチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバイ
ンダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加
工などの分野で好適に用いられる。また、本発明の水性
エマルジョンの製造方法は、重合安定性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220:06) (C08F 218/02 220:06) Fターム(参考) 4J002 AC031 AC061 AC091 BB021 BB111 BB181 BC021 BC091 BC121 BD031 BD101 BD131 BD141 BE032 BF011 BF021 BG041 BG051 BG071 BG121 BJ001 FD312 GH01 GJ01 GK02 GK04 HA07 4J011 KA16 KB14 KB29 4J100 AA02P AA03P AA06P AC03P AC04P AC23P AC24P AG02P AG04P AJ02Q AJ08Q AK32Q AL03P AL04P AL05P AL08P AL09P AM15P BA03P BA31P BA56P CA04 CA05 EA06 FA03 FA20 JA01 JA03 JA11 JA13
Claims (5)
- 【請求項1】 分子内にエチレン単位を1〜15モル%
含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系
重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体およびジ
エン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位
100重量部に対し、カルボキシル基含有エチレン性不
飽和単量体単位0.1〜20重量部を含有する重合体を
分散質とする水性エマルジョン。 - 【請求項2】エチレン性不飽和単量体およびジエン系単
量体から選ばれる少なくとも一種の単量体が、ビニルエ
ステル系単量体とエチレンである請求項1記載の水性エ
マルジョン。 - 【請求項3】エチレン性不飽和単量体およびジエン系単
量体から選ばれる少なくとも一種の単量体が、ビニルエ
ステル系単量体である請求項1記載の水性エマルジョ
ン。 - 【請求項4】カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体が、アクリル酸である請求項1〜3のいずれかに記載
の水性エマルジョン。 - 【請求項5】 分子内にエチレン単位を1〜15モル%
含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系
重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体およびジ
エン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体10
0重量部に対し、カルボキシル基含有エチレン性不飽和
単量体0.1〜20重量部を乳化重合することを特徴と
する水性エマルジョンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11218671A JP2001040175A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 水性エマルジョンおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11218671A JP2001040175A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 水性エマルジョンおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001040175A true JP2001040175A (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16723608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11218671A Pending JP2001040175A (ja) | 1999-08-02 | 1999-08-02 | 水性エマルジョンおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001040175A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104926980A (zh) * | 2015-07-15 | 2015-09-23 | 安徽理工大学 | 一种高固含量改性聚醋酸乙烯酯的制备方法 |
-
1999
- 1999-08-02 JP JP11218671A patent/JP2001040175A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104926980A (zh) * | 2015-07-15 | 2015-09-23 | 安徽理工大学 | 一种高固含量改性聚醋酸乙烯酯的制备方法 |
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