JP2001106855A - 水性エマルジョン - Google Patents
水性エマルジョンInfo
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- JP2001106855A JP2001106855A JP28752999A JP28752999A JP2001106855A JP 2001106855 A JP2001106855 A JP 2001106855A JP 28752999 A JP28752999 A JP 28752999A JP 28752999 A JP28752999 A JP 28752999A JP 2001106855 A JP2001106855 A JP 2001106855A
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- polymerization
- aqueous emulsion
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐水性および放置安定性に優れた水性エマル
ジョンを得ること。 【解決手段】 けん化度95モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体単
位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンにお
いて、該エマルジョンを製膜した皮膜を20℃水中に2
4時間浸漬した場合の溶出率が2.5%以下であること
を特徴とする水性エマルジョン。
ジョンを得ること。 【解決手段】 けん化度95モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体単
位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンにお
いて、該エマルジョンを製膜した皮膜を20℃水中に2
4時間浸漬した場合の溶出率が2.5%以下であること
を特徴とする水性エマルジョン。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性および放置
安定性に優れる水性エマルジョンに関する。
安定性に優れる水性エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール(以下、P
VAと略記することがある)はエチレン性不飽和単量
体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量
体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられてお
り、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得ら
れるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工用
およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用およ
び不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。しかしなが
ら、該水性エマルジョンのあるものは、流動性(高速塗
工性)が不足している、また耐水性が悪い、エマルジョ
ン粘度の温度依存性が大きい、低温時のエマルジョン粘
度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの性
質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが大
であることが知られている。
VAと略記することがある)はエチレン性不飽和単量
体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量
体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられてお
り、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得ら
れるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工用
およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用およ
び不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。しかしなが
ら、該水性エマルジョンのあるものは、流動性(高速塗
工性)が不足している、また耐水性が悪い、エマルジョ
ン粘度の温度依存性が大きい、低温時のエマルジョン粘
度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの性
質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが大
であることが知られている。
【0003】すなわち、乳化重合用分散剤としてのPV
A系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわ
ゆる“完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の“部
分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐
水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温
放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易
いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使
用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化
性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、両者のPVA系
重合体の併用、両者の中間的な鹸化度のPVA系重合体
の使用等が行われているが、耐水性、エマルジョン粘度
の低温放置安定性を同時に満足することはできなかっ
た。そこで、エチレン単位を含有するビニルアルコール
系重合体が提案(特開平11−21529、特開平11
−21380、特開平10−226774等)され、耐
水性と低温放置安定性が大幅に改善された。しかしなが
ら、エチレン単位を有していても、いわゆる完全鹸化P
VAであるが故に、乳化重合安定性の観点からは、部分
鹸化PVAに劣るため、多量のエチレン単位を含有する
ビニルアルコール系重合体を分散剤として用いねばなら
ない。また、多量のビニルアルコール系重合体を使用す
るために、耐水性と放置安定性の両者を完全に満足する
ことができないのが現状であった。
A系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわ
ゆる“完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の“部
分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐
水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温
放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易
いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使
用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化
性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、両者のPVA系
重合体の併用、両者の中間的な鹸化度のPVA系重合体
の使用等が行われているが、耐水性、エマルジョン粘度
の低温放置安定性を同時に満足することはできなかっ
た。そこで、エチレン単位を含有するビニルアルコール
系重合体が提案(特開平11−21529、特開平11
−21380、特開平10−226774等)され、耐
水性と低温放置安定性が大幅に改善された。しかしなが
ら、エチレン単位を有していても、いわゆる完全鹸化P
VAであるが故に、乳化重合安定性の観点からは、部分
鹸化PVAに劣るため、多量のエチレン単位を含有する
ビニルアルコール系重合体を分散剤として用いねばなら
ない。また、多量のビニルアルコール系重合体を使用す
るために、耐水性と放置安定性の両者を完全に満足する
ことができないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで耐水性、放置安定性の両者に優れる水性エ
マルジョンを提供することを目的とするものである。
事情のもとで耐水性、放置安定性の両者に優れる水性エ
マルジョンを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する水性エマルジョンを開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、けん化度95モル%以上のビニルア
ルコール系重合体を分散剤として、ビニルエステル系単
量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョ
ンにおいて、該エマルジョンを製膜した皮膜を20℃水
中に24時間浸漬した場合の溶出率が2.5%以下であ
ることを特徴とする水性エマルジョンが上記目的を満足
するものであることを見出した。また、該エマルジョン
を製膜した皮膜を20℃水中に24時間浸漬した場合の
吸水率が30%以下であることを特徴とする水性エマル
ジョンがより好ましいものであることを見出した。さら
にはビニルアルコール系重合体が分子内にエチレン単位
を1〜15モル%含有し、けん化度95モル%以上のビ
ニルアルコール系重合体である場合、さらに好ましい物
性を有する水性エマルジョンになることを見出し、本発
明を完成させるにいたった。
ましい性質を有する水性エマルジョンを開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、けん化度95モル%以上のビニルア
ルコール系重合体を分散剤として、ビニルエステル系単
量体単位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョ
ンにおいて、該エマルジョンを製膜した皮膜を20℃水
中に24時間浸漬した場合の溶出率が2.5%以下であ
ることを特徴とする水性エマルジョンが上記目的を満足
するものであることを見出した。また、該エマルジョン
を製膜した皮膜を20℃水中に24時間浸漬した場合の
吸水率が30%以下であることを特徴とする水性エマル
ジョンがより好ましいものであることを見出した。さら
にはビニルアルコール系重合体が分子内にエチレン単位
を1〜15モル%含有し、けん化度95モル%以上のビ
ニルアルコール系重合体である場合、さらに好ましい物
性を有する水性エマルジョンになることを見出し、本発
明を完成させるにいたった。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水性エマルジョンの分散
剤として用いられる、けん化度95モル%以上のビニル
アルコール系重合体は、常法により、ビニルエステル系
重合体をけん化することにより得ることができる。
剤として用いられる、けん化度95モル%以上のビニル
アルコール系重合体は、常法により、ビニルエステル系
重合体をけん化することにより得ることができる。
【0007】また、本発明の水性エマルジョンの分散剤
として用いられる分子内にエチレン単位を1〜15モル
%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール
系重合体は、ビニルエステルとエチレンとの共重合体を
けん化することにより得ることができる。
として用いられる分子内にエチレン単位を1〜15モル
%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール
系重合体は、ビニルエステルとエチレンとの共重合体を
けん化することにより得ることができる。
【0008】ここで、ビニルエステルとしては、蟻酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
【0009】エチレン単位の含有量としては、1〜15
モル%であることが必要であり、好ましくは3〜13
%、さらに好ましくは5〜12%である。エチレン単位
の含有量が1モル%未満の場合には、上述の耐水性と低
温放置安定性を同時に満足する水性エマルジョンが得ら
れず、15モル%を越える場合には、水溶性が低下し、
安定な水性エマルジョンが得られない懸念が生じる。
モル%であることが必要であり、好ましくは3〜13
%、さらに好ましくは5〜12%である。エチレン単位
の含有量が1モル%未満の場合には、上述の耐水性と低
温放置安定性を同時に満足する水性エマルジョンが得ら
れず、15モル%を越える場合には、水溶性が低下し、
安定な水性エマルジョンが得られない懸念が生じる。
【0010】また、該分散剤は本発明の効果を損なわな
い範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合
したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−
3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその
ナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニ
ル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリ
ウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチ
オール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエス
テル系単量体を、エチレンと共重合し、それをけん化す
ることによって得られる末端変性物も用いることができ
る。
い範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合
したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−
3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその
ナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニ
ル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリ
ウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチ
オール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエス
テル系単量体を、エチレンと共重合し、それをけん化す
ることによって得られる末端変性物も用いることができ
る。
【0011】本発明の水性エマルジョンの分散剤として
用いるけん化度95モル%以上のビニルアルコール系重
合体および分子内にエチレン単位を1〜15モル%含有
し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合
体のけん化度は、95モル%以上であることが必要であ
り、より好ましくは、96モル%以上、さらに好ましく
は97モル%以上である。けん化度が95モル%未満の
場合には、耐水性に優れた水性エマルジョンが得られな
い。該ビニルアルコール系重合体の重合度は、100〜
8000の範囲が好ましく、300〜3000がより好
ましい。重合度が100未満の場合には、PVA保護コ
ロイドとしての特徴が発揮されず、8000を越える場
合には、該PVA系重合体の工業的な製造に問題があ
る。
用いるけん化度95モル%以上のビニルアルコール系重
合体および分子内にエチレン単位を1〜15モル%含有
し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合
体のけん化度は、95モル%以上であることが必要であ
り、より好ましくは、96モル%以上、さらに好ましく
は97モル%以上である。けん化度が95モル%未満の
場合には、耐水性に優れた水性エマルジョンが得られな
い。該ビニルアルコール系重合体の重合度は、100〜
8000の範囲が好ましく、300〜3000がより好
ましい。重合度が100未満の場合には、PVA保護コ
ロイドとしての特徴が発揮されず、8000を越える場
合には、該PVA系重合体の工業的な製造に問題があ
る。
【0012】本発明の水性エマルジョンにおける分散質
を構成するビニルエステル系単量体としては、蟻酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
を構成するビニルエステル系単量体としては、蟻酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
【0013】また、本発明の特徴を損なわない範囲で、
エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体を共重合
しても構わない。このような単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化
ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデ
ンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリ
ル酸およびそのエステル、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリ
ル酸およびそのエステル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれら
の四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルア
ミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−ス
チレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などの
スチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、
また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジ
エン系単量体が挙げられる。このうち、とくにエチレン
をビニルエステル系単量体と併用することはひとつの好
適な態様である。
エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体を共重合
しても構わない。このような単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化
ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデ
ンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリ
ル酸およびそのエステル、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリ
ル酸およびそのエステル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれら
の四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルア
ミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−ス
チレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などの
スチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、
また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジ
エン系単量体が挙げられる。このうち、とくにエチレン
をビニルエステル系単量体と併用することはひとつの好
適な態様である。
【0014】本発明の水性エマルジョンは、該エマルジ
ョンを製膜した皮膜が、20℃水中に24時間浸漬した
場合の溶出率が2.5%以下であることが必須である。
より好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは
1.2%以下である。溶出率が2.5%を超える場合、
耐水接着力が低下する懸念が生じる。
ョンを製膜した皮膜が、20℃水中に24時間浸漬した
場合の溶出率が2.5%以下であることが必須である。
より好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは
1.2%以下である。溶出率が2.5%を超える場合、
耐水接着力が低下する懸念が生じる。
【0015】また、本発明の水性エマルジョンは、該エ
マルジョンを製膜した皮膜が、20℃水中に24時間浸
漬した場合の吸水率が30%以下であることが好まし
い。より好ましくは25%以下であり、さらに好ましく
は20%以下である。吸水率が30%を超える場合、耐
水接着力が低下する懸念が生じる。
マルジョンを製膜した皮膜が、20℃水中に24時間浸
漬した場合の吸水率が30%以下であることが好まし
い。より好ましくは25%以下であり、さらに好ましく
は20%以下である。吸水率が30%を超える場合、耐
水接着力が低下する懸念が生じる。
【0016】本発明の水性エマルジョンは、例えばビニ
ルアルコール系重合体あるいは分子内にエチレン単位を
1〜15モル%含有するビニルアルコール系重合体(以
後エチレン変性PVAと略記することがある)の水溶液
を分散剤に用い、ビニルエステル系単量体を一時又は連
続的に添加し、過酸化水素、過硫酸アンモニウムおよび
過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも一種の重合開始
剤を全単量体に対してモル比で0.001〜0.01使
用して、乳化重合することにより得られる。
ルアルコール系重合体あるいは分子内にエチレン単位を
1〜15モル%含有するビニルアルコール系重合体(以
後エチレン変性PVAと略記することがある)の水溶液
を分散剤に用い、ビニルエステル系単量体を一時又は連
続的に添加し、過酸化水素、過硫酸アンモニウムおよび
過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも一種の重合開始
剤を全単量体に対してモル比で0.001〜0.01使
用して、乳化重合することにより得られる。
【0017】該PVA系重合体あるいはエチレン変性P
VA系重合体の使用量については特に制限はないが、上
記ビニルエステル系単量体単位を含有する重合体100
重量部に対して好ましくは3〜20重量部、より好まし
くは5〜15重量部の範囲である。該使用量が3重量部
未満および20重量部を越える場合には、重合安定性が
低下したり、放置安定性が低下することがある。本発明
においては、これらの分散剤の使用量は少量であっても
充分本発明のエマルジョンを得ることができる。
VA系重合体の使用量については特に制限はないが、上
記ビニルエステル系単量体単位を含有する重合体100
重量部に対して好ましくは3〜20重量部、より好まし
くは5〜15重量部の範囲である。該使用量が3重量部
未満および20重量部を越える場合には、重合安定性が
低下したり、放置安定性が低下することがある。本発明
においては、これらの分散剤の使用量は少量であっても
充分本発明のエマルジョンを得ることができる。
【0018】本発明では、過酸化水素、過硫酸アンモニ
ウムおよび過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも一種
の重合開始剤を用いる。この中でも、特に過酸化水素が
好ましい。重合開始剤は全単量体に対してモル比で0.
001〜0.01使用して乳化重合することが好まし
く、より好ましくは0.002〜0.007であり、さ
らに好ましくは0.0025〜0.005である。理由
は明確ではないが、上記量の開始剤を用いることで、耐
水性と放置安定性の両方を満足する水性エマルジョンが
得られる。重合開始剤が0.001未満の場合、重合が
進行せず、安定に水性エマルジョンが得られない場合が
ある。また、重合開始剤が0.01をこえると、耐水性
が低下する懸念が生じる。
ウムおよび過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも一種
の重合開始剤を用いる。この中でも、特に過酸化水素が
好ましい。重合開始剤は全単量体に対してモル比で0.
001〜0.01使用して乳化重合することが好まし
く、より好ましくは0.002〜0.007であり、さ
らに好ましくは0.0025〜0.005である。理由
は明確ではないが、上記量の開始剤を用いることで、耐
水性と放置安定性の両方を満足する水性エマルジョンが
得られる。重合開始剤が0.001未満の場合、重合が
進行せず、安定に水性エマルジョンが得られない場合が
ある。また、重合開始剤が0.01をこえると、耐水性
が低下する懸念が生じる。
【0019】また、前記重合開始剤は還元剤と併用し、
レドックス系で用いられる場合もある。その場合、通
常、過酸化水素は酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガ
リットなどとともに用いられる。また、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウムは亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水
素ナトリウムなどとともに用いられる。還元剤の使用量
も特に限定されないが、通常、重合開始剤に対して、
0.05〜3.0当量用い、好ましくは0.1〜2.0
当量、より好ましくは0.3〜1.5当量用いる。
レドックス系で用いられる場合もある。その場合、通
常、過酸化水素は酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガ
リットなどとともに用いられる。また、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウムは亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水
素ナトリウムなどとともに用いられる。還元剤の使用量
も特に限定されないが、通常、重合開始剤に対して、
0.05〜3.0当量用い、好ましくは0.1〜2.0
当量、より好ましくは0.3〜1.5当量用いる。
【0020】前記重合開始剤の添加方法は特に制限され
ない。通常の乳化重合で行われる方法、すなわち、重合
開始初期にショットで添加する方法、重合中に逐次的に
添加する方法などが挙げられる。この中でも、ビニルエ
ステル系単量体全量のうち、5〜20%を初期に仕込
み、重合開始初期にショットで重合開始剤を添加する方
法が特に好ましい。この場合、重合開始剤を初期仕込み
の単量体に対してモル比で0.005〜0.025使用
することが好ましく、より好ましくは0.008〜0.
020であり、さらに好ましくは0.01〜0.018
である。
ない。通常の乳化重合で行われる方法、すなわち、重合
開始初期にショットで添加する方法、重合中に逐次的に
添加する方法などが挙げられる。この中でも、ビニルエ
ステル系単量体全量のうち、5〜20%を初期に仕込
み、重合開始初期にショットで重合開始剤を添加する方
法が特に好ましい。この場合、重合開始剤を初期仕込み
の単量体に対してモル比で0.005〜0.025使用
することが好ましく、より好ましくは0.008〜0.
020であり、さらに好ましくは0.01〜0.018
である。
【0021】本発明の水性エマルジョンは、上記の方法
で得られる水性エマルジョンをそのまま用いることがで
きるが、必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲
で、従来公知の各種エマルジョンを添加して用いること
ができる。なお、本発明の水性エマルジョンにおける分
散剤としては、前述のけん化度95モル%以上のPVA
系重合体あるいはけん化度95モル%以上のエチレン変
性PVA系重合体が用いられるが、必要に応じて、従来
公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界
面活性剤や、PVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロ
ースなどを併用することもできる。
で得られる水性エマルジョンをそのまま用いることがで
きるが、必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲
で、従来公知の各種エマルジョンを添加して用いること
ができる。なお、本発明の水性エマルジョンにおける分
散剤としては、前述のけん化度95モル%以上のPVA
系重合体あるいはけん化度95モル%以上のエチレン変
性PVA系重合体が用いられるが、必要に応じて、従来
公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界
面活性剤や、PVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロ
ースなどを併用することもできる。
【0022】本発明の水性エマルジョンは、耐水性およ
び放置安定性に優れており、紙管、製袋、合紙、段ボー
ル用等の紙、パルプなどの紙加工用接着剤、フラッシュ
パネル、集成材、ツキ板、合板加工用、合板二次加工用
(練り合わせ)、一般木工等の木工用接着剤および各種
プラスチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバイ
ンダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加
工などの分野で好適に用いられる。
び放置安定性に優れており、紙管、製袋、合紙、段ボー
ル用等の紙、パルプなどの紙加工用接着剤、フラッシュ
パネル、集成材、ツキ板、合板加工用、合板二次加工用
(練り合わせ)、一般木工等の木工用接着剤および各種
プラスチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバイ
ンダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加
工などの分野で好適に用いられる。
【0023】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエマルジョンの耐水
性、放置安定性を、下記の要領で評価した。
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエマルジョンの耐水
性、放置安定性を、下記の要領で評価した。
【0024】(エマルジョンの評価) (1)皮膜の耐水性 得られた水性エマルジョンを20℃65%RH下で、P
ET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮
膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それ
を試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮膜
の吸水率、溶出率を求めた。 溶出率(%)={1−(浸漬後の皮膜絶乾重量)/(浸漬
前の皮膜絶乾重量)}×100 吸水率(%)={(浸漬後の皮膜吸水重量)/(浸漬前の
皮膜絶乾重量)}×100 ・浸漬前の皮膜絶乾重量;浸漬前の皮膜重量(含水)−
{浸漬前の皮膜重量(含水)×皮膜含水率(%)/10
0} ・皮膜含水率;皮膜(20℃水に浸漬するサンフ゜ルとは別のサ
ンフ゜ル)を、105℃で絶乾し、皮膜の含水率をあらかじめ
もとめる。 ・浸漬後の皮膜絶乾重量;浸漬後の皮膜を105℃で絶乾
した重量。 ・浸漬後の皮膜吸水重量;浸漬後の皮膜を水から引き上
げた後、皮膜についた水をガーゼで拭き取った後秤量。 (2)耐水接着力(木の接着) 得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g
/m2塗布し、はりあわせて7kg/m2の荷重で16時
間圧締した。その後、解圧し、20℃65%RH下で5
日間養生した後、60℃の温水に3時間浸漬し、ぬれた
ままの状態で圧縮せん断強度を測定した。 (3)耐温水接着力(紙の接着) 得られた水性エマルジョンをクラフト紙に30g/m2
塗布し、はりあわせてハンドロールで3回圧締した。乾
燥後、得られた加工品を30℃の水中に24時間浸漬
し、その後の接着状態を観察した。○紙破、△若干紙
破、×剥離 (4)放置安定性試験 エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の90
日後の粘度変化を観察した。
ET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮
膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それ
を試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮膜
の吸水率、溶出率を求めた。 溶出率(%)={1−(浸漬後の皮膜絶乾重量)/(浸漬
前の皮膜絶乾重量)}×100 吸水率(%)={(浸漬後の皮膜吸水重量)/(浸漬前の
皮膜絶乾重量)}×100 ・浸漬前の皮膜絶乾重量;浸漬前の皮膜重量(含水)−
{浸漬前の皮膜重量(含水)×皮膜含水率(%)/10
0} ・皮膜含水率;皮膜(20℃水に浸漬するサンフ゜ルとは別のサ
ンフ゜ル)を、105℃で絶乾し、皮膜の含水率をあらかじめ
もとめる。 ・浸漬後の皮膜絶乾重量;浸漬後の皮膜を105℃で絶乾
した重量。 ・浸漬後の皮膜吸水重量;浸漬後の皮膜を水から引き上
げた後、皮膜についた水をガーゼで拭き取った後秤量。 (2)耐水接着力(木の接着) 得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g
/m2塗布し、はりあわせて7kg/m2の荷重で16時
間圧締した。その後、解圧し、20℃65%RH下で5
日間養生した後、60℃の温水に3時間浸漬し、ぬれた
ままの状態で圧縮せん断強度を測定した。 (3)耐温水接着力(紙の接着) 得られた水性エマルジョンをクラフト紙に30g/m2
塗布し、はりあわせてハンドロールで3回圧締した。乾
燥後、得られた加工品を30℃の水中に24時間浸漬
し、その後の接着状態を観察した。○紙破、△若干紙
破、×剥離 (4)放置安定性試験 エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の90
日後の粘度変化を観察した。
【0025】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1(重合度1000、けん化度99.0%、エ
チレン変性量7.0mol%)26gを仕込み95℃で完全
に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換
後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した
後、酒石酸の10%水溶液を4.4gおよび5%過酸化
水素水3g(酢酸ビニルに対し、モル比で0.015)
をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開
始した。重合開始30分後に初期重合終了を確認した。
酒石酸の10%水溶液を0.9gおよび5%過酸化水素
水3gをショット添加後、酢酸ビニル234gを2時間
にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。冷却
後、60メッシュのステンレス製金網を用いてろ過し
た。ろ過後のろ過残量により、下記の基準で重合安定性
を評価した。 ◎ ろ過残なし ○ 0.5g未満 △ 0.5〜2g × 2g以上 ろ過残量が少ないほど重合安定性が優れ、多いほど重合
安定性が悪いことを示す。以上の結果、固形分濃度4
7.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。
このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタ
レート5部を添加混合した(Em−1)。このエマルジ
ョンの評価を前述の方法により行った。結果を表1に示
す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1(重合度1000、けん化度99.0%、エ
チレン変性量7.0mol%)26gを仕込み95℃で完全
に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換
後、200rpmで撹拌しながら、60℃に昇温した
後、酒石酸の10%水溶液を4.4gおよび5%過酸化
水素水3g(酢酸ビニルに対し、モル比で0.015)
をショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開
始した。重合開始30分後に初期重合終了を確認した。
酒石酸の10%水溶液を0.9gおよび5%過酸化水素
水3gをショット添加後、酢酸ビニル234gを2時間
にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。冷却
後、60メッシュのステンレス製金網を用いてろ過し
た。ろ過後のろ過残量により、下記の基準で重合安定性
を評価した。 ◎ ろ過残なし ○ 0.5g未満 △ 0.5〜2g × 2g以上 ろ過残量が少ないほど重合安定性が優れ、多いほど重合
安定性が悪いことを示す。以上の結果、固形分濃度4
7.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。
このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタ
レート5部を添加混合した(Em−1)。このエマルジ
ョンの評価を前述の方法により行った。結果を表1に示
す。
【0026】実施例2 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液を4.4gおよび5%過酸化水素水3gをシ
ョット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始し
た。重合開始30分後に初期重合終了を確認した。酒石
酸の10%水溶液を0.9g添加し、1%過酸化水素水
15gおよび酢酸ビニル234gを2時間にわたって連
続的に添加して重合を完結させた。冷却後、60メッシ
ュのステンレス製金網を用いてろ過した。ろ過後のろ過
残量により、実施例1と同様の方法で重合安定性を評価
した。以上の結果、固形分濃度47.2%のポリ酢酸ビ
ニル系エマルジョンが得られた。さらに得られたエマル
ジョン100重量部に対してジブチルフタレート5部を
添加混合した(Em−2)。このエマルジョンの評価を
前述の方法により行った。結果をあわせて表1に示す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液を4.4gおよび5%過酸化水素水3gをシ
ョット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始し
た。重合開始30分後に初期重合終了を確認した。酒石
酸の10%水溶液を0.9g添加し、1%過酸化水素水
15gおよび酢酸ビニル234gを2時間にわたって連
続的に添加して重合を完結させた。冷却後、60メッシ
ュのステンレス製金網を用いてろ過した。ろ過後のろ過
残量により、実施例1と同様の方法で重合安定性を評価
した。以上の結果、固形分濃度47.2%のポリ酢酸ビ
ニル系エマルジョンが得られた。さらに得られたエマル
ジョン100重量部に対してジブチルフタレート5部を
添加混合した(Em−2)。このエマルジョンの評価を
前述の方法により行った。結果をあわせて表1に示す。
【0027】実施例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液18gおよび酢酸ビニル26gを仕込み、1
%過酸化水素水85gを2.5時間にわたって連続的に
添加し、重合を開始した。重合開始30分後に初期重合
終了を確認し、さらに酢酸ビニル234gを2時間にわ
たって連続的に添加した。酢酸ビニル添加終了後、1%
過酸化水素水4.8gをショットで添加し、重合を完結
させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用
いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、実施例1と同
様の方法で重合安定性を評価した。以上の結果、固形分
濃度47.6%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得ら
れた。さらに得られたエマルジョン100重量部に対し
てジブチルフタレート5部を添加混合した(Em−
3)。このエマルジョンの評価を前述の方法により行っ
た。結果をあわせて表1に示す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液18gおよび酢酸ビニル26gを仕込み、1
%過酸化水素水85gを2.5時間にわたって連続的に
添加し、重合を開始した。重合開始30分後に初期重合
終了を確認し、さらに酢酸ビニル234gを2時間にわ
たって連続的に添加した。酢酸ビニル添加終了後、1%
過酸化水素水4.8gをショットで添加し、重合を完結
させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用
いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、実施例1と同
様の方法で重合安定性を評価した。以上の結果、固形分
濃度47.6%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得ら
れた。さらに得られたエマルジョン100重量部に対し
てジブチルフタレート5部を添加混合した(Em−
3)。このエマルジョンの評価を前述の方法により行っ
た。結果をあわせて表1に示す。
【0028】実施例4 実施例1において用いたPVA−1を用いる代わりにP
VA−2(重合度1700、けん化度98.0%、エチ
レン変性量5.0mol%)を用いた他は実施例1と同様に
して固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジ
ョンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重
量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した
(Em−4)。このエマルジョンの評価を前述の方法に
より行った。結果をあわせて表1に示す。
VA−2(重合度1700、けん化度98.0%、エチ
レン変性量5.0mol%)を用いた他は実施例1と同様に
して固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジ
ョンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重
量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した
(Em−4)。このエマルジョンの評価を前述の方法に
より行った。結果をあわせて表1に示す。
【0029】実施例5 実施例1において用いたPVA−1を用いる代わりにP
VA−3(重合度1700、けん化度98.5%、クラ
レ製PVA−117)を用いた他は実施例1と同様にし
て固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジョ
ンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重量
部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(E
m−5)。このエマルジョンの評価を前述の方法により
行った。結果をあわせて表1に示す。
VA−3(重合度1700、けん化度98.5%、クラ
レ製PVA−117)を用いた他は実施例1と同様にし
て固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジョ
ンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重量
部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(E
m−5)。このエマルジョンの評価を前述の方法により
行った。結果をあわせて表1に示す。
【0030】実施例6 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、亜硫酸水素
ナトリウム10%水溶液を20gおよび酢酸ビニル26
gを仕込み、1%過硫酸アンモニウム23.5gをショ
ット添加して重合を開始した。重合開始30分後から酢
酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に添加して
重合を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス
製金網を用いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、実
施例1と同様の方法で重合安定性を評価した。以上の結
果、固形分濃度47.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジ
ョンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重
量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した
(Em−6)。このエマルジョンの評価を前述の方法に
より行った。結果をあわせて表1に示す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、亜硫酸水素
ナトリウム10%水溶液を20gおよび酢酸ビニル26
gを仕込み、1%過硫酸アンモニウム23.5gをショ
ット添加して重合を開始した。重合開始30分後から酢
酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に添加して
重合を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス
製金網を用いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、実
施例1と同様の方法で重合安定性を評価した。以上の結
果、固形分濃度47.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジ
ョンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重
量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した
(Em−6)。このエマルジョンの評価を前述の方法に
より行った。結果をあわせて表1に示す。
【0031】実施例7 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、亜硫酸水素
ナトリウム10%水溶液を20gおよび酢酸ビニル26
gを仕込み、1%過硫酸カリウム27.9gをショット
添加して重合を開始した。重合開始30分後から酢酸ビ
ニル234gを2時間にわたって連続的に添加して重合
を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金
網を用いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、実施例
1と同様の方法で重合安定性を評価した。以上の結果、
固形分濃度47.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン
が得られた。さらに得られたエマルジョン100重量部
に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em
−7)。このエマルジョンの評価を前述の方法により行
った。結果をあわせて表1に示す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、亜硫酸水素
ナトリウム10%水溶液を20gおよび酢酸ビニル26
gを仕込み、1%過硫酸カリウム27.9gをショット
添加して重合を開始した。重合開始30分後から酢酸ビ
ニル234gを2時間にわたって連続的に添加して重合
を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金
網を用いてろ過した。ろ過後のろ過残量により、実施例
1と同様の方法で重合安定性を評価した。以上の結果、
固形分濃度47.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジョン
が得られた。さらに得られたエマルジョン100重量部
に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em
−7)。このエマルジョンの評価を前述の方法により行
った。結果をあわせて表1に示す。
【0032】比較例1 実施例1において用いたPVA−1を用いる代わりにP
VA−4(重合度1700、けん化度88.0%、クラ
レ製PVA−217)を用いた他は実施例1と同様にし
て固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジョ
ンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重量
部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(E
m−8)。このエマルジョンの評価を前述の方法により
行った。結果をあわせて表1に示す。
VA−4(重合度1700、けん化度88.0%、クラ
レ製PVA−217)を用いた他は実施例1と同様にし
て固形分濃度47.5%のポリ酢酸ビニル系エマルジョ
ンが得られた。さらに得られたエマルジョン100重量
部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(E
m−8)。このエマルジョンの評価を前述の方法により
行った。結果をあわせて表1に示す。
【0033】比較例2 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液を12gおよび5%過酸化水素水30gをシ
ョット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始し
た。重合開始30分後に初期重合終了を確認した。酒石
酸の10%水溶液を0.9gおよび5%過酸化水素水3
0gをショット添加後、酢酸ビニル234gを2時間に
わたって連続的に添加し、重合を完結させた。冷却後、
60メッシュのステンレス製金網を用いてろ過した。ろ
過後のろ過残量により、実施例1と同様の方法で重合安
定性を評価した。以上の結果、固形分濃度47.5%の
ポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。さらに得ら
れたエマルジョン100重量部に対してジブチルフタレ
ート5部を添加混合した(Em−9)。このエマルジョ
ンの評価を前述の方法により行った。結果をあわせて表
1に示す。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液を12gおよび5%過酸化水素水30gをシ
ョット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始し
た。重合開始30分後に初期重合終了を確認した。酒石
酸の10%水溶液を0.9gおよび5%過酸化水素水3
0gをショット添加後、酢酸ビニル234gを2時間に
わたって連続的に添加し、重合を完結させた。冷却後、
60メッシュのステンレス製金網を用いてろ過した。ろ
過後のろ過残量により、実施例1と同様の方法で重合安
定性を評価した。以上の結果、固形分濃度47.5%の
ポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。さらに得ら
れたエマルジョン100重量部に対してジブチルフタレ
ート5部を添加混合した(Em−9)。このエマルジョ
ンの評価を前述の方法により行った。結果をあわせて表
1に示す。
【0034】比較例3 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液を0.15gおよび5%過酸化水素水0.1
gをショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を
開始した。重合開始30分後に酒石酸の10%水溶液を
0.1gおよび5%過酸化水素水0.1gをショット添
加後、酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に
添加し、重合を行ったが、途中で凝集がおこり水性エマ
ルジョンが得られなかった。
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1 26gを仕込み95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200r
pmで撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の1
0%水溶液を0.15gおよび5%過酸化水素水0.1
gをショット添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を
開始した。重合開始30分後に酒石酸の10%水溶液を
0.1gおよび5%過酸化水素水0.1gをショット添
加後、酢酸ビニル234gを2時間にわたって連続的に
添加し、重合を行ったが、途中で凝集がおこり水性エマ
ルジョンが得られなかった。
【0035】比較例4 市販の高耐水性ポリ酢酸ビニル系エマルジョン:ワッカ
ー社製DPN-15を用い、前述の方法により評価を行った。
結果をあわせて表1に示す。
ー社製DPN-15を用い、前述の方法により評価を行った。
結果をあわせて表1に示す。
【0036】前述の実施例および比較例で使用したPV
A、重合開始剤量等を表2にまとめて示す
A、重合開始剤量等を表2にまとめて示す
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の水性エマルジョンは、耐水性お
よび放置安定性に優れており、紙用、木工用およびプラ
スチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバインダ
ー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工な
どの分野で好適に用いられる。
よび放置安定性に優れており、紙用、木工用およびプラ
スチック用の接着剤、含浸紙用、不織製品用のバインダ
ー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工な
どの分野で好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 131/02 C09J 131/02 C09J 129/04 C08J 3/03 CEX 131/02 Fターム(参考) 4F070 AA26 AA28 AB21 AC80 AE14 AE28 CA16 CB02 CB12 4J002 BE022 BF021 GH01 GJ01 HA07 4J038 CE022 CE042 CF011 CF061 GA01 GA02 GA06 GA09 GA10 GA12 GA13 HA156 KA09 MA08 MA10 NA04 NA26 4J040 DD012 DD022 DE011 DE021 GA01 GA03 GA07 GA08 GA13 GA17 GA22 GA24 GA25 GA32 HA126 JA03 JB05 LA05 LA07 MA08 MA09 MA10 NA10 NA12
Claims (4)
- 【請求項1】 けん化度95モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体単
位からなる重合体を分散質とする水性エマルジョンにお
いて、該エマルジョンを製膜した皮膜を20℃水中に2
4時間浸漬した場合の溶出率が2.5%以下であること
を特徴とする水性エマルジョン。 - 【請求項2】 エマルジョンを製膜した皮膜を20℃水
中に24時間浸漬した場合の吸水率が30%未満である
請求項1記載の水性エマルジョン。 - 【請求項3】 けん化度95モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体が、分子内にエチレン単位を1〜15モル
%含有するビニルアルコール系重合体である請求項1ま
たは2記載の水性エマルジョン。 - 【請求項4】 ビニルエステル系単量体が、酢酸ビニル
である請求項1〜3のいずれかに記載の水性エマルジョ
ン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28752999A JP2001106855A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | 水性エマルジョン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28752999A JP2001106855A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | 水性エマルジョン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001106855A true JP2001106855A (ja) | 2001-04-17 |
Family
ID=17718528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28752999A Pending JP2001106855A (ja) | 1999-10-08 | 1999-10-08 | 水性エマルジョン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001106855A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100363347B1 (ko) * | 2000-06-27 | 2002-11-30 | 주식회사 센스비즈 | 역커뮤니티의 운영시스템 및 운영방법 |
-
1999
- 1999-10-08 JP JP28752999A patent/JP2001106855A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100363347B1 (ko) * | 2000-06-27 | 2002-11-30 | 주식회사 센스비즈 | 역커뮤니티의 운영시스템 및 운영방법 |
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