JP2000119621A - 水性接着剤組成物 - Google Patents

水性接着剤組成物

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JP2000119621A
JP2000119621A JP10289310A JP28931098A JP2000119621A JP 2000119621 A JP2000119621 A JP 2000119621A JP 10289310 A JP10289310 A JP 10289310A JP 28931098 A JP28931098 A JP 28931098A JP 2000119621 A JP2000119621 A JP 2000119621A
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aqueous
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Sadakatsu Hayashi
貞克 林
Shinobu Yamamoto
忍 山本
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Konishi Co Ltd
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Konishi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば紙管用接着剤として用いたとき、良好
な接着作業性が得られるとともに、優れた耐圧強度を有
し、しかも耐久性において耐煮沸性まで得られる水性接
着剤組成物を得る。 【解決手段】 水性接着剤組成物は、アクリル酸、メタ
クリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和単量体
を酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマーの鹸化物の水溶
液中で重合させて得られるポリマー水溶液を保護コロイ
ドとして、重合性不飽和単量体を乳化重合させた樹脂水
分散液で構成されている。前記酢酸ビニル−エチレン共
重合ポリマーの鹸化物において、酢酸ビニルとエチレン
とのモノマー重量比は前者/後者=99/1〜70/3
0程度、平均重合度は200〜4000程度、鹸化度は
90〜99.5モル%程度である。乳化重合の原料モノ
マーである重合性不飽和単量体として、例えば、メタク
リル酸C1-5アルキルエステルとアクリル酸C1-20アル
キルエステルの混合物などが使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性接着剤組成物、
より詳細には、良好な接着作業性、優れた耐圧強度及び
耐煮沸性にまで達する耐久性を有する水性接着剤組成物
に関する。本発明の水性接着剤組成物は紙管用接着剤な
どとして有用である。
【0002】
【従来の技術】帯状紙片を管状に巻き回して製造する紙
管の品質の良し悪しは、接着剤の性能に著しく影響され
る。すなわち、一般に紙管で求められる性能とは、まず
耐圧強度が優れることである。さらに、この紙管を製造
後、熱、湿気などの外的要因を加えても剥がれることな
く、且つ、耐圧強度変化が少なければ品質的に高い水準
にあるとされる。そのため、耐圧強度と、耐水、耐熱、
耐温水、耐煮沸などの各種耐久性が求められる。
【0003】一方、紙管製造に使用する接着剤は、安全
で使い勝手がよい水性接着剤が一般的である。この水性
接着剤は、接着作業性、安全・健康・環境保護など作業
者や社会に対する配慮、及び経済性などの面で多くの利
点を持つが、乳化剤などの親水性を示す成分があるた
め、耐温水性、耐煮沸性に乏しいことが難点になってい
る。この接着剤の中で、業界で多用している水性接着剤
は、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン及びポリビニルアル
コール水溶液である。
【0004】ポリ酢酸ビニル系エマルジョンは、木工
用、紙工用に広く使用されており、初期接着力など作業
性は良好であるが、形成接着層が比較的柔軟なため、耐
圧強度が不足がちであるとともに、ポリマー自体の耐熱
性が不足するため耐熱強度が乏しい。一方、ポリビニル
アルコール水溶液は、形成接着層が比較的硬いため、耐
圧強度は良好であるが、耐温水性、耐煮沸性に乏しいだ
けでなく、耐水性の良好なポリビニルアルコールは低温
で糊液粘度が著しく上昇するため、冬季など寒冷期の接
着作業性が頗るよくない。
【0005】これら従来の水性接着剤において、耐水
性、さらには耐温水性を向上させるため、ジイソシアネ
ート、多価金属塩などの架橋剤を配合する技術が提案さ
れている。しかし、一般に反応性に富む架橋剤は有害性
が高く、接着剤も2液型となるため、水性接着剤の上記
に示した利点は悉く失わしめることとなる。また、性能
的にも耐温水性が得られる水準が限界で、耐煮沸性のよ
うな高度な性能を得るには至っていない。
【0006】このように、良好な接着作業性(低温流動
性及び初期接着性)、優れた耐圧強度、並びに耐温水性
を越えて耐煮沸性まで得られる水性接着剤は市中に認め
られないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、例えば紙管用接着剤として用いたとき、良好な
接着作業性が得られるとともに、優れた耐圧強度を有
し、しかも耐久性において耐煮沸性まで得られる新しい
水性接着剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマー
の鹸化物(以下、EVA−OHと略称することがある)
の水溶液を保護コロイドとして、各種重合性不飽和単量
体の重合研究を行った。その過程において、アクリル酸
などの不飽和カルボン酸を上記EVA−OH水溶液中で
ラジカル重合して得られるポリマー水溶液を保護コロイ
ドとして、重合性不飽和単量体を乳化重合させて得られ
る樹脂分散液を紙管用の接着剤として用いたときに、優
れた耐圧強度が得られることを見出した。また、この紙
管を耐煮沸性試験に供したところ、その性能についても
満足できることが判明した。さらに、従来の紙管用水性
接着剤であるポリ酢酸ビニル系エマルジョンの難点(耐
圧強度、耐温水性、耐煮沸性、耐熱性)およびポリビニ
ルアルコール水溶液の難点(低温流動性、初期接着性、
耐温水性、耐煮沸性)を悉く解決できることを確認する
とともに、上記の樹脂分散液が木工用、紙工用など広範
囲な接着剤として有用であることを認め、本発明を完成
するに到った。
【0009】すなわち、本発明は、カルボキシル基含有
重合性不飽和単量体を酢酸ビニル−エチレン共重合ポリ
マーの鹸化物の水溶液中で重合させて得られるポリマー
水溶液を保護コロイドとして、重合性不飽和単量体を乳
化重合させた樹脂水分散液で構成されている水性接着剤
組成物を提供する。この水性接着剤組成物は、例えば紙
管用接着剤として用いた場合、良好な初期接着性、小さ
い低温増粘性、優れた耐圧強度、耐水性、耐熱性、耐温
水性および耐煮沸性を示す。
【0010】上記の水性接着剤組成物において、酢酸ビ
ニル−エチレン共重合ポリマーの鹸化物における酢酸ビ
ニルとエチレンとのモノマー重量比が前者/後者=99
/1〜70/30、平均重合度が200〜4000、鹸
化度が90〜99.5モル%であってもよい。このよう
な水性接着剤では、上記特性のなかでも、低温流動性、
耐圧強度および耐熱性が一層向上する。
【0011】前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量
体として、アクリル酸又はメタクリル酸を用いてもよ
い。このような単量体を用いると、耐圧強度、耐熱性、
耐温水性、耐煮沸性、低温流動性などの点で特に優れた
効果が得られる。
【0012】乳化重合の原料モノマーである重合性不飽
和単量体として、(1)(A)メタクリル酸C1-5アル
キルエステル及びスチレン系単量体から選択された少な
くとも1種のモノマー、又は(2)前記モノマー(A)
とアクリル酸C1-20アルキルエステルから選択された少
なくとも1種のモノマー(B)との混合物を用い、且つ
前記モノマー(A)とモノマー(B)との重量比が前者
/後者=100/0〜50/50であってもよい。この
ような接着剤では、上記特性が最も優れる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の重要な特徴は、カルボキ
シル基含有重合性不飽和単量体を酢酸ビニル−エチレン
共重合ポリマーの鹸化物(EVA−OH)の水溶液中で
重合させて得られるポリマー水溶液を乳化重合の保護コ
ロイドとして用いる点にある。
【0014】前記EVA−OHは、酢酸ビニルとエチレ
ンとを高圧下で乳化重合させた後、加水分解することに
より得られる水酸基含有水溶性ポリマーである。酢酸ビ
ニルとエチレンとのモノマー重量比は、例えば、酢酸ビ
ニル/エチレン=99/1〜70/30、好ましくは9
7/3〜80/20程度である。このポリマーの平均重
合度は、例えば200〜4000、好ましくは500〜
2500程度であり、鹸化度は、例えば90〜99.5
モル%、好ましくは95〜99モル%程度である。EV
A−OHは市販されており、市販品をそのまま用いるこ
とができる。市販品の商品名として、例えば、RS−1
05、RS−110、RS−117、RS−613、R
S−617LなどのクラレRSポリマー(クラレ(株)
製)を挙げることができる。
【0015】EVA−OH水溶液中のEVA−OH濃度
は、重合時の操作性や作業性、接着剤としたときの接着
性等を損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には3
〜30重量%程度であり、好ましくは6〜20重量%程
度である。
【0016】前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量
体としては、カルボキシル基又はその酸無水物基を有す
る重合性不飽和化合物であればよく、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸などが挙げられる。これらの中で
も、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。カルボキ
シル基含有重合性不飽和単量体は単独で用いてもよく、
また2種以上を併用してもよい。
【0017】カルボキシル基含有重合性不飽和単量体の
使用量は、前記EVA−OH水溶液100重量部に対し
て、例えば0.5〜20重量部程度、好ましくは1〜6
重量部程度である。カルボキシル基含有重合性不飽和単
量体の使用量が前記EVA−OH水溶液100重量部に
対して0.5重量部未満の場合には耐圧強度、耐温水
性、耐煮沸性が低下しやすく、また20重量部を越える
と乳化重合に用いた際、粘度が高くなり作業性が低下し
やすくなる。
【0018】前記ポリマー水溶液(保護コロイド液)
は、例えば、撹拌機、コンデンサー、滴下装置、温度
計、窒素気流装置などを備えた常圧重合装置に、水を仕
込み、所望量のEVA−OHを配合し、均質溶液となる
まで加熱溶解してEVA−OH水溶液を調製し、この溶
液に前記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体を一括
配合し、窒素気流下で、過硫酸塩等の重合開始剤水溶液
を適宜添加し、例えば70〜90℃程度の温度で1〜5
時間程度重合させることにより得ることができる。な
お、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体は連続的又
は間欠的に滴下してもよく、また、少量のイソプロパノ
ールなどの重合調節剤を用いて重合を行ってもよい。重
合の終点は、ポリマー転換率の測定等で確認できる。
【0019】本発明において、前記ポリマー水溶液を保
護コロイドとして乳化重合させる重合性不飽和単量体と
しては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
などのメタクリル酸C1-5アルキルエステル;アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
などのアクリル酸C1-10アルキルエステル;スチレン、
ビニルトルエンなどのスチレン系単量体等の芳香族系モ
ノマー;マレイン酸エステル;フマル酸エステル;酢酸
ビニルなどの飽和カルボン酸ビニルエステル;アクリロ
ニトリルなどの脂肪族不飽和ニトリル;アクリルアミド
など不飽和カルボン酸アミドなどが挙げられる。これら
の中でも、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸C
1-5アルキルエステル、アクリル酸ブチルなどのアクリ
ル酸C1-10アルキルエステル、スチレンなどの芳香族系
モノマーなどが好ましい。前記重合性不飽和単量体は単
独で又は2種以上混合して使用できる。
【0020】前記重合性不飽和単量体として、(1)
(A)メタクリル酸C1-5アルキルエステル及びスチレ
ン系単量体から選択された少なくとも1種のモノマー、
又は(2)前記モノマー(A)とアクリル酸C1-20アル
キルエステルから選択された少なくとも1種のモノマー
(B)との混合物を用いると、特に優れた耐熱性、耐煮
沸性、耐温水性及び耐圧強度が得られる。この場合、前
記モノマー(A)とモノマー(B)との重量比は、例え
ば、モノマー(A)/モノマー(B)=100/0〜5
0/50程度、好ましくは100/0〜60/40程度
である。
【0021】前記重合性不飽和単量体の使用量は、重合
時の操作性、接着剤としたときの接着性等の特性を損な
わない範囲で適宜選択できるが、通常、前記ポリマー水
溶液1000重量部に対して、20〜1000重量部、
好ましくは70〜500重量部、さらに好ましくは10
0〜350重量部程度である。また、前記重合性不飽和
単量体の使用量は、前記ポリマー水溶液(保護コロイド
液)中の固形分100重量部に対して、例えば12〜6
00重量部、好ましくは40〜300重量部、さらに好
ましくは60〜200重量部程度である。
【0022】乳化重合は、通常用いられる方法により行
うことができる。例えば、必要に応じて希釈又は濃縮
し、また所望により少量の界面活性剤を添加した前記ポ
リマー水溶液(保護コロイド液)に、重合性不飽和単量
体(モノマー)及び重合開始剤を加え、例えば60〜9
0℃程度の温度で重合させることにより、樹脂水分散液
を得ることができる。重合性不飽和単量体(モノマー)
及び重合開始剤は、それぞれ、連続的又は間欠的に反応
系に添加することができる。重合開始剤はモノマー又は
水などの適当な溶媒に溶解させて添加してもよい。モノ
マー滴下時間を含む重合時間は特に定めないが、通常
0.5〜5時間程度である。重合開始剤は、例えば、ラ
ジカル重合触媒、レドックス重合触媒、イオン重合触媒
の中から適宜選択して使用できる。乳化重合には、イソ
プロパノール、メルカプタン類などの重合調節剤を適宜
用いてもよい。重合の終点は、ポリマー転換率の測定等
で確認できる。
【0023】このようにして得られた樹脂水分散液は、
そのまま、又は必要に応じて希釈若しくは濃縮し、接着
剤として用いることができるが、紙管用接着剤の場合
は、通常、耐圧強度を一層向上させる目的で、クレー、
タルク、炭酸カルシウム、コロイダルシリカのような無
機充填剤を配合する場合が多い。無機充填剤の量は、例
えば、接着剤組成物中の濃度として、1〜20重量%程
度、好ましくは5〜15重量%程度である。本発明の水
性接着剤組成物は、その他、中和剤、安定剤、レベリン
グ剤、可塑剤、消泡剤、防カビ剤などが目的に応じて適
宜配合されていてもよい。
【0024】なお、カルボキシル基含有重合性不飽和単
量体を酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマーの鹸化物の
水溶液中で重合させてポリマー水溶液を得る工程と、前
記ポリマー水溶液を保護コロイドとし、重合性不飽和単
量体を乳化重合させて樹脂水分散液を得る工程とは連続
して行ってもよいが、段階的に行うこともできる。
【0025】本発明の水性接着剤組成物によれば、低温
時の粘度上昇を顕著に抑制できるとともに、耐圧強度も
向上し、しかも耐久性において耐煮沸性まで達する。こ
れは、EVA−OHにカルボキシル基含有重合性不飽和
単量体がグラフト化又はエステル化することにより、エ
マルジョン接着剤の保護コロイドとして用いた場合に、
EVA−OHの有する低温流動性を保持しつつ、適度の
疎水性及び強度が付与され、接着時に形成される皮膜の
耐水性、耐煮沸性及び耐圧強度が増大するためと推察さ
れる。
【0026】本発明において好ましい水性接着剤組成物
は、EVA−OH 3〜30重量%の水溶液100重量
部に対してカルボキシル基含有重合性不飽和単量体0.
5〜20重量部を重合させて得られるポリマー水溶液を
保護コロイドとして用い、このポリマー水溶液1000
重量部に対し、重合性不飽和単量体20〜1000重量
部を乳化重合させた樹脂分散液で構成されている。
【0027】また、さらに好ましい水性接着剤組成物
は、EVA−OH 6〜20重量%の水溶液100重量
部に対してカルボキシル基含有重合性不飽和単量体1〜
6重量部を重合させて得られるポリマー水溶液を保護コ
ロイドとして用い、このポリマー水溶液1000重量部
に対し、重合性不飽和単量体100〜350重量部を乳
化重合させた樹脂分散液で構成されている。このような
水性接着剤組成物は、特に、作業性、耐圧強度、耐熱
性、耐温水性、耐水性、低温流動性などの点でバランス
のとれた優れた性能を発揮する。
【0028】本発明の水性接着剤組成物は、紙工用、木
工用などの接着剤用途、塗料、バインダーなどの用途に
広く利用でき、特に、紙管用接着剤として好適である。
【0029】この水性接着剤組成物は次のようにして使
用できる。すなわち、紙管製造用としての用途を例にと
れば、前記水性接着剤組成物を紙管原紙にロールコータ
やノズル等により塗布した後、該紙管原紙を鉄管に平面
状及びスパイラル状に重ね巻き、圧締後、一定幅に切断
することにより紙管を製造できる。接着は、通常は室温
で行うが、必要な場合には加熱接着してもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をより一層明らか
にするが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、以下単に「部」とあるのは「重量
部」を意味する。
【0031】製造例 次の条件で保護コロイド液(ポリマー水溶液)を調製し
た。各条件及び得られた保護コロイド液の粘度[mPa
・s(30℃)]を表1に示す。
【0032】製造例1 撹拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計、窒素気流装
置を備えた常圧重合装置に水83.7部を仕込み、攪拌
しながら、EVA−OH(商品名:クラレRSポリマー
RS110、クラレ(株)製、鹸化度97〜99モル
%、平均重合度1000)を13.6部添加し、80℃
以上の温度で50分攪拌して溶解させた。この溶液に1
0%過硫酸カリウム水溶液(触媒)5部及びアクリル酸
(AA)2.7部を添加し、80〜85℃で2時間反応
させて保護コロイド液を得た。
【0033】製造例2 EVA−OHに代えてPVA(商品名:クラレPVA
110、クラレ(株)製、鹸化度98〜99モル%、平
均重合度1000)を用いた以外は、製造例1と同様に
して保護コロイドを得た。
【0034】製造例3 製造例1と同様の装置に水83.7部を仕込み、攪拌し
ながら、EVA−OH(商品名:クラレRSポリマー
RS110、クラレ(株)製、鹸化度97〜99モル
%、平均重合度1000)を16.3部添加し、80℃
以上の温度で50分攪拌して溶解させ、保護コロイド液
とした。
【0035】製造例4 製造例1と同様の装置に水54.5部を入れ、攪拌しな
がら、EVA−OH(商品名:クラレRSポリマー R
S110、クラレ(株)製、鹸化度97〜99モル%、
平均重合度1000)を13.6部添加し、80℃以上
の温度で50分攪拌して溶解させ、20重量%EVA−
OH水溶液を調製した。一方、製造例1と同様の装置に
水29.3部を入れ、攪拌しながら80〜85℃に加熱
し、10%過硫酸カリウム水溶液(触媒)5部及びアク
リル酸(AA)2.7部を添加し、前記温度で2時間反
応させ、7.3重量%アクリル酸ポリマー(PAA)水
溶液を調製した。製造例1と同様の装置に上記で得られ
た20重量%EVA−OH水溶液68部と7.3重量%
アクリル酸ポリマー水溶液37部とを仕込み、混合して
保護コロイドとした。
【0036】
【表1】 実施例1 撹拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計、窒素気流装
置を備えた常圧重合装置に製造例1で得られた保護コロ
イド液を570部仕込み、80℃に加熱した。これに、
10%過硫酸カリウム水溶液(触媒)5部を添加後、ア
クリル酸ブチル60部とメタクリル酸メチル100部と
の混合物を80〜85℃の温度条件下で70〜100分
かけて滴下した。滴下終了後、残りの10%過硫酸カリ
ウム水溶液5部を添加し、80〜85℃の温度で90分
熟成した。得られた樹脂水分散液に調整水を270部加
えて粘度調整を行った。この分散液100部にカオリン
クレー10部を添加して、水性接着剤組成物を得た。
【0037】実施例2 メタクリル酸メチルに代えてスチレンを100部用いた
以外は実施例1と同様の操作を行い、水性接着剤組成物
を得た。
【0038】比較例1 製造例1で得られた保護コロイド液に代えて、製造例2
で得られた保護コロイド液を570部用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、水性接着剤組成物を得た。
【0039】比較例2 製造例1で得られた保護コロイド液に代えて、製造例3
で得られた保護コロイド液を570部用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、水性接着剤組成物を得た。
【0040】比較例3 製造例1で得られた保護コロイド液に代えて、製造例4
で得られた保護コロイド液を570部用いた以外は実施
例1と同様の操作を行い、水性接着剤組成物を得た。な
お、製造例4の保護コロイド570部の内訳は、20重
量%EVA−OH水溶液370.5部、7.3重量%ア
クリル酸ポリマー水溶液199.5部となる。
【0041】評価試験 上記実施例及び比較例で得られた接着剤組成物について
下記の試験を行い、その特性を評価した。結果を表2に
示す。なお、各実施例及び比較例において、配合成分の
欄の数字は重量部を示す(カオリンクレーの重量部は水
分散液100重量部に対する値を意味する)。
【0042】粘度 接着剤組成物を5℃の環境下で5日間放置後、同温度の
粘度を測定した。その後、30℃に昇温し、同温度の粘
度を測定した。粘度(mPa・s)はBM型粘度計を用
い、12r/minの条件で測定した。 低温粘度上昇率 5℃における粘度を30℃における粘度で割ったものを
低温粘度上昇率(倍)とした。 耐圧強度 紙管原紙に接着剤組成物を塗布し、これを10層ラミネ
ートした。ラミネート後、冷圧でプレスを行い7日後の
曲げ強度(Kg)を測定した。 (作業条件) 塗布量(wet):60g/m2;圧締圧:
35kgf/cm2×5分;クロスヘッド降下速度:3
mm/分;環境条件:20℃、65%RH;試験片サイ
ズ:65mm×200mm、厚さ7.2mm 耐熱性 紙管原紙同士を接着剤組成物を用いて貼合せ、プレス
後、解圧し、24時間養生した。その後、接着物を30
0℃のプレス盤の間に40秒間入れ、接着状態を観察し
た。 (作業条件) 塗布量(wet):30g/m2;環境条
件:20℃、65%RH;圧締圧:10kgf/cm2
×3分 耐水性 紙管原紙同士を接着剤組成物を用いて貼合せ、プレス
後、解圧し、24時間養生した。その後、接着物を常温
水に24時間浸せきし、湿潤状態で接着面を剥離し、接
着面の紙破の状態を調べた。 (作業条件) 塗布量(wet):30g/m2;環境条
件:20℃、65%RH;圧締圧:10kgf/cm2
×3分 耐温水性 紙管原紙同士を接着剤組成物を用いて貼合せ、プレス
後、解圧し、24時間養生した。その後、接着物を70
℃の温水に2時間浸せきし、湿潤状態で接着面を剥離
し、接着面の紙破の状態を調べた。 (作業条件) 塗布量(wet):30g/m2;環境条
件:20℃、65%RH;圧締圧:10kgf/cm2
×3分 耐煮沸性 紙管原紙同士を接着剤組成物を用いて貼合せ、プレス
後、解圧し、24時間養生した。その後、接着物を10
0℃の沸騰水に10分間浸せきし、湿潤状態で接着面を
剥離し、接着面の紙破の状態を調べた。 (作業条件) 塗布量(wet):30g/m2;環境条
件:20℃、65%RH;圧締圧:10kgf/cm2
×3分 なお、耐熱性、耐水性、耐温水性及び耐煮沸性の評価
は、下記の基準に基づいて行った。 ◎:紙破100% ○:一部紙破 △:抵抗ある界面剥離 ×:自然剥離。
【0043】
【表2】
【発明の効果】本発明の水性接着剤組成物によれば、初
期接着性及び低温流動性に優れるため、被着物を接着す
る際に、良好な接着作業性が得られるとともに、優れた
耐圧強度及び耐煮沸性にまで達する耐久性が得られる。
そのため、紙工、木工などの接着用途、塗料、バインダ
ーなどの用途に広く利用でき、特に紙管用接着剤として
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 261/04 C08F 261/04 Fターム(参考) 4J011 KA15 KA16 KA19 KB29 PA68 PA69 PC06 4J026 AA12 AA38 AC04 AC23 AC33 AC36 BA05 BA20 BA25 BA27 BA31 BA32 BA34 BA35 BA36 BB04 BB10 DA07 DB04 DB08 DB12 DB13 DB16 DB26 FA04 GA01 GA02 GA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有重合性不飽和単量体
    を酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマーの鹸化物の水溶
    液中で重合させて得られるポリマー水溶液を保護コロイ
    ドとして、重合性不飽和単量体を乳化重合させた樹脂水
    分散液で構成されている水性接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマーの
    鹸化物における酢酸ビニルとエチレンとのモノマー重量
    比が前者/後者=99/1〜70/30、平均重合度が
    200〜4000、鹸化度が90〜99.5モル%であ
    る請求項1記載の水性接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基含有重合性不飽和単量体
    がアクリル酸又はメタクリル酸である請求項1又は2記
    載の水性接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 乳化重合の原料モノマーである重合性不
    飽和単量体が、(1)(A)メタクリル酸C1-5アルキ
    ルエステル及びスチレン系単量体から選択された少なく
    とも1種のモノマー、又は(2)前記モノマー(A)と
    アクリル酸C 1-20アルキルエステルから選択された少な
    くとも1種のモノマー(B)との混合物であり、且つ前
    記モノマー(A)とモノマー(B)との重量比が前者/
    後者=100/0〜50/50である請求項1〜3の何
    れかの項に記載の水性接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマーの
    鹸化物3〜30重量%の水溶液100重量部に対してカ
    ルボキシル基含有重合性不飽和単量体0.5〜20重量
    部を重合させて得られるポリマー水溶液を保護コロイド
    として用い、このポリマー水溶液1000重量部に対
    し、重合性不飽和単量体20〜1000重量部を乳化重
    合させた樹脂水分散液で構成されている請求項1〜4の
    何れかの項に記載の水性接着剤組成物。
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