JP2001171542A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
出されるまでの間においても、不正なトルクセンサ信号
による制御を抑制し得る電動パワーステアリング装置を
提供することを目的とするものである。 【解決手段】 この発明に係る電動パワーステアリング
装置は、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータ
と、操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトル
ク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相
補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上
記モータを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワー
ステアリング装置において、上記制御手段は、上記トル
ク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限
値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するも
のである。
Description
ワーステアリングに関するものであり、特に、トルクセ
ンサ入力回路の故障時における操舵フィーリングの改善
に係わるものである。
置を示す。図において、1はステアリングホイール、2
はステアリング軸、3は運転者の操舵力を検出するトル
クセンサ、4は運転者の操舵力を補助するモータ、5は
モータの出力トルクをステアリング軸2に伝達するため
の減速機、6は車両の走行速度を検出する車速センサ、
7は車両に搭載されたバッテリ、8はトルクセンサ3や
車速センサ6の出力信号に基づいてモータ4を駆動する
コントローラである。
ある。9はマイクロコントローラであり、マイクロプロ
セッサMPU、記憶装置(ROM並びにRAM)、入出
力ポートI/O、アナログ/デジタル変換器A/D、お
よびパルス幅変調信号出力回路PWM等を有するもので
ある。10は4つのパワーMOSFETからなるブリッ
ジ回路から構成されるモータ駆動回路、11はモータ駆
動回路10を駆動するためのゲート駆動回路、13はト
ルクセンサ2の出力信号を処理する増幅位相補償回路で
ある。
装置は、運転者がステアリングホイール1を操作すると
きに、その操作力、すなわち入力トルクをトルクセンサ
3にて検出し、このトルクセンサ信号を増幅位相補償回
路13にて処理する。
ンサ信号を増幅および位相補償する。マイクロコントロ
ーラ9は、この処理後のトルクセンサ信号に基づいて、
所定の制御プログラムに従って演算処理を行い、モータ
4を駆動することによって必要な補助トルクを発生させ
る。このように、従来の電動パワーステアリング装置
は、増幅位相補償回路により制御に必要な分解能を確保
し、モータの電流フィードバック制御における応答性を
確保しているものである。
動パワーステアリング装置では、トルクセンサ3のトル
クセンサ信号に対して増幅位相補償回路13にて、増幅
・位相補償処理を行っており、この処理後のトルクセン
サ信号にてモータ4の制御を行っているため、増幅位相
補償回路13が故障した場合には、トルクセンサ3のト
ルクセンサ信号、すなわち運転者の操舵力とは相関のな
い信号が出力されることとなり、運転者の意志に従った
制御が行えないという問題点があった。
に、図3に示すように増幅位相補償回路13の前後の信
号、即ち、増幅・位相補償処理の前後の信号をそれぞれ
マイクロコントローラ9に入力し、これらの相関を監視
することで、増幅位相補償回路13の故障を判断するも
のも提案されている。
増幅・位相補償処理の前後の信号の相関が所定時間以上
にわたって異常であることを監視するが、この所定時間
を長く設定すると、故障が発生した後、この故障を判断
するまでに時間がかかり、その間、不正なトルクセンサ
信号に応じてモータを制御して補助トルク発生させてし
まい、車両の挙動が不安定となり、逆に所定時間を短く
設定すると、増幅・位相補償処理の前後の信号は、増幅
位相補償回路13によって位相が異なるため、過渡状態
において、装置が正常であるにもかかわらず、故障であ
ると判断してしまうという問題点があった。
ためになされたものであり、増幅位相補償回路の故障時
に、その故障が検出されるまでの間においても、不正な
トルクセンサ信号による制御を抑制し得る電動パワース
テアリング装置を提供することを目的とするものであ
る。
ーステアリング装置は、ステアリング軸に操舵補助力を
与えるモータと、操舵トルクを検出するトルク検出手段
と、このトルク検出手段の検出値を増幅および位相補償
する増幅位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力
に基づいて上記モータを駆動制御する制御手段とを備え
た電動パワーステアリング装置において、上記制御手段
は、上記トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限
値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号
を制限するものである。
るモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク
検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク
検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補
償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記
モータを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワース
テアリング装置において、上記制御手段は、上記第2ト
ルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下
限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限する
ものである。
るモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク
検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク
検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補
償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記
モータを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワース
テアリング装置において、上記制御手段は、上記第1ト
ルク検出手段の検出値に応じて設定した第1上限値およ
び第2下限値と、上記第2トルク検出手段の検出値に応
じて設定した第2上限値および第2下限値のうち、いず
れか小さい方を上限値および下限値として選択し、この
上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御
信号を制限するものである。
値を増幅演算および位相補償演算する増幅位相補償演算
手段を備え、この増幅位相補償演算手段の演算結果に応
じて上限値および下限値を設定するものである。
力を上限値および下限値によって制限することによって
制御信号を制限するものである。
力に応じて求めたモータ電流を上限値および下限値によ
って制限するものである。
力に応じて求めたモータ印加電圧を上限値および下限値
によって制限することによって制御信号を制限するもの
である。
よって制限する際に、制限前の値と制限後の値を比較
し、中立側の値を用いてモータを駆動制御するものであ
る。
を備え、制御手段は車速に応じて上限値と下限値の間の
幅を変化させるものである。
きさに応じて上限値と下限値の間の幅を変化させるもの
である。
を、トルク検出手段の検出値の方向と同方向は大きく、
逆方向は小さく設定するものである。
値が所定範囲外となったときにはモータの駆動制御を停
止するものである。
出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモ
ータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値と
の範囲外となってからの経過時間に応じて上限値と下限
値の間の幅を変化させるものである。
段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求め
たモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限
値との範囲外となってから所定時間が経過するまでは上
限値および下限値による制限を禁止するものである。
実施形態1に係る電動パワーステアリング装置を図に従
って説明する。この発明の実施形態1に係る電動パワー
ステアリング装置の構成は、図3と同じであるので、詳
細な説明を省略する。
この発明の実施形態1の動作について説明する。ステッ
プs1において、パワーステアリングのモータ制御に必
要な各信号、即ちトルクセンサ入力信号(即ち、増幅位
相補償回路13の入力信号)、トルクセンサ位相補償出
力信号(即ち、増幅位相補償回路13の出力信号)、車
速信号等を取り込む。
入力信号が不正な値を示していないかをチェックし、故
障を診断する。例えば、トルクセンサ入力信号がセンサ
ハーネスの断線、地絡などにより不正な値になっていな
いかをチェックする。また、増幅位相補償回路は、位相
補償を行うため、過渡応答によりオーバシュートを生じ
ることを考慮し、トルクセンサ入力信号に対してトルク
センサ位相補償出力信号がトルク換算値として所定しき
い値を超えた誤差が所定時間継続していないかをチェッ
クする。ここで所定時間は、位相補償の時定数を考慮し
て設定する必要があるため、比較的長い時間(例えば1
00msec程度)に設定されている。さらに、車速信
号検出値が急激に減少していないかをチェックし、セン
サ、ハーネスの故障をチェックする。
力信号に基づいて定められた上限値および下限値にてト
ルクセンサ位相補償出力信号をクリップする。この上限
値および下限値は、図5のように、運転者がステアリン
グホイール1を操作する際の操舵トルク、即ち入力トル
ク値T1と増幅位相補償回路13での増幅率とから求ま
る出力値TV1に対して、上下とも所定の偏差しきい値
Thの幅を持たせることによって設定する。このステッ
プs3では、トルク位相補償出力信号が、このように設
定した上限値を上回るか、あるいは下限値を下回った場
合には、即座にトルク位相補償出力信号を上限値、ある
いは下限値にクリップする処理を行う。
実施した故障診断の結果に基づき、故障であればステッ
プs5に進み、故障でなければステップs6へ進む。ス
テップs5では、故障であるため操舵力補助電流を0と
する。一方ステップs6では、ステップs3にてクリッ
プ処理された後のトルク信号および車速を参照すること
により、例えば図6に示すような、操舵トルクの増加に
つれて増加し、車速の増加につれて減少する所定の特性
を持つ操舵力補助電流を、記憶装置内に予め記憶したテ
ーブル等を参照して演算する。
テップs6の演算結果に応じて得られた操舵補助電流の
指令値を基に、図示しないモータ電流検出回路によって
検出したモータ4の実電流と比較して、これらが一致す
るように、いわゆるフィードバック制御を行い、ゲート
駆動回路11によってモータ駆動回路10をPWM駆動
し、最後にステップs8にて、この一連の処理が一定周
期で行われるように、1周期経過するまで待機し、1周
期経過後、ステップs1へ戻って同様の制御を繰り返
す。
増幅位相補償回路13が故障し、正常に増幅あるいは位
相補償ができず、その出力値TV1が右側、もしくは左
側に過大な値となってしまった場合であっても、ステッ
プs3にて増幅位相補償回路13の出力値TV1の値が
増幅位相補償回路13の入力値T1に基づいて設定され
る上限値および下限値の間にクリップされるため、ステ
ップs2での故障診断が行われるまでの間に過大な補助
トルクを発生させることなく、車両の挙動を安定させる
ことができる。
について説明する。上記実施形態1では、単一のトルク
センサを備えたものについて説明したが、一般的に、ト
ルクセンサの冗長系として、複数のトルクセンサを備え
たものが知られている。この実施形態2では、このよう
に複数のトルクセンサを備えたものに、この発明を適用
するものについて説明する。即ち、第1トルクセンサ検
出値T1を基に増幅位相補償回路を介して得た出力値
(制御トルク)TV1に対し、第2トルクセンサ検出値
T2に基づきクリップ処理を行うものである。
あり、図3と同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明
を省略する。この実施形態2ではさらに、第2トルクセ
ンサ14を備え、この第2トルクセンサ14のトルクセ
ンサ信号T2もマイクロコントローラ9に入力する。
処理を行うが、その処理についてもステップs3のクリ
ップ処理の内容のみが異なり、それ以外は同様である。
よって、ここでは処理内容が異なるクリップ処理につい
て図8に従って説明する。
4からのトルクセンサ信号T2に対して所定幅を持たせ
た上限値Th1および下限値Th2を設定する。
で設定した上限値Th1と増幅位相補償回路13の出力
値TV1とを比較し、出力値TV1が上限値Th1より
大きければ、ステップs23に進み、出力値TV1が上
限値Th1より小さければ、ステップs26に進む。
値Th1が同一方向であるか否かを判断し、同一方向で
あれば、ステップs24に進み、出力値TV1を上限値
Th1でクリップし処理を終了する。一方、同一方向で
なければ、出力値TV1あるいは上限値Th1のいずれ
かが不正であると判断してステップs25に進み、出力
値TV1を中立値、例えば2.5Vに設定して処理を終
了する。
定した下限値Th2と出力値TV1を比較して、出力値
TV1が下限値Th2より大きければ、ステップs27
に進み、クリップ処理を行わずに処理を終える。一方、
出力値TV1が下限値Th2より小さければステップs
28に進み、出力値TV1と下限値Th2が同一方向で
あるか否かを判定する。
Th2が同一方向であれば、ステップs29へ進んで出
力値TV1を下限値Th2にてクリップして処理を終了
する。一方、ステップs28にて出力値TV1と下限値
Th2が同一方向でなければ、出力値TV1あるいは上
限値Th1のいずれかが不正であると判断してステップ
s30に進み、出力値TV1を中立値、例えば2.5V
に設定して処理を終了する。
クセンサを備え、増幅位相補償回路が故障した場合で
も、他方のトルクセンサ信号に基づいてクリップするこ
とにより、増幅位相補償回路の出力値が過大となり、過
大な補助トルクが発生することを防止できるので、車両
の挙動を安定させることができるという上記実施形態1
と同様の効果を奏することができ、かつ、トルクセンサ
信号を相互に監視することが可能であり、トルクセンサ
そのものやハーネスのオープン、ショート等の故障に対
してもバックアップが可能となり、安全性を更に向上す
ることができる。
形例を実施形態3として説明する。図8のステップs2
1を図9のステップs31、s32、s33、s34に
示すように変形させたものである。詳細には、まずステ
ップs32において、第1トルクセンサ信号T1と第2
トルクセンサ信号T2について、中立値(例えば2.5
V)からの変化量の大きさを比較し、中立値からの変化
量が小さい方を基準トルクTとして選択する。即ち、第
1トルクセンサ信号T1の方が中立値からの変化量が小
さい場合は、ステップs32へ進み、第1トルクセンサ
信号T1を基準トルクTとし、第2トルクセンサ信号T
2の方が中立値からの変化量が小さい場合は、ステップ
s33へ進み、第2トルクセンサ信号T2を基準トルク
Tとする。次に、ステップs34へ進み、基準トルクT
に所定幅を持たせて上限値Th1およびTh2を設定す
る。その後は、上記実施形態2と同様である。
変化量が少ない方のトルクセンサ信号を基準として上限
値および下限値を設定することができるので、故障時に
おける補助トルクをより小さくすることができ、より安
全性を向上することができるという効果を奏する。
形態3においては増幅位相補償回路13の入出間のトル
ク偏差が所定値未満となるようにトルク値をクリップし
ていたが、入力トルクに応じてモータ目標電流をクリッ
プするようにしても同様な効果を奏する。
ャートであるが、上記実施形態1にて説明した図4のフ
ローチャートによる動作と基本的には同様であり、図4
のステップs3の代わりにステップs9の電流クリップ
処理を追加したものである。ステップs9では、ステッ
プs5またはステップs6にて操舵力補助電流を決定し
た後、この操舵力補助電流をクリップ処理することによ
り、上記実施形態1と同様な効果を得るものである。
理内容を示す。ステップs41にてトルクセンサ信号T
1の大きさ、および向きに応じて、例えば図12(a)
に示すような特性から順方向クリップ電流If_cl
p、および逆方向クリップ電流Ir_clpを求める。
次にステップs42にて、例えば図12(b)に示すよ
うな特性から車速に対するクリップ電流のゲインを順方
向ゲインGf_clp、逆方向Gr_clpともに決定
する。
助電流とトルクセンサ信号T1が同一方向であるか否か
判定し、同一方向であればステップs44ヘ進み、順方
向クリップ電流If_clpと順方向ゲインGf_cl
pとからクリップ電流I_Clpを求め、逆方向であれ
ばステップs45へ進み、逆方向クリップ電流Ir_c
lpと逆方向ゲインGr_clpとからクリップ電流I
_Clpを求める。
はステップs45にて求めたクリップ電流I_Clpと
操舵力補助電流の絶対値を比較し、操舵力補助電流の絶
対値が小さい場合にはクリップ処理を行わず、逆に操舵
力補助電流の絶対値が大きい場合にはステップs47に
て操舵力補助電流をクリップ電流I_Clpにてクリッ
プし、電流クリップ処理を終了する。
クおよび車速に応じて通電可能な操舵力補助電流の上限
を設けることとしたので、増幅位相補償回路の故障によ
って操舵力補助電流が過大となった場合にも、操舵力補
助電流を実際の入力トルクに応じた適切な上限値に制限
することができ、安全性を確保できるという効果を奏す
ることができる。
限値を決める指標として第2のトルク検出手段を設け、
その信号を用いて実施することも可能であり、その場合
は増幅位相補償回路の故障に対するバックアップのみな
らず、トルクセンサそのもの、およびハーネス等の故障
に対しても、過大アシストを防止できる効果が得られる
ことはいうまでもない。
補助電流をクリップするようにしたが、この実施例5で
はモータ印加電圧をクリップするものについて説明す
る。
ートであり、図4に示すものと基本的に同様であるが、
ステップs3の代わりにステップs10の電圧クリップ
処理を追加したものである。それ以外は図4と同様であ
るので、このステップs10の電圧クリップ処理につい
てのみ説明する。
を示すフローチャートである。まず、ステップs51に
てトルクセンサ信号T1の大きさ、および向きに応じ
て、例えば図15(a)に示すような特性から順方向ク
リップ電圧Vf_clp、および逆方向クリップ電圧V
r_clpを求める。次にステップs52にて、例えば
図15(b)に示すような特性から車速に対するクリッ
プ電圧のゲインを順方向ゲインGf_clp、逆方向G
r_clpともに決定する。
向とトルクセンサ信号T1が同一方向であるか否か判定
し、同一方向であればステップs54ヘ進み、順方向ク
リップ電圧Vf_clpと順方向ゲインGf_clpと
からクリップ電圧V_Clpを求め、逆方向であればス
テップs55へ進み、逆方向クリップ電圧Vr_clp
と逆方向ゲインGr_clpとからクリップ電圧V_C
lpを求める。
はステップs55にて求めたクリップ電圧V_Clpと
モータ印加電圧の絶対値を比較し、モータ印加電圧の絶
対値が小さい場合にはクリップ処理を行わず、逆にモー
タ印加電圧の絶対値が大きい場合にはステップs57に
てモータ印加電圧をクリップ電圧V_Clpにてクリッ
プし、電圧クリップ処理を終了する。
ードバック制御によりモータ駆動回路10に印加するP
WM信号のデューティ比によって決定づけられており、
この実施形態5では、このモータ印加電圧、言い換えれ
ばPWM信号のデューティ比をトルクセンサ信号に応じ
てクリップすることによって、操舵力補助電流の指令値
が不正に大きくなった場合にも過大な電流がモータに流
れることを防止できるという効果に加え、モータ電流フ
ェードバック制御ループの故障による過大な印加電圧を
防止できるという効果をも得ることができる。
4又は5では増幅位相補償回路13が出力する信号の異
常をトルクセンサ信号のトルク換算値によって直接クリ
ップしているが、位相補償による過渡応答の効果を補正
するためにトルクセンサ信号に対しソフトウエアにより
位相補償の演算を実施し、その結果に基づいて増幅位相
補償回路13の出力信号をクリップするように処理して
も良く、増幅位相補償回路13の位相進み・遅れの時定
数に一致したソフトウエアによるフィルタは双一次変換
等の手法により構成することができる。
ローチャートであり、上記図4と基本的には同様に動作
するが、ステップs11およびステップs12が異なる
ので、これらの処理について説明する。
増幅位相補償回路13の出力と同等な位相特性を持った
ソフトウエアフィルタ処理を行い、演算結果を位相補償
後のトルクセンサ信号とする。
1に求めた位相補償後のトルクセンサ信号に所定幅を持
たせた上限値および下限値を求め、この上限値および下
限値にて増幅位相補償回路13の出力TV1をクリップ
する。
は、基準となるソフトウェアフィルタによる位相補償後
のトルクセンサ信号が増幅位相補償回路出力と同等の特
性に補償されたいるので、図17に示したように、上記
実施形態1にて設定したしきい値に比べ、過渡応答の影
響に対するクリップトルクしきい値のマージンを狭める
ことができるので、より安全なクリップ処理が可能とな
る。
形態6においては、所定の上限値および下限値を設定
し、この範囲を外れたときは直ちにクリップ処理を行う
ようにしたが、範囲外を外れる継続時間に応じて上限値
および下限値を徐々に変化させ、より小さな値にクリッ
プするようにしても良い。
補償回路が故障した場合においても、クリップする値を
時間の経過とともに徐々に小さくできるので、発生する
補助トルクを時間の経過とともに徐々に小さくすること
ができ、過大な補助トルクの発生を防止することがで
き、かつ、所定幅、即ち故障判定のマージン幅を比較的
大きくとっても補助トルクが急変しないという効果を奏
する。
ては、時間の経過とともに変化させるものであるが、そ
の変化の形態は線形変化、非線形変化等あらゆる形態を
適用することができ、車両の特性、運転者の好み等に応
じて設定すればよい。
ップ処理を行う上限値および下限値を時間とともに変化
させるようにしたが、その変化の形態として、上限値、
下限値の範囲を外れてから所定時間はクリップ処理を中
止し、所定時間経過後にクリップ処理を開始するように
しても良い。
ップ処理を中止することによって、運転者の意志に反し
た挙動を防止でき、操舵フィーリングを損なうことがな
く、一方故障時には必要充分な短時間で制御トルクをク
リップ処理できるので、操舵フィーリングと安全性を両
立することができる。
ずれも上限値、下限値による所定幅を一定としたが、車
速に応じて変化させる、特に車速が大になるにつれて所
定幅を狭くすることによって、高車速時の安全性を確保
することができる。
大きさに応じて所定幅を変更することによって、運転者
が軽く操舵しているときに過大な補助トルクが発生し、
車両の挙動が不安定となるのを防止することができる。
の方向と同方向には比較的広く、逆方向には比較的狭く
所定幅を設定することによって、運転者の意志に反した
挙動を防止でき、より一層安全性を向上することができ
る。
範囲(例えば0.2〜4.8V)内にあるか否かを判定
し、範囲外の場合には、モータの駆動制御そのものを禁
止するようにしてもよく、このようにすることによっ
て、トルクセンサが故障した際において、異常な検出値
に基づいたクリップ処理を行うことがなく、より安全性
を向上することができる。
れも上限値および下限値にてクリップ処理を行うことと
したが、クリップ処理前の値とクリップ処理後の値を比
較して、中立側、即ち駆動制御されるモータが発生する
補助トルクが低い側の値を用いて制御を行うこととして
もよい。これによって、手放し戻り時などの制御性を損
なうことなく、過大な補助トルクの発生を防止すること
ができる。
装置は、ステアリング軸に操舵補助力を与えるモータ
と、操舵トルクを検出するトルク検出手段と、このトル
ク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相
補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上
記モータを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワー
ステアリング装置において、上記制御手段は、上記トル
ク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限
値によって上記モータを駆動する制御信号を制限するも
のであり、増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、そ
の故障が判定されるまでの間においても過大な補助トル
クが発生することを防止でき、より安全性の高い電動パ
ワーステアリング装置を得ることができる。
るモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク
検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク
検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補
償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記
モータを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワース
テアリング装置において、上記制御手段は、上記第2ト
ルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下
限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限する
ものであり、第1トルク検出手段や増幅位相補償手段に
故障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間に
おいても過大な補助トルクが発生することを防止でき、
安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることが
できる。
るモータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク
検出手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク
検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補
償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記
モータを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワース
テアリング装置において、上記制御手段は、上記第1ト
ルク検出手段の検出値に応じて設定した第1上限値およ
び第2下限値と、上記第2トルク検出手段の検出値に応
じて設定した第2上限値および第2下限値のうち、いず
れか小さい方を上限値および下限値として選択し、この
上限値および下限値によって上記モータを駆動する制御
信号を制限するものであり、いずれかのトルク検出手段
や増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その故障が
判定されるまでの間においても過大な補助トルクが発生
することを防止でき、安全性の高い電動パワーステアリ
ング装置を得ることができる。
値を増幅演算および位相補償演算する増幅位相補償演算
手段を備え、この増幅位相補償演算手段の演算結果に応
じて上限値および下限値を設定するものである。
力を上限値および下限値によって制限することによって
制御信号を制限するものであり、増幅位相補償手段に故
障が生じた場合に、その故障が判定されるまでの間にお
いても過大な補助トルクが発生することを防止でき、安
全性の高い電動パワーステアリング装置を得ることがで
きる。
力に応じて求めたモータ電流を上限値および下限値によ
って制限するものであり、増幅位相補償手段に故障が生
じた場合に、その故障が判定されるまでの間においても
過大な補助トルクが発生することを防止でき、さらに、
制御信号に直接影響するモータ電流を制限することによ
って、即座にモータの発生トルクを制限することがで
き、より安全性の高い電動パワーステアリング装置を得
ることができる。
力に応じて求めたモータ印加電圧を上限値および下限値
によって制限することによって制御信号を制限するもの
であり、増幅位相補償手段に故障が生じた場合に、その
故障が判定されるまでの間においても過大な補助トルク
が発生することを防止でき、さらに、モータへの印加電
圧を制限することによって、いわゆる電流フィードバッ
クループに用いる電流検出回路が故障の場合において
も、モータの発生トルクを制限することができ、より一
層安全性の高い電動パワーステアリング装置を得ること
ができる。
よって制限する際に、制限前の値と制限後の値を比較
し、中立側の値を用いてモータを駆動制御するもので
り、手放し戻し時などの制御性を損なうことなく、過大
な補助トルクの発生を抑止することができる。
を備え、制御手段は車速に応じて上限値と下限値の間の
幅を変化させるものであり、高車速時の安全性を確保す
ることができる。
きさに応じて上限値と下限値の間の幅を変化させるもの
であり、運転者が軽く操舵しているときに過大な補助ト
ルクが発生し、車両の挙動が不安定となるのを防止する
ことができる。
を、トルク検出手段の検出値の方向と同方向は大きく、
逆方向は小さく設定するものであり、運転者の意志に反
した挙動を防止でき、より一層安全性を向上することが
できる。
値が所定範囲外となったときにはモータの駆動制御を停
止するものであり、故障したトルク検出手段の検出値に
基づいてクリップ処理を行うことを防止でき、より安全
性を向上することができる。
出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモ
ータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値と
の範囲外となってからの経過時間に応じて上限値と下限
値の間の幅を変化させるものであり、増幅位相補償回路
が故障した場合においても、クリップする値を時間の経
過とともに徐々に小さくできるので、発生する補助トル
クを時間の経過とともに徐々に小さくすることができ、
過大な補助トルクの発生を防止することができ、かつ、
所定幅、即ち故障判定のマージン幅を比較的大きくとっ
ても補助トルクが急変しないという効果を奏する。
段の出力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求め
たモータ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限
値との範囲外となってから所定時間が経過するまでは上
限値および下限値による制限を禁止するものであり、運
転者の意志に反した挙動を防止でき、より一層安全性を
向上することができる。
示す図である。
ローラを示す図である。
ローラを示す図である。
アリング装置の動作を示すフローチャートである。
アリング装置のコントローラの動作を示す図である。
アリング装置のコントローラの動作を示す図である。
アリング装置のコントローラを示すフローチャートであ
る。
アリング装置の動作を示すフローチャートである。
アリング装置の動作を示すフローチャートである。
テアリング装置の動作を示すフローチャートである。
テアリング装置の動作を示すフローチャートである。
テアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
テアリング装置の動作を示すフローチャートである。
テアリング装置の動作を示すフローチャートである。
テアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
テアリング装置の動作を示すフローチャートである。
テアリング装置のコントローラの動作を示す図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 ステアリング軸に操舵補助力を与えるモ
ータと、操舵トルクを検出するトルク検出手段と、この
トルク検出手段の検出値を増幅および位相補償する増幅
位相補償手段と、この増幅位相補償手段の出力に基づい
て上記モータを駆動制御する制御手段とを備えた電動パ
ワーステアリング装置において、上記制御手段は、上記
トルク検出手段の検出値に応じて設定した上限値および
下限値によって上記モータを駆動する制御信号を制限す
ることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 【請求項2】 ステアリング軸に操舵補助力を与えるモ
ータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出
手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出
手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手
段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モー
タを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワーステア
リング装置において、上記制御手段は、上記第2トルク
検出手段の検出値に応じて設定した上限値および下限値
によって上記モータを駆動する制御信号を制限すること
を特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 【請求項3】 ステアリング軸に操舵補助力を与えるモ
ータと、それぞれ操舵トルクを検出する第1トルク検出
手段および第2トルク検出手段と、この第1トルク検出
手段の検出値を増幅および位相補償する増幅位相補償手
段と、この増幅位相補償手段の出力に基づいて上記モー
タを駆動制御する制御手段とを備えた電動パワーステア
リング装置において、上記制御手段は、上記第1トルク
検出手段の検出値に応じて設定した第1上限値および第
2下限値と、上記第2トルク検出手段の検出値に応じて
設定した第2上限値および第2下限値のうち、いずれか
小さい方を上限値および下限値として選択し、この上限
値および下限値によって上記モータを駆動する制御信号
を制限することを特徴とする電動パワーステアリング装
置。 - 【請求項4】 制御手段は、トルク検出手段の検出値を
増幅演算および位相補償演算する増幅位相補償演算手段
を備え、この増幅位相補償演算手段の演算結果に応じて
上限値および下限値を設定することを特徴とする請求項
1ないし3のいずれか記載の電動パワーステアリング装
置。 - 【請求項5】 制御手段は、増幅位相補償手段の出力を
上限値および下限値によって制限することによって制御
信号を制限することを特徴とする請求項1ないし4のい
ずれか記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項6】 制御手段は、増幅位相補償手段の出力に
応じて求めたモータ電流を上限値および下限値によって
制限することによって制御信号を制限することを特徴と
する請求項1ないし4のいずれか記載の電動パワーステ
アリング装置。 - 【請求項7】 制御手段は、増幅位相補償手段の出力に
応じて求めたモータ印加電圧を上限値および下限値によ
って制限することによって制御信号を制限することを特
徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の電動パワー
ステアリング装置。 - 【請求項8】 制御手段は、上限値および下限値によっ
て制限する際に、制限前の値と制限後の値を比較し、中
立側の値を用いてモータを駆動制御することを特徴とす
る請求項1ないし7のいずれか記載の電動パワーステア
リング装置。 - 【請求項9】 車両の速度を検出する車速検出手段を備
え、制御手段は車速に応じて上限値と下限値の間の幅を
変化させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれ
か記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項10】 制御手段は、トルク検出手段の検出値
の大きさに応じて上限値と下限値の間の幅を変化させる
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか記載の電
動パワーステアリング装置。 - 【請求項11】 制御手段は、上限値と下限値の幅を、
トルク検出手段の検出値の方向と同方向は大きく、逆方
向は小さく設定することを特徴とする請求項1ないし1
0のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項12】 制御手段は、トルク検出手段の検出値
が所定範囲外となったときにはモータの駆動制御を停止
することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか記
載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項13】 制御手段は、増幅位相補償手段の出
力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモー
タ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との
範囲外となってからの経過時間に応じて上限値と下限値
の間の幅を変化させることを特徴とする請求項1ないし
12のいずれか記載の電動パワーステアリング装置。 - 【請求項14】 制御手段は、増幅位相補償手段の出
力、または増幅位相補償手段の出力に応じて求めたモー
タ電流あるいはモータ印加電圧が、上限値と下限値との
範囲外となってから所定時間が経過するまでは上限値お
よび下限値による制限を禁止することを特徴とする請求
項1ないし13のいずれか記載の電動パワーステアリン
グ装置。
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