JP2006123775A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 増幅回路に異常が発生したときに、運転者に違和感を与えることなく操舵補助制御を継続することができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。
【解決手段】 操舵系に対して入力される操舵トルクを検出して操舵トルク検出信号を出力する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段から出力される操舵トルク検出信号を増幅する増幅回路と、該増幅回路で増幅された増幅操舵トルク信号に基づいて前記操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機を制御する操舵補助制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記増幅回路の異常を検出する増幅回路異常検出手段(ステップS4〜S7)を備え、前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに当該増幅回路の増幅操舵トルク信号を使用することなく操舵補助制御を継続する(ステップS9)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、操舵系に対して入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクを増幅する増幅回路と、該増幅回路で増幅された増幅操舵トルクに基づいて前記操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機を制御する操舵補助制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置の制御装置としては、例えば操舵トルクに対応して信号を出力するトルク検出手段と、このトルク検出手段の出力信号を増幅する増幅手段と、この増幅手段が出力する増幅電圧を入力して駆動電流を制御する制御手段と、前記トルク検出手段の出力信号と前記増幅信号との偏差から前記増幅手段の異常を検出する異常検出手段と、この異常検出手段が検出する異常状態の継続時間を計測するタイマ手段と、前記増幅信号の時間的変化率が所定値を越えたときこれを検出する時間的変化率検出手段と、この時間的変化検出手段の検出回数をカウントするカウント手段と、前記制御手段が出力する出力電流により駆動され補助トルクを操舵装置に与える電動機とを備え、前記タイマ手段が計測する異常状態の継続時間が第一の所定時間を越えたとき、前記制御手段が前記電動機の駆動電流を遮断すると共に、前記カウント手段のカウント数が所定の回数を超えたとき、前記制御手段が前記電動機の駆動電流を第二の所定時間遮断するようにした電動パワーステアリング制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−171538号公報(第2頁、図9,図10)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、電動パワーステアリング装置の制御性を向上させるため、操舵トルクセンサで検出した操舵トルク信号の制御で用いる範囲をハードウェア構成の増幅回路で増幅して分解能を向上させるようにしており、通常の制御状態では、増幅回路で増幅した操舵トルク信号のみを使用して操舵補助制御を行い、トルク検出手段の出力信号と前記増幅信号との偏差から増幅回路の異常を検出したときに、電動機の駆動電流を遮断して直ちに操舵補助制御を停止してマニュアル操舵状態となるようにしているので、特に車両が大きい場合や、ステアリングのギヤ比などの影響により、マニュアル操舵では大きな操舵トルクを必要とし、運転者の負担が増加するという未解決の課題がある。
また、増幅回路の異常状態として、図10(a)に示すように、破線図示の操舵トルクセンサから出力される操舵トルク信号を増幅回路で増幅したときに、その増幅出力が実線図示のように、操舵トルク信号が負であるときに負の最大値を維持し、操舵トルク信号が正であるときに正の最大値を維持するように操舵トルク信号が“0”である線を境として正負の最大値を取る比較器と同様の出力状態となる場合がある。この場合には、操舵トルクセンサで検出した操舵トルク信号を増幅回路で増幅したときの増幅出力をソフトウェア的に計算して求めた理論計算値は一点鎖線図示のようになる。この理論計算値と実際の増幅回路の増幅出力とを比較して、両者の偏差が小さいときに正常である“0”にリセットし、両者の偏差が大きいに異常である“1”にセットされる増幅回路異常フラグを設定する場合に、その増幅回路異常フラグは、図10(c)に示すように、理論計算値と増幅出力との偏差が小さい理論計算値の正負のピーク値近傍で正常を表す“0”にリセットされると共に、理論計算値が“0”を横切るときにも理論計算値と増幅出力との偏差が小さくなり、正常を表す“0”にリセットされる。逆に、理論計算値と増幅出力との偏差が大きくなる理論計算値が“0”から正負のピークに至る前までの間及び正負のピークを越えてから“0”に至る間では増幅回路異常フラグが異常を表す“1”にセットされることになる。このとき上記従来例では、増幅回路の出力信号の時間的変化率が所定値を超えたことを検出する回数が所定数に達したときに電動機の駆動電流を所定時間遮断するが、電動機の駆動電流が遮断されるまでの間は増幅回路の増幅出力に基づいて操舵補助制御が継続されることにより、操舵系に運転者の意図しない操舵補助力を与える可能性があり、運転者に違和感を与えるという未解決の課題もある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、増幅回路に異常が発生したときに、運転者に違和感を与えることなく操舵補助制御を継続することができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、操舵系に対して入力される操舵トルクを検出して操舵トルク検出信号を出力する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段から出力される操舵トルク検出信号を増幅する増幅回路と、該増幅回路で増幅された増幅操舵トルク信号に基づいて前記操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機を制御する操舵補助制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記増幅回路の異常を検出する増幅回路異常検出手段を備え、前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに当該増幅回路の増幅操舵トルク信号を使用することなく操舵補助制御を継続するようにしたことを特徴としている。
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク検出信号を直接入力し、当該操舵トルク検出信号に基づいて操舵補助制御を継続するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク検出信号を直接入力し、当該操舵トルク検出信号に基づいて操舵補助制御を継続し、この操舵継続状態が所定時間以上継続したときに、操舵補助制御を停止するように構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項3に係る発明において、前記補助操舵制御手段は、補助操舵制御を停止する際に、電動機で発生する補助操舵力が徐々に低下するように停止制御することを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、前記増幅回路異常検出手段は、増幅回路から出力される増幅トルク信号と操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク検出信号とを比較することにより、当該増幅回路の異常を検出するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1乃至5の何れか1つの発明において前記増幅回路異常検出手段は、増幅回路の異常を継続して所定回数検出したときに増幅回路の異常と判断するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項7に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1乃至6の何れか1つの発明において、前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出した後に、増幅回路の正常を検出する状態に復帰したときに、前記増幅回路から出力される増幅操舵トルク信号に基づいて補助操舵制御を行う状態に復帰するように構成されていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、増幅回路異常検出手段で操舵トルク検出信号を増幅する増幅回路の異常を検出したときに、補助制御手段で増幅回路から出力される増幅操舵トルク信号を使用することなく操舵補助制御を継続するので、異常が発生している増幅操舵トルク信号が操舵制御に影響を与えることを確実に防止しながら補助操舵制御を継続することにより、マニュアル操舵状態に移行して運転者の操舵負荷を増大させたり違和感を与えたりすることを確実に防止することができるという効果が得られる。
また、請求項2に係る発明によれば、増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに、操舵制御手段で、操舵トルク検出手段から出力される操舵トルク検出信号に基づいて操舵制御を継続することにより、操舵系に与えられた操舵トルクに応じた補助操舵制御を正確に継続することができるという効果が得られる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに、操舵制御手段で、操舵トルク検出手段から出力される操舵トルク検出信号に基づいて操舵制御を継続し、この操舵継続状態が所定時間以上継続したときに、操舵補助制御を停止するので、増幅回路の異常状態が長時間継続する場合に、操舵補助制御を停止して、異常状態の発生を運転者に確実に報知することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、補助操舵制御を停止する際に、電動機で発生する補助操舵力を徐々に低下させるので、操舵補助力の大きな変化を防止して運転者に違和感を与えることなくマニュアル操舵状態に復帰させることができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項5に係る発明によれば、増幅回路の異常を増幅回路から出力される増幅操舵トルク信号と操舵トルク検出手段から出力される操舵トルク検出信号とを比較することにより検出するので、増幅回路の異常を正確に検出することができるという効果が得られる。
また、請求項6に係る発明によれば、増幅回路異常検出手段で、増幅回路から出力される増幅操舵トルク信号の異常を所定回数検出したときに、増幅回路の異常と判断するので、所定回数を1回に設定することにより、増幅回路の異常を直ちに検出することができ、所定回数を複数回に設定することにより、ノイズ等による異常を除いた正確な異常検出することをことができるという効果が得られる。
さらに、請求項7に係る発明によれば、増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出した後に、増幅回路の正常を検出する状態に復帰したときに、増幅回路から出力される増幅操舵トルク信号に基づいて操舵補助制御を行う状態に復帰するので、増幅回路に一時的な異常が発生して正常状態に復帰した場合に、通常補助操舵制御状態に直ちに復帰することができ、正確な操舵制御を行うことができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、補助操舵力を出力軸2bに伝達する減速ギヤ10が連結されており、この減速ギヤ10には、補助操舵力を発生する電動モータ12の出力軸が連結されている。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位をポテンショメータで検出するように構成されている。この操舵トルクセンサ3は、図2に示すように、入力される操舵トルクが零のときには、所定の中立電圧V0 となり、この状態から右切りすると、操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0 より増加する電圧となり、操舵トルクが零の状態から左切りすると操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0 より減少する電圧となる操舵トルク検出信号Tを出力するように構成されている。
この操舵トルクセンサ3から出力される操舵トルク検出信号Tは、コントローラ13に入力される。このコントローラ13には、トルク検出値Tの他に車速センサ14で検出した車速検出値V及び電動モータ12に流れる駆動電流検出値IMDも入力され、入力される操舵トルク検出信号T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を電動モータ12で発生する操舵補助指令値IM *を算出し、算出した操舵補助指令値IM *とモータ電流検出値IMDとにより、電動モータ12に供給する駆動電流をフィードバック制御する。
コントローラ13は、図3に示すように、電動モータ12の制御処理を実行するマイクロコンピュータ15と、マイクロコンピュータ15から出力されるモータ駆動電流IM に基づいて電動モータ12に供給する駆動電流を制御するモータ駆動回路17と、このモータ駆動回路16で電動モータ12に供給する駆動電流を検出するモータ電流検出回路18と、モータ電流とモータ駆動回路17から電動モータ12に供給する駆動電圧VM とに基づいてモータ角速度ωを推定するモータ角速度推定回路19とを備えている。
そして、マイクロコンピュータ15には、車速センサ14で検出した車速検出値Vが直接入力される一方、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルク検出信号Tが増幅回路20で例えば3倍に増幅されてからA/D変換器21でデジタル信号に変換されて入力されると共に、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルク検出信号Tが直接A/D変換器22でデジタル信号に変換されて入力され、さらにモータ電流検出回路18で検出したモータ電流検出値IMD及びモータ角速度推定回路19で推定したモータ角速度ωが夫々A/D変換器23及び24でデジタル信号に変換されて入力される。
このマイクロコンピュータ15は、操舵トルク検出信号T、増幅回路20で増幅された増幅操舵トルク信号AT、車速検出値V、モータ電流検出値IMD及びモータ角速度ωが入力される入力インタフェース回路15aと、操舵トルク検出信号T、増幅操舵トルク信号AT、モータ電流検出値IMD及びモータ角速度ωに基づいて電動モータ12を駆動制御して操舵トルクに応じた操舵補助力を発生する操舵補助制御処理を実行すると共に、増幅回路20の異常を検出する増幅回路異常検出処理を実行する中央処理装置15bと、中央処理装置15bで実行する操舵補助制御処理プログラム等を格納するROM(リードオンリメモリ)15cと、操舵トルク検出信号T、増幅操舵トルク信号、モータ電流検出値IMD及びモータ角速度ω等の検出データ、中央処理装置15bで実行する駆動制御処理の処理過程で必要とするデータや処理結果を記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)15dと、出力インタフェース回路15eとを有する。
ここで、中央処理装置15bで実行する増幅回路異常検出処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、図4に示すように、先ず、ステップS1で、操舵トルクセンサ3から出力される操舵トルク検出信号T及び増幅回路20から出力される増幅操舵トルク信号ATを読込み、次いでステップS2に移行して、操舵トルク検出信号Tに増幅回路20のゲインに相当する係数Kg (=3)を乗算して増幅操舵トルク比較値ATcを算出してからステップS3に移行する。
このステップS3では、増幅操舵トルク信号ATから増幅操舵トルク比較値ATcを減算した値の絶対値|AT−ATc|が予め設定した増幅回路20における異常判断用の閾値ΔT以上であるか否かを判定し、|AT−ATc|<ΔTであるときには増幅回路20が正常であるものと判断してステップS4に移行して、増幅回路異常フラグFAを“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了し、|AT−ATc|≧ΔTであるときには増幅回路20が異常であると判断してステップS5に移行して、増幅回路異常フラグFAを“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了する。
また中央処理装置15bで実行する操舵補助制御処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、図5に示すように、先ず、ステップS11で、操舵トルクセンサ3で検出した操舵トルク検出信号Tを読込み、次いでステップS12に移行して、操舵検出信号が予め設定された正常範囲内の値であるか否かを判定することにより、操舵トルクセンサ3が異常であるか否かを判定し、操舵トルク検出信号Tが正常範囲内の値を超えているときには、操舵トルクセンサ3の断線又は短絡による異常が発生しているものと判断してステップS13に移行して、モータ駆動回路17へのモータ駆動電流IM の出力を停止してから操舵制御処理を終了する。
一方、ステップS12の判定結果が、操舵トルク検出信号Tが正常範囲内であって操舵トルクセンサ3が正常であると判定されたときには、ステップS14に移行して、増幅回路20で増幅した増幅操舵トルク信号ATを読込み、次いでステップS15に移行して、前述した増幅回路異常検出処理で設定される増幅回路異常フラグFAが異常を表す“1”にセットされているか否かを判定し、増幅回路異常フラグFAが“0”にリセットされているときには増幅回路20が一応正常であると判断してステップS16に移行する。
このステップS16では、前回のタイマ割込処理時に増幅回路異常フラグFAが“1”にセットされていたか否かを判定し、増幅回路異常フラグFAが“1”にセットされていたときには増幅回路異常フラグFAに状態変化が生じたものであると判断して、ステップS17に移行する。
このステップS17では、増幅回路20が真に正常状態に復帰したか否かを判断する判断期間にあるか否かを表す期間判断フラグFBを判断期間にあることを表す“1”にセットし、次いで、ステップS18に移行して、所定期間を計数する変数Nを“1”だけインクリメントしてからステップS19に移行して、変数Nが予め設定した所定数Nsに以上となったか否かを判定し、N<Nsであるときには後述するステップS27にジャンプし、N≧NsであるときにはステップS20に移行する。ここで、所定数Nsとしては任意の値を設定することができるが、少なくとも発明が解決しようとする課題の項で説明した増幅操舵トルク信号が“0”を横切って増幅操舵トルク比較値との偏差が小さくなって増幅回路異常フラグFAが“0”となっている時間を超える継続時間が確保できるように設定することが好ましい。
このステップS20では、変数Nを“0”にクリアすると共に、期間判断フラグFBを“0”にリセットし、次いでステップS21に移行して、前記ステップS14で読込んだ増幅操舵トルク信号ATに基づいて下記(1)式の演算を行ってオフセット除去補正を行った増幅操舵トルク信号AToを算出する。
ATo=AT−V0 …………(1)
次いで、ステップS22に移行して、算出した増幅操舵トルク信号AToを正規の操舵トルク信号Tsとして設定してから後述するステップS27に移行する。
また、前記ステップS15の判定結果が、増幅回路異常フラグFAが“1”にセットさているときには増幅回路20が異常であると判断してステップS24に移行し、変数Nを“0”にクリアしてからステップS25に移行し、前記ステップS11で読込んだ操舵トルク検出信号Tに基づいて下記(2)式の演算を行って増幅操舵トルク代替値ATaを算出する。
ATa=3(T−V0 ) …………(2)
次いで、ステップS26に移行して、算出した増幅操舵トルク代替値ATaを正規の操舵トルク信号Tsとして設定してからステップS27に移行する。
ステップS27では、車速センサ14で検出した車速検出値Vを読込み、次いでステップS28に移行して、ステップS22又はS26で設定された操舵トルク信号Ts及び車速検出値Vに基づいて図6に示す操舵補助指令値算出マップを参照して、モータ電流指令値となる操舵補助指令値IM *を算出する。
ここで、操舵補助指令値算出マップは、図6に示すように、横軸に操舵トルク信号Tsをとり、縦軸に操舵補助指令値IM *をとり、車速検出値Vをパラメータとした特性線図で構成され、操舵トルク信号Tsが“0”から正方向に増加して第1の設定値Ts1に達するまでの間は車速検出値Vにかかわらず比較的緩い勾配で延長する直線部L1と、操舵トルク信号Tsが第1の設定値Ts1より増加したときに、車速検出値Vが比較的速い状態では、比較的緩やかな勾配で延長する直線部L2及びL3と操舵トルク検出値Tsが第1の設定値Ts1より大きい第2の設定値Ts2に近傍で横軸と平行となる直線部L4及びL5と、車速検出値Vが遅い状態では、比較的勾配の大きい直線部L6及びL7と、これら直線部L6及びL7より勾配の大きい直線部L8及びL9と、直線部L8より勾配の大きい直線部L10と、直線部L9及びL10の終端から横軸と平行に延長する直線部L11及びL12とで構成される4本の特性線が形成され、同様に操舵トルク信号Tsが負方向に増加する場合には、上記と原点を挟んで点対象となる4本の特性線が形成された構成を有する。
次いで、ステップS29に移行して、モータ角速度推定回路19で推定したモータ加速度ωを読込み、次いでステップS30に移行して、モータ角速度ωに慣性ゲインKi を乗算して、モータ慣性を加減速させるトルクを操舵トルクTsから排除し、慣性感のない操舵感覚を得るための慣性補償制御用の慣性補償値Ii (=Ki ・ω)を算出すると共に、操舵補助指令値IM *の絶対値に摩擦係数ゲインKf を乗算して、動力伝達部や電動モータの摩擦が操舵力に影響することを排除するため摩擦補償制御用の摩擦補償値If (=Kf ・IM *)を算出する。ここで、摩擦補償値If の符号は操舵トルクTsの符号とこの操舵トルクTsにより操舵の切り増し/切り戻しを判定する操舵方向信号とに基づいて決定する。
次いで、ステップS31に移行して、操舵トルク信号Tsを微分演算処理してアシスト特性不感帯での安定性確保、静摩擦の補償を行うセンタ応答性改善指令値Irを算出し、ステップS32に移行して、算出した慣性補償値Ii 、摩擦補償値If 及びセンタ応答性改善指令値Irを操舵補助指令値IM *に加算して操舵補助補償値IM *′(=IM *+Ii +If +Ir)を算出し、次いでステップS33に移行して、モータ電流検出値IMDを読込み、次いでステップS34に移行する。
このステップS34では、操舵補助補償値IM *′を微分してフィードフォワード制御用の微分値Idを算出し、次いでステップS35に移行して、モータ電流検出値IMDを減算して電流偏差ΔIを算出し、次いでステップS36に移行して、電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出し、次いでステップS37に移行して、電流偏差ΔIを積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し、次いでステップS38に移行して、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算してモータ駆動電流IM (=Id+ΔIp+ΔIi)を算出し、次いでステップS39に移行して、算出したモータ駆動電流IM をモータ駆動回路17に出力してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
上記図4の処理が増幅回路異常検出手段に対応し、図5の処理が操舵制御手段に対応している。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、操舵トルクセンサ3が正常であり、増幅回路20も正常であるものとし、この状態で、例えばキースイッチをオン状態とすることにより、コントローラ13に電源を投入すると、マイクロコンピュータ15の中央処理装置15bで図4に示す増幅回路異常検出処理及び図5の操舵制御処理を実行開始する。
このとき、増幅回路20が正常であるので、図7(a)に示すように、増幅回路20から出力される実線図示の増幅操舵トルク信号ATと操舵トルク検出信号Tを増幅回路20のゲインに相当する係数Kg倍した破線図示の増幅操舵トルク比較値ATcとが略等しい値となり、両者の偏差の絶対値|AT−ATc|が閾値ΔT未満となることにより、図4の増幅回路異常検出処理で、ステップS3からステップS4に移行して、増幅回路異常フラグFAが継続して図7(c)に示すように正常を表す“0”にリセットされる。このとき期間判断フラグFBは初期化処理で“0”にリセットされている。
このため、図5の増幅回路異常検出処理においてステップS11で操舵トルク検出信号Tを読込み、操舵トルク検出信号Tが正常であるので、ステップS12からステップS14に移行して増幅回路20から出力される増幅操舵トルク信号ATを読込んでからステップS15に移行する。
このとき、前述したように、図4の増幅回路異常検出処理で、増幅回路異常フラグFAが“0”にリセットされている状態を継続しており、期間判断フラグFBも“0”にリセットされているので、ステップS15からステップS23を経てステップS21に移行し、増幅操舵トルク信号ATから中立電圧V0 を減算することにより、オフセット分を除去する補正を行って例えば右きりで正、左きりで負となる補正増幅操舵トルク信号AToを算出する。
次いで、ステップS22に移行して、補正増幅操舵トルク信号AToを正規の操舵トルク信号Tsとして設定し、次いで車速センサ14から車速検出値Vを読込み(ステップS27)、操舵トルクTsと車速検出値Vとに基づいて図7に示す操舵補助指令値算出マップを参照して操舵補助指令値IM *を算出する(ステップS28)。
一方、モータ角速度推定回路19で推定したモータ角速度ωを読込み(ステップS29)、このモータ角速度ωに基づいて慣性補償制御用の慣性補償値Ii を算出すると共に、摩擦補償制御用の摩擦補償値If を算出し(ステップS30)、さらに操舵トルクTsを微分演算してセンタ応答性改善指令値Ir を算出し(ステップS31)、これら慣性補償値Ii、摩擦補償値If 及びセンタ応答性改善補償値Ir を操舵補助指令値IM *に加算して操舵補助補償値IM *′を算出する(ステップS32)。
そして、モータ電流検出回路18で検出したモータ電流検出値IMDを読込み(ステップS33)、次いで操舵補助補償値IM *′を微分演算処理してフィードフォワード制御における微分補償制御用の微分値Idを算出し(ステップS34)、次いで、操舵補助補償値IM *′からモータ電流検出値IMDを減算して電流偏差ΔIを算出し(ステップS35)、算出した電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出する。
また、電流偏差ΔIを積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し(ステップS36,S37)、次いで、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算してモータ駆動電流IM を算出し(ステップS38)、算出したモータ駆動電流IM をモータ駆動回路17に出力することにより(ステップS39)、モータ駆動回路17から電動モータ12に駆動電流を供給して、この電動モータ12で図7(b)に示すようにステアリングホイール1に作用された操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させ、これを減速ギヤ10を介して出力軸2bに伝達する。
このとき、車両が停車している状態でステアリングホイール1を操舵する所謂据え切り状態では、図6に示す操舵補助指令値算出マップの特性線の勾配が大きいことにより、小さい操舵トルクTsで大きな操舵補助指令値IM *を算出するので、電動モータ12で大きな操舵補助力を発生して軽い操舵を行うことができる。
一方、車両が発進して、所定車速以上となると、図6に示す操舵補助指令値算出マップの特性線の勾配が小さくなることにより、大きな操舵トルクTsでも小さな操舵補助指令値IM *を算出するので、電動モータ12で発生する操舵補助力が小さくなり、ステアリングホイール1の操舵が軽くなりすぎることを抑制して最適な操舵を行うことができる。
しかしながら、上記操舵トルクセンサ3及び増幅回路20が正常な状態を維持している状態で、例えば図7おける時点t1で、増幅回路20に例えば正の電源側への短絡による異常が発生することにより、この増幅回路20から出力される増幅操舵トルク信号ATが図7(a)に示すように増幅操舵トルク比較値ATcに対して閾値ΔTを超えて所定の電源電圧まで急激に上昇し、この状態を操舵トルク検出信号の変化にかかわらず維持する異常状態が発生したときには、図4の処理におけるステップS3で|AT−ATc|≧ΔTとなり、増幅回路20が異常であると判断されてステップS5に移行して、増幅回路異常フラグFAが図7(c)に示すように“1”にセットされる。
このため、図5の操舵補助制御処理では、増幅回路異常フラグFAが“1”にセットされているので、ステップS15からステップS24で変数Nを“0”にクリアしてからステップS25に移行して、操舵トルク検出信号Tをもとに(2)式の演算を行って増幅操舵トルク代替値ATaを算出し、算出した増幅操舵トルク代替値ATaが正規の操舵トルクTsとして設定され(ステップS26)、この操舵トルクTsと車速検出値Vとに基づいて図6の制御マップを参照することにより、異常となる直前の補正増幅操舵トルクAToと略等しい操舵補助トルクを発生する操舵補助指令値IM *が算出される。
そして、操舵トルク代替値ATaをもとに算出された操舵補助指令値IM *に基づいて操舵補助補償値IM *′が算出され、この操舵補助補償値IM *′に基づいてモータ駆動電流IM が算出され、このモータ駆動電流IM がモータ駆動回路17に出力されて電動モータ12が駆動制御されて、増幅回路20が異常状態となっても、電動モータ12で図7(b)に示すように操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させる操舵補助制御が継続され、従来例のように電動モータへの駆動電流を遮断してマニュアル操舵状態となることが防止されて、軽い操舵状態を維持することができる。
因みに、前述した従来例では、図8に示すように、時点t1で増幅回路が異常となって実線図示の増幅操舵トルク信号ATが電源電圧まで急増した場合には、増幅操舵トルク信号ATが破線図示の増幅操舵トルク比較値ATcより閾値ΔT以上大きいときにカウンタがカウントアップされ、このカウンタのカウント値が設定値に達した時点でモータ制御回路がオフ状態となるので、電動モータへの駆動電流が遮断されてマニュアル操舵状態となるため、カウンタのカウント値が設定値に達するまでの間で異常となった増幅回路の増幅操舵トルク信号に基づいて操舵補助が行われるので、運転者に違和感を与えると共に、カウンタのカウント値が設定値に達したときに、電動モータへの駆動電流が遮断されるので、車両が大きい場合やステアリングギヤ比が大きい場合に運転者の操舵負荷が急増することになるが、上記実施形態では、増幅回路20が異常となると直ちに補正増幅操舵トルク信号AToに代えて増幅操舵トルク代替値ATaを使用して操舵補助制御を継続するので、運転者の負担が増加することもなく、しかも増幅操舵トルク代替値ATaは操舵トルク検出信号Tに基づいて算出しているので、操舵トルクの変化に追従した操舵補助制御を継続することができる。
また、この増幅回路20の異常状態が、図9に示すように、時点t1で接触不良等による一時的な異常が発生し、これが所要時間後の時点t2まで継続し、時点t2で正常状態に復帰するものであるときには、時点t1で、増幅回路20から出力される増幅操舵トルク信号ATと増幅操舵トルク比較値ATcとの偏差が閾値ΔT以上となったときに前記図4の処理でステップS3からステップS5に移行して、増幅回路以上フラグFAが“1”にセットされるので、図5の操舵補助制御処理で、ステップS15からステップS24を経てステップS25に移行して、増幅操舵トルク代替値ATaが算出され、これが正規の操舵トルクTsとして再設定されることにより、直ちに増幅操舵トルク代替値ATaに基づく補助操舵制御状態に移行する。その後、時点t2で、増幅回路20から出力される増幅操舵トルク信号ATと増幅操舵トルク比較値ATcとの偏差が閾値ΔT未満となったときに前記図4の処理でステップS3からステップS4に移行して、増幅回路異常フラグFAが“0”にリセットされるので、図5の操舵補助制御処理で、ステップS15からステップS16に移行するが、前回の処理時に増幅回路異常フラグFAが“1”にセットされていたので、ステップS17に移行し、期間判断フラグFBを“1”にセットし、次いでステップS18に移行して、変数Nをインクリメントして“1”とする。このとき、変数Nがまだ所定値Nsより小さいので、ステップS19からステップS27にジャンプすることにより、正規の操舵トルクTsとして増幅操舵トルク代替値ATaの状態が継続される。
次のタイマ割込周期では、前回の増幅回路異常フラグFAが“0”であるので、ステップS16からステップS23に移行するが、期間判断フラグFBが“1”にセットされているので、ステップS18に移行して、変数Nをインクリメントする。
その後、タイマ割込周期が到来する毎に順次変数Nがインクリメントされ、時点t3で変数Nが所定値Nsに達すると、ステップS29からステップS20に移行して、増幅操舵トルク信号AToが算出され、これが正規の操舵トルクTsとして再設定されることにより、直ちに増幅操舵トルク信号AToに基づく通常補助操舵制御状態に復帰することができる。
さらに、従来例に記載されているように、図10(a)に示すように、増幅回路20から出力される増幅操舵トルク信号AToが、破線図示の操舵トルク検出信号Tが中立電圧V0 を境にして上下に変化する際に、実線図示のように、電源電圧の最大値及び最小値間で急変して比較器の比較出力と同様の状態となる異常が発生した場合には、図10(c)に示すように増幅操舵トルク信号AToと増幅操舵トルク比較値ATcとの偏差が閾値ΔT未満であるときには増幅回路異常フラグFAが“0”にリセットされ、増幅操舵トルク信号AToと増幅操舵トルク比較値ATcとの偏差が閾値ΔT以上であるときに増幅回路異常フラグFAが“1”にセットされることを繰り返すことになるが、図5の操舵補助制御処理では、増幅回路異常フラグFAが“1”から“0”にリセットされて状態変化が生じたときに、増幅回路異常フラグFAが“0”の状態を所定時間継続して確実に正常と判断できる時点で正規の操舵トルクTsを増幅操舵トルク代替値ATaから補正増幅操舵トルク信号AToに切換えるので、増幅操舵トルク信号ATが“0”を横切る際に瞬間的に増幅操舵トルク比較値ATcとの偏差の絶対値が閾値ΔT未満となって増幅回路異常フラグFAが“0”にリセットされたときには、増幅操舵トルク代替値ATaの状態を継続することになり、増幅操舵トルク比較値ATcが正負のピークとなる近傍でのみ補正増幅操舵トルク信号AToを正規の操舵トルクTsとして設定するので、操舵トルクTsとしては図10(b)に示すように多少波形が崩れるものの略操舵系に入力された操舵トルクに応じた操舵補助制御を継続することができる。
なお、増幅回路異常フラグFAが“1”から“0”にリセットされたときの継続判断時間を長くすることに図10(b)における段差を少なくしてリニアな波形とすることができる。
このように増幅回路異常フラグFAが“1”から“0”にリセットされたときの継続判断時間を設けるリセット条件とすることにより、正常である時間が十分経過して、確実に正常と判断しなければ増幅トルク代替値ATaから補正増幅トルク信号AToへ復帰させないようにすることができ、ハンチング現象の発生を確実に防止して運転者に与える違和感を確実に防止することができる。
また、操舵トルクセンサ3に断線や短絡の異常が発生した場合には、図5の処理において、ステップS2からステップS3に移行して、モータ駆動回路へのモータ駆動電流IM の出力が停止されると共に、図5の操舵補助制御処理が終了されるので、操舵トルクセンサ3の異常による誤動作は確実に防止することができる。
なお、上記実施形態においては、増幅回路20の異常検出を増幅操舵トルク信号AToと増幅操舵トルク比較値ATcとの偏差が閾値ΔT以上であるか否かを判定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、増幅回路20から出力される増幅操舵トルク信号ATからオフセットを除去した増幅操舵トルク信号AToと増幅操舵トルク代替値ATaとの偏差の絶対値が閾値ΔT以上であるか否かを判定するようにしても良く、さらには増幅操舵トルク信号ATにゲイン分の1を乗算した値と操舵トルク検出信号Tとを比較してその偏差の絶対値が閾値ΔT1以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、増幅回路20の異常を検出したときに、増幅操舵トルク代替値ATaを使用して操舵補助制御を継続する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータ15の中央処理装置15bで実行する補助操舵制御処理を、図11に示すように、ステップS15の判定結果が、増幅回路異常フラグFAが“1”にセットされているものであるときに、ステップS24を介してステップS41に移行して、継続時間を計測するタイマがセットされているか否かを判定し、タイマがセットされていないときにはステップS42に移行してタイマをセットしてからステップS43に移行し、タイマがセットされているときには直接ステップS43に移行して、このステップS43でタイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイマがタイムアップしていないときには前記ステップS25に移行し、タイマがタイムアップしたときに前記ステップS13に移行し、さらにステップS15の判定結果が、増幅回路異常フラグFAが“0”にリセットされているときにステップS44に移行して、タイマをリセットしてから前記ステップS16に移行することにより、増幅回路20の異常状態がタイマの設定時間以上継続する場合には電動モータ12の駆動を停止するようにしてもよい。この場合、電動モータ12の駆動を停止する際に、そのときのモータ駆動電流IM を徐々に所定値ΔIずつ連続的に又は段階的に減少させてモータ駆動電流IM が零又はその近傍となったときにモータ駆動電流IM の出力を停止するモータ駆動電流漸減処理を行うことが好ましい。
さらに、上記実施形態においては、モータ駆動電流IM を中央処理装置15bで実行するソフトウェア処理によって算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、操舵補助指令値演算器、センタ応答性改善回路、慣性補償器、摩擦補償器、微分補償器、減算器、比例演算器、積分演算器、加算器、乗算器、比較器等を組み合わせたハードウェアによってモータ駆動電流IM を算出するようにしてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、補償制御として、センタ応答性改善補償制御、慣性補償制御、摩擦補償制御、微分補償制御、比例・積分補償制御を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、特開2003−170856号公報に記載されている、車両の挙動を安定させるための収れん補償制御、電動モータのロストルクの発生する方向に対してロストルク相当の補助力を加算するモータロストルク補償制御、制御系の安定性と応答性を阻害する共振周波数の位相ずれを補償するロバスト補償制御や、モータ電流が流れても電動モータの出力に現れない電流を上乗せして電動モータの出力トルク“0”からの立ち上がりを改善するモータロス電流補償制御の外、ステアリングホイールを自然に中立位置に戻すためのステアリングホイール戻り補償制御等の種々の補償制御を任意の組合せで組み込むようにしてもよい。
本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 操舵トルクセンサで検出されるトルク検出信号の特性線図である。 図1のコントローラの具体的構成を示すブロック図である。 マイクロコンピュータの中央処理装置で実行する増幅回路異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。 マイクロコンピュータの中央処理装置で実行する操舵補助制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵補助指令値算出マップを示す特性線図である。 本発明の動作の説明に供するタイムチャートである。 従来例の動作の説明に供するタイムチャートである。 本発明の増幅回路の一時的な異常時の動作の説明に供するタイムチャートである。 本発明の増幅回路で比較器の比較出力と同様の異常発生時における動作の説明に供するタイムチャートである。 本発明の他の実施形態を示すマイクロコンピュータの中央処理装置で実行する操舵補助制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、12…電動モータ、13…コントローラ、14…車速センサ、15…マイクロコンピュータ、15a…入力インタフェース回路、15b…中央処理装置、15c…ROM、15d…RAM、15e…出力インタフェース回路、17…モータ駆動回路、18…モータ電流検出回路、19…モータ角速度推定回路、20…増幅回路、21〜24…A/D変換器

Claims (7)

  1. 操舵系に対して入力される操舵トルクを検出して操舵トルク検出信号を出力する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段から出力される操舵トルク検出信号を増幅する増幅回路と、該増幅回路で増幅された増幅操舵トルク信号に基づいて前記操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機を制御する操舵補助制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記増幅回路の異常を検出する増幅回路異常検出手段を備え、前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに当該増幅回路の増幅操舵トルク信号を使用することなく操舵補助制御を継続するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク検出信号を直接入力し、当該操舵トルク検出信号に基づいて操舵補助制御を継続するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク検出信号を直接入力し、当該操舵トルク検出信号に基づいて操舵補助制御を継続し、この操舵継続状態が所定時間以上継続したときに、操舵補助制御を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記補助操舵制御手段は、補助操舵制御を停止する際に、電動機で発生する補助操舵力が徐々に低下するように停止制御することを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記増幅回路異常検出手段は、増幅回路から出力される増幅トルク信号と操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク検出信号とを比較することにより、当該増幅回路の異常を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 前記増幅回路異常検出手段は、増幅回路の異常を継続して所定回数検出したときに増幅回路の異常と判断するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載に電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記補助操舵制御手段は、前記増幅回路異常検出手段で増幅回路の異常を検出した後に、増幅回路の正常を検出する状態に復帰したときに、前記増幅回路から出力される増幅操舵トルク信号に基づいて補助操舵制御を行う状態に復帰するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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