JP3199285B2 - 印画紙 - Google Patents

印画紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期保存性に優れた印
画紙に関する。
【0002】
【従来の技術】退色、変色を防止することを目的とし
て、エチレン−ビニルアルコール系重合体(以下EVO
Hと略記する)を溶剤(水−エタノ−ルの混合溶剤な
ど)に溶解した溶液を塗布した印画紙は特開昭58−1
21037号公報により知られている。
【0003】しかしながら、このようにして得られた印
画紙の長期保存性はかならずしも充分とはいえないし、
さらに有機溶剤を使用するため、画像の質を低下させた
りする恐れもある。また有機溶剤による作業環境の悪
化、有機溶剤の回収の問題が生じるという欠点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な従来技術の欠点を解消するために創案されたものであ
り、長期保存性が優れ、さらに画像の質の低下のない、
しかも作業環境、回収の問題の生じない印画紙を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、EVOH水
性分散液を印画紙に塗布することによって達成される。
【0006】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
においてEVOH水性分散液とはEVOHを分散質とす
る水性分散液であり、代表的にはEVOHを分散質と
し、イオン性基を有するEVOHを分散安定剤とする水
性分散液、イオン性基を有するEVOHを分散質とする
水性分散液があげられる。
【0007】次に本発明で使用する代表的な水性分散液
である、EVOHを分散質とし、イオン性基を有するE
VOHを分散安定剤とする水性分散液について説明す
る。分散安定剤として用いるイオン性基を有するEVO
Hのイオン性基は水中で解離しイオン性を示す基、すな
わちアニオン性基、カチオン性基、両性基を包含する。
分散安定化効果の点からはアニオン性基が好ましい。
【0008】アニオン性基としてはスルホン酸、スルホ
ン酸塩、硫酸エステル、硫酸エステル塩、燐酸、燐酸
塩、カルボン酸、カルボン酸塩等の基が挙げられ、また
これらの酸および塩が同時に含まれていても良い。分散
安定化効果が優れている点でスルホン酸あるいはカルボ
ン酸または該塩が好ましく、特にスルホン酸または該塩
が望ましい。
【0009】カチオン性基としてはアミンおよびその
塩、第4級アンモニウム塩、フォスホニウム塩、スルホ
ニウム塩等の基が挙げられる。特に第4級アンモニウム
塩が分散安定化効果が大きく好ましい。両性基としては
アミノカルボン酸塩(ベタイン型)、アミノスルホン酸
塩(スルホベタイン型)、アミノ硫酸エステル塩(サル
フェートベタイン型)等が挙げられる。
【0010】イオン性基の含量は分散安定化効果のある
範囲内で適宜選択されるが、分散安定化効果の点から該
イオン変性EVOH中のEVOH成分単位に対し0.0
5〜50モル%が望ましい。さらに好ましくは0.1〜
30モル%、殊に0.2〜15モル%、さらには0.2
〜10モル%が望ましい。0.05モル%未満では分散
安定化効果が小さく、50モル%を越えるものは水性分
散液を塗布、乾燥して得られる皮膜の耐水性、ガスバリ
ヤー性が不良になり、印画紙の長期保存性も低下する傾
向がある。イオン変性EVOH中に分散安定化効果を大
幅に損なわない範囲でイオン性基を含まない他の単位を
含むことは差し支えない。
【0011】イオン変性EVOH中のEVOH成分の組
成はエチレン含量が10〜70モル%、けん化度80モ
ル%(本発明で言うけん化度はビニルエステル単位のけ
ん化度を示す)以上であることが好ましい。エチレン含
量の好適な範囲は12モル%以上、さらに好ましくは1
5モル%以上、さらには20モル%以上である。また上
限については好適には65モル%以下、さらに好適には
60モル%以下である。また好ましいけん化度は90モ
ル%以上、さらには95モル%以上である。分散質のE
VOHのエチレン含量およびけん化度については後述す
るが、それと近い物が粒子分散安定化効果の点で望まし
い。より好ましくはほぼ同一のエチレン含量およびけん
化度が望ましい。イオン変性EVOHの重合度は特に制
約はないが、分散安定化効果の点から100以上が望ま
しい。重合度の上限は特に制限はないが、あまり大きす
ぎるものはその溶液粘度が高く分散性能が低下するので
通常2000以下のものが使用される。ここでイオン変
性EVOHの重合度は1モル/リットルのチオシアン酸
アンモニウムを含有する水/フェノール系混合溶剤(重
量比15/85)中、30℃で測定した固有粘度より求
められる。
【0012】ビニルエステルとしてはギ酸ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、三フッ
化酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のエチレンと共重合
可能で該共重合体をけん化することによりビニルアルコ
ールに変換可能なモノマーが使用できるが、特に酢酸ビ
ニルが好ましい。
【0013】イオン変性EVOHの構造に関してはいわ
ゆるランダムにイオン性基が導入されたものが好適に使
用され、その製造方法にはとくに制約はない。
【0014】例えば、イオン性基を含有するモノマーを
エチレンおよびビニルエステルとラジカル共重合し、次
いで得られた共重合体中のビニルエステル単位をけん化
してビニルアルコール単位に変換する方法、EVOHポ
リマーにイオン性基含有成分を付加反応させて導入する
方法、あるいはエチレン−ビニルエステル共重合体にイ
オン性基含有成分を付加反応させた後、該共重合体中の
ビニルエステル単位をけん化してビニルアルコール単位
に変換する方法等が挙げられる。その重合、けん化およ
び付加反応等の方法は公知の方法で実施できる。
【0015】エチレンおよびビニルエステルと共重合す
るイオン性基含有モノマーとしてはイオン性基あるいは
イオン性基に変換可能な基を有するラジカル単独重合あ
るいはラジカル共重合可能なものが使用できる。その例
を次に示す。
【0016】アニオン性基含有モノマー スルホン酸アニオン性基含有モノマーとしては、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸ナトリウムのごとき(メタ)アクリルアミド系スルホ
ン酸塩モノマー、スチレンスルホン酸カリウムのごとき
スチレン系スルホン酸塩モノマー、アリルスルホン酸ナ
トリウムのごときアリル系スルホン酸塩モノマー、また
ビニルスルホン酸ナトリウムのごときビニルスルホン酸
塩、あるいはこれらのアンモニウム塩モノマーさらには
これらの酸モノマー等が挙げられる。またこれらのスル
ホン酸のエステルも重合後エステルをその塩あるいは酸
に変換することにより使用可能である。
【0017】カルボン酸アニオン性基含有モノマーとし
てはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタ
コン酸、フマル酸などのモノ、ジ、ポリカルボン酸系ビ
ニルモノマーやそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等
が挙げられる。またこれらのエステル類も重合後エステ
ル基を塩基に変換することができ、使用可能である。
【0018】カチオン性基含有モノマー アミノプロピルアクリルアミドあるいはメタクリルアミ
ドのごときアミノ基含有(メタ)アクリルアミド系モノ
マー、アミノエチルアクリレートあるいはメタクリレー
トのごときアミノ基含有(メタ)アクリレートあるいは
その塩が重合性も良好で好ましい。特にその第4級塩が
ポリマーの着色も少なく好ましい。例えばトリメチルア
クリルアミドプロピルアンモニウムクロリドやトリエチ
ルメタクロイルエチルアンモニウムブロミド等である。
【0019】これらのモノマーは単独で使用すること
も、また併用することも可能である。また分散安定化効
果を阻害しない範囲で他のモノマーとの共重合も可能で
ある。
【0020】EVOHへの付加反応としては、その水酸
基へのイオン性基含有ビニルモノマーのマイケル付加反
応、あるいはイオン性基含有アルデヒドあるいはケトン
によるアセタール化あるいはケタール化、イオン性基含
有エポキシ化合物の付加、カルボン酸無水物の付加、ま
た硫酸によるエステル化等が挙げられる。また無水マレ
イン酸等のラジカル単独重合性の低いイオン性基含有モ
ノマーのラジカル付加反応による導入等が挙げられる。
【0021】またエチレン−ビニルエステル共重合体へ
無水マレイン酸等のラジカル単独重合性の低いイオン性
基含有モノマーをラジカル付加反応させ、次いでけん化
してビニルエステル単位をビニルアルコールに変換する
ことにより製造することも可能である。
【0022】分散質のポリマーであるEVOHは、エチ
レンと酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
安息香酸ビニル、三フッ化酢酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル等のビニルエステル、特に酢酸ビニルとを共重合、け
ん化することにより得られるエチレン−ビニルアルコ−
ル共重合体で、エチレン含量が15〜65モル%、けん
化度が90モル%以上のものであることが好ましい。エ
チレン含量が15モル%未満では水性分散液の安定性が
不良となり、また65モル%を越えるものはガスバリヤ
ー性が不良となり、印画紙の長期保存性が低下する傾向
がある。
【0023】水性分散液の安定性とガスバリヤー性、長
期保存性の点からはエチレン含量は20〜55モル%が
好ましい。またけん化度は90モル%未満になるとガス
バリヤー性が不十分になるので90モル%以上のものを
使用する必要がある。けん化度は高い方が長期保存性が
高く、さらにガスバリヤー性が高く、望ましくは95モ
ル%以上、さらには97モル%以上が好ましい。
【0024】分散質のEVOHの重合度は、極端に低い
ものは形成皮膜の強度が低く好ましくないので通常40
0以上好ましくは700以上のものが使用される。重合
度の高いものほど水性分散液として塗布使用することは
有利であり、通常5000程度のものまで使用できる。
ここで分散質の重合度は水/フェノール系混合溶剤(重
量比15/85)中、30℃で測定した固有粘度より求
められる。また必要に応じてエチレンおよびビニルエス
テル以外の共重合可能なモノマーを5モル%以下共重合
していてもよい。
【0025】分散安定剤であるイオン変性EVOHの使
用量はイオン性基の種類、含有量等を勘案して適宜選択
されるが、分散質のEVOH100重量部に対し2〜2
00重量部、好ましくは3〜100重量部さらに好まし
くは5〜50重量部が望ましい。量が少ないと分散安定
性が不良となり、多すぎると印画紙の長期保存性が低下
する傾向がある。
【0026】イオン変性EVOHを分散安定剤として分
散質であるEVOHを分散させる方法には制限はなく、
公知の方法が使用可能である。
【0027】例えば分散質であるEVOHの溶液を分散
安定剤であるイオン変性EVOHの共存下にEVOHの
非溶剤である水と撹拌下に接触させてEVOH粒子を3
μm以下、好ましくは2μm以下、最適には1μm以下
の微粒子として析出させ、次いで溶剤を除去することに
より水性分散液を得ることができる。なおここで微粒子
の径は数平均粒子径である。
【0028】固形分濃度としては好ましくは10重量%
以上、さらに好ましくは15重量%以上、最適には20
重量%以上である。固形分濃度の上限には特に制限はな
いが、あまり高濃度になりすぎると水性分散液の放置安
定性がやや不良になる場合があるので、通常60重量%
以下が好ましく、さらに好ましくは50重量%以下、最
適には40重量%以下である。
【0029】溶剤としては、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3
価アルコール、フェノール、クレゾール等のフェノール
類、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン等のアミ
ン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等、あるいはこれらの含水物等が
単独あるいは2種以上混合されて使用できる。特に好ま
しい溶剤はアルコール−水系の混合溶剤、例えば水−メ
チルアルコール、水−ノルマルプロピルアルコール、水
−イソプロピルアルコール等である。
【0030】イオン変性EVOHは分散質であるEVO
Hの溶液中、あるいは非溶剤の水中、あるいはその両方
に共存させることができるが、好ましくはEVOHの溶
液中に共存させるのが望ましい。
【0031】溶剤中の有機溶剤は蒸発法、抽出法あるい
は透析法等の便宜な方法で除去する。
【0032】また別の方法として、高温では溶解するが
低温にすると不溶になる溶剤系に分散質のEVOHおよ
び分散安定剤のイオン変性EVOHを加熱溶解した後、
その溶液を冷却することにより、微粒子として析出分散
させる方法も採用できる。しかる後その溶剤を水と置換
することにより水性分散液とすることができる。
【0033】高温で溶解し低温では析出する溶剤系とし
ては先に示した溶剤の内アルコール類の単独あるいは水
との混合溶剤等が使用できる。
【0034】さらに別の方法として、イオン変性EVO
Hを共存させたEVOHの溶液を非溶剤と接触させるか
あるいは冷却することにより析出分散させた粒子を濾別
し、その粒子をイオン変性EVOHの共存下に水中に分
散させる方法も可能である。
【0035】本発明において好適な水性分散液の製法と
しては、分散質のEVOHと分散安定剤のイオン性基を
有するEVOHを、これらの共通溶剤、例えば水−アル
コールの混合溶剤に撹拌下、温度50〜75℃で溶解し
て溶液とし、次いで冷却(温度−10〜30℃)し、E
VOH粒子を析出して分散化(エマルジョン化)し、次
に減圧下(温度10〜30℃、圧力10〜150mmH
g)にアルコールを除去し、さらに水を所望量除去する
ことによって、所望の固形分濃度の水性分散液を得る方
法があげられる。
【0036】本発明の水性分散液には粘度を低下させる
目的で水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどのアルカリ
金属化合物、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、酢酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウムなどのア
ルカリ土類金属化合物、その他の電解質を0.01〜
0.5重量%(対ポリマー)配合してもよい。配合は、
分散質のEVOHを微粒子化する前でも後でもよい。
【0037】本発明の水性分散液には必要に応じて本発
明の目的達成を妨げない範囲で通常の界面活性剤や保護
コロイドを添加することは可能である。また他の樹脂の
水性分散液、光あるいは熱等に対する安定剤、顔料、滑
剤、防黴剤あるいは造膜助剤などを添加することもでき
る。また本発明の分散安定剤は前記したEVOHの分散
安定剤として最適であるが、その他の有機材料(樹脂)
や無機材料の分散安定剤としても使用することができ
る。
【0038】イオン性基を有するEVOHとしては、前
述したとおり、イオン性基をランダムに導入したEVO
Hが好適であるが、末端にイオン性基を有し、さらに必
要に応じ架橋性基を有するEVOHを使用することもで
きる。ここで末端にイオン性基を有するEVOHとは、
例えばスルホン酸基またはその塩、カルボン酸基または
その塩、アンモニウム基等を有するアルコール、アルデ
ヒドあるいはチオール等の活性基を含有する化合物を連
鎖移動剤として共存させ、エチレンとビニルエステルと
を共重合し、次いでビニルエステル単位をけん化する方
法、またEVOHの末端にスルホン酸基またはその塩、
カルボン酸基またはその塩、アンモニウム基等を含有す
る化合物を化学反応により導入する方法等により製造さ
れる。これらの方法の中で、経済的かつ効率よく末端に
イオン性基を導入し、水性乳化分散液としての優れた安
定性等を示すEVOHを得る方法としては、スルホン酸
基またはその塩、カルボン酸基またはその塩、アンモニ
ウム基等を含有するチオールの存在下にエチレンとビニ
ルエステルとを共重合し、次いでけん化する方法が好ま
しい。次に本発明で使用する他の代表的な水性分散液で
ある、イオン性基を有するEVOHを分散質とする水性
分散液について説明する。この場合イオン性基を有する
EVOH、とくにイオン性基をランダムに導入したEV
OHとしては、前述したイオン性基として、スルホン酸
基またはその塩基を有するものが好ましい。これらのイ
オン性基を有するEVOHを分散質とする場合の、好適
なエチレン含量、けん化度、重合度は前述の分散質とし
て使用するEVOHのエチレン含量、けん化度、重合度
と同じである。
【0039】また本発明においては前述の分散安定剤ま
たは分散質として使用されるイオン性基を有するEVO
Hとして、EVOH成分とイオン性基を有する成分との
ブロックまたはグラフト共重合体を使用することもでき
る。また前述のEVOH水性分散液以外にEVOH成分
とポリビニルアルコール成分とのブロックまたはグラフ
ト共重合体を分散安定剤または分散質とする水性分散
液、EVOH成分とポリエーテル成分とのブロックまた
はグラフト共重合体を分散安定剤または分散質とする水
性分散液も使用可能である。
【0040】以上のとおり、前述したEVOH水性分散
液は、造膜性が良好であり、より薄い均質な皮膜が形成
でき、そのためにこれを塗布して得た印画紙の長期保存
性は極めて良好である。さらにまたEVOH水性分散液
を使用するため、画像の質を低下させないし、また有機
溶剤により作業環境の悪化、有機溶剤の回収問題もとく
に生じない。
【0041】本発明において印画紙とは、紙を主材とす
る支持体上に写真乳剤を塗布して得られた印画に用いる
写真材料であり、EVOH水性分散液を印画紙に塗布す
る方法としては、紙支持体に塗布した後、その塗布面に
写真乳剤を塗布する方法、紙支持体に写真乳剤を塗布し
た後、塗布する方法、または画像形成後、塗布する方法
などがあげられる。
【0042】また本発明のEVOH水性分散液の塗布方
法としては、キャステイングヘッドからの吐出、ロール
コート、ドクターロールコート、ドクターナイフコー
ト、カーテンフローコート、スプレー、浸漬、刷毛塗り
など任意の手段が例示される。このように塗布された基
材を乾燥する方法としては乾熱処理法、たとえば赤外線
照射法、熱風乾燥法、自然乾燥法などが例示される。ま
た本発明の水性分散液を塗布、乾燥・熱処理したあとの
皮膜の厚さは0.5〜15μmであることが好ましく、
さらに好適には1〜10μm、最適には2〜6μmであ
る。
【0043】以下に実施例により具体的に本発明を説明
するが実施例のみに限定されるものではない。また実施
例中の部は特に指定しないかぎり、重量部を示す。溶剤
組成も重量比で示す。
【0044】
【実施例】
実施例1 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナ
トリウム単位がEVOH成分に対し1.2モル%ランダ
ム共重合された、エチレン含量33モル%、けん化度9
9.6モル%、重合度800のスルホン酸アニオン変性
EVOHを10%含有する水/メチルアルコール=50
/50の混合溶剤溶液50部を、エチレン含量32モル
%、けん化度99.5モル%、重合度1000の通常の
EVOH28部とメチルアルコール100部および水1
00部に添加混合し65℃で加熱溶解した。この溶液を
撹拌下に10℃まで冷却したところ、粒子が析出し安定
な分散液がえられた。平均粒子径は0.7μmであっ
た。次いでこの分散液を撹拌下に20℃で減圧蒸発させ
メチルアルコールを留去した。メチルアルコール留去過
程でも粒子の凝集はほとんどみられず安定で、平均粒子
径が0.7μm、固形分濃度26%の水性乳化分散液を
えた。また放置安定性も良好で、40℃で10日の放置
試験でも凝集はほとんど認められなかった。
【0045】この水性分散液を、画像形成後のカラー写
真印画紙表面に塗布し、自然乾燥した。得られた印画紙
を100日放置したが退色、変色は認められず、また画
像の質の低下も認められなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明の印画紙は、長期保存性が優れ、
さらに画像の質の低下がなく、しかもEVOH水性分散
液を使用することにより、作業環境の悪化、有機溶剤の
回収の問題もとくに生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 11/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分濃度が10〜60重量%のエチレ
    ン−ビニルアルコール系共重合体水性分散液を塗布した
    印画紙。
  2. 【請求項2】 固形分濃度が10〜60重量%のエチレ
    ン−ビニルアルコール系共重合体水性分散液を印画紙に
    塗布後、乾燥して得られるエチレン−ビニルアルコール
    系共重合体を被覆した印画紙の製造方法。
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