JP2008087662A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トルクセンサの故障等により検出値に異常があるとき、トルク検出値を徐々に減少させ、操舵補助力を適切に制御できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 サンプリングされたトルク検出値Tはトルク値異常検出部23、及びトルク演算部24に入力される。トルク値異常検出部23はトルク検出値Tの異常を判断し、異常があるときは記憶装置26内に格納されている前回の過去トルク値を電流指令値演算部28に出力、電流指令値Ir を演算する。トルク演算部24は操舵補助モータの角速度又は角加速度に応じてトルク検出値を徐々に減少させる徐変処理を行い、徐変処理されたトルク検出値を過去トルクとして記憶装置26に格納する。徐変処理はモータ角速度又は角加速度が大きいときは徐変時間を短く、モータ角速度又は角加速度が小さいときは徐変時間を長く設定し、操舵トルクの急変を抑える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に、操舵トルクを検出するトルクセンサの故障等によりトルク検出値が異常値を示しても、操舵補助トルクを適正に制御できる制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置は、操向ハンドルと操舵機構とを連結するステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出し、検出された操舵トルクに基づいてモータの出力を制御し、モータの駆動力をギア又はベルト等の伝達機構によりステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助トルクを付与することにより、操向ハンドルの操舵トルクを適正に補助するように構成されているものが一般的である。
図4は、このような電動パワーステアリング装置の構成の一例を説明する図である。操向ハンドル101のステアリングシャフト102は、減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオン・ラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に連結されている。ステアリングシャフト102には、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出するトルクセンサ107が設けられているほか、操舵トルクを補助するモータ108が減速ギア103を介して連結されている。
制御装置109は、モータ108の出力を制御するもので、トルクセンサ107で検出された操舵トルクと、図示しない車速センサで検出された車速、或いはホールセンサ110で検出されたモータの角速度等を入力として電流指令値を演算し、演算された電流指令値に基づいてモータを制御する。制御装置109はCPUで構成され、CPU内部の制御プログラムによりモータを制御し、適切な操舵補助トルクを発生させる。
図5は、上記した制御装置109の制御機能を説明するブロック図の一例を示す図である。トルクセンサ107で検出されたトルク検出値Tは、電流指令値演算部120に入力され、電流指令値Irが演算されて加算器121に出力される。加算器121では電流指令値Irと電流検出器124で検出されたモータ電流検出値imとの差(Ir−im)である電流制御値Eが演算され、電流制御部122に出力される。
電流制御部122では電流制御値Eに基づいてデューテイ比Dが演算され、デューテイ比Dに対応したPWM信号(パルス幅信号)がモータ駆動部123に出力される。モータ駆動部123ではPWM信号に対応して、図示されていない半導体素子で構成されたHブリッジ回路を作動させ、モータ108を駆動する。モータ108に流れたモータ電流はモータ電流検出器124で検出され、検出されたモータ電流検出値imは加算器121に帰還入力され、フィードバック制御が行われる。
以上説明したような電動パワーステアリング装置では、トルクセンサが正常に作動し、操舵トルクが正確に検出されることを前提としてモータの制御が行われている。しかし、実際にはトルクセンサも故障することがあり、故障すると異常なトルク検出値が制御装置に入力され、運転者の意図しない異常な動作を引き起こすおそれがあるため、従来から種々の対策が講じられてきた(特許文献1参照)。
即ち、トルク検出値Tが正常値の範囲から外れた状態が検出されてから所定の時間が経過するまでは、異常なトルク検出値Tに基づいて演算された操舵補助指令値により決定されたデューティ比DのPWM信号によりモータが駆動されて、運転者の意図しない操舵補助トルクが発生し、運転者に違和感を与えるおそれがあり、好ましくない。
また、正常値の範囲から外れた状態が検出されてから所定の時間が経過すると、図示しないフェールセイフ処理部の作動により電流指令値が遮断されて操舵補助力が突然に零となるから、運転者が操向ハンドルを操作して大きなトルクを加えていたような場合は、運転者は突然にトルクが急変して操向ハンドルが重く感じられて好ましくない。
このような問題に対し、トルクセンサの電源電圧の低下や、瞬間停電などの重大な異常が発生したとき、フェールセイフ処理部が作動して、保持しておいた異常発生直前のトルク検出値にゲインを乗じた値を用いて電流指令値を演算して制御を継続し、その後に電流指令値を徐々に減衰する制御を行い、操舵補助トルクが急激に変化しないようにした制御装置の制御方式がある(特許文献2参照)。
この制御方式によれば、トルク検出値が正常値の範囲から外れると、その直前のトルク検出値に基づいて演算された電流指令値によりモータが駆動され、その後、電流指令値Irは徐々に減衰する制御が行われ、これによりモータ電流も漸減処理されるから、急激なトルクの変化は発生しない。
特開2000−318633号公報。 特開2000−329628号公報。
上記したように、従来の制御装置の制御方式では、トルクセンサに異常が発生したときは、異常発生直前のトルク検出値Tに基づいて電流指令値を演算し、その後、電流指令値を徐々に減衰させる制御を行うことで、補助操舵トルクの急激な変化を抑制している。以下、この出願では、異常発生後に電流指令値Irを徐々に減衰する制御を「徐変処理」と呼ぶことにする。
しかしながら、操舵補助用モータの回転数が高い時に「徐変処理」を行うと、運転者に違和感を感じさせる場合がある。例えば、運転者が短時間に急激な操舵を行うと、急激な操舵によりモータ角速度が高くなり、操舵補助トルクを発生させるのに必要なモータ電流を流せない領域が発生し、操舵補助トルクが不足する場合がある。
このとき、運転者は不足した操舵補助トルクの分だけ大きな操舵トルクで操向ハンドルを操作するので、トルクセンサは過大なトルク検出値を出力することになる。このような状況においてトルクセンサに故障が発生し、トルク検出値に異常が検出された場合は、異常発生直前のトルク検出値Tは過大なトルクであるから、この過大なトルク検出値に基づいて操舵補助トルクを発生させるときは必要以上の操舵補助トルクを発生させることになり、運転者に違和感を与える場合があって好ましくないという問題があった。
また、運転者が短時間に急激な操舵を行うと、操舵補助用モータの回転が追従できなくなり、短時間ではあるが運転者が意図した操舵方向と逆方向にモータが回転する時間がある。このため、制御装置に入力されるトルク検出値Tは運転者が意図した方向と逆方向の値となり、過大なトルクが発生してトルク検出値Tが異常値を示す。また、この後、モータは運転者が意図した方向に反転回転することになるが、モータの反転時はモータの角加速度が高くなり、過大な値を示すという不都合があった。
この問題に対処するため、本願発明者は、過大なトルクが検出されたとき、操舵状態を示すモータ角速度或いはモータ角加速度に応じたパラメータを異常発生直前のトルク検出値Tに乗算してトルク検出値Tを修正し、修正トルク値をトルク検出値の代替トルクとして徐々にトルク値を減少させる徐変処理を行う新たな制御方式を提案した(特願2006−017068号)。
この制御方式によれば、トルクセンサに異常が発生した場合でも運転者に違和感を感じさせることなく操舵を継続することができる。この発明は、上記制御方式を更に改善した制御方式を提案するものである。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操向ハンドルに作用する操舵トルクを検出するトルクセンサと、所定のタイミングでサンプリングされた前記トルクセンサのトルク検出値に基づいてモータ出力を制御する制御装置と、前記トルク検出値の異常を検出するトルク値異常検出手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出されたときは、異常検出直前の過去トルク値を、予め設定されている標準徐変時間に徐変係数を乗算して得られた徐変時間で徐々に減少させてモータ出力を制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
そして、前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角速度出力手段を備え、前記徐変係数は、予めモータ角速度に対応して設定されるものとする。
そして、前記徐変係数は、モータ角速度が所定の閾値以下の場合は一定値とし、モータ角速度が所定の閾値を越えるときはモータ角速度の増大に応じて減少し、モータ角速度の減少に応じて増大するように設定されるものとする。
また、前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角加速度出力手段を備え、前記徐変係数は、予めモータ角加速度に対応して設定されるものとする。
そして前記徐変係数は、モータ角加速度が所定の閾値以下の場合は一定値とし、モータ角加速度が所定の閾値を越えるときはモータ角加速度の増大に応じて減少し、モータ角加速度の減少に応じて増大するように設定されるものとする。
そして、前記標準徐変時間は、モータ角速度又はモータ角加速度が実質的に零の状態のときの所定の操舵補助特性に基づいて決定されるものとする。
また、前記電動パワーステアリング装置は、モータ角速度に応じて決定された徐変係数とモータ角加速度に応じて決定された徐変係数とのいずれか小さい方を採用するようにしてもよい。
また、前記電動パワーステアリング装置は、モータ角速度に応じて決定された徐変係数とモータ角加速度に応じて決定された徐変係数とにそれぞれ重み付けした値の加算値を徐変係数として採用するようにしてもよい。
さらに、前記徐変係数は、モータ角速度又はモータ角加速度が制限値を越えた場合は、徐変係数を予め設定した所定の制限値にするものとする。
以上説明したとおり、請求項1の発明の電動パワーステアリング装置によれば、トルクセンサに故障などが発生し、トルクセンサから出力されるトルク検出値に異常が発生したときは、異常検出直前の過去トルク値を予め設定されている標準徐変時間に徐変係数を乗算して得られた徐変時間で徐々に減少させてモータ出力を制御する。
これにより、トルクセンサの故障などが発生しても、運転者に違和感を与えずに、適切な操舵トルクで操向ハンドルを操作できる、安全性の高い電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置全体の概略構成は、先に図4を参照して説明した従来の構成と同様であるからここでは説明を省略し、制御装置の構成について説明する。
図1は、この発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の制御機能を説明するブロック図である。制御装置10は、トルク値異常検出手段であるトルク値異常検出部23、指令トルク値出力手段であるトルク演算部24、モータ角速度出力手段であるモータ角速度推定部25、記憶手段である記憶装置26、電流指令値演算部28、加算器29、電流制御部31、モータ駆動部32から構成される。また、制御装置10には操舵トルクを検出してトルク検出値を出力するトルクセンサ21、操舵補助力を供給するモータ33、モータ電流を検出するモータ電流検出器34が接続される。
なおこの説明では、モータ角速度出力手段としてモータ角速度推定部25を示してあるが、モータ角速度を直接検出するモータ角速度出力手段であってもよい。
また、モータ角速度出力手段に代えてモータ角加速度出力手段であってもよく、この場合は、モータ角速度推定部25をモータ角加速度推定部25と読み替えるものとする。モータ角加速度はモータ角速度を微分して得ることができる。
また、後述する修正トルク値演算の複数の実施例では、モータ角速度に基づいて操舵トルクを徐変処理する実施例、モータ角加速度に基づいて操舵トルクを徐変処理する実施例、その他が示されている。
トルク値異常検出部23は、検出されたトルク検出値Tが異常か否かを判定するものであり、公知のトルク診断手段、例えばトルクセンサが2つのトルク検出コイルを備えている場合、検出された2つのトルク値を比較することによりトルク値の異常を判定している。検出されたトルク検出値Tが異常であると判定されたときは、異常検出信号Gをトルク演算部24に出力して徐変処理を実行させる。
モータ角速度推定部25は、公知の手法、例えばモータ逆起電力からモータ角速度Nの推定を行なう。
トルク演算部24は、電流指令値演算部28に対してモータ33の駆動制御に用いる指令トルク値Ta を出力するもので、トルクセンサ21から所定の時間間隔でサンプリングされるトルク検出値T、及びモータ角速度推定部25で推定されたモータ角速度Nが入力される。
トルク演算部24は、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが入力されていない場合、即ち、トルク検出値Tの異常が検出されていないときは、所定の時間間隔でサンプリングされたトルク検出値Tをそのまま指令トルク値Ta として電流指令値演算部28に出力すると共に、トルク検出値Tを過去トルク値として記憶装置26に記憶させる。
また、トルク演算部24は、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが入力された場合、即ち、トルク検出値Tの異常が検出されたときは、記憶装置26に記憶されている過去トルクを読出し、後述する徐変処理を行って徐変トルク値Trを演算し、演算された徐変トルク値Tr を指令トルク値Ta として電流指令値演算部28に出力すると共に、徐変トルク値Tr を過去トルク値として記憶装置26に記憶させる。
電流指令値演算部28は、指令トルク値Ta に基づいて、公知の手法によりモータの駆動制御を行う電流指令値Ir を演算し、加算器29へ出力する。
加算器29は、電流指令値演算部28から出力される電流指令値Ir (徐変処理された電流指令値Ir を含む)と、モータ電流検出器34で検出されたモータ電流im とを減算し、電流制御部31に電流制御値Eとして出力する。
電流制御部31は、電流制御値Eに基づいてモータ駆動部32の半導体スイッチング素子を駆動するPWM信号のデューテイ比を演算してモータ駆動部32に出力する。モータ駆動部32は前記デューテイ比に基づいて半導体スイッチング素子で構成されたHブリッジ回路を作動させてモータ33を駆動する。
モータ33に流れるモータ電流im はモータ電流検出器34で検出され、加算器29に入力されてフィードバックされる。
以上のとおり、トルク検出値Tに異常が検出されない場合はトルク検出値Tを指令トルク値Ta として出力し、モータ33を駆動する。また、トルク検出値Tに異常が検出された場合は異常値であるトルク検出値Tに基づくモータ33の駆動を回避し、記憶装置26に記憶されている過去トルク(前回の指令トルク値Ta )を読出して徐変処理し、徐変処理されたトルクを今回の指令トルク値Ta として電流指令値演算部28に出力し、モータ33を駆動する。
次に、トルク検出値に異常が検出された場合に行われる、指令トルク値の徐変処理について説明する。ここで行われる徐変処理とは、電流指令値の演算に使用される指令トルク値を、時間経過に応じて減少させる処理である。
トルク検出値に異常が検出された場合は、モータの駆動を指令する電流指令値を徐々に減少させ、運転者に違和感を与えないように制御することが必要である。このため、従来の制御方式では、サンプリングされた異常発生前のトルク検出値T(過去トルク)に、モータ角速度に応じて予め設定されたパラメータを乗算して修正トルク(減少値)を算出し、算出された修正トルクを代替トルクとして電流指令値を演算していた。
この結果、次のサンプリングで検出されたトルク検出値は、前回修正の修正トルク値(減少値)となるから、トルク検出値(代替トルク値と同じ)は、サンプリングが行われる都度、パラメータで決定される一定値づつ次第に小さくなるように処理(徐変処理)され、電流指令値も徐々に減少する。
これに対し、この発明に係る徐変処理は、指令トルク値を時間経過に応じて減少させることにより電流指令値を時間経過と共に減少させるもので、指令トルク値を減少させる時間を徐変時間と呼ぶことにする。
徐変時間は、モータ角速度又はモータ角加速度に基づいて決定される。即ち、モータ角速度又はモータ角加速度が大きいとき(操向ハンドルが迅速に操作されたとき)は徐変時間を短く設定し、モータ角速度又はモータ角加速度が小さいとき(操向ハンドルがゆっくり操作されたとき)は徐変時間を長く設定することにより、従来の構成のものよりも円滑な徐変処理を行うことができる。
[第1実施例]
第1実施例は、徐変時間をモータ角速度に応じて決定する例である。まず、モータ角速度Nと徐変時間との関係について説明する。
予めモータ角速度Nが無視できる程度に小さいとき、即ち操向ハンドルが実質的に操作されていない状態での徐変時間を、標準徐変時間TM0 (最大徐変時間)とし、車両の構造やアシストマップ等に基づいて設定する。そして、実際のトルク検出値Tを徐変処理する徐変時間TMは、以下の演算式(1)により演算することができる。
TM=TM0 ×P・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
但し、
TM0 :標準徐変時間
P:徐変係数
ここで、徐変係数Pについて説明する。徐変係数Pの一例を図2に示す。モータ角速度Nが閾値N1 以下の場合は、徐変係数Pは一定値P1 (例えばP1 =1.0)とする。即ち、モータ角速度Nが閾値N1 以下の小さい場合には、標準徐変時間TM0 が徐変時間TMとして設定される。
モータ角速度Nが閾値N1 を越える場合は、モータ角速度の増加に逆比例して徐変係数Pが減少するように一次関数で設定されている。これにより、モータ角速度Nが大きい(徐変係数pが小さい)場合は、徐変時間TMは標準徐変時間TM0 よりも短く設定され、指令トルク値Ta は徐変時間TMで決定される時間で減少させることができる。
次に、モータ角速度Nが閾値N1 を越えている場合の、トルク演算部24で実行される徐変トルク値Tr の演算を説明する。
トルク演算部24で実行される指令トルク値Ta (過去トルク)に上記した徐変時間TMを反映させるため、指令トルク値Ta (過去トルク)に上記徐変係数Pを乗算して徐変トルク値Tr を算出する。
なお、モータ角速度Nが閾値N1 以下の場合は徐変係数Pは1.0が設定されて徐変処理は行われず、指令トルク値Ta (過去トルク)がそのまま指令トルク値Ta として出力される。
まず、第1回の徐変トルク値Tr1の演算が行われる。最初はトルク検出値Tのサンプリングにより記憶装置26に記憶されている過去トルクTを読出し、徐変係数Pを乗算して第1回の徐変トルク値Tr1を演算し、徐変トルク値Tr1を指令トルク値Ta1として出力する。第1回の指令トルク値Ta1は記憶装置26に過去トルクTとして記憶される。
次のトルク検出値のサンプリングタイムでは、記憶装置26に記憶されている第1回の指令トルク値Ta1(過去トルク)を読出し、徐変係数Pを乗算して第2回の徐変トルク値Tr2を演算し、徐変トルク値Tr2を指令トルク値Ta2として出力する。第2回の指令トルク値Ta2は記憶装置26に過去トルクとして記憶される。
以下、上記した、過去トルクに徐変係数Pを乗算して徐変トルク値を算出する処理を繰り返し、第n回の指令トルク値Tanを電流指令値演算のための指令トルク値Tanとして出力する。
これにより、モータ角速度Nが大きい(徐変係数Pが小さい)ときは、徐変トルク値Tr1は、演算の都度大きく減少するから、指令トルク値Ta を短時間で減少させることができる。また、モータ角速度Nが小さい(徐変係数Pが大きい)ときは、徐変トルク値Tr1は、演算の都度小さく減少するから、指令トルク値Ta を長時間にわたり徐々に減少させることができる。
[第2実施例]
第2実施例は、徐変時間をモータ角加速度に応じて決定する例である。まず、モータ角加速度Aと徐変時間との関係について説明する。
予めモータ角加速度Aが無視できる程度に小さいとき、即ち操向ハンドルが実質的に操作されていない状態での徐変時間を、標準徐変時間TN0 (最大徐変時間)とし、車両の構造やアシストマップ等に基づいて設定する。そして、実際のトルク検出値Tを徐変処理する徐変時間TNは、以下の演算式(2)により演算することができる。
TN=TN0 ×R・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
但し、R:徐変係数
ここで、徐変係数Rについて説明する。徐変係数Rの一例を図3に示す。モータ角加速度Aが閾値A1 以下の場合は、徐変係数Rは一定値R1 (例えばR1 =1.0)とする。即ち、モータ角加速度Aが閾値A1 以下の小さい場合には、標準徐変時間TN0 が徐変時間TNとして設定される。
モータ角加速度Aが閾値A1 を越える場合は、モータ角加速度の増加に逆比例して徐変係数Rが減少するように一次関数で設定されている。これにより、モータ角加速度Aが大きい(徐変係数Rが小さい)場合は、徐変時間TNは標準徐変時間TN0 よりも短く設定され、トルク検出値Tは徐変時間TNで決定される時間で減少させることができる。
次に、モータ角加速度Aが閾値A1 を越えている場合の、トルク演算部24で実行される徐変トルク値Tr の演算を説明する。なお、モータ角加速度Aが閾値A1 以下の場合は徐変係数Rは1.0が設定されて徐変処理は行われず、トルク検出値Tがそのまま指令トルク値Ta として出力される。
トルク演算部24で実行される徐変トルク値Tr に上記した徐変時間TNを反映させるため、検出トルク値Tに上記徐変係数Rを乗算して徐変トルク値Tr を算出する。
まず、第1回の徐変トルク値Tr1の演算が行われる。前回のトルク検出値Tのサンプリングで検出され、記憶装置26に記憶されているトルク検出値T(過去トルクT)を読出し、徐変係数Rを乗算して第1回の徐変トルク値Tr1を演算し、徐変トルク値Tr1を指令トルク値Ta1として出力する。第1回の指令トルク値Ta1は記憶装置26に過去トルクTとして記憶される。
次のトルク検出値のサンプリングタイムでは、記憶装置26に記憶されている第1回の指令トルク値Ta1(過去トルク)を読出し、徐変係数Rを乗算して第2回の徐変トルク値Tr2を演算し、徐変トルク値Tr2を指令トルク値Ta2として出力する。第2回の指令トルク値Ta2は記憶装置26に過去トルクとして記憶される。
以下、上記した、過去トルクに徐変係数Rを乗算して徐変トルク値を算出する処理を繰り返し、第n回の指令トルク値Tanを電流指令値演算のための指令トルク値Tanとして出力する。
これにより、モータ角加速度Aが大きい(徐変係数Rが小さい)ときは、徐変トルク値Tr1は、演算の都度大きく減少するから、指令トルク値Ta を短時間で減少させることができる。また、モータ角加速度Aが小さい(徐変係数Rが大きい)ときは、徐変トルク値Tr1は、演算の都度小さく減少するから、指令トルク値Ta を長時間にわたり徐々に減少させることができる。
[第3実施例]
第3実施例は、徐変時間を、上記第1実施例で説明した徐変係数Pと、上記第2実施例で説明した徐変係数Rのいずれか小さい方を採用するものである。
これにより、モータ角速度N又はモータ角加速度Aが大きい(徐変係数P又はRが小さい)ときは指令トルク値Ta を短時間で減少させることができ、また、モータ角速度N又はモータ角加速度Aが小さい(徐変係数P又はRが大きい)ときは、指令トルク値Ta を長時間にわたって徐々に減少させることができる。
[第4実施例]
第4実施例は、徐変係数S、上記第1実施例で説明した徐変係数Pと第2実施例で説明した徐変係数Rにそれぞれ重み付けを行なって決定するものである。
即ち、実際にトルク検出値Tを徐変処理する徐変時間TLは、以下の演算式(3)により演算される。
TL=TL0 ×S・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
但し、S:徐変係数={P×G1 +R×G2 }
TL:徐変時間
TL0 :標準徐変時間
P:第1実施例の徐変係数
R:第2実施例の徐変係数
G1 、G2 :重み係数
重み係数G1 、G2 は、車両の構成やアシストマップなどに基づいて決定するものとする。
これにより、モータ角速度N又はモータ角加速度Aが大きい(徐変係数Sが小さい)ときは指令トルク値Ta を短時間で減少させることができ、また、モータ角速度N又はモータ角加速度Aが小さい(徐変係数Sが大きい)ときは、指令トルク値Ta を長時間にわたって徐々に減少させることができる。
以上説明した第1乃至第4の実施例では、徐変時間TM(TN、TL)は、標準徐変時間TM0 (TN0 、TL0 )に徐変係数P、R又はSを乗算して求めており、徐変係数P、R又はSはモータ角速度N又はモータ角加速度Aに応じて決定されるが、モータ角速度N又はモータ角加速度Aが異常に大きい場合は徐変時間TM(TN、TL)が零となってしまい、操舵補助トルクが突然零になって操舵感覚を著しく悪化させてしまう。
そこで、モータ角速度N又はモータ角加速度Aが所定の制限値を越えている場合は、徐変時間TMを所定の制限値に固定して徐変時間TM(TN、TL)が零にならないようにするとよい。また、モータ角速度N又はモータ角加速度Aが所定の制限値以下の場合は、前記した標準徐変時間TM0 (TN0 、TL0 )に徐変係数P、R又はSを乗算して求めた徐変時間TM(TN、TL)を使用するようにするとよい。
即ち、モータ角速度Nとモータ角加速度Aが共に所定の制限値を越えている場合は、所定の制限値に固定された徐変時間TM(TN、TL)を使用する。
また、モータ角速度Nとモータ角加速度Aのいずれか一方が所定の制限値を越えている場合は、所定の制限値に固定された徐変時間TM(TN、TL)を使用する。
また、モータ角速度Nとモータ角加速度Aが共に所定の制限値を越えていない場合は、標準徐変時間TM0 (TN0 、TL0 )に徐変係数P、R又はSを乗算して求めた徐変時間TM(TN、TL)を使用する。
以上、この発明の実施の形態を複数の実施例により説明したが、以上の説明から明らかなように、徐変係数をモータ角速度N又はモータ角加速度Aに関連づけて決定することにより、指令トルク値Ta を短時間で減少、或いは長時間にわたって徐々に減少させることができ、徐変の開始から終了までの時間が変わり、従来の構成のものよりも円滑な徐変処理を行うことができるので、トルク検出値に異常が検出された場合に、運転者に違和感を与えることが少なくなる。
安全性の高い電動パワーステアリング装置であって、トルクセンサから出力されるトルク検出値に異常が発生したときは速やかに異常なトルク検出値を徐々に減少させるもので、操舵補助用モータの角速度又は角加速度に応じてトルク検出値を徐々に減少させる徐変時間を変化させ、ハンドルの操作に違和感を与えることなく操向ハンドルの操作を行うことができる電動パワーステアリング装置を提供する。
第1及び第2の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の制御機能を説明するブロック図。 徐変係数の一例を説明する図(その1)。 徐変係数の一例を説明する図(その2)。 電動パワーステアリング装置の構成の一例を説明する図。 従来の電動パワーステアリング装置の制御機能を説明するブロック図。
符号の説明
10 制御装置
21 トルクセンサ
23 トルク値異常検出部
24 トルク演算部
25 モータ角速度推定部(モータ角加速度推定部)
26 記憶装置
28 電流指令値演算部
29 加算器
31 電流制御部
32 モータ駆動部
33 モータ
34 モータ電流検出器

Claims (9)

  1. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操向ハンドルに作用する操舵トルクを検出するトルクセンサと、所定のタイミングでサンプリングされた前記トルクセンサのトルク検出値に基づいてモータ出力を制御する制御装置と、前記トルク検出値の異常を検出するトルク値異常検出手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出されたときは、異常検出直前の過去トルク値を、予め設定されている標準徐変時間に徐変係数を乗算して得られた徐変時間で徐々に減少させてモータ出力を制御すること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角速度出力手段を備え、前記徐変係数は、予めモータ角速度に対応して設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記徐変係数は、モータ角速度が所定の閾値以下の場合は一定値とし、モータ角速度が所定の閾値を越えるときはモータ角速度の増大に応じて減少し、モータ角速度の減少に応じて増大するように設定されていること
    を特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角加速度出力手段を備え、前記徐変係数は、予めモータ角加速度に対応して設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記徐変係数は、モータ角加速度が所定の閾値以下の場合は一定値とし、モータ角加速度が所定の閾値を越えるときはモータ角加速度の増大に応じて減少し、モータ角加速度の減少に応じて増大するように設定されていること
    を特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記標準徐変時間は、モータ角速度又はモータ角加速度が実質的に零の状態のときの所定の操舵補助特性に基づいて決定されること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記電動パワーステアリング装置は、モータ角速度に応じて決定された徐変係数とモータ角加速度に応じて決定された徐変係数とのいずれか小さい方を採用すること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記電動パワーステアリング装置は、モータ角速度に応じて決定された徐変係数とモータ角加速度に応じて決定された徐変係数とにそれぞれ重み付けした値の加算値を徐変係数として採用すること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記徐変係数は、モータ角速度又はモータ角加速度が制限値を越えた場合は、徐変係数を予め設定した所定の制限値にすること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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