JP4899541B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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本発明は、操向輪を転舵する転舵アクチュエータと操作部に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータとを備えた車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
従来、ハンドルと操向輪とが機械的に切り離されたステアバイワイヤシステムでは、操舵力と転舵反力(例えば、ラック軸力)との偏差に応じた操舵反力を付与し、路面からの情報を運転者にフィードバックしている。さらに、操舵角に対応する操向輪の目標転舵角と実転舵角との偏差に応じた操舵反力を付与し、転舵反力が発生しない操舵初期において速やかに操舵反力を立ち上げ、操舵感の悪化を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−217998号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、目標転舵角と実転舵角との偏差に応じて操舵反力を生成しているため、操舵反力が転舵駆動の制御性能に大きく依存する。このため、転舵制御の応答性が低く、常に目標転舵角と実転舵角とに偏差が生じるシステムの場合には、目標転舵角と実転舵角との偏差に応じた操舵反力が常に発生するため、粘性感が強く、操舵感の悪化を招くという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、操舵に対する転舵制御の遅れに伴う不要な操舵反力の生成を抑制しつつ、転舵反力が発生しない操舵初期において速やかに操舵反力を立ち上げることができる車両用操舵制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
操向輪を転舵する転舵アクチュエータと、
運転者が操作する操作部の操舵状態に応じた目標転舵角を設定し、この目標転舵角と一致するように前記転舵アクチュエータを駆動制御する転舵制御手段と、
前記操作部に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータと、
前記操向輪の転舵状態に応じた操舵反力指令値に基づいて、前記操舵反力アクチュエータを駆動制御する操舵反力制御手段と、
を備えた車両用操舵制御装置において、
前記目標転舵角と前記転舵アクチュエータの応答特性とに基づいて、前記操向輪の転舵角を推定転舵角として推定する転舵角推定手段と、
前記操向輪の実際の転舵角を検出する実転舵角検出手段と、
少なくとも前記操向輪から前記転舵アクチュエータに付与される転舵反力に応じた第1操舵反力と、前記推定転舵角と前記実転舵角との偏差に応じた第2操舵反力とに基づいて、前記操舵反力指令値を設定する操舵反力指令値設定手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明の車両用操舵制御装置では、目標転舵角と転舵アクチュエータの応答特性とに基づいて、操向輪の推定転舵角を推定し、少なくとも操向輪から転舵アクチュエータに付与される転舵反力に応じた第1操舵反力と、推定転舵角と実転舵角との偏差に応じた第2操舵反力とに基づいて、操舵反力アクチュエータの操舵反力指令値が設定される。
すなわち、目標転舵角(推定転舵角)と実転舵角との偏差に応じた第2操舵反力を生成することで、転舵反力が発生せず第1操舵反力がゼロまたはゼロ付近の微小値となる操舵初期において、操舵反力を速やかに立ち上げることができる。このとき、第2操舵反力は、転舵制御の時間的な遅れと同等なフィルターを通した目標転舵角(推定転舵角)と実転舵角との偏差に応じて生成しているため、転舵制御の応答遅れが大きい場合であっても、この応答遅れに伴う不要な操舵反力の生成が抑制される。
この結果、操舵に対する転舵制御の遅れに伴う不要な操舵反力の生成を抑制しつつ、転舵反力が発生しない操舵初期において速やかに操舵反力を立ち上げることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成]
図1は、実施例1の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤ(ステアバイワイヤ)システムの構成図である。
実施例1のステアバイワイヤシステムは、図1に示すように、操舵ハンドル1(操作部)と、操舵角センサ2と、操舵トルクセンサ3と、操舵反力モータ(操舵反力アクチュエータ)4と、バックアップクラッチ5と、転舵モータ(転舵アクチュエータ)6と、転舵角度センサ(実転舵角検出手段)7と、舵取り機構8と、左右前輪9,9(操向輪)と、ラック軸力センサ10と、操舵反力コントローラ(操舵反力制御手段)11と、転舵コントローラ(転舵制御手段)12と、通信ライン13と、を備えている。
転舵モータ6は、ブラシレスモータ等で構成される。また、操舵ハンドル1に操舵反力を与えるための操舵反力モータ4は、転舵モータ6と同様に、ブラシレスモータ等で構成されている。
ラック軸力センサ10は、舵取り機構8のラックにかかる軸力を検出する。
実施例1のステアバイワイヤシステムは、運転者が操作する操舵ハンドル1と、操舵ハンドル1とは機械的に切り離され、左右前輪9,9を転舵する舵取り機構8と、操舵ハンドル1に操舵反力を付与する操舵反力モータ4と、舵取り機構8に転舵力を付与する転舵モータ6と、を備え、操舵ハンドル1と舵取り機構8との間に機械的な繋がりが無い構成となっている。
ただし、機械的なバックアップ機構として、バックアップクラッチ5を備えており、操舵ハンドル1と舵取り機構8との間を機械的に連結することが可能である。つまり、ステアバイワイヤシステムに何らかの異常が発生した場合、バックアップクラッチ5を連結することで安全な走行が可能となる。
実施例1では、操舵ハンドル1の操舵角を操舵角センサ2で検出し、操舵反力コントローラ11で指令転舵角が演算される。転舵コントローラ12では、実際の転舵角が指令転舵角と一致するように、転舵モータ6の駆動指令値が演算され、転舵モータ6が駆動されることで転舵動作が行われる。
転舵コントローラ12で演算される電流指令値は、指令転舵角に所定の応答特性で実転舵角が追従するように制御演算する角度サーボ系により算出される。
転舵コントローラ12の角度サーボ系は、例えば、図2の転舵角制御ブロック図に示すように、ロバストモデルマッチング手法を用いた方法で構成される。この方法では、あらかじめ与えておいた所望の特性と一致させるためのモデルマッチング補償器により、指令転舵角に対し所定の規範応答特性を実現するための電流指令値を演算し、ロバスト補償器により外乱成分に応じた補償電流が演算される。これにより、外乱発生時においても実転舵角が規範応答特性で追従可能な、耐外乱性に優れた制御系が実現できる。
操舵反力コントローラ11では、操舵ハンドル1の操舵角と、転舵角度センサ7により検出された転舵モータ6の回転角度から求まる左右前輪9,9の実際の転舵角(実転舵角)と、ラック軸力センサ10により検出された軸力とに基づいて、操舵反力指令値が演算される。操舵反力コントローラ11では、操舵トルクセンサ3により検出された操舵トルクが操舵反力指令値に応じた値となるように、操舵反力モータ4の駆動指令値が演算され、操舵反力モータ4が駆動されることで、操舵反力が付与される。この操舵反力は、操舵ハンドル1と操舵反力モータ4との間に設けた操舵トルクセンサ3によりモニタリングされる。
[操舵反力指令値設定制御処理]
図3は、実施例1の操舵反力コントローラ11で実行される操舵反力指令値設定制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1では、操舵角センサ2により検出された操舵角θhと、転舵角度センサ7により検出された転舵モータ6の回転角度から求まる左右前輪9,9の実転舵角θpと、ラック軸力センサ10により検出された軸力Fとをそれぞれ読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、ステップS1で読み込んだ操舵角θhを時間微分して操舵角速度dθh/dtを算出し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、ステップS1で読み込んだ実転舵角θpを時間微分して実転舵角速度dθp/dtを算出し、ステップS4へ移行する。
ステップS4(転舵角推定手段)では、ステップS1で読み込んだ操舵角θhに応じた目標転舵角θeを算出するとともに、算出した目標転舵角θeに転舵モータ6の制御性能と等価なフィルターLpを乗算して推定転舵角Lp・θeを算出し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、ステップS4で算出した目標転舵角Lp・θeを時間微分して推定転舵角速度Lp・dθe/dtを算出し、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、ステップS1で読み込んだ軸力Fに所定の重み係数Gを乗算して第1操舵反力を算出し、ステップS7へ移行する。
第1操舵反力=G・F
ステップS7では、ステップS4で算出した推定転舵角の絶対値|Lp・θe|がステップS1で読み込んだ実転舵角の絶対値|θp|よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS8へ移行し、NOの場合にはステップS9へ移行する。
ステップS8では、第2操舵反力θaと第3操舵反力θvを共にゼロとし、ステップS13へ移行する。
ステップS9では、ステップS4で算出した推定転舵角Lp・θeからステップS1で読み込んだ実転舵角θpを減算して第2操舵反力θaを算出し、ステップS10へ移行する。
第2操舵反力θa=Lp・θe−θp
ステップS10では、ステップS5で算出した推定転舵角速度Lp・dθe/dtからステップS3で算出した実転舵角速度dθp/dtを減算して第3操舵反力θvを算出し、ステップS11へ移行する。
第3操舵反力θv=Lp・dθe/dt−dθp/dt
ステップS11では、ステップS1で読み込んだ軸力FとステップS9で算出した第2操舵反力θaの符号が共に正、または共に負であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS13へ移行し、NOの場合にはステップS12へ移行する。
ステップS12では、ステップS9で算出した第2操舵反力θaとステップS10で算出した第3操舵反力θvにそれぞれ図4に示すゲインを乗算し、ステップS13へ移行する。ここで、図4のゲインは、軸力Fに応じて設定され、軸力Fがゼロから中立付近の軸力F0までは1、それ以上は軸力Fに反比例して減少するような特性に設定されている。
ステップS13(操舵反力指令値設定手段)では、ステップS6で算出された第1操舵反力G・Fと、ステップS8、ステップS9およびステップS10、またはステップS12で算出された第2操舵反力θa、第3操舵反力θvとに基づいて、操舵反力モータ4の操舵反力指令値Tを算出し、リターンへ移行する。
T=G・F + K・θa + C・θv
ここで、Kは第2操舵反力θaにかかる重み係数、Cは第3操舵反力θvにかかる重み係数である。
次に、作用を説明する。
[転舵制御性能を考慮した操舵反力指令値設定作用]
従来、ステアバイワイヤにおいて操舵反力を生成する方法としては、ラック軸力を検出し、このラック軸力に応じて操舵反力を生成する方法が知られている。この軸力は操舵ハンドルの操舵状態に応じた目標転舵角に応じて転舵が回転駆動され、その結果、軸力が発生することで検出される。したがって、図5に示すように、操舵初期には軸力が発生しないために操舵反力は小さい。そして、その後、転舵が駆動されて軸力が発生し、これに伴って操舵反力も増大することになる。このように、操舵量と操舵反力には位相ずれ(時間的なずれ)が生じる結果となり、これが運転者の操舵感を低下させ、操舵違和感を生じさせる結果となっていた。
この問題を解決する方法として、特開平10−217998号公報に記載の操舵制御装置のように、操舵力と軸力との偏差に加え、操舵角に対応する操向輪の目標転舵角と実転舵角との偏差に基づいて操舵反力を発生させる技術が知られている。すなわち、操舵初期時に操舵角の増加に対応する目標転舵角に対して実転舵角が遅れた場合、図6に示すようにその偏差が急激に増加し、操舵反力が初期に大きく立ち上がる。これにより、軸力が発生しない操舵初期から操舵反力を発生させることができる。
しかしながら、特開平10−217998号公報に記載の技術では、単純に目標転舵角と実転舵角との偏差に基づいて操舵反力を発生させているため、転舵駆動の制御性能に大きく左右されるという問題があった。例えば、図7のように制御応答性が低く、目標転舵角に対し実転舵角の応答遅れがあるステアバイワイヤシステムの場合、常に操舵反力が生成されてしまうため、操舵反力に不要な反力が付与されることで粘性感が強くなり、操舵感の悪化を伴う。
一方、操舵に対する転舵の応答性を高めるために制御ゲインを高くした場合、図8に示すように目標転舵角に対し実転舵角がオーバーシュートする可能性がある。よって、操舵中にこのオーバーシュートが発生した場合、偏差の符号が反転して操舵反力が変動するため、運転者に違和感を与えるとともに、所望の操舵反力を得られないおそれがある。
これに対し、実施例1の車両用操舵制御装置では、転舵の制御性能と等価なフィルターLpを目標転舵角θeに付与し、そのフィルターLpを付加した目標転舵角(推定転舵角Lp・θe)と実転舵角θpとの偏差により第2操舵反力θaを生成し、さらに目標転舵角速度(推定転舵角速度Lp・dθe/dt)と実転舵角速度dθp/dtとの偏差により第3操舵反力θvを生成している。
すなわち、推定転舵角Lp・θeと実転舵角θpとの偏差に応じた第2操舵反力θaと、推定転舵角速度Lp・dθe/dtと実転舵角速度dθp/dtとの偏差に応じた第3操舵反力θvとを操舵反力指令値Tに加えることで、軸力Fが発生せず第1操舵反力G・Fがゼロまたはゼロ付近の微小値となる操舵初期において、第2操舵反力θa、第3操舵反力θvにより操舵反力を速やかに立ち上げることができる。
このとき、第2操舵反力θa,第3操舵反力θvは、図9に示すように、操舵初期の遅れ分のみに基づいて算出されるため、偏差にかかる重みゲインK,Cを大きな値に設定した場合であっても、上記オーバーシュート等、操舵反力全体に及ぼす影響を小さく抑えることができる。
ここで、フィルターLpは、通常、転舵角制御と等価に設定するが、図10のように車速Vが高いほどより大きな値とすることによって、操舵反力の大きさを調整することも可能である。
[オーバーシュート抑制作用]
通常、転舵制御では、外乱に対して追従性を良くする必要があるため、制御ゲインを極力大きくするように設計される。
しかし、大きな制御ゲインでは切り返しや切り増しからの保舵など、ハンドル回転を減速させると、操舵角に対して転舵角はオーバーシュートすることが考えられる。そのような状況では操舵反力が不安定となり、運転者に不安感を与えてしまう。
そこで、実施例1では、推定転舵角の絶対値|Lp・θe|に対し、実転舵角の絶対値|θp|が大きい場合には、第2操舵反力θa、第3操舵反力θvを与えず、第1操舵反力G・Fのみを与える。すなわち、図3のフローチャートにおいて、ステップS7で|推定転舵角|<|実転舵角|であると判定された場合には、ステップS8へと進み、第2操舵反力θa、第3操舵反力θvが共にゼロとされる。これにより、オーバーシュートによる操舵反力の反転を防止でき、運転者に与える操舵違和感を抑制することができる。
ここで、軸力Fの検出値はヒステリシスを持っているため、操舵角が中立を通過しても直ぐには検出値は現れない。一方、操舵角のゼロ付近における符号が入れ替わりで、第2操舵反力θa、第3操舵反力θvが生成される。この第2操舵反力θaと第3操舵反力θvの立ち上がりがそのまま反力変化となり、操舵の違和感となってしまう。
これに対し、実施例1では、中立付近に近づくほど、第2操舵反力θaと第3操舵反力θvを徐々に生成されるようにする。そこで、図11のように軸力Fの向きと偏差の向きとが一致しない領域では、図4のゲインを付加する。すなわち、図3のフローチャートにおいて、ステップS11で軸力Fと第2操舵反力θaの符号が一致しないと判定された場合には、ステップS12へと進み、第2操舵反力θa、第2操舵反力θvに図4に示したゲインを乗算する。
このようにすることで、オーバーシュートによる不要な操舵反力の生成を抑制し、かつ中立を通過する際の第2操舵反力θa、第3操舵反力θvの力の切り替わりをスムースにでき、中立位置をまたいで左右に操舵した際、スムースな操舵感が得られる。
なお、軸力Fの代わりのパラメータとして操舵角θhを用い、操舵角速度dθh/dtが切り戻し方向と判定されている間は、操舵角θhが中立に近づくほど、第2操舵反力θa、第3操舵反力θvが徐々に生成されるよう、図4の横軸を操舵角θhとしてゲインを設定してもよい。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵制御装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 左右前輪9,9を転舵する転舵モータ6と、運転者が操作する操舵ハンドル1の操舵状態に応じた目標転舵角θeを設定し、この目標転舵角θeと一致するように転舵モータ6を駆動制御する転舵コントローラ12と、操舵ハンドル1に操舵反力を付与する操舵反力モータ4と、左右前輪9,9の転舵状態に応じた操舵反力指令値Tに基づいて、操舵反力モータ4を駆動制御する操舵反力コントローラ11と、を備えた車両用操舵制御装置において、目標転舵角θeと転舵モータ6の応答特性を表すフィルターLpとに基づいて、左右前輪9,9の転舵角を推定転舵角Lp・θeとして推定する転舵角推定手段(ステップS4)と、左右前輪9,9の実転舵角θpを検出する転舵角度センサ7と、少なくとも左右前輪9,9から転舵モータ6に付与される転舵反力に応じた第1操舵反力G・Fと、推定転舵角Lp・θeと実転舵角θpとの偏差に応じた第2操舵反力θaとに基づいて、操舵反力指令値Tを設定する操舵反力指令値設定手段(ステップS13)と、を備える。これにより、操舵に対する転舵制御の遅れに伴う不要な操舵反力の生成を抑制しつつ、転舵反力が発生しない操舵初期において速やかに操舵反力を立ち上げることができる。
(2) 操舵反力指令値設定手段(ステップS13)は、左右前輪9,9の推定転舵角速度Lp・dθe/dtと実転舵角速度dθp/dtとの偏差に応じた第3操舵反力θvに基づいて、操舵反力指令値Tを設定する。すなわち、転舵の制御性能(時間的な遅れ)と同等なフィルターLpを通した目標転舵角速度(推定転舵角速度Lp・dθe/dt)と実転舵角速度dθp/dtとの偏差に応じた操舵反力を与えることで、転舵制御性能の遅れによる不要な操舵反力の生成を小さく抑えることができる。
実施例2は、車速に応じて第2操舵反力と第3操舵反力の大きさを変化させる例である。
実施例2の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤシステムの全体構成は、図1に示した実施例1の構成と同様であるため、説明を省略する。
[操舵反力指令値設定制御処理]
図12は、実施例2の操舵反力コントローラ11で実行される操舵反力指令値設定制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同一の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS21では、操舵角θhと、実転舵角θpと、軸力Fと、車速Vとをそれぞれ読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS22では、ステップS21で読み込んだ車速Vから、図13のマップを参照して、第2重みゲインKを設定し、ステップS9へ移行する。図13は、車速Vに応じた重みゲインK,Cの設定マップであり、重みゲインK,Cは、車速Vが所定値V0以下となる極低速域ではゼロとなり、車速が所定値V0を超えたとき、車速Vに比例して大きくなるように設定されている。
ステップS23では、ステップS21で読み込んだ車速Vから、図13のマップを参照して重みゲインCを設定し、ステップS10へ移行する。
次に、作用を説明する。
[車速に応じた重みゲイン設定作用]
実施例2の車両用操舵制御装置では、図13に示したように、第2操舵反力θa、第3操舵反力θvにかかる重みゲインK,Cを、車速Vにより変更する。例えば、車庫入れ等の極低速走行時には、操舵ハンドル1をできるだけ軽い力で操舵可能とした方が、運転者にとっては扱い易いため、切り始めの操舵反力はあまり必要としない。
そこで、実施例2では、車速Vが所定値V0以下となる極低速域では、第2操舵反力θa,第3操舵反力θvの重みゲインK,Cを共に低く設定し、切り始めの反力生成を小さくする。これにより、切り始めの操舵反力が小さくなり、車庫入れ等において運転者の操舵負担軽減を図ることができる。
さらに、実施例2では、車速Vが所定値V0を超える通常走行時の車速域では、車速Vが高くなるに連れて重みゲインK,Cを徐々に大きくする。これにより、車速Vが高いほど操舵初期時により大きな操舵反力が得られ、操舵にしっかり感を出すことができる。この結果、車速Vが高いほど操舵初期時の操舵ハンドル1のふらつき等がより抑制されるため、高速走行時における直進安定性を確保することができる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果を奏する。
(3) 操舵反力指令値設定手段(ステップS13)は、車速Vが小さいほど、第2操舵反力θaを小さくする。すなわち、転舵負担が一番大きくなる極低速域では第2操舵反力θaを与えないことで、不要な反力の発生を抑制し、運転者の操舵負担を軽減することができる。
(4) 操舵反力指令値設定手段(ステップS13)は、車速が小さいほど、第3操舵反力θvを小さくする。すなわち、転舵負担が一番大きくなる極低速域では第3操舵反力θvを与えないことで、不要な反力の発生を抑制し、運転者の操舵負担を軽減することができる。
実施例3では、車両のヨーレイトに応じて第2操舵反力と第3操舵反力の大きさを変化させる例である。
実施例3の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤシステムの全体構成は、図1に示した実施例1の構成と同様であるため、説明を省略する。
[操舵反力指令値設定制御処理]
実施例3の操舵反力コントローラ11で実行される操舵反力指令値設定制御処理の流れは、実施例2の車速Vを車両のヨーレイトφに代えたものであるため、実施例2と異なる処理を行うステップのみ、図12のフローチャートに沿って説明する。
ステップS21では、操舵角θhと、実転舵角θpと、軸力Fと、車両のヨーレイトφとをそれぞれ読み込み、ステップS2へ移行する。
ステップS22では、ステップS21で読み込んだヨーレイトφから、図14のマップを参照して、第2操舵反力θaにかかる重みゲインKを設定し、ステップS9へ移行する。図14は、ヨーレイトφに応じた重みゲインK,Cの設定マップであり、重みゲインK,Cは、ヨーレイトφに比例して大きくなるような特性に設定されている。
ステップS23では、ステップS21で読み込んだヨーレイトφから、図14のマップを参照して、第3操舵反力θvにかかる重みゲインCを設定し、ステップS10へ移行する。
次に、作用を説明する。
[ヨーレイトに応じた重みゲイン設定作用]
実施例3の車両用操舵制御装置では、図14に示したように、第2操舵反力θa、第3操舵反力θvにかかる重みゲインK,Cを、車両のヨーレイトφにより変更する。すなわち、車両の挙動変化が大きくなるに連れて重みゲインK,Cを大きくすることで、操舵反力指令値Tが大きくなるため、車両の挙動変化を操舵反力として運転者に認識させることができる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵制御装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下に列挙する効果を奏する。
(5) 操舵反力指令値設定手段(ステップS13)は、車両のヨーレイトφに応じて第2操舵反力θaの大きさを変化させるため、車両挙動の変化を操舵反力として運転者に認識させることができる。
(6) 操舵反力指令値設定手段(ステップS13)は、車両のヨーレイトφに応じて第3操舵反力θvの大きさを変化させるため、車両挙動の変化を操舵反力として運転者に認識させることができる。
実施例1〜3では、バックアップ機構としてバックアップクラッチを備えたステアバイワイヤシステムへの適用例を示したが、例えば、バックアップクラッチがなく、完全に機械的に操作部と操向輪を切り離したステアバイワイヤシステムであっても適用することができる。要するに、操作部と操向輪を機械的に切り離し、操作部の操作状態に応じた転舵角となるように転舵アクチュエータを駆動する制御指令を出力すると共に、操向輪の転舵状態に応じた操舵反力を付与するように反力アクチュエータを駆動する制御指令を出力するステアバイワイヤ制御を実行する車両用操舵制御装置であれば適用できる。
実施例1の車両用操舵制御装置を適用したステアバイワイヤシステムの構成図である。 実施例1の転舵角制御ブロック図である。 実施例1の操舵反力コントローラ11で実行される操舵反力指令値設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の軸力Fに応じて第2操舵反力θaと第3操舵反力θvに乗算されるゲインの設定マップである。 操舵開始時の軸力特性図である。 操舵開始時の目標転舵角と実転舵角との偏差特性図である。 転舵応答性が低いステアバイワイヤシステムでの目標転舵角と実転舵角との偏差を時系列的に示した図である。 制御応答性を高めた場合の目標転舵角に対する実転舵角のオーバーシュートを示す図である。 実施例1の転舵制御性能に応じた操舵反力指令値設定作用を示す図である。 実施例1の車速Vに応じたフィルターLpの設定作用を示す図である。 軸力Fと第2操舵反力θaとの関係を示す図である。 実施例2の操舵反力コントローラ11で実行される操舵反力指令値設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の車速Vに応じた重みゲインK,Cの設定マップである。 実施例2のヨーレイトφに応じた重みゲインK,Cの設定マップである。
符号の説明
1 操舵ハンドル
2 操舵角センサ
3 操舵トルクセンサ
4 操舵反力モータ
5 バックアップクラッチ
6 転舵モータ
7 転舵角度センサ
8 舵取り機構
9,9 左右前輪
10 ラック軸力センサ
11 操舵反力コントローラ
12 転舵コントローラ
13 通信ライン

Claims (7)

  1. 操向輪を転舵する転舵アクチュエータと、
    運転者が操作する操作部の操舵状態に応じた目標転舵角を設定し、この目標転舵角と一致するように前記転舵アクチュエータを駆動制御する転舵制御手段と、
    前記操作部に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータと、
    前記操向輪の転舵状態に応じた操舵反力指令値に基づいて、前記操舵反力アクチュエータを駆動制御する操舵反力制御手段と、
    を備えた車両用操舵制御装置において、
    前記目標転舵角と前記転舵アクチュエータの応答特性とに基づいて、前記操向輪の転舵角を推定転舵角として推定する転舵角推定手段と、
    前記操向輪の実際の転舵角を検出する実転舵角検出手段と、
    少なくとも前記操向輪から前記転舵アクチュエータに付与される転舵反力に応じた第1操舵反力と、前記推定転舵角と前記実転舵角との偏差に応じた第2操舵反力とに基づいて、前記操舵反力指令値を設定する操舵反力指令値設定手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記転舵角推定手段は、前記目標転舵角を前記転舵アクチュエータの応答特性に基づいて遅れさせた前記推定転舵角を推定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記操舵反力指令値設定手段は、車両のヨーレイトに応じて前記第2操舵反力の大きさを変化させることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記操舵反力指令値設定手段は、車速が小さいほど、前記第2操舵反力を小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記操舵反力指令値設定手段は、前記操向輪の推定転舵角速度と実転舵角速度との偏差に応じた第3操舵反力に基づいて、前記操舵反力指令値を設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記操舵反力指令値設定手段は、車両のヨーレイトに応じて前記第3操舵反力の大きさを変化させることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記操舵反力指令値設定手段は、車速が小さいほど、前記第3操舵反力を小さくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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