JP2001162784A - インクジェット記録装置および記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および記録方法

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JP2001162784A
JP2001162784A JP35285899A JP35285899A JP2001162784A JP 2001162784 A JP2001162784 A JP 2001162784A JP 35285899 A JP35285899 A JP 35285899A JP 35285899 A JP35285899 A JP 35285899A JP 2001162784 A JP2001162784 A JP 2001162784A
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nozzle
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Makoto Shiotani
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/44Typewriters or selective printing mechanisms having dual functions or combined with, or coupled to, apparatus performing other functions
    • B41J3/50Mechanisms producing characters by printing and also producing a record by other means, e.g. printer combined with RFID writer
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
    • B41J2/16579Detection means therefor, e.g. for nozzle clogging

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像品位を劣化させる原因を精度よく検出
し、その原因を効率的に解決することで、ユーザーの手
を煩わせず、常に高品位な画像を得ることができるイン
クジェット記録装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 記録媒体に記録された記録画像を読み取
った読取データYと、本来記録すべき画像データGとの
差S(S=G−Y)に基づいて、画像品位を劣化させる
原因を検出し、その原因を解消するための処理方法を決
定する。その決定された処理方法を行うことで、ヘッド
を常に正常な記録を行うことができる状態にしておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常に高品位な画像
を形成することが可能なインクジェット記録装置に関す
る。また、本発明は紙や布、不織布、OHP用紙等の記
録媒体を用いる機器全てに適用でき、具体的な適用機器
は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、など事務機器や
大量生産機器等を挙げることができる。
【0002】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
い、それらの機器の画像形成(記録)のための出力装置
の一つとして、インクジェット方式によりデジタル画像
の記録を行うインクジェット記録装置が急速に普及して
いる。
【0003】インクジェット記録装置は、複数のインク
吐出ノズルを配列した記録ヘッド(以下、マルチヘッド
ともいう)を備えており、この記録ヘッドのノズルから
インクを吐出し記録媒体にインクを付着させて画像を形
成するものである。また、一般に、カラー画像を記録す
るために、各色に対応した上記マルチヘッドが複数個備
えられている。このような記録ヘッドを備えたインクジ
ェット記録装置は、他の記録方式と比べて高精細化が容
易でしかも高速性、静粛性に優れ、かつ安価であるとい
う優れた特徴を有している。
【0004】しかしながら、インクジェット記録装置に
も、下記〜に示すような種々の問題がある。
【0005】記録ヘッドの製作工程時において、記録
ヘッドの吐出口の形状や電気熱変換体(吐出ヒータ)の
性能に僅かな違いが生じるため、各吐出口から吐出され
るインクの吐出量や吐出方向の向きにバラツキが生じて
しまう。このようにインク吐出量やインク吐出方向が各
吐出口毎にばらつくと、画像に濃度ムラが発生し、画像
品位を低下させるという問題がある(第1の問題点)。
その具体例を図15、図16を用いて説明する。図15
(a)において、91はマルチヘッドであり、8個のマ
ルチノズル92によって構成されている。93はマルチ
ノズル92によって吐出されたインクドロップレットで
あり、通常はこの図のように揃った吐出量で、揃った方
向にインクが吐出されるのが理想である。仮に、この様
な吐出が行われれば、図15(b)に示したように紙面
上に揃った大きさのドットが着弾され、全体的にも濃度
ムラの無い一様な画像が得られるのである(図15
(c))。しかし、実際には先にも述べたようにノズル
1つ1つには吐出量、吐出方向等にそれぞれバラツキが
あり、そのまま上記と同じように印字を行ってしまう
と、図16(a)に示したようにそれぞれノズルより吐
出されるインクドロップの大きさ及び向きにバラツキが
生じ、紙面上においては図16(b)に示すように着弾
される。この図によれば、記録ヘッドの主走査方向に対
し、周期的にエリアファクター100%を満たせない白
紙の部分が存在したり、また逆に必要以上にドットが重
なり合ったり、あるいはこの図中央に見られる様な白ス
ジが発生したりしている。この様な状態で着弾されたド
ットの集まりはノズル並びに方向に対し、図16(c)
に示した濃度分布となり、結果的には、通常人間の目で
みた限りで、これらの現象が濃度ムラとして感知される
のである。
【0006】1つの吐出口からのインク吐出量が経時
的に変化するので、画像に濃度ムラが発生する、もしく
は適正な濃度の画像を記録できないという問題がある
(第2の問題点)。具体的には、記録ヘッドを主走査方
向に走査させて画像を記録する場合、時間とともに吐出
駆動エネルギーが蓄積してヘッドの温度が上昇する。こ
れに伴って、インクの粘度が低下し、吐出されるインク
量が増加する。特に、熱エネルギーを利用して飛翔的液
滴を形成し記録を行うインクジェット方式(バブルジェ
ット方式、以下BJ)においてはインク温度上昇により
発泡力も増大し、吐出インク量の増大が著しくなる。こ
の結果、一般的に画像濃度は各主走査の記録開始側より
記録終了側の方が高くなる。この現象は一般的な画像で
も問題になるが、特に往復印字を行なう場合、書き出し
部の低濃度部と書き終わり部の高濃度部とが接するた
め、この濃度差がなおさら目立ってしまうことになる。
また、吐出回数が増加するに伴い、BJにおいてはヒー
ター部のコゲに伴ってインク吐出量が減少する場合もあ
る。
【0007】インクミストや紙粉による吐出口付近の
汚れ、吐出口内方への気泡や塵埃の混入、あるいはイン
ク溶剤の蒸発に伴う増粘等によって、吐出口からのイン
ク吐出量が変化してしまい、適正な濃度の画像を記録で
きないという問題がある(第3の問題点)。
【0008】上記の現象が顕著な場合、即ち、吐出
口が目詰まりを起こし不吐出ノズルが発生した場合、は
っきりとした白スジが画像に現れ、画像品位を低下させ
てしまうという問題がある。またBJではコゲがひどく
なった場合も吐出が不良となり吐出インク量が激減し白
スジが現れることがある(第4の問題点)。
【0009】各ノズルへの電力供給線の腐食等による
断線、またBJ方式の記録ヘッドにおいては吐出ヒータ
の断線が起こり吐出が止まる(不吐出)可能性がある。
不吐出が生じるとはっきりとした白スジが画像に現れ、
画像品位を低下させてしまうという問題がある(第5の
問題点)。
【0010】インクタンク中の大部分のインクが消費
され、インクタンク中のインクがほとんどなくなった状
態になってしまうと、画像全体にカスレが現れ、画像品
位を低下させてしまうという問題がある(第6の問題
点)。
【0011】これらの上記〜の問題に対して、従来
のインクジェット記録装置では以下のような対処を施し
ていた。
【0012】に対しては、特開昭57−41965号
公報、特許公報第2708439号、特許公報第271
1011号に開示されているように、定期的、または非
定期的に、テストパターンを記録し、これを読み取るこ
とによって記録ヘッドの状態を把握し、画像処理の方法
に調整を加えるという方法がある。これらの方法はユー
ザーが通常記録している画像を見て、これが劣化したと
判断した時に用いられる。また、ヘッドを交換した時、
インクタンクを交換した時など、通常の使用時とは異な
る特別な扱いをした時に調整が行われる。このように
に対しては、各吐出口毎のインク吐出量や吐出方向のバ
ラツキがなくなるように全ノズルに対して調整が行われ
る。
【0013】、に対しては、吐出口のワイピング、
クリーニングを定期的、非定期的に行う方法が行われて
いる。これは、画像が劣化したことをユーザーが判断し
た時、ヘッドを交換した時、インクタンクを交換した
時、またヘッドが一定期間放置された時に行われる。こ
のように、に対しては、適正なインク吐出を可能と
するためにワイピング、クリーニング等の回復処理を全
ノズルに対して行い、1つの吐出口からのインク吐出量
の経時的変化やインクの増粘によるインク吐出量の変化
に対処している。
【0014】、のようにインクの吐出が止まってし
まう場合でも、ユーザーが目視でこれを発見し、処置を
取ることが行われている。即ち、画像が劣化したことを
ユーザーが判断して、ヘッドの交換時をユーザーが決定
するのである。
【0015】に対しては、ユーザーが画像を目視で見
て判断するほかに、インクの残量検知を自動的に行い、
これをホストコンピューター等を通してユーザーに知ら
せる方法が取られている。これにより、ユーザはインク
タンクにインクを補充しなければならないことを知るこ
とができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来
は、〜の問題に対して、上記方法により対処をして
いたが、これら従来の対処方法は、記録された画像の状
態をユーザーが判断しなければならず、ユーザーの手を
煩わせていた。現在、OA機器としてのインクジェット
記録装置は高速化・大容量化が要求されており、上記
〜のような問題が生じたときに上記対処方法では、ユ
ーザーの手を煩わすばかりでなく、ユーザーが対処方法
を指示するので時間がかかってしまい、結果として記録
速度を低下させるという問題があった。また、上記対処
方法では、ユーザーが常に記録画像を監視しなければな
らず、ユーザーに負担をかけていた。特に、記録する量
が増えれば増えるほど、その負担は増す。
【0017】また、捺染等の産業用としてのインクジェ
ット装置には、装置の連続作動、稼働率の向上が要求さ
れており、例えば、不吐出ノズルが発生する度にヘッド
交換を行うこととすると、そのヘッド交換の度に装置を
停止しなければならず、装置の稼働率が低下し、ひいて
はスループットの低下を招くという問題があった。
【0018】このような上記対処方法の問題点に対し、
特公平3−33508号公報に開示されている方法を用
いることが考えられる。特公平3−33508号公報に
は、光学読取手段により記録画像を読み取り、記録され
るべき場所にインクドットが存在がしないことが検出さ
れたときはノズルの洗浄を行い、記録されるべきインク
ドットの寸法が正しくないこと、及び記録されたインク
ドットの場所が正しくないことが検出されたときは吐出
駆動条件やヘッドの走査速度などを変更を行うことが記
載されている。
【0019】しかしながら、特公平3−33508号公
報に開示されている方法では、記録されるべき位置にイ
ンクドットが存在しない第1の吐出不良が検出された場
合、ノズルの洗浄を行うことにしているが、仮に、イン
クタンク中のインクがなくなったことに起因して前記第
1吐出不良が引き起こされたのであれば、ノズルの洗浄
動作を行うことは無駄である。なぜなら、ノズルの洗浄
動作を行ったとしても吐出できるインクがそもそも存在
しないので、前記第1の吐出不良は解消されないからで
ある。また、吐出ヒータの断線に起因して前記第1吐出
不良が引き起こされた場合も同様である。このように特
公平3−33508号公報では無駄な動作が行われてし
まう場合が生じ、そのような場合には時間の無駄とな
り、ひいてはスループットを低下させてしまう。また、
ノズルの洗浄動作を行っても前記第1吐出不良が解消さ
れない場合において、そのヘッドを用いて記録を続ける
と画像に白スジが発生してしまい、一方、ヘッドを交換
すると装置を停止しなければならず、記録速度を低下さ
せてしまう。
【0020】また、特公平3−33508号公報の方法
では、記録されたインクドットの場所が正しくない第2
の吐出不良が検出された場合、ヘッドの走査速度とイン
クの吐出速度を変化させることにしているが、吐出の副
走査方向のバラツキを上記2つの速度により修正するこ
とは困難であり、第2の吐出不良が検出される度に上記
2つの速度を変えることは制御が煩雑になる。
【0021】また、特公平3−33508号公報の方法
では、記録されるべきインクドットの寸法が正しくない
第3吐出不良が検出された場合、インク吐出ノズルの駆
動条件を変更することにしている。しかし、吐出不良の
程度が大きい場合、駆動条件を変えるだけでは補正しき
れず、補正が不十分なまま記録が行なわれることにな
り、画像品位を低下させてしまうことがある。
【0022】上述したように特公平3−33508号公
報の方法を用いたとしても、異常の原因を精度よく判断
して時間の浪費を避け、濃度ムラのない高品位な画像を
得るということができないという問題がある。
【0023】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、画像品位の劣化の原因を精度よく判断し、その
原因を効率的に解消することが可能なインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。
【0024】また、本発明は、ユーザーの手をわずらわ
せることなく、吐出不良が起きた際にもスループットの
低下を極力避け、高品位な画像を記録することが可能な
インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、複数のインク吐出ノズルを有する記録ヘッ
ドを走査して記録媒体に画像を記録するインクジェット
記録装置であって、記録媒体に記録された記録画像を読
み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った読取濃度
情報と、本来記録されるべき画像濃度情報との双方の濃
度情報の差を検出することで吐出不良ノズルが存在する
否かを判断する判断手段とを備え、前記判断手段により
吐出不良ノズルが存在すると判断されたとき、前記双方
の濃度情報の差の大きさが所定値以上であるか否かに応
じて、前記吐出不良ノズルによって画像が劣化しないよ
うにするための複数の処理方法の中から実行すべき処理
方法を決定することを特徴とするものである。
【0026】また、本発明は、複数のインク吐出ノズル
を有する記録ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録装置であって、記録媒体に記録さ
れた記録画像を読み取る読取手段と、前記読取手段で読
み取った読取濃度情報と、本来記録されるべき画像濃度
情報との双方の濃度情報の差をノズル毎に検出すること
で吐出不良ノズルが存在する否かを判断する第1の判断
手段と、前記双方の濃度情報の差の大きさが所定値以上
であるか否かを判断する第2の判断手段と、前記双方の
濃度情報の差が発生しているノズルの数を判断する第3
の判断手段とを備え、前記第1の判断手段により前記吐
出不良ノズルがあると判断されたとき、前記第2の判断
手段及び前記第3の判断手段による判断結果に基づい
て、前記吐出不良ノズルによって画像が劣化しないよう
にするための複数の処理方法の中から実行すべき処理方
法を決定することを特徴とするものである。
【0027】また、本発明は、複数のインク吐出ノズル
を有する記録ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録装置であって、吐出不良ノズルが
あるか否かを各ノズル毎に判断する判断手段を備え、前
記判断手段手段によって前記吐出不良ノズルがあると判
断されたとき、前記正常なノズルが示す情報と前記吐出
不良ノズルが示す情報との双方の情報の差の大きさに応
じて、前記吐出不良ノズルによって画像が劣化しないよ
うにするための複数の処理方法の中から実行すべき処理
方法を決定することを特徴とするものである。
【0028】また、本発明は、複数のインク吐出ノズル
を有する記録ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録方法であって、記録媒体に記録さ
れた記録画像を読み取る読取工程と、前記読取工程で読
み取った読取濃度情報と、本来記録されるべき画像濃度
情報との双方の濃度情報の差を検出することで吐出不良
ノズルが存在する否かを判断する判断工程と、前記判断
工程により吐出不良ノズルが存在すると判断されたと
き、前記双方の濃度情報の差の大きさが所定値以上であ
るか否かに応じて、前記吐出不良ノズルによって画像が
劣化しないようにするための複数の処理方法の中から実
行すべき処理方法を決定する決定工程と、を備えること
を特徴とするものである。
【0029】また、本発明は、複数のインク吐出ノズル
を有する記録ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録方法であって、記録媒体に記録さ
れた記録画像を読み取る読取工程と、前記読取手段で読
み取った読取濃度情報と、本来記録されるべき画像濃度
情報との双方の濃度情報の差をノズル毎に検出すること
で吐出不良ノズルが存在する否かを判断する第1の判断
工程と、前記双方の濃度情報の差の大きさが所定値以上
であるか否かを判断する第2の判断工程と、前記双方の
濃度情報の差が発生しているノズルの数を判断する第3
の判断工程と、前記第1の判断工程により前記吐出不良
ノズルがあると判断されたとき、前記第2の判断工程及
び前記第3の判断工程による判断結果に基づいて、前記
吐出不良ノズルによって画像が劣化しないようにするた
めの複数の処理方法の中から実行すべき処理方法を決定
する決定工程と、を備えることを特徴とするものであ
る。
【0030】また、本発明は、複数のインク吐出ノズル
を有する記録ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録す
るインクジェット記録方法であって、吐出不良ノズルが
あるか否かを各ノズル毎に判断する判断工程と、前記判
断手段工程によって前記吐出不良ノズルがあると判断さ
れたとき、前記正常なノズルが示す情報と前記吐出不良
ノズルが示す情報との双方の情報の差の大きさに応じ
て、前記吐出不良ノズルによって画像が劣化しないよう
にするための複数の処理方法の中から実行すべき処理方
法を決定する決定工程と、を備えることを特徴とするも
のである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態例を詳細に説明する。
【0032】〈実施形態例1〉図1は、本発明の一実施
形態に係るインクジェットプリント装置の概略を示す斜
視図である。インクジェット記録装置100において、
キャリッジ101は、互いに平行に延在する2本のガイ
ド軸104および105と摺動可能に係合する。これに
より、キャリッジ101は、駆動用モータおよびその駆
動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構(いずれも不
図示)により、ガイド軸104および105に沿って移
動することができる。キャリッジ101には、インクジ
ェットヘッドユニット103が搭載される。
【0033】インクジェットヘッドユニット103は、
インクを吐出するためのヘッド(インク吐出部)10
2、記録媒体に記録された記録画像の状態を読み取る読
取装置21、ヘッドに供給されるインクを収納するイン
クタンク20からなる。すなわち、ブラック(Bk)、
シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の
4色の各インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド10
2、複数の読取素子を備えた光学読取装置21、ヘッド
のそれぞれに対応して設けられるインクタンク20が、
インクジェットヘッドユニット103としてキャリッジ
101上に搭載される。
【0034】紙や布、不織布、OHP用紙等の記録媒体
106は、装置の前端部に設けられる挿入口111から
挿入され、最終的にその搬送方向が反転され、送りロー
ラ109によって上記キャリッジ101の移動領域の下
部に搬送される。これにより、キャリッジ101に搭載
されたヘッドからその移動に伴なってプラテン108に
よって支持された用紙106上のプリント領域にプリン
トがなされる。
【0035】キャリッジ101の移動可能な領域の左端
には、キャリッジ101上の各ヘッドとそれらの下部に
おいて対向可能な回復系ユニット110が設けられ、こ
れにより非記録時等に各ヘッドの吐出口をキャップする
動作や各ヘッドの吐出口からインクを吸引する等の動作
を行うことができる。この回復系ユニット110に対向
する位置をヘッドのホームポジションという。
【0036】図2は、図1で説明したインクジェットヘ
ッドユニット103を示す概略斜視図である。この構成
は、上述のようにヘッド102、光学読取装置21及び
インクタンク20から成っている。すなわち、キャリッ
ジ101には、Bk・C・M・Yのインクをそれぞれ吐
出するための複数のインク吐出ノズルを有する吐出部3
0K・30C・30M・30Y(不図示)からなるヘッ
ド102、光学読取装置21、Bk用タンク20K・C
用タンク20C・M用タンク20M・Y用タンク20Y
からなるインクタンク20が搭載される。また、各イン
クタンクは接続部を介してヘッドと接続し、インクを供
給する。
【0037】次に、図6は、図1におけるインクジェッ
ト製記録装置100に使用されるインクジェットヘッド
102の構造を示す図である。上記ではインクジェット
ヘッドは、Bk・C・M・Yの4色に対応して4個設け
られていると説明したが、これらの4個のヘッドは夫々
同一の構造であるので、図6にはこれらの4個のヘッド
のうちの1つの構造を代表して示している。
【0038】図6において、インクジェットヘッド10
2は、インクを加熱するための複数のヒータ602が形
成された基板であるヒータボード604と、このヒータ
ボード604の上にかぶせられる天板606とから概略
構成されている。天板606には、複数の吐出口608
が形成されており、吐出口608の後方には、この吐出
口608に連通するトンネル状の液路610が形成され
ている。各液路610は、隔壁612により隣の液路と
隔絶されている。各液路610は、その後方において1
つのインク液室614に共通に接続されており、インク
液室614には、インク供給口616を介してインクが
供給され、このインクはインク液室614から夫々の液
路610に供給される。
【0039】ヒータボード604と、天板606とは、
各液路610に対応した位置に各ヒータ602が来る様
に位置合わせされて図6の様な状態に組み立てられる。
図6においては、2つのヒータ602しか示されていな
いが、ヒータ602は、夫々の液路610に対応して1
つずつ配置されている。そして、図6の様に組み立てら
れた状態で、ヒータ602に所定の駆動パルスを供給す
ると、ヒータ602上のインクに膜沸騰が生じて気泡を
形成し、この気泡の圧力によりインクが吐出口608か
ら押し出されて吐出される。この時、ヒータ602に加
える駆動パルスを制御することにより吐出されるインク
の体積をある程度コントロールすることができる。
【0040】図7は、ヒータに加える駆動パルスを変化
させてインクの吐出量を制御する一方法を説明するため
の図である。本実施形態では、インクの吐出量を調整す
るために、ヒータ602に2種類の定電圧パルスが印加
されている。2つのパルスとは、図7に示す様にプレヒ
ートパルスとメインヒートパルス(以下、単にヒートパ
ルスという)である。プレヒートパルスは、実際にイン
クを吐出するに先立ってインクを暖めるためのパルスで
あり、インクを吐出するために必要な最低のパルス幅t
5 よりも短い値に設定されている。従って、このプレヒ
ートパルスによりインクが吐出されることはない。この
プレヒートパルスの長さを調節することによりインクの
吐出量を異ならせることが可能である。
【0041】一方、ヒートパルスは、実際にインクを吐
出させるためのパルスであり、上記のインクを吐出する
ために必要な最低のパルス幅t5 よりも長く設定されて
いる。ヒータ602が発生するエネルギーは、ヒートパ
ルスの幅(印加時間)に比例するものであるため、この
ヒートパルスの幅を調節することにより、ヒータ602
の特性のばらつきを調整することが可能である。
【0042】なお、プレヒートパルスとヒートパルスと
の間隔を調整して、プレヒートパルスによる熱の拡散状
態を制御することによってもインクの吐出量を調整する
ことが可能となる。
【0043】上記の説明から分かる様に、インクの吐出
量は、プレヒートパルスとヒートパルスの印加時間を調
節することによって制御することも可能であるし、また
プレヒートパルスとヒートパルスの印加間隔を調節する
ことによっても可能である。
【0044】図3は、本発明のインクジェット記録装置
の一実施形態例の制御構成を示すブロック図である。ホ
ストコンピュータから、プリントすべき文字や画像のデ
ータ(以下画像データという)がプリント装置100の
受信バッファ401に入力される。また、正しくデータ
が転送されているかを確認するデータや、プリント装置
の動作状態を知らせるデータがプリント装置からホスト
コンピュータに転送される。受信バッファ401に入力
したデータはCPUを有する制御部402の管理のもと
で、RAM形態のメモリ部403に転送され一次的に格
納される。メカコントロール部404は、制御部402
からの指令により、キャリッジ101や送りローラ10
9(ともに図2参照)の動力源となるキャリッジモータ
やラインフィードモータ等のメカ部405を駆動する。
センサ/SWコントロール部406は、各種センサやS
W(スイッチ)からなるセンサ/SW部407からの信
号を制御部402に送る。表示素子コントロール部40
8は、制御部402からの指令により表示パネル群のL
EDや液晶表示素子等からなる表示素子部409の表示
を制御する。ヘッドコントロール部410は制御部40
2からの指令により各ヘッド30Bk・30C・30M
・30Yを個々に制御する。また、これら各ヘッドの状
態を示す温度情報等を制御部402に伝える。読み取り
コントロール部411は、制御部402からの指令によ
り読み取り部21を制御し、また、読み取り部21から
の信号を制御部402に送る。
【0045】以下に、本発明の特徴である記録画像の劣
化に対する対処方法について説明する。詳しくは、記録
画像の劣化の原因を精度よく判断し、その判断結果を即
座にヘッドにフィードバックして上記原因を効率的に解
消することが可能な方法である。つまり、ヘッドの状態
を常に把握し、高品位な画像を常に記録できるようにヘ
ッドを管理しているのである。
【0046】画像の記録は、1画素を1つのインクドッ
トで形成する二値記録、1画素を同一の吐出口から吐出
する複数インクドットで形成するマルチドロップ方式、
1画素を異なる吐出口から吐出する複数インクドットで
形成するマルチスキャン方式などいずれの方法を用いて
も良い。本実施形態例では以下に述べる方法で記録を行
なう。
【0047】図4は、本発明における画像形成の一例を
説明するための図であり、記録媒体の同一領域に対して
ヘッドを複数回主走査させることで、同一領域を複数の
吐出口からの吐出インクにより記録することが示されて
いる。図4において、102は記録ヘッドを模式的に表
わしたものであり、16個のノズルを有している。そし
て、16個のノズルN1〜N16は、A部(N1〜
4)、B部(N5〜8)、C部(N9〜12)及びD部
(N13〜16)の4つのノズル部分に分割されてお
り、同一領域に対してヘッドを4回主走査させることで
記録画像を完成させている。
【0048】まず、第1主走査(往動時)では、記録ヘ
ッド102のA部( N13〜N16)で記録する画像
データに従って、4ドットおきに記録ヘッド102のノ
ズルN13〜N16から第1の記録領域431にインク
を吐出する。そして、1走査分の記録が終了すると、記
録媒体106をdだけY方向に移動し、キャリッジをホ
ームポジションに戻す。尚、このような記録媒体とキャ
リッジの移動動作は、各主走査における記録が終了する
度に行われる。
【0049】次に、第2主走査(往動時)では、記録ヘ
ッド102のB部( N9〜N12)で記録する画像デ
ータに従って、4ドットおきに記録ヘッド102のノズ
ルN9〜N12から第1の記録領域431にインクを吐
出する。これと並行して、第2の記録領域432に対す
る A部( N13〜N16)による記録も行われる。
【0050】次に、第3主走査(往動時)では、記録ヘ
ッド102のC部( N5〜N8)で記録する画像デー
タに従って、4ドットおきに記録ヘッド102のノズル
N5〜N8から第1の記録領域431にインクを吐出す
る。これと並行して、第3の記録領域433に対する
A部( N13〜N16)による記録も、第2の記録領
域432に対する B部( N9〜N12)による記録も
行われる。
【0051】次に、第4主走査(往動時)では、記録ヘ
ッド102のD部( N1〜N4)で記録する画像デー
タに従って、4ドットおきに記録ヘッド20のノズルN
1〜N4から第1の記録領域431にインクを吐出す
る。これと並行して、第4の記録領域434に対する
A部( N13〜N16)による記録も、第3の記録領
域433に対する C部( N9〜N12)による記録
も、第2の記録領域432に対する B部( N5〜N
8)による記録も行われる。
【0052】以上のような記録を順次繰返し、1頁分の
記録が終了する。尚、このように記録媒体の同一領域に
対してヘッド102を複数回走査させて記録を行うと、
図14に示すように濃度ムラが低減される。
【0053】次に、図4を用いて、記録された画像を読
み取る方法について説明する。図4において、21はC
CD(光学読取装置)であり、記録ヘッド102のノズ
ルと同じピッチで配置された16個の読取素子を有して
おり、記録ヘッド102の後方から記録ヘッド102と
同じ速度でX方向に走査する。尚、読取りのタイミング
は、記録と同様の往動時に読み取る方法、記録と異なる
復動時(バックスキャン時)に読み取る方法など、いず
れのタイミングを用いることもできる。本実施形態例に
おいては、バックスキャンで読み取る場合について説明
する。また、読み取る画像は、記録した全画像に対して
行ってもよいし、特定濃度の画像、例えば、高濃度部、
低濃度部、中濃度部などを選んで読み取っても良い。ま
た、読み取る箇所は記録媒体の特定部分、例えば書き出
し部、書き終わり部、画像の中心部等を選んで読み取っ
ても良い。本実施形態例では、記録媒体の全体を読み取
る場合について説明する。
【0054】まず、第1主走査後の復動時では、第1の
記録領域431に記録されたドット(ノズルN13〜1
6から吐出されたドット)を読取素子4−13〜4−1
6によって読み取る。その際、読み取ったデータはメモ
リ部403に記憶される。その後、記録媒体106をd
だけY方向に移動し、次の第2主走査が行われる。以下
においても同様に、各主走査の復動時において、画像の
読み取りは行われる。
【0055】第2主走査後の復動時では、第1の記録領
域431に記録されたドット(ノズルN9〜12から吐
出されたドット)を読取素子4−9〜4−12によって
読み取る。これと並行して、第2の記録領域432に記
録されたドット(ノズルN13〜16から吐出されたド
ット)を読取素子4−13〜4−16によって読み取
る。同様に、第3主走査後の復動時では、第1の記録領
域431に記録されたドット(ノズルN5〜8から吐出
されたドット)を読取素子4−5〜4−8によって読み
取る。これと並行して、第3の記録領域433に記録さ
れたドット(ノズルN13〜16から吐出されたドッ
ト)も読取素子4−13〜4−16によって読み取り、
第2の記録領域432に記録されたドット(ノズルN9
〜12から吐出されたドット)も読取素子4−9〜4−
12によって読み取る。同様に、第4主走査後の復動時
では、第1の記録領域431に記録されたドット(ノズ
ルN1〜4から吐出されたドット)を読取素子4−1〜
4−4によって読み取る。これと並行して、第4の記録
領域434に記録されたドット(ノズルN13〜16か
ら吐出されたドット)も読取素子4−13〜4−16に
よって読み取り、第3の記録領域433に記録されたド
ット(ノズルN9〜12から吐出されたドット)も読取
素子4−9〜4−12によって読み取り、第2の記録領
域432に記録されたドット(ノズルN5〜8から吐出
されたドット)も読取素子4−5〜4−8によって読み
取る。以上のような読み取りを順次繰返し、1頁分の画
像の読み取りが終了する。
【0056】次に、画像品位が劣化しているか否かを判
断する方法について説明する。この判断は、上記のよう
に読み取ったデータと本来記録すべき画像データとを比
較することで行われる。なお、画像データとは、記録媒
体上のどの位置にどのような濃度を記録すべきかという
情報のことであり、これをG(画像濃度情報)とする。
一方、読み取ったデータとは、記録媒体上のどの位置に
どのような濃度が記録されているかという情報のことで
あり、これをY(読取濃度情報)とする。記録が理想的
に行われていれば、GとYは一致するはずであるが、実
際には、吐出口毎のインク吐出量やインク吐出方向のバ
ラツキ、または一つの吐出口からのインク吐出量の経時
的変化等のために、GとYには差が生じる。この差をS
とする。すなわち、S=G−Yである。そして、このS
(本来記録されるべき画像データと読み取ったデータの
差)はメモリ部403に蓄えられる。
【0057】さて、本実施形態例では、各主走査毎にこ
の読み取ったデータと画像データとを比較し、各主走査
毎にその比較データの差Sをメモリ部に蓄積する。そし
て、この蓄積データをヘッド管理のための情報として利
用する。以下に、その具体的方法について示す。
【0058】本実施形態では、上記で説明したSの大き
さに基づいて、画像品位を劣化させた原因を特定し、そ
の原因を効率的に解消する。そのためにSの値を常に監
視し、ヘッドの状態を常に把握している。このようにす
ることで、常に高品位な画像を記録することが可能とな
る。まず、画像品位を劣化させた原因の特定方法(判断
方法)についてであるが、これはSの大きさと、そのS
の値が何本のノズルにおいて発生しているかの2つの要
素から判断する。Sの大きさは、Sが大きな正の値とな
るか、Sが小さな正または負の値となるかの2つに分け
て判断される。Sが大か小かの判断は、Sの絶対値があ
る値(第1の所定値)以上である場合に大と判断され、
Sの絶対値が前記第1の所定値より小さい場合に小と判
断される。また、何本のノズルにおいてSが発生してい
るかは、そのSの値が1つのノズルのみに発生している
場合、数ノズルについて発生している場合、全ノズルに
ついて発生している場合の3つの場合に分けて判断され
る。以上のように、2つの要素を判断することで、6通
りの判断結果が得られる。その6通りの判断結果を表1
に示す。表1のように、夫々の組み合わせをS1〜S6
とする。例えば、Sの小さい値が1つのノズルのみに発
生している場合はS1と表し、Sの大きい値が数ノズル
について発生している場合はS5と表すことにする。
【0059】
【表1】
【0060】以下に、どのようなときにS1〜S6と判
断されるかについて示す。また、S1〜S6と判断され
た後、画像が劣化しないようにするための複数の処理方
法の中からどのように実行すべき処理方法を決定するか
についても示す。尚、これらの処理はインクジェット記
録装置内のCPUによって制御される。
【0061】〔S1と判断される場合〕一般的にバブル
ジェット(BJ)方式の記録ヘッドは、吐出回数を重ね
るにつれてインク吐出量が図5に示すように変化してい
くことが多い。図5のJ部に見られるようなインク吐出
量の上昇は、ヒーター部の微細な汚れやヒーター部に付
着しているインク中の成分がある程度のインク吐出によ
って取り除かれることによって引き起こされる。即ち、
インクの吐出が行われていくうちにヒーター部が均一に
なり、インクの発泡・吐出が安定になると考えられてい
る。この現象は「ヒーターのエージング現象」と呼ば
れ、エージング現象が生じると、画像濃度が変化する、
カラーバランスが狂う、さらに吐出口間でエージングの
程度が異なるとムラを生じるという問題が発生する。こ
の問題を避けるために、従来のBJ方式の記録ヘッドで
は、工場内で十分なエージングを行ない、吐出体積が安
定してからユーザーへ出荷していた。
【0062】本実施形態例では、ヘッドの状態を常時観
測しているために、このエージング現象を画像濃度の上
昇という形で捕らえることが可能である。すなわち、G
に対してYが相対的に時間とともに増加する、つまり、
Sが時間とともに減少していくことが観測される。この
ような減少が観測された場合、次の(A)・(B)の方
法を用いて画像濃度を調整することができる。(A)画
像処理部にこの情報を引き渡し、インク滴の打ち込み数
を調整させるようにする。(B)ヘッドコントロール部
にこの情報を引き渡し、ヘッドに印可する駆動パルスの
パルス幅を変化させて、吐出量を変化させるようにす
る。(A)・(B)のどちらの方法を採ることもできる
が、一般的には、Aは粗調整に、Bは微調整に適してい
るので、Sの大きさに応じてどちらか一方または両方を
使って調整を行なう。また、この調整は、インク滴の打
ち込み密度を調整する方法、駆動パルスの電圧を調整す
る方法等、公知の他の手段を用いることもできる。
【0063】また、図5におけるL部に示すように、吐
出回数が更に増えていくとヒーター部のコゲや吐出口の
状態変化に伴ってインク吐出量が減少することがある。
このような場合には、Sが時間と共に増加していくこと
が観測される。また、図示しないが、記録ヘッドの主走
査時にヘッド温度の上昇に伴って、吐出されるインク量
が増加する場合がある。この場合はSが時間と共にわず
かに減少していくことが観測される。このような場合に
は、Sの小さな値が観察される。
【0064】また、インクジェットヘッドでは、インク
流路や回復系からの微小な塵埃の混入が起きることがあ
る。これはBJ方式のヘッドに限らず、PJ(ピエゾイ
ンクジェット)方式のヘッドにも起きることであり、こ
の結果、吐出が乱れインク吐出量の低下や吐出方向の変
化が起きる。このような場合には、Sの正の小さい値が
観測される。
【0065】上記のようなSの小さな値が1つのノズル
にのみ観察された場合、S1と判断される。つまり、S
の絶対値の微小変化によって1つの吐出口からのインク
吐出量や吐出方向の変化を捉えているのである。そし
て、S1と判断された場合は、まず、吐出口に対してワ
イピング、クリーニング等の回復処理を施すことが望ま
しい。なぜならば、S1の場合、回復処理によって吐出
量や吐出方向の変化が補正される場合が多いからであ
る。回復処理を施してもまだ補正されない場合は、前述
の(A)または(B)の方法によりインク吐出量を調整
すればよい。これによって、適正なインク吐出量とする
ことができ、画像の濃度ムラを低減させることが可能と
なる。
【0066】なお、S1と判断された場合、回復処理を
行わずに、前述の(A)または(B)の方法によるイン
ク吐出量の調整のみを行っても良いが、わずか1つのノ
ズルからの微少なインク吐出量の変化に対して上記のイ
ンク吐出量の調整を行うことは、制御が煩雑になるこ
と、吐出量の変化が生じる度に調整し直さなければなら
ず時間もかかることから、あまり好ましくない。また、
微小の塵埃の混入に対しては回復を行なうのが最も効果
的である。従って、まず回復処理を行う方が、制御も簡
単であり効率的でもある。
【0067】なお、画像濃度の調整を行なうタイミング
としては、Sの観測を行なう度に調整を行なってもいい
し、記録紙1枚〜数枚分のデータを平均する・変動をス
ペクトル解析するなどの公知の統計的手法を用いてSの
増減を判断した後、調整を行なってもいい。
【0068】〔S2と判断される場合〕インクジェット
ヘッドでは、インクミストや紙粉による吐出口付近の汚
れ、液室内への気泡の混入、あるいはインク溶剤の蒸発
に伴う増粘等が発生する場合がある。これはBJ方式の
ヘッドに限らず、PJ方式のヘッドにも起きることであ
り、この結果、インクの吐出が乱れ、インク吐出量の低
下や吐出方向の変化が起きる。これらの現象は、一般
に、複数ノズルにおいて発生する。
【0069】Sの小さな値が複数のノズルにおいて観測
される場合は、S2と判断され、従って、上記の原因に
よるものと判断される。
【0070】S2と判断された場合もS1の場合と同様
に、まず回復処理を施し、それでも補正されない場合、
前述の(A)または(B)の方法によるインク吐出量の
調整を行う。これによって、適正な濃度の画像を記録す
ることが可能となる。
【0071】〔S3と判断される場合〕インクジェット
ヘッドではヘッドの製作工程時における誤差が原因で各
吐出口間でのインク吐出量や吐出方向にバラツキが生じ
る場合があり、そのような場合には濃度ムラやスジが発
生する場合がある。このような場合、Sの小さい正負の
値が数ノズルから全ノズルにわたって発生し、S3と判
断される。S3と判断されれば、前述の(A)または
(B)による方法を行う。これにより、各吐出口毎のイ
ンク吐出量や吐出方向のバラツキがなくなるように調整
が行われる。
【0072】〔S4と判断される場合〕上記S1〜S3
と判断される現象は、インク吐出量や吐出方向の比較的
微小な変動に起因する画像濃度変化であった。IJヘッ
ドでは、時として、より大きなインク吐出量の変動が起
きたり、吐出方向が変化してしまうことがある。
【0073】例えば、インク流路や回復系からノズル内
への大きな塵埃の混入が起きることがある。これはBJ
方式のヘッドに限らず、PJ方式のヘッドにも起きるこ
とであり、この結果、吐出が乱れインク吐出量の激しい
低下や吐出方向の大きな変化が起きる。場合によっては
全く吐出しなくなることもある。このような場合には、
Sの正の大きな値が観測される。
【0074】また、各ノズルへの電力供給線の腐食等に
よる断線、更に、BJ方式のヘッドにおいては、ヒータ
ーがなんらかの原因により断線し、発泡・吐出が全く行
なわれなくなってしまう場合がある。このような場合に
も、Sの正の大きな値が観察される。
【0075】複数のノズルに同時に大きな塵埃が詰まっ
たり、複数の電力線やヒーターが同時に断線することは
極めてまれであるので、Sの大きな正の値が1つまたは
ごくわずかの数のノズルにのみ発生した場合は、大きな
塵埃の詰まりまたはヒータの断線と判断し、同時にこれ
はS4と判断される。
【0076】S4と判断された場合、この不良ノズルが
本来記録すべき画像データを他の正常なノズルに代わり
に記録させるようにする(以下、補完記録という)。例
えば、ノズルN14に関するSが大きな正の値を取ると
判断されたら、N14が走査する記録領域と同じ記録領
域を走査している他のノズルN2、N6、N10によっ
てノズルN14が記録すべきであった画像を記録するの
である。
【0077】これを図8を用いて説明する。図8は、ヘ
ッド102の内のN14で示すノズルがインクを吐出で
きない状態を示している。これにより、記録媒体106
の434で示す第4の記録領域では、ノズルN14で記
録されるはずのドットが欠けて記録される。このドット
の欠けは、CCD21の読取素子4−14が検知するこ
とになる。これと並行して、記録ヘッド102のB部
(N9〜12)より第3の記録領域433が記録され
る。この際、記録ヘッド102のノズルN10によりノ
ズルN14により記録できなかったドットが記録され
る。こうして、ノズルの吐出不良によるドット欠けがカ
バーされる。
【0078】このように、不吐出または吐出不良ノズル
が発生した場合でも、そのノズルが記録すべきであった
箇所を他のノズルにより記録することが可能であるの
で、ヘッドの交換をする必要がなく、コストアップさせ
ずに、しかも記録速度を低下させずに、高品位な画像を
記録することができる。
【0079】〔S5と判断される場合〕オリフィス面の
大きな範囲がインクで濡れてしまったり、ヒーター上の
コゲが激しくなったり、インクの増粘の度合いが大きか
ったりして、吐出体積が激減したり、吐出方向が大きく
変わってしまう場合がある。このような場合、複数のノ
ズルにおいてSの大きな正の値が観察され、S5と判断
される。この場合、Sは時間と共に増加していくことが
多い。
【0080】S5と判断された場合、まず回復処理を行
う。それでも改善されなければ、S4と同様に補完記録
の処理を行う。なお、前述の(A)・(B)の方法で
は、このような大きなインク吐出量の変化は補正しきれ
ない。しかし、回復処理によってある程度吐出状態がよ
くなり、前述の(A)・(B)の方法により補正できる
程度になれば、(A)・(B)の方法によるインク吐出
量の調整を行ってもよい。
【0081】S4またはS5と判断された場合、回復処
理・補完処理・吐出量の調整処理のいずれの処理方法を
単独にまた組み合わせて行なっても良好な画像が得られ
ない場合は、ヘッドの交換を行なうしかない。ヘッド交
換の情報は、プリンターに特定の表示をする方法、ユー
ザーのホストコンピューターにメッセージを表示する方
法などを用いてユーザーに知らせることができる。更
に、インターネット回線、FAX回線などの通信手段を
用いてヘッドメーカーや販売店に自動的に発注すること
もできる。
【0082】〔S6と判断される場合〕Sの大きな正の
値が全ノズルにわたって観測される場合がある。これを
S6と判断する。S6は液室内にインクがなくなった場
合に発生し、インクタンクにインクが無くなってしまっ
た場合、および何らかの原因でインクタンクと液室の間
でインクの供給が切れてしまった場合に起こる。
【0083】S6と判断された場合、まず、回復を行な
う。回復を行なってもS6の状態が続けばインク切れと
判断され、インクを補充しなければならない。なお、イ
ンクの残量検知装置がついている場合には、この信号と
Sの値から、インクタンクにインクが無くなってしまっ
たのか、インクタンクと液室の間で供給が切れたかの判
断が可能で、回復を行なうことを省略することが出来
る。しかし、残量検知装置が無い場合でも、Sの判定と
回復動作を繰り返すことにより、インク切れを検知する
ことが可能であり、本発明によればインク残量検知装置
を備える必要がないだけコスト的に有利である。
【0084】インクの補充は、補充用タンクから自動的
に補充する方法、プリンターに特定の表示をしたり、ユ
ーザーのホストコンピューターにメッセージを表示する
方法などを用いてユーザーにインクタンクを交換しても
らう方法等公知の方法を用いることが出来る。更に、イ
ンターネット回線、FAX回線などの通信手段を用いて
メーカーや販売者にインクタンクを自動的に発注するこ
ともできる。
【0085】なお、S1〜S6の判断において、ノズル
毎に判断結果が異なる可能性がある。例えば、あるノズ
ルに関してはS2と判断され、他のノズルに関してはS
5と判断される場合である。そのときは、S2に対応す
る処理よりS5に対応する処理が優先される。なぜな
ら、S5の方がS2よりも画像を劣化させるからであ
る。
【0086】以上のようにS1〜S6の判断は行われ、
その結果に基づいて、画像が劣化しないようにするため
の複数の処理方法の中から実行すべき処理方法が決定さ
れる。このようにSの変化の大きさと、どれくらいの数
のノズルにおいてそのSの変化が発生しているか、の2
つの要素に基づいて、画像品位を劣化させた原因を特定
することで、上記原因を精度良く判断することができ、
また、その原因を効率的に解消することができる。その
結果、ユーザーの手をわずらわせることなく、吐出不良
が起きた際にもスループットの低下を極力避け、濃度ム
ラのない高品位な画像を記録することが可能なインクジ
ェット記録装置を提供することができる。
【0087】〈実施形態例2〉上述の実施形態例1によ
れば、Sの値が小である場合に必ずS1〜S3のいずれ
かであると判断され、そのS1〜S3の夫々に対応した
処理が施されていたが、Sの値が画像品位に影響を及ぼ
さない程度の微少な値の場合もある。このような場合、
仮にSの絶対値が小さい値として判断された場合でも、
種々の処理(回復処理等)を行う必要がない。そこで、
本実施形態例においては、第2の所定値を設定してお
き、Sの絶対値が第2の所定値以下であれば何の処理も
行わないことにする。このようにすることで無駄な処理
を行う必要がなくなり、処理に要する時間が削減でき、
実施形態例1よりも更に効率的に種々の処理を行うこと
ができる。
【0088】〈実施形態例3〉本実施形態例について図
9を用いて説明する。図9は本実施形態例におけるヘッ
ドに対する処理方法を示すフローチャートであり、この
処理を実行する制御プログラムはメモリ部403に記憶
されている。
【0089】上述の実施形態例1及び2では、S1〜S
6の判断を行い、その判断結果に応じて種々の処理を施
していたが、本実施形態例においてはSが0でないと判
断されたら(ステップS1)、まず最初に回復処理を施
すことにする(ステップS2)。その後、Sが0になっ
たか否かを判断し(ステップS3)、回復処理を施して
もまだSが0にならなければ、そのSが小か大かの判断
を行い(ステップS4)、その後以下の処理を行う。
【0090】Sが小と判断されたときは、前述した
(A)または/および(B)の方法によるインク吐出量
の調整処理を行う(ステップS5)。また、Sが大と判
断されたときは、前述した補完処理を行う(ステップS
6)。
【0091】上記処理を施した後、Sが0になったか否
かを再び判断する(ステップS7)。このような処理を
施すことでSが0になり、適正な濃度の画像を得られ
る。しかしながら、このような処理を施してもSが0に
ならない場合、ヘッドの交換をする(ステップS8)。
【0092】本実施形態例では上述の実施形態例1及び
2とは異なり、Sの大きさのみに着目しており、Sが0
でないと判断されたらとりあえず回復処理を施してい
る。通常、回復処理を施すことでSが0になる場合が多
いので、Sが0でないと判断されたらまず最初に回復処
理を施すことが効率的である。
【0093】また、上記では回復処理は1回しか行って
いないが、回復処理の回数は1回に限られるものではな
い。2、3回回復処理を行うことでSが0になる場合が
あるので、このような場合も考慮して回復処理を行う回
数を決定するのが良い。これには、予め決定した回数だ
け回復処理を行う方法、Sの減少傾向を見ながら回復処
理の回数を決定する方法などを用いることが出来る。
【0094】また、実施形態例2と同様に、第2の所定
値を設定しておき、Sが第2の所定値以下であれば何の
処理も行わないことにしてもよい。こうすることで上記
実施形態例2の効果も奏することができる。
【0095】本実施形態例によれは、Sを常に把握する
ことによって回復処理を適切なタイミングで行うことが
できる。それによって、吐出不良の原因を効率的に除去
することができ、また画像品位の劣化を最小限にするこ
とができる。また、本実施形態例ではSの大きさだけを
考慮しているので、上述の実施形態例1及び2よりも制
御が簡単である。
【0096】〈実施形態例4〉実施形態例1乃至3で
は、読取データの読取濃度情報と画像データの画像濃度
情報との双方の濃度情報の差であるSに基づいて、画像
が劣化しないようにするための処理方法を決定していた
が、本発明を実現するためにはこのSを読み取ることに
限定されない。つまり、どのノズルが吐出不良のノズル
であるのかを判断できればよいのである。
【0097】本実施形態例では、吐出ノズルからインク
が正常に飛翔しているか否かを判断する。そして、吐出
不良のノズルがあると判断された場合は、実施形態例1
乃至3と同様に、ヘッドに対して種々の処理を施すので
ある。吐出不良のノズルを検出する方法は、発光素子
(LED)と受光素子(フォトダイオード)を用いて、
インク滴の不吐出を検知することにより行われる。即
ち、この方法は、記録ヘッドを所定の検知位置に止め、
発光素子から出た光ビームの中にノズルからインク滴を
打ち込み、その光ビームを受ける受光素子の出力変化か
ら不吐出ノズルすなわち、吐出不良ノズルの検知を行う
ものである。
【0098】この吐出不良ノズル検出方法を図10及び
図11を用いて具体的に説明する。図10において、1
97で示す矢印は細く絞ったビーム(レーザビーム)で
ある。195は発光素子であり、196は受光素子であ
る。ビーム197に発光素子195に近い位置から受光
素子196に近い位置まで位置を変えながらヘッド10
2からインク滴を目詰まり防止手段199に打ち込んで
いく。尚、目詰まり防止手段199は、ヘッド102が
インクリフレッシュによる吐出条件の均一化を行うため
の吐出動作(予備吐出動作)をするときに吐出インクを
受けるものである。この目詰まり防止手段199は、ヘ
ッド102による記録領域外においてヘッド102と対
向する部位に設けられ、予備吐出されたインクを吸収受
液する液受け部材がキャッピング手段とプリント領域と
の間およびその反対側に配置されている。なお、液受け
部材内には図示しない液体保持部材が設けられ、その材
質としては、スポンジ状多孔質部材等が用いられてい
る。
【0099】吐出不良ノズルが存在するかどうかの判断
は、図11に示すように、縦軸に受光素子196が感知
する光量(この場合は電圧で表示される)を横軸に時間
をとると、もし、電圧が変化しない位置(図11の点線
で示した電圧の変化が現われていない位置)が存在すれ
ば、そこではインク滴が吐出されていないと判断する。
このように、受光距離と光回折との相関関係を伴う光量
検出感度(電圧)が一定レベルを保つか否かを判断する
ことによって、吐出不良ノズルの検出を行うことができ
る。即ち、出力電圧Vの大きさに応じて吐出不良ノズル
の検出を行っている。
【0100】このようなヘッド102のノズルNから矢
印A,B,C,…に示すようにインク滴をある一定周期
で時系列的に順次打ち込む制御(インク滴吐出制御手
段)や受光素子196の光量変化の検知により現われる
電圧変化によってインク滴が吐出されたか否かを判断し
吐出不良ノズルを特定する制御(吐出不良ノズル特定手
段)は、ヘッド102を統括的に制御する装置本体内の
制御部(CPU等)によって実行される。
【0101】上述したように、ヘッド102の吐出制御
を行い、受光素子196による光量変化によって吐出不
良の検出を行うことによって、全てのノズルNにおける
吐出不良を確実に検出することができる。
【0102】図12は、本実施形態例におけるヘッドに
対する処理方法を示すフローチャートであり、この処理
を実行する制御プログラムはメモリ部403に記憶され
ている。まずステップS1において、本実施形態の検出
方法により吐出不良ノズルが存在するか否かを検出す
る。吐出不良ノズルが存在する場合はステップS2に進
み、回復処理を行う。その後、ステップS3において上
述した吐出不良ノズルの検出を再び行い、それでもまだ
吐出不良ノズルが存在する場合はステップS4に進む。
ステップS4においては実施形態例1で示した補完記録
処理を行うことが可能か否かの判断を行う。例えば、不
吐出ノズルの数が多すぎると、不吐出ノズルが本来記録
すべきであった箇所を他の正常なノズルにより補って記
録することができない場合が発生し、このような場合は
補完記録処理を行うことはできないと判断する。ステッ
プS4において、補完記録処理を行うことが可能である
と判断されればステップS5に進み、補完記録処理を行
う。また、ステップS4において、補完記録処理を行う
ことが不可能であると判断されればステップS6に進
み、ヘッドの交換を行う。尚、全ノズルが吐出不良と判
断され、回復処理を施してもまだ全ノズルが吐出不良の
場合は、インク切れと判断してインクタンクにインクの
補充をすることが望ましい。
【0103】本実施形態例によれば、ヘッドを所定の検
知位置に止めて吐出不良ノズルが存在するか否かを検出
するので上記実施形態例1乃至3よりも時間の無駄が生
じるが、吐出不良を確実に検出することができ、さらに
その対処方法も全自動で行うことができ、画像品位の劣
化を最小限にすることができる。
【0104】〈実施形態例5〉上記実施形態例4ではイ
ンクを全く吐出することができない不吐出ノズルがある
か否かのみを検知していたが、本実施形態においてはヒ
ーター部のコゲや微少な塵埃の混入等によりインク吐出
量が減少する場合についても検知し、その検知結果に応
じて、実行すべき処理方法を決定する。
【0105】不吐出ノズルであるか、吐出量が減少した
吐出不良ノズルであるか、正常ノズルであるかを検出す
る方法は実施形態例4と同様である。即ち、本実施例で
は、図13に示すように、縦軸に受光素子が感知する光
量(この場合は電圧で表示される)を横軸に時間をとる
と、もし、電圧が変化しない位置(図13の点線で示し
た電圧の変化が現われていない位置)が存在すれば、そ
のノズルはインクを全く吐出していない不吐出ノズルで
あると判断し、電圧が一定値に達していない位置(図1
3の斜線部で示した所)が存在すれば、そのノズルはイ
ンク吐出量が減少している吐出不良ノズルであると判断
する。このように、正常なノズルが示す出力電圧の一定
値との差の大きさに応じて、不吐出ノズルであるか、吐
出量が減少した吐出不良ノズルであるか、正常ノズルで
あるかの検出を行うことができる。
【0106】上記の検出によって不吐出ノズルであると
判断された場合、実施形態例1で示した補完記録処理を
行い、吐出量が減少した吐出不良ノズルであると判断さ
れた場合、実施形態例1で示した(A)または/および
(B)の方法によるインク吐出量の調整処理を行う。
【0107】このように不吐出ノズルであるか、吐出量
が減少した吐出不良ノズルであるかを判別することで、
実施形態例4よりも適切な処理方法を行うことできる。
【0108】また、不吐出ノズルか、吐出量が減少した
吐出不良ノズルかのどちらか一方が存在すると判断した
ら最初にまず回復処理を行うようにしてもよい。回復処
理を行うことでノズルの異常がなくなる場合は多く、回
復処理のみでノズルの異常が解消されるならば、上記処
理を施すよりもその方が制御が簡単であり、時間の浪費
も少なく、効率的に異常を解消できるので好ましい。こ
のようにまず最初に回復処理を行う場合、回復処理を行
ってもまだノズルの異常が解消されないときのみ、上記
に示したような補完記録処理またはインク量調整処理を
行えばよい。また、不吐出ノズルおよび吐出量が減少し
た吐出不良ノズルの数を考慮して、実施形態例1に示し
た画像を劣化させないようにするための処理方法と同様
の処理方法をとってもよい。
【0109】以上のように本実施形態例によれば、実施
形態例4よりも異常を引き起こした原因を詳細に検出
し、画像の劣化防止するための処理方法の種類も多くな
るので、実施形態例4よりも制御が煩雑になるが、異常
の原因により適した処理方法を行うが可能となり、より
画像品位の劣化を低減させることができる。
【0110】尚、上記実施形態例1乃至5における上記
処理方法はインクジェット記録装置内のCPUによって
制御されてもよいし、インクジェット記録装置と接続し
たコンピュータに前述した実施形態の機能を実現するソ
フトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を供
給し、そのコンピュータが記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読出し実行することによって達成してもよ
い。記憶媒体に格納されたプログラムコードをコンピュ
ータによって読出し実行する場合、記憶媒体から読出さ
れたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を
実現することにより、そのプログラムコードを記憶した
記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコ
ードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロ
ッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気デ
ィスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモ
リカード、ROMなどを用いることができる。
【0111】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録
装置において優れた効果をもたらすものである。
【0112】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出
来る。
【0113】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。
【0114】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの
圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示
する特開昭59−138461号公報に基いた構成とし
ても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッド
の形態がどのようなものであっても、本発明によれば記
録を確実に効率よく行うことができるようになるからで
ある。
【0115】さらに、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0116】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0117】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して2個以上の個数設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0118】さらに加えて、以上説明した本発明の実施
形態例においては、インクを液体として説明している
が、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で
軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはイ
ンクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以
下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出
範囲にあるように温度制御するものが一般的であるか
ら、使用記録信号付加時にインクが液状をなすものを用
いてもよい。
【0119】加えて、熱エネルギーによる昇温を、イン
クの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとし
て使用せしめることで積極的に防止するため、またはイ
ンクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によ
って液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱
エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達す
る時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネ
ルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使
用する場合も本発明は適用可能である。このような場合
のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔
質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。本発明においては、上述した各インク
に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行
するものである。
【0120】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録装置
がヘッドの状態をリアルタイムで把握しこれを自動的に
管理することができるため、ユーザーは常に美しい画像
を特別な手間をかけることなく得ることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリ
ント装置の概略を示す斜視図である。
【図2】図1におけるインクジェットヘッドユニット1
03を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の一実施形態
例の制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明における画像形成の一例を説明するため
の図である。
【図5】吐出回数とインク吐出量の関係を示す図であ
る。
【図6】図1におけるインクジェット製記録装置100
に使用されるインクジェットヘッド102の構造を示す
図である。
【図7】ヒータに加える電力を変化させてインクの吐出
量を制御する方法を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態例1に示す不吐補完処理を説
明するための図である。
【図9】実施形態例3におけるヘッドに対する処理方法
を示すフローチャートである。
【図10】実施形態例4における不吐出ノズルの検出を
行う原理を示す側面図である。
【図11】実施形態例4において、ノズルからインク滴
を時系列で順次吐出させた時の受光素子により検出され
た電圧波形を示す波形図である。
【図12】実施形態例4におけるヘッドに対する処理方
法を示すフローチャートである。
【図13】実施形態例5において、ノズルからインク滴
を時系列で順次吐出させた時の受光素子により検出され
た電圧波形を示す波形図である。
【図14】記録媒体の同一領域に対してヘッドを複数回
走査させて記録を行う場合を表す図である。
【図15】インクジェットプリンタの理想的な印字状態
の図である。
【図16】濃度ムラのあるインクジェットプリンタの印
字状態を表わす図である。
【符号の説明】
21 読取装置 102 インクジェットヘッド 106 記録媒体 195 発光素子 196 受光素子 197 ビーム 199 目詰まり防止手段 431 第1の記録領域 432 第2の記録領域 433 第3の記録領域 434 第4の記録領域

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク吐出ノズルを有する記録ヘ
    ッドを走査して記録媒体に画像を記録するインクジェッ
    ト記録装置であって、 記録媒体に記録された記録画像を読み取る読取手段と、 前記読取手段で読み取った読取濃度情報と、本来記録さ
    れるべき画像濃度情報との双方の濃度情報の差を検出す
    ることで吐出不良ノズルが存在する否かを判断する判断
    手段とを備え、 前記判断手段により吐出不良ノズルが存在すると判断さ
    れたとき、前記双方の濃度情報の差の大きさが所定値以
    上であるか否かに応じて、前記吐出不良ノズルによって
    画像が劣化しないようにするための複数の処理方法の中
    から実行すべき処理方法を決定することを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記双方の濃度情報の差が所定値以上で
    ある場合、前記吐出不良ノズルが本来記録すべきであっ
    た箇所を他の正常なノズルが代わりに記録する補完記録
    処理を行い、 前記双方の濃度情報の差が所定値より小さい値である場
    合、前記吐出不良ノズルのインク吐出量を調整するイン
    ク吐出量調整処理を行うことを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記双方の濃度情報に差が検知されたと
    き、前記濃度情報の差の大きさに関らず、インクの吐出
    状態を回復する回復処理を最初に行うことを特徴とする
    請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 複数のインク吐出ノズルを有する記録ヘ
    ッドを走査して記録媒体に画像を記録するインクジェッ
    ト記録装置であって、 記録媒体に記録された記録画像を読み取る読取手段と、 前記読取手段で読み取った読取濃度情報と、本来記録さ
    れるべき画像濃度情報との双方の濃度情報の差をノズル
    毎に検出することで吐出不良ノズルが存在する否かを判
    断する第1の判断手段と、 前記双方の濃度情報の差の大きさが所定値以上であるか
    否かを判断する第2の判断手段と、 前記双方の濃度情報の差が発生しているノズルの数を判
    断する第3の判断手段とを備え、 前記第1の判断手段により前記吐出不良ノズルがあると
    判断されたとき、前記第2の判断手段及び前記第3の判
    断手段による判断結果に基づいて、前記吐出不良ノズル
    によって画像が劣化しないようにするための複数の処理
    方法の中から実行すべき処理方法を決定することを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の判断手段により前記双方の濃
    度情報の差が所定値以上であると判断され、前記第3の
    判断手段により前記双方の濃度情報の差が発生している
    ノズルの数が1つであると判断された場合、 前記吐出不良ノズルが本来記録すべきであった箇所を他
    の正常なノズルが代わりに記録する補完記録処理を行う
    ことを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第2の判断手段により前記双方の濃
    度情報の差が所定値以上であると判断され、前記第3の
    判断手段により前記双方の濃度情報の差が発生している
    ノズルの数が全ノズルのうち複数個であると判断された
    場合、 インク吐出状態を回復する回復処理を最初に行い、前記
    回復処理により前記双方の濃度情報の差がなくならなか
    ったときは、前記双方の濃度情報の差が所定値以上であ
    ると判断されたノズルを吐出不良ノズルと判断し、前記
    吐出不良ノズルが本来記録すべきであった箇所を他の正
    常なノズルが代わりに記録する補完記録処理を行うこと
    を特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の判断手段により前記双方の濃
    度情報の差が所定値以上であると判断され、前記第3の
    判断手段により前記双方の濃度情報の差が全ノズルに発
    生していると判断された場合、インク切れと判断し、イ
    ンクタンクにインクを補充することを特徴とする請求項
    4記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インク切れと判断された場合、イン
    クタンクにインクを補充する旨を表示することを特徴と
    する請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記インク切れと判断された場合、前記
    インク切れの情報を前記インクジェット記録装置と接続
    するホストコンピュータまたはネットワークを介して1
    つまたは複数のコンピュータに前記インク切れ情報を送
    信することを特徴とする請求項7記載のインクジェット
    記録装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の判断手段により前記双方の
    濃度情報の差が所定値より小さい値であると判断され、
    前記第3の判断手段により前記双方の濃度情報の差が発
    生しているノズルの数が全ノズルのうち所定数以上であ
    ると判断された場合、 前記吐出不良ノズルのインク吐出量を調整するインク吐
    出量調整処理を行うことを特徴とする請求項4記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の判断手段により前記双方の
    濃度情報の差が所定値より小さい値であると判断され、
    前記第3の判断手段により前記双方の濃度情報の差が発
    生しているノズルの数が全ノズルのうち所定数より少な
    いと判断された場合、 インク吐出状態を回復する回復処理を最初に行い、前記
    回復処理により前記双方の濃度情報の差がなくならなか
    ったときは、前記双方の濃度情報の差が所定値より小さ
    い値であると判断されたノズルを吐出不良ノズルと判断
    し、前記吐出不良ノズルのインク吐出量を調整するイン
    ク吐出量調整処理を行うことを特徴とする請求項4記載
    のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記所定値より小さい第2の所定値を
    さらに設定し、前記双方の濃度情報の差が前記第2の所
    定値以下である場合、何の処理も行わないことを特徴と
    する請求項4乃至11のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録画像の1画素は複数の吐出口
    からの吐出インクで形成することを特徴とする請求項4
    乃至12のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 複数のインク吐出ノズルを有する記録
    ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録するインクジェ
    ット記録装置であって、 吐出不良ノズルがあるか否かを各ノズル毎に判断する判
    断手段を備え、 前記判断手段手段によって前記吐出不良ノズルがあると
    判断されたとき、前記正常なノズルが示す情報と前記吐
    出不良ノズルが示す情報との双方の情報の差の大きさに
    応じて、前記吐出不良ノズルによって画像が劣化しない
    ようにするための複数の処理方法の中から実行すべき処
    理方法を決定することを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  15. 【請求項15】 前記判断手段により吐出不良ノズルが
    あると判断されたとき、前記双方の情報の差の大きさに
    関らず、インクの吐出状態を回復する回復処理を最初に
    行う特徴とする請求項16記載のインクジェット記録装
    置。
  16. 【請求項16】 前記記録ヘッドは、インクに熱を付与
    することで気泡を発生させ、前記気泡の発生に基づき、
    インクを吐出させる熱エネルギー発生手段を備えること
    を特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のイン
    クジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 複数のインク吐出ノズルを有する記録
    ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録するインクジェ
    ット記録方法であって、 記録媒体に記録された記録画像を読み取る読取工程と、 前記読取工程で読み取った読取濃度情報と、本来記録さ
    れるべき画像濃度情報との双方の濃度情報の差を検出す
    ることで吐出不良ノズルが存在する否かを判断する判断
    工程と、 前記判断工程により吐出不良ノズルが存在すると判断さ
    れたとき、前記双方の濃度情報の差の大きさが所定値以
    上であるか否かに応じて、前記吐出不良ノズルによって
    画像が劣化しないようにするための複数の処理方法の中
    から実行すべき処理方法を決定する決定工程と、を備え
    ることを特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 複数のインク吐出ノズルを有する記録
    ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録するインクジェ
    ット記録方法であって、 記録媒体に記録された記録画像を読み取る読取工程と、 前記読取手段で読み取った読取濃度情報と、本来記録さ
    れるべき画像濃度情報との双方の濃度情報の差をノズル
    毎に検出することで吐出不良ノズルが存在する否かを判
    断する第1の判断工程と、 前記双方の濃度情報の差の大きさが所定値以上であるか
    否かを判断する第2の判断工程と、 前記双方の濃度情報の差が発生しているノズルの数を判
    断する第3の判断工程と、 前記第1の判断工程により前記吐出不良ノズルがあると
    判断されたとき、前記第2の判断工程及び前記第3の判
    断工程による判断結果に基づいて、前記吐出不良ノズル
    によって画像が劣化しないようにするための複数の処理
    方法の中から実行すべき処理方法を決定する決定工程
    と、を備えることを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  19. 【請求項19】 複数のインク吐出ノズルを有する記録
    ヘッドを走査して記録媒体に画像を記録するインクジェ
    ット記録方法であって、 吐出不良ノズルがあるか否かを各ノズル毎に判断する判
    断工程と、 前記判断手段工程によって前記吐出不良ノズルがあると
    判断されたとき、前記正常なノズルが示す情報と前記吐
    出不良ノズルが示す情報との双方の情報の差の大きさに
    応じて、前記吐出不良ノズルによって画像が劣化しない
    ようにするための複数の処理方法の中から実行すべき処
    理方法を決定する決定工程と、を備えることを特徴とす
    るインクジェット記録方法。
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