JP2007268964A - インクジェット記録方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料インクを用いた場合にも吐出安定性及び不吐出抑制を図る。
【解決手段】それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置において、前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出回数が前記小ノズルからの吐出回数よりも多くなるように吐出することにより前記課題を解決する。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット記録方法及び装置に係り、特に、インクジェットヘッドを記録媒体の搬送方向に直交する方向に往復移動させながら顔料インクを用いて画像記録を行ういわゆるシャトルスキャン方式(シリアルスキャン方式)のインクジェット記録方法及び装置に関する。
従来より、多数のノズル(インク吐出口)を配列させたインクジェットヘッド(インク吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと記録媒体を相対的に移動させながら、記録媒体に向けてノズルからインクを液滴として吐出することにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。
このようなインクジェット記録装置におけるインク吐出方法として、従来から様々な方法が知られている。例えば、圧電素子(圧電セラミック)の変形によって圧力室(インク室)の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を変化させ、圧力室の容積増大時にインク供給路から圧力室内にインクを導入し、圧力室の容積減少時に圧力室内のインクをノズルから液滴として吐出する圧電方式や、インクを加熱して気泡を発生させ、この気泡が成長する際の膨張エネルギーでインクを吐出させるサーマルインクジェット方式などが知られている。
インクジェット記録装置のようなインク吐出ヘッドを有する画像形成装置においては、インクを貯蔵するインクタンクからインク供給路を介してインク吐出ヘッドにインクを供給し、上記様々な吐出方法でインクを吐出しているが、インクの吐出量、吐出速度、吐出方向及び吐出されるインクの形状(体積)等が、常に一定となるように安定して吐出する必要がある。
しかし、印字中においては、印字の指示があった場合に直ちに印字が実行されるようにインク吐出ヘッドのノズルには常にインクが満たされており、ノズルのインクは空気にさらされているため、長時間吐出が行われないノズルのインクが乾燥し、インク粘度が高くなったり、ノズルが目詰まりしたりすることがある。このようなノズルのインクメニスカス部における増粘はインクの不吐出の原因となることがある。また、インク供給路内等に混入した塵埃等の異物や気泡が溜まり、インク供給を遮断したりして吐出不良が発生する場合もある。
そこで、従来このようなインクの吐出不良やインク不吐出の原因となるノズルのメニスカス部におけるインクの増粘に対して、この増粘したインクを定期的に強制的に機外に排出するパージ(唾吐き、予備吐出)や吸引などの回復処理が行われていた。
この吸引回復処理は、インクジェットヘッドのノズル面をキャップで覆い、ポンプによってインクジェットヘッド内のインクを強制的に吸引するものであるが、吸引をした直後は吸引によってキャップ内に排出されたインクがノズル面に残留したり、インクジェットヘッド内に逆流したりすることがある。そこで、吸引回復処理後には予備吐出を行うことが行われている。
例えば、大ノズル列と小ノズル列という、異なるインク吐出量で吐出する少なくとも二種類のノズルを有するインクジェットヘッドを用いて画像形成するインクジェット記録装置において、メンテナンス吸引後の予備吐出時に大ノズルの吐出発数を小ノズルの吐出発数より多くしたり、あるいは大ノズルの吐出周波数を大きくしたり等することによって、浮遊ミストを減少させるとともに、吸引後の予備吐出に要する時間を短縮するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2004−98626号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、吸引後の予備吐出に要する時間を短縮したり、予備吐出時における浮遊ミストの発生を防止したりすることを目的とした、吸引回復処理後の大ノズルと小ノズルの予備吐出の制御に関する技術を開示しているが、記録走査中におけるパージング(予備吐出)に関しては全く記載がなく、特に顔料インクを用いる場合には、吐出安定性の向上のためにも、記録中における予備吐出の制御が問題となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、予備吐出の時間短縮及び浮遊ミストの防止に加えて吐出安定性及び不吐出抑制を図ることのできるインクジェット記録方法及び装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出回数が前記小ノズルからの吐出回数よりも多くなるように吐出することを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
これにより、記録ヘッド内の品質劣化(増粘や気泡が混入した)インクを効果的に排出することができ、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために請求項2に記載の発明は、それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出を前記小ノズルからの吐出よりも先行して行うことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
これによっても記録ヘッド内の品質劣化インクを効果的に排出することができ、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために請求項3に記載の発明は、それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置であって、前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルの吐出周波数を前記小ノズルの吐出周波数よりも大きくしたことを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
これにより、同様に記録ヘッド内の品質劣化インクを効果的に排出することができ、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
また、請求項4に示すように、請求項1〜3のいずれか1項において、さらに、前記画像記録領域外の特定の位置に前記記録ヘッド内のインクを強制的に吸引する吸引手段を設け、前記吸引手段により前記記録ヘッド内のインクを吸引した後、前記画像記録に関わらないインク液を吐出することを特徴とする。
これにより、吸引動作を行う場合にも、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録方法であって、前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出回数が前記小ノズルからの吐出回数よりも多くなるように吐出することを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
これにより、記録ヘッド内の品質劣化インクを効果的に排出することができ、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録方法であって、前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出を前記小ノズルからの吐出よりも先行して行うことを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
これにより、記録ヘッド内のインクを効果的に排出することができ、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録方法であって、前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルの吐出周波数を前記小ノズルの吐出周波数よりも大きくしたことを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
これにより、同様に記録ヘッド内の品質劣化インクを効果的に排出することができ、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
また、請求項8に示すように、請求項5〜7のいずれか1項において、さらに、前記画像記録領域外の特定の位置で前記記録ヘッド内のインクを強制的に吸引した後、前記画像記録に関わらないインク液を吐出することを特徴とする。
これにより、吸引動作を行う場合にも、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、記録ヘッド内の品質劣化インクを効果的に排出することができ、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインクジェット記録方法及び装置について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の主要部の概略構成を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、記録紙10の搬送方向(図中矢印Aで表示)に対して略直交する方向(図中矢印Bで表示)に沿って記録ヘッド12を双方向に走査させて(往復移動させながら)画像を記録するシャトルスキャン方式(シリアルスキャン方式)の画像記録装置である。
記録紙10は、例えばステッピングモータ等の給紙モータ14によって駆動される給紙ローラ16によって記録ヘッド12下に供給される。記録紙10は、給紙ローラ16と記録ヘッド12を挟んで対向して配置された紙抑えローラ18によって支持されながら平面性を保ちつつ、図中矢印Aで示す方向(副走査方向)に搬送される。このとき、記録紙10の平坦性を向上させるために、給紙ローラ16と紙抑えローラ18の間で記録紙10を下側から支持するプラテン板を設けるようにすることが好ましい。
記録ヘッド12は、記録紙10の搬送方向に略垂直な方向に記録紙10を幅方向に跨いで設置されたガイド軸20に沿って図中矢印Bで示す方向に往復移動可能なキャリッジ22上に搭載されている。
キャリッジ22は、ベルト固定部24によってタイミングベルト26に固定されている。タイミングベルト26は、駆動プーリ28と従動プーリ30との間に掛け渡されており、駆動プーリ28は主走査モータ32によって駆動される。主走査モータ32を駆動することにより、駆動プーリ28が回転し、これによりタイミングベルト26が回転することによりキャリッジ22が図中の矢印B方向に往復移動するようになっている。
記録紙10の幅方向両側の印字領域外にそれぞれパージ受け(キャップ)34及び36が設けられている。特に図1において記録紙10の右側の印字領域外に設けられたパージ受け36は、詳しくは後述するが、吸引手段と連動した回復機構を構成している。メンテナンス時にはキャリッジ22がこれらのパージ受け34、36の位置に移動してパージ(予備吐出)や吸引等の記録ヘッド12のメンテナンスが行われる。また、記録ヘッド12が、回復機構を構成するパージ受け36の位置(ホームポジション)にあることを検出するためのポジションセンサ38が設けられている。
記録ヘッド12は、キャリッジ22上に搭載され、キャリッジ22の移動に伴い、図の矢印B方向に記録紙10上をその幅方向に、双方向の走査を行う。このとき、記録ヘッド12は、双方向とも記録を行ってもよいし、片方向のみ記録を行うようにしてもよい。
図2に、記録ヘッド12の平面図を示す。図2(a)においては、イエロー(Y)のインクを吐出するイエローヘッド12Y、マゼンタ(M)のインクを吐出するマゼンタヘッド12M、シアン(C)のインクを吐出するシアンヘッド12C及び黒(K)のインクを吐出する黒ヘッド12Kが、それぞれノズル列が、矢印B1で示す記録ヘッド12の移動方向に対して略垂直となるように配置されている。
また一方、双方向とも記録を行う場合には、図2(b)に示すように、それぞれ4つのヘッド12Y、12M、12C、12Kからなるヘッド群12−1及び12−2を記録ヘッド12の中央の線に関して左右対称となるように配置し、記録ヘッド12が矢印B1方向に走査する場合にはヘッド群12−1を用いて記録を行い、記録ヘッド12が矢印B2方向に走査する場合にはヘッド群12−2を用いて記録を行うようにしてもよい。
また、本実施形態の記録ヘッド12は、吐出量の大きい大ノズルと、吐出量の小さい小ノズルとを有している。ここで、大ノズルの吐出量は5〜10[pl]程度で、小ノズルの吐出量は1〜2[pl]程度であるとする。また、本実施形態では、大ノズルはノズル径を大きくし、小ノズルはノズル径を小さくすることで、この大小の吐出量の違いを形成するようにしている。
図3に、図2(a)に示した記録ヘッド12に対応したノズル配列の例を示す。図3(a)では、矢印Bで示す記録ヘッド12の走査方向(主走査方向)に略垂直な方向に延在して設けられた共通液室40の一方の側に、ノズル径の大きな大ノズル42を配置し、また共通液室40の他方の側にノズル径の小さな小ノズル44を配置している。
また、図3(b)に示す例では、共通液室40の両側に、ノズル径の大きな大ノズル42とノズル径の小さな小ノズル44をそれぞれ交互に配置するようにしている。
このように図3に示したいずれの例においても、同一色の大ノズル42と小ノズル44へは色ごとに同一の共通液室40からインクを供給するようにして、各ノズルに対するヘッド内流路を共通としている。
また、本実施形態においては、顔料インクを用いて記録を行うようにしており、特に、顔料インクの粒径を150[nm]以上の粒子が5[vol%](体積%)以下となるようにしている。これは、顔料インクを用いた場合には、吐出安定性や不吐出抑制が問題となるため、顔料インクの粒径分布の中でも吐出安定性や不吐出抑制に対して影響の大きい顔料インク中の大サイズの粒径分布を制限したものである。
図4に、ヘッド(12Y、12C、12M、12K)の断面図を示す。ヘッド12Y、12C、12M、12Kの構造はいずれも同じなので、ここでは符号を共通としヘッド50として表すこととする。また、前述した大ノズル42と小ノズル44もここでは区別せずに単にノズル51と表している。
図4(a)に示すように、ヘッド50は、インクを吐出するノズル51と連通する圧力室52によって形成され、圧力室52には、電気熱変換素子54を設け、これに記録信号となる電気パルスを与えることにより、インクに熱エネルギーを与え、そのときのインクに生じる膜沸騰時の気泡圧力をインク滴の吐出に利用する。
また、図4(b)に大ノズル、小ノズルと共通液室(共通流路)の断面図を示す。ヘッド50は、インクを吐出する大ノズル42と小ノズル44とそれぞれの圧力室52a、52b下の電気熱変換素子54a、54bによって形成され、大ノズル42の開口面積は200μm程度であり、小ノズルの開口面積は120μm程度である。また、圧力室52a、52bには、供給口53a、53bを介してインクを供給する共通液室(共通流路)55が連通する。各ノズル42、44ともインク吐出後、次の吐出に備えて、共通液室55から供給口53a、53bを通って新しいインクが圧力室52a、52bに充填されるようになっている。
また、本実施形態では、熱エネルギーを利用して液滴を吐出する、いわゆるサーマル方式のものだが、圧電素子の変形圧力によって液滴を吐出するピエゾ方式等、その他の方式であってもよい。
図5に、本実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク供給系の概略構成を示す。
図5において、インクタンク60は、ヘッド50にインクを供給するための基タンクである。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、図示を省略した補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。また、インクタンク60とヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。
なお、図5には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッド50の内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置1には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、図示を省略した移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。ここで、キャップ64とは、図1においてパージ受け34、36と表示したものをキャップ64で代表させて表現したものである。
キャップ64は、図示しない昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構によりヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)に摺動可能である。ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面50Aに摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄化するようになっている。
印字(記録)中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ(パージ受け)64に向かって予備吐出(パージ)が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッド50への装填時、あるいは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
すなわち、ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出用の電気熱変換素子54が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。従って、この様な状態になる手前で(電気熱変換素子54により発生する気泡圧力によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、電気熱変換素子54を動作させ、キャップ(パージ受け)64に向かって粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面50Aの汚れを清掃化した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、この予備吐出は「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などとも呼ばれる場合がある。
また、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、上述したような吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、あるいはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、電気熱変換素子54を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、ヘッド50のノズル面50Aにキャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘したインクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるため、インク消費量が大きい。そこで、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図5で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出で吐出されるインクを受けるパージ受けとしても機能し得る。
また、キャップ64の内側が仕切り壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成としてもよい。例えば、前述した大ノズル42と小ノズル44とを別々に吸引するようにしてもよい。
図6は、本実施形態のインクジェット記録装置1のシステム構成を示す要部ブロック図である。
インクジェット記録装置1は、通信インターフェイス70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84及び回復制御部90等を備えている。
通信インターフェイス70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェイス部である。通信インターフェイス70にはUSB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェイスやセントロニクスなどのパラレルインターフェイスを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェイス70を介してインクジェット記録装置1に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェイス70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェイス70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって記録後の記録紙10の乾燥用あるいはヘッド50の温度調整用のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御にしたがい、画像メモリ74内の画像データから印字(記録)制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色のヘッド50の気泡圧力発生手段を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
また、回復制御部90は、メンテナンス時にヘッド50の回復動作のために吸引ポンプ67、キャップ64及びクリーニングブレード66を制御するためのものである。
以下、本実施形態の作用について説明する。本実施形態は、顔料インクを用いた場合に浮遊ミストや予備吐出の時間短縮以外にもインクの吐出安定性、不吐出抑制が課題となるため、吸引動作を行わない記録走査中の予備吐出(パージング)においても、大ノズル42による予備吐出量を小ノズル44よりも多くしたり、大ノズルの予備吐出を小ノズルに先行して行ったりするなどの予備吐出の制御を行うようにしたものである。さらに、顔料インクの粒径の大きさにも注目し、その粒径を制限することにより(特に小ノズルの)吐出安定性や不吐出抑制等のより一層の向上を図るようにしたものである。
以下、図7のフローチャートに沿って本実施形態の作用を説明する。
図7に、本実施形態における大ノズル、小ノズルの予備吐出制御の一例を示す。図7に示す例は、予備吐出において大ノズルを小ノズルより先に吐出する制御の例である。
まず、図7のステップS100において、画像形成を開始する。画像形成を開始したらステップS102において、第1計時及び第2計時をスタートさせる。ここで、第1計時は、予備吐出(パージング)のタイミングを制御するためのものであり、第2計時は、吸引後の予備吐出のタイミングを制御するためのものである。
次にステップS104において、画像出力を行う。これは主走査モータ32によりキャリッジ22を駆動して記録ヘッド12を記録紙10の搬送方向(副走査方向)に略垂直な方向である主走査方向に往復移動させながら、各色のヘッド12Y、12C、12M、12Kからそれぞれ顔料インクを記録紙10に吐出して画像を形成するものである。このとき前述したように、一方向に走査するときのみ画像を記録するようにしてもよいし、双方向とも画像を記録するようにしてもよい。
このように画像記録を行いながら、次のステップS106において、記録中での予備吐出タイミングを制御する第1計時が所定時間経過したか否か判断する。第1計時が所定時間経過していたら、たとえ1枚の記録紙10に画像記録する途中であっても、画像記録を中断して、次のステップS108でキャリッジ22をパージ位置へ移動する。例えば、図1において記録紙10の搬送方向左側に設けられたパージ受け34の位置へキャリッジ22を移動する。しかし、このときキャリッジ22が図1において記録紙10の幅方向中央よりも右側に位置していた場合には、右側のパージ受け36の方へキャリッジ22を移動してもよい。
次に、ステップS110において、パージ受け34(あるいはパージ受け36)に向かって、まず大ノズル42を吐出し、その後次のステップS112において小ノズル44を吐出することによりそれぞれパージングを行う。
大ノズル42及び小ノズル44からの予備吐出が済んだら、次のステップS114において、第1計時をリセットし、キャリッジ22を画像記録を中断した位置に戻し、ステップS104に戻って画像形成を再開する。
また、ステップS106において、まだ第1計時が(リセット後)所定時間経過していないと判断された場合には、次のステップS116に進み、吸引後の予備吐出タイミングを制御する第2計時が所定時間経過していないか否か判断する。
ステップS116において、第2計時が所定時間経過したとされた場合には、ステップS118へ進み、画像記録を中断し、キャリッジ22を、図1に示すパージ受け36が設置された吸引位置へ移動する。そして次のステップS120において、パージ受け(キャップ)36を記録ヘッド12(ヘッド50)に密着させて、吸引ポンプ67を駆動し、大ノズル42及び小ノズル44内のインクを吸引する。
次に、ステップS122において、パージ受け36に向かって大ノズル42を吐出し、その後ステップS124において、同様にパージ受け36に向かって小ノズル44から吐出する。
そして、ステップS126において第2計時をリセットし、キャリッジ22を画像記録を中断して位置へ戻し、ステップS104に戻って画像記録を再開する。
このようにして、画像記録中におけるパージング、及び吸引とパージングの組み合わせを繰り返して行いながら画像記録を続行し、ステップS128において画像データが終了したら画像記録を終了する。
また、このように吸引後の予備吐出だけでなく、画像記録中に大ノズル42及び小ノズル44から予備吐出を行う場合にも、大ノズル42からの吐出量を小ノズル44からの吐出量よりも多くするような予備吐出制御を行うことが好ましい。大ノズル42からの吐出量を多くすることで、浮遊ミスト防止や予備吐出時間の短縮のみならず、吐出安定化や不吐出抑制にも大きな効果がある。大ノズル42及び小ノズル44はともに同じ共通液室40(55)からインクの供給を受けているため、大ノズル42からの予備吐出量(予備吐出回数、予備吐出周波数)を多くすることによって共通液室40(55)内の古いインクを効果的に吐出(排出)することができ、特に液の劣化の影響を受けやすい小ノズル44の吐出特性を良くすることが可能となる。さらに小ノズル44からの予備吐出回数を削減できるので、予備吐出全体のメンテナンス時間を短縮することができる。
また、図8のフローチャートに別の制御の一例を示す。図8に示すように、この予備吐出時における大ノズル42からの吐出数(1つの大ノズル42から吐出する吐出回数)が、小ノズル44からの吐出数(1つの小ノズル44から吐出する吐出回数)より多くなるように吐出するようにしてもよい。すなわち、図8のステップS218において、大ノズル42を2n回吐出るのに対して小ノズル44をn回吐出したり、あるいはステップS208において、大ノズル42を2n〜3n回吐出するのに対して小ノズル44をn回吐出するようにしてもよい。例えば、一つの大ノズル42が100回吐出するのに対して、一つの小ノズルが50回吐出するようにする。これにより大ノズル42からの吐出量を小ノズル44からの吐出量よりも多くすることができる。
また、予備吐出時における大ノズル42からの吐出周波数が小ノズル44の吐出周波数よりも大きくなるようにして吐出してもよい。例えば図8の制御を大ノズル42の吐出周波数を小ノズル44の2倍の吐出周波数とすることで実施してもよい。
大ノズル42からの吐出数を小ノズル44からの吐出数よりも多くすることで、共通液室40(55)内の古いインクを大ノズル42から大量に効果的に吐出することができ、吐出安定化を向上させることができる。
また、本出願人は、さらに顔料インクの粒径を150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下となるように粒径を制御することにより、(特に、小ノズル44の)吐出安定化及び不吐出抑制のより一層の向上を図ることができることを実験的に確認した。
図9にその結果を示す。
この実験では、大ノズルと小ノズルを有した顔料インクを打滴可能な記録ヘッドを用いて、該記録ヘッドを主走査方向に走査させて所定の記録媒体(インクジェット写真用紙)にライン描画し、ノズルの不吐出とライン曲がりを記録画像より確認した。
この実験に使用したインクは、顔料5重量%、ジエチレングリコール10重量%、グリセリン10重量%、界面活性剤1重量%、残量水として調整したものを使用した。また、顔料インクの粒径分布の違い、特に粒径分布中の粒径の大きな粒子の含有の程度の違いにより、ノズルの不吐出の出現性や液吐出の方向安定性が変わる為、顔料の粒径分布の異なるものを用意した。顔料粒径分布のうち、特に、大きなサイズの顔料粒径の分布の程度が特に問題となる為、粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)による測定で、粒度分布の体積分布が小さい粒子径の側から累積で95vol%となる粒子径値を「D95」と表し、使用インクの指標値とした。
なお、粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)による測定の条件は、体積分布表示で粒子屈折率=1.51、粒子透過性=透過、粒子形状=非球形、溶媒=水、溶媒屈折率=1.333、フィルタ=standard、感度=standardの設定で水100倍希釈液を用い、温度25℃にて測定した。また、「D95」の値は測定結果として表示される一連の測定値の中から累積95%の結果として表示される粒径値(nm)を用いた。
実験は、走査しながらの5000発吐出によりライン描画した後、10秒間放置し、パージを行い、再度、走査し5000発を吐出するライン描画を行い、再度のライン描画時の小ノズルの不吐発生性とライン曲がりを評価した。パージに関しては、パージの制御方法を変えて実験を行うことにより、パージの制御方法と小ノズルの不吐発生性とライン曲がりの関係を確認した。
パージ制御の方法は、大ノズル吐出を小ノズル吐出よりも先行して吐出させて大小ノズル各100回吐出させる制御としたものを制御例1、大ノズルを小ノズルよりも3倍多く吐出する制御(大ノズル150回、小ノズル50回吐出)としたものを制御例2、大ノズルと小ノズルを同時に100回吐出する制御としたものを制御例3とし、大小ノズル合わせた吐出数が200回となる条件で評価した。
また、実験は、ヘッド中の大小それぞれ100ノズルを吐出させてライン描画を行い、そのうちの小ノズルによる描画ラインに関して観察を行った。不吐発生性に関しては、小ノズル100ノズル中の吐出ノズル数をカウントし、99%〜100%吐出を○、95%〜98%吐出を△、95%未満吐出を×と判定した。また、ライン曲がりに関しては、20μm以上着弾位置がずれているラインをライン曲がりとし、小ノズル100ノズルによるライン描画のうち、ライン曲がりを起こしていないノズル数をカウントし、90%〜100%曲がりなしの状態を○、60%以上90%未満曲がりなしの状態を△、60%未満曲がりなしの状態を×と判定した。
図9において、本実施例1〜4は、「顔料粒径分布を小さい方から累積させた95vol%にあたる大きさ(D95)未満が150nm未満(粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下)」、「パージ制御により、パージ時に大ノズルを先行して吐出する、あるいは大ノズルから数多く吐出する」の条件であり、その場合に不吐発生がなく、ライン曲がりが少なくなる。即ち、顔料系インクの顔料粒子のサイズが小さい程、吐出性への影響が少なく、150nmより小さい粒子径を有する顔料粒子が95[vol%]以上含有していれば、顔料インクの吐出性への影響は無視出来ることが判明した。
一方、図9において、比較例1〜2は「パージ時に大ノズル、小ノズルとも同時、同発数の吐出」の条件であり、その場合、不吐出ノズルの発生率が高くなってしまう。また、比較例3〜4は「D95が150nm以上」の条件であり、この条件では不吐出ノズル発生率もライン曲がりの発生率も高くなってしまう。
以上説明したように、本実施形態においては、ノズル径の大きい吐出量の多い大ノズルと、ノズル径の小さい吐出量の少ない小ノズルとを同一ヘッド内に有した記録ヘッドを、記録紙の搬送方向と略直交する記録紙の幅方向において双方向に走査しながら、顔料インクを用いて片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置において、同一色の大ノズルと小ノズルのヘッド内流路を共通化し、画像記録中に予備吐出を行う場合、あるいは吸引後に予備吐出を行う場合に、大ノズルからの吐出を小ノズルよりも多く、または大ノズルからの吐出を小ノズルからの吐出よりも先に行う。あるいは、大ノズルからの吐出を小ノズルよりも多く、かつ大ノズルからの吐出を小ノズルよりも先に行うようにする。
また、さらに、顔料インクの粒径を150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下となるように、また、大ノズルの吐出量は5〜10[pl]程度、小ノズルの吐出量は1〜2[pl]となるようにすることにより、浮遊ミスト防止や予備吐出の時間短縮を図るとともに、吐出安定性及び不吐出抑制の向上を図り、高画質の画像記録及び信頼性の確保を図ることが可能となった。特に、小ノズルの吐出安定性及び不吐出抑制を向上させることが可能となった。
以上、本発明のインクジェット記録方法及び装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の主要部を示す概略構成図である。 記録ヘッドの平面図であり、(a)は片方向記録の場合の記録ヘッドの例、(b)は双方向記録の場合の記録ヘッドの例である。 図2(a)に示した記録ヘッドのノズル配列の例を示す平面図であり、(a)は大ノズルと小ノズルをそれぞれ1列に配置したもの、(b)は大ノズルと小ノズルを1列中に交互に配置したものである。 (a)はヘッドの断面図であり、(b)は大小ノズル及び共通液室の断面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置のインク供給系を示す概略構成図である。 本実施形態のインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の作用である予備吐出制御を示すフローチャートである。 本実施形態のインクジェット記録装置の作用である予備吐出制御の他の例を示すフローチャートである。 顔料インクによる評価実験の結果を示す説明図である。
符号の説明
1…インクジェット記録装置、10…記録紙、12…記録ヘッド、14…給紙モータ、16…給紙ローラ、18…紙抑えローラ、20…ガイド軸、22…キャリッジ、24…ベルト固定部、26…タイミングベルト、28…駆動プーリ、30…従動プーリ、32…主走査モータ、34、36…パージ受け、38…ポジションセンサ、40、55…共通液室、42…大ノズル、44…小ノズル、50…ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、53…供給口、56…振動板、57…個別電極、58…圧電体、60…インクタンク、62…フィルタ、64…キャップ、66…クリーニングブレード、67…吸引ポンプ、68…回収タンク、70…通信インターフェイス、72…システムコントローラ、74…画像メモリ、76…モータドライバ、78…ヒータドライバ、80…プリント制御部、82…画像バッファメモリ、84…ヘッドドライバ、86…ホストコンピュータ、88…モータ、89…ヒーター、90…回復制御部

Claims (8)

  1. それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、
    画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出回数が前記小ノズルからの吐出回数よりも多くなるように吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、
    画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出を前記小ノズルからの吐出よりも先行して行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録装置であって、
    前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、
    画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルの吐出周波数を前記小ノズルの吐出周波数よりも大きくしたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、さらに、前記画像記録領域外の特定の位置に前記記録ヘッド内のインクを強制的に吸引する吸引手段を設け、前記吸引手段により前記記録ヘッド内のインクを吸引した後、前記画像記録に関わらないインク液を吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、
    画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出回数が前記小ノズルからの吐出回数よりも多くなるように吐出することを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、
    画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルからの吐出を前記小ノズルからの吐出よりも先行して行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. それぞれ共通のインク流路に連通し、異なるインク吐出量でインクを吐出する大ノズルと小ノズルを有する記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において双方向走査させながら、顔料を色材としたインク液を用いて、片方向あるいは双方向に画像記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記顔料を色材としたインク液中で分散状態にある顔料粒子は、その粒径が150[nm]以上の粒子が5[vol%]以下であり、
    画像記録中に、特定のタイミングで画像記録領域外の特定の位置で、画像記録に関わらないインク液を吐出する際、前記大ノズルの吐出周波数を前記小ノズルの吐出周波数よりも大きくしたことを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項において、さらに、前記画像記録領域外の特定の位置で前記記録ヘッド内のインクを強制的に吸引した後、前記画像記録に関わらないインク液を吐出することを特徴とするインクジェット記録方法。
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