JP2001157815A - 多孔体及びその製造方法 - Google Patents

多孔体及びその製造方法

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JP2001157815A JP2000284216A JP2000284216A JP2001157815A JP 2001157815 A JP2001157815 A JP 2001157815A JP 2000284216 A JP2000284216 A JP 2000284216A JP 2000284216 A JP2000284216 A JP 2000284216A JP 2001157815 A JP2001157815 A JP 2001157815A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低蒸気圧下においても高い水蒸気吸着能を備え
る、多孔体を提供する。 【解決手段】界面活性剤の存在下、製造する多孔体の骨
格原料の溶液中における濃度が0.4mol/l以下、
界面活性剤/骨格原料(Siとして)のモル比が0.0
5以上50以下である溶液中で、骨格原料を縮合させて
縮合物を得る工程と、この縮合物から界面活性剤を除去
する工程、とにより、相対蒸気圧が10%で0.1g/
g以下、28%で0.2g/g以上の水蒸気吸着能を有
する多孔体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多孔体に関し、
詳しくは、水蒸気吸着能に優れ、あるいは、特に低蒸気
圧での水蒸気吸着能に優れたシリカ等からなる多孔体に
関する。
【0002】
【従来の技術】孔径1.5nm〜30nmの細孔を有す
るシリカ多孔体が合成されてきている。J. Am. Chem. S
oc. ,114, 10834 (1992)、USP5,256,277、USP5,334,368
には、界面活性剤とシリカゾルから細孔径の均一なシリ
カ多孔体の合成方法が記載されている。また、Bull. Ch
em. Soc. Japan., 69,1449(1996)には、界面活性剤と層
状ケイ酸塩からのシリカ多孔体の製造が記載されてい
る。また、特開平10−182144号公報には、アル
キルアミンとアルコキシシランからの分子篩材料の製造
方法が記載されている。
【0003】低い相対蒸気圧下においても高い水蒸気吸
着能を発揮するような多孔体としては、細孔径が小さ
く、しかも細孔径分布が均一であることが必要である。
しかしながら、J. Am. Chem. Soc. ,114, 10834 (1992)
に報告されている方法では、界面活性剤がミセルを形成
し、それを鋳型として合成が進行するので、界面活性剤
がミセルを形成しにくいオクチルトリメチルアンモニウ
ムハロゲン化物及びデシルトリメチルアンモニウムハロ
ゲン化物を用いて細孔径の小さいシリカ多孔体を合成す
るのは難しかった。また、Chem. Mater. 11, 1110 (199
9) に報告されている方法では、界面活性剤が臨界ミセ
ル濃度以上の条件で合成を行っているために、とくに、
オクチルトリメチルアンモニウムハロゲン化物を用いた
場合には、細孔径が大きな多孔体しか得られない。ま
た、特開平10−182144号公報に報告されている
方法では、電荷を持たないアルキルアミンを原料として
用いており、シリカイオンとの比が均一な複合体を合成
するのが難しい。このため、細孔径分布の均一なシリカ
多孔体を合成することは難しかった。したがって、現在
まで、低い相対蒸気圧下においても高い水蒸気吸着能を
発揮する多孔体は得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
高い水蒸気吸着能を備える多孔体を提供すること、及び
そのような多孔体の製造方法を提供することを、目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した従来の課題を解
決する手段として、本発明では、以下の多孔体を提供す
る。すなわち、第1の多孔体は、骨格を有する多孔体で
あり、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が10%
で0.1g/g以下、28%で0.2g/g以上の水蒸
気吸着能を有する、多孔体である。第2の多孔体は、骨
格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等温線において、
相対蒸気圧が10%で0.1g/g以下、28%で0.
25g/g以上の水蒸気吸着能を有する、多孔体であ
る。第3の多孔体は、骨格を有する多孔体であり、水蒸
気吸着等温線において、相対蒸気圧が20%で0.1g
/g以下、35%で0.35g/g以上の水蒸気吸着能
を有する、多孔体である。第4の多孔体は、骨格を有す
る多孔体であり、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気
圧が25%で0.1g/g以下、40%で0.4g/g
以上の水蒸気吸着能を有する、多孔体である。第5の多
孔体は、骨格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等温線
において、相対蒸気圧が30%で0.1g/g以下、5
0%で0.48g/g以上の水蒸気吸着能を有する、多
孔体である。第6の多孔体は、骨格を有する多孔体であ
り、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が40%で
0.15g/g以下、60%で0.60g/g以上の水
蒸気吸着能を有する、多孔体である。また、第7の多孔
体は、骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸着等温線
において、相対蒸気圧が10%以上28%以下の範囲の
いずれか2点における水蒸気吸着量の差が、0.16g
/g以上である、多孔体、及び前記水蒸気吸着量の差
が、0.18g/g以上である多孔体である。また、第
8の多孔体は、骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸
着等温線において、相対蒸気圧が10%で0.1g/g
以下、25%で0.2g/g以上の水蒸気吸着能を有す
る、多孔体である。また、第9の多孔体は、骨格を有す
る多孔体であって、水蒸気吸着等温線において、相対蒸
気圧が10%以上25%以下の範囲のいずれか2点にお
ける水蒸気吸着量の差が0.12g/g以上である、多
孔体である。第10の多孔体は、骨格を有する多孔体で
あって、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が8%
で0.1g/g以下、18%で0.18g/g以上であ
る、多孔体である。第11の多孔体は、骨格を有する多
孔体であって、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧
が8%以上18%以下の範囲のいずれか2点における水
蒸気吸着量の差が0.12g/g以上である、多孔体で
ある。
【0006】また、本発明では、界面活性剤の存在下、
製造する多孔体の骨格原料の溶液中における濃度が0.
4mol/l以下、界面活性剤/骨格原料のモル比が
0.05以上50以下である溶液中で、骨格原料を縮合
させる、多孔体の製造方法を提供する。また、本発明で
は、pH10以上の水性溶媒下、界面活性剤と製造する
多孔体の骨格原料とを混合して混合液を調製する工程
と、この混合液に酸を添加して混合液のpHを9以上と
する工程と、酸添加後の混合液から分離した固形分から
界面活性剤を除去する工程、とを備える、多孔体の製造
方法を提供する。これらの方法によれば、細孔径分布が
均一でかつ細孔径の小さい多孔体を得ることができる。
【0007】本発明では、製造しようとする多孔体の骨
格原料の溶液中における濃度が0.4mol/l以下、
界面活性剤/骨格原料のモル比が0.1以上10以下で
ある溶液中で、前記骨格原料を縮合させる工程と、縮合
物から界面活性剤を除去する工程と、縮合物を、酸又は
3価以上の金属イオンと酸との塩の溶液に接触させる工
程、とを備える多孔体の製造方法を提供する。さらに、
製造しようとする多孔体の骨格原料の溶液中における濃
度が0.4mol/l以下、界面活性剤/骨格原料のモ
ル比が0.1以上10以下である溶液中で、前記骨格原
料を縮合させる工程と、縮合物から界面活性剤を除去す
る工程、とを備え、前記骨格原料は、金属元素としてS
iとAlとを含む、多孔体の製造方法を提供する。これ
らの方法によると、酸又は3価以上の金属と酸との塩の
溶液に接触させる工程を備えること、又は、骨格原料の
金属元素としてSiとAlとを含むことにより、耐湿性
の良好な多孔体を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の各多孔体は、それぞれ異な
る水蒸気吸着能を有する。第1〜第11の多孔体は、そ
れぞれ以下の(1)〜(11)の水蒸気吸着能を有して
いる。これらの各水蒸気吸着能は、水蒸気吸着等温線に
おいて、それぞれ特定の相対蒸気圧における水蒸気吸着
量によって特定される。 (1)相対蒸気圧が10%で0.1g/g以下、28%
で0.2g/g以上 (2)相対蒸気圧が10%で0.1g/g以下、28%
で0.25g/g以上 (3)相対蒸気圧が20%で0.1g/g以下、35%
で0.35g/g以上 (4)相対蒸気圧が25%で0.1g/g以下、40%
で0.4g/g以上 (5)相対蒸気圧が30%で0.1g/g以下、50%
で0.48g/g以上 (6)相対蒸気圧が40%で0.15g/g以下、60
%で0.60g/g以上 (7)相対蒸気圧が10%以上28%以下の範囲のいず
れか2点における水蒸気吸着量の差が0.16g/g以
上、好ましくは、0.18g/g以上 (8)相対蒸気圧が10%で0.1g/g以下、25%
で0.2g/g以上 (9)相対蒸気圧が10%以上25%以下の範囲のいず
れか2点における水蒸気吸着量の差が0.12g/g以
上 (10)相対蒸気圧が8%で0.1g/g以下、18%
で0.18g/g以上 (11)相対蒸気圧が8%以上18%以下の範囲のいず
れか2点における水蒸気吸着量の差が0.12g/g以
【0009】水蒸気吸着能は、水蒸気吸着等温線を測定
することによって得られる。一般に、細孔内に吸着質が
毛管凝縮により吸着する場合は、ケルビン(Kelvi
n)式が成り立つ。ここでケルビン式とは、細孔半径r
と、吸着質が毛管凝縮を起こす相対蒸気圧(P/P0)
の関係を示す式であり、下記(1)式で表される。 In(P/P0)=−(2VLγcosθ)/rRT (1) ここで、VL、γ及びθは、それぞれ、吸着質液体のモ
ル体積、表面張力、及び接触角を示し、Rは気体定数、
Tは絶対温度を示している。
【0010】したがって、本発明において、水蒸気吸着
等温線を得る場合、多孔体の表面を水和し、水分を除去
した後に、一定温度で測定することが好ましい。水和処
理により水の接触角が小さくなり毛管凝縮を起こす相対
蒸気圧が小さくなり、また、試料と水との接触履歴によ
らないで再現性の良好な水蒸気吸着等温線を得ることが
できる。例えば、多孔体をイオン交換水に多孔体表面が
水和される時間(好ましくは、少なくとも4時間、より
好ましくは少なくとも8時間、さらに好ましくは少なく
とも一晩)浸漬し、ろ過・真空乾燥することにより水分
を除去した後、25℃で測定する。多孔体表面が水和さ
れることにより、安定した水蒸気吸着等温線が得られ
る。
【0011】本多孔体は、水蒸気吸着等温線の測定に先
んじて以下の前処理が行われていることが好ましい。す
なわち、本前処理は、試料0.5gを水(イオン交換
水)20mlに分散後、30分間超音波処理を行い、一
晩静置し、ろ過により水を除去した後、一昼夜自然乾燥
する。さらに、吸着等温線測定の直前に、25℃で10
-2〜10-3mmHGで3時間以上真空排気を行う。な
お、多孔体に対して後述する耐熱水試験を実施する場合
には、前記水に替えて、80℃の熱水が用いられる。本
明細書における実施例及び比較例では、いずれも本前処
理がなされている。
【0012】また、本多孔体のいずれも、以下の具体的
条件で水蒸気吸着等温線が測定されることが好ましい。
例えば、日本ベル製のBELSORP 18を用いて、
以下の条件で実施される。 試料温度 : 25℃ 空気恒温槽温度 : 50℃ 基準容量 : 180.98ml 平衡時間 : 500秒 本明細書の実施例及び比較例においては、いずれもこの
条件が採用されている。
【0013】また、本発明の多孔体は、そのX線回折パ
ターンにおいて、1nm以上のd値に相当する回折角度
に1 本以上のピークを持つことが好ましい。X線回折
ピークはそのピーク角度に相当するd値の周期構造が試
料中にあることを意味する。上記X線回折パターンは、
細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列した構造を反映
したものである。すなわち、かかる回折パターンを有す
るメソ多孔体は、その回折パターンの示す構造の規則性
から、細孔径に均一性があるといえる。
【0014】(細孔径分布)本発明の多孔体は、細孔径
分布曲線における中心細孔直径の±40%の細孔範囲に
全細孔容積の60%以上が含まれることが好ましい。細
孔径分布曲線は、次のようにして求められる。細孔径分
布曲線とは、例えば細孔容積(V)を細孔直径(D)で
微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプ
ロットした曲線を言う。その細孔分布曲線のdV/dD
値が最も大きくなる(最大ピークを示す)細孔直径を中
心細孔直径という。細孔径分布曲線は、例えば窒素ガス
の吸着量測定により得られる吸着等温線から種々の計算
式で導かれる。吸着等温線の測定法を以下に例示する。
この方法において最もよく用いられるガスは窒素であ
る。
【0015】まず、多孔体を、液体窒素温度(−196
℃)に冷却して、窒素ガスを導入し、その吸着量を定容
量法あるいは重量法で求める。導入する窒素ガスの圧力
を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量
をプロットすることにより吸着等温線を作成する。この
吸着等温線から、Cranston-Inklay 法、Dollimore-Heal
法、BJH 法等の計算式により、細孔径分布曲線を求める
ことができる。そして、例えば、細孔径分布曲線におけ
る最大のピークが3.00nmにある場合、中心細孔直
径は3.00nmとなる。このとき、「細孔径分布曲線
における中心細孔直径の±40%の細孔範囲に全細孔容
積の60%以上が含まれる」とは、細孔直径が1.80
〜4.20nmの範囲にある細孔の容積の総計が、全細
孔容積(ガス吸着法で測定できる上限の50nm以下の
孔径を備える細孔全体の容積)の60%以上を占めてい
るということである。具体的には、細孔分布曲線におけ
る細孔直径1.80nm〜4.20nmにある細孔の細
孔容積の積分値が、曲線の全積分値の60%以上を占め
ているということである。このような「細孔分布曲線に
おける最大ピークを示す細孔直径の±40%の範囲に全
細孔容積の60%以上が含まれる」メソ多孔体は、実質
的には細孔径が十分に均一であることを意味するもので
ある。
【0016】本発明の多孔体の細孔の形態は、1次元的
にトンネル状に延びたものや、3次元的に箱状あるいは
球状の細孔が結合したもの等を挙げることができる。ま
た、本発明の多孔材料の細孔構造としては、2次元ヘキ
サゴナル構造、3次元ヘキサゴナル(P6mm,P63
/mmc)、キュービック(Ia3d,Pm3n)、ラ
メラ、不規則構造などがあるが、これらに限定されない
で、各種構造の多孔材料を包含する。
【0017】本発明の多孔材料の形態としては、粉末、
顆粒、支持膜、自立膜、透明膜、配向膜、球状、繊維
状、基板上のバーニング、μmサイズの明瞭な形態をも
つ粒子などを挙げることができる。
【0018】本発明の多孔体としては、例えば、金属酸
化物の重合した骨格、典型的には、シリケート骨格を有
する多孔体(シリカ多孔体)を挙げることができる。本
多孔体は、かかる金属−酸素結合が網目状となって、全
体として多孔体を構成している。例えば、シリケート骨
格におけるケイ素原子に代えて、アルミニウム、ジルコ
ニウム、タンタル、ニオブ、スズ、ハフニウム、マグネ
シウム、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、
ベリリウム、イットリウム、ランタン、鉛、バナジウム
等の他の金属原子を有する骨格を有する多孔体も挙げる
ことができる。また、シリケート骨格あるいは上記他の
金属原子と酸素原子との結合を含む骨格中に、上記他の
金属原子あるいはケイ素原子を含む、骨格を有する多孔
体も使用できる。
【0019】なお、本多孔体の基本骨格について説明し
たが、かかる基本骨格を構成する原子に結合する側鎖部
分には、各種金属原子、有機官能基、無機官能基が付加
されていてもよい。例えば、チオール基、カルボキシル
基、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、フェニル
基、アミノ基、ビニル基等を有するものが好ましい。
【0020】本発明の多孔体は、界面活性剤の存在下、
製造しようとする多孔体の骨格原料の溶液中における濃
度が0.4mol/l以下、界面活性剤/骨格原料のモ
ル比が0.05以上50以下の範囲である溶液中で、骨
格原料を縮合させ、その後、該縮合物から界面活性剤を
除去することによって得られる。骨格原料の溶液中の濃
度が0.4mol/lを超えると、多孔体の細孔径が大
きくなりすぎる傾向があり、前記モル比が0.05未満
であると、細孔の形成が不完全であり、50を超える
と、細孔径の均一性が低下するからである。例えば、層
状のシリケート(カネマイト等)を骨格原料として、界
面活性剤の溶液中で縮合させることによって形成するこ
とができる(製造方法(1))。また、ケイ酸ナトリウ
ム、シリカ、あるいはアルコキシシラン等の骨格原料を
界面活性剤の溶液中で縮合させることによって形成する
こともできる(製造方法(2))。以下、本発明の多孔
体を得るのに好ましい製造方法(1)及び(2)につい
て説明する。
【0021】多孔体の製造方法(1) 上記層状シリケート等の層状体を骨格原料として用いる
方法について説明する。以下、典型例としてシリケート
骨格の多孔体製造方法について説明する。骨格原料とし
て使用できる層状シリケートとしては、カネマイト(N
aHSi 23・3H2O)、ジケイ酸ナトリウム結晶
(α,β,γ,δ−Na2Si23)、マカタイト(N
2Si49・5H2O)、アイアライト(Na2Si8
17・XH2O、マガディアイト(Na2Si1429・XH
2O)、ケニヤイト(Na2Si 2041・XH2O)等か
らなる群から選択される少なくとも1種あるいは2種以
上を使用することができる。
【0022】また、その他の層状シリケートとして、例
えば、セピオライト、モンモリロナイト、バーミキュラ
イト、雲母、カオリナイト、スメクタイトのような粘土
鉱物を酸性水溶液で処理してシリカ以外の元素を除去し
たものも使用できる。さらに、層状シリケート以外の水
ガラス、ガラス、無定型ケイ酸ナトリウム、シリコンア
ルコキシド(テトラエチルオルトシリケート等)等から
なる群から選択される1種または2種以上を使用するこ
とができる。
【0023】一方、この方法で使用できる界面活性剤
は、特に制限はない。一般的には、陽イオン性、陰イオ
ン性あるいは非イオン性である各種の界面活性剤を用い
ることができる。典型的には、アルキルトリメチルアン
モニウム(Cn2n+1N(CH33;nは2〜18の整
数)、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアン
モニウム、ベンジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨ
ウ化物あるいは水酸化物等の陽イオン性界面活性剤が使
用できる。また、この他、脂肪酸塩、アルキルスルフォ
ン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系
非イオン性界面活性剤等が用いられる。特に、相対蒸気
圧が10%で0.1g/g以下、28%で0.2g/g
以上の水蒸気吸着能を有する多孔体を得ようとする場
合、アルキルトリメチルアンモニウムが特に好ましく、
アルキル鎖の炭素数(上記式中のn)が8であるアルキ
ルトリメチルアンモニウムがさらに好ましい。ハロゲン
化物の場合、ハロゲン原子は、塩素あるいは臭素である
ことが好ましい。なお、界面活性剤は、これらのうち1
種類でも、あるいは2種類以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0024】上記した層状シリケートと界面活性剤と
は、酸またはアルカリ条件下において混合され、層状シ
リケートが部分的に縮合される。界面活性剤は、溶液中
において臨界ミセル濃度以下の濃度であることが好まし
い。臨界ミセル濃度以下の希薄な界面活性剤濃度である
と、層状シリケート表面のSiO−とイオン結合した界
面活性剤だけが鋳型となると考えられ、ミセルを鋳型と
した場合に較べて余分な界面活性剤が除けるため、細孔
径が小さく、規則正しい構造が形成されやすい。
【0025】例えば、オクチルトリメチルアンモニウム
ハライドの場合、温度にもよるが、0.05mol/l
〜0.15mol/lの範囲であることが好ましい。
0.05mol/l未満であると、細孔の形成が不完全
であり、0.15mol/lを超えると細孔径の均一性
が損なわれるからである。より好ましくは、0.075
〜0.13mol/lである。
【0026】一方、層状シリケート等の骨格原料の溶液
中における濃度は、0.0055mol/l〜0.33
mol/lであることが好ましい。0.0055mol
/l未満であると細孔径の均一性が損なわれるからであ
り、0.33mol/lを超えると細孔の形成が不完全
であるからである。なお、本明細書において、骨格原料
の濃度は、骨格原料を、その骨格原料が構成する金属酸
化物骨格中の金属原子のモル数を基準として算出され
る。シリケート骨格を得るための骨格原料の場合、Si
のモル数を基準とする。例えば、ジケイ酸ナトリウム
(Na2Si25)の場合、当該金属原子をSiとし、
Siのモル数に換算される。すなわち、ジケイ酸ナトリ
ウム1モルは、Si換算では2モルとなる。より好まし
くは、0.05〜0.2mol/lである。さらに、こ
の反応系において、界面活性剤と骨格原料のモル比(界
面活性剤のモル数/骨格原料の骨格構成金属原子のモル
数)は、0.15〜36であることが好ましい。0.1
5未満であると、細孔の形成が不完全であり、36を超
えると細孔径の均一性が損なわれるからである。より好
ましくは、1〜20である。
【0027】この反応系を構成する溶媒は、好ましくは
水である。他に、水と混合するアルコール等の有機溶媒
を混合した混合溶媒も使用できる。
【0028】縮合反応は、上記層状シリケートを分散さ
せた溶液を30〜100℃(より好ましくは60〜80
℃、さらに好ましくは70〜80℃)の加熱条件下で行
うことが好ましく、また反応時間は2〜24時間とする
ことが好ましい。また、加熱反応中は分散溶液を攪拌す
るほうが好ましい。分散溶液のpHは縮合反応中の初期
の段階(典型的には1〜5時間)は10以上に調整する
のが好ましく、その後(典型的には1時間以上経過後)
は10以下とするのがよい。pH制御は水酸化ナトリウ
ムのようなアルカリおよび塩酸のような酸によって行わ
れ得る。このようなpH制御により、結晶性および耐熱
性に優れる多孔体を得ることができる。なお、上記カネ
マイトはアルカリ性であるので溶媒が水の場合には、通
常、特に処理を施さずとも分散溶液のpHは10以上と
なり得る。
【0029】このような脱水縮合反応を行うことによっ
て、使用した界面活性剤をテンプレートとしたメソ孔を
有する構造体(メソ多孔体前駆体)が形成される。而し
て、縮合反応終了後、分散液より固形生成物(メソ多孔
体前駆体)を濾過・回収する。ここで、得られた固形生
成物を脱イオン水で繰り返し洗浄することが好ましい。
洗浄後、固形生成物を乾燥するとよい。その後、好まし
くは550℃以上の温度で焼成処理するか或いは塩酸/
エタノール溶液等による浸漬処理(H+置換処理)する
ことにより、テンプレートとして前駆体細孔内に取り込
まれていた界面活性剤を除去することができる。例え
ば、陽イオン性の界面活性剤を使用した場合は、少量の
塩酸を添加したエタノール中に固形生成物を分散させ、
50〜70℃で加熱しながら攪拌を行う。陰イオン性の
界面活性剤であれば、陰イオンを添加した溶媒中で界面
活性剤が抽出され得る。また、非イオン性の界面活性剤
の場合は、溶媒だけで抽出される。なお、上記焼成処理
を行う場合には、着火防止のため不活性ガス(窒素等)
雰囲気で行うのが好ましい。しかし、この場合でも焼成
処理の終期には空気等の酸化雰囲気にしたほうがカーボ
ン等の残存防止の観点から好ましい。
【0030】以上の処理工程により、テンプレートが除
去された部分がすなわち細孔となり、所望する多孔体が
合成され得る。
【0031】なお、層状体を使用する多孔体製造方法で
は、Si以外の元素を含む基本骨格を有する層状体を用
いて、このような基本骨格を有する多孔体を製造するこ
ともできる。上記多孔体にSi以外の元素を添加する方
法として、(1)原料である層状シリケート中に予めS
i以外の元素を組込む方法(即ち他の元素を含む層状シ
リケートを使用する方法)、(2)メソ多孔体の合成中
に他元素を含む物質を添加する方法が挙げられる。この
ようなSi以外の元素(例えば、アルミニウム)を付与
するためには、硝酸アルミニウムやアルミン酸ナトリウ
ム等を用いることができる。なお、本製造方法で得られ
る多孔体は、Cranston-Inklay 法やBJH 法等によって得
られる中心細孔直径が、1.3〜1.8nmであること
が好ましい。
【0032】多孔体の製造方法(2) 次に、本発明の多孔体を得るのに適した、他の製造方法
について説明する。以下、本発明の多孔体を得るのに好
ましい多孔体の製造方法について説明する。この方法で
は、骨格原料として、ケイ酸ナトリウム、シリカ、ある
いはアルコキシシラン等の骨格原料を界面活性剤の溶液
中で縮合させる。
【0033】骨格原料としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等
のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン
等のアルキルアルコキシシランが用いられることが多
い。好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基を3個あ
るいは4個有する、テトラアルコキシシランあるいはア
ルキルアルコキシシランである。これらのアルコキシシ
ランは、1種類あるいは2種類以上を組み合わせて用い
ることもできる。好ましくはテトラアルコキシシランで
あり、炭素数1〜3のアルコキシ基を備えるテトラアル
コキシシランである。典型的には、テトラエトキシシラ
ンやテトラメトキシシランである。本製造法に使用する
界面活性剤としては、上述の層状シリケートを用いる層
間架橋製造法で例示した界面活性剤が好ましく使用でき
る。特に好ましいのは、オクチルトリメチルアンモニウ
ムハライドおよびデシルトリメチルアンモニウムハライ
ドである。ハライドは、好ましくは、塩素あるいは臭素
であり、より好ましくは臭素である。
【0034】上記したアルコキシシランと界面活性剤と
は、酸またはアルカリ条件下において、混合され、縮合
される。反応系の溶媒は、水、あるいは水とアルコール
等の水と混合する有機溶媒との混合溶媒であることが好
ましい。このような有機溶媒として、好ましくはメタノ
ールである。反応系のpH制御は水酸化ナトリウムのよ
うなアルカリおよび塩酸のような酸によって行う。陽イ
オン性界面活性剤を用い、アルカリ下の反応系を形成す
ることが好ましい。水のみの反応系の場合、pH10以
上のアルカリ下で反応させた後、さらに、塩酸等の酸で
中和してpHを9以下とすることが好ましい。より好ま
しくはpH8以下とする。また、水/アルコールの反応
系の場合、pH10以上のアルカリ下での反応後、特に
酸で中和しなくてもよく、そのまま反応させることによ
り、縮合は進行する。
【0035】水/アルコールの混合液の反応系における
メタノール等のアルコールの混合比率は、オクチルトリ
メチルアンモニウムハライドを用いる場合には、20w
t%以下であることが好ましく、デシルトリメチルアン
モニウム(ハライド)を用いる場合には、10〜40w
t%である。
【0036】界面活性剤の濃度は、オクチルトリメチル
アンモニウムハライドの場合は、臨界ミセル濃度以下で
あることが好ましい。例えば、オクチルトリメチルアン
モニウムハライドを水のみを反応溶媒として用いる場
合、0.05mol/l以上0.15mol/l以下で
あること好ましい。0.05mol/l未満であると、
細孔の形成が不完全であり、0.15mol/lを超え
ると細孔径の均一性が損なわれるからである。より好ま
しくは、0.13mol/l以下である。また、水/メ
タノール混合溶媒を用いる場合には、0.1mol/l
以上0.5mol/l以下であることが好ましい。0.
1mol/l未満であると、細孔の形成が不完全だから
であり、0.5mol/lを超えると細孔径の均一性が
損なわれるからである。より好ましくは、0.12〜
0.2mol/lである。また、デシルトリメチルアン
モニウムハライドを水/メタノール混合溶媒を用いる場
合には、0.01mol/l以上0.15mol/l以
下であることが好ましい。0.01mol/l未満であ
ると細孔の形成が不完全であり、0.15mol/lを
超えると細孔径の均一性が損なわれるからである。より
好ましくは、0.03〜0.1mol/lである。
【0037】骨格原料の濃度は、界面活性剤の濃度によ
っても異なるが、0.01mol/l以上0.2mol
/l以下であることが好ましい。0.01mol/l未
満では、生成粒子が非常に微小であり、回収が困難であ
り、0.2mol/lを超えると、多孔体の細孔径が大
きくなりすぎるからである。特に、オクチルトリメチル
アンモニウムハライドを水のみを反応溶媒として用いる
場合には、骨格原料の濃度は、0.01mol/l以上
0.2mol/l以下であることが好ましい。0.01
mol/l未満では、生成粒子が非常に微小であり、回
収が困難であり、0.2mol/lを超えると、多孔体
の細孔径が大きくなりすぎるからである。より好ましく
は、0.05〜0.12mol/lである。また、界面
活性剤/骨格原料(骨格構成金属原子のモル数に換算し
たもの)のモル比は、0.07以上50以下であること
が好ましい。より好ましくは、3〜20である。
【0038】また、オクチルトリメチルアンモニウムハ
ライドを、水/メタノール混合溶媒中で用いる場合に
は、骨格原料の濃度は、0.02mol/l以上0.1
5mol/l以下であることが好ましい。0.02mo
l/l未満では、生成粒子が非常に微小であり、回収が
困難であり、0.15mol/lを超えると、多孔体の
細孔径が大きくなりすぎるからである。より好ましく
は、0.05〜0.11mol/lである。また、界面
活性剤/骨格原料(典型的にはSi)のモル比は、0.
6〜25であることが好ましく、より好ましくは、1.
5〜10である。
【0039】さらに、デシルトリメチルアンモニウムハ
ライドを水/メタノール混合溶媒中で用いる場合には、
0.01mol/l以上0.15mol/l以下である
ことが好ましい。0.01mol/l未満では、生成粒
子が非常に微小であり、回収が困難であり、0.15m
ol/lを超えると、多孔体の細孔径が大きくなりすぎ
るからである。より好ましくは、0.02〜0.11m
ol/lである。また、界面活性剤/骨格原料(典型的
にはSi)のモル比は、0.07〜15であることが好
ましく、より好ましくは、0.5〜10である。
【0040】反応時の温度は、−50℃〜100℃の範
囲である。反応系が水のみを溶媒とする場合、好ましく
は60℃〜80℃の範囲である。また、反応系が、水/
メタノール混合溶媒の場合、室温でもよい。反応時間は
反応系によって適宜異なり得るが、典型的には1時間〜
48時間またはそれ以上の時間行ってもよい。例えば、
水のみを反応系溶媒とする場合、pH10以上で1時間
以上、pH9以下(より好ましくは、pH8以下)で3
時間以上とするのが好ましい。いずれのpH下において
も攪拌することが好ましい。縮合反応後、生成した沈殿
あるいはゲル状態の固形分を濾過し、洗浄し、乾燥し、
さらに、上述の焼成処理またはH+置換処理と同様の処
理を行うことによって、界面活性剤を除去することによ
って多孔体を得ることができる。すなわち、焼成による
方法では、固形生成物を300〜1000℃(好ましく
は400〜700℃)に加熱する。加熱時間は30分以
上が好ましい。完全に有機物を除去するためには1時間
以上加熱することが特に好ましい。なお、上記と同様、
焼成処理は着火防止のために400℃程度までは不活性
ガス(窒素等)雰囲気で行うのが好ましい。
【0041】一方、アルコール等でH+置換処理する方
法では、界面活性剤の溶解度が大きい溶媒に少量の界面
活性剤と同電荷のイオン成分を添加した溶液に固形生成
物を分散、攪拌した後に固形成分を回収することにより
行う。上記溶媒としては例えばエタノール、メタノー
ル、アセトン等を用いることができる。
【0042】なお、この製造方法においても、Si以外
の元素(例えば金属元素)を含む基本骨格からなる多孔
体を製造することもできる。典型的には、基本骨格を形
成する原料物質として上記ケイ酸ソーダ、シリカ、ある
いはアルコキシシランとともに他の元素を含む化合物を
加えて上記縮合反応を行うことによって実現される。
【0043】これらの製造方法(1)及び(2)によれ
ば、細孔径が小さく、かつ細孔径分布が均一な多孔体を
得ることができる。得られた多孔体が細孔径が小さくか
つ細孔径分布が均一であることにより、水蒸気吸着等温
線において、相対蒸気圧が10%で水蒸気吸着量が0.
1g/g以下であり、28%で0.2g/g以上(好ま
しくは0.25g/g以上)の水蒸気吸着特性を有する
多孔体を得ることができる。また、骨格を有する多孔体
であって、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が1
0%以上28%以下の範囲のいずれか2点における水蒸
気吸着量の差が、0.16g/g以上(好ましくは、
0.18g/g以上)である多孔体を得ることができ
る。なお、本製造方法で得られる多孔体は、Cranston-I
nklay 法やBJH 法等によって得られる中心細孔直径が、
1.3〜1.8nmであることが好ましい。
【0044】多孔体の製造方法(3) また、本発明では、pH10以上の水性溶媒下、界面活
性剤と骨格原料とを混合する工程と、この混合液に酸を
添加して混合液のpHを9以上とする工程と、酸添加後
の混合液から分離された固形分から界面活性剤を除去す
る工程、とを備える、シリカ多孔体の製造方法も提供す
る。
【0045】この製造方法も、上記製造方法(1)及び
(2)における、界面活性剤と多孔体骨格原料の縮合反
応系におけるpH制御を特徴とする。すなわち、上記製
造方法(1)及び(2)における反応系において、界面
活性剤と骨格原料とを、第1の段階ではpH10以上の
条件下で混合し、その後、第2の段階では酸を添加して
pHを低下させるが、pHを9以上とする。
【0046】本製造方法における、界面活性剤は、製造
方法(1)及び(2)で挙げたものを同様に使用でき
る。好ましくは、アルキルトリメチルアンモニウム(C
n2n+ 1N(CH33;nは2〜18の整数)であり、
好ましくは、炭素数8〜18のアルキルトリメチルアン
モニウムハライドであり、特に、オクチルトリメチルア
ンモニウムハライド、デシルトリメチルアンモニウムハ
ライド、ドデシルトリメチルアンモニウムハライド、テ
トラデシルアンモニウムハライド、ヘキサデシルアンモ
ニウムハライド(これらのいずれにおいても、ハロゲン
原子は、塩素あるいは臭素が好ましい。)を用いる。ま
た、反応系の溶媒も製造方法(1)及び(2)と同様に
使用できる。好ましくは、水のみを反応系溶媒として使
用する。
【0047】界面活性剤の濃度は、具体的には、0.0
5mol/l以上0.5mol/l以下であることが好
ましい。オクチルトリメチルアンモニウムハライドの場
合、0.05mol/l以上0.3mol/l以下であ
ることが好ましい。0.05mol/l未満であると、
細孔の形成が不完全であり、0.3mol/lを超える
と細孔径の均一性が損なわれるからである。また、デシ
ルトリメチルアンモニウムハライド、ドデシルトリメチ
ルアンモニウムハライド、テトラデシルアンモニウムハ
ライド、及びヘキサデシルアンモニウムハライドの場
合、いずれも、0.05mol/l以上0.5mol/
l以下であることが好ましい。0.05mol/l未満
であると、細孔の形成が不完全であり、0.5mol/
lを超えると細孔径の均一性が損なわれるからである。
【0048】骨格原料としても、製造方法(1)及び
(2)で挙げたものと同様のものを使用できる。すなわ
ち、層状シリケートや、各種アルコキシシラン等を用い
ることができる。具体的には、カネマイト、ケイ酸ナト
リウム、ジケイ酸ナトリウム、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランやア
ルキルアルコキシシラン等である。また、製造方法
(1)及び(2)で挙げた好ましい骨格原料を本製造方
法においても同様に好ましいものとして使用できる。
【0049】骨格原料の濃度は使用する界面活性剤の種
類によって異なるが、オクチルトリメチルアンモニウム
ハライドを用いる場合、0.0055mol/l以上
0.33mol/l以下であることが好ましい。0.0
055mol/l未満では、生成粒子が非常に微小であ
り、回収が困難であり、0.3mol/lを超えると、
多孔体の細孔径が大きくなりすぎるからである。デシル
トリメチルアンモニウムハライド、ドデシルトリメチル
アンモニウムハライド、テトラデシルアンモニウムハラ
イド、及びヘキサデシルアンモニウムハライドを用いる
場合、いずれも0.0055mol/l以上1mol/
l以下であることが好ましい。0.0055mol/l
未満では、生成粒子が非常に微小であり、回収が困難で
あり、1mol/lを超えると、多孔体の細孔径が大き
くなりすぎるからである。また、いずれの場合において
も、界面活性剤/骨格材料(骨格構成金属原子のモル数
に換算したもの)のモル比は、0.15以上36以下で
あることが好ましい。0.15未満であると、細孔の形
成が不完全であり、36を超えると細孔径の均一性が損
なわれるからである。
【0050】反応の第1段階におけるpH制御は、従来
と同様、pHを10以上とする。反応系そのものがかか
るpH条件を備える場合以外、塩酸等の酸あるいは水酸
化ナトリウム等のアルカリを添加することにより、pH
を調整する。水のみを反応系溶媒とする場合、骨格原料
と界面活性剤の添加のみ(反応系そのもの)で、pH1
0以上の条件を充足する場合もある。水のみを反応系溶
媒とする場合、上記した本製造方法における好ましい界
面活性剤及び骨格原料の濃度範囲においては、反応系そ
のものがpH10以上となることがある。第1の段階
は、1時間から10数時間、好ましくは3時間以上維持
する。この間、混合液を静置してもよいが、攪拌するこ
とが好ましい。温度は、室温から100℃程度とするこ
とができるが、好ましくは、50℃以上である。より好
ましくは、60℃以上とする。
【0051】反応の第2の段階でのpH制御は、酸を添
加してpHを9以上の範囲で低下させる。好ましくは、
pH9.5以上である。このpH制御の上限のpHは、
第1の段階でのpHより低いpHであればよい。好まし
くは10.5以下である。このように第2段階でpHを
9以上に制御することにより、細孔の規則性が向上し、
水蒸気吸着能が向上する。添加する酸は塩酸等が好まし
い。
【0052】第2の段階においてpHを調整した状態
を、1時間から10数時間、好ましくは3時間以上維持
する。この間、混合液を静置してもよいが、攪拌するこ
とが好ましい。温度は、室温から100℃程度とするこ
とができるが、好ましくは、50℃以上である。より好
ましくは、60℃以上とする。
【0053】これらの工程を経ることにより、混合液中
には、固形分が得られる。この固形分を濾過、洗浄等し
て回収し、製造方法(1)及び(2)と同様に、乾燥
し、界面活性剤を除去することにより、多孔体を得るこ
とができる。
【0054】この方法によれば、反応系の第2段階でp
Hを9以上に調整した状態で、界面活性剤と骨格原料と
を縮合させることにより、細孔径分布の均一な多孔体を
得ることができる。したがって、例えば、界面活性剤と
してオクチルトリメチルアンモニウムハライドを用いた
場合には、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が1
0%で0.1g/g以下、同28%で0.25g/g以
上の水蒸気吸着能を有する多孔体を得ることができる。
また、骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸着等温線
において、相対蒸気圧が10%以上28%以下の範囲の
いずれか2点における水蒸気吸着量の差が、0.18g
/g以上(好ましくは、0.23g/g以上)である多
孔体を得ることができる。
【0055】また、界面活性剤としてデシルトリメチル
アンモニウムハライドを用いた場合には、水蒸気吸着等
温線において、相対蒸気圧が20%で0.1g/g以
下、同35%で0.35g/g以上の水蒸気吸着能を有
する多孔体を得ることができる。また、界面活性剤とし
てドデシルトリメチルアンモニウムハライドを用いた場
合には、水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が25
%で0.1g/g以下、同40%で0.40g/g以上
の水蒸気吸着能を有する多孔体を得ることができる。ま
た、界面活性剤としてテトラデシルトリメチルアンモニ
ウムハライドを用いた場合には、水蒸気吸着等温線にお
いて、相対蒸気圧が30%で0.1g/g以下、同50
%で0.48g/g以上の水蒸気吸着能を有する多孔体
を得ることができる。また、水蒸気吸着等温線におい
て、界面活性剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニ
ウムハライドを用いた場合には、水蒸気吸着等温線にお
いて、相対蒸気圧が40%で0.15g/g以下、同6
0%で0.60g/g以上の水蒸気吸着能を有する多孔
体を得ることができる。
【0056】多孔体の製造方法(4) また、本発明では、界面活性剤と骨格原料を縮合して得
た縮合物から界面活性剤を除去した後、得られた焼成体
(多孔体)を酸又は3価以上の金属イオンと酸との塩の
溶液に接触させる工程を備える方法も提供する。この方
法によると、得られる多孔体の耐湿性や耐熱水性が向上
され、これにより、熱水(典型的には、80℃の熱水)
処理後の多孔体においても、低い相対蒸気圧において高
い水蒸気吸着能を有する材料を得ることができる。な
お、理論的に拘束されるものではないが、かかる耐湿性
あるいは耐熱水性の向上は、骨格における結合、具体的
には金属元素と酸素との結合(典型的には、Si−O−
Si結合)が、前記酸処理あるいは塩処理により強化さ
れるためであると考えられる。また、加水分解反応を受
けにくくなるためであると考えられる。
【0057】本発明は、上記した製造方法(1)及び
(2)のいずれにも適用できるが、好ましくは、製造方
法(2)に適用される。したがって、骨格原料について
は、製造方法(1)及び(2)に記載の原料を使用する
ことができるが、好ましくは、製造方法(2)に使用さ
れる骨格原料を使用でき、より好ましくは、テトラアル
コキシシランやアルキルアルコキシシランを骨格原料と
し、さらに好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシ基を
3個あるいは4個有するテトラアルコキシシランあるい
はアルキルアルコキシシランであり、特に好ましくはか
かるアルコキシ基を備えるテトラアルコキシシランを使
用できる。典型的には、テトラエトキシシランやテトラ
メトキシシランである。また、界面活性剤についても、
製造方法(1)及び(2)に記載の界面活性剤を使用す
ることができるが、好ましくは、アルキルトリメチルア
ンモニウム化合物を用いることが好ましく、より好まし
くは、オクチルトリメチルアンモニウムハライド又はデ
シルトリメチルアンモニウムハライドを使用する。ハラ
イドは、塩素あるいは臭素であることが好ましい。
【0058】反応系における界面活性剤の濃度は、特に
限定しないが、オクチルトリメチルアンモニウムハライ
ドの場合は、臨界ミセル濃度以下であることが好まし
い。臨界ミセル濃度以下であると、均一で孔径の小さい
細孔を有する多孔体が得られやすいからである。例え
ば、オクチルトリメチルアンモニウムハライドを水のみ
を反応溶媒として用いる場合、0.05mol/l以上
0.15mol/l以下であること好ましい。より好ま
しくは、0.13mol/l以下である。また、水/メ
タノール混合溶媒を用いる場合には、0.1mol/l
以上0.5mol/l以下であることが好ましい。より
好ましくは、0.12〜0.2mol/lである。
【0059】また、デシルトリメチルアンモニウムハラ
イドを水/メタノール混合溶媒を用いる場合には、0.
01mol/l以上0.15mol/l以下であること
が好ましい。より好ましくは、0.03〜0.1mol
/lである。
【0060】骨格原料の反応系における濃度は特に限定
しないが、0.4mol/l以下であることが好まし
く、0.01mol/l以上0.2mol/l以下であ
ることがより好ましい。また、界面活性剤/骨格原料
(骨格構成金属原子のモル数に換算したもの、典型的に
はSi)のモル比は0.07〜25であることが好まし
い。0.07未満であると細孔の形成が不完全であり、
25を超えると細孔径の均一性が損なわれるからであ
る。特に、オクチルトリメチルアンモニウムハライドを
水のみを反応溶媒として用いる場合には、骨格原料は、
0.01mol/l以上0.2mol/l以下であるこ
とが好ましい。より好ましくは、0.05〜0.12m
ol/lである。また、界面活性剤/骨格原料(典型的
にはSi)のモル比は、好ましくは、0.07〜20で
あり、より好ましくは3〜20である。
【0061】また、オクチルトリメチルアンモニウムハ
ライドを、水/メタノール混合溶媒中で用いる場合に
は、骨格原料の濃度は、0.02mol/l以上0.1
5mol/l以下であることが好ましい。より好ましく
は、0.05〜0.11mol/lである。また、界面
活性剤/骨格原料(典型的にはSi)のモル比は、0.
6〜25であることが好ましい。0.6未満であると、
細孔の形成が不完全であり、25を超えると細孔径の均
一性が低下するからである。
【0062】さらに、デシルトリメチルアンモニウムハ
ライドを水/メタノール混合溶媒中で用いる場合には、
0.01mol/l以上0.15mol/l以下である
ことが好ましく、より好ましくは、0.02〜0.11
mol/lである。また、界面活性剤/骨格原料(典型
的にはSi)(モル比)は、0.07〜15であること
が好ましい。0.07未満であると、細孔の形成が不完
全であり、15を超えると細孔の均一性が低下するから
である。なお、以上の界面活性剤濃度及び骨格原料濃度
は、本方法において製造方法(2)を使用する場合によ
り好ましく適用される。
【0063】反応系のpH、温度等については、それぞ
れ製造方法(1)及び(2)において使用しうる条件を
採用でき、また、好ましい条件を好ましく採用できる。
特に、アルキルアルコキシシランやテトラアルコキシシ
ランを骨格原料として、オクチルトリメチルアンモニウ
ムハライドあるいはデシルトリメチルアンモニウムハラ
イドを界面活性剤として使用する場合には、水酸化ナト
リウムを反応系において、骨格原料に対して10〜40
モル%の割合で使用することが好ましい。10モル%未
満であると、細孔の形成が不完全であり、40モル%を
超えると固体が析出しにくいからである。
【0064】反応時間は、反応系によって適宜異なり得
るが、典型的には、1時間〜48時間であり、これを超
える時間にわたって行ってもよい。
【0065】その後、界面活性剤を除去する。界面活性
剤は、加熱処理(例えば、550℃で6時間程度)する
ことにより除去することが好ましい。
【0066】界面活性剤を除去後、酸又は3価以上の金
属イオンと酸との塩の溶液に、界面活性剤除去後の多孔
体を添加し、多孔体と酸又は塩とを接触させる。酸は、
単独でまたは、3価以上の金属イオンとの塩として、多
孔体と接触させることができる。ここで、酸とは、無機
酸又は有機酸であり、無機酸としては、特に限定しない
が、塩酸、硫酸、炭酸、及び硝酸からなる群から選択さ
れる一またはそれ以上の酸であることが好ましい。ま
た、有機酸としては、特に限定しないが、酢酸、シュウ
酸、フタル酸、及び脂肪酸からなる群から選択される一
またはそれ以上の酸であることが好ましい。酸を単独
で、多孔体と接触させる場合には、無機酸としては、塩
酸又は硝酸が好ましく、より好ましくは塩酸である。ま
た、同じく有機酸としては、酢酸を用いることが好まし
い。なお、酸は、水溶液として接触されるのが好まし
い。
【0067】3価以上の金属イオンとしては、アルミニ
ウムイオン(Al3+)、第二鉄イオン(Fe3+)、チタ
ンイオン(Ti4+)、バナジウムイオン(V3+)、ジル
コニウムイオン(Zr4+)、ガリウムイオン(G
3+)、ルテニウムイオン(Ru3+)等をあげることが
でき、好ましくは、アルミニウムイオン(Al3+)又は
第二鉄イオン(Fe3+)であり、さらに好ましくは第二
鉄イオン(Fe3+)である。また、金属イオンと塩を形
成する酸としては、上記した無機酸及び有機酸のうちい
ずれか1種以上を用いることができるが、硝酸又はシュ
ウ酸が好ましい。なお、3価以上の金属イオンと酸との
塩を用いる場合、当該塩中に、当該金属イオンは少なく
とも1個備えていればよい。なお、塩は、水溶液として
接触されるのが好ましい。かかる塩としては、例えば、
硝酸アルミニウム、硝酸第二鉄、シュウ酸チタニルアン
モニウム、塩化バナジウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ガ
リウム、塩化ルテニウム等を挙げることができ、好まし
くは、硝酸アルミニウム、及び硝酸第二鉄であり、さら
に好ましくは硝酸第二鉄である。
【0068】酸単独で多孔体と接触させる場合には、反
応溶液中における酸の濃度は、0.001〜1規定が好
ましい。0.001規定未満であると、骨格原料に対す
る割合が不十分なため、耐湿性が損なわれるおそれがあ
り、1規定を超えると酸性度が強すぎて細孔の一部が破
壊される場合があるからである。より好ましくは、0.
01〜0.5規定とする。塩として多孔体と接触させる
場合には、反応溶液中における塩の濃度は、0.001
〜5mol/lが好ましい。0.001mol/l未満
であると、骨格原料に対する割合が不十分なため、耐湿
性が損なわれるおそれがあり、5mol/lを超えると
酸性度が強すぎて細孔の一部が破壊される場合があるか
らである。より好ましくは、0.01〜0.5mol/
lとする。
【0069】接触させる際の反応系の温度は、0〜10
0℃以下であることが好ましい。より好ましくは30〜
70℃である。酸又は塩との接触工程の後、多孔体を含
む溶液をろ過し、多孔体をろ取し、乾燥する。好ましく
は、ろ取した多孔体を、100℃以上で加熱処理する。
好ましくは100℃〜600℃で加熱処理する。加熱処
理時間は、好ましくは、1〜24時間である。かかる加
熱処理により、余分な酸又は塩の成分が除去される。
【0070】このような接触工程、あるいは接触工程と
それに続く加熱処理工程を経た多孔体は、耐湿性や耐熱
水性が向上されている。例えば、かかる多孔体を、80
℃の熱水に24時間浸漬した後に、水蒸気吸着等温線を
測定すると、細孔径及び規則正しい細孔配列に起因する
と思われる、細孔径に対応する特定の相対蒸気圧で顕著
な吸着量の増加が観察された。このことは、熱水処理後
のX線回折パターンからも確認されており、細孔間隔に
起因するピークd100の存在が確認されており、熱水
処理後の多孔体構造の保持が確認されている。
【0071】本製造方法によって得られる多孔体は、水
蒸気吸着等温線の相対蒸気圧が10%及び25%におい
て、それぞれ、0.1g/g以下及び0.2g/g以上
の水蒸気吸着能を備える多孔体である。また、相対蒸気
圧が10%以上25%以下のいずれかの2点における水
蒸気九着量の差が、0.12g/g以上である、多孔体
でもある。特に、80℃の熱水に24時間浸漬する処理
後の水蒸気吸着等温線においてこのような水蒸気吸着能
が得られる。かかる多孔体により、耐湿性及び耐熱水性
に優れ、かつ低い相対蒸気圧下で高い水蒸気吸着能を備
える水蒸気吸着材料が提供される。なお、本製造方法で
得られる多孔体は、Cranston-Inklay 法やBJH 法等によ
って得られる中心細孔直径が、1.3〜1.8nmであ
ることが好ましい。
【0072】多孔体の製造方法(5) 本発明は、製造しようとする多孔体の骨格原料の溶液中
における濃度が0.4mol/l以下、界面活性剤/骨
格原料のモル比が0.1以上10以下である溶液中で、
前記骨格原料を縮合させる工程と、縮合物から界面活性
剤を除去する工程、とを備え、前記骨格原料は、金属元
素としてSiとAlとを含む、多孔体の製造方法を提供
する。この方法によると、耐湿性の良好な多孔体が得ら
れ、これにより水蒸気吸脱着材料として好ましい多孔体
が得られる。
【0073】この方法は、上記した製造方法のうち、製
造方法(1)に典型的に開示される層状シリケートの層
間架橋法以外の多孔体の製造方法に適用される。具体的
には、製造方法(2)に対して適用することができ、ま
た、製造方法(2)を採用する製造方法(4)に適用す
ることができる。
【0074】製造方法(2)に適用する場合には、製造
方法(2)に記載されるSi含有骨格原料の他に、Al
含有骨格原料を用いる。例えば、アルミン酸のアルキル
エステルやアルミン酸ナトリウム(NaAlO2)等の
アルミン酸塩等の各種アルミン酸誘導体、硝酸アルミニ
ウム(Al(NO33)等の各種アルミニウム塩を用い
ることができる。
【0075】また、界面活性剤は製造方法(2)に記載
されるものを使用できるが、好ましくは、アルキルトリ
メチルアンモニウム化合物を用いることが好ましく、よ
り好ましくは、オクチルトリメチルアンモニウムハライ
ド又はデシルトリメチルアンモニウムハライドを使用す
る。ハライドは、塩素あるいは臭素であることが好まし
い。
【0076】好ましい骨格原料の濃度は、0.01mo
l/l〜0.2mol/lである。0.01mol/l
未満であると生成粒子が非常に微小であり、回収が困難
になりやすく、0.2mol/lを超えると、多孔体の
細孔径が大きくなりすぎるからである。また、界面活性
剤/骨格原料(SiとAl)のモル比は、好ましくは
0.07以上25以下であることが好ましい。0.07
未満であると、細孔の形成が不完全であり、25を超え
ると細孔の均一性が損なわれるからである。特に好まし
くは、0.1〜10である。
【0077】特に、骨格原料におけるSiとAlとの合
計モル数に対するAlのモル数の比は、0.0005〜
0.2であることが好ましい。0.0005未満である
と、耐湿性が低下するおそれがあり、0.2を超えると
細孔径の均一性が損なわれる場合があるからである。よ
り好ましくは、0.001〜0.2であり、さらに好ま
しくは、0.01〜0.1である。さらに、好ましく
は、0.02〜0.06である。
【0078】なお、本製造方法は、好ましくは、製造方
法(2)に適用でき、したがって、好ましくは、製造方
法(2)に使用される骨格原料を使用でき、より好まし
くは、テトラアルコキシシランあるいはアルキルアルコ
キシシランを骨格原料とし、さらに好ましくは、炭素数
1〜4のアルコキシ基を3個あるいは4個有するテトラ
アルコキシシランあるいはアルキルアルコキシシランで
あり、特に好ましくはかかるアルコキシ基を備えるテト
ラアルコキシシランを使用できる。典型的には、テトラ
エトキシシランやテトラメトキシシランである。
【0079】以下、特に製造方法(2)に適用する場合
の濃度について説明する。反応系における界面活性剤の
濃度は、特に限定しないが、オクチルトリメチルアンモ
ニウムハライドの場合は、臨界ミセル濃度以下であるこ
とが好ましい。臨界ミセル濃度以下であると、均一で孔
径の小さい細孔を有する多孔体が得られやすいからであ
る。例えば、オクチルトリメチルアンモニウムハライド
を水のみを反応溶媒として用いる場合、0.05mol
/l以上0.15mol/l以下であること好ましい。
より好ましくは、0.13mol/l以下である。ま
た、水/メタノール混合溶媒を用いる場合には、0.1
mol/l以上0.5mol/l以下であることが好ま
しい。より好ましくは、0.12〜0.2mol/lで
ある。また、デシルトリメチルアンモニウムハライドを
水/メタノール混合溶媒を用いる場合には、0.01m
ol/l以上0.15mol/l以下であることが好ま
しい。より好ましくは、0.03〜0.1mol/lで
ある。
【0080】オクチルトリメチルアンモニウムハライド
を水のみを反応溶媒として用いる場合には、骨格原料
は、0.01mol/l以上0.2mol/l以下であ
ることが好ましい。より好ましくは、0.05〜0.1
2mol/lである。また、オクチルトリメチルアンモ
ニウムハライドを、水/メタノール混合溶媒中で用いる
場合には、骨格原料の濃度は、0.02mol/l以上
0.15mol/l以下であることが好ましい。より好
ましくは、0.05〜0.11mol/lである。さら
に、デシルトリメチルアンモニウムハライドを水/メタ
ノール混合溶媒中で用いる場合には、骨格原料の濃度は
0.01mol/l以上0.15mol/l以下である
ことが好ましく、より好ましくは、0.02〜0.11
mol/lである。
【0081】また、反応系のpH、温度等については、
それぞれ製造方法(2)において使用しうる条件を採用
でき、また、好ましい条件を好ましく採用できる。特
に、テトラアルコキシシランやアルキルアルコキシシラ
ンを骨格原料として、オクチルトリメチルアンモニウム
ハライドあるいはデシルトリメチルアンモニウムハライ
ドを界面活性剤として使用する場合には、水酸化ナトリ
ウムを反応系において、骨格原料に対して10〜40モ
ル%の割合で使用することが好ましい。10モル%未満
であると、細孔の形成が不完全であり、40モル%を超
えると固体が析出しにくいからである。
【0082】反応時間は、反応系によって適宜異なり得
るが、典型的には、1時間〜48時間であり、これを超
える時間にわたって行ってもよい。
【0083】その後、界面活性剤を除去する。これによ
り骨格にSiとAlとを含有する多孔体が得られる。す
なわち、−Si−O−の結合の他、−Al−O−結合を
有する、網状高分子骨格(金属酸化物の骨格)を有する
多孔体が得られる。なお、界面活性剤は、加熱処理(例
えば、550℃で6時間程度)することにより除去する
ことが好ましい。
【0084】このようして得られた多孔体は、耐湿性に
優れており、80℃の熱水に24時間浸漬した前後のX
線回折パターンによれば、細孔間隔に起因するピークに
ほとんど変化はなく、熱水に浸漬しても細孔構造の変化
のない多孔体となっている。また、得られた多孔体を、
一晩水に浸漬した後、水蒸気吸着等温線の測定を行う
と、相対蒸気圧が8%及び18%での水蒸気吸着量がそ
れぞれ、0.1g/g以下及び0.18g/g以上の水
蒸気吸着能を有する多孔体が得られる。特に、骨格中に
SiとAlとを含有し、骨格原料におけるSiとAlと
の合計のモル数に対するAlのモル数の比(骨格におけ
るSiとAlとの合計のモル数に対するAlのモル数の
比)が、0.12未満(より好ましくは、0.01以上
0.1以下、さらに好ましくは0.08以下)の場合
に、かかる多孔体が容易に得られる。さらに、このモル
比が、0.02〜0.06であると、相対蒸気圧8%及
び18%での水蒸気吸着量がそれぞれ、0.1g/g以
下及び0.20g/g以上の水蒸気吸着能を有する多孔
体が得られる。また、相対蒸気圧が8%以上18%以下
の範囲のいずれか2点における水蒸気吸着量の差が0.
12g/g以上の多孔体が得られる。また、得られる多
孔体を80℃の熱水に24時間浸漬後、X線回折パター
ンにおいては、細孔間隔に起因するピークd100が観
察され、熱水後にも細孔構造が保持されており、熱水試
験による細孔構造の崩壊は観察されない。すなわち、本
製造方法によれば、低い相対蒸気圧下において高い水蒸
気吸着能を有し、かつ、耐熱水性(耐湿性も含む)の良
好な多孔体が得られる。かかる多孔体は、水蒸気吸脱着
材料として有用である。なお、本製造方法で得られる多
孔体は、Cranston-Inklay 法やBJH 法等によって得られ
る中心細孔直径が、1.0〜1.5nmであることが好
ましい。
【0085】
【実施例】多孔体の製造方法(1)に対応する実施例群 実施例1 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛25gおよびジケイ酸ナトリ
ウム5gを添加した.70℃に昇温後,3時間攪拌した.次
いで2規定塩酸約25mlで中和後,再び3時間攪拌した.ろ
過・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た.この白色粉
末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成することに
より,有機成分を除去した.焼成粉末の一部を水に分散
後一晩放置した.吸引ろ過後自然乾燥し、25℃で水蒸
気吸着等温線を作成した。本シリカ多孔体は,均一で,
しかも小さな細孔が形成されているので,細孔径に対応
した特定の相対蒸気圧で吸着量が顕著に増加する.相対
蒸気圧が10%での水蒸気吸着量は0.06 g/g,相対蒸気圧
が28%での水蒸気吸着量は0.25g/gであった。
【0086】実施例2 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムブロミド37
gおよびジケイ酸ナトリウム25gを添加した.70℃に
昇温後,3時間攪拌した.次いで2規定塩酸約125mlで中
和後,再び3時間攪拌した.ろ過・洗浄を5回繰り返して
白色粉末を得た.この白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾
燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除去し
た.焼成粉末の一部を水に分散後一晩放置した.吸引ろ
過後自然乾燥し、25℃で水蒸気吸着等温線を作成した
ところ、相対蒸気圧が10%での水蒸気吸着量は0.06 g/
g,相対蒸気圧が28%での水蒸気吸着量は0.22 g/gであっ
た。
【0087】実施例3 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛15.1gおよびジケイ酸ナト
リウム10gを添加した.70℃に昇温後,3時間攪拌し
た.次いで2規定塩酸約50mlで中和後,再び3時間攪拌し
た.ろ過・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た.この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した.焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した.吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.06 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.24 g/gであった。
【0088】比較例1 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛25gおよびジケイ酸ナトリ
ウム50gを添加した.70℃に昇温後,3時間攪拌した。
次いで2規定塩酸約250mlで中和後,再び3時間攪拌し
た。ろ過・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.06 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.12g/gであった。
【0089】比較例2 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛126gおよびジケイ酸ナト
リウム10gを添加した.70℃に昇温後,3時間攪拌し
た.次いで2規定塩酸約50mlで中和後,再び3時間攪拌し
た.ろ過・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た.この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した.焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した.吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.08g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.15g/gであった。
【0090】比較例3 5gのδ型ジケイ酸ナトリウムを100mlの水に分散
後、30分攪拌することによりカネマイトを調製した。
濾過後、濃度が0.14mol/lのオクチルトリメチ
ルアンモニウムブロミド溶液70mlにカネマイトを分
散し、70℃で3時間攪拌した。2規定塩酸で中和し、
pHを8.5に調整した。その後、3時間攪拌して白色
粉末を分離ろ過した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後、550℃で焼成することにより、有機成分を
除去した。焼成後の粉末の一部を水に分散後一晩放置し
た。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が10%、28%、32
%での水蒸気吸着量は、それぞれ、0.06g/g、
0.16g/g、0.21g/gであった。
【0091】製造方法(2)に対応する実施例群 実施例4 水950mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛100g、テトラメトキシシラ
ン15.2g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液50
mlを添加した。70℃に昇温後、1時間攪拌した。次い
で2規定塩酸約50mlで中和後、再び3時間攪拌した。ろ過
・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た。この白色粉末
を熱風乾燥機で3日間乾燥後、550℃で焼成することによ
り、有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水に分散後
一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃で水蒸気
吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10%での水
蒸気吸着量は0.05 g/g、相対蒸気圧が28%での水蒸気吸
着量は0.24 g/gであった。
【0092】実施例5 水975mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛25g、テトラメトキシシラン
7.6g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液25m
lを添加した。70℃に昇温後,1時間攪拌した。次いで2
規定塩酸約 25mlで中和後,再び3時間攪拌した。ろ過
・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た。この白色粉末
を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成することによ
り,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水に分散後
一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃で水蒸気
吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10%での水
蒸気吸着量は0.05 g/g,相対蒸気圧が28%での水蒸気吸
着量は0.22 g/gであった。
【0093】実施例6 水900mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛17.6g、テトラメトキシシ
ラン30.4g及び100mlの1mol/l水酸化ナトリウ
ム溶液を添加した。70℃に昇温後,1時間攪拌した.次
いで2規定塩酸約100mlで中和後,再び3時間攪拌した.
ろ過・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た。この白色
粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成すること
により,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水に分
散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃で水
蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10%で
の水蒸気吸着量は0.05 g/g、相対蒸気圧が28%での水蒸
気吸着量は0.21 g/gであった。
【0094】比較例4 水750mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛25g、テトラメトキシシラン
76g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液250m
lを添加した。70℃に昇温後、1時間攪拌した。次いで2
規定塩酸約250mlで中和後,再び3時間攪拌した。
ろ過・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た。この白色
粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後、550℃で焼成すること
により、有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水に分
散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃で水
蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10%で
の水蒸気吸着量は0.06 g/g,相対蒸気圧が28%での水蒸
気吸着量は0.11 g/gであった。
【0095】比較例5 水950mlに、オクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛151gテトラメトキシシ
ラン15g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液50m
lを添加した。70℃に昇温後,1時間攪拌した。次いで
2規定塩酸約50mlで中和後,再び3時間攪拌した。
ろ過・洗浄を5回繰り返して白色粉末を得た。この白色
粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成すること
により,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水に分
散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃で水
蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10%で
の水蒸気吸着量は0.07 g/g,相対蒸気圧が28%での水蒸
気吸着量は0.14 g/gであった。
【0096】実施例8 水750ml,メタノール250mlにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛15.
4gおよび1規定水酸化ナトリウムを22.8ml添加した。そ
こにテトラメトキシシラン13.2gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.05 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.32 g/gであった。
【0097】実施例9 水600ml,メタノール400mlにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛46.
2gおよび1規定水酸化ナトリウムを5.6ml添加した。そ
こにテトラメトキシシラン3.3gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.05 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.28 g/gであった。
【0098】実施例10 水900ml,メタノール100mlにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛8.4
gおよび1規定水酸化ナトリウムを39.4ml添加した。そ
こにテトラメトキシシラン22.8gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.05 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.25 g/gであった。
【0099】比較例6 水750ml,メタノール250mlにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛8.4
gおよび1規定水酸化ナトリウムを52.5ml添加した.そ
こにテトラメトキシシラン30.4gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.06 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.17 g/gであった。
【0100】比較例7 水900ml,メタノール100mlにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛84g
および1規定水酸化ナトリウムを39.4ml添加した。そこ
にテトラメトキシシラン22.8gを添加すると完全に溶解後,白色粉
末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.08 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.13g/gであった。
【0101】実施例11 水960ml,メタノール40mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛37.8
gおよび1規定水酸化ナトリウムを22.8ml添加した。そ
こにテトラメトキシシラン13.2gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.05 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.21 g/gであった。
【0102】実施例12 水800ml,メタノール200mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛12
6.1gおよび1規定水酸化ナトリウムを7.94ml添加した。
そこにテトラメトキシシラン4.6gを添加すると完全に溶解後,白
色粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置
した。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。こ
の白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成す
ることにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を
水に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25
℃で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が
10%での水蒸気吸着量は0.05 g/g,相対蒸気圧が28%での
水蒸気吸着量は0.21 g/gであった。
【0103】実施例13 水900ml,メタノール100mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛30.
3gおよび1規定水酸化ナトリウムを36.8ml添加した。そ
こにテトラメトキシシラン21.3gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥して、25
℃で水蒸気吸着測定を行った。相対蒸気圧が10%での水
蒸気吸着量は0.05 g/g,相対蒸気圧が28%での水蒸気吸
着量は0.23 g/gであった。
【0104】比較例8 水900ml,メタノール100mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛37.
8gおよび1規定水酸化ナトリウムを78.9ml添加した。そ
こにテトラメトキシシラン45.7gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.08 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.16 g/gであった。
【0105】比較例9 水800ml,メタノール200mlにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛201
gおよび1規定水酸化ナトリウムを78.9ml添加した。そ
こにテトラメトキシシラン45.7gを添加すると完全に溶解後,白色
粉末が析出してきた。室温で8時間攪拌後,一晩放置し
た。ろ過・洗浄を3回繰り返して白色粉末を得た。この
白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後,550℃で焼成する
ことにより,有機成分を除去した。焼成粉末の一部を水
に分散後一晩放置した。吸引ろ過後自然乾燥し、25℃
で水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%での水蒸気吸着量は0.08 g/g,相対蒸気圧が28%での水
蒸気吸着量は0.13 g/gであった。
【0106】比較例10 29重量%のデシルトリメチルアンモニウムブロミド水
溶液をイオン交換樹脂に通して、デシルトリメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液を得た。この溶液50.7
5gに8.75gのテトラエトキシシランを添加して1
時間攪拌した。ポリプロピレン製容器に移し替えた後に
スチームボックスで24時間加熱した。生成物をろ過
後、温水およびアセトンで洗浄した。この白色粉末を熱
風乾燥機で3日間乾燥後、550℃で焼成することによ
り、有機成分を除去した。この多孔体につき、25℃で
水蒸気吸着等温線を作成したところ、相対蒸気圧が10
%、28%、32%での水蒸気吸着量は、それぞれ0.
06g/g、0.12g/g、0.28g/gであっ
た。
【0107】比較例11 18.7gのケイ酸ソーダ粉末を水30gに溶解後、1
0gの水に1.2gの濃硫酸を混合した液を加えた。1
0分攪拌後、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド
11.6gを含む29重量%の水溶液を添加した。30
分攪拌後、オートクレーブ容器に入れ、140℃で2日
間加熱した。生成物をろ過後、水で洗浄した。この白色
粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥後、550℃で焼成する
ことにより、有機成分を除去した。この多孔体につき、
25℃で水蒸気吸着等温線を作成したところ、水蒸気圧
が10%、28%、32%での水蒸気吸着量は、それぞ
れ0.07g/g、0.15g/g、0.22g/gで
あった。
【0108】多孔体の製造方法(3)に対応する実施例
群 実施例15 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛25gおよびジケイ酸ナトリ
ウム10gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌した。
次いで2規定塩酸を滴下し,pH10.2までpHを下げた後,
再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白色沈
殿物を回収した.この白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾
燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除去し
た。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線を作
成したところ、相対蒸気圧が10%での水蒸気吸着量は0.0
5 g/g,相対蒸気圧が28%での水蒸気吸着量は0.32g/gで
あった。
【0109】実施例16 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛25gおよびジケイ酸ナトリ
ウム10gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌した。
次いで2規定塩酸を滴下し,pH9までpHを下げた後,再び
3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白色沈殿物
を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥
後,550℃で焼成することにより,有機成分を除去し
た。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線を作
成したところ、相対蒸気圧が10%での水蒸気吸着量は0.0
5 g/g,相対蒸気圧が28%での水蒸気吸着量は0.28g/gで
あった。
【0110】比較例12 水1lにオクチルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛25gおよびジケイ酸ナトリ
ウム10gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌した。
次いで2規定塩酸を滴下し,pH8までpHを下げた後,再び
3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白色沈殿物
を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥
後,550℃で焼成することにより,有機成分を除去し
た。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線を作
成したところ、相対蒸気圧が10%での水蒸気吸着量は0.0
6 g/g,相対蒸気圧が28%での水蒸気吸着量は0.23g/gで
あった。
【0111】実施例17 水1lにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛28.2gおよびジケイ酸ナト
リウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌し
た。次いで2規定塩酸を滴下し,pH10までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が20%での水蒸気吸着量
は0.08 g/g,相対蒸気圧が35%での水蒸気吸着量は0.41g
/gであった。
【0112】実施例18 水750mlにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛28.2g、テトラメトキシシ
ラン76.1g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液25
0mlを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌した。次
いで2規定塩酸を滴下し,pH9.0までpHを下げた後,再び
3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白色沈殿物
を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥
後,550℃で焼成することにより,有機成分を除去し
た。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線を作
成したところ、相対蒸気圧が20%での水蒸気吸着量は0.0
8g/g,相対蒸気圧が35%での水蒸気吸着量は0.38g/gであ
った。
【0113】比較例13 水1lにテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛28.2gおよびジケイ酸ナト
リウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌し
た。次いで2規定塩酸を滴下し,pH7.5までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が20%での水蒸気吸着量
は0.11g/g,相対蒸気圧が35%での水蒸気吸着量は0.33g/
gであった。
【0114】実施例19 水1lにト゛テ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛30.8gおよびジケイ酸ナ
トリウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌し
た。次いで2規定塩酸を滴下し,pH10.1までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が25%での水蒸気吸着量
は0.09 g/g,相対蒸気圧が40%での水蒸気吸着量は0.45g
/gであった。
【0115】実施例20 水750mlにト゛テ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛30.8g、テトラメトキ
シシラン76.1g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液2
50mlを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌した。
次いで2規定塩酸を滴下し,pH9.5までpHを下げた後,再
び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白色沈殿
物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥
後,550℃で焼成することにより,有機成分を除去し
た。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線を作
成したところ、相対蒸気圧が25%での水蒸気吸着量は0.0
8g/g,相対蒸気圧が40%での水蒸気吸着量は0.41g/gであ
った。
【0116】比較例14 水1lにト゛テ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛30.8gおよびジケイ酸ナ
トリウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌し
た。次いで2規定塩酸を滴下し,pH7.5までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が25%での水蒸気吸着量
は0.10g/g,相対蒸気圧が40%での水蒸気吸着量は0.38g/
gであった。
【0117】実施例21 水1lにテトラテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛33.6gおよびジケイ酸
ナトリウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌
した。次いで2規定塩酸を滴下し,pH9.5までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が30%での水蒸気吸着量
は0.09 g/g,相対蒸気圧が50%での水蒸気吸着量は0.50g
/gであった。
【0118】実施例22 水750mlにテトラテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛33.6g、テトラメト
キシシラン76.1g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液
250mlを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌し
た。次いで2規定塩酸を滴下し,pH9.0までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が30%での水蒸気吸着量
は0.09g/g,相対蒸気圧が50%での水蒸気吸着量は0.50g/
gであった。
【0119】比較例15 水1lにテトラテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛33.6gおよびジケイ酸
ナトリウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌
した。次いで2規定塩酸を滴下し,pH7.5までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が30%での水蒸気吸着量
は0.05 g/g,相対蒸気圧が50%での水蒸気吸着量は0.45g
/gであった。
【0120】実施例23 水1lにヘキサテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛36.4gおよびジケイ酸
ナトリウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌
した。次いで2規定塩酸を滴下し,pH9.5までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が40%での水蒸気吸着量
は0.12 g/g,相対蒸気圧が60%での水蒸気吸着量は0.65g
/gであった。
【0121】実施例24 水750mlにヘキサテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛36.4g、テトラメ
トキシシラン76.1g及び1mol/lの水酸化ナトリウム溶液
250mlを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌し
た。次いで2規定塩酸を滴下し,pH9.0までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が40%での水蒸気吸着量
は0.14 g/g,相対蒸気圧が60%での水蒸気吸着量は0.64g
/gであった。
【0122】比較例16 水1lにヘキサテ゛シルトリメチルアンモニウムフ゛ロミト゛33.6gおよびジケイ酸
ナトリウム50gを添加した。70℃に昇温後,3時間攪拌
した。次いで2規定塩酸を滴下し,pH7.5までpHを下げた
後,再び3時間攪拌した。ろ過・洗浄を5回繰り返して白
色沈殿物を回収した。この白色粉末を熱風乾燥機で3日
間乾燥後,550℃で焼成することにより,有機成分を除
去した。この多孔体につき、25℃で水蒸気吸着等温線
を作成したところ、相対蒸気圧が40%での水蒸気吸着量
は0.16g/g,相対蒸気圧が60%での水蒸気吸着量は0.54g/
gであった。
【0123】製造方法(4)に対応する実施例群 実施例25 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水72.7g、メタ
ノール25gを混合後、テトラメトキシシラン(TMO
S)1.32gを添加したところ、多孔体−界面活性剤
複合体が析出してきた。室温で8時間攪拌して一晩放置
した後、吸引ろ過・水再分散を2回繰り返した。再び、
吸引ろ過後、45℃で3日間乾燥した。この粉末を、5
50℃で6時間加熱処理することにより、細孔中の界面
活性剤を除去した。この粉末0.5gを0.01規定の
塩酸水溶液20gに50℃で20時間浸漬した。ろ過
後、再び、550℃で6時間加熱処理した。この粉末
を、80℃の熱水に24時間浸漬した後(以下、耐熱水
試験ともいう。)、水蒸気吸着等温線の測定を行った。
P/P0=0.10及びP/P0=0.25での水蒸気
吸着量は、それぞれ、0.07g/g、0.26g/g
であった。水蒸気吸着等温線を図1に示すが、本多孔体
は、均一でしかも小さな細孔が形成されているので、細
孔径に対応した特定の相対蒸気圧で吸着量が顕著に増加
することがわかる。耐熱水試験前後のX線回折パターン
を図2に示すが、細孔間隔に起因するピークd100が
存在しており、耐熱水試験後も均一な径を有する多孔体
構造を保持していることがわかる。
【0124】比較例17 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水72.7g、メタ
ノール25gを混合後、テトラメトキシシラン1.32
gを添加したところ、多孔体−界面活性剤複合体が析出
してきた。室温で8時間攪拌して一晩放置した後、吸引
ろ過・水再分散を2回繰り返した。再び、吸引ろ過後、
45℃で3日間乾燥した。550℃で6時間加熱処理す
ることにより、細孔内中の界面活性剤を除去した。この
粉末を、80℃の熱水に24時間浸漬した後、水蒸気吸
着等温線の測定を行った。図1に示すように、P/P0
=0.10及びP/P0=0.25での水蒸気吸着量
は、それぞれ、0.06g/g、0.13g/gであっ
た。試験前後のX線パターンを図3に示すが、細孔間隔
に起因するピークd100も多少存在しているが、低角
側が立ち上がっており、シリカゲルの生成が示唆され
る。耐熱水試験により、細孔が破壊され、不均一な孔成
分が生成したことを示す。
【0125】比較例18 Bull.Chem.Soc.Japan.,69、1
449(1996)等に準じて、オクチルトリメチルア
ンモニウムブロミド2.5gを水100gに溶解後、ジ
ケイ酸ナトリウム5gを添加した。70℃で3時間攪拌
後、2規定塩酸でpH8.5まで中和した。さらに3時
間攪拌を行い一晩放置した後、吸引ろ過・水再分散を2
回繰り返した。再び、再び、吸引ろ過後、45℃で3日
間乾燥して、界面活性剤を含む多孔体を得た。この粉末
を、550℃で6時間加熱処理することにより、細孔内
の界面活性剤を除去した。この粉末を、80℃の熱水に
24時間浸漬した後、水蒸気吸着等温線の測定を行っ
た。P/P0=0.10及びP/P0=0.25での水
蒸気吸着量は、それぞれ、0.08g/g、0.12g
/gであった。
【0126】実施例26 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水72.7g、メタ
ノール25gを混合後、テトラメトキシシラン(TMO
S)1.32gを添加したところ、多孔体−界面活性剤
複合体が析出してきた。室温で8時間攪拌して一晩放置
した後、吸引ろ過・水再分散を2回繰り返した。再び、
吸引ろ過後、45℃で3日間乾燥した。この粉末を、5
50℃で6時間加熱処理した。この粉末0.5gを0.
005mol/lの硝酸アルミニウム(Al(N
33)水溶液20gに、50℃で20時間浸漬した。
ろ過後、再び、550℃で6時間加熱処理した。この粉
末を、80℃の熱水に24時間浸漬した後、水蒸気吸着
等温線の測定を行った。P/P0=0.10及びP/P
0=0.25での水蒸気吸着量は、それぞれ、0.07
g/g、0.24g/gであった。水蒸気吸着等温線を
図4に示す。
【0127】実施例27 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水72.7g、メタ
ノール25gを混合後、テトラメトキシシラン(TMO
S)1.32gを添加したところ、多孔体−界面活性剤
複合体が析出してきた。室温で8時間攪拌して一晩放置
した後、吸引ろ過・水再分散を2回繰り返した。再び、
吸引ろ過後、45℃で3日間乾燥した。この粉末を、5
50℃で6時間加熱処理して、細孔中の界面活性剤を除
去した。この粉末0.5gを、0.005mol/lの
硝酸第二鉄(Fe(NO33)水溶液20gに、50℃
で20時間浸漬した。ろ過後、再び、550℃で6時間
加熱処理した。この粉末を、80℃の熱水に24時間浸
漬した後、水蒸気吸着等温線の測定を行った。P/P0
=0.10及びP/P0=0.25での水蒸気吸着量
は、それぞれ、0.07g/g、0.25g/gであっ
た。水蒸気吸着等温線を図4に示す。
【0128】実施例28 オクチルトリメチルアンモニウムブロミド3.78g、
1規定水酸化ナトリウム2.28g、水92.7g、メ
タノール5gを混合後、テトラメトキシシラン(TMO
S)1.32gを添加したところ、多孔体−界面活性剤
複合体が析出してきた。室温で8時間攪拌して一晩放置
した後、吸引ろ過・水再分散を2回繰り返した。再び、
吸引ろ過後、45℃で3日間乾燥した。この粉末を、5
50℃で6時間加熱処理した。この粉末0.5gを0.
005mol/lのシュウ酸チタニルアンモニウム水溶
液20gに、50℃で20時間浸漬した。ろ過後、再
び、550℃で6時間加熱処理した。この粉末を、80
℃の熱水に24時間浸漬した後、水蒸気吸着等温線の測
定を行った。P/P0=0.10及びP/P0=0.2
5での水蒸気吸着量は、それぞれ、0.09g/g、
0.21g/gであった。
【0129】実施例29 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水72.7g、メタ
ノール25gを混合後、テトラメトキシシラン(TMO
S)1.32gを添加したところ、多孔体−界面活性剤
複合体が析出してきた。室温で8時間攪拌して一晩放置
した後、吸引ろ過・水再分散を2回繰り返した。再び、
吸引ろ過後、45℃で3日間乾燥した。この粉末を、5
50℃で6時間加熱処理して、細孔中の界面活性剤を除
去した。この粉末0.5gを、0.01規定の酢酸水溶
液20gに、50℃で20時間浸漬した。ろ過後、再
び、550℃で6時間加熱処理した。この粉末を、80
℃の熱水に24時間浸漬した後、水蒸気吸着等温線の測
定を行った。P/P0=0.10及びP/P0=0.2
5での水蒸気吸着量は、それぞれ、0.08g/g、
0.23g/gであった。
【0130】製造方法(5)に対応する実施例群 実施例30 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水71.7g、メタ
ノール25gを混合後、アルミン酸ナトリウム(NaA
lO2、純度78%)0.046gを水1gに溶解して
添加した。次いで、テトラメトキシシラン(TMOS)
1.25g(Si/Alのモル比95/5)を添加した
ところ、多孔体−界面活性剤複合体が析出してきた。室
温で8時間攪拌して一晩放置した後、吸引ろ過・水再分
散を2回繰り返した。再び、吸引ろ過後、45℃で3日
間乾燥した。この粉末を、550℃で6時間加熱処理し
て、細孔中の界面活性剤を除去した。この粉末を、一晩
水に浸漬後、水蒸気吸着等温線の測定を行った。結果は
図5に示すように、P/P0=0.08及びP/P0=
0.18での水蒸気吸着量は、それぞれ、0.07g/
g、0.21g/gであった。また、この粉末を、80
℃の熱水に浸漬し、24時間耐熱水試験を行った。試験
前後のX線回折パターンを図6に示すが、細孔間隔に起
因するピークd100が存在しており、耐熱水試験によ
る細孔の崩壊は見られなかった。
【0131】実施例31 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水70.7g、メタ
ノール25gを混合後、アルミン酸ナトリウム(NaA
lO2、純度78%)0.109gを水2gに溶解して
添加した。次いで、テトラメトキシシラン(TMOS)
1.16g(Si/Alのモル比88/12)を添加し
たところ、多孔体−界面活性剤複合体が析出してきた。
室温で8時間攪拌して一晩放置した後、吸引ろ過・水再
分散を2回繰り返した。再び、吸引ろ過後、45℃で3
日間乾燥した。この粉末を、550℃で6時間加熱処理
して、細孔中の界面活性剤を除去した。この粉末を、8
0℃の熱水に一晩に浸漬した後、水蒸気吸着等温線の測
定を行った。P/P0=0.08及びP/P0=0.1
8での水蒸気吸着量は、それぞれ、0.1g/g、0.
14g/gであった。
【0132】実施例32 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水70.7g、メタ
ノール25gを混合後、アルミン酸ナトリウム(NaA
lO2、純度78%)0.074gを水2gに溶解して
添加した。次いで、テトラメトキシシラン(TMOS)
1.21g(Si/Alのモル比92/8)を添加した
ところ、多孔体−界面活性剤複合体が析出してきた。室
温で8時間攪拌して一晩放置した後、吸引ろ過・水再分
散を2回繰り返した。再び、吸引ろ過後、45℃で3日
間乾燥した。この粉末を、550℃で6時間加熱処理し
て、細孔中の界面活性剤を除去した。この粉末を、一晩
水に浸漬した後、水蒸気吸着等温線の測定を行った。P
/P0=0.08及びP/P0=0.18での水蒸気吸
着量は、それぞれ、0.06g/g、0.18g/gで
あった。また、この粉末を、80℃の熱水に浸漬し、2
4時間耐熱水試験を行った。試験後のX線回折パターン
には、細孔間隔に起因するピークd100が存在してお
り、熱水試験による細孔の崩壊は見られなかった。
【0133】実施例33 デシルトリメチルアンモニウムブロミド1.54g、1
規定水酸化ナトリウム2.28g、水71.7g、メタ
ノール25gを混合後、アルミン酸ナトリウム(NaA
lO2、純度78%)0.018gを水1gに溶解して
添加した。次いで、テトラメトキシシラン(TMOS)
1.29g(Si/Alのモル比98/2)を添加した
ところ、多孔体−界面活性剤複合体が析出してきた。室
温で8時間攪拌して一晩放置した後、吸引ろ過・水再分
散を2回繰り返した。再び、吸引ろ過後、45℃で3日
間乾燥した。この粉末を、550℃で6時間加熱処理し
て、細孔中の界面活性剤を除去した。この粉末を、一晩
水に浸漬した後、水蒸気吸着等温線の測定を行った。P
/P0=0.08及びP/P0=0.18での水蒸気吸
着量は、それぞれ、0.06g/g、0.20g/gで
あった。また、この粉末を、80℃の熱水に浸漬し、2
4時間耐熱水試験を行った。試験後のX線回折パターン
には、細孔間隔に起因するピークd100が存在してお
り、熱水試験による細孔の崩壊は見られなかった。
【0134】
【発明の効果】請求項1及び2、ならびに請求項9〜1
8に係る発明によれば、低水蒸気圧下において高い水蒸
気吸着能を備える、多孔体が提供される。請求項3〜8
に係る発明によれば、高い水蒸気吸着能を備える、多孔
体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例25で得られた多孔体と比較例17で得
られた多孔体のそれぞれの水蒸気吸着等温線を示す図で
ある。
【図2】実施例25で得られた多孔体を80℃の熱水に
浸漬する前後のX線回折パターンを示す図である。
【図3】比較例17で得られた多孔体を、80℃の熱水
に浸漬する前後のX線回折パターンを示す図である。
【図4】実施例26で得られた多孔体と実施例27で得
られた多孔体の水蒸気吸着等温線を示す図である。
【図5】実施例30で得られた多孔体の水蒸気吸着等温
線を示す図である。
【図6】実施例30により得られた多孔体の80℃の熱
水に浸漬する前後のX線回折パターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 39/00 C01B 39/00 39/02 39/02 (72)発明者 佐々木 有理 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 中村 忠司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 堀井 満正 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福嶋 喜章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 英明 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4D052 AA10 CA08 HA03 4G066 AA30A AA61B AB18A AB21A BA36 CA43 DA01 FA03 FA21 FA22 FA37 4G073 BA57 BB58 BD11 BD21 CE01 FA15 FB26 FB42 FD01 FE04 GA13 GA19 UA06

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】骨格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等
    温線において、相対蒸気圧が10%で0.1g/g以
    下、28%で0.2g/g以上の水蒸気吸着能を有す
    る、多孔体。
  2. 【請求項2】界面活性剤の存在下、製造する多孔体の骨
    格原料の溶液中における濃度が0.4mol/l以下、
    界面活性剤/骨格原料のモル比が0.05以上50以下
    である溶液中で、骨格原料を縮合させて縮合物を得る工
    程と、 該縮合物から界面活性剤を除去する工程、とを備える、
    多孔体の製造方法。
  3. 【請求項3】骨格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等
    温線において、相対蒸気圧が10%で0.1g/g以
    下、28%で0.25g/g以上の水蒸気吸着能を有す
    る、多孔体。
  4. 【請求項4】骨格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等
    温線において、相対蒸気圧が20%で0.1g/g以
    下、35%で0.35g/g以上の水蒸気吸着能を有す
    る、多孔体。
  5. 【請求項5】骨格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等
    温線において、相対蒸気圧が25%で0.1g/g以
    下、40%で0.4g/g以上の水蒸気吸着能を有す
    る、多孔体。
  6. 【請求項6】骨格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等
    温線において、相対蒸気圧が30%で0.1g/g以
    下、50%で0.48g/g以上の水蒸気吸着能を有す
    る、多孔体。
  7. 【請求項7】骨格を有する多孔体であり、水蒸気吸着等
    温線において、相対蒸気圧が40%で0.15g/g以
    下、60%で0.60g/g以上の水蒸気吸着能を有す
    る、多孔体。
  8. 【請求項8】pH10以上の水性溶媒下、界面活性剤と
    製造する多孔体の骨格原料とを混合して混合液を調製す
    る工程と、この混合液に酸を添加して混合液のpHを9
    以上とする工程と、酸添加後の混合液から分離した固形
    分から界面活性剤を除去する工程、とを備える、多孔体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸着
    等温線において、相対蒸気圧が10%以上28%以下の
    範囲のいずれか2点における水蒸気吸着量の差が、0.
    16g/g以上である、多孔体。
  10. 【請求項10】前記水蒸気吸着量の差が、0.18g/
    g以上である、請求項9記載の多孔体。
  11. 【請求項11】骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸
    着等温線において、相対蒸気圧が10%で0.1g/g
    以下、25%で0.2g/g以上の水蒸気吸着能を有す
    る、多孔体。
  12. 【請求項12】骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸
    着等温線において、相対蒸気圧が10%以上25%以下
    の範囲のいずれか2点における水蒸気吸着能の差が0.
    12g/g以上である、多孔体。
  13. 【請求項13】製造しようとする多孔体の骨格原料の溶
    液中における濃度が0.4mol/l以下、界面活性剤
    /骨格原料のモル比が0.07以上25以下である溶液
    中で、前記骨格原料を縮合させる工程と、 縮合物から界面活性剤を除去する工程と、 縮合物を、酸又は3価以上の金属イオンと酸との塩の溶
    液に接触させる工程、とを備える多孔体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記3価以上の金属イオンは、Fe3+
    ある、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸
    着等温線において、相対蒸気圧が8%で0.1g/g以
    下、18%で0.18g/g以上である、多孔体。
  16. 【請求項16】骨格を有する多孔体であって、水蒸気吸
    着等温線において、相対蒸気圧が8%以上18%以下の
    範囲のいずれか2点における水蒸気吸着量の差が0.1
    2g/g以上である、多孔体。
  17. 【請求項17】製造しようとする多孔体の骨格原料の溶
    液中における濃度が0.4mol/l以下、界面活性剤
    /骨格原料のモル比が0.07以上25以下である溶液
    中で、前記骨格原料を縮合させる工程と、 縮合物から界面活性剤を除去する工程、とを備え、前記
    骨格原料は、金属元素としてSiとAlとを含む、多孔
    体の製造方法。
  18. 【請求項18】前記骨格原料におけるSiとAlとの合
    計モル数に対するAlのモル数の比は、0.0005〜
    0.2である、請求項17記載の方法。
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