JP2001150105A - 連続鋳造用鋳型及びその製造方法 - Google Patents

連続鋳造用鋳型及びその製造方法

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JP2001150105A JP33669299A JP33669299A JP2001150105A JP 2001150105 A JP2001150105 A JP 2001150105A JP 33669299 A JP33669299 A JP 33669299A JP 33669299 A JP33669299 A JP 33669299A JP 2001150105 A JP2001150105 A JP 2001150105A
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/04Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into open-ended moulds
    • B22D11/059Mould materials or platings

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  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】長寿命で耐熱性や鋳造鋳型下部に多発する腐食
を完全に防止できる新規な連続鋳造用鋳型を提供する。 【解決手段】銅または銅合金からなる鉄鋼連続鋳造鋳型
において、該鋳型の溶鋼接触面の一部または全面に、ニ
ッケルまたはコバルトのいずれか一方または両方とタン
グステンとの合金めっきを被覆し、該めっき被覆に炭化
タングステンを固溶化して含有せしめる。そのために、
ニッケル塩またはコバルト塩の一方または両方とタング
ステン酸塩とを含み、オキシカルボン酸ないしその塩類
の少なくとも一種と、分子内の炭素原子数が二以下の有
機化合物ないしその塩であって、その酸化分解電位がオ
キシカルボン酸ないしその塩よりも卑であるものを少な
くとも一種以上含むめっき液を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鉱炉から転炉を
経た溶鋼が、銅ないし銅合金からなる鋳造鋳型で製鋼さ
れる、いわゆる鉄鋼の連続鋳造鋳型の溶鋼接触面の一部
ないし全面に、高硬度で耐摩耗性に優れるだけでなく、
高耐蝕性を有するニッケルまたはコバルト、あるいはそ
の両方とタングステンとの合金にタングステンの一部が
炭化タングステンとなって固溶化した合金皮膜を有する
連続鋳造用鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から銅または銅合金製の連続鋳造鋳
型をそのまゝ鋳造に利用すると、銅自体が摩耗損傷する
だけでなく、当傷等による損傷も多い。加えて鋳型下部
において、表面凝固した鋳片と接触し、擦られることに
よって、スタークラックと称する表面欠陥を造るという
弊害があった。そこで、銅または銅合金からなる鋳型の
損傷防止による寿命延長と鋳片品質改善の為に、溶鋼と
の接触面に、ニッケルめっきやニッケル−鉄合金めっき
を被覆したり、あるいはニッケル上にニッケル−リンと
クロムめっきとを三層に被覆した鋳型が提案(特公昭5
2−50734号)されて、それなりの効果を上げた
が、鋳造における鋳片の引抜き速度の増加、鋳造に利用
するパウダーの改善、さらには電磁誘導攪拌など鋳造条
件の変化に伴って、鋳型下部での腐食発生トラブルによ
る短命化に加えて鋳造速度の増加による短命化が問題と
なってきた。そして、より長寿命でより耐熱性や耐蝕性
に優れる鋳型被覆材が望まれているのが実情である。
【0003】かような要求に答えるものとして、溶射に
よるニッケル−クロム系自溶性合金を被覆した鋳型(特
公昭60−39453号及び特公昭61−15782
号)が提案されたが、溶射後に皮膜の強度と素材との密
着性を得る為に1,000℃にも及ぶ高熱処理を酸化防
止雰囲気で行うことを必須条件としており、またそれが
為に鋳型銅材に析出硬化型の銅の使用をも不可欠条件と
しているが、銅材質の劣化や変形という問題点は避けて
通れない。加えて溶射膜に付きまとう使用中の剥離・欠
落事故という問題も抱えており、事実上、その適用は面
積の少ないスラブ用鋳型の短辺(狭面)に限定される。
さらにニッケル−クロムという耐食性材料を利用しては
いるものゝ、依然として一部の鋳型では腐食トラブルに
悩まされているという実態がある。
【0004】また、溶射以外の方法としては、過去から
ニッケルやコバルト、ニッケル−リンやコバルト−リ
ン、さらにはニッケル−ホウ素合金等をマトリックスと
して、窒化硼素、硫化モリブデン、炭化ケイ素、アルミ
ナなど潤滑性や高硬度を有する各種のセラミックスを分
散・共析させた、いわゆる複合めっきなども過去から数
多く提案されている。例えば、特公昭58−41933
号、特公昭58−23822号、特公昭58−4193
4号、特公昭58−25534号、特公昭58−419
36号などがそれらの代表例である。しかし、実際問題
としていずれも分散ないし複合めっきと称されるもの
は、分散材とマトリックスの接合が充分でないことに加
えてマトリックスとなる金属との間の電位差によって、
常にマトリックス側が腐食されやすいという傾向にあ
り、通常条件では潤滑性や耐摩耗性に優れていても、実
用に供すと特殊な鋳造雰囲気によって、早期に腐食トラ
ブルを起こして寿命をまっとうできないという大きな難
点がある。
【0005】また、特開昭58−212840号には、
タングステンとニッケルとを合金化したものを被覆した
鋳造用鋳型が提案されているが、これを追試して見ると
極めて短時間の使用で液が分解、変質することが分か
り、これを連続鋳造鋳型に適用する場合には、合金とし
ての品質が安定しないことに加えて、液の分解によっ
て、その都度新らたに液を調合する必要のあることがわ
かり、経済的に見て高価なタングステン塩やニッケル塩
をどんどん廃棄するという大きな無駄があった。さらに
特開平7−310196号記載の方法、炭化ケイ素を分
散させる特公平4−38838号のめっき方法や特公平
3−69995号、さらには特開昭60−135592
号なども多かれ少なかれ、液の安定性という大きな問題
点を抱えていて、事実上連続鋳造用鋳型も含めて実用に
供された例はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、近年の連続
鋳造用鋳型に対するより長寿命で、耐熱性や鋳造鋳型下
部に多発する腐食を完全に防止できるものをという要求
を満足し得る新規な連続鋳造用鋳型を提供しようという
目的で、従来から耐熱性と耐摩耗性を有すると考えられ
ながらも、それを得る為の電気めっき液の不安定性故
に、連続鋳造用鋳型の被覆材料として実用化されたこと
のないタングステン系の合金に着目して鋭意研究を重ね
た結果、液の長期安定性の問題を解決出来るだけでな
く、その付随効果によって、長寿命で高硬度つまり耐傷
性に優れ、良好な耐熱性と鋳造雰囲気での高耐蝕性を実
現出来る連続鋳造鋳型を完成できた。
【0007】
【課題を解決するための手段】タングステンは、一般に
それ単独では、水溶液から電気めっきすることが出来な
いことが知られている。ところが、例えばニッケルのご
とき金属イオンの共存下に電気めっきすると誘導共析現
象によって、この場合には、ニッケルとタングステンと
の合金が得られることも良く知られるところである。ち
なみに、ニッケル−タングステン合金を得る手段とし
て、過去から最も多くの報告例があるのは、ニッケル塩
とタングステン酸塩、それにクエン酸や酒石酸などから
なるめっき液を用いて電気めっきする方法である。そし
て、実際にこれらの液を利用してニッケルとタングステ
ンとの合金をめっきすると、僅か数時聞の通電(めっ
き)で液の分解が起こり、めっきされたニッケル−タン
グステン合金の物性が刻々と変化することが分かり、高
度な耐熱性と耐摩耗性それに耐蝕性を要求される連続鋳
造鋳型の被覆材料としての使用には到底適さないことが
分かったので、まず液の安定化に着手した。
【0008】ここで液が刻々と変化する理由は、ニッケ
ルとタングステンとをキレート化して液中に安定的に維
持する機能を担うオキシカルボン酸ないしその塩類が、
電気めっきの過程で陽極酸化を受け、分解し、複雑な電
気分解生成物を形成し、タングステンやニッケルが液中
で安定に存在できないことにある。つまり、液を安定に
保つキレート剤のオキシカルボン酸ないしその塩類を陽
極酸化させず、如何に安定に保つかが成否のかぎを握る
ことになり、これについては、分子内に二個迄の炭素原
子を含む有機化合物ないしその塩類のある種のもの、例
えばある濃度以上のギ酸を併用するとオキシカルボン酸
ないしその塩類は、液中で安定に保持されるが、自身
は、オキシカルボン酸ないしその塩類よりも電位的に卑
であるので、犠牲的に陽極酸化されて無害な炭酸ガスと
なる(特開平11−229176号)と同時に、ニッケ
ル−タングステン合金の例では条件によっては炭素が一
部皮膜中に取り込まれて炭化物を形成し固溶化すること
を見出だし、鉄鋼連続鋳造用鋳型に適用しても長時間の
電解(めっき)にも耐え得るだけでなく、付随効果とし
て炭化物を含む合金層からなる皮膜をもった被覆材を連
続鋳造鋳型に形成し得ることが可能となった。そして、
本発明の連続鋳造鋳型は、従来からの被覆材料を被覆し
たものと比べると、耐摩耗性・耐熱性・耐蝕性のいずれ
をとってもこれらを凌駕するものであることが分かっ
た。
【0009】つまり、ニッケル塩ないしコバルト塩のい
ずれかあるいは両方とタングステン酸塩とそれにこれら
塩類の金属成分をキレート化して安定に液中に保持する
オキシカルボン酸ないしその塩類、例えばクエン酸、ク
エン酸三ナトリウム、クエン酸二アンモニウム、酒石酸
ないし酒石酸ナトリウム等は、従来から公表されている
既知の液と殆ど変わりがないが、要点は、分子内の炭素
数が二個以下の有機化合物(以後安定剤と称す)であっ
て、その陽極酸化電位が前記オキシカルボン酸ないしそ
の塩類よりも卑なもの、例えばギ酸、ギ酸ニッケル、ギ
酸アンモニウム、ギ酸ナトリウムやいずれギ酸に変化す
るメタノールやホルムアルデヒドやシュウ酸をある濃度
以上で併用することにあり、それによってオキシカルボ
ン酸ないしその塩類を電解(めっき)している液の中で
も安定に保ちつつ、ニッケル−タングステン合金、コバ
ルト−タングステン合金、あるいはニッケル−コバルト
−タングステンの三元合金等の被覆を可能とし、同時に
炭化物を含ませるようにしたことにある。ここに於いて
炭化物は、ニッケルやコバルトとは反応せずタングステ
ンの一部と反応して、炭化タングステンとなり固溶化す
ることが重要で、これが耐摩耗性と熱間硬度を飛躍的に
高めることのできる原因であることを見出した。
【0010】なお、オキシカルボン酸を安定化する為に
必要な安定剤の濃度は、実験の結果0.01モル濃度以
上あれば良いが、タングステン合金に対して積極的に炭
化タングステンを形成させて特性を改良できる効果的な
濃度は、0.1モル濃度以上が必要であり、またその上
限は、3.0モル濃度迄である。しかし安定剤の添加量
が多すぎると皮膜の割れや液の粘度増加などによりピン
ホールなどの皮膜欠陥を生じる原因となる。従って、好
適な安定剤の量としては、0.2〜2.0モル濃度の濃
度範囲である。そしてその結果としてタングステンと反
応する炭素の量は、0.01〜0.15wt%の範囲と
なる。さらに安定剤としては、ギ酸とその塩類が特に好
ましい結果をもたらすことも分かった。
【0011】図1には、硫酸ニッケル0.3モル濃度、
タングステン酸ナトリウム0.3モル濃度、クエン酸二
アンモニウム0.6モル濃度からなるめっき液にギ酸を
0〜3モル濃度まで変化させ、尚且つpHをアンモニア
で調整して、ニッケル−30%タングステン合金をめっ
きした時の皮膜中の炭素分析結果を示したものである。
分析は、燃焼法とESCAとで行ない、これらの比較に
よって炭化物が形成されていることが確認できた。そし
てまた硫酸ニッケルに替えて同一モル濃度の硫酸コバル
トで同様なことを試みても、硫酸ニッケルと硫酸コバル
トをそれぞれ0.15モル濃度づつ等量混合したもので
めっきしても同様な結果となることも分かった。
【0012】一方、タングステンとニッケルあるいはコ
バルト、ないしはその両方を得ることができるとされて
いる既知のめっき液に対して、オキシカルボン酸ないし
その塩類(キレート剤)の必要量を液の安定性から求め
て見ると、これらの金属の合計モル数の0.5倍以上、
望ましくは当倍以上が必要であり、この条件を満たして
いれば、既知のめっき液の全てに対して安定剤は有効に
作用してめっき液の安定性を著しく改善し得るだけでな
く、共析した炭素がタングステンの一部と反応し、炭化
タングステンを固溶化したタングステン合金めっきを被
覆した連続鋳造鋳型を得ることができることを見出し
た。しかしながらタングステンの合金比率が40%を越
すといずれの金属との合金でも脆くて割れ易く、また少
なすぎれば炭化タングステンとタングステンとの相乗効
果が得られない。従って、合金中の効果的なタングステ
ン量は、1〜40wt%の範囲である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の炭化タングステンを含む
ニッケルまたはコバルトとタングステンの合金あるいは
ニッケルとコバルトとタングステンとの三元合金を被覆
する液の安定性と銅に被覆した皮膜性能を実施例を交え
ながら逐次説明する。
【0014】(実施例1)硫酸ニッケル0.2モル濃
度、タングステン酸ナトリウム0.2モル濃度、クエン
酸三ナトリウム0.4モル濃度、ギ酸ナトリウム0.5
モル濃度のニッケル−タングステン合金めっき液を調合
し、アンモニア水でpH6.5に合わせた液をA液と
し、A液に対してギ酸ナトリウムを含まない液をB液と
して100mm幅×100mm長さ×10mm厚のクロ
ムジルコニウム銅材の片側面に対してそれぞれニッケ
ル、タングステン、ステンレスの三極を対極として70
℃、10A/dm2 で20時間電解した。得られたニッ
ケル−タングステン合金のめっき厚はそれぞれ1mmで
あったが、B液から得たものは、表面にザラツキが見ら
れるのに対してA液からのものは半光沢で平滑な表面で
あった。なおA液は、20時間電解を継続しても最後迄
元々の色調を保持していたが、B液の場合には、2時間
を経過した時点で液に濁りが発生し始め、8時間後に
は、完全に沈殿を形成した。
【0015】A,B液から作製した試料をそれぞれ検体
A,Bとし、これらの検体に対して硬度と加熱時の変化
や耐摩耗性を連続鋳造鋳型に利用されている他の代表的
な皮膜と対比すると図2及び図3のようになる。図中、
1はニッケルめっき、2はニッケル−7%鉄めっき、3
はニッケル−クロム溶射、4はB液からのニッケル−3
0%タングステン合金めっき(検体B)、5はA液から
のニッケル−30%タングステン合金めっき(検体A)
の特性である。図2において、黒く塗りつぶしてある記
号1a,2a,4a,5aは熱間硬度、白く描いた記号
1,2,4,5は1時間の熱履歴後の硬度を示す。
【0016】図2及び図3から明らかなように、安定剤
としてのギ酸塩を適量用いたニッケル−タングステン合
金(検体A)は、極めて優れた性質を示す。これはギ酸
塩がクエン酸塩を安定化すると同時に、付随して自身の
分解過程でタングステンとの炭化物を形成した効果と見
られ、ちなみにEPMAで検体A,Bのタングステン量
を定量するとそれぞれ31.1wt%及び30.5wt
%であり、タングステン量には顕著の差異はない。ま
た、炭化物の有無をESCAで分析すると、検体Aでは
0.048wt%の結合炭素が検出され、一方、検体B
からは汚染性の炭素しか検出されなかった。また、検体
のめっき前後での液中のクエン酸塩の量をイオンクロマ
トグラフで求めて見ると、A液では0.21モル濃度か
ら0.20モル濃度、B液では、0.22モル濃度から
0.12モル濃度へと変化していた。
【0017】(実施例2)表1には、ニッケル塩、コバ
ルト塩、タングステン酸塩、クエン酸塩と安定剤とを適
宜組み合わせためっき液を調合し、実施例1と同様にク
ロムジルコニウム銅材に、0.5mmを目標として、炭
化タングステンを固溶化したタングステン合金を被覆し
た例を示してある。いずれも高硬度と高耐摩耗性を示し
ている。表1において、テーバー法による磨耗体積は、
付与荷重1Kg、摩耗輪H−10の条件下に1,000
回転毎の摩耗体積を求めてあり、表中の数値は、5回の
平均値である。
【表1】
【0018】(実施例3)実際の連続鋳造雰囲気での皮
膜の耐腐食性を見る為に、30mm幅×50mm長さ×
15mm厚の無酸素銅板の全面に、現在連続鋳造鋳型と
して常用されているa.ニッケル、b.ニッケル−7%
鉄合金めっき、c.ニッケル−クロム溶射、d.表1の
No.1液から作製した皮膜、e.表1のNo.2液か
ら作製した皮膜、さらにf.表1のNo.1液からギ酸
アンモニウムを除いた液から作製した皮膜を0.8mm
厚に被覆した試料を連続鋳造鋳型の下部に取り付けて、
長期間に及ぶ耐腐食性を観察した。暴露期間は、300
チャージとし、暴露試験前後での外観変化と重量減少量
で評価した。結果を表2に示したが、本発明の連続鋳造
鋳型の被覆材料の耐蝕性は、実際の連続鋳造環境に曝し
ても高度な耐腐食性を示す。
【表2】
【0019】以上の実施例の如く、炭化タングステンを
含有するタングステン合金は、従来から公表されている
各種のタングステン合金と比べて、実際の到達温度での
硬度(熱間硬度)に優れ、耐摩耗性や耐腐食性に優れる
ものであった。これを実際のスラブ用鋳型の短辺に適用
して見ると、短辺で最も耐久性のあるニッケル−クロム
溶射被覆鋳型が平均3,000チャージであるのに対し
て、それと同一被覆厚の炭化タングステン含有ニッケル
−30%タングステン合金めっき被覆鋳型の場合には、
6,000チャージを超えて現在も継続使用中である。
一方別な連続鋳造機の短辺鋳型に適用すると僅か600
チャージでヒートクラックを生ずる事例も発生し、生じ
たクラックを介して鋳造鋳型の銅材を腐食させて寿命と
なってしまったが、これは本発明の炭化タングステン含
有タングステン合金の数少ない難点である伸びが低いと
いうことに原因があり、その対策として当該タングステ
ン合金と素材の銅または銅合金の中間に銅よりも耐蝕性
に優れ、伸びの高いニッケルや、伸びはそれ程でもない
が引張強度の高いニッケル−鉄合金を被覆すれば良いこ
とを見出した。図4のa〜dは、本発明の被覆材適用例
を示したものである。図中、6は鋳型本体を構成する銅
ないし銅合金であり、7は鋳型の内面下部を被覆する炭
化タングステン含有タングステン合金、8はそのアンダ
ーコートとしてのニッケルないしニッケル−鉄合金であ
る。
【0020】
【発明の効果】以上の如く、ニッケル塩ないしコバルト
塩あるいはその両方とタングステン酸塩及びオキシカル
ボン酸ないしその塩をベースとしためっき液にギ酸、ギ
酸塩、ホルムアルデヒド、メタノール、シュウ酸、シュ
ウ酸塩などオキシカルボン酸ないしオキシカルボン酸塩
よりも電位的に碑であって、尚且つ分子内に炭素原子数
が二個以内の物質を併用することにより、オキシカルボ
ン酸ないしその塩類を液中に安定に保持し得ると同時に
タングステンの一部を炭化物とすることができるので、
これを被覆材とした鉄鋼連続鋳造用鋳型は、従来にない
高温硬度、耐腐食性、耐摩耗性に優れたものとなり、液
の更新を殆ど皆無とできるので極めて経済的であり、ま
た、電気化学的に形成しているので、溶射被覆鋳型の如
く、製作途中での高温被熱による銅材の損傷や使用中の
剥離事故もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造用鋳型の内面被覆に含まれる
炭素含有量とめっき液中のギ酸添加量の関係を示す図で
ある。
【図2】本発明の連続鋳造用鋳型の内面被覆と他の各種
皮膜について加熱温度とビッカース硬度の関係を示す図
である。
【図3】本発明の連続鋳造用鋳型の内面被覆と他の各種
皮膜について加熱温度と摩耗体積の関係を示す図であ
る。
【図4】本発明の連続鋳造用鋳型の内面被覆の適用例を
示す断面図である。
【符号の説明】
6 銅ないし銅合金 7 炭化タングステン含有タングステン合金 8 ニッケルないしニッケル鉄合金

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金からなる鉄鋼連続鋳造
    鋳型において、該鋳型の溶鋼接触面の一部または全面
    に、ニッケルまたはコバルトのいずれか一方または両方
    とタングステンとの合金めっきを被覆し、該めっき被覆
    に炭化タングステンを固溶化せしめたことを特徴とする
    連続鋳造用鋳型。
  2. 【請求項2】 被覆された合金は、ニッケルとの合金
    成分であるコバルトの量を0〜60重量%の範囲とし、
    タングステンの量を1〜40重量%の範囲として、被覆
    した皮膜の厚みが0.10〜2.00mmの範囲にある
    ことを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用鋳型。
  3. 【請求項3】 前記合金めっき被覆と銅または銅合金
    製鋳型本体との間に、ニッケルまたはニッケル−鉄合金
    を被覆したことを特徴とする請求項1または2のいずれ
    かに記載の連続鋳造用鋳型。
  4. 【請求項4】 銅または銅合金からなる鉄鋼連続鋳造
    鋳型の溶鋼接触面の一部または全面に、ニッケルまたは
    コバルトのいずれか一方または両方とタングステンとの
    合金めっきを被覆し、該めっき被覆に炭化タングステン
    を固溶化せしめた連続鋳造用鋳型を製造する方法であっ
    て、該鋳型の溶鋼接触面の一部または全面に、ニッケル
    塩またはコバルト塩の一方または両方とタングステン酸
    塩とを含み、尚且つオキシカルボン酸ないしその塩類の
    少なくとも一種と、分子内の炭素原子数が二以下の有機
    化合物ないしその塩であって、その酸化分解電位がオキ
    シカルボン酸ないしその塩よりも卑であるものを少なく
    とも一種以上含むめっき液から電気めっきすることを特
    徴とする連続鋳造用鋳型の製造方法。
  5. 【請求項5】 オキシカルボン酸は、クエン酸や酒石
    酸、そのアンモニウム塩やナトリウム塩、カリウム塩で
    あり、オキシカルボン酸よりも電位的に卑であって、分
    子内の炭素原子数が二以下の有機化合物ないしその塩類
    は、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸、ギ酸アンモ
    ニウム、ギ酸ニッケル、ギ酸ナトリウム、シュウ酸、シ
    ュウ酸アンモニウム、シュウ酸カリウムなどから選ばれ
    たもので構成されることを特徴とする請求項4記載の連
    続鋳造用鋳型の製造方法。
  6. 【請求項6】 電気めっき液中に含まれるニッケルや
    コバルトそれにタングステンを合計したモル濃度の0.
    5倍以上のモル濃度のオキシカルボン酸ないしその塩類
    を含み、分子内の炭素原子数が二以下の有機化合物ない
    しその塩類を0.1〜3.0モル濃度で添加した電気め
    っき液を用いることを特徴とする請求項4または5のい
    ずれかに記載の連続鋳造用鋳型の製造方法。
JP11336692A 1999-11-26 1999-11-26 連続鋳造用鋳型及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3061186B1 (ja)

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