JPH0735259B2 - ガラス成形用金型 - Google Patents

ガラス成形用金型

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JPH0735259B2
JPH0735259B2 JP24194686A JP24194686A JPH0735259B2 JP H0735259 B2 JPH0735259 B2 JP H0735259B2 JP 24194686 A JP24194686 A JP 24194686A JP 24194686 A JP24194686 A JP 24194686A JP H0735259 B2 JPH0735259 B2 JP H0735259B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B40/00Preventing adhesion between glass and glass or between glass and the means used to shape it, hold it or support it
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B9/00Blowing glass; Production of hollow glass articles
    • C03B9/30Details of blowing glass; Use of materials for the moulds
    • C03B9/48Use of materials for the moulds

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ガラス成形用金型に関するもので、特に溶融
ガラス(ゴブ)よりパリソンを成形するのに用いる粗型
及び口型に関するものである。
(従来の技術) ガラス成形工程では金型(粗型及び口型)に高温に溶融
したガラス塊が投入される。この時金型との摩擦抵抗に
よりガラス塊が金型内に流動していかなかったりしわが
発生したりする。これを防止するために、又パリソンに
成形された後にガラスと金型との離型を良くする目的で
金型内面に黒鉛を混ぜたオイル(スワビング・コンパウ
ンド)を数10分間隔で塗布している。金型が通常500℃
前後と高温であるためオイルの油煙の発生を伴ない作業
環境上好ましくない。また余剰に塗布された黒鉛がピン
表面に付着し製品汚れの原因となり、製品の歩留りを低
下させるといったような問題がある。これらのことを解
消する目的でスワビングコンパウンドに替る各種の潤滑
離型剤を用いることが提案されており、例えば特開昭51
-127111号公報には、黒鉛又は黒鉛と窒化ホウ素の混合
物5〜30重量%、重リン酸アルミニウム、第一リン酸ア
ルミニウム及び重リン酸マグネシウムから成る群から選
ばれた少なくとも1種5〜30重量%及び酸水溶液40〜90
重量%より成るガラス容器製造装置における潤滑離型剤
が記載されている。
また、金型内面に潤滑離型性を付与するため、合金等を
被覆した金型が提案されており、例えば特開昭49-10207
号公報には、金型の内面にリンを3乃至13重量%含有す
るニッケル皮膜を無電解メッキにより5乃至300μの厚
さに施してなるガラス製品成形用金型が記載されてい
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前者の潤滑離型剤は、未だ耐熱性、耐摩
耗性に乏しく、その寿命は1〜3日程度である。また、
後者の合金被覆法は形成される被膜の耐久性には優れて
いるとしても、潤滑性に著しく劣ることが問題である。
ガラス成形用金型の内表面に、潤滑性、耐熱性、離型
性、耐摩耗性に優れた被膜を形成することができれば、
金型内面に油性の潤滑離型剤を塗布する作業を省略で
き、且つ作業環境の上でも、得られるガラス成形品の外
観のでも多くの利点が達成されることが明らかである。
(問題を解決するための手段) 本発明者等は、ガラス金型内表面に、ニッケル又はニッ
ケルを主体とするニッケル基合金をマトリックスとして
黒鉛粒子を分散させた被膜を被覆することにより、金型
表面に潤滑性、耐熱性、離型性及び耐摩耗性の組合せを
付与することができ、油性の潤滑離型剤塗布が不要とな
ることを見出した。
(作用) 本発明は、ニッケル又はニッケルを主体とするニッケル
基合金をマトリックスとし、黒鉛粒子を分散相とした被
膜は、ガラスの成形に際し、最も優れた潤滑性、耐熱
性、離型性及び耐摩耗性の組合せを示すという知見に基
づくものである。
本発明のガラス成形用金型及びその被膜断面構造を示す
第1図及び第2図において、金型基体1の内表面には、
被膜2が設けられる。この被膜2は、上述した通り、ニ
ッケル又はニッケル基合金から成るマトリックス3とこ
のマトリックス中に分散した黒鉛粒子4とから成ってい
る。被膜2の表面5には黒鉛粒子4が露出していること
が理解されるべきである。
固体潤滑剤としては、黒鉛、雲母、タルク、セッケン
石、亜鉛華、二硫化モリブデン、チッ化ホウ素等が知ら
れているが、潤滑性と耐熱性の組合せからは、黒鉛が最
も優れており、これが固体潤滑剤の分散相として黒鉛を
用いる理由である。
本発明において、黒鉛粒子を被膜の形で金型表面に結合
させるためのマトリックス、即ち結合剤として、ニッケ
ル又はニッケル基合金を用いる。従来の潤滑離型剤が耐
熱性、耐摩耗性に欠ける理由は、用いられる結着剤成分
が緻密さ及び硬さ等に欠け、ガラス成形条件下で容易に
その損耗を生じることに原因があると思われるが、本発
明においては、緻密さ、硬さ、耐熱性及び耐食性に優れ
たニッケル又はニッケル合金をマトリックスとしたこと
により、被膜自体の耐摩耗性及び耐熱性が顕著に向上す
る。また、黒鉛は450℃以上の温度では、大気中の酸素
により酸化され、これが従来の潤滑離型剤の耐熱性、耐
摩耗性が十分でない他の理由であるが、本発明の被膜で
は、黒鉛粒子の刺囲が緻密で且つ酸素に対するバリヤー
性に優れているニッケル又はニッケル合金で覆われてい
るため、耐熱性及び耐摩耗性の著しい向上が得られるも
のと思われる。
本発明において、ニッケル又はニッケル合金をマトリッ
クスとし、黒鉛粒子を分散相とした被膜は、後に詳述す
る通り、分散メッキ法により形成することができる。
(構成の説明) 本発明の被膜においては、全体当り黒鉛が5乃至70重量
%、好ましくは10乃至65重量%、更に好ましくは20乃至
60重量%の量で存在するのがよい。黒鉛の量が上記範囲
より少ないと、被膜の潤滑性能が低下し、また上記範囲
よりも多いと、被膜が脆くなり、耐摩耗性が低下するこ
とになる。
黒鉛としては、各種の天然黒鉛、人造黒鉛等を使用し得
るが、一般には粒径が0.3乃至90μmの天然黒鉛を用い
るのが好ましい。即ち、粒径が上記範囲よりも微細なも
のでは、該粒子そのものの凝集傾向が大であるため、ニ
ッケル又はニッケル基合金中に均一に分散させることが
困難となりやすい。また、粒径が上記範囲よりも大きい
と、被膜の金型への密着性が低下し、被膜自体も脆くな
る傾向がある。最も好適な黒鉛粒径は、被膜形成手段に
よっても相違し、分散メッキ法を用いる場合には、0.3
〜20μmの範囲が、溶射法の場合には30〜90μmの範囲
が望ましい。
マトリックスとしては、ニッケルそのものを用いること
もでき、またニッケルを主体とするニッケル基合金を用
いることもできる。ニッケル基合金としては、ニッケル
と、P,B,Co,Mo,Cr,W,Feの合金元素の少なくとも1種と
から成る合金が挙げられる。これらの合金元素は、合金
当り0乃至40重量%、特に2乃至30重量%の量で存在す
ることができる。好適なニッケル基合金としては、ニッ
ケル:リンの原子比が97:3乃至80:20(重量基準)の範
囲内にあるニッケル‐リン合金を挙げることができる。
このニッケル‐リン合金は、耐摩耗性に特に優れてい
る。
本発明は、溶融ガラス(ゴブ)よりパリソンを成形する
のに用いる粗型及び口型に有利に適用できるが、パリソ
ンから容器等の成形品を製造するに用いる仕上げ型にも
勿論適用することができる。
上述した金型に、被膜を形成するのには、分散メッキ法
が有利に用いられる。分散メッキに先立って、金型内表
面を通常の方法、例えば、アルカリ脱脂、酸洗、エメリ
ー研磨、ショットブラスト等により予じめ清浄にしてお
く。分散メッキ浴、即ちニッケル塩中に黒鉛を分散させ
た浴を用意し、このメッキ浴に、金型を陰極とし、ニッ
ケルを陽極として対面するように浸漬して、通電し、ニ
ッケルと共に黒鉛を被膜として析出させる。
この場合、黒鉛は分散メッキを行い難い材料であること
から、次のような配慮が一般に必要となる。黒鉛粒子を
メッキ浴中に分散させるためにメッキ浴中に界面活性剤
を添加してその分散を助長することがよい。また、共析
膜中における黒鉛分を多くするために、陽極に対して金
型の被覆すべき面を下側とし、黒鉛粒子の沈降を共析に
利用する。金型キャビティ内に均一なメッキ(共析)を
可能とするために、陽極を中心にして、金型を往復回転
(揺動)させ、キャビティのどの面にも黒鉛粒子の沈降
を生じるようにする。浴中に黒鉛粒子を分散させ、これ
を保持するために液の撹拌が必要であるが、液の流れが
あると黒鉛粒子の析出が生じにくくなることから、撹拌
のオン及びオフ操作を反復して行うのが有効である。更
に、黒鉛粒子の沈降による析出とメッキ金属粒子の成長
とがバランス良く生じることが必要であり、もし、黒鉛
粒子の沈降が厚い層の形で生じると緻密な被膜の形成が
困難となるから、一定時間間隔毎に堆積黒鉛粒子層を再
分散させるのがよい。この操作は、前述した撹拌のオン
操作により行われる。
メッキ基本浴としては、ワット浴、スルファミン酸浴、
塩化物浴等公知の浴が何れも使用できる。この場合、メ
ッキ浴中に亜リン酸等を添加する等、Ni-P合金形成浴を
使用すると、メッキ被膜の耐摩耗性が飛躍的に増大す
る。
尚、一般にNi-P合金メッキ皮膜の形成は、次亜リン酸塩
を用いる無電解メッキで行われるが、黒鉛を共析させる
分散メッキでは、界面活性剤を分散剤として使用しなけ
ればならないことから、無電解メッキによる皮膜形成は
困難である。
本発明において、メッキ皮膜中の黒鉛量の制御は、浴中
に添加する黒鉛量を調節することにより、また撹拌のオ
ン・オフの間隔、電流密度及び浴pHを調節することによ
り行い得る。
本発明のガラス成形用金型におけるニッケル‐黒鉛被膜
は、被膜の潤滑性及び耐摩耗性の点から0.1以上、特に
0.2以上の平滑度定数を有することが特に望ましい。
平滑度定数は、その測定法を説明するための第3図にお
いて、表面粗さ測定でのプロファイル(触針法)で、基
準長さLとし、断面曲線の山の部分の平滑部の長さをA
とし、基準長さ当りのAの合計量(長さ)をΣAとすれ
で表わされる。
ここでAは、下記の測定条件で得られたプロファイルの
うち、断面曲線の山の部分の平滑部分のことで、断面曲
線の平均線に対し+15度又は−15度以内の角度を有す
る部分で、かつその部分の長さが10μm以上あるものを
いう(※JIS B0601参照)。
測定条件 触針先端半径 5μm 走査速度 0.03mm/s 走査距離(基準長さ) 0.8mm チャート目盛の倍率 たて方向×1000 (チャート目盛10mmが10μmとなる) 長さ方向×200 (チャート目盛10mmが50μmとなる) 測定数:一つの試料につき場所を変え10回測定を行い、
それぞれ求めた平滑度定数を平均してその試料の平滑度
定数とする。
分散メッキ法によって形成されたニッケル‐黒鉛被膜
は、そのままではニッケル金属粒子の成長が面に対して
垂直方向に主として生じるため、表面に鋭利な凸部が形
成され、潤滑性及び耐摩耗性が劣る傾向がある。本明細
書で規定した平滑度定数は上記表面凸部がどの位平滑化
されているかを示すものである。この平滑化は、分散メ
ッキにより形成されたニッケル‐黒鉛被膜をバニシング
加工に賦することにより達成される。即ち、バニシング
加工では被膜表面の前記凸部が押しつぶされて平滑化さ
れるものである。普通に用いられるエメリー研摩では、
このような作用は期待されず、平滑度定数は0.1よりも
低い。この理由は、被膜中の黒鉛が柔かく、脆いためと
思われる。バニシング処理はガラスビード、鋼ビード等
を用いて行うことができる。
本発明のニッケル‐黒鉛被膜の形成は、上に説明した分
散メッキ法に限定されず、溶射法によっても行うことが
できる。溶射は、大気中、不活性雰囲気或いは真空中で
行うことができるが、大気中で行う場合には、グラファ
イトの燃焼が生じないように、黒鉛粒子の周囲がニッケ
ルで被覆されたものを使用して行うことが望ましい。ま
た、この被膜形成は、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング等のそれ自体公知の他の手段でも行い
得る。
本発明において、金型内面に形成するニッケル‐黒鉛メ
ッキ被膜の厚みは、一般に10乃至600μmの範囲内にあ
るのがよい。即ち、10μmよりも低い場合には、被膜の
耐久寿命の点で好ましくなく、また600μmよりも厚く
することは、被膜形成の点で困難があると共に、経散的
にも格別の利が得られない。分散メッキ法では100μm
以下の膜厚とするのが有利であり、溶射法では30〜600
μmの比較的広い範囲の膜厚とすることができる。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 実施例金型1 金型をトリクレン脱脂し、次に水酸化ナトリウム50g/
、界面活性剤15g/の電解脱脂液中にて50℃で陰極電
流密度10A/dm2で1分間電解脱脂を行い、水洗後5%硫
酸水溶液中に室温で20秒間浸せきさせ酸洗を行った。更
に水洗した後次のような浴組成及び黒鉛濃度からなるメ
ッキ浴中でニッケルを陽極として電流密度1A/dm2で金型
内表面に90分間メッキを行った。なおこの時の浴pHは4.
0で浴温度は45℃で行った。
この様にして本発明による金型を得た。なおこの被膜の
組成はニッケル67重量%、黒鉛33重量%であり、被膜の
厚みは80μmである。又平滑度定数は0.07である。
実施例金型2 金型を実施例金型1と同様に前処理を行い、次に示すよ
うな浴組成及び黒鉛濃度からなるメッキ浴中でニッケル
を陽極として電流密度3A/dm2で金型内表面に30分間メッ
キを行った。この時の浴pHは1.4、浴温は60℃で行っ
た。
この被膜の組成はニッケル72重量%、黒鉛28重量%であ
り、厚みは40μmであった。又平滑度定数は0.09であっ
た。
実施例金型3〜7 実施例金型3 金型をトリクレン脱脂し、次に内表面を600のエメリ
ーで磨き清浄にした後次に示すような浴組成及び黒鉛
(平均粒径3μm)濃度からなるメッキ浴中でニッケル
を陽極として電流密度1A/dm2で金型内表面に120分間メ
ッキを行った。この時の浴pHは2.5浴温は55℃で行っ
た。この被膜の組成はニッケル86重量%、リン8重量
%、黒鉛6重量%である。
メッキ後水洗、乾燥を行い、メッキ面を1200のエメリ
ーでメッキ厚みが50μmになるように研磨した。又この
被膜の平滑度定数は0.08であった。
実施例金型4は黒鉛濃度8g/(平均粒径3μm)、メ
ッキ時間120分で 実施例金型5は黒鉛濃度10g/(平均粒径3μm)、メ
ッキ時間100分で 実施例金型6は黒鉛濃度15g/(平均粒径3μm)、メ
ッキ時間90分で 実施例金型7は黒鉛濃度20g/(平均粒径3μm)、メ
ッキ時間80分 で行い、他は全て実施例金型3と同じ条件で行った。こ
れらの金型の被膜組成、厚み、平滑度定数はそれぞれ次
の通りである。
実施例金型4、ニッケル78重量%、リン8重量%、黒鉛
14重量%、厚み50μm、平滑度定数0.09 実施例金型5、ニッケル71重量%、リン7重量%、黒鉛
22重量%、厚み50μm、平滑度定数0.09 実施例金型6、ニッケル58重量%、リン6重量%、黒鉛
36重量%、厚み50μm、平滑度定数0.09 実施例金型7、ニッケル44重量%、リン5重量%、黒鉛
51重量%、厚み50μm、平滑度定数0.09 実施例金型8 実施例金型4と同じ条件でメッキ及びエメリー研磨を行
った後半径5mmのガラス球で平滑度定数が0.24になるよ
うにバニシングを行った。なお被膜組成及び厚みは実施
例金型4と同じである。
実施例金型9 実施例金型5と同じ条件でメッキ及びエメリー研磨を行
った後、半径5mmのガラス球で平滑度定数が0.27になる
ようにバニシングを行った。被膜組成及び厚みは実施例
金型5と同じである。
実施例金型10〜13 実施例金型6と同じ条件でメッキ及びエメリー研磨を行
った後、半径5mmの鋼球でバニシングを行い、それぞれ
平滑度定数0.12(実施例金型10)、0.21(実施例金型1
1)、0.47(実施例金型12)、0.90(実施例金型13)を
得た。被膜組成は実施例金型6と同じであり、厚みはそ
れぞれ50μm、50μm、45μm、35μmであった。
実施例金型14 金型をショットブラストにより清浄にした後、パウダー
フレーム溶射法により金型内表面にニッケル中に黒鉛を
分散した被膜を被覆した。この時用いたパウダーの組成
はニッケル75重量%、黒鉛25重量%であり、黒鉛の粒径
は30〜90μmであった。
以上実施例金型1〜14の内表面に被覆した被膜の組成、
膜厚、平滑度定数を表1に示した。
比較例 比較例金型1 鋳鉄よりなる金型(粗型及び口型)に油性の潤滑離型剤
(スワビングコンパウンド)を塗布した。
比較例金型2 金型内表面に通常行われている無電解メッキ法によりニ
ッケル‐リンのメッキ被膜を被覆した。この組成はニッ
ケル90重量%、リン10重量%であり、厚みは35μmであ
った。
比較例金型3 比較例金型2に油性の潤滑離型剤を塗布した。
比較例金型4 金型内表面に固体潤滑剤(黒鉛又は黒鉛と窒化硼素)20
重量%、結合剤(重リン酸アルミニウム)20重量%、酸
性水溶液60重量%からなる潤滑離型剤をスプレーにより
塗布した。この時の被膜厚みは乾燥状態で50μmであっ
た。
以上本発明による金型(粗型及び口型)1〜14と比較例
として4種類の金型計16種類について次のような評価を
行った。
試験(1).金型内表面に被覆した被膜の潤滑性を比較
するために金型にゴブを投入し、ゴブの金型内への流動
状態を評価した。
試験(2).被膜の耐熱性(耐熱劣化性)及び潤滑性を
比較するために金型を500℃で3日間保持した後にこの
金型にゴブを投入し、ゴブの金型内への流動状態を評価
した。
試験(3).金型にゴブを投入してパリソンを成形し、
被膜の耐久性をゴブのショット数で比較した。同時に離
型性やシワ、スジの発生状態等パリソンの表面状態を観
察し評価した。
評価結果 評価結果を表2に示した。この結果から明らかなように
本発明による金型(実施例金型1〜14)は 比較例金型1のように油性の潤滑離型剤に比し著しく
耐熱性、耐久性が優れている。
比較例金型4のような黒鉛と無機バインダーからなる
固体の潤滑離型剤と比べても耐熱性に優れ、耐久性も約
1.7〜4倍となる。
被膜表面の平滑度定数を0.1以上にすることにより被
膜の潤滑性が向上し、ゴブの金型内への流動が更に良く
なる。
又比較例金型1〜4の結果から、 比較例金型2のようにニッケルとリンのみからなる被
膜を被覆した金型では試験(1)の結果から明らかなよ
うにゴブの金型内への流動性が悪く、粗型や口型への使
用は不適である。
比較例金型1,3及び4のように油性の潤滑離型剤又は
固体潤滑剤と結合剤及び酸性水溶液からなる潤滑離型剤
を金型内表面に塗布したものは試験(1)の結果では良
い。しかし試験(2)ではいづれも悪くなり、ゴブが金
型内へ流動していかなかったり、シワが多く発生したり
して実用上金型としては使用不可となる。金型は実際に
は500℃前後で使用されるのであるから試験(1)より
も試験(2)の方が被膜の性能を判断する評価方法とし
て適切であることは明白である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のガラス成形用金型の断面図、第2図は
第1図の被膜の拡大断面図、第3図は平滑度定数の測定
チャートからの平滑度定数の算出を説明するための説明
図である。 1……金型基本、2……被膜、3……マトリックス、4
……黒鉛粒子、5……被膜表面。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス金型内表面にニッケル又はニッケル
    を主体とするニッケル基合金をマトリックスとして黒鉛
    粒子を分散させた被膜を被覆したことを特徴とするガラ
    ス成形用金型。
  2. 【請求項2】被膜中に黒鉛が5〜70重量%の量で分散さ
    れている特許請求の範囲第1項記載のガラス成形用金
    型。
  3. 【請求項3】被覆した被膜の平滑度定数が0.1以上であ
    る特許請求の範囲第1項記載のガラス成形用金型。
  4. 【請求項4】黒鉛粒子が0.3〜90μmの粒子径を有する
    特許請求の範囲第1項記載のガラス成形用金型。
  5. 【請求項5】被膜が10〜600μmの厚みで設けられてい
    る特許請求の範囲第1項記載のガラス成形用金型。
  6. 【請求項6】ニッケル基合金がニッケル:リンの原子比
    が97:3乃至80:20の重量比にあるニッケル‐リン合金で
    ある特許請求の範囲第1項記載のガラス成形用金型。
  7. 【請求項7】被膜が分散メッキにより形成されたもので
    ある特許請求の範囲第1項記載のガラス成形用金型。
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