JP2001133948A - 黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP2001133948A
JP2001133948A JP31826599A JP31826599A JP2001133948A JP 2001133948 A JP2001133948 A JP 2001133948A JP 31826599 A JP31826599 A JP 31826599A JP 31826599 A JP31826599 A JP 31826599A JP 2001133948 A JP2001133948 A JP 2001133948A
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tank
silver halide
halide photographic
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stabilizing
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JP31826599A
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Shinji Uchihiro
晋治 内廣
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像ムラ、部分的な定着不良、定着槽での析
出および水洗槽での銀スラッジあるいは水垢の発生が改
善された黒白用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を
提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
ゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動現
像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理する
ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、安定化
液又は水洗水に過酸化水素を含有せしめ、かつ現像槽、
定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つが中間部
に浮き蓋を有することを特徴とする黒白ハロゲン化銀写
真感光材料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料(以降、単に感光材料またはフィルムともい
う)の処理方法に関し、詳しくは、現像ムラ、定着不
良、定着液析出および安定化槽又は水洗槽の銀スラッ
ジ、水垢発生が改善された黒白感光材料の処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、露光後、
現像、脱銀、洗浄、安定化などの工程により処理され
る。処理は通常自動現像機で行われ、処理液の活性度を
一定に保つため補充液を補充する方式が一般に広く用い
られている。補充液の補充は感光材料からの溶出物の希
釈、蒸発量の補正及び消費成分の補充を目的としてい
る。また、水洗工程では通常、一般用水道水を供給し感
光材料内部に残留している定着成分等を洗い流して除去
していた。
【0003】しかしながら、上記のようなシステムにお
いては、省エネルギー化のために多量な水の使用を押さ
えて節水をしようという動きはあるものの、水洗水に水
垢が発生するという問題もあり、依然として多量の水洗
水を用いて洗浄を行っているのが現状である。この節水
時の水垢を防止するための手段として、例えば、フィル
ター除去を行ったり、酸化剤や殺菌剤を添加するなど、
いくつかの試みがなされてきたが、いまだ十分効果を発
揮するレベルには至っていない。
【0004】近年、ハロゲン化銀写真感光材料の露光装
置であるイメージセッターの出力時間が急激に速くな
り、今までの通常の現像時間の30秒では全処理時間が
2分間以上かかり次のイメージセッターの出力までに処
理が間に合わず、作業性を低下させる要因となってい
た。しかしながら、ただ単に処理速度を上げると現像ム
ラが発生したり部分的に定着ヌケ不良が発生する等の問
題を引き起こしていた。
【0005】また一方では、環境問題が顕著になり、自
動現像機を用いた処理においても大量に排出される廃液
や多量に使用する水洗水が問題となってきている。
【0006】そこで、全廃液量を低減するためには処理
剤の補充量を低減させたり、水洗水を低減させるために
過酸化水素などの酸化剤や殺菌剤を添加するなどの方法
が提案されてきているが、低補充化できるよう設計され
た補充液で処理すると定着槽での析出が起きたり、ある
いは現像液からの持ち込み成分が増加し水洗槽で銀スラ
ッジが発生したり、さらには、超迅速処理化された場合
には過酸化水素を用いて水洗すると部分的に銀スラッジ
が発生してしまうという問題点が発生する。
【0007】さらに、超迅速処理化と低補充化および処
理液の濃縮化などの要因が重なり合い水垢発生が一段と
ひどくなるといった重大な問題が発生し、早急な解決が
強く望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、その目的は、現像ムラ、部
分的な定着不良、定着槽での析出および安定化槽又は水
洗槽での銀スラッジあるいは水垢の発生が改善された黒
白用ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下の構成により達成された。
【0010】1.支持体上に少なくとも一層の感光性ハ
ロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動
現像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理す
るハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、安定
化液又は水洗水に過酸化水素を含有せしめ、かつ現像
槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つが中
間部に浮き蓋を有することを特徴とする黒白ハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法。
【0011】2.支持体上に少なくとも一層の感光性ハ
ロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動
現像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理す
るハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、安定
化液又は水洗水に過酸化水素を含有せしめ、かつ現像
槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つが内
部にムラ防止板を有することを特徴とする黒白ハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法。
【0012】3.支持体上に少なくとも一層の感光性ハ
ロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動
現像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理す
るハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、安定
化液又は水洗水に過酸化水素を含有せしめ、かつ現像
槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つが循
環部を有し、該循環部の循環量が毎分5L以上10L以
下であることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法。
【0013】4.支持体上に少なくとも一層の感光性ハ
ロゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材
料を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動
現像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理す
るハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、固体
処理剤を用いて処理し、溶解した処理液を一時的に保持
する処理液保存部(ストックタンク)の開口率が0.0
4以下(面積/体積≦0.04)であり、かつ安定化液
又は水洗水に過酸化水素を含有せしめることを特徴とす
る黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0014】5.前記1〜4項のいずれか1項におい
て、現像液が実質的にジヒドロキシベンゼンおよびその
誘導体を含まないことを特徴とする黒白ハロゲン化銀写
真感光材料の処理方法。
【0015】6.前記1〜5項のいずれか1項におい
て、安定化槽又は水洗槽内部に過酸化水素又は殺菌剤の
少なくとも一つを含む浄化剤を直接添加することを特徴
とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0016】以下に、本発明について詳述する。請求項
1に係る発明においては、自動現像機の現像槽、定着
槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つの中間部に浮
き蓋を用いることが特徴の1つである。
【0017】自動現像機の処理槽の中間部に用いる浮き
蓋とは、自動現像機を構成する処理槽内の空隙部分に処
理される感光材料の進行を妨げることなく設置された浮
き蓋のことである。これによって、処理液の酸化防止及
び蒸発を低減させることができる。材質は処理液に対し
て浮く素材であれば特に制限はなく、例えば、スチロー
ル製やプラスチック製などが良い。
【0018】請求項2の発明においては、自動現像機の
現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つ
の内部にムラ防止板を設置することが特徴の1つであ
る。
【0019】本発明に係るムラ防止板とは、各処理槽に
おける処理の均一性を向上させる事を目的としたもので
あり、特に処理液の循環量を高めた場合に吐出口からの
強い吹き出しにより処理ムラが生じるのを防止するもの
である。具体的には、処理槽内部の空隙部分にプラスチ
ック製や塩化ビニル製の板をとりつけるものである。こ
のムラ防止板は現像槽のみならず、定着槽に取り付けた
場合でもスポット状の定着不良などを防ぐのに有効であ
る。また、安定化槽又は水洗槽においても、安定化槽又
は水洗槽に発生した銀スラッジなどが直接処理中の感光
材料表面に吹き付けられ、銀スラッジが付着したまま乾
燥ゾーンに入り、乾燥ローラー等の汚れを誘発すること
を防ぐものである。
【0020】請求項3の発明においては、現像槽、定着
槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つに循環部を設
け、その循環部の循環量を毎分5〜10Lにコントロー
ルすることが特徴の1つである。循環部を有する処理槽
の液循環量としては、5〜10L/分が好ましく、それ
よりも液循環量を多くすると、処理の初期段階では撹拌
が良化して処理性が向上するが、強くなりすぎると、そ
の液流速により処理している感光材料がゆがんだり、折
れを発生する等の問題が起きてくる。更に液流速が強く
なると、処理槽内部のある一部分の液の循環しやすい部
分だけに液が流れ、他の部分がデッドスペースとして撹
拌されなくなり全体的な平均撹拌効率は著しく低下し、
この結果、現像の場合は現像ムラが、定着の場合はヌケ
不良が、水洗の場合は槽内部に析出などが発生して好ま
しくない。液循環量としては、5〜8L/分がより好ま
しく、さらに好ましくは5〜7L/分である。
【0021】請求項4の発明においては、固体処理剤を
用い処理を行い、かつ溶解した処理液を一時的に保持す
る処理液保存部(ストックタンク)の開口率が0.04
以下(面積/体積≦0.04)であることが特徴の1つ
である。
【0022】本発明で用いられる処理剤は、粉末、ペー
スト状、顆粒、錠剤、濃縮液、使用液等いずれの形態で
供給されても構わないが、請求項4の発明においては、
固体処理剤で供給されることが1つの特徴である。
【0023】本発明における固体処理剤とは、処理液を
構成する成分が2種以上で成型された固体をいい、処理
液成分が全て含有された1種の固体、または固体が2種
以上で処理液の成分を構成できるものであっても良い。
固体処理剤においては、少なくとも2種以上の化合物が
成型された固体を少なくとも1種あればよく、成型され
た固体以外は単体物質でも良い。
【0024】固体処理剤を作製する方法としては水を添
加して造粒を行った後に乾燥させて顆粒を得て成型する
方法と水の添加量を少なくして造粒を行い、もしくはま
ったく水を添加せずに、直接乾燥工程を経ずに成型する
方法がある。水添加量としては全体の素材の量に対して
0〜2%であることが好ましい。
【0025】固体処理剤を各処理液の開始液として用い
る場合は、それらを定められたように水に溶解するなど
して調整して用いる。また、補充液として使用する場合
は、予め水と混合溶解して用いるか、直接自現機内に投
入して用いるかいずれでも構わない。
【0026】本発明に係る処理液保存部あるいはストッ
クタンクとは、固体処理剤を使用する際の現像剤、定着
剤を一時的に溶解して蓄えておく槽を指す。
【0027】このストックタンクには、通常酸化防止の
ために浮き蓋や浮き玉を配置して開口率を低減させ、現
像剤の酸化防止、あるいは現像剤、定着剤の蒸発による
濃縮防止を目的としている。本発明においてはこの時の
開口率、すなわち面積/体積の値が0.04以下である
ことが好ましい。更に好ましくは0.02以下でありよ
り好ましくは0〜0.02である。
【0028】請求項5の発明においては、現像液が実質
的にジヒドロキシベンゼンおよびその誘導体を含有しな
いことが特徴である。ここで言うジヒドロキシベンゼン
類とは、例えば、ハイドロキノン、クロロハイドロキノ
ン、ブロモハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロ
キノン、2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジ
ブロモハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノ
ン等を挙げることができるが、最も一般的に用いられて
きたものがハイドロキノンである。
【0029】本発明において、これらジヒドロキシベン
ゼン類を実質的に含有しないとは、全く含有しないか、
もしくは、現像液1リットルあたり0.01モル以下の
含有をいうが、本発明においては全く含有しないものが
好ましい。
【0030】本発明において、感光材料を処理する際の
現像液に用いる現像主薬としては、3−ピラゾリドン
類、アミノフェノール類、アスコルビン酸類及び金属錯
塩等、公知のもの採用できるが、特にアスコルビン酸及
びその誘導体を含有することが好ましい。
【0031】本発明において好ましく用いられるアスコ
ルビン酸またはその誘導体としては、下記一般式(A)
および(A−a)から選ばれる化合物を挙げることがで
きる。
【0032】
【化1】
【0033】式中、R8、R9は各々アルキル基、アミノ
基、アルコキシ基又はアルキルチオ基を表し、これらは
置換基を有してもよく、またR8とR9が互いに結合して
環を形成してもよい。kは0又は1を表し、k=1のと
きXは−CO−又は−CS−を表す。M3、M4は各々水
素原子又はアルカリ金属を表す。
【0034】前記一般式(A)で示される化合物におい
て、R8とR9が互いに結合して環を形成した下記一般式
(A−a)で示される化合物が好ましい。
【0035】
【化2】
【0036】式中、R10は水素原子、それぞれ置換又は
無置換の、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコ
キシ基、又はスルホ基、カルボキシル基、アミド基、ス
ルホンアミド基を表し、Y1はO又はSを表し、Y2
O、S又はNR11を表す。R11はそれぞれ置換又は無置
換の、アルキル基又はアリール基を表す。M3、M4は各
々水素原子又はアルカリ金属を表す。
【0037】一般式(A)又は一般式(A−a)におけ
るアルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、た
とえば炭素数1〜5のアルキル基であり、アミノ基とし
ては無置換のアミノ基或いは低級アルキル基で置換され
たアミノ基が好ましく、アルコキシ基としては低級アル
コキシ基が好ましく、アリール基としては好ましくはフ
ェニル基或いはナフチル基等であり、これらの基は置換
基を有していてもよく、置換し得る基としてはヒドロキ
シル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホ基、カル
ボキシル基、アミド基、スルホンアミド基等が好ましい
置換基として挙げられる。
【0038】一般式(A)又は一般式(A−a)で表さ
れる具体的化合物例を以下に示すが、これらに限定され
るものではない。
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸或いはエリソルビン酸とその塩又はそれらから誘導
される誘導体であり、市販品として入手できるか或いは
容易に公知の合成法により合成することができる。
【0042】上記のアスコルビン酸或いはエリソルビン
酸類の現像主薬と組み合わせて、3−ピラゾリドン類
(例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニ
ル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4−エチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メ
チル−3−ピラゾリドン等)やアミノフェノール類(例
えばo−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N
−メチル−o−アミノフェノール、N−メチル−p−ア
ミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール等)等の
補助現像剤を使用することが好ましい。この場合、3−
ピラゾリドン類やアミノフェノール類の現像主薬は、現
像液1リットル当たり0.001〜1.4モルの量で用
いられるのが好ましい。またアスコルビン酸或いはエリ
ソルビン酸類の使用量は現像液1リットル当たり0.0
5〜1モル程度である。
【0043】本発明の処理方法においては、安定化槽又
は水洗槽の内部に定着槽より持ち込まれるチオ硫酸ナト
リウムを分解するために酸化剤、とりわけ過酸化水素を
含有せしめることが特徴である。即ち、本発明に用いる
自動現像機には、安定化槽又は水洗槽に再生もしくは浄
化手段として感光材料の処理面積情報に基づいて、自動
的に過酸化水素を供給するための過酸化水素供給手段
と、感光材料からの溶出成分などの蓄積を考慮し、一定
の汚染濃度に到達した際に安定化液又は水洗水の入れ替
えを行うため、少なくとも安定化液又は水洗水の一部を
排水できるように安定化液又は水洗水の汚染濃度を検知
する手段を具備する排水手段とを有する仕様が好まし
い。
【0044】例えば、イメージセッターに自動現像機が
取り付けられる場合、イメージセッターで露光、搬送さ
れたフィルムは接続されたコンベアによって運ばれ、自
動現像機を通って処理される。イメージセッターによっ
て露光された感光材料の処理面積は通常露光された面積
そのものよりも大きい。その面積は露光時にドラムに巻
き付く時、または露光後にイメージセッターから運ばれ
る際に記憶される。記憶された面積のデータは接続され
た自動現像機の記憶装置に記憶されて、過酸化水素供給
装置に指示が送られる様に設定する。
【0045】本発明における安定化槽又は水洗槽内部で
の過酸化水素濃度は0.0001〜0.5%が好まし
く、更に好ましくは0.0003〜0.3%である。安
定化槽又は水洗槽に供給される過酸化水素水のキット濃
厚液内の過酸化水素濃度は、2〜35%とするのが実用
的であり、該キット濃厚液を直接安定化槽又は水洗槽に
溶解して上記濃度とするのが好ましい。
【0046】また、請求項6の発明においては、安定化
槽又は水洗槽に過酸化水素または殺菌剤の少なくとも一
つを含む浄化剤を直接添加することが特徴である。現在
の処理装置は、例えば処理槽外部に浄化剤を含む溶液を
貯めておき、それを安定化槽又は水洗槽等に流し込む方
式が用いられているが、本発明で言う直接添加とは、安
定化槽又は水洗槽へ浄化剤と安定化液又は水を共に直接
添加する方式を言う。
【0047】通常、安定化槽又は水洗槽には過酸化水素
または殺菌剤を含む浄化剤が添加されているが、多量の
安定化液又は水洗水に溶解された状態で長時間保存され
ると、次第に過酸化水素及び殺菌剤は分解を始める。特
に、最近のイメージセッターに接続される自動現像機の
場合では、イメージセッターの露光時間および感光材料
の巻き付け作業時間などがかかること、及び画像をコン
ピュータ上で作製してから、最後に一度に出力すること
などから、安定化槽又は水洗槽における安定化液又は水
洗水の滞留時間が長くなるため、浄化剤の添加はなるべ
く処理する感光材料が安定化槽又は水洗槽に入ってくる
直前が好ましく、また浄化剤は直接安定化槽又は水洗槽
に添加したほうが好ましい。
【0048】本発明において、好ましい殺菌剤として
は、特に制限は無いが、5−クロロ−2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、ベンゾイソチアゾリン−3
−オン等イソチアゾリン系殺菌剤が好ましく用いられ
る。又、一般に用いられる4級アンモニウム系殺菌剤も
好ましく、上記の殺菌剤と併用しても良い。又、水洗又
は安定化槽内の細菌の発生を防ぐために、定着液中にも
殺菌剤が含まれてもよい。
【0049】殺菌剤の含有量は定着液中及び安定化液中
において0.001〜100g/Lが好ましく、より好
ましくは0.01〜50g/L、更に好ましくは0.1
〜30g/Lである。
【0050】補充液が固体処理剤より作製される際は、
液状ではない殺菌剤を用いるか、もしくは殺菌剤の入っ
た安定化液廃液又は水洗水で固体処理剤を溶解して用い
ることが好ましい。また新液の場合や安定化廃液を用い
ない場合では、別途殺菌剤を添加しても良い。
【0051】本発明の感光材料の処理においては、廃液
量の低減の要望から感光材料の面積に比例した一定量の
処理液を補充しながら処理される。その現像液補充量、
定着液補充量、安定化液補充量は32〜325ml/m
2である。好ましくはそれぞれ65〜130ml/m2
ある。
【0052】現像液補充量および定着液補充量とは、補
充される液の量を示す。具体的には、現像母液、定着母
液と同じ液を補充する場合のそれぞれの液の補充量であ
り、現像濃縮液および定着濃縮液を水で希釈した液で補
充される場合のそれぞれの濃縮液と水の合計量である。
【0053】固体処理剤を水で溶解した液で補充される
場合の補充量はそれぞれの固体処理剤容積と水の容積の
合計量であり、また固体処理剤と水を別々に補充する場
合の補充量はそれぞれの固体処理剤容積と水の容積の合
計量である。
【0054】本発明における現像液には、アルカリ剤
(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)及びpH緩衝
剤(例えば炭酸塩、燐酸塩、硼酸塩、硼酸、酢酸、枸櫞
酸、アルカノールアミン等)が添加されることが好まし
い。pH緩衝剤としては、炭酸塩が好ましく、その添加
量は現像液1リットル当たり0.5〜2.5モルが好ま
しく、更に好ましくは、0.75〜1.5モルの範囲で
ある。保恒剤として用いる亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩と
しては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ア
ンモニウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどがある。亜硫
酸塩は0.25モル/L以上、特に0.4モル/L以上
で用いるのが好ましい。また必要により溶解助剤(例え
ばポリエチレングリコール類、それらのエステル、アル
カノールアミン等)、増感剤(例えばポリオキシエチレ
ン類を含む非イオン界面活性剤、四級アンモニウム化合
物等)、界面活性剤、消泡剤、カブリ防止剤(例えば臭
化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物、ニト
ロベンズインダゾール、ニトロベンズイミダゾール、ベ
ンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾール
類、チアゾール類等)、キレート化剤(例えばエチレン
ジアミン四酢酸又はそのアルカリ金属塩、ニトリロ三酢
酸塩、ポリ燐酸塩等)、現像促進剤(例えば米国特許第
2,304,025号、特公昭47−45541号に記
載の化合物等)、或いは消泡剤などを添加することがで
きる。現像液のpHは7.5〜10.5に調整されるこ
とが好ましい。更に好ましくは、pH8.5〜10.4
である。
【0055】現像廃液は通電して再生することができ
る。具体的には、現像廃液に陰極(例えばステンレスウ
ール等の電気伝導体または半導体)を、電解質溶液に陽
極(例えば炭素、金、白金、チタン等の溶解しない電気
伝導体)を入れ、陰イオン交換膜を介して現像廃液槽と
電解質溶液槽が接するようにし、両極に通電して再生す
る。通電しながら本発明に係る感光材料を処理すること
もできる。その際、現像液に添加される各種の添加剤、
例えば現像液に添加することができる保恒剤、アルカリ
剤、pH緩衝剤、増感剤、カブリ防止剤、銀スラッジ防
止剤等を追加添加することが出来る。また、現像液に通
電しながら感光材料を処理する方法があり、その際に上
記のような現像液に添加できる添加剤を追加添加でき
る。現像廃液を再生して利用する場合には、用いられる
現像液の現像主薬としては、遷移金属錯塩類が好まし
い。
【0056】現像処理の特殊な形式として、現像主薬を
感光材料中、例えば乳剤層中又はその隣接層中に含み、
感光材料をアルカリ水溶液中で処理して現像を行わせる
アクチベータ処理液に用いてもよい。又、現像主薬を感
光材料中、例えば乳剤層中又はその隣接層中に含んだ感
光材料を現像液で処理しても良い。この様な現像処理
は、チオシアン酸塩による銀塩安定化処理と組み合わせ
て、感光材料の迅速処理の方法の一つとして利用される
ことが多く、その様な処理液に適用も可能である。
【0057】定着開始液は、通常用いられている濃厚液
キットを水で希釈し用いてもよいが、二種以上の化合物
から成形された固体処理剤の単独物または混合物を水で
溶解して用いて良い。補充液については、二種以上の化
合物から成形された固体処理剤の単独物または混合物を
水で溶解して用いるのが好ましい。
【0058】定着液はチオ硫酸塩を含む水溶液であり定
着開始液のpHは4.0以上、好ましくは4.2〜7.
0であり更に好ましくは、4.4〜6.9である。定着
主薬としてはチオ硫酸ナトリウム又はチオ硫酸アンモニ
ウムが特に好ましい。
【0059】定着主薬の使用量は適宜変えることがで
き、一般には、0.1〜6.0モル/Lである。
【0060】定着液には、所望により保恒剤(例えば、
亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH調整剤(例えば、硫酸、
水酸化ナトリウム)、硬化軟化剤能のあるキレート剤や
特開昭62−78551号記載の化合物を含むことがで
きる。
【0061】次に本発明に用いられる自動現像機につい
て説明する。本発明で用いられる自動現像機としては、
迅速処理の観点から、感光材料の先端が自動現像機に挿
入されてから乾燥ゾーンから出て来るまでの全処理時間
(Dry to dry)は10〜60秒であることが
好ましく、より好ましくは15〜50秒である。又、1
00m2以上の大量の感光材料を安定にランニング処理
するためには、現像時間が2〜18秒であることが好ま
しい。
【0062】又、自動現像機としては下記に記載の方法
又は機能を採用したものを好ましく用いることができ
る。
【0063】1)脱臭装置:特開昭64−37560号
第(2)頁左上欄〜第(3)頁左上欄 2)水洗水再生浄化剤及び装置:特開平6−25035
2号第(3)頁段落「0011」〜第(8)頁段落「0
058」 3)廃液処理方法:特開平2−64638号第(2)頁
左下欄〜第(5)頁左下欄 4)現像浴と定着浴の間のリンス浴:特開平4−313
749号第(18)頁段落「0054」〜第(21)頁
段落「0065」 5)補充水補充方法:特開平1−281446号第
(2)頁左下欄〜右下欄 6)外気の温度及び湿度を検出して乾燥風を制御:特開
平1−315745号第(2)頁右下欄〜第(7)頁右
下欄及び特開平2−108051号第(2)頁左下欄〜
第(3)頁左下欄 7)定着廃液からの銀回収:特開平6−27623号第
(4)頁段落「0012」〜第(7)頁段落「007
1」。
【0064】本発明に係る処理を行う感光材料において
用いられるハロゲン化銀としては、塩化銀、塩化銀含有
率60モル%以上の塩臭化銀又は塩沃臭化銀であること
が補充量の低減や迅速処理にとって好ましい。
【0065】ハロゲン化銀粒子の平均粒径は1.2μm
以下、特に0.1〜0.8μmが好ましい。又、粒径分
布は狭い方が好ましくいわゆる単分散乳剤を用いるのが
好ましい。又、(100)面を主平面とする平板状粒子
からなる乳剤が好ましく、そのような乳剤は米国特許第
5,264,337号、同5,314,798号、同
5,320,958号の記載を参考にして得ることがで
きる。更に、高照度特性を得るためにイリジウムをハロ
ゲン化銀1モル当たり10-9〜10-3モルの範囲でドー
ピングしたり、乳剤を硬調化するためにロジウム、ルテ
ニウム、オスミウム及びレニウムから選ばれる少なくと
も1種をハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10-3モル
の範囲でドーピングしたりするのが好ましい。
【0066】ハロゲン化銀乳剤には、硫黄増感、セレン
増感、テルル増感、還元増感及び貴金属増感等公知の化
学増感を施すことができる。
【0067】本発明の処理を行う黒白ハロゲン化銀写真
感光材料には以下に記載する技術を採用するのが好まし
い。
【0068】1)染料の固体分散微粒子:特開平7−5
629号第(3)頁段落「0017」〜第(16)頁段
落「0042」 2)酸基を有する化合物:特開昭62−237445号
第(8)頁左下欄11行目〜第(25)頁右下欄3行目 3)酸性ポリマー:特開平6−186659号第(1
0)頁段落「0036」〜第(17)頁段落「006
2」 4)増感色素 特開平5−224330号第(3)頁段落「0017」
〜第(13)頁段落「0040」 特開平6−194771号第(11)頁段落「004
2」〜第(22)頁段落「0094」 特開平6−242533号第(2)頁段落「0015」
〜第(8)頁段落「0034」 特開平6−337492号第(3)頁段落「0012」
〜第(34)頁段落「0056」 特開平6−337494号第(4)頁段落「0013」
〜第(14)頁段落「0039」 5)強色増感剤 特開平6−347938号第(3)頁段落「0011」
〜第(16)頁段落「0066」 6)ヒドラジン誘導体 特開平7−114126号第(23)頁段落「011
1」〜第(32)頁段落「0157」 7)造核促進剤 特開平7−114126号第(32)頁段落「015
8」〜第(36)頁段落「0169」 8)テトラゾリウム化合物 特開平6−208188号第(8)頁段落「0059」
〜第(10)頁段落「0067」 9)ピリジニウム化合物 特開平7−110556号第(5)頁段落「0028」
〜第(29)頁段落「0068」 10)レドックス化合物 特開平4−245243号第(7)頁〜第(22)頁 11)シンジオタクチックポリスチレン支持体 特開平3−131843号第(2)頁〜第(5)頁。
【0069】その他の添加剤については、例えばリサー
チ・ディスクロージャーNo.17643(1978年
12月)、同No.18716(1979年11月)及
び同No.308119(1989年12月)に記載の
化合物を採用することができる。
【0070】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらによって限定されるものではない。
【0071】実施例1 〈He−Neレーザー光源用印刷製版スキャナー用ハロ
ゲン化銀写真感光材料の作製〉 《感光材料の支持体の作製》 (シンジオタクチックポリスチレンの合成)トルエン2
00質量部にスチレンを100質量部、トリイソブチル
アルミニウム56g、ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルチタントリメトキサイド234gを使用して96℃で
8時間反応を行った。水酸化ナトリウムのメタノール溶
液で触媒を分解除去した後、メタノールで3回洗浄して
シンジオタクチックポリスチレン(以降、SPSと略
す)を34質量部得た。 (SPSフィルムの作製)得られたSPSを330℃で
ダイコーターからフィルム状に熔融押し出しを行い、冷
却ドラム上で急冷固化して未延伸フィルムを得た。この
とき、冷却ドラムの引き取り速度を2段階で行い、厚さ
1054μmの未延伸フィルムを135℃で予熱し、縦
延伸(3.1倍)した後、130℃で横延伸(3.4
倍)し、更に250℃で熱固定をおこなった。その結
果、支持体として曲げ弾性率4413MPa、厚さ10
0μmの2軸延伸フィルムを得た。 (SPSフィルムの下塗り)上記SPSフィルムの両面
にシリカ蒸着した後に、スチレン−グリシジルアクリレ
ート及び酸化スズ微粒子を含む下塗層を形成し帯電防止
加工を施した。 《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》同時混合法を用いて塩化
銀70モル%、残りは臭化銀からなる平均厚み0.05
μm平均直径0.15μmの塩臭化銀コア粒子を調製し
た。コア粒子混合時にK3RuCl6を銀1モルあたり8
×10-8モル添加した。このコア粒子に、同時混合法を
用いてシェルを付けた。その際K2IrCl6を銀1モル
あたり3×10 -7モル添加した。得られた乳剤は平均厚
み0.10μm、平均直径0.25μmのコア/シェル
型単分散(変動係数10%)の(100)面を主平面と
して有する塩沃臭化銀(塩化銀90モル%、沃化銀0.
2モル%、残りは臭化銀からなる)平板粒子の乳剤であ
った。
【0072】このハロゲン化銀乳剤を40℃に冷却し、
凝集高分子剤としてフェニルカルバモイル基で変性(置
換率90%)された変性ゼラチン13.8質量%水溶液
1800mlを添加し、3分間撹拌した。その後、酢酸
56質量%水溶液を添加してハロゲン化銀乳剤のpHを
4.6に調整し3分間撹拌した後、20分間静置させデ
カンテーションにより上澄み液を排水した。
【0073】その後、40℃の蒸留水9.0Lを加え、
撹拌静置後上澄み液を排水し、さらに蒸留水11.25
Lを加え撹拌静置後上澄み液を排水した。続いて、ゼラ
チン水溶液と炭酸ナトリウム10質量%水溶液を加えて
pHが5.80になるよう調整し、50℃で30分間撹
拌し再分散した。再分散後、40℃にてpHを5.8
0、pAgを8.06に調整した。脱塩後、このハロゲ
ン化銀乳剤のEAgは50℃で190mVであった。
【0074】得られたハロゲン化銀乳剤に4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
を銀1モルあたり1×10-3モル添加し、更に臭化カリ
ウム及びクエン酸を添加してpH5.6、EAg123
mVに調整して、P−トルエンチオスルホン酸ナトリウ
ム1×10-3モルを添加後、銀1モルあたりクロラミン
Tを350mg、無機硫黄(S8)を0.6mg、トリ
クロロオーレイト6mgを添加して温度60℃で最高感
度がでるまで化学熟成を行った。
【0075】化学熟成終了後、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モル
あたり2×10-3モル、1−フェニル−5−メルカプト
テトラゾールを3×10-4モル及び沃化カリウム300
mgを添加し、ハロゲン化銀乳剤Aを調製した。 《ハロゲン化銀乳剤Bの調製》同時混合法を用いて塩化
銀60モル%、沃化銀2.5モル%、残りは臭化銀から
なる平均厚み0.05μm、平均直径0.15μmの塩
沃臭化銀コア粒子を調製した。コア粒子混合時にK3
h(H2O)Br5を銀1モルあたり2×10-8モル添加
した。このコア粒子に、同時混合法を用いてシェルを付
けた。その際K 2IrCl6を銀1モルあたり3×10-7
モル添加した。得られたハロゲン化銀乳剤は、平均厚み
0.10μm、平均直径0.42μmのコア/シェル型
単分散(変動係数10%)の塩沃臭化銀(塩化銀90モ
ル%、沃化銀0.5モル%、残りは臭化銀からなる)平
板粒子の乳剤であった。ついで、特開平2−28013
9号に記載の変性ゼラチンG−8(ゼラチン中のアミノ
基をフェニルカルバミルで置換したもの)を使い脱塩し
た。脱塩後のEAgは50℃で190mVであった。
【0076】得られたハロゲン化銀乳剤に4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
を銀1モルあたり1×10-3モル添加し、更に臭化カリ
ウム及びクエン酸を添加してpH5.6、EAg123
mVに調整して、塩化金酸を2×10-5モル添加した後
に、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタ−フルオ
ロセレノ尿素を3×10-5モル添加して温度60℃で最
高感度がでるまで化学熟成を行った。化学熟成終了後、
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデンを銀1モルあたり2×10-3モル、1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾールを3×10-4モル
及びゼラチンを添加し、ハロゲン化銀乳剤Bを調製し
た。 《感光材料の作製》前記支持体の一方の下塗層上に、支
持体面側から順に下記処方1の塗布液、下記処方2の塗
布液、下記処方3の塗布液、下記処方4の塗布液及び下
記処方5の塗布液を同時重層塗布した。また、反対側の
下塗層上には支持体面側から順に下記処方6の塗布液、
下記処方7の塗布液及び下記処方8の塗布液を乳剤層側
と同時重層塗布することで黒白ハロゲン化銀写真感光材
料の試料を得た。 処方1(ゼラチン下塗層組成) ゼラチン 0.5g/m2 染料AD−1の固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 25mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 S−1(ソジウム−イソ−アミル−n−デシルスルホサクシネート) 0.4mg/m2 処方2(ハロゲン化銀乳剤層1組成) ハロゲン化銀乳剤A 銀量1.5g/m2になるように ゼラチン量 0.5g/m2 染料aの固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 20mg/m2 シクロデキストリン(親水性ポリマー) 0.5g/m2 増感色素d−1 5mg/m2 増感色素d−2 5mg/m2 ヒドラジン誘導体HY−1 20mg/m2 造核促進剤AM−1 40mg/m2 レドックス化合物RE−1 20mg/m2 化合物e 100mg/m2 ラテックスポリマーf 0.5g/m2 硬膜剤g 5mg/m2 S−1 0.7mg/m2 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 5mg/m2 エチレンジアミン4酢酸 30mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 処方3(中間層組成) ゼラチン 0.3g/m2 S−1 2mg/m2 処方4(ハロゲン化銀乳剤層2組成) ハロゲン化銀乳剤B 銀量1.4g/m2になるように ゼラチン量 0.4g/m2 増感色素d−1 6mg/m2 ヒドラジン誘導体HY−2 20mg/m2 造核促進剤AM−1 40mg/m2 レドックス化合物RE−1 20mg/m2 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 5mg/m2 エチレンジアミン4酢酸 20mg/m2 ラテックスポリマーf 0.5g/m2 S−1 1.7mg/m2 処方5(乳剤保護層組成) ゼラチン 0.6g/m2 染料bの固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 40mg/m2 S−1 12mg/m2 マット剤:平均粒径3.5μmの単分散シリカ 25mg/m2 1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール 40mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 硬膜剤j 30mg/m2 処方6(バッキング層組成) ゼラチン 0.6g/m2 S−1 5mg/m2 ラテックスポリマーf 0.3g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 70mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物i 100mg/m2 処方7(疎水性ポリマー層組成) ラテックス(メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3) 1.0g/m2 硬膜剤g 6mg/m2 処方8(バッキング保護層) ゼラチン 0.4g/m2 マット剤:平均粒径5μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム−ジ−(2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 10mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 染料k 20mg/m2 H−(OCH2CH268−OH 50mg/m2 硬膜剤j 20mg/m2
【0077】
【化5】
【0078】
【化6】
【0079】
【化7】
【0080】
【化8】
【0081】《固体現像剤キットの作製(使用液10L
分)》 (素材の前処理)エリソルビン酸ナトリウムをホソカワ
ミクロン社製MIKRO−PULVERIZER AP
−B粉砕器で、メッシュ8mm、回転数25Hzで粉砕
した。8−メルカプトアデニンを上記同粉砕器にて、メ
ッシュ8mm、回転数50Hzで粉砕した。KBrを上
記同粉砕器にて、メッシュ8mm、回転数50Hzで粉
砕した。 (素材の混合)市販のV型混合機(容量200L)を使
用して、下記構成物を10分間混合した。
【0082】 エリソルビン酸ナトリウム(上記粉砕物) 163kg (代わりにハイドロキノンを用いる場合には65.2kg添加) 1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン (ジメゾンS) 3.5kg 8−メルカプトアデニン(上記粉砕物) 0.3kg ジエチレントリアミン五酢酸 11kg KBr(上記粉砕物) 6.5kg ソルビトール 5kg 得られた混合体の任意の点(5ヶ所)から50gづつサ
ンプリングして分析したところ、各成分の濃度は上記処
方値の±5%以内の濃度を有しており、充分に均一に混
合されていた。 (成形)上記混合体を、新東工業社製圧縮造粒機ブリケ
ッタBSS−IV型を使用して、ポケット形状5.0mm
Φ×1.2mm(Depth)、ローラー回転数20r
pm、フィーダー回転数50rpmにて成形した。得ら
れた板状成型物を分級器にて解砕し、2.4〜7.0m
mの顆粒と2.4mm以下の微粉に分けた(7.0mm
以上のものは解砕)。また2.4mm未満の微粉につい
ては、上記混合体と混ぜて再度圧縮成型機にもどして成
形した。
【0083】以上により得られた顆粒をDAとする(約
95kg)。 (原材料の準備)以下の原材料を準備し、前処理を行っ
た。 〔亜硫酸ナトリウム/1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾール/ベンゾトリアゾールの混合〕エチルアルコ
ール400mlに1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾール18g及びベンゾトリアゾール78gを溶解し
た。得られた溶液を、ミキサーにて回転している亜硫酸
ナトリウム20kgに少量づつ滴下し、充分乾燥するま
で回転を続けた。得られた混合体の任意の点(5ヶ所)
から10gづつサンプリングして分析したところ、1−
フェニル−5−メルカプトテトラゾールとベンゾトリア
ゾールは充分均一に混合されていた。得られた混合物を
M−1とする。 〔炭酸カリウム/炭酸ナトリウム・無水/水酸化リチウ
ム・1H2Oの混合〕市販のV型混合機(容量200
L)を使用して炭酸カリウム56kg、炭酸ナトリウム
42kg、水酸化リチウム・1H2O 2kg(比較例
ハイドロキノン使用の場合は22kg)を10分間混合
した。得られた混合物をM−2とする。 (包装(使用液10Lキット))スタンディングパウチ
形態に下記順番で原材料混合体及び成形品を充填し、ヒ
ートシーラーで密封した。
【0084】 混合物M−2 600g(最下層) 混合物M−1 663.2g(中間層) 顆粒DA 399g(最上層) このキットを純水に溶解し10Lに仕上げた。溶解後の
pHは10.10であった。比較例であるハイドロキノ
ン使用の場合は、pHは10.50であった。 《固体定着剤キットの作製(使用液100L分)》 (素材の前処理)1−オクタンスルホン酸ナトリウムを
ホソカワミクロン社製MIKRO−PULVERIZE
R AP−B粉砕器で、メッシュ4mm、回転数60H
zで粉砕した。 (素材の混合)市販のV型混合機(容量200L)を用
いて、下記処方を10分間混合した。
【0085】 チオ硫酸ナトリウム 15kg 亜硫酸ナトリウム 2.2kg 得られた混合体に1−オクタンスルホン酸ナトリウム
(上記粉砕品)を1kg添加してさらに5分間混合し
た。 (成形)上記混合体を、新東工業社製圧縮造粒機ブリケ
ッタBSS−IV型を使用して、ポケット形状5.0mm
Φ×1.2mm(Depth)、ローラー回転数30r
pm、フィーダー回転数67rpmにて成形した。得ら
れた板状成型物を分級器にて解砕し、2.4〜7.0m
mの顆粒と2.4mm以下の微粉に分けた(7.0mm
以上のものは解砕)。また2.4mm未満の微粉につい
ては、上記混合体と混ぜて再度圧縮成型機にもどして成
形した。
【0086】以上により得られた顆粒をFAとする。 (素材の混合)市販のV型混合機(容量200L)を用
いて、下記処方を10分間混合した。
【0087】 クエン酸3ナトリウム2水塩 2.94kg グルコン酸ナトリウム 0.5kg コハク酸 1.2kg (成形)上記混合体を、新東工業社製圧縮造粒機ブリケ
ッタBSS−IV型を使用して、ポケット形状5.0mm
Φ×1.2mm(Depth)、ローラー回転数30r
pm、フィーダー回転数67rpmにて成形した。得ら
れた板状成型物を分級器にて解砕し、2.4〜7.0m
mの顆粒と2.4mm以下の微粉に分けた(7.0mm
以上のものは解砕)。また2.4mm未満の微粉につい
ては、上記混合体と混ぜて再度圧縮成型機にもどして成
形した。
【0088】以上により得られた顆粒をFBとする。 (包装)スタンディングパウチ形態に顆粒FB、顆粒F
Aの順番で成形品を充填した。この100L分を10L
キットに包装した。仕上がり10Lに溶解後のpHは
5.60であった。 《現像処理および特性評価》上記の処方で作製された黒
白ハロゲン化銀写真感光材料を大日本スクリーン(株)
製イメージセッターFTR−5055を用いて網パター
ン175LINE/inchで黒化率5%となるように
露光した。また、自動現像機としては、現像液および定
着液補充用に顆粒を投入できるよう改造したコニカ
(株)製ミキサーSM−11を装着した大日本スクリー
ン(株)製自動現像機LD−M1060を用いた。
【0089】また、水洗槽にはコニカ(株)製「水きれ
い装置WS−2」を接続した。さらに、水洗槽を改造し
循環装置を取り付け、浄化剤を直接添加できるようにし
た。また、水洗槽には、大全サイズフィルム7枚を処理
するごとに5Lの給水を行えるようにした。ラインスピ
ードも2.0倍まで変速できるよう改造し、より高速処
理が可能となるようにした。
【0090】なお、現像処理は、前記処方の現像剤と定
着剤および下記に示す水洗用浄化剤を使用して、ハロゲ
ン化銀写真感光材料1m2あたり現像補充液130m
l、定着補充液130mlの補充を行い1日あたり大全
サイズフィルム500枚を処理し、一年間にわたりラン
ニング処理を行った。 (浄化剤処方) 過酸化水素水 35質量% 90.0g サリチル酸 0.1g ベンゾイソチアゾリン 30.0g ポリプロピレングリコール 3.1g pHが3.2となるよう硫酸で調製し、純水を用いて1
Lに仕上げた。
【0091】なお各処理条件は、後記表1に示すよう
に、該自動現像機の各ラックの中間部へのスチロール製
の中間浮き蓋取り付けの有無、現像主薬の種類および水
洗槽への浄化剤の有無と添加方法を組み合わせ、下記の
処理条件で処理1〜9を行い、一年間のランニング処理
を行った後に、下記の項目について評価を行った。
【0092】なお、表1中の各条件の詳細は以下の通り
である。 1)中間浮き蓋:Dは現像槽の中間部へのスチロール製
の中間浮き蓋の取り付け。以下同様に、Fは定着槽、W
は水洗槽を表す。
【0093】2)現像主薬:HQはハイドロキノン、E
Nはエリソルビン酸ナトリウムを表す。 (処理条件) 処理工程 温度 時間 現像 38℃ 15秒 定着 38℃ 15秒 水洗 20℃ 6秒 乾燥 48℃ 7秒 (現像ムラ評価)規定のランニング処理後に、感光材料
に発生する現像ムラの程度を下記の基準で目視による5
段階評価を行い、A〜Cの範囲を実用可能レベルと判定
した。
【0094】A:現像ムラが全くない B:現像ムラは殆どないが、100枚に1枚ほど感光材
料端部に少し見られる C:50枚に1枚ほど部分的に弱い現像ムラの発生は認
められるが実用上はほとんど問題がない D:すべての試料において部分的な現像ムラが認めら
れ、実用上問題のあるレベル E:現像試料の全体に渡り現像ムラが発生し、実用上不
可のレベル。 (定着不良評価)規定のランニング処理後に、幅508
mm長さ10mの感光材料を処理し、定着不良の程度を
下記の基準で目視による5段階評価を行い、A〜Cの範
囲を実用可能レベルと判定した。
【0095】A:定着不良の発生が全くない B:定着不良の発生は殆どないが、30枚に1枚ほど最
後尾の1cmの所に若干認められるが、実用に問題ない
レベル C:10mの最後1cmほどの所に部分的にやや定着不
良の発生が認められるが実用上問題がないレベル D:部分的に定着不良が発生し、感光材料が実用化困難
なレベル E:全体的に定着不良が発生し、感光材料が実用不可の
レベル。 (水洗槽に発生する銀スラッジ汚れの評価)規定のラン
ニング処理後に、水洗槽に発生する汚れの程度を下記の
基準で目視による5段階評価を行い、A〜Cの範囲を実
用可能レベルと判定した。
【0096】A:沈殿物が全くなく、液が澄んでいる B:沈殿物が全くない C:沈殿物は発生しないが、汚れがある。但し、実用上
問題はない D:沈殿物がやや発生している E:沈殿物が底部に蓄積している。
【0097】以上の項目について評価した結果を、同じ
く表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】表1の結果より明らかなように、本発明に
係る処理方法は、比較の処理例に対し、現像ムラ、定着
不良および水洗槽におけるスラッジの発生が少なく、充
分に実用可能であることが判る。
【0100】実施例2 実施例1で作製した黒白ハロゲン化銀写真感光材料を用
いて、大日本スクリーン(株)製イメージセッターFT
R−5055を用いて網パターン175LINE/in
chで黒化率5%となるように露光した。また、自動現
像機としては、現像液および定着液補充用に顆粒を投入
できるよう改造したコニカ(株)製ミキサーSM−11
を装着した大日本スクリーン(株)製自動現像機LD−
M1060を用いた。
【0101】また、透明塩化ビニル製のムラ防止板を、
後記表2に示す組み合わせで自動現像機の各処理槽の内
側の側面に取り付けた。
【0102】水洗槽にはコニカ(株)製「水きれい装置
WS−2」を接続した。さらに、水洗槽を改造し循環装
置を取り付け、浄化剤を直接添加できるようにした。ま
た、水洗槽には、大全サイズフィルム7枚を処理するご
とに5Lの給水を行えるようにした。ラインスピードも
2.0倍まで変速できるよう改造し、より高速処理が可
能となるようにした。
【0103】なお、現像処理は、実施例1と同様の現像
剤、定着剤および水洗用浄化剤を使用して、ハロゲン化
銀写真感光材料1m2あたり現像補充液100ml、定
着補充液100mlの補充を行い1日あたり大全サイズ
フィルム500枚を処理し、6ヶ月間にわたりランニン
グ処理を行った。
【0104】以上のような処理条件において、各処理槽
のムラ防止板の設置の有無、現像主薬の種類および水洗
槽の浄化剤添加の有無、方法について表2に示すような
組み合わせで処理10〜17を実施した。
【0105】なお、表2中の各条件の詳細は以下の通り
である。 1)ムラ防止板:Dは現像槽内の側面への透明塩化ビニ
ル製のムラ防止板の取り付け。以下同様に、Fは定着
槽、Wは水洗槽を表す。
【0106】2)現像主薬:HQはハイドロキノン、E
Nはエリソルビン酸ナトリウムを表す。
【0107】上記各処理工程で6ヶ月間のランニング処
理を行った後、実施例1と同様な方法で現像ムラ、定着
不良および水洗槽に発生する銀スラッジ汚れの評価を行
い、得られた結果を同じく表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】表2の結果より明らかなように、本発明に
係る処理方法は、比較の処理例に対し、現像ムラ、定着
不良および水洗槽におけるスラッジの発生が少なく、充
分に実用可能であることが判る。
【0110】実施例3 実施例1で作製した黒白ハロゲン化銀写真感光材料を用
いて、大日本スクリーン(株)製イメージセッターFT
R−5055を用いて網パターン175LINE/in
chで黒化率5%となるように露光した。また、自動現
像機としては、現像液および定着液補充用に顆粒を投入
できるよう改造したコニカ(株)製ミキサーSM−11
を装着した大日本スクリーン(株)製自動現像機LD−
M1060を用いた。
【0111】また、自動現像機の各処理槽に市販のポン
プを取り付け、表3に示すように各処理液の液循環量を
変更した。
【0112】水洗槽にはコニカ(株)製「水きれい装置
WS−2」を接続した。さらに、水洗槽を改造し循環装
置を取り付け、浄化剤を直接添加できるようにした。ま
た、水洗槽には、大全サイズフィルム7枚を処理するご
とに5Lの給水を行えるようにした。ラインスピードも
2.0倍まで変速できるよう改造し、より高速処理が可
能となるようにした。
【0113】なお、現像処理は、実施例1と同様の現像
剤、定着剤および水洗用浄化剤を使用して、ハロゲン化
銀写真感光材料1m2あたり現像補充液120ml、定
着補充液130mlの補充を行い1日あたり大全サイズ
フィルム500枚を処理し、8ヶ月間にわたりランニン
グ処理を行った。
【0114】以上のような処理条件において、各処理槽
の液循環量、現像主薬の種類および水洗槽の浄化剤添加
の有無、方法について表3に示すような組み合わせで処
理18〜27を実施した。
【0115】なお、表3中の現像主薬の略号は、実施例
1と同様である。上記各処理工程で8ヶ月間のランニン
グ処理を行った後、実施例1と同様の評価項目に加え、
下記に示す定着槽析出性および水洗槽に発生する水垢の
評価を行い、得られた結果を同じく表3に示す。 (定着槽析出)規定のランニング処理後に、定着槽に発
生している析出の程度を下記の基準で目視による5段階
評価を行い、A〜Cの範囲を実用可能レベルと判定し
た。
【0116】A:沈殿物が全くなく、液が澄んでいる B:沈殿物が全くない C:沈殿物は発生しないが、汚れがある。但し、実用上
特に問題はない D:沈殿物がやや発生している E:沈殿物が底部に蓄積している。 (水洗槽に発生する水垢の評価)規定のランニング処理
後に、水洗槽に発生する水垢の程度を下記の基準で目視
による5段階評価を行い、A〜Cの範囲を実用可能レベ
ルと判定した。
【0117】A:水垢が全くなく、液が澄んでいる B:水垢が全くない C:水垢は目立たないが、やや汚れて見える。但し、実
用上問題はない D:水垢がやや浮遊している E:水垢が浮遊したり底部に蓄積する。
【0118】
【表3】
【0119】表3の結果より明らかなように、本発明に
係る処理方法は、比較の処理例に対し、現像ムラ、定着
不良および水洗槽におけるスラッジの発生が少なく、か
つ定着槽での析出性および水洗槽における水垢の発生が
低く、充分に実用可能であることが判る。
【0120】実施例4 実施例1で作製した黒白ハロゲン化銀写真感光材料を用
いて、大日本スクリーン(株)製イメージセッターFT
R−5055を用いて網パターン175LINE/in
chで黒化率5%となるように露光した。また、自動現
像機としては、現像液および定着液補充用に顆粒を投入
できるよう改造したコニカ(株)製ミキサーSM−11
を装着した大日本スクリーン(株)製自動現像機LD−
M1060を用いた。更に、SM−11の溶解槽の横に
ストックタンクを取り付け、大容量の処理液を貯蔵でき
るようし、かつストックダンクの開口率が変更できるよ
うに改造した。
【0121】水洗槽にはコニカ(株)製「水きれい装置
WS−2」を接続した。さらに、水洗槽を改造し循環装
置を取り付け、浄化剤を直接添加できるようにした。ま
た、水洗槽には、大全サイズフィルム7枚を処理するご
とに5Lの給水を行えるようにした。ラインスピードも
2.0倍まで変速できるよう改造し、より高速処理が可
能となるようにした。
【0122】なお、現像処理は、実施例1と同様の現像
剤、定着剤および水洗用浄化剤を使用して、ハロゲン化
銀写真感光材料1m2あたり現像補充液100ml、定
着補充液120mlの補充を行い1日あたり大全サイズ
フィルム500枚を処理し、2年間にわたりランニング
処理を行った。
【0123】以上のような処理条件において、現像液と
定着液の各ストックタンクの開口度、現像主薬の種類お
よび水洗槽の浄化剤添加の有無、方法について表4に示
すような組み合わせで処理28〜37を実施した。
【0124】上記各処理工程で2年間のランニング処理
を行った後、実施例1と同様な方法で現像ムラ、定着不
良および水洗槽に発生する銀スラッジ汚れの評価を行
い、得られた結果を同じく表4に示す。
【0125】
【表4】
【0126】表4の結果より明らかなように、本発明に
係る処理方法は、比較の処理例に対し、現像ムラ、定着
不良および水洗槽におけるスラッジの発生が少なく、充
分に実用可能であることが判る。
【0127】実施例5 前記実施例1〜4の処理工程のうち、水洗水を下記安定
化液に変更した以外は同様にして現像処理及び評価を行
った結果、上記実施例と同様に現像ムラ、定着不良およ
び水洗槽におけるスラッジの発生が少なく、充分に実用
可能であることを確認した。 (安定化液処方) ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 0.5g ジエチレントリアミン五酢酸 0.5g 浄化剤 前記実施例における水洗水への添加量と同一 ジプロピレングリコール 0.3g pHが5.0になるようH2SO4とKOHで調整し、純
水を用いて1Lに仕上げた。
【0128】
【発明の効果】本発明により、現像ムラ、部分的な定着
不良、定着槽での析出および水洗槽での銀スラッジある
いは水垢の発生が改善された黒白用ハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法を提供することができた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
    を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動現
    像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理する
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、安定化
    液又は水洗水に過酸化水素を含有せしめ、かつ現像槽、
    定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つが中間部
    に浮き蓋を有することを特徴とする黒白ハロゲン化銀写
    真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
    を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動現
    像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理する
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、安定化
    液又は水洗水に過酸化水素を含有せしめ、かつ現像槽、
    定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つが内部に
    ムラ防止板を有することを特徴とする黒白ハロゲン化銀
    写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
    を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動現
    像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理する
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、安定化
    液又は水洗水に過酸化水素を含有せしめ、かつ現像槽、
    定着槽、安定化槽又は水洗槽の少なくとも1つが循環部
    を有し、該循環部の循環量が毎分5L以上10L以下で
    あることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀写真乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
    を現像槽、定着槽、安定化槽又は水洗槽を有する自動現
    像機を用いて現像、定着、安定化もしくは水洗処理する
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、固体処
    理剤を用いて処理し、溶解した処理液を一時的に保持す
    る処理液保存部(ストックタンク)の開口率が0.04
    以下(面積/体積≦0.04)であり、かつ安定化液又
    は水洗水に過酸化水素を含有せしめることを特徴とする
    黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において、
    現像液が実質的にジヒドロキシベンゼンおよびその誘導
    体を含まないことを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感
    光材料の処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において、
    安定化槽又は水洗槽内部に過酸化水素又は殺菌剤の少な
    くとも一つを含む浄化剤を直接添加することを特徴とす
    る黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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