JP2001130998A - 単結晶SiC及びその製造方法 - Google Patents

単結晶SiC及びその製造方法

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JP2001130998A JP31369899A JP31369899A JP2001130998A JP 2001130998 A JP2001130998 A JP 2001130998A JP 31369899 A JP31369899 A JP 31369899A JP 31369899 A JP31369899 A JP 31369899A JP 2001130998 A JP2001130998 A JP 2001130998A
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吉弥 谷野
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雅信 平本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間層にSiO2 を介在させた場合と同等以
上の高い品質及び高い製造効率を確保しつつ、不純物を
ppb単位の含有量に抑えて半導体デバイス製作用材料
としての利用範囲の拡大が図れるようにする。 【解決手段】 α−SiC単結晶基板1の表面上に、例
えば熱CVD法によりSi層2を成膜した後、このSi
層2の表面の一部を酸化させてSiO2 層3を形成し、
このSiO2 層3の表面に、熱CVD法等により製作さ
れたβ−SiC多結晶板4を密着状態に積層した後、そ
の積層複合体5を不活性ガス雰囲気かつ飽和SiC蒸気
圧下で熱処理することにより、多結晶板4の多結晶層を
α−SiC単結晶基板1の結晶方位に倣って単結晶化さ
せて単結晶SiCを一体に成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶SiC及び
その製造方法に関するもので、詳しくは、発光ダイオー
ドやX線光学素子、スイッチング素子、増幅素子、光セ
ンサー等の高温・高周波デバイスや耐放射線デバイス等
の半導体デバイスの製作に好適に用いられる単結晶Si
C及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SiC(炭化珪素)は、耐熱性および機
械的強度に優れているだけでなく、放射線にも強く、さ
らに不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御が容
易である上、広い禁制帯幅を持つ(因みに、6H型のS
iC単結晶で約3.0eV、4H型のSiC単結晶で
3.26eV)ために、Si(シリコン)やGaAs
(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材料では実現する
ことができない高温、高周波、耐電圧、耐放射線特性を
実現することが可能で、次世代の半導体デバイス製作用
材料として期待され、実用化に向けての研究が盛んに行
なわれている。
【0003】SiCの有する上記のような優れた特性を
半導体デバイス製作用材料に有効に活用できる単結晶S
iCの製造方法として、本出願人は、α−SiC単結晶
を基板(種)とし、この基板の表面上に、Si原子及び
C原子により構成された板状体、例えば熱化学的蒸着法
(以下、熱CVD法と記載のものを含む)により製作さ
れたβ−SiC多結晶板を積層してなる複合体をアルゴ
ンガス注入などが行なわれる不活性雰囲気下で2100
〜2300℃の温度範囲で熱処理することにより、多結
晶板の多結晶層を主として固相成長によってα−SiC
単結晶基板の結晶方位に倣い単結晶化させてSiC単結
晶を一体に成長させる方法を既に開発し提案している。
【0004】また、本出願人らは、上記のような製造方
法を基本として更に研究を進めて、α−SiC単結晶基
板とその表面上に積層される熱CVD製のβ−SiC多
結晶板との間にSiO2 層を介在させて熱処理を行なう
改良型の単結晶SiCの製造方法も既に提案している。
この改良型の単結晶SiCの製造方法は、中間に非晶質
(液相)状のSiO2 層が存在して単結晶基板と多結晶
板とを物理的にも原子的にも密着させることが可能であ
るために、熱処理時に周囲雰囲気から接合界面への不純
物の混入を防止しつつ、SiC単結晶基板の全域で均等
に単結晶化を促進しやすいとともに、中間に熱伝導率の
小さいSiO2 層が存在することで多結晶板とSiC単
結晶基板との温度差(温度勾配)を大きくとることが可
能で、熱処理に伴い高温側に位置する多結晶板から昇華
したSi原子及びC原子を液相状にある中間SiO2
の比較的大きな隙間を通して低温に保たれているSiC
単結晶基板側に速やかに移行させやすく、これによっ
て、高品質かつ大型の単結晶SiCを効率よく製造でき
るといったように、品質面及び製造効率で非常に優れた
製造方法といえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本出願
人らが既に提案している上記の改良型単結晶SiCの製
造方法において中間層として用いるSiO2 の層は非晶
質であるために、それ単体材料では多くの不純物が含ま
れており、製造される単結晶SiCの純度を高く維持す
ることができない。因みに、SiO2 単体材料として現
存し市販されているものを分析したところ、銅、鉄、ア
ルミ、ニッケルなどの不純物がppm単位で含有されて
いることが確認された。このようなppm単位の不純物
が含有されているSiO2 単体を中間層として用いる改
良型の製造方法では、上述した単結晶の成長過程で中間
層に含まれている不純物が単結晶中に取り込まれてしま
い、広範な半導体デバイス製作用材料として利用する上
で要求されるppb単位の高純度な単結晶SiCを得る
ことが難しく、この点で改善の余地が残されていた。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、中間層にSiO2 を介在させた場合と同等以上の高
い品質及び高い製造効率を確保しつつ、不純物をppb
単位の含有量に抑えて半導体デバイス製作用材料として
の利用範囲の拡大を図ることができる単結晶SiC及び
その製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る単結晶SiCは、α−
SiC単結晶基板の表面上のSi層とSi原子及びC原
子により構成された板状体とを積層してなる複合体を不
活性雰囲気下で熱処理することにより、板状体がα−S
iC単結晶基板の結晶方位に倣って単結晶化された単結
晶を一体に成長させていることを特徴とするものであ
り、また、請求項6に記載の発明に係る単結晶SiCの
製造方法は、α−SiC単結晶基板の表面上にSi層を
成膜した後、その成膜されたSi層の表面にSi原子及
びC原子により構成された板状体を密着状態に積層した
後、その複合体を不活性雰囲気下で熱処理することによ
り、板状体をα−SiC単結晶基板の結晶方位に倣って
単結晶化させて単結晶SiCを一体に成長させることを
特徴とするものである。
【0008】上記のような構成要件を有する請求項1及
び請求項6に記載の発明によれば、α−SiC単結晶基
板とSi原子及びC原子により構成された板状体との中
間に、もともと不純物の含有量が非常に少ない高純度材
料として入手容易で、かつ、熱処理時に不純物を排出し
ようとする析出効果のあるSi層を介在させた上でその
複合体を熱処理することにより、単結晶の成長過程で中
間のSi層中の不純物が単結晶中に取り込まれることが
ないばかりでなく、単結晶化のための熱処理温度よりも
低い温度でSi層が溶解してSiO2 層を用いる場合と
同様に単結晶基板と板状体とが物理的にも原子的にも密
着されて周囲雰囲気から接合界面への不純物の混入も防
止されるために、不純物の含有量が広範な半導体デバイ
ス製作用材料として有効に利用できるppb単位に抑え
られた高純度の単結晶SiCを得ることが可能である。
【0009】その上、中間に熱伝導率の小さいSi層が
存在することで板状体とSiC単結晶基板との温度差
(温度勾配)を大きくとることが可能で、熱処理に伴い
高温側に位置する板状体から昇華したSi原子及びC原
子を、溶解に伴い液相状になった中間Si層の比較的大
きな隙間を通して低温に保たれているSiC単結晶基板
側に速やかに移行させて、SiC単結晶基板の単結晶方
位に倣い、主として固相成長により単結晶基板上に高品
質で厚さの大きい単結晶SiCを効率よく一体成長させ
ることが可能である。
【0010】請求項7に記載の発明に係る単結晶SiC
の製造方法は、α−SiC単結晶基板の表面上にSi層
を成膜した後、その成膜されたSi層の全部もしくは表
面の一部を酸化させてSiO2 層を形成し、次いで、S
iO2 層の表面にSi原子及びC原子により構成された
板状体を密着状態に積層した後、その複合体を不活性雰
囲気下で熱処理することにより、板状体をα−SiC単
結晶基板の結晶方位に倣って単結晶化させて単結晶Si
Cを一体に成長させることを特徴とするものである。
【0011】上記請求項7に記載の発明によれば、α−
SiC単結晶基板の表面上に成膜されたSi層の全部も
しくは一部を、例えば熱酸化させて所定の熱処理前に予
めSiO2 層を形成させておくことにより、板状体とS
iC単結晶基板との温度差(温度勾配)及び原子移動の
隙間を一層大きくして熱反応をより活発にでき、板状体
側から単結晶基板側への原子の移行を促進して単結晶化
のための成長速度を速めることができるものでありなが
ら、中間層における不純物の含有量はSiO2単体材料
を用いる場合に比べて非常に少なく、高純度の単結晶S
iCを得ることができる。
【0012】上記請求項1に記載の発明に係る単結晶S
iC及び請求項6または請求項7に記載の発明に係る単
結晶SiC製造方法において使用する板状体としては、
請求項2及び請求項10に記載のように、その製作過程
での不純物の混入が最も少ない熱CVD法により板状に
製作されるβ−SiC板の使用が好ましいが、これ以外
に、Si原子とC原子により構成されるものであれば、
SiC焼結体やSiCアモルファス板を使用してもよ
い。
【0013】また、上記請求項1に記載の発明に係る単
結晶SiC及び請求項6または請求項7に記載の発明に
係る単結晶SiC製造方法において使用する板状体とし
ては、請求項3及び請求項11に記載のように、SiC
単結晶板であってもよい。このように板状体としてSi
C単結晶板を使用する場合には、種結晶となるα−Si
C単結晶基板をマイクロパイプが極めて少ない高品質の
SiC単結晶とし、Si層の上に積層する板状体をマイ
クロパイプの多い低品質な単結晶とすることによって、
種結晶と同様にマイクロパイプが極めて少なく、かつ、
厚さの大きいα−SiC単結晶を得ることができる。
【0014】さらに、上記請求項1に記載の発明に係る
単結晶SiC及び請求項6または請求項7に記載の発明
に係る単結晶SiC製造方法において使用する板状体と
しては、請求項4及び請求項12に記載のように、その
製作過程での不純物の混入が最も少なく、全域に亘って
均等な厚みの膜が形成される気相成長法により成膜され
るSi層の使用が好ましく、熱CVD法、スパッタリン
グや気相エピタキシャル法などの物理的蒸着法(PV
D)あるいは真空蒸着法などによりSi層を成膜しても
よい。また、形成されるSi層自体は多結晶膜でも単結
晶膜のいずれでもよい。これ以外に、Si原子により均
等厚みの膜が形成されるものであれば、SiウェハやS
iアモルファス板を積層してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1〜図4は本発明に係る単結
晶SiCの製造方法の第1実施例を工程順に示す説明図
であり、図1に示す第1工程では、昇華再結晶法によっ
て2インチの厚さtに製作された6H−α−SiC単結
晶基板1の表面上に、SiCl4 +H2を反応ガスと
し、基板温度1000℃、全圧1torrで1分間蒸発させ
るといった熱CVD法により、あるいは、気相成長法も
しくは気相蒸着法により、おおよそ5000オングスト
ロームの厚さt1のSi層2を成膜する。
【0016】次に、図2に示す第2工程において、上記
単結晶基板1及びSi層2の全体を酸素50%、水素5
0%の混合ガス中で1000℃に加熱処理することによ
り、上記Si層2の表面の一部分を熱酸化させて、おお
よそ1000オングストロームの厚さt3のSiO2
3を形成する。
【0017】続いて、図3に示す第3工程として、上記
SiO2 層3の表面上にSi原子及びC原子により構成
された板状体として、熱CVD法により板状に製作さ
れ、かつ、その接面が鏡面研磨仕上げされたβ−SiC
多結晶板4を密着状態に積層した後、その積層複合体5
を例えば抵抗発熱炉(図示省略する)内に挿入し、Ar
などの不活性ガスを炉内に注入するとともに、炉内平均
温度が2100〜2300℃程度に達する間で昇温さ
せ、かつ、その炉内平均温度を1時間保持させるといっ
たように、不活性ガス雰囲気下で、かつ、SiC飽和蒸
気圧下で熱処理する(第4工程)ことによって、図4に
示すように、Si層2及びSiO2 層3を熱分解させつ
つ、β−SiC多結晶板4の多結晶層を構成するSi原
子及びC原子が液相状となったSiO2 層3及びSi層
2の比較的大きな隙間を通して低温に保たれているα−
SiC単結晶基板1側に速やかに移行して、主として固
相成長によりα−SiC単結晶基板1の単結晶と同方位
に倣って速やかに単結晶化された単結晶部分6が一体に
成長され、外観上無色透明な単結晶SiC7を効率よく
製造することが可能である。
【0018】また、上記のようにα−SiC単結晶基板
1とβ−SiC多結晶板4との間の中間層として、不純
物の含有量が非常に少ない高純度材料で、かつ、析出効
果のあるSi層2を熱CVD法により接面全域に亘り均
等な厚みに介在させるとともに、そのSi層2の表面の
一部を熱酸化によりSiO2 層3とした複合体5を熱処
理することにより、単結晶の成長過程で中間のSi層2
及びSiO2 層3中の不純物が単結晶中に取り込まれる
ことがないばかりでなく、単結晶化のための熱処理温度
よりも低い温度で溶解して液相状態になるSi層2及び
SiO2 層3の存在によってα−SiC単結晶基板1と
β−SiC多結晶板4の接面を物理的にも原子的にも密
着させて周囲雰囲気から接合界面への不純物の混入が防
止されるために、製造された単結晶SiC7は不純物の
含有量がppb単位に抑えられた非常に純度の高いもの
となり、半導体デバイス製作用材料として広い範囲に亘
って有効に利用することができる。
【0019】因みに、上記第1実施例により製造された
単結晶SiC7及び既述の改良型製造方法のように、中
間層として現存するSiO2 単体材料を用いた層を介在
させて製造された単結晶SiCのそれぞれについて、グ
ロー放電質量分析により不純物の比較を行なった結果、
改良型製造方法により製造された単結晶SiCでは不純
物の含有量がppm単位であったのに対して、第1実施
例により製造された単結晶SiC7では不純物の含有量
がppb単位に抑えられていることが確認された。
【0020】図5〜図7は本発明に係る単結晶SiCの
製造方法の第2実施例を工程順に示す説明図であり、図
5に示す第1工程は、第1実施例における第1工程と全
く同様で、昇華再結晶法によって2インチの厚さtに製
作された6H−α−SiC単結晶基板1の表面上に、S
iCl4 +H2 を反応ガスとし、基板温度1000℃、
全圧1torrで1分間蒸発させるといった熱CVD法によ
り、あるいは、気相成長法もしくは気相蒸着法により、
おおよそ5000オングストロームの厚さt1のSi層
2を成膜する。
【0021】次に、図6に示す第2工程において、上記
単結晶基板1及びSi層2の全体を酸素50%、水素5
0%の混合ガス中で1000℃に加熱処理することによ
り、おおよそ5000オングストロームの厚さt1を有
する上記Si層2の全体を熱酸化させてSiO2 層3を
形成する。
【0022】続いて、図7に示す第3工程として、上記
SiO2 層3の表面上に、熱CVD法により製作され、
かつ、その接面が鏡面研磨仕上げされたβ−SiC多結
晶板4を密着状態に積層した後、その積層複合体5を第
1実施例と同様に、不活性ガス雰囲気下で、かつ、Si
C飽和蒸気圧下で熱処理する(第4工程)ことによっ
て、図4に示すような単結晶SiC7を製造する。
【0023】図8及び図9は本発明に係る単結晶SiC
の製造方法の第3実施例を工程順に示す説明図であり、
図8に示す第1工程は、第1及び第2実施例における第
1工程と全く同様で、昇華再結晶法によって2インチの
厚さtに製作された6H−α−SiC単結晶基板1の表
面上に、SiCl4 +H2 を反応ガスとし、基板温度1
000℃、全圧1torrで1分間蒸発させるといった熱C
VD法により、あるいは、気相成長法もしくは気相蒸着
法により、おおよそ5000オングストロームの厚さt
1のSi層2を成膜する。
【0024】次に、図9に示す第2工程において、上記
Si層2の表面上に、熱CVD法により製作され、か
つ、その接面が鏡面研磨仕上げされたβ−SiC多結晶
板4を密着状態に積層した後、その積層複合体5を第1
及び第2実施例と同様に、不活性ガス雰囲気下で、か
つ、SiC飽和蒸気圧下で熱処理する(第3工程)こと
によって、図4に示すような単結晶SiC7を製造す
る。
【0025】また、図10〜図12は本発明に係る単結
晶SiCの製造方法の第4実施例を工程順に示す説明図
であり、図10に示す第1工程では、昇華再結晶法によ
って2インチの厚さtに製作された6H−α−SiC単
結晶基板1の表面上に、現存するSiO2 単体材料を塗
布してSiO2 層3´を形成する。
【0026】次に、図11に示す第2工程において、上
記SiO2 層3´の表面上に、SiCl4 +H2 を反応
ガスとし、基板温度1000℃、全圧1torrで1分間蒸
発させるといった熱CVD法により、あるいは、気相成
長法もしくは気相蒸着法により、おおよそ5000オン
グストロームの厚さt1のSi層2を成膜する。
【0027】続いて、図12に示す第3工程として、上
記Si層2の表面上に、熱CVD法により製作され、か
つ、その接面が鏡面研磨仕上げされたβ−SiC多結晶
板4を密着状態に積層した後、その積層複合体5を第1
〜第3実施例と同様に、不活性ガス雰囲気下で、かつ、
SiC飽和蒸気圧下で熱処理する(第4工程)ことによ
って、図4に示すような単結晶SiC7を製造する。
【0028】これら第2〜第4実施例のいずれの場合
も、第1実施例と比べて単結晶部分6の成長速度に多少
の差異がみられるものの、製造された単結晶SiC7の
不純物の含有量はppb単位に抑えられ、高純度の単結
晶SiC7が得られる。
【0029】上記各実施例では、Si原子とC原子によ
り構成される多結晶板として、熱CVD法により板状に
作製されたβ−SiC多結晶板4を用いたが、これ以外
に、SiC単結晶板を用いてもよく、さらに高純度のS
iC焼結体やSiCアモルファスを用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上のように、請求項1、請求項6及び
請求項7に記載の発明によれば、α−SiC単結晶基板
とSi及びC原子より構成される板状体の中間層とし
て、もともと不純物の含有量が非常に少ない高純度材料
として入手容易で、かつ、不純物に対して析出効果のあ
るSi層を熱CVD法や気相成長法あるいは気相蒸着法
により接面全域に亘って均等厚みに介在させた上、ある
いは、そのSi層の全部もしくは表面の一部の酸化によ
り均等厚みに形成されるSiO2 層を介在させた上で熱
処理することにより、単結晶の成長過程で中間層中の不
純物が単結晶中に取り込まれることを防止するばかりで
なく、熱処理時に溶解して液相状となるSi層もしくは
SiO2 層の存在により単結晶基板と板状体とを物理的
にも原子的にも密着させて周囲雰囲気から接合界面への
不純物の混入も防止することができるために、不純物の
含有量がppb単位に抑えられた高純度の単結晶SiC
を得ることができ、性能維持の面から高純度が要求され
る半導体デバイス製作用材料としての利用範囲を著しく
拡大することができる。
【0031】しかも、中間に熱伝導率の小さいSi層も
しくはSiO2 層が存在することで積層された板状体と
SiC単結晶基板との温度差(温度勾配)は大きくと
れ、熱処理に伴い高温側に位置する板状体から昇華した
Si原子及びC原子を液相状の中間層の比較的大きな隙
間を通して低温側に位置するSiC単結晶基板側に速や
かに移行させて、SiC単結晶基板の単結晶方位に倣っ
た単結晶化により単結晶基板上に高品質で厚さの大きい
単結晶SiCを効率よく製造することができ、これによ
って、半導体デバイスの品質の向上にも大きく資するこ
とができるという効果を奏する。
【0032】特に、α−SiC単結晶基板の表面上に熱
CVD法により成膜されたSi層の全部もしくは一部を
酸化させて所定の熱処理前に予めSiO2 層を形成させ
る請求項7に記載の発明によれば、積層された板状体と
SiC単結晶基板との温度差(温度勾配)及び原子移動
の隙間を一層大きくして熱反応をより活発にでき、板状
体側から単結晶基板側への原子の移行を促進して単結晶
化のための成長速度を速めることができるものでありな
がら、中間層における不純物の含有量はSiO 2 単体材
料を用いる場合に比べて非常に少なく、高純度の単結晶
SiCを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶SiCの製造方法の第1実
施例における製造工程のうちの第1工程を説明する断面
模式図である。
【図2】同第2工程を説明する断面模式図である。
【図3】同第3工程及び第4工程を説明する断面模式図
である。
【図4】第1実施例の各工程を経て製造された単結晶S
iCの断面模式図である。
【図5】本発明に係る単結晶SiCの製造方法の第2実
施例における製造工程のうちの第1工程を説明する断面
模式図である。
【図6】同第2工程を説明する断面模式図である。
【図7】同第3工程及び第4工程を説明する断面模式図
である。
【図8】本発明に係る単結晶SiCの製造方法の第3実
施例における製造工程のうちの第1工程を説明する断面
模式図である。
【図9】同第2工程及び第3工程を説明する断面模式図
である。
【図10】本発明に係る単結晶SiCの製造方法の第4
実施例における製造工程のうちの第1工程を説明する断
面模式図である。
【図11】同第2工程を説明する断面模式図である。
【図12】同第3工程及び第4工程を説明する断面模式
図である。
【符号の説明】
1 α−SiC単結晶基板 2 Si層 3,3´ SiO2 層 4 β−SiC多結晶板(板状体の一例) 5 積層複合体 6 単結晶部分 7 単結晶SiC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷垣 輝之 兵庫県三田市下内神字打場541番地の1 日本ピラー工業株式会社三田工場内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE08 DA01 DB01 DB05 DB21 FE02 GA03 HA02 HA06 HA12 5F045 AA03 AA20 AB02 AB06 AB32 AC03 AD14 AE21 AF02 BB14 CA10 DA52 HA16 5F052 AA17 CA02 DA10 DB01 EA11 GC01 JA07 JA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−SiC単結晶基板の表面上のSi層
    とSi原子及びC原子により構成された板状体とを積層
    してなる複合体を不活性雰囲気下で熱処理することによ
    り、板状体がα−SiC単結晶基板の結晶方位に倣って
    単結晶化された単結晶を一体に成長させていることを特
    徴とする単結晶SiC。
  2. 【請求項2】 上記板状体が、熱化学的蒸着法により板
    状に製作されたβ−SiC板である請求項1に記載の単
    結晶SiC。
  3. 【請求項3】 上記板状体が、SiC単結晶である請求
    項1に記載の単結晶SiC。
  4. 【請求項4】 上記Si層が、気相成長法もしくは気相
    蒸着法により形成されたものである請求項1ないし3の
    いずれかに記載の単結晶SiC。
  5. 【請求項5】 上記Si層の全部もしくは表面の一部
    が、単結晶化のための熱処理前にそのSi層の酸化によ
    りSiO2 層に形成されている請求項1ないし3のいず
    れかに記載の単結晶SiC。
  6. 【請求項6】 α−SiC単結晶基板の表面上にSi層
    を成膜した後、 その成膜されたSi層の表面にSi原子及びC原子によ
    り構成された板状体を密着状態に積層した後、 その複合体を不活性雰囲気下で熱処理することにより、
    板状体をα−SiC単結晶基板の結晶方位に倣って単結
    晶化させて単結晶SiCを一体に成長させることを特徴
    とする単結晶SiCの製造方法。
  7. 【請求項7】 α−SiC単結晶基板の表面上にSi層
    を成膜した後、 その成膜されたSi層の全部もしくは表面の一部を酸化
    させてSiO2 層を形成し、 次いで、SiO2 層の表面にSi原子及びC原子により
    構成された板状体を密着状態に積層した後、 その複合体を不活性雰囲気下で熱処理することにより、
    板状体の多結晶層をα−SiC単結晶基板の結晶方位に
    倣って単結晶化させて単結晶SiCを一体に成長させる
    ことを特徴とする単結晶SiCの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記α−SiC単結晶基板の表面上に成
    膜されるSi層は、500〜5000オングストローム
    の厚さである請求項6または7に記載の単結晶SiCの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 上記α−SiC単結晶基板の表面上に成
    膜されるSi層のうち、その表面の一部の酸化により形
    成されるSiO2 層は、1000オングストロームの厚
    さである請求項7に記載の単結晶SiCの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記板状体が、熱化学的蒸着法により
    板状に製作されたβ−SiC板である請求項6または7
    に記載の単結晶SiCの製造方法。
  11. 【請求項11】 上記板状体が、SiC単結晶板である
    請求項6または7に記載の単結晶SiCの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記Si層が、気相成長法もしくは気
    相蒸着法により形成されている請求項6または7に記載
    の単結晶SiCの製造方法。
  13. 【請求項13】 上記複合体の熱処理は、2100〜2
    300℃の温度範囲で、不活性雰囲気かつSiCの飽和
    蒸気圧下で行なわれる請求項6ないし12のいずれかに
    記載の単結晶SiCの製造方法。
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