JP2001129066A - 悪臭物質除去剤 - Google Patents

悪臭物質除去剤

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JP2001129066A
JP2001129066A JP31433999A JP31433999A JP2001129066A JP 2001129066 A JP2001129066 A JP 2001129066A JP 31433999 A JP31433999 A JP 31433999A JP 31433999 A JP31433999 A JP 31433999A JP 2001129066 A JP2001129066 A JP 2001129066A
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JP
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acid
removing agent
aluminum
organic acid
mesoporous silica
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Katsumi Higuchi
勝美 樋口
Kinichi Ono
金一 小野
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の低
級アルデヒド類及びアンモニア等の悪臭成分に対する消
臭容量を向上させることが可能な有機酸系の消臭剤を提
供する。 【解決手段】 (A)結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含
アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体
及びメソポーラスシリカからなる群より選択された少な
くとも1種と、(B)有機酸とからなる悪臭物質除去
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、悪臭物質除去剤に
関するもので、より詳細にはホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド等の低級アルデヒド類及びアンモニア、硫化
物等の悪臭成分に対する消臭容量を増大せしめた悪臭物
質除去剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、悪臭成分を低減する方法として
は、活性炭、アルミナ、ゼオライト等の多孔質吸着剤に
よる吸着法、触媒燃焼法、オゾンによる酸化法、化学薬
品を用いた中和法、あるいはバクテリアによる分解法が
知られている。また、アンモニア等の塩基性悪臭成分の
除去に有機酸が有効であることは古くから知られてい
る。例えば、特開昭60−132645号公報には、粘
土鉱物に芳香族または芳香脂肪族第一アミンまたはその
塩を担持せしめてなる低級アルデヒド類の除去剤が記載
されている。また、特開平5−154377号公報に
は、シートとシートとの間に固形の水難溶性有機カルボ
ン酸を保持せしめた脱臭剤が記載されている。
【0003】上記有機酸をシリカ等の吸着剤と組み合わ
せて使用することも既に知られており、特公平4−15
6851号公報には、サイクロデキストリン及び有機
酸、更に必要に応じてゼオライトまたはシリカを含むこ
とを特徴とする消臭組成物が記載されている。また、特
開平5−154187号公報には、シリカゲル、活性
炭、ゼオライトから選択された1つ以上の物質の粒子
に、アルデヒド系化合物を含浸させたものと、有機酸水
溶液を含浸させたものとを、混合充填させて、出口と入
口には、多数の小口を有するフィルター板を有するフィ
ルター容器カートリッジをトイレ用消臭カートリッジに
用いることが記載されている。
【0004】特開平8−173754号公報には、メソ
ポーラスシリカを有効成分とする脱臭剤で、平均細孔径
10〜500オングストローム、BET比表面積800
/g以上の粒子性状を備えるメソポーラスシリカが
記載されている。
【0005】特開平9−313929号公報には、悪臭
物質を除去するための脱臭剤であって、2〜10nmの
範囲内でかつ均一な径の細孔を多数有する無機酸化物の
メソポア担体と、該メソポア担体の少なくとも細孔内表
面に存在する官能基に結合した金属ハロゲン化物とから
なることを特徴とする脱臭剤が記載されている。
【0006】更に、特開平11−128329号公報に
は、空気中に含まれるホルムアルデヒドを捕捉する捕捉
材をアンモニウム塩により形成したことを特徴とするホ
ルムアルデヒド捕捉材が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】アルデヒド類はタバコ
臭、溶剤臭、体臭、建材臭に含まれ極めて少ない量で関
知される。アルデヒド類であるホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒドは、特異な刺激臭を持つ有害ガスであり、
5ppm程度の濃度で目、喉への刺激が強く、長時間の接触
では皮膚炎、呼吸器疾患等の健康障害を起こすため好ま
しくない。また、アルデヒドは、蒸気圧が高く極性が小
さいため、吸着により除去するのは難しいガスであり、
アルデヒド類の中性成分に対し消臭性を満足するものは
なかった。また、有機酸は、理論上、その酸根に対応す
る化学量論的量の消臭容量を有するものであるが、実際
にアンモニア等の塩基性成分の消臭に使用すると、理論
値の約30%程度で前記悪臭成分の破過を生じ、消臭効
率の点で未だ満足できるものではない。更に、光半導体
は、比表面積が低く、吸着速度が遅いことから、光半導
体だけでは、消臭力が弱いという欠点を有している。
【0008】従って、本発明の目的は、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド等の低級アルデヒド類及びアンモ
ニア等の悪臭成分に対する消臭容量を向上させることが
可能な有機酸系の消臭剤を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウムフィロケ
イ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソポーラスシリ
カからなる群より選択された少なくとも1種と、(B)
有機酸とからなることを特徴とする悪臭物質除去剤が提
供される。また、前記除去剤が(C)周期律表II族(以
下単にII族という)の金属水酸化物及び周期律表IV族
(以下単にIV族という)の金属のリン酸塩及び/又は光
反応性半導体を有する無機組成物を更に含有する悪臭物
質除去剤を提供する。
【0010】本発明の悪臭除去剤では、 1. (A)結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニ
ウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソ
ポーラスシリカからなる群より選択された少なくとも1
種と、(B)有機酸とが(A):(B)=99:1乃至
50:50の重量比で存在すること、 2. 前記(A)の結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含ア
ルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体と
メソポーラスシリカが99:1乃至1:99の重量比で
存在すること、 3. メソポーラスシリカが回折角2.2乃至4.4゜
(Cu−α)にX線回折ピークを有すると共に、細孔径
20乃至40オングストロームの細孔容積の極大値を有
すること、 4. メソポーラスシリカが鉄シリンダー法で測定して
0.1乃至0.3g/mlの嵩密度を有すること、 5. 含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸
質複合体が酸化物として示した三成分組成比でSiO
5〜80モル%、ZnO5〜65モル%及びAl
1〜60モル%の量比からなること、 6. 結晶性ケイ酸亜鉛化合物が合成フライポンタイト
鉱物からなること、 7. 結晶性ケイ酸亜鉛化合物がソーコナイト、ヘミモ
ルファイト又はウイレマイト型構造を有するケイ酸亜鉛
系鉱物であること、 8. 有機酸が多塩基性カルボン酸であり、当該カルボ
ン酸の結晶サイズが抑制された状態で存在すること、 9. 有機酸がアミノスルホン酸であること、 10.有機酸がX線回折でピークが観測されない状態で
存在すること、が好ましい。
【0011】
【発明の実施形態】[作用]本発明の悪臭除去剤では、
(A)結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウムフ
ィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソポーラ
スシリカからなる群より選択された少なくとも1種と、
(B)有機酸、更には(C)II族の金属水酸化物及びIV
族の金属のリン酸塩及び/又は光反応性半導体を有する
無機組成物を含有することが特徴である。
【0012】本発明に用いられる結晶性ケイ酸亜鉛化合
物或いは含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ
酸質複合体は脱臭剤として優れた物質であり、その吸着
特性は吸着すべき悪臭物質がアンモニアやアミンのよう
なアルカリ臭及びアセトアルデヒドのような中性臭を、
その多孔質部分に悪臭物質を吸着したり、多孔質部分に
吸着された水分に更に悪臭成分を結合(溶解)させるこ
とにより吸着脱臭が可能となる。また、硫黄分を含む硫
化水素などの酸性臭については、含有される亜鉛成分が
反応し、硫化亜鉛の形で固定が可能である。
【0013】一方、本発明に用いられるメソポーラスシ
リカは、従来のシリカとは異なる多孔質構造を持ち、回
折角2.2乃至4.4゜(Cu−α)にX線回折ピーク
を有すると共に、細孔径20乃至40オングストローム
の細孔容積の極大値を有する。更に、鉄シリンダー法で
測定して0.1乃至0.3g/mlの嵩密度を有し、B
ET比表面積が800cm/g以上、好ましくは10
00cm/g以上を有する。この比表面積は、例えば
シリカゲルやゼオライトが200〜600cm /gで
あるのに比べ著しく大きく、高性能の活性炭と同等もし
くはそれ以上であり、表面活性が大きいことが予測され
る。これらの物性により優れた吸着能を有し、悪臭成分
を脱臭するものと思われる。
【0014】しかし、結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含
アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体
が、アルカリ臭及び酸性臭に対しては強い吸着力を示す
がアルデヒド類の中性臭に対しての吸着力が弱いことか
ら、アミノスルホン酸のような有機酸と組み合わせると
後述する実施例からも分かるように90%以上アセトア
ルデヒドを除去することができる。また、メソポーラス
シリカは、それ自体アセトアルデヒドに対する吸着力は
あるが充分満足できるものではなく有機酸と組み合わせ
ることにより90%以上除去できる。
【0015】更に、結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含ア
ルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体、
メソポーラスシリカ及び有機酸を組み合わせることによ
り初期の吸着量が70%以上で、3時間後では90%以
上吸着することができた。この場合、結晶性ケイ酸亜鉛
化合物或いは含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至その
ケイ酸質複合体、メソポーラスシリカ及び有機酸の混合
比率を99乃至1:99乃至1:1乃至49の重量比で
存在することが好ましい。
【0016】また更に、結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは
含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合
体及びメソポーラスシリカの内部或いは表面に吸着され
た悪臭物質を光反応性半導体で分解することができ、悪
臭成分を無害化することができる。光反応性半導体と組
み合わせることにより、抗菌性を持たせ繰り返し脱臭を
おこなうことができる。
【0017】II族の金属水酸化物及びIV族の金属のリン
酸塩は、更に抗菌・脱臭能力を増すことが可能となる。
特に、II族の金属水酸化物により硫化物の脱臭が強化さ
れ、IV族の金属のリン酸塩、好ましくはチタンのリン酸
塩の場合、光触媒効果が強化され抗菌・脱臭能力が向上
する。上記リン酸塩の中でもリン酸チタンと水酸化亜鉛
の共沈生成物が最も好ましい。
【0018】[結晶性ケイ酸亜鉛化合物]本発明におい
て、所望により使用される結晶性ケイ酸亜鉛化合物はソ
ーコナイト、ヘミモルファイト又はウイレマイト型構造
を有するケイ酸亜鉛化合物であり、好ましくはスメクタ
イト族粘土鉱物を酸処理して得られる活性ケイ酸と亜鉛
原料を水熱合成して得られたものがよい。これら結晶性
ケイ酸亜鉛化合物はSiOとZnOのモル比や合成条件によ
って、それぞれの結晶構造を示す。
【0019】ソーコナイト型ケイ酸亜鉛は典型的には
式 ZnSiO10(OH)‥‥(1) で表される化学構造を有する三層構造のフィロケイ酸塩
であって、2つのSiOの四面体構造がZnOの八面体層を
間に挟んで層状に結合された層状結晶構造を有するもの
である。合成ソーコナイト型ケイ酸亜鉛のX線回折スペ
クトルを下記表1に、X線回折像を図1に示す。
【表1】 面間隔dx(オングストローム) 相対強度(I/I) 16−19 100 4.6−4.5 40−60 3.3−3.1 20−40 2.7−2.4 50−80 1.6−1.5 50−80
【0020】ヘミモルファイト型ケイ酸亜鉛は典型的
には式 ZnSiO(OH)‥‥(2) で表される化学構造を有するソロケイ酸亜鉛であり、柱
状の結晶である。ヘミモルファイト型ケイ酸亜鉛のX線
回折スペクトルを下記表2に、X線回折像を図2に示
す。
【表2】 面間隔dx(オングストローム) 相対強度(I/I) 6.59 94 5.38 73 4.62 57 4.15 45 3.30 94 3.09 100 2.95 40 2.56 49 2.40 68 1.80 30
【0021】ウイレマイト型ケイ酸亜鉛は典型的には
式 ZnSiO‥‥(3) で表される化学構造を有するネソケイ酸亜鉛である。ウ
イレマイト型ケイ酸亜鉛のX線回折スペクトルを下記表
3に、X線回折像を図3に示す。
【表3】 面間隔dx(オングストローム) 相対強度(I/I) 4.10 40 4.03 46 3.49 89 2.83 96 2.63 100 2.32 47 1.86 38
【0022】これら結晶性ケイ酸亜鉛化合物の合成方法
の例としては、ケイ酸分原料にスメクタイト族粘土鉱物
の酸処理により得られた活性ケイ酸或いは活性アルミノ
ケイ酸塩を使用する。亜鉛原料としては亜鉛の酸化物
(亜鉛華)、水酸化物または反応条件下に前記酸化物乃
至水酸化物を形成し得る化合物を使用する。このような
化合物の代表例は炭酸亜鉛である。
【0023】ケイ酸分原料と亜鉛原料を実質上化学量論
で反応させるのがよく、ソーコナイト型の場合モル比
(ZnO:SiO)1:4乃至10:4、特に3:4が好ましくヘミモ
ルファイト、ウイレマイト型の場合は、3:4乃至10:4、
特に2:1にあるのが好ましい。
【0024】ケイ酸分原料と亜鉛原料を水性スラリーと
して水熱合成することにより得ることができる。下記表
4に結晶性ケイ酸亜鉛化合物の物性の一例を示す。
【表4】 特 性 ソーコ ヘミモル ウイレ ナイト型 ファイト型 マイト型 平均粒径(μm) 1−6 0.5−3 0.5−3 BET比表面積(m/g) 0−200 0−80 0−80 吸油量(ml/100g) 80−160 60−120 60−120 嵩密度(g/cc) 0.2−0.5 0.2−0.5 0.2−0.5 ハンター白色度 85−95 88−98 88−98
【0025】[含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そ
のケイ酸質複合体]本発明において、所望により使用さ
れる含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛は、シリカまたは
シリカ−アルミナの四面体層と、ZnO−AlO
の八面体層とが二層に積層されたものを基本骨格とし、
この基本骨格がc軸方向に積層された構造を有するもの
である。
【0026】典型的な含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛
は、下記式(4) (Zn3−xAl)(Si2−xAl)O(OH) ‥(4) 式中、xは0.1乃至1.75の数であるで表わされる
化学構造を有し、フライポンタイトと呼ばれる。含アル
ミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至その複合体は、白色性に
優れており、一般に90%以上のハンター白色度を有す
る。
【0027】含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛は、塩化
アンモニウム等の水溶性塩類水溶液中に、ケイソウ土や
クリストバライト等のケイ酸分原料と、酸化亜鉛等の亜
鉛原料と、ベーマイトゲル等のアルミナ成分とを加え、
オートクレーブ容器中で110乃至160℃で水熱合成
反応を行なうことにより製造される。
【0028】フライポンタイト型含アルミニウムフィロ
ケイ酸亜鉛の構造、物性及び製造方法の詳細は、特開昭
61−10021号、61−275128号、及び61
−275127号公報に記載されている。
【0029】本発明では、含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛のケイ酸質複合体を用いるのが特に好ましい。この
複合体は、より詳細には、非晶質で多孔質のシリカ又は
シリカアルミナとその一次粒子表面に形成された含アル
ミニウムフィロケイ酸亜鉛層とから成っている。
【0030】その化学的組成は、全体として、3成分組
成比でSiO5乃至80モル%、ZnO 5乃至6
5モル%、及びAl1乃至60モル%である。
【0031】このケイ酸質複合体は、X線回折で、面間
隔dX 8.40〜6.40オングストロームに実質上
ピークを有していなく、面間隔dX 2.71〜2.5
6オングストロームと、面間隔dX 1.56〜1.5
2オングストロームにピークを有し、比表面積が200
/g以上であり、細孔半径10乃至300オングス
トロームにおける細孔容積が0.25cc/g以上であ
る。
【0032】この複合型の含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛のX線回折像を添付図面の図4に示す。
【0033】[有機酸]本発明において、上記非晶質シ
リカと組み合わせて用いる有機酸としては、従来消臭剤
の用途に使用されている有機酸は全て使用できる。有機
酸としては、スルホン酸、モノカルボン酸、ジカルボン
酸、トリカルボン酸等を挙げることができる。アミノス
ルホン酸の例としてはスルファニル酸が挙げられ、モノ
カルボン酸の例としては、ギ酸、酢酸、安息香酸等が代
表的に挙げられる。ジカルボン酸としては、脂肪族不飽
和ジカルボン酸、脂肪族飽和ジカルボン酸、芳香族ジカ
ルボン酸、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。該脂肪族
不飽和ジカルボン酸は、好ましくは炭素数4〜6のもの
である。具体的にはフマル酸、マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸等が挙げられる該脂肪族飽和ジカルボ
ン酸は、好ましくは炭素数2〜6のものである。具体的
には、コハク酸、マロン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルタ
ル酸,アジピン酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸
は、ベンゼン環を有する好ましく、具体的にはフタル
酸,イソフタル酸,テレフタル酸が挙げられる。該脂環
式ジカルボン酸は、シクロヘキシル環を有する酸が好ま
しい。具体的にはシクロヘキサンジカルボン酸等が挙げ
られる。トリカルボン酸としてはクエン酸が代表的に挙
げられる。
【0034】用いる有機酸は、実質上無臭で且つ常温に
おいて固体であるものが好適であり、酒石酸、リンゴ
酸、クエン酸、フマル酸が好適である。これらの酸は、
用途に応じて、水に可溶性の酸でも、或いは水に難溶性
の酸でもよい。水に可溶性の酸、例えば酒石酸や、リン
ゴ酸は、結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウム
フィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソポー
ラスシリカの細孔内に添着するのが容易であり、しかも
これを添着してなる消臭剤は、X線回折的にピークを示
さなくなるように微細化されている。一方、水に難溶性
の酸、例えばフマル酸は水との接触を避け得ないような
用途や、水系で消臭剤を施工する用途に適しており、こ
の場合にも後述する手段により、結晶性ケイ酸亜鉛化合
物或いは含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ
酸質複合体及びメソポーラスシリカの細孔内に組み込む
ことが可能となる。
【0035】[悪臭除去剤の製造]本発明では、結晶性
ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウムフィロケイ酸亜
鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソポーラスシリカと有
機酸とを、99:1乃至50:50の重量比、特に9
5:5乃至60:40の重量比で組み合わせて使用する
のがよい。即ち、有機酸の使用量が上記範囲を下回る場
合には、消臭剤全体としての消臭容量が低下する傾向が
あり、一方結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウ
ムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソポ
ーラスシリカの使用量が上記範囲を下回ると、結晶性ケ
イ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛
乃至そのケイ酸質複合体及びメソポーラスシリカの使用
による消臭容量の向上効果が望めなくなる傾向がある。
【0036】有機酸の少なくとも一部を結晶性ケイ酸亜
鉛化合物或いは含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そ
のケイ酸質複合体及びメソポーラスシリカの細孔内に添
着させるには、種々の手段を採用することができ、有機
酸溶液の結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウム
フィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソポー
ラスシリカへの含浸法や、有機酸と結晶性ケイ酸亜鉛化
合物或いは含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケ
イ酸質複合体及びメソポーラスシリカとの共粉砕法等が
用いられる。中でも、メカノケミカル処理による添着が
特に好ましい。
【0037】含浸法では、有機酸を水或いは有機極性溶
媒、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、セロ
ソルブ系溶媒、ジエチレングリコールエーテル系溶媒等
に溶解した溶液を、結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含ア
ルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及
びメソポーラスシリカに含浸させ、これを乾燥して製品
とする。有機酸の溶液としては、一般に有機酸の濃度が
5乃至20重量%の溶液を用いるのが好ましい。
【0038】一方、共粉砕法では、固体の有機酸と結晶
性ケイ酸亜鉛化合物或いは含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛乃至そのケイ酸質複合体及びメソポーラスシリカと
を、粉砕機中で共粉砕する。粉砕機としては、ボールミ
ル、ジェットミル、振動ミル、コロイドミル等が使用さ
れるが、特にジェットミルが好適に使用される。この粉
砕に対して、少量の水分、一般に組成物当たり5乃至2
5重量%の水分を加えると、細孔内への有機酸の取り込
みが有効に行われる。
【0039】本発明においてジェットミルが好適に用い
られることについて、以下に例を示す。含アルミニウム
フィロケイ酸亜鉛とスルファニル酸を重量比で90:1
0の割合で混合した後、ジェットミルで粉砕して得た消
臭剤粉末(後述の実施例2の試料2)と、含アルミニウ
ムフィロケイ酸亜鉛とスルファニル酸を重量比で同様に
90:10の割合で混合し、サンプルミルで粉砕して得
た消臭剤粉末(後述の参考例1の試料11)をそれぞれ
得た。各試料の消臭試験とX線回折測定を行い、消臭試
験の結果を表7に、試料2のX線回折像を図6に、試料
11のX線回折像を図7に示す。表7より、試料2は、
3時間で96%も消臭能力があるが、試料11は、50
%程しかなかった。これは、X線回折像の図7と図8を
較べるとわかる。試料2ではスルファニル酸のピークが
消えているが、試料11では、スルファニル酸のピーク
が残っていることから試料11は消臭性が十分でない。
このことより、ジェットミルが好適に用いられることが
わかる。
【0040】[II族の金属水酸化物及びIV族の金属のリ
ン酸塩]本発明に用いられるII族の金属水酸化物は、
鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅から選ばれる1種又
は2種以上の金属からなり、IV族の金属のリン酸塩はチ
タン、ジルコニウム、スズから選ばれる1種又は2種以
上の金属からなる。好ましくは水酸化亜鉛とリン酸チタ
ンを含有する沈殿生成物が好ましい。特に光触媒機能を
持つリン酸チタンを含むものがよい。
【0041】上記沈殿生成物のII族の金属とIV族の金属
の含有比率は、金属原子比(II族金属/IV族金属)で約
0.01乃至100,好ましくは0.1乃至10、更に
好ましくは0.2乃至5である。
【0042】上記沈殿生成物のII族の金属水酸化物及び
IV族の金属のリン酸塩以外に性能を損なわない程度に非
晶質シリカ、ゼオライト、珪藻土、スメクタイト等の無
機多孔質物質を含有させてもよく、特に好ましいには非
晶質シリカを含有させるのがよい。
【0043】II族の金属水酸化物及びIV族の金属のリン
酸塩を含有する沈殿生成物の製造方法としては次のよう
な製造方法が挙げられるが、これに制限されるものでは
ない。例えば、IV族金属の水不溶性リン酸塩とII族金属
イオン共存下にII族金属の水酸化物を生成してもよい
し、先にIV族金属の水不溶性リン酸塩を生成した後、II
族金属イオンを加え、その水酸化物を生成してもよい、
このとき残留しているリン酸分とII族金属が反応しない
ように水不溶性リン酸塩が生成した後、アルカリ金属水
酸化物を用いて余剰のリン酸を除去しておくのが望まし
い。
【0044】[光反応性半導体]本発明に用いる光反応
性半導体は、主に波長が400nm以下の紫外線の照射
により電子・正孔対が生成し、接触している臭気物質な
どを酸化還元反応で分解することができる物質であり、
例えば、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸
化セリウム、チタン酸ストロンチウム、及びニオブ酸カ
リウム等が挙げられる。これらの内でも、特に酸化チタ
ン、更にアナターゼ型の酸化チタンが好ましく、この場
合正孔のもつ強い酸化力が脱臭能力に関係すると思われ
る。
【0045】更に、酸化力をより一層高めるために、酸
化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛などの粒子の表
面又は内部に銅、銀、金、亜鉛、バナジウム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、
白金などの金属や金属酸化物を存在させても良い。
【0046】これらの光半導体は粉末またはゾルの形態
で用いられ、その一次粒径は5乃至50nmの範囲にあ
ることが好ましい。これらの光反応性半導体は、分散
性、非溶解性の改良のため、脱臭能力をあまり低下させ
ない程度に無機または有機物質で表面処理を行うことも
可能である。
【0047】表面を覆う無機物としては、シリカゾル、
エアロジル、疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケ
イ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カ
ルシア、マグネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、
炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、ハイドロタルサイト、
A型、X型、Y型、P型等の合成ゼオライト及びその酸
処理物又はその金属イオン交換物から成る定形粒子等が
あり、有機物としてはシラン系、アルミニウム系、チタ
ン系或いはジルコニウム系のカップリング剤、高級脂肪
酸、金属石鹸或いは樹脂酸石鹸、または界面活性剤等が
目的に応じて使用される。
【0048】アルデヒド類等の有害物質を除去するため
には、有害物質除去剤や光触媒担持体とを、光反応性半
導体が活性化される光の照射下に、処理すべき気体或い
は液体と接触させればよく、その方法は特に限定されな
い。照射する光としては、一般に波長が400乃至20
0nmの紫外線が使用しやすく、光源としては、ブラッ
クランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯等が使用される。
【0049】本発明に用いる悪臭除去剤は、上記成分の
組成に限定されることなく、それ自体公知の担体,増量
剤,改質剤等の成分、例えばセピオライト、パリゴルス
カイト、活性炭、ゼオライト、活性炭素繊維、セピオラ
イト混合紙、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミ
キュライト、ケイソウ土などの無機質多孔性担体の他、
パルプ、繊維、布、高分子多孔体などの有機質多孔性担
体などを併用してよい。また、他の悪臭除去剤、例えば
硫化水素、メチルメルカプタン等に対して消臭性のある
悪臭除去剤と組み合わせて、総合的な悪臭除去剤とする
こともできる。組み合わせる悪臭除去剤としては合成フ
ィロケイ酸マグネシウム、含アルミニウムフィロケイ酸
マグネシウムが好ましい。
【0050】この悪臭除去剤は、粉末もしくは顆粒状の
悪臭除去剤とすることができる他、練合物を、例えば、
棒状、ペレット状、ハニカム状に押出し成形を行うな
ど、公知の方法により用途に応じた適宜の形状に容易に
成形することができる。さらに本発明の悪臭除去剤をシ
ート状基材に担持させ、シート状悪臭除去剤とすること
が可能である。このようなシート状悪臭除去剤として
は、本悪臭除去剤を梳き込んだ抄紙や被覆したコート紙
等の悪臭除去紙(この場合、シート状基材は紙またはパ
ルプである)、不織布等の薄いシート状基材とシート状
物などが挙げられる。シート基材とシート基材との間に
本発明悪臭除去剤を保持せしめたシート状物やコルゲー
ト加工したシート状物に用いられるシート状基材として
は、少なくとも通気性のあるもので、さらには,液中の
臭気成分を除去するためから濾布のような通液性のある
ものであればよい。用いるシートの基材としては、天然
繊維や合成繊維のいずれでもよく、例えば、不織布とし
て一般に知られているものが好ましく、これらの素材と
しては、ナイロン−6、ナイロン6,6、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル,ビニロン,ポリプロ
ピレン,ポリビニルアルコールなどの合成繊維,麻,
綿,製紙用パルプなどの天然繊維が挙げられる。また本
悪臭除去剤の使用条件によっては該シートに対し,親水
性,発水性,透水性などの材質を用いて、使用条件に適
したものとすることができる。
【0051】本発明の悪臭除去剤をシートの間に保持せ
しめる方法としては、特に限定されるものではない。例
えば、2枚のシートの間に本発明の悪臭除去剤を均等に
挟み込み、両シートを接着または接合することによっ
て、該悪臭除去剤を保持することができる。また1枚の
シートを折り曲げて、その間に本発明の悪臭除去剤を挟
み、上下シートを接合することによって、該悪臭除去剤
を保持する。保持させる本発明の悪臭除去剤の目付け量
は,1000g/m以下、好ましくは10〜850g
/m、より好ましくは15〜600g/mである。
【0052】さらに本発明の悪臭除去剤を天然繊維や合
成繊維と水に分散し、これを混抄して抄紙を得ることが
できる。また、本発明の悪臭除去剤を水に分散しシート
基材に含浸させてシート状悪臭除去剤を得ることもでき
る。また、上記の繊維類を原料としてそれ自体公知の方
法により不織布の形態にすることもできる。例えば紡糸
の過程で予め繊維と該悪臭除去剤とを混ぜた後、不織布
にすることもできる。(化学便覧[応用化学編]改訂3
版,第660頁)。ここで用いられる原料繊維として
は、綿、麻、パルプ等の天然繊維、セルロース系(レー
ヨン等)、ポリアミド系(ナイロン等)、ポリエステル
系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリア
クリロニトリル系(アクリル等)、ポリオレフィン系
(ポリプロピレン,ポリエチレン等),ポリウレタン
系,ポリビニルアルコール系(ビニロン等)等の化学繊
維が挙げられる。
【0053】かくして本発明の悪臭除去剤を混抄して抄
紙したり、シート基材に担持させる際には,通常の抄造
法などにおいて用いられる分散剤、凝集剤、結合剤、湿
潤剤、可塑剤、接着剤等を適宜必要に応じて添加しても
よい。
【0054】該凝集剤や分散剤としては、一般に抄紙に
用いられるものであればよい。例えば、アニオン系有機
高分子やカチオン系有機高分子などの高分子凝集剤が用
いられる。該アニオン系有機高分子としてはアクリルア
ミド重合体の部分加水分解物等が挙げられる。さらにこ
れらは、アクリルアミドと共重合可能な不飽和酸との共
重合体、アクリル酸の単独または共重合体、アニオン変
性でんぷん(酸化でんぷん等)、その他のアニオン性糊
剤も併用可能である。該カチオン系有機高分子として
は、カチオン変性ポリアクリルアミド樹脂、マンニッヒ
反応物、ホフマン分解物、4級アミン含有モノマーとの
共重合体,カチオン化でんぷんなどが挙げられる。
【0055】該結合剤としては、スチレン,アクリロニ
トリル,イソプレン等とブタジエンの共重合体やアクリ
ル酸エステル、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単独または
共重合体、或いは天然ガム類、アルギン酸ナトリウム、
CMC、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホ
ルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アル
キッド樹脂などが挙げられる。
【0056】該可塑剤としては、フタール酸エステル系
可塑剤等が、オレイン酸アンモニウム石鹸で乳化、分散
した後、使用することができる。該接着剤としては、カ
ゼイン、ラテックス、でんぷん、ポリビニルアルコール
などが用いられる。
【0057】その他の分散剤や湿潤剤等もそれ自体公知
のものを用いることが可能である。前記の各種添加剤
は、適宜必要に応じて適量が配合される。混合抄紙悪臭
除去剤やシート状悪臭除去剤における悪臭除去素材の割
合は、全体重量に対して、1〜70重量%、好ましくは
5〜50重量%である。悪臭除去剤の含有量が少ないと
悪臭除去能力が劣り、また多すぎると紙やシートの強度
が十分でなくなったり、また悪臭除去剤の保持が困難と
なる。
【0058】このようにして得られた混合抄紙悪臭除去
剤は、各種の用途に応用可能である。例えば、そのまま
使用して部屋やトイレの悪臭除去壁紙やオムツの材料と
して使用して悪臭除去紙オムツ、箱や蓋の内貼り用とし
て使用して悪臭除去ごみ箱、押し入れやタンス等の中敷
き、水槽の濾過材、多孔性プラスチックや布の間に挟み
込んだトイレの悪臭除去床敷き、小さくカットしたもの
を布袋等に入れたハンドバックやカバンの悪臭除去袋、
袋状に加工した消臭ゴミ袋等が挙げられる。特にトイレ
の床敷き用には、吸湿剤の使用やエンボス加工をすると
効果的である。
【0059】
【実施例】本発明を次の例で更に説明する。本発明にお
ける評価試験は下記の方法により行った。
【0060】(1)X線回折測定試験 理学電機(株)製のRAD−IBシステムを用いて、C
u−Kαにて下記の条件で測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター 検出器 SC 電圧 35KVP 電流 15mA カウントフルスケール 700c/s スムージングポイント 25 走査速度 1°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1° RS0.15mm SS1° 照角 6°
【0061】(2)化学分析 JIS.M.8852に準拠して測定した。
【0062】(3)BET比表面積、細孔容積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1900を使用し、BET法により測定した。
【0063】(4)嵩密度(見掛け比重) JIS.K.6220.6.8.(鉄シリンダー法)に
準拠して測定した。
【0064】(5)吸油量 JIS.K.5101.19に準拠して測定した。
【0065】(6)消臭試験 試料0.5gを1.8リットルのガラス瓶に入れ、ガス
注入口(シリコンゴム栓)を付けた蓋で密栓する。アセ
トアルデヒド120ppm相当量をマイクロシリンジを
用いて注入し、経時変化をガスクロで測定しアセトアル
デヒドの除去率を測定した。
【0066】本実施例で用いた含アルミニウムフィロケ
イ酸亜鉛及びメソポーラスシリカは、それぞれ以下のよ
うに合成した。
【0067】(含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛の合
成)ケイ酸ナトリウム水溶液(SiO=22.0wt
%、NaO=7.2wt%)、アルミン酸ナトリウム
水溶液(Al=23.6wt%、NaO=1
9.0wt%)、硫酸亜鉛水溶液(ZnO=7.96w
t%、SO=8.1wt%)及び希硫酸を用いて、4
0℃でモル比が、Al/SiO/ZnO=1/
6/3になるように調製し反応を行った。反応後、濾過
・洗浄を行い110℃で乾燥後、ジェットミルで粉砕し
含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛を得た。物性測定を行
い、結果を表5に示す。
【0068】
【表5】 SiO61.2モル% Al7.0モル% ZnO 31.8モル% BET比表面積 270m/g 吸油量 95ml/100g
【0069】(メソポーラスシリカの合成)1Lの容器
に、イオン交換水600gに3号ケイ酸ソーダ(SiO
=23%、NaO=7%)54g、水酸化ナトリウ
ム6g、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(以下、
HDTMAと記す。)400gをブタノール600gに
溶解した濃度40%のHDTMAブタノール溶液26.
6g(SiO基準で85.7%)をこの順に加えて、
70℃で3時間、加熱しながら混合した。この時のpH
は12.5で、溶液は透明であった。次に、得られた溶
液に2NのHClを加えてpHを8.0に調整し、70
℃で3時間加熱しながら混合した。その後、混合物を濾
過、水洗し、60℃で2日間乾燥し、その乾燥物を65
0℃で4時間焼成し、メソポアシリカを得た。得られた
シリカの物性を測定し、その結果を表6に示す。また、
X線回折像を図5に示す。
【0070】
【表6】 嵩密度 0.15g/ml BET比表面積 1171m/g BET細孔容積 0.27cm/g 吸油量 255ml/100g
【0071】(実施例1)含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛とスルファニル酸を重量比で95:5の割合で混合
した後、ジェットミルで粉砕して消臭剤粉末(試料1)
を得た。この試料1の消臭試験の結果を表7に示す。
【0072】(実施例2)含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛とスルファニル酸を重量比で90:10の割合で混
合した後、ジェットミルで粉砕して消臭剤粉末(試料
2)を得た。この試料2の消臭試験の結果を表7に、X
線回折像を図6に示す。
【0073】(実施例3)含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛とスルファニル酸を重量比で80:20の割合で混
合した後、ジェットミルで粉砕して消臭剤粉末(試料
3)を得た。この試料3の消臭試験の結果を表7に示
す。
【0074】(実施例4)メソポーラスシリカとスルフ
ァニル酸を重量比で95:5の割合で混合した後、ジェ
ットミルで粉砕して消臭剤粉末(試料4)を得た。この
試料4の消臭試験の結果を表7に示す。
【0075】(実施例5)メソポーラスシリカとスルフ
ァニル酸を重量比で90:10の割合で混合した後、ジ
ェットミルで粉砕して消臭剤粉末(試料5)を得た。こ
の試料5の消臭試験の結果を表7に示す。
【0076】(実施例6)実施例2で得た試料2とメソ
ポーラスシリカとを、試料2中の含アルミニウムフィロ
ケイ酸亜鉛とメソポーラスシリカが重量比で90:10
の割合になるように混合した後、ジェットミルで粉砕し
て消臭剤粉末(試料6)を得た。この時、試料6中のス
ルファニル酸の重量割合は、9.1である。この試料6
の消臭試験の結果を表7に示す。
【0077】(実施例7)実施例2で得た試料2とメソ
ポーラスシリカとを、試料2中の含アルミニウムフィロ
ケイ酸亜鉛とメソポーラスシリカが重量比で70:30
の割合になるように混合した後、ジェットミルで粉砕し
て消臭剤粉末(試料7)を得た。この時、試料7中のス
ルファニル酸の重量割合は、23.1である。この試料
7の消臭試験の結果を表7に示す。
【0078】(実施例8)実施例2で得た試料2とメソ
ポーラスシリカとを、試料2中の含アルミニウムフィロ
ケイ酸亜鉛とメソポーラスシリカが重量比で50:50
の割合になるように混合した後、ジェットミルで粉砕し
て消臭剤粉末(試料8)を得た。この時、試料8中のス
ルファニル酸の重量割合は、33.3である。この試料
8の消臭試験の結果を表7に示す。
【0079】(比較例1)含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛をそのまま消臭剤粉末(試料9とする)として用
い、ジェットミル粉砕をした後に消臭試験を行った。そ
の結果を表7に示す。
【0080】(比較例2)メソポーラスシリカの代わり
に湿式沈殿法により製造した微粉末ケイ酸塩(ミズカシ
ルP−527:水澤化学工業製)と、スルファニル酸を
重量比で90:10の割合になるように混合した後、ジ
ェットミルで粉砕して消臭剤粉末(試料10)を得た。
この試料10の消臭試験の結果を表7に示す。
【0081】(参考例1)含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛とスルファニル酸を重量比で90:10の割合で混
合し、サンプルミルで粉砕した後、消臭剤粉末(試料1
1)を得た。この試料11の消臭試験の結果を表7に、
X線回折像を図7に示す。図7のX線回折像より、試料
11にはスルファニル酸のピークが残っていた。
【0082】
【表7】
【0083】
【発明の効果】(A)結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含
アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体
及びメソポーラスシリカからなる群より選択された少な
くとも1種と、(B)有機酸、更には(C)II族の金属
水酸化物及びIV族の金属のリン酸塩及び/又は光反応性
半導体を有する無機組成物を含有することにより、アル
デヒド類、アンモニア、硫化物臭等に対してすぐれた消
臭能力を持つ悪臭除去剤を得ることができた。
【図の簡単な説明】
【図1】ソーコナイト型ケイ酸亜鉛のX線回折像であ
る。
【図2】ヘミモルファイト型ケイ酸亜鉛のX線回折像で
ある。
【図3】ウイレマイト型ケイ酸亜鉛のX線回折像であ
る。
【図4】含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛のX線回折像
である。
【図5】メソポーラスシリカのX線回折像である。
【図6】実施例2で用いた試料2のX線回折像である。
【図7】参考例1で用いた試料11のX線回折像であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 CC02 CC04 CC08 HH05 JJ04 JJ09 KK08 MM02 MM03 MM06 MM14 QQ03 4G066 AA18B AA20B AA22B AA50B AA66B AB06D AB07B AB13B AB18B BA23 BA24 BA25 BA31 BA32 CA02 DA03 FA05 FA37

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含
    アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体
    及びメソポーラスシリカからなる群より選択された少な
    くとも1種と、(B)有機酸とからなることを特徴とす
    る悪臭物質除去剤。
  2. 【請求項2】 前記除去剤が(C)周期律表II族の金属
    水酸化物及び周期律表IV族の金属のリン酸塩及び/又は
    光反応性半導体を有する無機組成物を更に含有すること
    を特徴とする請求項1記載の悪臭物質除去剤。
  3. 【請求項3】 (A)結晶性ケイ酸亜鉛化合物或いは含
    アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体
    及びメソポーラスシリカからなる群より選択された少な
    くとも1種と、(B)有機酸とが(A):(B)=9
    9:1乃至50:50の重量比で存在することを特徴と
    する請求項1または2記載の悪臭物質除去剤。
  4. 【請求項4】 前記(A)の結晶性ケイ酸亜鉛化合物或
    いは含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質
    複合体とメソポーラスシリカが99:1乃至1:99の
    重量比で存在することを特徴とする請求項3記載の悪臭
    物質除去剤。
  5. 【請求項5】 メソポーラスシリカが回折角2.2乃至
    4.4゜(Cu−α)にX線回折ピークを有すると共
    に、細孔径20乃至40オングストロームの細孔容積の
    極大値を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れ
    かに記載の悪臭物質除去剤。
  6. 【請求項6】 メソポーラスシリカが鉄シリンダー法で
    測定して0.1乃至0.3g/mlの嵩密度を有する請
    求項1乃至5の何れかに記載の悪臭物質除去剤。
  7. 【請求項7】 含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そ
    のケイ酸質複合体が酸化物として示した三成分組成比で
    SiO5〜80モル%、ZnO5〜65モル%及びA
    1〜60モル%の量比からなることを特徴とす
    る請求項1乃至6の何れかに記載の悪臭物質除去剤。
  8. 【請求項8】 結晶性ケイ酸亜鉛化合物が合成フライポ
    ンタイト鉱物からなることを特徴とする請求項1乃至7
    の何れかに記載の悪臭物質除去剤。
  9. 【請求項9】 結晶性ケイ酸亜鉛化合物がソーコナイ
    ト、ヘミモルファイト又はウイレマイト型構造を有する
    ケイ酸亜鉛系鉱物であることを特徴とする請求項1乃至
    8の何れかに記載の悪臭物質除去剤。
  10. 【請求項10】 有機酸が多塩基性カルボン酸であり、
    当該カルボン酸の結晶サイズが抑制された状態で存在す
    ることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の悪
    臭物質除去剤。
  11. 【請求項11】 有機酸がアミノスルホン酸であること
    を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の悪臭物質
    除去剤。
  12. 【請求項12】 有機酸がX線回折でピークが観測され
    ない状態で存在する請求項1乃至11の何れかに記載の
    悪臭物質除去剤。
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