JP2014183962A - 消臭剤の製造方法、消臭剤、及び消臭機能付き繊維製品 - Google Patents

消臭剤の製造方法、消臭剤、及び消臭機能付き繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維製品への使用が容易であるとともに、繊維製品に付着した汗臭等の不快臭に対して優れた効果を発揮し得る消臭剤の製造方法を提供する。
【解決手段】二酸化ケイ素及び酸化亜鉛を主成分として含有する消臭剤の製造方法であって、消臭剤の製造中に、弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を用いて水素イオン濃度(pH)の調整を行う調整工程を行う。調整工程は、二酸化ケイ素の原料となるケイ酸塩水溶液、酸化亜鉛の原料となる亜鉛塩水溶液、及び弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を混合することにより実行される。
【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化ケイ素及び酸化亜鉛を主成分として含有する消臭剤の製造方法、及び二酸化ケイ素及び酸化亜鉛を主成分として含有する消臭剤に関する。さらに、本発明は、消臭剤を繊維に添加又は塗布してなる消臭機能付き繊維製品に関する。
近年、クールビズや節電等の影響により、機能性繊維を用いた衣類が注目されている。機能性繊維は、人体から放出される汗を素早く蒸発させて清涼感を高めたり、汗を吸収して発熱することで温感を与えるものである。ところが、汗に含まれる皮脂や雑菌等の影響により、機能性繊維には汗臭と呼ばれる不快臭が残り易く、このような汗臭に対して効果的な消臭剤が望まれている。また、従来の合成繊維や天然繊維から作製される繊維製品においても汗臭は問題となっており、このような汗臭を低減するために有効で、且つ取り扱いが容易な消臭剤が模索されている。
汗臭の成分は、主に、アンモニア、酢酸、イソ吉草酸である。汗臭の低減に効果的な消臭剤として、二酸化ケイ素及び亜鉛化合物を主成分として含有する化学吸着型消臭剤が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1の「無定形重金属ケイ酸塩からなる吸着材の製造方法」によって製造される吸着剤(消臭剤)は、ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)と硫酸亜鉛とを混合してスラリーを生成し、スラリー中の固形分を濾過、水洗、及び乾燥することによって製造される。この消臭剤は、二酸化ケイ素及び酸化亜鉛による汗臭成分の吸着作用、及び酸化亜鉛による制菌作用等によって汗臭を低減するものである。消臭剤を繊維製品に使用する場合は、例えば、消臭剤を水に分散させてスラリー液を調製し、これを繊維製品に吹き付けたり、あるいはスラリー液に繊維製品を浸漬する処理が行われる。
特開平2−265644号公報
ところが、特許文献1の消臭剤を水に分散させてスラリー液を調製すると、この消臭剤の主原料である水ガラスが強アルカリ性であるため、スラリー液の水素イオン濃度(pH)が高い値を示す。このため、特許文献1の消臭剤を繊維製品に使用するにあたっては、事前に有機酸等を用いてスラリー液のpHを弱酸性〜中性付近に調整する必要があり、煩雑な作業が強いられていた。
一方、特許文献1の消臭剤を水に分散させたスラリー液のpHを弱酸性〜中性付近に調整すると、消臭剤に含まれる酸化亜鉛が液体に溶解し易くなる。その結果、消臭剤から酸化亜鉛が消失し、消臭剤の特性(消臭性、及び持続性等)が低下するという別の問題が生じる。
このように、特許文献1の消臭剤は、衣類等の繊維製品に使用することを考えた場合、使用の利便性及び消臭性能の維持という点で改善の余地があった。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、繊維製品への使用が容易であるとともに、繊維製品に付着した汗臭等の不快臭に対して優れた効果を発揮し得る消臭剤、及び当該消臭剤の製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、汗臭等の不快臭を抑えた消臭機能付き繊維製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る消臭剤の製造方法の特徴構成は、
二酸化ケイ素及び酸化亜鉛を主成分として含有する消臭剤の製造方法であって、
前記消臭剤の製造中に、弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を用いて水素イオン濃度(pH)の調整を行う調整工程を行うことにある。
本構成の消臭剤の製造方法によれば、消臭剤の製造中に、弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を用いて水素イオン濃度(pH)の調整を行っているので、製品として得られる消臭剤を水に分散させてスラリー液としたときのpHを弱酸性〜中性領域に維持することできる。従って、製造した消臭剤を繊維製品に使用するにあたっては、スラリー液のpHを改めて調整する必要がなく、利便性に優れた消臭剤として使用することができる。また、上記のpH調整を行うことで、消臭剤に含まれる酸化亜鉛の溶出を効果的に抑制できるため、消臭剤の特性(消臭性、及び持続性等)を維持したまま、各種繊維製品に使用することができる。
本発明に係る消臭剤の製造方法において、
前記調整工程は、前記二酸化ケイ素の原料となるケイ酸塩水溶液、前記酸化亜鉛の原料となる亜鉛塩水溶液、及び前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を混合することにより実行されることが好ましい。
本構成の消臭剤の製造方法によれば、消臭剤の製造の初期段階でpH調整を行うことになるので、初めに各原料の配合量を調整して混合するだけでよく、その後は通常の製造工程と同様の作業で消臭剤を製造することが可能となる。
本発明に係る消臭剤の製造方法において、
前記調整工程は、前記二酸化ケイ素と前記酸化亜鉛との混合物を水に分散させてスラリーとし、当該スラリーに前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を混合することにより実行されることが好ましい。
本構成の消臭剤の製造方法によれば、消臭剤のベースとなる二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物をスラリー化したものに対して直接pH調整を行うことになるので、当該混合物の表面に金属水酸化物が効果的に担持され、消臭剤に含まれる酸化亜鉛の溶出をより効果的に抑制することが可能となる。
本発明に係る消臭剤の製造方法において、
前記調整工程は、生成した消臭剤を水に分散させて5重量%スラリーとしたとき、当該スラリーの水素イオン濃度(pH)が5〜7の範囲となるように実行されることが好ましい。
本構成の消臭剤の製造方法によれば、製品として得られる消臭剤を水に分散させたスラリー液のpHが適切な範囲に調整されているため、繊維製品への使用前にpH調整が不要な利便性に優れた消臭剤として使用することができる。
本発明に係る消臭剤の製造方法において、
前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液は、水素イオン濃度(pH)が5〜7の範囲で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液であることが好ましい。
本構成の消臭剤の製造方法によれば、pHが5〜7の範囲で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を用いてpH調整を行うため、繊維製品への使用前にpH調整が不要な利便性に優れた消臭剤として使用することができる。
本発明に係る消臭剤の製造方法において、
前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液は、生成した消臭剤中の金属水酸化物又は金属酸化物の含有量が金属酸化物換算で1〜15重量%となるように調整されることが好ましい。
本構成の消臭剤の製造方法によれば、製品として得られる消臭剤中に金属水酸化物又は金属酸化物が適切な含有量で含まれるため、繊維製品に使用する場合、利便性に優れ且つ消臭性能が維持された消臭剤として使用することができる。
本発明に係る消臭剤の製造方法において、
前記金属塩水溶液に含まれる金属は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本構成の消臭剤の製造方法によれば、金属塩水溶液に含まれる金属として適切な種類の金属が選択されるため、製造した消臭剤を繊維製品に使用する場合、利便性に優れ且つ消臭性能が維持された消臭剤として使用することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る消臭剤の特徴構成は、
主成分である二酸化ケイ素及び酸化亜鉛と、亜鉛成分溶出防止剤として作用する金属水酸化物又は金属酸化物とを含有することにある。
本構成の消臭剤によれば、上述した消臭剤の製造方法と同様の優れた作用効果を奏する。すなわち、本構成の消臭剤を繊維製品に使用するにあたっては、水に分散させたスラリー液のpHを改めて調整する必要がないため、利便性に優れた消臭剤として使用することができる。また、亜鉛成分溶出防止剤として作用する金属水酸化物又は金属酸化物を含有しているため、消臭剤に含まれる酸化亜鉛の溶出を効果的に抑制でき、消臭剤の特性(消臭性、及び持続性等)を維持したまま、各種繊維製品に使用することができる。
なお、二酸化ケイ素及び酸化亜鉛を主成分として含有する本構成の消臭剤は、汗臭の他、硫化水素、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、フェノール、NOx等の悪臭にも効果があり、さらに白色の粉体又は粒状体として得られるため、使用対象製品の外観やデザインを損なうことなく、適用範囲が広い消臭剤として使用することができる。
本発明に係る消臭剤において、
前記金属水酸化物又は前記金属酸化物に含まれる金属は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本構成の消臭剤によれば、金属塩水溶液に含まれる金属として適切な種類の金属が選択されるため、消臭剤を繊維製品に使用する場合、利便性に優れ且つ消臭性能が維持された消臭剤として使用することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る消臭機能付き繊維製品の特徴構成は、
上記記載の消臭剤を繊維に添加、塗布、又は含浸してなることにある。
本構成の消臭機能付き繊維製品によれば、本発明の消臭剤を繊維に添加、塗布、又は含浸したものであるため、消臭剤の特性(消臭性、及び持続性等)が維持された高機能な繊維製品を提供することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る消臭剤の製造方法を示したフローチャートである。 図2は、本発明の第二実施形態に係る消臭剤の製造方法を示したフローチャートである。 図3は、本発明の第三実施形態に係る消臭剤の製造方法を示したフローチャートである。 図4は、本発明の消臭剤のX線回折スペクトルを示すグラフである。
以下、本発明の消臭剤の製造方法、消臭剤、及び消臭機能付き繊維製品に関する実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
〔消臭剤の製造方法〕
本発明の消臭剤は、二酸化ケイ素及び酸化亜鉛を主成分として含有する無定形の白色消臭剤である。二酸化ケイ素及び酸化亜鉛は、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物(以下、単に「混合物」と称する場合がある。)の形態で消臭剤中に存在する。混合物は、ケイ酸塩と亜鉛塩とを水溶液の状態で混合することにより形成され、その結果、二酸化ケイ素と酸化亜鉛とが緻密に混合された状態となる。なお、生成した混合物には、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合酸化物が含まれていても構わない。ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。これらのうち、ケイ酸ナトリウムが好適に使用される。ケイ酸ナトリウムは、その水溶液である水ガラスの形態で使用される。亜鉛塩としては、例えば、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる。これらのうち、硫酸亜鉛が好適に使用される。硫酸亜鉛は、硫酸亜鉛水溶液の形態で使用される。
本発明の消臭剤は、その製造工程において、弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を用いて水素イオン濃度(pH)の調整を行う調整工程を行うことに独特の特徴を有する。ここで、弱酸性〜中性領域とは、pH5〜7の範囲であり、好ましくはpH6〜7の範囲である。弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液に含まれる金属塩としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、硫酸チタニル、硫酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化スズ、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。以下、本発明の消臭剤の製造方法に関する代表的な第一実施形態〜第三実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、各図中に示す記号「S」はステップを意味する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る消臭剤の製造方法を示したフローチャートである。本実施形態では、初めに、消臭剤の主成分である二酸化ケイ素の原材料としての(a)ケイ酸塩水溶液と、同じく消臭剤の主成分である酸化亜鉛の原材料としての(b)亜鉛塩水溶液と、(c)弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液(以下、単に「金属塩水溶液」とする)とを混合する(S1)。この混合工程では、(a)ケイ酸塩水溶液、(b)亜鉛塩水溶液、及び(c)金属塩水溶液を同時に混合することが好ましいが、各原材料の投入タイミングに多少の時間差をつけて混合しても構わない。また、ビーカー等の容器に水を入れて母液とし、この母液の中に各水溶液を同時に又は時間差をつけて添加する混合方法としても構わない。混合工程は攪拌しながら行ってもよく、さらに攪拌後に混合液を熟成させるための熟成期間を設けても構わない。ステップ1は、原材料の混合工程であると同時に、混合液の水素イオン濃度(pH)を調整する調整工程も兼ねている。混合液の水素イオン濃度(pH)は、例えばpH4.5〜6.8に調整される。調整工程における混合液のpHの範囲は、最終製品である本発明の消臭剤を水に分散させてスラリー化したときの水素イオン濃度(pH5〜7)よりも低く設定することが好ましい。混合工程(調整工程)を行うと、(a)ケイ酸塩水溶液と、(b)亜鉛塩水溶液とが反応して二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物が生成し、さらに(c)金属塩水溶液から金属水酸化物が生成する。そして、金属水酸化物は混合物中に取り込まれる。その結果、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、及び金属水酸化物を含有するスラリーが生成する(S2)。次いで、スラリーからケーキ(固形分)を濾過し(S3)、濾別したケーキを水洗し(S4)、乾燥させる(S5)。ステップ5の乾燥工程は、例えば、加熱乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥等の方法により行うことができる。加熱乾燥を行う場合は、乾燥温度は300℃以下とすることが好ましい。ケーキの乾燥が完了したら、これを粉砕し、分級する(S6)。これにより、本実施形態の消臭剤が完成する(S7)。消臭剤は白色の外観を呈した無定形物として得られる。以上までの工程が、本発明の第一実施形態に係る消臭剤の製造方法に関する工程である。消臭剤を使用するにあたっては、消臭剤を水等の溶媒に分散させてスラリー化する(S8)。このとき、消臭剤は上記調整工程を行っていることから、スラリー液は、例えば、消臭剤の含有量が5重量%においてpH5〜7の範囲に調整されたものとなる。消臭剤を繊維製品に適用する場合、スラリー液を繊維製品に吹き付けたり、スラリー液に繊維製品を浸漬させる(S9)。これにより、消臭機能付き繊維製品が完成する。
<第二実施形態>
図2は、本発明の第二実施形態に係る消臭剤の製造方法を示したフローチャートである。本実施形態では、初めに、消臭剤の主成分である二酸化ケイ素の原材料としての(a)ケイ酸塩水溶液と、同じく消臭剤の主成分である酸化亜鉛の原材料としての(b)亜鉛塩水溶液とを混合する(S11)。この混合工程では、(a)ケイ酸塩水溶液、及び(b)亜鉛塩水溶液を同時に混合することが好ましいが、例えば、(a)ケイ酸塩水溶液中に(b)亜鉛塩水溶液を添加するなど、一方の水溶液に他方の水溶液を添加する混合方法でも構わない。また、ビーカー等の容器に水を入れて母液とし、この母液の中に各水溶液を同時に又は時間差をつけて添加する混合方法としても構わない。混合工程は攪拌しながら行ってもよく、さらに攪拌後に混合液を熟成させるための熟成期間を設けても構わない。混合工程を行うと、(a)ケイ酸塩水溶液と、(b)亜鉛塩水溶液とが反応して二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物が生成する。この混合液に(c)金属塩水溶液を添加し、混合液の水素イオン濃度(pH)を調整する。混合液の水素イオン濃度(pH)は、例えばpH4.5〜6.8に調整される。調整工程における混合液のpHの範囲は、最終製品である本発明の消臭剤を水に分散させてスラリー化したときの水素イオン濃度(pH5〜7)よりも低く設定することが好ましい。調整工程を行うと、(c)金属塩水溶液から金属水酸化物が生成する。そして、金属水酸化物は混合物中に取り込まれる。その結果、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、及び金属水酸化物を含有するスラリーが生成する(S12)。次いで、スラリーからケーキ(固形分)を濾過し(S13)、濾別したケーキを水洗し(S14)、乾燥させる(S15)。ステップ15の乾燥工程は、第一実施形態と同様に行うことができる。ケーキの乾燥が完了したら、これを粉砕し、分級する(S16)。これにより、本実施形態の消臭剤が完成する(S17)。消臭剤は白色の外観を呈した無定形物として得られる。以上までの工程が、本発明の第二実施形態に係る消臭剤の製造方法に関する工程である。消臭剤を使用するに際しての処理(S18及びS19)は、第一実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
<第三実施形態>
図3は、本発明の第三実施形態に係る消臭剤の製造方法を示したフローチャートである。本実施形態では、初めに、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物を水に分散させてスラリー化させておく(S21)。上記混合物は、製品として販売されているものを使用することができる。例えば、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」を好適に使用することができる。混合物のスラリーに(c)金属塩水溶液を添加し、混合液の水素イオン濃度(pH)を調整する。混合液の水素イオン濃度(pH)は、例えばpH4.5〜6.8に調整される。調整工程における混合液のpHの範囲は、最終製品である本発明の消臭剤を水に分散させてスラリー化したときの水素イオン濃度(pH5〜7)よりも低く設定することが好ましい。調整工程を行うと、(c)金属塩水溶液から金属水酸化物が生成する。そして、金属水酸化物は混合物に結合する。次いで、スラリーからケーキ(固形分)を濾過し(S22)、濾別したケーキを水洗し(S23)、乾燥させる(S24)。ステップ24の乾燥工程は、第一実施形態と同様に行うことができる。ケーキの乾燥が完了したら、これを粉砕し、分級する(S25)。これにより、本実施形態の消臭剤が完成する(S26)。消臭剤は白色の外観を呈した無定形物として得られる。以上までの工程が、本発明の第三実施形態に係る消臭剤の製造方法に関する工程である。消臭剤を使用するに際しての処理(S27及びS28)は、第一実施形態及び第二実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
上記実施形態で説明した消臭剤の製造方法に従って、各種の消臭剤を製造した。本発明の条件で製造した消臭剤を実施例とし、本発明とは異なる条件で製造した消臭剤を比較例として説明する。なお、下記の実施例及び比較例において、消臭剤の組成分析はICP−AES法(株式会社日立ハイテクサイエンス社製のICP発光分光分析装置SPS−3100シリーズを使用)により実施した。消臭剤の水分含有量はカールフィッシャー法(三菱化学株式会社製の微量水分測定装置CA−07型を使用)により実施した。組成及び水分含有量の単位はすべて質量%とする。消臭剤の構造分析については、X線回折法(株式会社島津製作所社製のX線回折装置LabX XRD−6000を使用)により実施した。
〔実施例1〕
実施例1は、上記第一実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。(a)ケイ酸塩水溶液として、JIS規格K1408で規定されている水ガラス3号(NaO/SiO=1/3.2)46.3gを水80gで希釈したものを使用した。(b)亜鉛塩水溶液として、試薬として市販されている酸化亜鉛4.85gを5.2%硫酸118.54gに溶解したものを使用した。(c)金属塩水溶液として、Al10%のポリ塩化アルミニウム水溶液(PAC)10.8gを使用した。
(b)亜鉛塩水溶液に(c)金属塩水溶液を添加し、亜鉛塩/金属塩混合液とした。(a)ケイ酸塩水溶液、及び亜鉛塩/金属塩混合液を、水100gを入れたビーカーに夫々約6ml/分の添加速度で攪拌しながら同時に添加し、反応させた。液の添加終了後、生成したスラリー液を常温で60分間攪拌しながら熟成させた。熟成後のスラリー液のpHは6.3であった。スラリー液を静置して沈澱した固形分を濾過し、ケーキとして回収した。ケーキを水洗し、120℃で7時間乾燥させた。乾燥したケーキを適宜粉砕・分級し、白色消臭剤を得た。白色消臭剤の組成は、ZnO:21.1%、SiO:61.9%、Al:5.1%、水分:7.3%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4のX線回折スペクトルに示すように、特定の回折パターンではなくブロードなピークが測定されたことから、無定形であることが確認された。
〔実施例2〕
実施例2は、上記第一実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。(a)ケイ酸塩水溶液として、JIS規格K1408で規定されている水ガラス3号(NaO/SiO=1/3.2)46.3gを水80gで希釈したものを使用した。(b)亜鉛塩水溶液として、試薬として市販されている酸化亜鉛4.85gを5.2%硫酸118.54gに溶解したものを使用した。(c)金属塩水溶液として、Al6.4%の塩化アルミニウム水溶液28.0gを使用した。
(a)ケイ酸塩水溶液、(b)亜鉛塩水溶液、及び(c)金属塩水溶液の混合手順、並びに最終の白色消臭剤を得るまでの工程は、実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。熟成後のスラリー液のpHは6.1であった。白色消臭剤の組成は、ZnO:14.0%、SiO:63.5%、Al:6.5%、水分:10.4%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔実施例3〕
実施例3は、上記第二実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。(a)ケイ酸塩水溶液として、JIS規格K1408で規定されている水ガラス3号(NaO/SiO=1/3.2)46.3gを水80gで希釈したものを使用した。(b)亜鉛塩水溶液として、試薬として市販されている酸化亜鉛4.85gを5.2%硫酸118.54gに溶解したものを使用した。(c)金属塩水溶液として、Al10%のポリ塩化アルミニウム水溶液(PAC)10.8gを使用した。
(a)ケイ酸塩水溶液、及び(b)亜鉛塩水溶液を、水100gを入れたビーカーに夫々約6ml/分の添加速度で攪拌しながら同時に添加し、反応させた。次いで、(c)金属塩水溶液を添加し、生成したスラリー液を常温で60分間攪拌しながら熟成させた。熟成後のスラリー液のpHは5.8であった。スラリー液を静置して沈澱した固形分を濾過し、ケーキとして回収した。ケーキを水洗し、120℃で7時間乾燥させた。乾燥したケーキを適宜粉砕・分級し、白色消臭剤を得た。白色消臭剤の組成は、ZnO:21.7%、SiO:61.3%、Al:5.1%、水分:7.0%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔実施例4〕
実施例4は、上記第三実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液として、Al10%のポリ塩化アルミニウム水溶液(PAC)8.5gを使用した。
上記混合物を水190gに分散してスラリー液を調製し、スラリー液に(c)金属塩水溶液を添加した。スラリー液を常温で60分間攪拌しながら熟成させた。スラリー液のpHは、(c)金属塩水溶液の添加直後、及びスラリー液の熟成後で変化はなく、pH5.7であった。熟成後のスラリー液を静置して沈澱した固形分を濾過し、ケーキとして回収した。ケーキを水洗し、120℃で7時間乾燥させた。乾燥したケーキを適宜粉砕・分級し、白色消臭剤を得た。白色消臭剤の組成は、ZnO:15.4%、SiO:63.5%、Al:8.1%、水分:10.3%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔実施例5〕
実施例5は、上記第三実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液として、12.6%硫酸ジルコニウム水溶液18.0gを使用した。
上記混合物、及び(c)金属塩水溶液の混合手順、並びに最終の白色消臭剤を得るまでの工程は、実施例4と同様であるため、詳細な説明は省略する。スラリー液のpHは、(c)金属塩水溶液の添加直後でpH5.6、スラリー液の熟成後でpH5.7であった。白色消臭剤の組成は、ZnO:13.8%、SiO:63.4%、Zr:13.8%、水分:7.6%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔実施例6〕
実施例6は、上記第三実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液として、6.6%オキシ塩化ジルコニウム水溶液35.4gを使用した。
上記混合物、及び(c)金属塩水溶液の混合手順、並びに最終の白色消臭剤を得るまでの工程は、実施例4と同様であるため、詳細な説明は省略する。スラリー液のpHは、(c)金属塩水溶液の添加直後でpH5.3、スラリー液の熟成後でpH5.4であった。白色消臭剤の組成は、ZnO:18.7%、SiO:63.4%、Zr:1.84%、水分:11.1%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔実施例7〕
実施例7は、上記第三実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液として、6.8%硫酸亜鉛及び0.8%硫酸チタニルの混合水溶液35.47gを使用した。
上記混合物、及び(c)金属塩水溶液の混合手順、並びに最終の白色消臭剤を得るまでの工程は、実施例4と同様であるため、詳細な説明は省略する。スラリー液のpHは、(c)金属塩水溶液の添加直後でpH5.3、スラリー液の熟成後でpH5.6であった。白色消臭剤の組成は、ZnO:14.8%、SiO:63.5%、Zr:12.6%、水分:7.3%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔実施例8〕
実施例8は、上記第三実施形態の製造方法に準じて行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液として、6.4%塩化アルミニウム水溶液20.0gを使用した。
上記混合物、及び(c)金属塩水溶液の混合手順、並びに最終の白色消臭剤を得るまでの工程は、実施例4と同様であるため、詳細な説明は省略する。スラリー液のpHは、(c)金属塩水溶液の添加直後でpH5.5、スラリー液の熟成後でpH5.6であった。白色消臭剤の組成は、ZnO:12.4%、SiO:63.5%、Al:8.1%、水分:11.0%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔比較例1〕
比較例1は、上記第一実施形態の製造方法との比較のために行った製造試験である。(a)ケイ酸塩水溶液として、JIS規格K1408で規定されている水ガラス3号(NaO/SiO=1/3.2)46.3gを水80gで希釈したものを使用した。(b)亜鉛塩水溶液として、試薬として市販されている酸化亜鉛4.85gを5.2%硫酸118.54gに溶解したものを使用した。(c)金属塩水溶液は使用しなかった。
(a)ケイ酸塩水溶液、及び(b)亜鉛塩水溶液を、水100gを入れたビーカーに夫々約6ml/分の添加速度で攪拌しながら同時に添加し、反応させた。液の添加終了後、生成したスラリー液を常温で60分間攪拌しながら熟成させた。スラリー液のpHは、(a)ケイ酸塩水溶液、及び(b)亜鉛塩水溶液の添加直後でpH6.1、スラリー液の熟成後でpH6.4であった。スラリー液を静置して沈澱した固形分を濾過し、ケーキとして回収した。ケーキを水洗し、120℃で7時間乾燥させた。乾燥したケーキを適宜粉砕・分級し、白色消臭剤を得た。白色消臭剤の組成は、ZnO:21.7%、SiO:62.0%、Al:0.2%、水分:11.1%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4のX線回折スペクトルに示すように、特定の回折パターンではなくブロードなピークが測定されたことから、無定形であることが確認された。
〔比較例2〕
比較例2は、上記第三実施形態の製造方法との比較のために行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液として、Al10%のポリ塩化アルミニウム水溶液(PAC)25.0gを使用した。
上記混合物を水190gに分散してスラリー液を調製し、スラリー液に(c)金属塩水溶液を添加した。スラリー液を常温で60分間攪拌しながら熟成させた。スラリー液のpHは、(c)金属塩水溶液の添加直後でpH4.5、スラリー液の熟成後でpH5.0であった。熟成後のスラリー液を静置して沈澱した固形分を濾過し、ケーキとして回収した。ケーキを水洗し、120℃で7時間乾燥させた。乾燥したケーキを適宜粉砕・分級し、白色消臭剤を得た。白色消臭剤の組成は、ZnO:0.5%、SiO:63.5%、Al:23.8%、水分:7.2%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔比較例3〕
比較例3は、上記第三実施形態の製造方法との比較のために行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液として、12.6%硫酸ジルコニウム水溶液25.0gを使用した。
上記混合物、及び(c)金属塩水溶液の混合手順、並びに最終の白色消臭剤を得るまでの工程は、比較例2と同様であるため、詳細な説明は省略する。スラリー液のpHは、(c)金属塩水溶液の添加直後でpH1.6、スラリー液の熟成後でpH1.7であった。熟成後のスラリー液を静置して沈澱した固形分を濾過し、ケーキとして回収した。ケーキを水洗し、120℃で7時間乾燥させた。乾燥したケーキを適宜粉砕・分級し、白色消臭剤を得た。白色消臭剤の組成は、ZnO:1.6%、SiO:63.4%、Zr:18.9%、水分:11.1%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔比較例4〕
比較例4は、上記第三実施形態の製造方法との比較のために行った製造試験である。製品である二酸化ケイ素と酸化亜鉛との混合物として、ラサ工業株式会社から市販されている四大悪臭用消臭剤「シュークレンズ(登録商標)KD−211」10.0gを使用した。(c)金属塩水溶液は使用しなかった。
すなわち、比較例4は、上記混合物を二次加工することなく、そのまま白色消臭剤として使用したものである。白色消臭剤の組成は、ZnO:20.5%、SiO:63.5%、Al:0.8%、水分:9.7%であった。また、白色消臭剤の構造は、図4と同様のX線回折スペクトルであったため省略するが、無定形であることが確認された。
〔消臭性能試験〕
次に、上記実施例及び比較例の白色消臭剤の性能を確認するため、主に汗臭を想定した悪臭成分(アンモニア、酢酸ガス、硫化水素ガス)に対する消臭性能試験を実施した。消臭性能試験は、ガス検知管法により実施した。各消臭性能試験の試験条件は以下のとおりである。
(1)アンモニア消臭試験
実施例1〜8、及び比較例1〜4の白色消臭剤0.5gを3Lの樹脂製の臭い袋に入れ、1000ppmのアンモニアガスを封入し、30分経過後、検知管を用いてアンモニア濃度を測定した。
(2)酢酸ガス消臭試験
実施例1〜8、及び比較例1〜4の白色消臭剤0.1gを3Lの樹脂製の臭い袋に入れ、100ppmの酢酸ガスを封入し、10分経過後、検知管を用いて酢酸濃度を測定した。
(3)硫化水素ガス消臭試験
実施例1〜8、及び比較例1〜4の白色消臭剤0.1gを3Lの樹脂製の臭い袋に入れ、100ppmの硫化水素ガスを封入し、30分経過後、検知管を用いて硫化水素ガス濃度を測定した。
夫々のガスに対する消臭性能試験の結果を表1に示す。また、表1では、夫々の白色消臭剤のスラリー液のpHについても併せて示す。スラリー液のpHは、夫々の白色消臭剤2.5gをイオン交換水47.5gに添加してスラリー液とし、30分攪拌した後、スラリー液のpHをpHメーター(株式会社堀場製作所社製の卓上型pH計F−22)で測定したものである。
Figure 2014183962
表1に示すように、実施例1〜8の白色消臭剤は、アンモニア、酢酸ガス、及び
硫化水素ガスの何れの悪臭成分に対しても高い消臭性能を示すことが確認された。比較例の白色消臭剤については、比較例1及び4の白色消臭剤は消臭性能が十分であったが、比較例2及び3の白色消臭剤は消臭性能が不十分であり、特に硫化水素に対しては殆ど効果が見られなかった。
スラリー液のpHに関しては、実施例1〜8の白色消臭剤はpH6.0〜7.0の範囲にあり、弱酸性〜中性領域であった。この範囲のpHであれば、白色消臭剤を繊維に添加、塗布、含浸等により適用する場合、スラリー液のpHを調整する必要がない。従って、実施例1〜8の白色消臭剤は、酸化亜鉛の溶出を回避して高い消臭性能を維持しつつ、事前のpH調整が不要な利便性に優れた消臭剤として使用することができる。
これに対し、比較例1及び4の白色消臭剤は、スラリー液のpHが7より高くアルカリ性領域であるため、繊維に適用する際にpH調整が必要となり、その際、酸化亜鉛が溶出して消臭性能を低下させてしまうことになる。また、比較例2及び3の白色消臭剤は、スラリー液のpHが5より低く比較的強い酸性であるため、繊維に適用することには不向きである。
本発明の消臭剤の製造方法、及び消臭剤は、種々の繊維製品に消臭性能を付与する目的で利用可能であるが、繊維以外の製品(例えば、樹脂、紙類、木材等)に消臭性能を付与する目的で利用することも可能である。また、本発明の消臭機能付き繊維製品は、代表的な繊維製品である衣類の他、建物の内装、自動車の内装、家具、敷物等に様々な分野で利用される繊維製品においても利用可能である。

Claims (10)

  1. 二酸化ケイ素及び酸化亜鉛を主成分として含有する消臭剤の製造方法であって、
    前記消臭剤の製造中に、弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を用いて水素イオン濃度(pH)の調整を行う調整工程を行う消臭剤の製造方法。
  2. 前記調整工程は、前記二酸化ケイ素の原料となるケイ酸塩水溶液、前記酸化亜鉛の原料となる亜鉛塩水溶液、及び前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を混合することにより実行される請求項1に記載の消臭剤の製造方法。
  3. 前記調整工程は、前記二酸化ケイ素と前記酸化亜鉛との混合物を水に分散させてスラリーとし、当該スラリーに前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液を混合することにより実行される請求項1に記載の消臭剤の製造方法。
  4. 前記調整工程は、生成した消臭剤を水に分散させて5重量%スラリーとしたとき、当該スラリーの水素イオン濃度(pH)が5〜7の範囲となるように実行される請求項1〜3の何れか一項に記載の消臭剤の製造方法。
  5. 前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液は、水素イオン濃度(pH)が5〜7の範囲で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液である請求項1〜4の何れか一項に記載の消臭剤の製造方法。
  6. 前記弱酸性〜中性領域で金属水酸化物を生じる金属塩水溶液は、生成した消臭剤中の金属水酸化物又は金属酸化物の含有量が金属酸化物換算で1〜15重量%となるように調整される請求項1〜5の何れか一項に記載の消臭剤の製造方法。
  7. 前記金属塩水溶液に含まれる金属は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜6の何れか一項に記載の消臭剤の製造方法。
  8. 主成分である二酸化ケイ素及び酸化亜鉛と、亜鉛成分溶出防止剤として作用する金属水酸化物又は金属酸化物とを含有する消臭剤。
  9. 前記金属水酸化物又は前記金属酸化物に含まれる金属は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種である請求項8に記載の消臭剤。
  10. 請求項8又は9に記載の消臭剤を繊維に添加、塗布、又は含浸してなる消臭機能付き繊維製品。
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