JP6929518B2 - 多孔質シリカ、及び、消臭剤 - Google Patents
多孔質シリカ、及び、消臭剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6929518B2 JP6929518B2 JP2017008271A JP2017008271A JP6929518B2 JP 6929518 B2 JP6929518 B2 JP 6929518B2 JP 2017008271 A JP2017008271 A JP 2017008271A JP 2017008271 A JP2017008271 A JP 2017008271A JP 6929518 B2 JP6929518 B2 JP 6929518B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silica
- cobalt
- porous silica
- metal
- aluminum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
Description
(2)メソポーラスシリカと硝酸亜鉛を混合した後に焼成することで酸化亜鉛を含有する多孔質体が生成すること
が記載されている。
また、特開平4−313348号公報には、有機金属化合物の有機溶液に担体を浸漬して有機化合物を担体に担持し、担持した有機金属化合物を対応する金属又は金属酸化物に変換することを特徴とする、触媒の製造方法が記載されている。
さらに、特開2002−187712号公報には、水混和性有機溶媒、アルキルアミンおよびケイ酸エステルあるいはケイ酸エステルと水混和性有機溶媒に可溶な金属塩との組み合わせを含む混合液に、攪拌下に水あるいは酸性水溶液を添加し、生成するシリカ−アルキルアミン複合生成物を球状粒子に成長させ、球状粒子中のアルキルアミンを除去することを特徴とする球状多孔質シリカ及至シリカ金属複合体粒子の製造方法が記載されている。また、当該公報には、球状多孔質シリカ及至シリカ金属複合体粒子がメソ細孔内に悪臭物質を吸着することができるため、消臭剤としての機能を有することも記載されている。
しかしながら、金属を含有する多孔質シリカの場合、金属成分によって多孔質シリカが着色されてしまう場合があった。
そこで、本発明の課題は、金属成分による着色を抑制することができる、多孔質シリカ、消臭剤、及び多孔質シリカの製造方法を提供することにある。
また、本発明は、界面活性剤、第1金属塩、第2金属塩、及びシリカ源を水溶液中で混合し、ミセルを形成する工程と、前記ミセルを形成する工程の後に、前記水溶液に塩基性水溶液を添加する工程と、前記塩基性水溶液を添加する工程の後に、前記ミセルを回収する工程と、前記回収したミセルを焼成し、多孔質シリカを得る工程とを含み、前記第1金属塩の金属は、コバルト、亜鉛、銀、銅、及びマンガンからなる群から選ばれる1種以上であり、前記第2金属塩の金属は、アルミニウム、及びジルコニアからなる群から選ばれる1種以上である、多孔質シリカの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記多孔質シリカを含む消臭剤を提供する。
本発明の多孔質シリカは、1次細孔が形成された1次粒子を含むシリカ粒子と、第1金属と、第2金属とを含む多孔質シリカである。
本発明者らの知見によれば、多孔質シリカは、塩基性臭気及び酸性臭気については、高い吸着力を示すものの、アセトアルデヒド系臭気は、比較的多孔質シリカに吸着されにくい。これに対して、第1金属を含有させることにより、アセトアルデヒド系臭気を酸化分解させることができ、消臭能力を高めることができる。尚、アセトアルデヒドの酸化分解により生じる酢酸は、シリカ粒子の表面に存在するシラノール基により吸着され、脱臭される。
また、第1金属の少なくとも一部は、シリカにドープされることなく、粒子の形態、(第1金属の酸化物の形態)で多孔質シリカに担持されていることが好ましい。ここで「ドープ」されるとは、金属がシリカのSiO4骨格内にSi元素と置換する形で組み込まれている状態を言う。コバルト等の第1金属がシリカにドープされていると、シリカが着色され、白色度が高い多孔質シリカが実現できない。
詳細には、多孔質シリカは、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上の第1金属粒子率を有している。ここで、「第1金属粒子率」とは、第1金属の全質量に対する、ドープされること無くシリカ粒子に担持されている第1金属の質量の割合である。
第1金属の粒子の粒子径は、例えば、1〜100nmである。
多孔質シリカ中の第2金属の含有量は、0.5wt%以上であることが好ましく、1.0wt%以上であることがより好ましい。
また、第2金属の少なくとも一部は、シリカ粒子にドープされていることが好ましい。第2金属がシリカ粒子にドープされていると、シリカのシロキサン骨格の加水分解が抑制され、細孔構造が崩壊しにくくなり、水熱耐久性が高められる。更に、第2金属がシリカ粒子にドープされていると、多孔質シリカの着色がより抑制される。これは、第2金属がシリカ粒子にドープされていることにより、第1金属のシリカへの拡散が防止され、第1金属に基づく発色が抑制されるからであると考えられる。
詳細には、多孔質シリカは、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3wt%以下の第2金属粒子率を有している。ここで、第2金属粒子率とは、第2金属の全質量に対する、ドープされること無くシリカ粒子に担持されている第2金属の質量の割合である。
また、本発明によれば、例えば、彩度が10.0以下、好ましくは8.0以下の多孔質シリカを得ることができる。
本発明の消臭剤は、粉末であるので、このまま使用しても、これを加工して使用することもできる。例えば、消臭剤を懸濁状態、粒状体、抄紙体、ペレット体、シート状、またはフィルム状等の成型体としてもよく、またスプレー、多孔質体、または繊維などの形態とすることもできる。さらにそれらを塗料、不織布、発泡シート、紙、プラスチック、または無機質板などに加工することもできる。
本発明の消臭剤は、アセトアルデヒドおよびノネナールなどのアルデヒド系ガス、或いは、これらに加えてアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、インドール等の種々の悪臭に対する消臭効果に優れているので、活性炭などの従来の消臭剤が使用されている種々の分野、例えば、タバコ臭消臭、生活臭消臭、体臭消臭、糞尿臭消臭、ゴミ臭消臭などが問題となる製品において有効である。
本発明の消臭剤は、粉末あるいは顆粒、粒状の消臭剤を最終消臭製品として使用することができる。例えば消臭粉末、顆粒、粒状品をカートリッジに詰めて消臭製品とすることや、消臭剤粉末を分散させた液を用いたスプレー状の消臭剤とすることが可能である。
本発明の消臭剤を含む消臭繊維は、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、肌着やインナー、ストッキング、靴下、布団、布団カバー、座布団、毛布、じゅうたん、カーテン、ソファー、エアーフィルター、空気清浄器フィルター、マスク、おむつ、トイレシート、自動車のフロアマットや座席シート、カーエアコンフィルターなどの多くの繊維製品に使用できる。
また、本発明の消臭剤を含む消臭塗料は、消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、建物の内壁、外壁、鉄道、車両の内壁や内装材、建物のフローリングワックス等で使用できる。
また、本発明の消臭剤を含む消臭性シートやフィルムは消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、医療用包装紙・フィルム、食品用包装紙・フィルム、鮮度保持紙・フィルム、壁紙、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ゴミ袋等がある。
また、本発明の消臭剤を含む消臭性成形品は消臭性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、空気清浄器、冷蔵庫、電子レンジなどの家電製品や、ゴミ箱、水切りなどの一般家庭用品、ポータブルトイレなどの各種介護用品、ペット用品、包装容器、日常品がある。
本発明の多孔質シリカの製造方法は、以下の工程(A)乃至(D)を含んでいる。
(A)界面活性剤、第1金属塩、第2金属塩、及びシリカ源を水溶液中で混合し、ミセルを形成する工程
(B)ミセルを形成する工程の後に、水溶液に塩基性水溶液を添加する工程
(C)塩基性水溶液を添加する工程の後に、ミセルを回収する工程
(D)回収したミセルを焼成し、多孔質シリカを得る工程
(A)界面活性剤、第1金属塩、第2金属塩、及びシリカ源の混合
まず、水溶液中で、界面活性剤、第1金属塩、第2金属塩及びシリカ源を混合し、表面にシリカ源が集積したミセルを形成させる。例えば、界面活性剤、第1金属塩、第2金属塩を、室温以上200℃以下で攪拌混合した後、シリカ源を添加する。これにより、界面活性剤、第1金属塩、及び第2金属塩の混合ミセルと、シリカ源とが分散する。更に30分以上室温で撹拌することで、混合ミセル表面にシリカ源が集積した状態の分散液が得られる。水溶液は、水以外にエタノール、トルエンなどの有機溶媒を含んでいてもよい。
尚、水溶液中の第1金属塩の濃度や、第1金属塩の種類(脂肪酸金属塩を用いる場合の炭素鎖など)をコントロールすることにより、最終的に得られる多孔質粒子中の第1金属粒子の粒子径をコントロールすることもできる。
また、第1金属塩が脂肪酸金属塩などである場合、後述する塩基性溶液の添加時に、脂肪酸金属塩が加水分解し、Siと脱水縮合して第1金属がシリカにドープされやすくなる。これに対して、水に不溶性の錯体を形成させると、加水分解を防止することができ、第1金属がシリカにドープされることを防ぐことができる。
また、配位子成分を添加することにより、ミセルの粒子径を小さくすることもできる。その結果、最終的に得られる多孔質シリカ中に含まれる第1金属含有粒子の粒子径を、小さくすることができる。
Ma++nLb-→MLn (a-nb)+
βn=[MLn (a-nb)+]/[Ma+][Lb-]n
なお、金属イオンおよび配位子の全濃度は測定系において一定に保持されているため、錯体と遊離配位子あるいは錯体と遊離金属イオンの濃度はそれぞれ従属的関係にあり、3つの変数のうち2つを濃度として、あるいは濃度に比例する物理的量(光の吸収、電気伝導率、旋光度など)として測定すればよい。
続いて、塩基性水溶液を添加する。塩基性水溶液の添加により、ミセルの表面に集積したシリカ源が脱水縮合し、シリカの壁を形成する。
塩基性水溶液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどの水溶液が挙げられる。塩基性水溶液は、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。これらの塩基性水溶液は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基性水溶液は、好ましく分散液のpHが8〜14となるように、より好ましくは9〜11となるように添加する。塩基は、シリカ源の脱水縮合反応を加速させる。シリカ源が十分に加水分解した状態で、急激に溶液を塩基性にすることで、脱水縮合反応が一気に引き起される。これにより縮合部分の表面張力が上昇してシリカの壁が球状となり、さらに球体が幾重にも接合した形態となって、スピノーダル分解(相分離)が引き起こされる。化学架橋によってこれらの構造が凍結されて二次細孔が形成される。
続いて、ミセルを前駆体として回収する。例えば、ミセルを濾過して乾燥することにより、前駆体を回収できる。ミセルの濾過は、例えば吸引ろ過で行い、ろ液のpHが7となるまで水で繰り返し洗浄する。ミセルの乾燥は、例えば乾燥機、もしくは真空乾燥機で行い、十分に乾燥する。
(F)焼成
ミセルの回収後、前駆体の焼成を行う。焼成を行うことにより、前駆体中に含まれる有機成分が除去される。すなわち、界面活性剤が除去され、細孔を有する多孔質シリカが形成される。焼成は、界面活性剤の分解温度以上で行い、好ましくは500〜600℃である。
(比表面積)
マイクロメリティックス社製フローソーブII2300形を使用し、1点法で液体窒素温度にて測定した。
(色)
スガ試験機株式会社製SMカラーコンピューター(SM−4)を用いてL*値、a*値、b*値を測定した。明度はL*値、彩度は√(a*2+b*2)で算出した。
(金属含有量)
試料約50mgを精確に量りとり、4mlの塩酸で溶解した後に、水溶液中のコバルト及びアルミニウム濃度をThermo Scientific社製のICP−OESにて測定した。塩酸で処理することにより、多孔質シリカに含まれるコバルト及びアルミニウムは、シリカの骨格内に取り込まれている成分(シリカにドープされた成分)を含め、全て塩酸に溶解するものと考えられる。そこで、測定結果に基づき、多孔質シリカ中に存在するコバルトの全含有量及びアルミニウムの全含有量を、それぞれ「コバルト含有量」及び「アルミニウム含有量」として算出した。
(金属粒子率)
焼成前のミセル(前駆体)約0.5gを量り取り、エタノール計約50mlで7回洗浄した。各洗浄操作としては、エタノール約7mlを試料に加えて5分間超音波洗浄した後、遠心分離により固形分を沈殿させ、上澄みを廃棄する方法をとった。これにより、ミセルに含まれるコバルト及びアルミニウムのうち、シリカにドープされていない成分を除去した。次いで、固形分を真空乾燥したのち、570℃で5時間焼成し、多孔質シリカを得た。得られた試料約50mgを精確に量りとり、4mlの塩酸で溶解した後に、水溶液中のコバルト及びアルミニウム濃度をThermo Scientific社製のICP−OESにて測定した。測定結果に基づき、多孔質シリカ中における「シリカにドープされたコバルトの含有量」及び「シリカにドープされたアルミニウムの含有量」を算出した。更に、下記式により、多孔質シリカ中におけるシリカにドープされていないコバルト及びアルミニウムの含有量を、それぞれ、「コバルト粒子量」及び「アルミニウム粒子量」として算出した。
(数式1):コバルト粒子量=コバルト含有量−シリカにドープされたコバルトの含有量(数式2):アルミニウム粒子量=アルミニウム含有量−シリカにドープされたアルミニウムの含有量
更に、下記式により、コバルト粒子率及びアルミニウム粒子率を算出した。
(数式3)コバルト粒子率(%)=コバルト粒子量/コバルト含有量×100
(数式4)アルミニウム粒子率(%)=アルミニウム粒子量/アルミニウム含有量×100
臭気は500ml用意した。アセトアルデヒドの初期濃度は750ppmとした。ここに水熱処理を1回行ったサンプル30mgを入れて24時間攪拌した後、ガステック製ガス検知管92L、92M、もしくは92を用いてアセトアルデヒドの残濃度を測定した。また、酢酸の濃度はガステック製ガス検知管81で測定した。酢酸はアセトアルデヒドの酸化分解反応で発生するもので、ここで測定している酢酸濃度は発生した酢酸のうち、サンプルに吸着できなかった酢酸の濃度を表している。同一の試料について消臭試験を2回実施し、1回目と2回目のそれぞれについて残存濃度を測定した。
(水熱処理)
試料約0.1gを量り取り、トミー精工製のLSX−500を用いて、121℃で20分間水熱処理をした。水熱処理後の試料は各種測定を行う前に160℃で2時間乾燥した。
300mlビーカーに、水、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリン酸コバルト、及び8−キノリノールを加えて攪拌し、ミセルを形成させた。その後、塩化アルミニウムを加えて100℃で1時間攪拌した。室温まで冷却した後、テトラエトキシシランを添加して、均一になるまで攪拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌子を1000rpmで回転させて20時間攪拌した。混合溶液のモル比は、合成物中のCoおよびAl量が1wt%となり、Coに対して8−キノリノールが3モル当量となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸コバルト:8−キノリノール::塩化アルミニウム:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0111:0.0332:0.0241:125:0.225とした。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、80℃で真空乾燥した後、570℃で5時間加熱して有機成分を除去した。
(実施例2)
ステアリン酸コバルトを塩化コバルトに変えた以外は、実施例1と同じ方法で合成した。混合溶液のモル比は、合成物中のCoおよびAl量が1wt%となり、Coに対して8−キノリノールが3モル当量となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:塩化コバルト:8−キノリノール::塩化アルミニウム:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0111:0.0332:0.0241:125:0.225とした。
(実施例3)
8−キノリノールを加えず、かつその後の加熱攪拌1時間をしないこと以外は、実施例1と同じ方法で合成した。混合溶液のモル比は、合成物中のCo量が1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸コバルト:塩化アルミニウム:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0111:0.0241:125:0.225とした。
(実施例4)
8−キノリノールを加えず、かつその後の加熱攪拌1時間をしないこと以外は、実施例2と同じ方法で合成した。混合溶液のモル比は、合成物中のCo量が1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:塩化コバルト:塩化アルミニウム:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0111:0.0241:125:0.225とした。
特許第4614196号に基づいて合成した。200mlビーカーに、テトラエトキシシラン加えて攪拌子を600rpmで回転させて攪拌し、エタノールに溶解した塩化コバルトを添加した。次いで、オクチルアミンを加えて10分間攪拌した後、塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌した。混合溶液のモル比はテトラエトキシシラン:オクチルアミン:エタノール:塩化コバルト:塩酸:水=1:0.34:1.18:0.0105:0.034:38とした。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、100℃で真空乾燥後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去した。
(比較例2)
塩化アルミニウムを加えず、かつその後の加熱攪拌1時間をしないこと以外は、実施例1と同じ方法で合成した。混合溶液のモル比は、合成物中のCo量が1wt%となり、Coに対して8−キノリノールが3モル当量となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸コバルト:8−キノリノール:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0106:0.0319:125:0.225とした。
(比較例3)
300mlビーカーに、水、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを加えて、100℃で1時間攪拌した水溶液を調製した。室温まで冷却した後、テトラエトキシシランを添加して、均一になるまで攪拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌子を1000rpmで回転させて20時間攪拌した。混合溶液のモル比は、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:125:0.225とした。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、80℃で真空乾燥した後、570℃で5時間加熱して有機成分を除去した。
(比較例4)
ステアリン酸コバルト及び8−キノリノールを加えないこと以外は実施例1と同じ方法で合成した。混合溶液のモル比は、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:塩化アルミニウム:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0231:125:0.225とした。焼成して得られた粉末のうち0.396gを50mlビーカーに分取し、170mmol/Lの硝酸コバルト水溶液0.4mlと水8mlを加え、100℃で真空乾燥後、350℃で2時間焼成した。
(比較例5)
8−キノリノール及び塩化アルミニウムを加えず、かつその後の加熱攪拌1時間をしないこと以外は、実施例2と同じ方法で合成した。混合溶液のモル比は、合成物中のCo量が1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:塩化コバルト:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0106:125:0.225とした。
また、表2に、水熱処理の前後における比表面積の測定結果を示す。
更に、表3に、水熱処理後のアセトアルデヒド消臭率の測定結果を示す。
一方、表1に示されるように、実施例1乃至4は、比較例1、2及び5よりも、明度が高く、彩度が高い。すなわち、コバルトに加えてアルミニウムを多孔質シリカに含有させることにより、有色金属であるコバルトの使用による色彩の悪化を抑制できることが判る。これは、実施例1乃至4では、アルミニウムがシリカにドープされていることにより、シリカへのコバルトイオンの拡散が抑制され、コバルトイオン由来の発色が引き起こされなかったためであると考えられる。
他方、比較例4に係る多孔質シリカでは、彩度は良好(低い)であったものの、所望する明度(70以上)が得られなかった。
また、実施例1及び2に係る多孔質シリカは、高いコバルト粒子率を有している一方、アルミニウム粒子率は極めて低かった。すなわち、コバルトの大部分は粒子の形態で担持されており、アルミニウムの大部分はシリカにドープされていることが理解できる。一方、配位子成分を添加しなかった実施例3及び4は、実施例1及び2に比べて、コバルト粒子率は極めて低かった。すなわち、配位子成分の添加により、コバルト粒子率が高められることが判った。
Claims (7)
- 1次細孔が形成された1次粒子を含むシリカ粒子と、コバルトと、アルミニウムとを含み、明度が70以上であり、
前記一次細孔の細孔径は、1〜20nmであり、
前記アルミニウムの少なくとも一部は、前記シリカ粒子にドープされており、
前記コバルトは、前記一次細孔内に存在している、
多孔質シリカ。 - 多孔質シリカ中のアルミニウム含有量が0.5wt%以上であり、
アルミニウム粒子率が、0.5%以下であり、
前記アルミニウム粒子率は、アルミニウムの全質量に対する、ドープされること無く前記シリカ粒子に担持されているアルミニウムの質量の割合である、請求項1に記載された多孔質シリカ。 - コバルトの少なくとも一部が、ドープされること無く、コバルト粒子として前記シリカ粒子に担持されている、請求項1又は2に記載の多孔質シリカ。
- 多孔質シリカ中のコバルト含有量が0.5wt%以上であり、
コバルト粒子率が70%以上であり、
前記コバルト粒子率は、コバルトの全質量に対する、ドープされること無く前記シリカ粒子に担持されているコバルトの質量の割合である、請求項3に記載の多孔質シリカ。 - 120℃で20分間の水熱処理後の比表面積が1000m2/g以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔質シリカ。
- 前記シリカ粒子が、前記1次粒子同士の結合による粒子間隔からなる2次細孔を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の多孔質シリカ。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の多孔質シリカを含む、消臭剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016009949 | 2016-01-21 | ||
JP2016009949 | 2016-01-21 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017132687A JP2017132687A (ja) | 2017-08-03 |
JP6929518B2 true JP6929518B2 (ja) | 2021-09-01 |
Family
ID=59502215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017008271A Active JP6929518B2 (ja) | 2016-01-21 | 2017-01-20 | 多孔質シリカ、及び、消臭剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6929518B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7057872B2 (ja) * | 2017-11-29 | 2022-04-21 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 酸素吸収剤、多孔質シリカ、及びそれらの製造方法 |
JP7034435B2 (ja) * | 2017-11-29 | 2022-03-14 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 複合体及びその製造方法。 |
EP4091988A4 (en) * | 2020-01-17 | 2023-10-11 | Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. | POROUS SILICA, AND DEODORIZER AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME |
JP7496053B2 (ja) | 2020-03-27 | 2024-06-06 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 芳香組成物 |
WO2024111012A1 (ja) * | 2022-11-21 | 2024-05-30 | 株式会社ニコン | 多孔質シリカ-粘土複合材料、多孔質シリカ-粘土複合材料を含む水浄化剤、多孔質シリカ-粘土複合材料を含む土壌用粉体、及び多孔質シリカ-粘土複合材料の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10048616A1 (de) * | 2000-09-30 | 2002-04-11 | Degussa | Dotierte Fällungskieselsäure |
EP1879457A1 (en) * | 2005-05-10 | 2008-01-23 | Ciba Specialty Chemicals Holding, Inc. | Antimicrobial porous silicon oxide particles |
JP5499442B2 (ja) * | 2008-04-10 | 2014-05-21 | 株式会社豊田中央研究所 | 金属酸化物内包メソポーラスシリカカプセル |
JP6037268B2 (ja) * | 2012-08-27 | 2016-12-07 | 国立大学法人名古屋大学 | 金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法 |
SG2013023585A (en) * | 2012-11-01 | 2014-06-27 | Agency Science Tech & Res | Methanation catalyst |
-
2017
- 2017-01-20 JP JP2017008271A patent/JP6929518B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017132687A (ja) | 2017-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6929518B2 (ja) | 多孔質シリカ、及び、消臭剤 | |
JP4788363B2 (ja) | 消臭分散液および消臭加工製品 | |
JP6774615B2 (ja) | 多孔質シリカ、及びそれを含む消臭剤 | |
TWI700104B (zh) | 消臭劑及使用其之消臭性加工品、以及消臭劑及消臭性加工品之製造方法 | |
JP6520957B2 (ja) | 消臭剤及び消臭製品 | |
WO2016098461A1 (ja) | 消臭剤、消臭剤組成物及び消臭性加工品 | |
KR20170137807A (ko) | 소취제, 소취제 조성물 및 소취성 가공품 | |
WO2017014186A1 (ja) | 多孔質シリカ、及びそれを含む消臭剤 | |
CN106714851A (zh) | 除臭剂组合物和除臭制品 | |
JP6674624B2 (ja) | 多孔質シリカの製造方法、及び、多孔質シリカ、消臭剤 | |
JP6652836B2 (ja) | 層状複水酸化物を用いた脱臭剤およびその製造方法 | |
WO2018074270A1 (ja) | 白色消臭剤、消臭機能付き化学製品、白色消臭剤の使用方法、及び白色消臭剤の製造方法 | |
WO2005044447A1 (ja) | 複合酸化型チタニア系光触媒及びその用途 | |
WO2017212724A1 (ja) | 消臭剤分散液、消臭剤含有加工液、及び消臭製品の製造方法 | |
JP2019099399A (ja) | 多孔質シリカの製造方法 | |
JP6572970B2 (ja) | 消臭剤、消臭剤組成物及び消臭性加工品 | |
JP7388273B2 (ja) | インジケータ材料、および、使用方法 | |
TW201825174A (zh) | 吸附劑及除臭加工製品 | |
WO2021157230A1 (ja) | 複合酸化物粒子、消臭剤、洗濯用組成物、洗浄剤組成物、繊維品及び樹脂成形品 | |
KR20180012053A (ko) | 필터 소재 및 이를 포함하는 필터와 장치, 그리고 상기 필터 소재의 제조방법 | |
JP2020110766A (ja) | ガス用吸着剤 | |
JP2005313055A (ja) | 機能性分散液 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191211 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210712 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210725 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6929518 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |