JP7057872B2 - 酸素吸収剤、多孔質シリカ、及びそれらの製造方法 - Google Patents

酸素吸収剤、多孔質シリカ、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸素吸収剤、多孔質シリカ、及びそれらの製造方法に関する。
酸素吸収剤は、食品包装分野などの分野において用いられている。酸素吸収剤として、鉄等の金属粒子が酸素を吸着する性質を有することを利用した薬剤が知られている。例えば、特許文献1(特開平11-33395号公報)には、還元性鉄粉及び酸化促進剤又はこれらと滑剤からなる扁平状粒子を主成分とすることを特徴とする酸素吸収剤が開示されている。
特開平11-33395号公報
ところで、例えば鉄粒子等の金属粒子を利用した酸素吸収剤は、低湿度環境下では酸素吸収機能を発揮しがたい、と言う問題点があった。
そこで、本発明の課題は、低湿度環境下でも酸素吸収機能を発揮することができる、酸素吸収剤を提供することにある。
また、例えば鉄粒子等の金属粒子は、酸素を吸着すると黒色となる場合がある。用途などによっては、そのような金属粒子の色が外観に現れないような形態で金属粒子を使用することが求められる。また、酸素吸収剤の酸素吸収速度を向上させるためには、金属粒子を微細化することが効果的である。金属粒子を微細化すると、金属粒子と酸素との接触面積が増え、酸素吸収速度が向上する。しかしながら、金属粒子が微細になりすぎると、粉立ちし易くなり、流動性が悪化し、ハンドリング性が悪化する。
そこで、本発明の他の課題は、外観に優れた酸素吸収剤及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の更に他の課題は、ハンドリング性を維持しつつも、金属粒子を微細化することができる、酸素吸収剤及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の事項を含む。
〔1〕多孔質シリカと、前記多孔質シリカに担持された、担持金属含有粒子とを含み、前記担持金属含有粒子が酸素吸収機能を有する、酸素吸収剤。
〔2〕前記担持金属含有粒子が、鉄又はアルミニウムを含む、前記〔1〕に記載の酸素吸収剤。
〔3〕前記担持金属含有粒子が、金属鉄を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の酸素吸収剤。
〔4〕前記担持金属含有粒子を担持した前記多孔質シリカの明度が、70以上である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の酸素吸収剤。
〔5〕前記多孔質シリカの細孔径が、1~100nmである、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の酸素吸収剤。
〔6〕前記担持金属含有粒子の粒径が、1~100nmである、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の酸素吸収剤。
〔7〕前記多孔質シリカにおける前記担持金属含有粒子の含有量が、1wt%以上である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の酸素吸収剤。
〔8〕前記多孔質シリカに、ドープ金属がドープされている、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれかの酸素吸収剤。
〔9〕鉄粒子を担持する、多孔質シリカ。
〔10〕界面活性剤のミセルと、前記ミセルの表面に集積したシリカと、前記ミセルの内部に含まれる担持用金属化合物とを含む、前駆体を生成する工程と、前記前駆体を焼成し、前記担持用金属化合物を担持する多孔質シリカを生成する工程と、前記担持用金属化合物を還元し、酸素吸収機能を有する担持金属含有粒子を生成する工程とを備える、酸素吸収剤の製造方法。
〔11〕前記前駆体を生成する工程が、水溶液中で、前記界面活性剤とシリカ源とを混合し、表面に前記シリカ源が集積した前記ミセルを生成する工程と、前記集積したシリカ源を縮合させる工程と、前記縮合させる工程の後に、水溶液中で、前記ミセルを、前記担持金属含有粒子における金属の供給源となる担持用金属塩と混合する工程とを含む、前記〔10〕に記載の酸素吸収剤の製造方法。
〔12〕前記ミセルを生成する工程が、更に、前記水溶液に、水に不溶性の配位子成分を添加する工程を含み、前記配位子成分が、配位結合により前記担持用金属塩の金属と水に不溶性の錯体を形成するような化合物である、前記〔11〕に記載の酸素吸収剤の製造方法。
〔13〕前記前駆体を生成する工程が、前記シリカにドープ金属をドープする工程を含む、前記〔10〕乃至〔12〕のいずれかに記載の酸素吸収剤の製造方法。
〔14〕界面活性剤のミセルと、前記ミセルの表面に集積したシリカと、前記ミセルの内部に含まれる、鉄粒子の前駆体となる鉄化合物とを含む、前駆体を生成する工程と、前記前駆体を焼成し、前記界面活性剤を除去する工程と、前記前駆体に含まれる前記鉄化合物を還元し、前記鉄粒子を生成する工程とを含む、多孔質シリカの製造方法。
〔15〕水溶液中で界面活性剤とシリカ源とを混合し、表面に前記シリカ源が集積したミセルを生成する工程と、前記集積したシリカ源を縮合させる工程と、前記縮合させる工程の後に、前記ミセルを焼成する工程と、前記焼成されたミセルを水溶液中で担持用金属塩と混合する工程と、前記担持用金属塩と混合する工程の後に、前記ミセルを回収し、還元する工程とを含む、酸素吸収剤の製造方法。
本発明によれば、低湿度環境下でも酸素吸収機能を発揮することができる、酸素吸収剤が提供される。
また、本発明によれば、外観に優れた酸素吸収剤及びその製造方法が提供される。
また、本発明によれば、ハンドリング性を維持しつつも、金属粒子を微細化することができる、酸素吸収剤及びその製造方法が提供される。
図1は、酸素吸収量の測定結果を示すグラフである。 図2は、鉄化合物種の同定結果を示すグラフである。 図3は、鉄化合物種の同定結果を示すグラフである。
(第1の実施態様)
本発明の実施態様に係る酸素吸収剤は、多孔質シリカを含む。この多孔質シリカは、細孔内に、酸素吸収機能を有する担持金属含有粒子を担持している。担持金属含有粒子が酸素吸収機能を有していることにより、多孔質シリカが酸素吸収剤として機能する。
ここで、担持金属含有粒子は、多孔質シリカの細孔内に配置されているので、その色は多孔質シリカの外観に反映されない。すなわち、酸素吸収剤の外観は、多孔質シリカの色(例えば白色)になる。よって、外観に優れた酸素吸収剤を得ることができる。
また、多孔質シリカに担持金属含有粒子が担持されているので、ハンドリング性に関係なく、担持金属化合物粒子を微細化することができ、酸素吸収速度を向上させることができる。
以下に、本実施形態に係る酸素吸収剤について詳述する。
1:多孔質シリカ
酸素吸収剤に含まれる多孔質シリカは、1次細孔が形成された1次粒子を含む。1次細孔内には、担持金属含有粒子が担持されている。
1次粒子の1次細孔は、例えば、後述する製造方法で説明するように、界面活性剤をテンプレートとして用いて、水溶液中でシリカ源の配列を行うことによって形成される。
1次細孔の細孔径は、例えば、1~100nmである。1次細孔の細孔径は、例えば、多孔質シリカ断面のTEM画像を得ることにより、確認することができる。
多孔質シリカは、前記1次粒子同士の結合による二次粒子を有していてもよく、二次粒子には、1次粒子同士の間隔からなる二次細孔が形成されていてもよい。二次粒子の粒子径は、例えば100μm程度である。
多孔質シリカの比表面積は、例えば500m2/g以上、好ましくは1000m2/g以上であり、より好ましくは1200m2/g以上である。
多孔質シリカは、例えば35以上、好ましくは50以上、より好ましくは65以上、更に好ましくは70以上の明度を有している。
また、多孔質シリカは、例えば、30以下、好ましくは20以下、より好ましくは10、更に好ましくは7以下の彩度を有しており、例えば0.1以上の彩度を有している。
多孔質シリカには、ドープ金属がドープされていてもよい。ドープ金属は、担持金属含有粒子の金属とは区別される金属であり、シリカのSiO4骨格内にSi元素と置換する形や追添する形で組み込まれた金属である。そのようなドープ金属としては、アルミニウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、アルミニウムが好ましく挙げられる。
多孔質シリカに金属がドープされていると、シリカのシロキサン骨格の加水分解が抑制され、細孔構造が崩壊しにくくなり、耐久性が高められる。
多孔質シリカ中のドープ金属の含有量は、例えば、0.5wt%以上、好ましくは1.0wt%以上であり、例えば10.0wt%以下、好ましくは5.0wt%以下である。
2:担持金属含有粒子
担持金属含有粒子は、上述のように、多孔質シリカの1次細孔内に担持されている。担持金属含有粒子は、酸素吸収機能を有する。尚、「担持される」とは、上述のドープ金属とは異なり、粒子が、シリカのSiO4骨格に組み込まれること無く、多孔質シリカによって支持されている状態をいう。
担持金属含有粒子は、酸素吸収機能を有する粒子であれば特に限定されない。例えば、担持金属含有粒子としては、鉄粒子及びアルミニウム粒子等が挙げられ、好ましくは、金属鉄粒子である。
担持金属含有粒子の粒径は、例えば1~100nmである。金属含有粒子の粒径は、例えば、断面のTEM画像を得ることにより、確認することができる。
多孔質シリカにおける担持金属含有粒子の含有量は、金属原子換算で、例えば0.1wt%以上、好ましくは0.5wt%以上であり、例えば40.0wt%以下、好ましくは15.0wt%以下、より好ましくは10.0wt%以下である。担持金属含有粒子の含有量は、例えば、試料50mgを塩酸または硝酸で溶解させることにより、担持金属含有粒子を水溶液に溶出させ、水溶液中の金属濃度を測定することにより、求めることができる。
3:酸素吸収剤の製造方法
本実施形態に係る酸素吸収剤の製造方法は、
(A)水溶液中で、界面活性剤、シリカ、及び担持金属化合物を含む前駆体を生成する工程
(B)前駆体を回収する工程、
(C)回収した前駆体を焼成する工程、及び
(D)焼成された前駆体に含まれる担持金属化合物を還元し、酸素吸収機能を有する担持金属含有粒子を生成する工程、
を備えている。
以下に、各工程について、一例を挙げつつ詳述する。
(A)前駆体の生成
まず、水溶液中で前駆体を生成する。前駆体は、界面活性剤により形成されるミセルと、ミセル表面に集積されたシリカと、ミセル内部に取り込まれた担持金属化合物とを含む物質である。担持金属化合物は、最終的に、酸素吸収機能を有する担持金属含有粒子に変換される化合物である。
例えば、前駆体は、界面活性剤の水溶液を調製し(工程A-1)、配位子成分を添加し(工程A-2)、シリカ源を添加し(工程A-3)、シリカ源を縮合させ(工程A-4)、工程A-4で得られた物質を担持用金属塩と混合すること(工程A-5)により、生成することができる。以下に、各工程について説明する。
A-1:界面活性剤の水溶液の調製
まず、界面活性剤の水溶液を調製する。例えば、界面活性剤を水に添加し、室温以上200℃以下で、30分以上、攪拌混合する。これにより、界面活性剤が、水中でミセルを生成する。ミセルは、後の工程においてその表面にシリカ源を静電気的に集積させる鋳型としての機能を有している。尚、界面活性剤は、最終的には、焼成により消失するので、最終製品には残らない。界面活性剤が存在していた部分には、最終的に、1次細孔が形成される。
水溶液には、水以外にエタノール、トルエンなどの有機溶媒が含まれていてもよい。
界面活性剤の添加量は、好ましくは50~400mmol/L、より好ましくは50~150mmol/Lである。
或いは、界面活性剤の添加量は、例えば、後の工程で添加されるシリカ源1モルに対して、0.01~5.0モル、好ましくは0.05~1.0モルである。
界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、陽イオン性、陰イオン性、及び非イオン性の何れの界面活性剤も使用可能である。
但し、界面活性剤は、好ましくは中性又は陽イオン性のものであり、より好ましくはアルキルアンモニウム塩である。アルキルアンモニウム塩は、炭素数が8以上のものであればよいが、工業的な入手の容易さを鑑みると、炭素数が12から18のものがより好ましい。アルキルアンモニウム塩としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
A-2:配位子成分の添加
続いて、水溶液に配位子成分を添加し、攪拌する。例えば、室温~100℃以下の温度で、30分以上、水溶液を攪拌する。これにより、配位子成分がミセルの内部に取り込まれる。
配位子成分は、水に不溶性の化合物である。水に不溶性の化合物であることにより、配位子成分は、疎水性環境であるミセルの内部に取り込まれる。
また、配位子成分は、後の工程で添加される担持用金属塩由来の金属と配位結合により結合し、水に不溶性の錯体を担持金属化合物として形成するような化合物である。
具体的には、配位子成分は、1.1以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.8以上、最も好ましくは2.0以上のオクタノール/水分配係数を有している。
また、配位子成分が後工程で担持用金属塩由来の金属と形成する錯体は、例えば1.1以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.8以上、最も好ましくは2.0以上のオクタノール/水分配係数を有する。
配位子成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、α-ジオキシム類、フェナントロリン、ビピリジン、フェニレンジアミン類、ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン、コンプレクサン類、フタレインコンプレクソン型金属指示薬、オキシン類、サリチルアルドキシム、α-ベンゾインオキシム、アントラニル酸、キナルジン酸、キノリン-8-カルボン酸、α-ニトロソ-β-ナフトール、β-ニトロソ-α-ナフトール、ニトロソR塩、アゾ色素類、クペロン、ネオクペロン、β-ジケトン類、タイロン、フェニルフルオン、アリザリン、キナリザリン、ヘマトキシリン、スチルバゾ、ピロカテコールバイオレット、ピロガロールレッド、ブロムピロガロールレット、サリチル酸誘導体、アルミノン、エリオクロムシアニンR、2-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、ジチゾン、チオオキシン、チオ尿素、トルエン-3,4-ジチオール、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、2-メルカプトベンゾチアゾール、ビスムチオールII、ルベアン酸、キサントゲン酸カリウム、チオナリド、シクロペンタジエン、及びこれらの類縁体からなる群から選択される少なくとも一種の化合物が挙げられる。
コンプレクサン類としては、例えば、EDTAが挙げられる。
オキシン類とは、8-キノリノール構造を有する化合物の総称である。
β-ジケトン類としては、例えば、アセチルアセトンが挙げられる。
尚、オキシンのオクタノール/水分配係数は2.02であり、オキシン銅のオクタノール/水分配係数は2.46である。
これらの中でも、配位子成分としては、オキシン類が好ましく用いられる。
より好ましくは、下記式(I)で表されるオキシン類が好ましく用いられる。
Figure 0007057872000001
尚、式(I)中、R1~R6は、それぞれ独立に、水素原子、C1-12アルキル基、C1-12アルコキシC1-12アルキル基、ニトロフェニルアゾ基、ジC1-12アルキルアミノC1-12アルキル基からなる群から選択される。
特に好ましいオキシン類は、下記式(II)で表される群からなる選ばれる化合物である。
Figure 0007057872000002
上式中、R7は、炭素数1~10のアルキル基であり、R8は、それぞれ独立に、炭素数3~8のアルキル基である。
最も好ましくは、配位子成分は、オキシン又は5-(オクチルオキシメチル)-8-キノリノールである。
配位子成分の添加量は、例えば、後工程で添加されるシリカ源1モルに対して、0.001~0.5モル、好ましくは0.01~0.1モルである。
あるいは、配位子成分の添加量は、後工程で添加される担持用金属塩に対して、例えば1~5モル当量、好ましくは2~3モル当量となる量である。
A-3:シリカ源の添加
次に、シリカ源を水溶液に添加し、均一になるまで攪拌する。シリカ源を添加することで、ミセル表面にシリカ源が集積する。
シリカ源としては、特に限定されるものではないが、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのシリカ源は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリカ源は、好ましくはアルコキシシランである。シリカ源は、より好ましくはテトラエトキシシランである。ケイ素原子上の有機官能基は、加水分解によって失われるため、合成物の構造に影響を与えない。ただし、有機官能基が嵩高いと加水分解速度が遅くなり、合成時間が長くかかってしまう。
水溶液中のシリカ源の濃度は、好ましくは0.2~1.8mol/Lであり、より好ましくは0.2~0.9mol/Lである。或いは、シリカ源の濃度は、水1molに対して、0.001~0.05mol、好ましくは0.003~0.03molである。
シリカ源としてケイ酸ナトリウムを単独もしくは併用して用いる場合、水溶液中200℃以下で20~2時間加熱還流する操作をする。
A-4:シリカ源の縮合
続いて、集積したシリカ源を縮合させ、シリカに転換させる。具体的には、シリカ源が縮合するまで、水溶液のpHを増加または減少させる。
例えば、塩基性水溶液を添加し、攪拌することにより、シリカ源を縮合させることができる。攪拌は、例えば、1時間以上行う。
塩基性水溶液の添加により、ミセルの表面に集積したシリカ源が脱水縮合し、シリカの壁を形成する。
塩基性水溶液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどの水溶液が挙げられる。塩基性水溶液は、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。これらの塩基性水溶液は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基性水溶液は、添加直後に、好ましくはpHが8~14となるように、より好ましくは9~11となるように添加される。塩基水溶液の添加により、シリカ源の脱水縮合反応が加速する。
その結果、縮合部分の表面張力が上昇してシリカの壁が球状となり、さらに球体が幾重にも接合した形態となって、スピノーダル分解(相分離)が引き起こされる。化学架橋によってこれらの構造が凍結される。これにより、縮合したシリカが得られる。縮合したシリカは、界面活性剤及び配位子成分を取り込んだミセルに相当する細孔構造を有することになる。
尚、シリカ源は、pHが低い状態においても縮合する性質を有している。従って、塩基性水溶液ではなく、酸性水溶液を添加することによっても、シリカ源を縮合させることができる。
A-5:担持用金属塩の混合
続いて、縮合したシリカを有するミセルを、担持用金属塩と混合する。担持用金属塩は、担持金属含有粒子(担持金属化合物)の供給源となる物質である。担持用金属塩としては、特に限定されず、例えば、担持金属含有粒子に含まれる金属の塩化物、脂肪酸塩、及び硫酸塩等が用いられる。
例えば、担持金属含有粒子に含まれる金属が鉄である場合には、塩化鉄等が用いられる。
詳細には、以下の手順で、ミセルと担持金属塩とを混合する。
シリカ源の縮合後、沈殿物を濾過等により回収し、洗浄する。回収した沈殿物を乾燥させる。乾燥後、水に沈殿物を再分散させる。更に、担持金属塩を分散液に添加し、例えば0.1時間以上、攪拌する。これによって、担持金属塩由来の金属が、ミセル内部に存在する配位子成分と結合し、錯体(担持金属化合物)を形成する。これにより、ミセルの内部に担持金属化合物が取り込まれた前駆体が得られる。
(B)前駆体の回収
続いて、前駆体を回収する。例えば、ミセルを濾過して乾燥することにより、前駆体を回収できる。ミセルの濾過は、例えば吸引ろ過で行い、ろ液のpHが7となるまで水で繰り返し洗浄する。ミセルの乾燥は、例えば乾燥機、もしくは真空乾燥機で行い、十分に乾燥する。
(C)焼成
続いて、回収した前駆体の焼成を行う。焼成を行うことにより、前駆体中に含まれる有機成分が除去される。すなわち、界面活性剤及び配位子成分が除去され、細孔を有する多孔質シリカが形成される。細孔の内部には、担持金属化合物が残存する。
前駆体の焼成は、界面活性剤の分解温度以上で行い、好ましくは400~600℃である。
(D)還元
続いて、担持金属化合物を還元させる。例えば、多孔質シリカを、200~600℃、1~24時間、水素流量1ml/分から50ml/分で処理することにより、担持金属化合物を還元させる。これにより、担持金属化合物が、酸素吸収機能を有する物質(担持金属含有粒子)に転換される。
以上説明した方法によって、本実施形態に係る多孔質シリカを得ることができる。得られた多孔質シリカは、細孔内に酸素吸収機能を有する担持金属含有粒子を担持しているので、酸素吸収剤として使用することができる。
また、本実施形態によれば、担持金属含有粒子は、多孔質シリカの細孔内に配置されている。そのため、担持金属含有粒子の色は外観に影響しない。すなわち、外観に優れた(白色度が高い)酸素吸収剤を得ることができる。
また、本実施形態によれば、1~100nm程度の細孔径を有する多孔質シリカが得られ、その細孔内に1~100nm程度の粒径を有する担持金属含有粒子を担持させることができる。このようなサイズの担持金属含有粒子は、非常に微細である。微細な金属含有粒子を使用しつつも、多孔質シリカの粒径は例えば100μm程度とすることができるので、ハンドリング性が損なわれない。
本実施形態に係る多孔質シリカによれば、低湿度環境下でも、優れた酸素吸収機能を得ることができる。金属鉄粒子等が有する酸素吸収機能は、湿度によって変化することが知られており、低湿度環境下においては酸素吸収機能が発揮されなくなることが知られている。これに対して、驚いたことに、本発明者らは、本実施形態に係る多孔質シリカが、低湿度環境下においても酸素吸収機能を発揮することを見出した。
更に、本実施形態により得られる多孔質シリカには、担持金属含有粒子が活性な状態で担持されている。そのため、この多孔質シリカを触媒として使用することも可能である。
尚、上述の製造方法の例では、(A)前駆体の生成において、界面活性剤、配位子成分、シリカ源、及び担持用金属塩をこの順で添加する場合の例について説明した。但し、各成分の添加順序は、必ずしもこの順番である必要は無く、任意の順序で各成分を添加してよい。
特に、担持用金属塩を添加するタイミングは、必ずしもシリカ源の縮合後である必要は無い。例えば、シリカ源の縮合前に担持用金属塩を添加した場合であっても、ミセルの内部に担持用金属塩由来の金属を取り込むことができる。
また、上述の製造方法の例では、配位子成分を用いることによって、担持用金属塩由来の金属をミセル内部に取り込む場合の例について説明した。但し、担持用金属塩として、不溶性の金属塩を用いた場合には、配位子成分を用いなくても、担持用金属塩由来の金属を疎水的環境であるミセル内部に取り込むことができる。そのような不溶性の金属塩としては、例えば、脂肪酸の金属塩等を挙げることができる。脂肪酸金属塩は、好ましくは炭素原子数が8~24、好ましくは8~18、より好ましくは12~18の脂肪酸金属塩である。脂肪酸金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、オクタン酸塩、ラウリン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられ、好ましくはステアリン酸塩である。これらの脂肪酸金属塩は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、多孔質シリカにドープ金属をドープする場合には、ドープ金属を提供するドープ用金属化合物を、いずれかのタイミングで添加すればよい。前駆体の回収前(B工程の前)のいずれかのタイミングで水溶液に添加する、もしくは焼成後に水に再分散させて添加し再度焼成することもできる。好ましくは、ドープ用金属化合物は、シリカ源の添加前に添加される。
ドープ用金属化合物としては、特に限定されるものではないが、ドープ用金属の水溶性の塩であることが好ましく、例えば、ドープ金属の塩化物及び硫酸塩等を用いることができる。例えば、ドープ金属がアルミニウムである場合には、ドープ用金属化合物として塩化アルミニウムを用いることができる。
ドープ用金属化合物の添加量は、例えば、シリカ源1molに対して0.001~0.5mol、好ましくは0.01mol~0.1molである。
(第2の実施態様)
続いて、第2の実施態様について説明する。本実施態様では、製造方法が第1の実施態様から変更されている。第1の実施態様においては、「(A)前駆体の生成」において、担持用金属塩がミセルと混合された後、「(B)前駆体の回収」においてミセルが前駆体として回収され、「(C)焼成」において回収された前駆体が焼成される。これに対して、本実施態様においては、ミセルを焼成した後に、焼成されたミセルが担持用金属塩と混合される。すなわち、焼成後に担持用金属塩が添加される点で、第1の実施態様とは異なっている。
詳細には、まず、第1の実施態様における工程「A-1:界面活性剤の水溶液の調製」と同様に、界面活性剤の水溶液を調製する。
次に、第1の実施態様における工程「A-3:シリカ源の添加」と同様に、シリカ源を添加し、表面にシリカ源が集積したミセルを生成させる。
次に、第1の実施態様における工程「A-4:シリカ源の縮合」と同様に、集積したシリカ源を縮合させる。
次に、第1の実施態様における工程「(B)前駆体の回収」と同様に、ミセルを回収する。
次に、第1の実施態様における工程「(C)焼成」と同様に、回収したミセルを焼成する。
次に、焼成したミセルを、再度水に分散させ、分散液に、担持用金属塩(例えば、塩化鉄(III)6水和物)に加え、所定時間(例えば、10分~10時間、好ましくは30分~3時間)攪拌する。
その後、ミセルを回収し、乾燥させ、第1の実施態様における工程「(D)還元」と同様に、ミセルに含まれる担持用金属塩由来の金属化合物を還元させる。
以上説明した方法により、本実施態様に係る多孔質シリカを得ることができる。尚、本実施態様においても、第1の実施態様と同様に、ドープ金属が多孔質シリカにドープされていてもよい。ドープ金属をドープする場合には、ドープ金属を提供するドープ用金属化合物が、好ましくはシリカ源の添加前に、界面活性剤の水溶液に添加される。
本実施態様においては、ミセルの焼成後に担持用金属塩が混合されているため、担持金属含有粒子は、多孔質シリカの表面に存在しており、細孔内部には取り込まれていないと考えられる。そのため、第1の実施態様と比べると、多孔質シリカの外観に、担持金属含有粒子の色が反映されやすい。
しかしながら、本実施態様においても、酸素吸収機能を有する担持金属含有粒子が多孔質シリカに担持された構成が実現される。そのため、低湿度環境下でも酸素吸収機能を発揮することができる、酸素吸収剤を得ることができる。
また、第1の実施態様と同様に、ハンドリング性を維持しつつも、酸素吸収機能を有する金属含有粒子を微細化することができる。
(実施例)
実施例1
300mlビーカーに、水及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(界面活性剤)を加え、100℃で1時間攪拌した。次いで、水溶液に、8-キノリノール(配位子成分)を加え、室温でさらに1時間攪拌した。テトラエトキシシラン(シリカ源)を添加して、均一になるまで水溶液を攪拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌子を1000rpmで回転させて20時間攪拌した。
水溶液中の各成分のモル比は、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:塩化アルミニウム:8-キノリノール:水:水酸化ナトリウム=1:0.337:0.0526:0.058:125:0.225とした。
得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、55℃で一晩乾燥した。得られた粉体6gを水200mlに分散させた。分散液に、塩化鉄(III)6水和物(担持用金属塩)125mgを加え、1時間攪拌した。得られた分散液から、固体生成物をろ別し、55℃で1晩乾燥した後、570℃で5時間焼成した。これを水素雰囲気下で450℃に加熱しながら還元した。
実施例2
300mlビーカーに、水、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(界面活性剤)を100℃で1時間攪拌した。ここに、塩化アルミニウム(ドープ用金属塩)を加えて室温でさらに30分攪拌した。テトラエトキシシラン(シリカ源)を添加して、均一になるまで攪拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌子を1000rpmで回転させて20時間攪拌した。混合溶液のモル比は、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:塩化アルミニウム:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.026:125:0.225とした。
得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、55℃で1晩乾燥した後、570℃で5時間焼成した。焼成して得られた粉末のうち0.396gを50mlビーカーに分取し、塩化鉄6水和物18.6mgと水8mlを加え、100℃で真空乾燥後、350℃で2時間焼成した。これを水素雰囲気下で450℃に加熱しながら還元した。
実施例3
塩化鉄6水和物の量を186mgとした以外は実施例2と同様の方法で調製した。これを水素雰囲気下で450℃に加熱しながら還元した。X線構造解析より、鉄の生成を確認した。
比較例1
塩化鉄(III)6水和物を500℃で5時間焼成して赤褐色の粉体を得た。X線構造解析より、酸化鉄の生成を確認した。これを450℃に加熱しながら水素雰囲気下で還元したところ、黒色の粉体を得た。X線構造解析より、鉄の生成を確認した。
比較例2
300mlビーカーに、水、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(界面活性剤)を100℃で1時間攪拌した。ここに、塩化アルミニウムを加えて室温でさらに30分攪拌した。テトラエトキシシラン(シリカ源)を添加して、均一になるまで攪拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌子を1000rpmで回転させて20時間攪拌した。混合溶液のモル比は、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:塩化アルミニウム:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.026:125:0.225とした。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、55℃で1晩乾燥した後、570℃で5時間焼成した。
実施例1~3比較例1及び2で得られた多孔質シリカについて、以下に説明するように、酸素吸収量、鉄含有量、明度、及び彩度を測定した。また、還元処理の前後における鉄化合物種を同定した。
(酸素吸収量測定)
還元した実施例1、2及び比較例1に係る酸素吸収剤粉体を、約0.3g正確にはかりとり、内容積60cm3の酸素不透過性のスチール箔積層カップに仕込んだ。アルミ箔積層フィルム蓋でカップをヒートシール密封し、異なる相対湿度で、25℃雰囲気下にて保存した。2日保存後のカップ内酸素濃度を、マイクロガスクロマトグラフ装置(島津製作所製GC2014AT)にて測定し、酸素吸収剤に含まれる鉄1g当たりの酸素吸収量を算出した。
結果を表2及び図1に示す。
表2及び図1に示されるように、比較例1においては低湿度環境下(相対湿度30%)においては酸素吸収機能がほとんど見られなかったのに対し、実施例1及び2に係る多孔質シリカでは、低湿度環境下でも酸素吸収機能を有することが確認された。即ち、多孔質シリカに酸素吸収機能を有する金属化合物を担持させることによって、低湿度環境下でも有効な酸素吸収剤を実現できることが判った。
(鉄含有量)
試料約50mgを精確に量りとり、4mlの塩酸で溶解した後に、水溶液中の鉄濃度をThermo Scientific社製のICP-OESにて測定した。塩酸で処理することにより、多孔質シリカに含まれる鉄は、全て塩酸に溶解するものと考えられる。そこで、水溶液中の測定結果に基づき、多孔質シリカ中における鉄の含有量を算出した。
結果を表2に示す。
(明度及び彩度)
スガ試験機株式会社製SMカラーコンピューター(SM-4)を用いてL*値、a*値、b*値を測定した。明度はL*値、彩度は√(a*2+b*2)で算出した。明度は数値が大きいほど白色であることを示す。彩度は数字が小さいほど無彩色であることを示す。
結果を表2に示す。
表2に示されるように、実施例1~3に係る多孔質シリカには、鉄が含まれていることが判った。又、実施例2及び3よりも実施例1の方が明度が大きく、彩度が小さかった。即ち、実施例1に記載の製造方法により、白色度の高い酸素吸収剤が得られることが判った。
(鉄化合物種の同定)
実施例3及び比較例1において、還元処理の前後における鉄化合物種の同定を行った。測定には、理学電気製Rad-rBを使用した。
実施例3の結果を図2に示し、比較例1の結果を図3に示す。尚、図2及び図3において、上段のスペクトルが還元処理前のスペクトルを示している。また、下段のスペクトルが、還元処理後のスペクトルを示している。
図2及び図3に示されるように、還元処理を経ることによって、還元処理前には観察されなかった、還元された鉄(金属鉄Fe)の存在が観察された。
Figure 0007057872000003
Figure 0007057872000004

Claims (13)

  1. 多孔質シリカと、
    前記多孔質シリカの細孔内部に担持された、担持金属含有粒子と、
    を含み、
    前記担持金属含有粒子が酸素吸収機能を有し、
    前記担持金属含有粒子を担持した前記多孔質シリカの明度が、65以上である、
    酸素吸収剤。
  2. 前記担持金属含有粒子が、鉄又はアルミニウムを含む、請求項1に記載の酸素吸収剤。
  3. 前記担持金属含有粒子が、金属鉄を含む、請求項1又は2に記載の酸素吸収剤。
  4. 前記担持金属含有粒子を担持した前記多孔質シリカの明度が、70以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  5. 前記多孔質シリカの細孔径が、1~100nmである、請求項1乃至4のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  6. 前記担持金属含有粒子の粒径が、1~100nmである、請求項1乃至5のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  7. 前記多孔質シリカにおける前記担持金属含有粒子の含有量が、1wt%以上である、請求項1乃至6のいずれかに記載の酸素吸収剤。
  8. 前記多孔質シリカに、ドープ金属がドープされている、請求項1乃至7のいずれかの酸素吸収剤。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載された酸素吸収剤の製造方法であって、
    界面活性剤のミセルと、前記ミセルの表面に集積したシリカと、前記ミセルの内部に含まれる担持用金属化合物とを含む、前駆体を生成する工程と、
    前記前駆体を焼成し、前記担持用金属化合物を担持する多孔質シリカを生成する工程と、
    前記担持用金属化合物を還元し、酸素吸収機能を有する担持金属含有粒子を生成する工程と、
    を備える、酸素吸収剤の製造方法。
  10. 前記前駆体を生成する工程が、
    水溶液中で、前記界面活性剤とシリカ源とを混合し、表面に前記シリカ源が集積した前記ミセルを生成する工程と、
    前記集積したシリカ源を縮合させる工程と、
    前記縮合させる工程の後に、水溶液中で、前記ミセルを、前記担持金属含有粒子における金属の供給源となる担持用金属塩と混合する工程と、
    を含む、請求項に記載の酸素吸収剤の製造方法。
  11. 前記ミセルを生成する工程が、更に、前記水溶液に、水に不溶性の配位子成分を添加する工程を含み、
    前記配位子成分が、配位結合により前記担持用金属塩の金属と水に不溶性の錯体を形成するような化合物である、
    請求項10に記載の酸素吸収剤の製造方法。
  12. 前記前駆体を生成する工程が、前記シリカにドープ金属をドープする工程を含む、
    請求項9乃至11のいずれかに記載の酸素吸収剤の製造方法。
  13. 請求項1乃至8のいずれかに記載された酸素吸収剤の製造方法であって、
    界面活性剤のミセルと、前記ミセルの表面に集積したシリカと、前記ミセルの内部に含まれる、鉄粒子の前駆体となる鉄化合物とを含む、前駆体を生成する工程と、
    前記前駆体を焼成し、前記界面活性剤を除去する工程と、
    前記前駆体に含まれる前記鉄化合物を還元し、前記鉄粒子を生成する工程と、
    を含む、多孔質シリカの製造方法。
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