JP2009067614A - 複合中空メソポーラスシリカ粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有するシリカからなり、外殻部の内壁に金属又は金属化合物を保持する複合中空メソポーラスシリカ粒子、及び(2)中空メソポーラスシリカ粒子を調製する工程(I)、得られた中空メソポーラスシリカ粒子に金属錯体溶液を含浸させる工程(II)及び工程(II)で得られた金属錯体溶液を中空部分に内包するメソポーラスシリカ粒子を乾燥及び/又は焼成する工程(III)を含む、複合中空メソポーラスシリカ粒子の製造方法である。
【選択図】なし
Description
均一で微細な細孔を有する多孔体として、メソ領域の細孔を有するメソポーラスシリカが開発され、前記用途の他に、ナノワイヤー、半導体材料、光エレクトロニクスへの応用等の分野での利用が注目されている。
例えば、非特許文献1及び2にはトリメチルベンゼンの乳化滴を利用した中空メソポーラスシリカ粒子が開示されている。また非特許文献3及び4の中空メソポーラスシリカ粒子は、反応初期に酸で中和することで粒子形成反応を止めて合成されている。
このように中空構造を有するメソポーラスシリカは既に知られているが、これらのメソポーラスシリカはシリカのみで構築されているため、触媒や吸着剤として利用するために必要な活性点をもたない。また中空構造を有するメソポーラスシリカの内壁に金属化合物などの活性点を保持した例は報告されていない。
一方、メソ細孔構造を有するシリカ粒子中に金属酸化物を含む例として、非特許文献5には、メソポーラスシリカ中に複数の酸化チタン粒子を有する複合シリカ粒子が開示されており、メソポーラスシリカのメソ細孔による分子選択的な反応について記載されている。しかしながら、この複合シリカ粒子は、複数の酸化チタンが粒子中にランダムに分散しているため、複合シリカ粒子の外殻部とその内部に存在する複数の酸化チタン粒子の距離が不均一となり、粒子毎に均一な触媒性能を発現できないという問題がある。さらに粒子内に反応を行うための中空空間や吸着物質を貯蔵するための空間が存在しないため、反応や吸着には不利であると考えられる。このように、従来技術は実用上到底満足できるものではない
〔1〕外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有するシリカからなり、外殻部の内壁に金属又は金属化合物を保持する複合中空メソポーラスシリカ粒子。
〔2〕下記工程(I)、(II)及び(III)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有するシリカからなり、外殻部の内壁に金属又は金属化合物を保持する複合中空メソポーラスシリカ粒子の製造方法。
工程(I):中空メソポーラスシリカ粒子を調製する工程
工程(II):工程(I)で得られた中空メソポーラスシリカ粒子に、金属錯体溶液を含浸させる工程
工程(III):工程(II)で得られた金属錯体溶液を中空部分に内包するメソポーラスシリカ粒子を乾燥及び/又は焼成する工程
複合中空メソポーラスシリカ粒子(以下、単に「複合中空シリカ粒子」ともいう)は、外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有するシリカからなる中空粒子であって、その内壁に金属又は金属化合物を保持することを特徴とする。
複合中空シリカ粒子のメソ細孔構造の平均細孔径は、好ましくは1〜8nm、より好ましくは1〜5nmである。メソ細孔構造を有する外殻部と粒子内部の中空部分の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
本発明の複合中空シリカ粒子のメソ細孔構造は、メソ細孔径が揃っていることが特徴の1つである。該メソ細孔径は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上が平均細孔径の±30%以内に入る。
また、複合中空シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは100〜1500m2/g、より好ましくは120〜1500m2/g、更に好ましくは140〜1500m2/gである。
本発明の複合中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有するメソ領域に周期性のある物質である。なお、規則性が高くなるとピークは明瞭化され、高次ピークが見られる場合がある。
複合中空シリカ粒子の外殻部の内壁には金属又は金属化合物が固着、保持されている。ここで、「内壁」とは、中空シリカ粒子を構成している外殻部の内側を指す。
金属又は金属化合物を形成する金属としては、特に制限はなく、ホウ素、炭素、ケイ素を除く周期律表第3族〜第14族の金属元素から選ばれる1種以上が含まれる。
金属の具体的としては、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド(ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム)、アクチノイドの第3族金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の第4族金属、バナジウム、ニオブ、タンタル等の第5族金属、クロム、モリブデン、タングステン等の第6族金属、マンガン、レニウム等の第7族金属、鉄、ルテニウム、オスミニウム等の第8族金属、コバルト、ロジウム、イリジウム等の第9族金属、ニッケル、パラジウム、白金等の第10族金属、銅、銀、金等の第11族金属、亜鉛、カドミウム、水銀等の第12族金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム等の第13族金属、錫、鉛等の第14族金属等が挙げられる。
これらの中では、触媒作用、製造上等の観点から、周期律表第3〜12族、特に第4〜11族の遷移金属が好ましく、具体的にはチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等が好ましく、チタン、鉄、ニッケル、銅がより好ましい。
金属化合物としては、上記金属の酸化物、水酸化物、塩化物の他、アンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩等の塩が挙げられる。これらの中では、汎用性、製造上等の観点から、金属酸化物が好ましく、特に酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅が好ましい。
上記の金属化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて、またはそれらの合金としても使用することができる。
コア部を形成する金属又は金属化合物部の大きさは、複合シリカ粒子の使用目的に応じて適宜決定することができ、金属化合物種、混合時の撹拌力、溶液の温度等によって適宜調整することができる。
本発明の複合中空シリカ粒子における外殻部(メソポーラスシリカ部)の平均厚みは、通常0.5〜500nm、好ましくは2〜400nm、より好ましくは3〜300nmである。
また、内壁部に保持される金属又は金属化合物の厚みは、例えば0.5nm〜200nm、好ましくは0.5nm〜100nmである。この厚みは、複合中空シリカ粒子の使用目的(触媒や物質分離剤等の用途)に応じて適宜決定することができ、金属化合物種、濃度、溶液温度等によって適宜調整することができる。
また、〔外殻部の平均厚み/複合中空シリカ粒子の平均粒子径〕の比は、通常0.01〜0.6、好ましくは0.05〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4である。
なお、複合中空シリカ粒子の平均粒子径は、含有される金属又は金属化合物種やその大きさ、製造時に使用しうる界面活性剤の選択、混合時の撹拌力、試薬の濃度、溶液の温度等によって調整することができる。複合中空シリカ粒子の製造工程において、陽イオン界面活性剤等の界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤が複合中空シリカ粒子内部、メソ細孔内、又はシリカ粒子表面に残留する可能性がある。界面活性剤が残留しても問題ない場合は除去する必要はないが、残留する界面活性剤の除去を望む場合は、水や酸性水溶液で洗浄処理して置換することにより除去することができる。
なお、複合中空シリカ粒子の平均粒子径、平均外殻厚み、BET比表面積、平均細孔径、及び粉末X線回折(XRD)パターンの測定は、実施例記載の方法により行う。
本発明の複合中空シリカ粒子の製造方法は、下記工程(I)、(II)、及び(III)を含むことを特徴とする。
工程(I):中空メソポーラスシリカ粒子を調製する工程
工程(II):工程(I)で得られた中空メソポーラスシリカ粒子に、金属錯体溶液を含浸させる工程
工程(III):工程(II)で得られた金属錯体溶液を中空部分に内包するメソポーラスシリカ粒子を乾燥させる工程
以下、工程(I)〜(III)の詳細及び各工程に用いる各成分について説明する。
工程(I)は、中空メソポーラスシリカ粒子を調製する工程である。中空メソポーラスシリカ粒子を製造しうる方法であれば特に制限はないが、下記工程a〜cを含む方法がより好ましい。
工程a:カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマー粒子(a)を0.1〜50グラム/L、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程。
[R1(CH3)3N]+X- (1)
[R1R2(CH3)2N]+X- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程b:工程aで得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子の水分散液を調製する工程
工程c:複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程
工程aで用いられるポリマー粒子(a)は、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーの粒子であり、実質的に水不溶性のポリマーが好ましい。
[カチオン性ポリマー]
カチオン性ポリマーとしては、連続相を水系とする媒体中に、陽イオン界面活性剤の存在下で、ポリマーエマルジョンとなって分散可能であるポリマーが好ましく、陽イオン界面活性剤の存在下でカチオン性モノマー、特にはカチオン性基を有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を、公知の方法で乳化重合して得られるものが好ましい。
カチオン性モノマーとしては、アミノ基を有する単量体の酸中和物、又は該単量体を4級化剤で4級化した第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
カチオン性モノマーの具体例としては、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートが最も好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を意味する。
なお疎水性モノマーは、水に対する溶解性が低く、水と分相を形成する重合性の有機化合物を意味する。疎水性モノマーは、LogP値が0以上、好ましくは0.5以上、また25以下の化合物が挙げられる。ここで、LogPとは、化学物質の1−オクタノール/水分配係数であり、logKow法により計算で求められた値をいう。
カチオン性ポリマーを構成するカチオン性モノマー構成単位は少量でよく、カチオン性ポリマーを構成する殆どが疎水性モノマー由来の構成単位によって構成されていてもよい。カチオン性ポリマーに占めるカチオン性モノマー構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位の合計量は、70〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%である。特に〔(カチオン性モノマー由来の構成単位)/(疎水性モノマー由来の構成単位)〕の重量比は、粒子形成性の観点から、好ましくは0.001〜0.5、より好ましくは0.002〜0.3、特に好ましくは0.003〜0.1である。
ノニオン性ポリマーは、水溶液中で荷電を有しないポリマーを意味する。ノニオン性ポリマーは、荷電を有しないモノマーすなわちノニオン性モノマーを由来とするポリマーであり、公知の乳化重合法、無乳化剤重合法等によりノニオン性モノマーを重合して得ることができる。
ノニオン性モノマーとしては、カチオン性ポリマーの説明で挙げた疎水性モノマー(段落〔0017〕)を挙げることができる。その好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数3〜22、より好ましくは炭素数3〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、及びスチレンから選ばれる一種以上が挙げられる。
ノニオン性ポリマーの具体例としては、ポリスチレン、エチルアクリレート・エチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート・メチルメタクリレート共重合体、オクチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・ブチルアクリレート・オクチルアクリレート共重合体、酢酸ビニル・スチレン共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、ブチルアクリレート、ポリスチレンアクリル酸樹脂等が挙げられる。
ポリマーは複合シリカ粒子の製造上、実質的に水に溶解しないものが用いられ、そのために疎水性モノマーの重合比率を高める方法、架橋する方法等を採用できる。
かかるポリマーの好適例として、アルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる疎水性モノマーとカチオン性基を有する(メタ)アクリレートとのコポリマー、並びにアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる一種以上の疎水性モノマーからなるノニオン性ポリマーを挙げることができる。
上記のポリマーは、単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
ポリマー粒子の形状、形態は特に制限はなく、複合中空シリカ粒子の使用目的に応じて、粒子の大きさを変えたり、真球状、卵状等に形成したり、また、例えば金属触媒等を含有するマイクロカプセル状等に形成することができる。ポリマー粒子の形状、形態は、ポリマー種、混合時の撹拌力、溶液の温度等によって調整することができる。
第四級アンモニウム塩(b)は、メソ細孔の形成とポリマー粒子(a)の分散のために用いられる。
前記一般式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、炭素数4〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数8〜16の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。炭素数4〜22のアルキル基としては、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種エイコシル基等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)におけるXは、高い結晶性を得るという観点から、好ましくはハロゲンイオン、水酸化物イオン、硝酸化物イオン、硫酸化物イオン等の1価陰イオンから選ばれる1種以上である。Xとしては、より好ましくはハロゲンイオンであり、更に好ましくは塩素イオン又は臭素イオンであり、特に好ましくは臭素イオンである。
一般式(2)で表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジブチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
これらの第四級アンモニウム塩(b)の中では、規則的なメソ細孔を形成させる観点から、特に一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリドがより好ましく、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド又はドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
シリカ源(c)は、アルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成するものであり、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物を挙げることができる。
SiY4 (3)
R3SiY3 (4)
R3 2SiY2 (5)
R3 3SiY (6)
Y3Si−R4−SiY3 (7)
(式中、R3はそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、R4は炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yは加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
より好ましくは、一般式(3)〜(7)において、R3がそれぞれ独立して、水素原子の一部がフッ素原子に置換していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基であり、具体的には炭素数1〜22、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数8〜16のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R4が炭素数1〜4のアルカンジイル基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基等)又はフェニレン基であり、Yが炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、またはフッ素を除くハロゲン基である。
・一般式(3)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であるシラン化合物。
・一般式(4)又は(5)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるトリアルコキシシラン又はジアルコキシシラン。
一般式(6)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であり、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるモノアルコキシシラン。
・一般式(7)において、Yがメトキシ基であって、R4がメチレン基、エチレン基又はフェニレン基である化合物。
これらの中では、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、1,1,1−トリフルオロプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
(a)成分の含有量は、好ましくは0.1〜50グラム/L、より好ましくは0.3〜40グラム/L、特に好ましくは0.5〜30グラム/Lである。
(b)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lであり、(c)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
(a)〜(c)成分を含有させる順序は特に制限はない。例えば、(i)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の順に投入する、(ii)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分を同時に投入する、(iii)(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の投入後に撹拌する、等の方法を採用することができるが、これらの中では(i)の方法が好ましい。
(a)〜(c)成分を含有する水溶液には、本発明の複合シリカ粒子の形成を阻害しない限り、その他の成分として、メタノール等の有機化合物や、無機化合物等の他の成分を添加してもよく、前記のように、シリカや有機基以外の他の元素を担持したい場合は、それらの金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することもできる。
工程bは複合シリカ粒子を形成する工程である。工程aで得られる水溶液を10〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度で所定時間撹拌した後、静置することで、ポリマー粒子(a)の表面に、第四級アンモニウム塩(b)とシリカ源(c)によりメソ細孔が形成され、内部にポリマー粒子(a)を包含した複合シリカ粒子を析出させることができる。撹拌処理時間は温度によって異なるが、通常10〜80℃で0.1〜24時間で複合シリカ粒子が形成される。
得られた複合シリカ粒子は、水中に懸濁した状態で得られる。用途によってはこれをそのまま使用することもできるが、好ましくは複合シリカ粒子を分離して使用する。分離方法としは、ろ過法、遠心分離法等を採用することができる。
工程bで得られた複合シリカ粒子が陽イオン界面活性剤等を含む場合は、酸性溶液と1回又は複数回接触させることにより陽イオン界面活性剤等を除去することができる。用いる酸性溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;陽イオン交換樹脂等を水やエタノール等に加えた液が挙げられるが、塩酸が特に好ましい。pHは通常1.5〜5.0に調整される。
上記により得られた粒子は、メソ細孔構造を表面に有し、BET比表面積の高い、ポリマー粒子を包含する複合シリカ粒子である。
工程cでは、工程bで得られた複合シリカ粒子を分散媒から分離し、必要に応じて、酸性水溶液と接触、水洗、乾燥、また、高温で処理した後、電気炉等で好ましくは350〜800℃、より好ましくは450〜700℃で、1〜10時間焼成し、内部のポリマーを除去する。得られる中空メソポーラスシリカ粒子は、その外殻部の基本構成は複合シリカ粒子と変わらないが、内部のポリマー等は焼成により除去されている。
本発明においては、ポリマーを包含する複合シリカ粒子を焼成するため、内包されるポリマー粒子の形状、形態を所望の状態に予め制御しておくことにより、所望の形状、形態を有する中空シリカ粒子を容易に製造することができる。例えば、内部に真球状のポリマーを有する複合シリカ粒子を焼成することにより、内部中空及び外形が真球状の中空シリカ粒子を製造することができる。
上記で得られた中空メソポーラスシリカ粒子は、前述した外殻部と中空構造を有する。
工程(II)では、上記の工程(I)で得られた中空メソポーラスシリカ粒子に、金属錯体溶液を含浸させる。
[金属錯体]
金属錯体は、複合中空シリカ粒子の外殻部のメソ細孔(平均細孔径1〜10nm)を通過することのできる大きさであり、かつメソ細孔通過の際に安定に存在しうるものであれば、特に制限はない。金属錯体の大きさは、メソ細孔の平均細孔径の80%以下、好ましくは70%以下の外径を有するものが好ましい。
また、含浸処理を効率よく均一に行う観点から、金属錯体は水溶性有機溶媒に溶解可能であるものが好ましい。水溶性有機溶媒としては、25℃の水100gに対する溶解量が1g以上、好ましくは5g以上である有機溶媒が好ましく、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量200〜1540)等のグリコール類、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール等が挙げられる。これらの中では、炭素数1〜4、特に炭素数1〜3の低級アルコールが特に好ましい。
金属錯体において金属イオンに配位する配位子としては、炭素原子を配位原子とするものとして、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基等を有する配位子が挙げられ、水素原子を配位原子とするものとして、ヒドリド基等を有する配位子が挙げられ、酸素原子を配位原子とするものとして、水酸基、酸化物基、過酸化物基、ニトロ基、スルホシド基、スルフィド基、スルホキシド基、アルコキシ基、エーテル基、アルデヒド基、カルボニル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基等を有するものが挙げられる。
また、窒素原子を配位原子とするものとしては、ジアゾ基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、含窒素芳香族脂肪酸基、アミド基、イミド基等を有するものが挙げられ、硫黄原子を配位原子とするものとしては、チオラト基、スルホシド基、スルフィド基等を有するものが挙げられ、リン原子を配位原子とするものとしては、フォスフィノ基等を有するものが挙げられ、ハロゲン元素を配位原子とするものとしては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等を有するものが挙げられる。
特に好適な金属錯体(a)の具体例としては、Ti〔(CH3CO)CH(CH3CO)〕2〔(CH3)2CHO〕2、Fe〔(CH3CO)CH(CH3CO)〕3、Ni〔(CH3CO)CH(CH3CO)〕2、Cu〔(CH3CO)CH(CH3CO)〕2等のチタン、鉄、ニッケル、銅等の金属のアセチルアセトナート、イソプロポキシ銅[((CH3)2CHO)2Cu]等のイソプロポキシ金属等が挙げられる。
金属錯体は、上記の金属と配位子を1種以上組み合わせて用いることができる。
なお、金属錯体には、目的に応じて他の機能性物質を含ませてもよく、それにより複合中空シリカ粒子を広範囲の分野で使用することができる。
含浸処理の条件は、金属錯体溶液が中空メソポーラスシリカ粒子に含浸できる方法であれば特に制限はなく、公知の真空含浸法等を採用することができる。例えば、容器内で金属錯体溶液と中空メソポーラスシリカ粒子とを混合し、該容器内を金属錯体溶液の溶媒の蒸気圧より高く、用いる中空メソポーラスシリカ粒子のメソ細孔中における窒素の蒸気圧より小さい条件で含浸することが好ましい。この場合のメソ細孔中における窒素の蒸気圧は窒素の吸着等温線から求められる。
この条件で中空メソポーラスシリカ粒子の細孔内を脱気して金属錯体溶液を強制含浸せしめ、1分間〜10時間、好ましくは1分間〜1時間撹拌した後に容器内の圧力を一旦大気圧に戻し、さらに1分間〜10時間、好ましくは1時間〜10時間静置することで、金属錯体を中空メソポーラスシリカ粒子のメソ細孔内を通して中空内部に導入する方法が挙げられる。なお含浸の程度は、中空メソポーラスシリカ粒子の中空部分に金属錯体溶液が包含されるまで行うことが好ましい。
工程(III)では、工程(II)で得られた金属錯体溶液を中空部分に内包するメソポーラスシリカ粒子を乾燥及び/又は焼成し、中空メソポーラスシリカの外殻部の内壁に金属化合物を有する、複合中空メソポーラスシリカ粒子を得ることができる。
工程(III)における乾燥は、加熱による方法と減圧による方法があり、双方を組み合わせることもできる。電気乾燥庫等内の温度は減圧を考慮した場合、30℃以上でも可能であるが、金属酸化物以外の金属化合物を得るためには、300℃以下であることが好ましい。また乾燥時間は、メソポーラスシリカ粒子の種類、量や溶媒によって異なるが、通常10分間〜48時間である。乾燥は昇温操作によって行うこともできる。なお工程(III)に先立って、工程(II)で得られた粒子を酸性水溶液と接触させたり、水洗い等を行うこともできる。
工程(III)における焼成は、電気炉等を用いて好ましくは400〜800℃、より好ましくは450〜700℃で、通常1〜10時間行うことができる。なお、乾燥から焼成への移行を1つの電気炉内で連続的に行うこともできる。
得られる複合中空シリカ粒子の外殻部の基本構成は、乾燥及び/又は焼成前と変わらないが、焼成時に発生する気体により、外殻部の内壁に存在する金属又は金属化合物は変化する。酸素雰囲気下では金属酸化物、窒素雰囲気下では、金属酸化物、金属窒化物又は金属が生成し、水素やアンモニア等の還元性雰囲気下では金属の生成が可能である。
本発明においては、粒子外殻部の内壁に存在する金属化合物を適宜選択しうるため、金属触媒等として有用な複合シリカ粒子を容易に製造することができる。
なお外殻部の内壁の金属化合物の存在は、処理前の透過型電子顕微鏡(TEM)像と処理後のTEM像の違いに加えて、TEM−EDX(エネルギー分散型X線分析装置)により金属化合物の存在を確認するか、又は焼成した場合は、高性能TEMにより観察し、格子像を確認することによって検証することができる。
(1)平均粒子径及び平均外殻厚みの測定
日本電子株式会社製の透過型電子顕微鏡(TEM)JEM−2100を用いて加速電圧160kVで測定を行い、それぞれ20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の直径および外殻厚みを写真上で実測する。この操作を、視野を5回変えて行う。得られたデータから平均粒子径及びその分布の程度、並びに外殻部の平均厚みを求めた。透過型電子顕微鏡の倍率の目安は1万〜10万倍であるが、シリカ粒子の大きさによって適宜調節される。しかしながら、画面中の粒子のうち、メソ細孔を有する複合シリカ粒子の割合が、30%以下の場合は、観察のための視野を広げて、すなわち倍率を下げて、少なくとも10個の粒子からデータを得るものとする。観察に用いた試料は高分解能用カーボン支持膜付きCuメッシュ(200−Aメッシュ、応研商事株式会社製)に付着させ、余分な試料をブローで除去して作成した。
(2)BET比表面積、平均細孔径の測定
株式会社島津製作所製、比表面積・細孔分布測定装置、商品名「ASAP2020」を使用し、液体窒素を用いて多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。窒素吸着等温線からBJH法を採用し、ピークトップを平均細孔径とした。前処理は250℃で5時間行った。
(3)粉末X線回折(XRD)パターンの測定
理学電機工業株式会社製、粉末X線回折装置、商品名「RINT2500VPC」を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02°、発散スリット:1/2°、発散スリット縦:1.2mm、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲は回折角(2θ)1〜20°、走査速度は4.0°/分で連続スキャン法を用いた。なお、試料は、粉砕した後、アルミニウム板に詰めて測定した。
(1)カチオン性ポリマー粒子の製造
2L−セパラフルフラスコにイオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部と塩化メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム0.5部をいれ、内温70℃まで昇温させた。次いで水溶性開始剤として2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製のV−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌を行った。その後さらに75℃で3時間過熱撹拌を行った。冷却後、得られた混合液から凝集物を200メッシュ濾過(目開き;約75μm)し、得られた濾過液をエバポレーターにより加熱濃縮し、冷却後、濃縮液を1.2μmのメンブランフィルター〔Sartorius社製、商品名:Minisart〕で濾過し、イオン交換水で調整することで、カチオン性ポリマー粒子の懸濁液〔固形分(有効分)含有量40%、平均粒径312nm〕を得た。
(2)ポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子の製造
100mlフラスコに水60g、メタノール20g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.46g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.35g、上記(1)で得られたカチオン性ポリマー粒子の懸濁液0.11gを入れ撹拌した。その水溶液にテトラメトキシシラン0.34gをゆっくりと加え、5時間撹拌後、12時間熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗、乾燥した。乾燥粉末を水100mlに分散し、1M塩酸を用いてpH2に調整し、一晩撹拌した。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗後、乾燥して、ポリマー粒子を内包し、外殻部がメソ細孔構造を有する複合シリカ粒子を得た。
(3)中空シリカ粒子の製造
上記(2)で得られたポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子を、1℃/分の速度で600℃まで昇温した後、2時間600℃で焼成し、ポリマー粒子を除去して、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子を得た。得られた中空シリカ粒子の平均粒子径は0.34μm、メソ細孔の平均細孔径は1.73nm、外殻部の厚みは55nmであった。
なお、この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有していた。
10mlサンプル瓶に、製造例3で得られた中空シリカ粒子0.1g、ビス−2,4−ペンタジオナト−ビス−2−プロパネイトチタニウム[Ti〔(CH3CO)CH(CH3CO)〕2〔(CH3)2CHO〕2]の75%イソプロパノール溶液(和光純薬工業株式会社製)2gを入れた。その容器をガラス製デシケーターに移し、エバポレータ用ポンプを用いて3分間減圧した、その後、デシケーター内を窒素により常圧に戻した。この操作を3回繰り返した。得られたサンプルをろ別し、乾燥した後、1℃/分の速度で600℃まで昇温し、600℃で2時間焼成して、中空部位に酸化チタンを導入した中空メソポーラスシリカ粒子を得た。得られた粒子のTEM像を図1に示し、性状を表1に示す。なお図1のTEM像には処理前の中空メソポーラスシリカ粒子には見られない黒色の層が外殻部の内壁に見られた。
実施例1において、ビス−2,4−ペンタジオナト−ビス−2−プロパネイトチタニウムの75%イソプロパノール溶液の代わりに、0.1gのビス−2,4−ペンタジオナトニッケル・二水和物[Ni〔(CH3CO)CH(CH3CO)〕2・2H2O](和光純薬工業株式会社製)を2gのメタノールに溶解した溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた酸化ニッケル内包複合中空シリカ粒子の性状を表1に示す。
実施例1において、ビス−2,4−ペンタジオナト−ビス−2−プロパネイトチタニウムの75%イソプロパノール溶液(和光純薬工業株式会社製)の代わりに、0.1gのイソプロポキシ銅[((CH3)2CHO)2Cu](和光純薬工業株式会社製)を2gのメタノールに溶解した溶液を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた酸化銅内包複合中空シリカ粒子の性状を表1に示す。
本発明の製造方法によれば、メソ細孔構造を有し金属又は金属化合物を保持する複合中空シリカ粒子を効率よく得ることができ、また粒子形態、粒子径の制御も容易であり、メソ細孔規則性、比表面積の整った粒子を得ることができる。
Claims (7)
- 外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有するシリカからなり、外殻部の内壁に金属又は金属化合物を保持する複合中空メソポーラスシリカ粒子。
- 金属化合物が金属酸化物である、請求項1に記載の複合中空メソポーラスシリカ粒子。
- 下記工程(I)、(II)及び(III)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有するシリカからなり、外殻部の内壁に金属又は金属化合物を保持する複合中空メソポーラスシリカ粒子の製造方法。
工程(I):中空メソポーラスシリカ粒子を調製する工程
工程(II):工程(I)で得られた中空メソポーラスシリカ粒子に、金属錯体溶液を含浸させる工程
工程(III):工程(II)で得られた金属錯体溶液を中空部分に内包するメソポーラスシリカ粒子を乾燥及び/又は焼成する工程 - 工程(III)において、焼成を400〜800℃で行う、請求項3に記載の複合中空メソポーラスシリカ粒子の製造方法。
- 工程(I)が下記工程a〜cを含む、請求項3又は4に記載の複合中空メソポーラスシリカ粒子の製造方法。
工程a:カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマー粒子(a)を0.1〜50グラム/L、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程。
[R1(CH3)3N]+X- (1)
[R1R2(CH3)2N]+X- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程b:工程aで得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子の水分散液を調製する工程
工程c:複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程 - 中空メソポーラスシリカ粒子の外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有する、請求項3〜5のいずれかに記載の複合中空メソポーラスシリカ粒子の製造方法。
- 金属錯体を形成する金属が、周期律表第3族〜第14族の金属元素から選ばれる1種以上である、請求項3〜6のいずれかに記載の複合中空メソポーラスシリカ粒子の製造方法。
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