JP2008174435A - メソポーラスシリカ粒子 - Google Patents

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【課題】メソ細孔構造を有しポリマーを包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】(1)外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、その内部にカチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーを包含してなる複合シリカ粒子、(2)その複合シリカ粒子を焼成して得られる中空シリカ粒子、及び(3)それら製造方法である。
【選択図】図3

Description

本発明は、メソ細孔構造を有しポリマーを包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びそれらの製造方法に関する。
多孔質構造をもつ物質は高い表面積を有するため、触媒担体、酵素や機能性有機化合物等の固定化担体として広く使用されている。特に、多孔質構造を形成する細孔の細孔径分布がシャープである場合、分子篩としての作用が発現し、構造選択性を有する触媒担体の利用や物質分離剤への応用が可能となる。かかる応用のために、均一で微細な細孔を有する多孔体が求められている。
均一で微細な細孔を有する多孔体として、メソ領域の細孔を有するメソポーラスシリカが開発され、前記用途の他に、ナノワイヤー、半導体材料、光エレクトロニクスへの応用等の分野での利用が注目されている。
メソ細孔構造を有するシリカとして、外殻がメソ細孔構造を有し内部が中空のシリカ粒子が知られている。例えば、特許文献1には、メソ細孔壁を有する中空シリカマイクロカプセルの製造方法が開示されており、有機溶媒の乳化滴を用いてメソ細孔のない中空シリカ粒子を形成した後、界面活性剤の存在下で高熱処理することにより、メソ細孔を形成させると記載されている。また、メソ細孔壁の利用法として、農薬、医薬、化粧料及び芳香剤等を内包させることが開示されている。しかしながら、実際に追試を行うと、中空構造を有するメソポーラスシリカは形成せず、メソ細孔が存在しない中空シリカ粒子及び中実シリカ粒子と、中空構造を有しないメソポーラスシリカ不定形粒子の混合体しか得られなかった。
非特許文献1及び2にはトリメチルベンゼンの乳化滴を利用した中空メソポーラスシリカ粒子が開示されている。しかしながら、メソ細孔構造規定剤として水溶性のノニオン性ポリマーを用いているため、細孔構造の規則性が低く、BET比表面積も430m2/gと低い。
非特許文献3及び4の中空メソポーラスシリカ粒子は、反応初期に酸で中和することで粒子形成反応を止めて合成されている。このため、BET比表面積は850〜950m2/gと比較的高いが、粒子径の分布がブロードである。
非特許文献5の中空メソポーラスシリカ粒子は、反応溶液に超音波を照射することで形成されている。このため、BET比表面積は940m2/gと比較的高いが、粒子径の分布が非常にブロードであり、粒子形状も不定形である。
また、これら中空メソポーラスシリカ粒子の利用方法として、非特許文献2には、染料を含むトリメチルベンゼンを包含するシリカ粒子を調整し、染料の水溶液中への拡散性を検討した結果が報告されている。しかしながら、このシリカ粒子は、その表面のメソ細孔が中性のコポリマーによって塞がれた状態になっている。
このように、従来技術は実用上到底満足できるものではない。
特開2006−102592号公報 Qianyano Sun他、Adv.Mater.、第15巻、第1097頁(2003年) Nicole E.Botterhuis他,Chem.Eur.J.,第12巻、第1448頁(2006年) Puyam S.Singh他,Chem.Lett.,第101頁(1998年) Christabel E.Fowler他,Chem.Commun.,第2028頁(2001年) Rohit K.Rana他,Adv.Mater.,第14巻、第1414頁(2002年)
本発明は、メソ細孔構造を有しポリマーを包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びにそれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、外殻部がメソ細孔構造を有しポリマーを包含する複合シリカ粒子を見出し、該複合シリカ粒子から更に、比表面積が高く、メソ細孔構造の規則性の高い中空シリカ粒子を得ることができることを見出した。
すなわち本発明は、次の(1)〜(4)を提供する。
(1)外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、その内部にカチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーを包含してなる複合シリカ粒子。
(2)前記(1)の複合シリカ粒子を焼成して得られる、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子。
(3)下記工程(I)及び(II)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有し、その内部にポリマーを包含してなる複合シリカ粒子の製造方法。
工程(I):カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマー粒子(a)を0.01〜10質量%、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程
[R1(CH33N]+- (1)
[R12(CH32N]+- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子の水分散液を調製する工程
(4)前記工程(I)及び(II)により得られた複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程(III)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子の製造方法。
本発明によれば、メソ細孔構造を有しポリマーを包含する複合シリカ粒子、メソ細孔構造を有する中空シリカ粒子、及びにそれらの製造方法を提供することができる。
<複合シリカ粒子>
本発明の複合シリカ粒子は、外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、その内部にカチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーを包含してなる複合シリカ粒子である。
複合シリカ粒子の平均細孔径は、好ましくは1〜8nm、より好ましくは1〜5nmである。メソ細孔構造を有する外殻部と粒子内部の中空部分の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
本発明の複合シリカ粒子のメソ細孔構造は、メソ細孔径が揃っていることが特徴の1つである。すなわち本発明の複合シリカ粒子のメソ細孔の70%以上が平均細孔径の±30%以内に入る。本発明におけるメソ細孔の平均細孔径及び細孔径の分布の程度は、窒素吸着測定を行い、窒素吸着等温線からBJH法により求めた値である。
本発明の複合シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは100m2/g以上、より好ましくは120m2/g以上、更に好ましくは140m2/g以上である。
また、平均粒子径は、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.01〜5μm、特に好ましくは0.02〜2μmである。複合シリカ粒子の平均粒子径が0.01〜0.1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜5nmであり、平均粒子径が0.1〜1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜8nmであり、平均粒子径が1〜10μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜10nmである。
本発明の複合シリカ粒子は、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有しており、非常に揃った粒子径の粒子群から構成されていることが望ましい。複合シリカ粒子の平均粒子径及びその分布の程度は透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することができる。
また、本発明の複合シリカ粒子のメソ細孔径は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上が平均細孔径の±30%以内であることが望ましい。
なお、複合シリカ粒子の平均粒子径は、内包されるポリマー種やポリマー粒子の大きさ、陽イオン界面活性剤の選択、混合時の撹拌力、試薬の濃度、溶液の温度等によって調整することができる。複合シリカ粒子の製造工程において、陽イオン界面活性剤を使用する場合は、陽イオン界面活性剤が複合シリカ粒子内部、メソ細孔内、又はシリカ粒子表面に残留する可能性がある。陽イオン界面活性剤が残留しても問題ない場合は除去する必要はないが、残留する陽イオン界面活性剤の除去を望む場合は、水や酸性水溶液で洗浄処理して置換することにより除去することができる。
本発明の複合シリカ粒子における外殻部の平均厚みは、0.5〜500nmであることが好ましく、2〜400nmであることがより好ましく、3〜300nmであることが特に好ましい。
また、〔外殻部の平均厚み/平均粒子径〕の比は、0.01〜0.6であることが好ましく、0.05〜0.5であることがより好ましく、0.1〜0.4であることが特に好ましい。
なお本発明において、複合シリカ粒子の平均粒子径及びその分布の程度、並びに外殻部の平均厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定する。具体的には、透過型電子顕微鏡観察下で、20〜30個の粒子が含まれる視野中の全粒子の直径および外殻厚みを写真上で実測する。この操作を、視野を5回変えて行う。得られたデータから平均粒子径及びその分布の程度、並びに外殻部の平均厚みを求める。透過型電子顕微鏡の倍率の目安は1万〜10万倍であるが、シリカ粒子の大きさによって適宜調節される。しかしながら、画面中の粒子のうち、メソ細孔を有する複合シリカ粒子の割合が、30%以下の場合は、観察のための視野を広げて、すなわち倍率を下げて、少なくとも10個の粒子からデータを得るものとする。
複合シリカ粒子の外殻部の構造は、用いるシリカ源により異なる。シリカ源として有機基を有するものを用いた場合、有機基を有するシリカ構造の外殻部が得られ、またシリカ源以外に、他の元素、例えばAl、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、B、Mn、Fe等の金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することで、該金属をシリカ粒子の外殻部に存在させることができる。外殻部の構造としては、安定性の観点から、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランをシリカ源として製造され、シリカ壁が実質上酸化シリカから構成されていることが好ましい。
本発明の複合シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有するメソ領域に周期性のある物質である。なお、規則性が高くなるとピークは明瞭化され、高次ピークが見られる場合がある。
<ポリマー>
本発明の複合シリカ粒子に包含されるポリマーは、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーである。また実質的に水不溶性のポリマーが用いられる。
[カチオン性ポリマー]
本発明に用いられるカチオン性ポリマーは、連続相を水系とする媒体中に、陽イオン界面活性剤の存在下で、ポリマーエマルジョンとなって分散可能であるカチオン性ポリマーが好ましく、陽イオン界面活性剤の存在下でカチオン性モノマー、特にはカチオン性基を有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を乳化重合して得られるカチオン性ポリマー粒子が好ましい。本発明におけるカチオン性ポリマーは実質的にアニオン性基を有しない。
カチオン性モノマーとしては、アミノ基を有する単量体の酸中和物、又は該単量体を4級化剤で4級化した第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
アミノ基を有する単量体としては、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類、ジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ビニルピリジン類、N−ビニル複素環化合物類、アミノ基を有するビニルエーテル類、及びアリルアミン類から選ばれる1種以上が好ましい。なお本発明において、“(メタ)アクリル酸”とは、“アクリル酸、メタクリル酸、又はそれらの混合物”を意味する。“(メタ)アクリレート”も同様である。
ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類としては、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基を有するスチレン類としては、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等が挙げられ、ビニルピリジン類としては、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン等が挙げられ、N−ビニル複素環化合物類としては、N−ビニルイミダゾール等が挙げられ、アミノ基を有するビニルエーテル類としては、アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル等が挙げられる。
アリルアミン類としては、アリルアミン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキル(アルキル基の炭素数1〜5)アミン等が挙げられる
アミノ基を有する単量体の酸中和物は、前記アミノ基を有する単量体と酸とを混合することにより得ることができる。好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、スルファミン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、ピロリドン−2−カルボン酸、コハク酸等が挙げられる。あるいは、アミノ基を有する単量体を用いてカチオン性ポリマーを重合した後に、カチオン性ポリマーと酸中和物とを混合してもよい。
アミノ基を有する単量体を4級化剤で4級化した第4級アンモニウム塩は、前記アミノ基を有する単量体を4級化剤で処理することにより得ることができる。4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等の硫酸ジアルキル等のアルキル化剤が挙げられる。
また、ジアリル型第4級アンモニウム塩としては、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
カチオン性モノマーとしては、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジアルキルアミノ基又はトリアルキルアンモニウム基を有する(メタ)アクリル酸エステルが最も好ましい。
本発明で用いられるカチオン性ポリマーは、前記カチオン性モノマー由来の構成単位を含有するが、カチオン性モノマー構成単位以外に、疎水性モノマー、特にはアルキル(メタ)アクリレート、芳香環含有モノマー等の疎水性モノマーに由来する構成単位を含有することがより好ましい。その好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数3〜22、より好ましくは炭素数3〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、スチレンもしくは2−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアリールエステル、炭素数6〜22の芳香族基含有ビニルモノマー、又は酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中ではアルキル(メタ)アクリレート、スチレンが最も好ましい。
なお疎水性モノマーは、水に対する溶解性が低く、水と分相を形成する重合性の有機化合物を意味する。疎水性モノマーは、LogPowが0以上、好ましくは0.5以上、また25以下の化合物が挙げられる。ここで、LogPとは、化学物質の1−オクタノール/水分配係数であり、logKow法により計算で求められた値をいう。具体的には、化合物の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数を積算して求められる(Meylan, W.M. and P.H. Howard. 1995. Atom/fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients. J. Pharm. Sci. 84: 83-92参照)。
カチオン性ポリマーを構成するカチオン性モノマー構成単位は少量でよく、カチオン性ポリマーを構成する殆どが疎水性モノマー由来の構成単位によって構成されていてもよい。カチオン性ポリマーに占めるカチオン性モノマー構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位の合計量は、70〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%である。特に〔(カチオン性モノマー由来の構成単位)/(疎水性モノマー由来の構成単位)〕の重量比は、粒子形成性の観点から、好ましくは0.001〜0.5、より好ましくは0.002〜0.3、特に好ましくは0.003〜0.1である。
また、カチオン性ポリマーには、本発明の効果を損なわない程度に共重合可能な単量体を共重合させて得られるモノマー構成単位を含んでいてもよい。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アルカンジイル基の平均付加モル数が2〜30のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びオキシアルカンジイル基平均付加モル数が2〜20のメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、エチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、アクリルアミド等に由来する構成単位を含有することができる。
カチオン性ポリマーは、陽イオン性の界面活性剤の存在下で、カチオン性基を有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を、公知の方法により乳化重合することによって製造することができる。この際の陽イオン性の界面活性剤の含有量としては、ポリマー粒子の粒径を小さくし、面積あたりのカチオン荷電量を増加させるために、モノマー100重量部に対して、3〜20重量部が好ましく、5〜15重量部が好ましい。
ポリマーの重合に用いる開始剤としては、公知の無機過酸化物、有機系開始剤、レドックス重合開始剤等を使用することができる。無機過酸化物としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。有機系開始剤としては、クメンヒドロペルオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキサイド、パラメンタンヒドロペルオキサイド等の有機系過酸化物、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、アゾビスジイソブチロニトリル、メトキシベンゼンジアゾメルカプトナフタレン等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
また、レドックス重合開始剤としては、過酸化物や酸化剤に亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、糖等の還元剤を併用するものが挙げられる。
重合時に用いられる陽イオン性の界面活性剤としては、四級アンモニウム塩の他、窒素系のカチオン性基を有する化合物、pH調製によりカチオン性を帯びることがある界面活性剤等が挙げられる。具体的にはアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。アルキル基の炭素数は12〜22が好ましい。
アルキルアミン塩としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。第4級アンモニウム塩としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド等のアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等のジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アルキルベタインとしては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等が挙げられる。
アルキルアミンオキサイドとしては2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。特に好ましい陽イオン性の界面活性剤は、第4級アンモニウム塩である。
[ノニオン性ポリマー]
本発明においてノニオン性ポリマーは、水溶液中で荷電を有しないポリマーを意味する。ノニオン性ポリマーは、荷電を有しないモノマーすなわちノニオン性モノマーを由来とするポリマーであり、ノニオン性モノマーを重合して得ることができる。ノニオン性モノマーとしては、カチオン性ポリマーの説明で挙げた疎水性モノマー(段落〔0017〕)を挙げることができる。その好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数3〜22、より好ましくは炭素数3〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、及びスチレンから選ばれる一種以上が挙げられる。
ノニオン性ポリマーとしては、疎水性モノマーから構成される重合体、疎水性モノマーと下記に示すノニオン性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
疎水性モノマーと共重合することが好ましいその他のノニオン性モノマーとしては、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、エチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、アクリルアミドから選ばれる一種以上が挙げられる。
ノニオン性ポリマーは、疎水性モノマーとしてスチレン又はアルキルアクリレートを用いた重合体が好ましい。その他のノニオン性モノマーとしては、ビニルピロリドンを用いたものが好ましい。
ノニオン性ポリマーの具体例としては、ポリスチレン、エチルアクリレート・エチルメタクリレート共重合体、エチルアクリレート・メチルメタクリレート共重合体、オクチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・ブチルアクリレート・オクチルアクリレート共重合体、酢酸ビニル・スチレン共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、ブチルアクリレート、ポリスチレンアクリル酸樹脂等が挙げられる。
ノニオン性ポリマーの形状は球状が好ましい。このような共重合体は、水分散系において界面に親水性部分からなる水和相を形成し、安定な状態を保つと考えられる。さらに、連続相が水相である媒体中で、ポリマーが球状を維持することができる。
ノニオン性ポリマーの重合方法としては、公知の乳化重合法、無乳化剤重合法等を用いることができる。
[両性ポリマー]
両性ポリマーとしては、例えばカルボキシル基やスルホン酸基等の陰イオン性基を有するモノマーと前記カチオン性モノマーの項で挙げたカチオン性モノマーとの共重合体、カルボキシベタイン型モノマーの重合体又は共重合体、カルボキシル基やスルホン酸基等の陰イオン性基をカチオン性ポリマーに導入したもの、塩基性窒素含有基を陰イオン性ポリマーに導入したもの等が挙げられる。また両性ポリマーは、前記疎水性モノマー由来の構造を構成単位として有するもの好ましく、両性ポリマーの構成単位の殆どが疎水性モノマー由来の構成単位からなることが好ましい。
なお、両性ポリマー中の〔アニオン性基/カチオン性基〕の割合(モル数)は、好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.01〜0.5、特に好ましくは0.03〜0.3である。アニオン性基の割合が増えると、ポリマーを内包し外殻にメソ細孔を有する複合シリカ粒子、又は外殻にメソ細孔を有する中空メソポーラスシリカ粒子を得ることが難しくなる。
上記のカチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーの中では、カチオン性ポリマー及びノニオン性ポリマーが好ましく、複合シリカ粒子の形成し易さの観点から、カチオン性ポリマーがより好ましい。
ポリマーは複合シリカ粒子の製造上、実質的に水に溶解しないものが用いられ、そのようなポリマーを得るために疎水性モノマーの重合比率を高める方法、又は架橋する方法等が挙げられる。
本発明で用いるポリマーの好適例として、アルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる疎水性モノマーとカチオン性基を有する(メタ)アクリレートとのコポリマー、並びにアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンから選ばれる一種以上の疎水性モノマーからなるノニオン性ポリマーを挙げることができる。
上記のポリマーは、単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
ポリマー粒子の平均粒径は、複合シリカ粒子、中空シリカ粒子の使用目的に応じて適宜決定することができる。ポリマー粒子の平均粒径は、通常10〜400nmが好ましく、20〜200nmが更に好ましく、30〜150nmが特に好ましい。
なお、平均粒径の測定は、大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)を用いて、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数200回、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力し、測定濃度は5×10-3重量%程度で行う。
ポリマー粒子の形状、形態は特に制限はなく、複合シリカ粒子、中空シリカ粒子の使用目的に応じて、粒子の大きさを変えたり、真球状、卵状等に形成したり、また、例えば金属触媒等を含有するマイクロカプセル状等に形成することができる。ポリマー粒子の形状、形態は、ポリマー種、混合時の撹拌力、溶液の温度等によって調整することができる。
<複合シリカ粒子の製造方法>
本発明の複合シリカ粒子の製造方法は、下記工程(I)及び(II)を含む。
工程(I):カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマー粒子(a)を0.01〜10質量%、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程
[R1(CH33N]+- (1)
[R12(CH32N]+- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子の水分散液を調製する工程
以下、工程(I)、(II)、及び各工程で用いる各成分について説明する。
[ポリマー粒子(a)]
ポリマー及びポリマー粒子(a)については前記のとおりである。
なお、ポリマー粒子(a)には、目的に応じて他の機能性物質を含ませてもよく、それにより複合シリカ粒子を広範囲の分野で使用することができる。
[第四級アンモニウム塩(b)]
(b)成分の第四級アンモニウム塩は、メソ細孔の形成とポリマー粒子(a)の分散のために用いられる。
前記一般式(1)及び(2)におけるR1及びR2は、炭素数4〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数8〜16の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。炭素数4〜22のアルキル基としては、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、各種エイコシル基等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)におけるXは、高い結晶性を得るという観点から、好ましくはハロゲンイオン、水酸化物イオン、硝酸化物イオン、硫酸化物イオン等の1価陰イオンから選ばれる1種以上である。Xとしては、より好ましくはハロゲンイオンであり、更に好ましくは塩素イオン又は臭素イオンであり、特に好ましくは臭素イオンである。
一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、ブチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ブチルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
一般式(2)で表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジブチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
これらの第四級アンモニウム塩(b)の中では、規則的なメソ細孔を形成させる観点から、特に一般式(1)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリドがより好ましく、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド又はドデシルトリメチルアンモニウムクロリドが特に好ましい。
[シリカ源(c)]
(c)成分はアルコキシシラン等の加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源であり、具体的には、下記一般式(3)〜(7)で示される化合物を挙げることができる。
SiY4 (3)
3SiY3 (4)
3 2SiY2 (5)
3 3SiY (6)
3Si−R4−SiY3 (7)
(式中、R3はそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、R4は炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yは加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
より好ましくは、一般式(3)〜(7)において、R3がそれぞれ独立して、水素原子の一部がフッ素原子に置換していてもよい炭素数1〜22の炭化水素基であり、具体的には炭素数1〜22、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数8〜16のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基であり、R4が炭素数1〜4のアルカンジイル基(メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基等)又はフェニレン基であり、Yが炭素数1〜22、より好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基、またはフッ素を除くハロゲン基である。
シリカ源(c)の好適例としては、次の化合物が挙げられる。
・一般式(3)において、Yが炭素数1〜3のアルコキシ基であるか、又はフッ素を除くハロゲン基であるシラン化合物。
・一般式(4)又は(5)において、R3がフェニル基、ベンジル基、又は水素原子の一部がフッ素原子に置換されている炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であるトリアルコキシシラン又はジアルコキシシラン。
・一般式(7)において、Yがメトキシ基であって、R4がメチレン基、エチレン基又はフェニレン基である化合物。
これらの中では、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、1,1,1−トリフルオロプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
工程(I)における水溶液中のポリマー粒子(a)、第四級アンモニウム塩(b)、シリカ源(c)の含有量は次のとおりである。
(a)成分の含有量は、好ましくは0.1〜50グラム/L、より好ましくは0.3〜40グラム/L、特に好ましくは0.5〜30グラム/Lである。
(b)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lであり、(c)成分の含有量は、好ましくは0.1〜100ミリモル/L、より好ましくは1〜100ミリモル/L、特に好ましくは5〜80ミリモル/Lである。
(a)〜(c)成分を含有させる順序は特に制限はない。例えば、(i)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の順に投入する、(ii)水溶液を撹拌しながら(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分を同時に投入する、(iii)(a)成分の懸濁液、(b)成分、(c)成分の投入後に撹拌する、等の方法を採用することができるが、これらの中では(i)の方法が好ましい。
(a)〜(c)成分を含有する水溶液には、本発明の複合シリカ粒子の形成を阻害しない限り、その他の成分として、メタノール等の有機化合物や、無機化合物等の他の成分を添加してもよく、前記のように、シリカや有機基以外の他の元素を担持したい場合は、それらの金属を含有するアルコキシ塩やハロゲン化塩等の金属原料を製造時又は製造後に添加することもできる。
工程(II)は複合シリカ粒子を形成する工程である。工程(I)で得られる水溶液を10〜100℃、好ましくは10〜80℃の温度で所定時間撹拌した後、静置することで、ポリマー粒子(a)の表面に、第四級アンモニウム塩(b)とシリカ源(c)によりメソ細孔が形成され、内部にポリマー粒子(a)を包含した複合シリカ粒子を析出させることができる。撹拌処理時間は温度によって異なるが、通常10〜80℃で0.1〜24時間で複合シリカ粒子が形成される。
得られた複合シリカ粒子は、水中に懸濁した状態で得られる。用途によってはこれをそのまま使用することもできるが、好ましくは複合シリカ粒子を分離して使用する。分離方法としは、ろ過法、遠心分離法等を採用することができる。
工程(II)で得られた複合シリカ粒子は、通常陽イオン界面活性剤等を含む状態で得られるが、工程(II)で得られた複合シリカ粒子を酸性溶液と1回又は複数回接触させること、例えば複合シリカ粒子を酸性水溶液中で混合することにより陽イオン界面活性剤を除去することができる。用いる酸性溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;陽イオン交換樹脂等を水やエタノール等に加えた液が挙げられるが、塩酸が特に好ましい。pHは通常1.5〜5.0に調整される。
上記により得られた粒子は、メソ細孔構造を表面に有し、BET比表面積の高い、ポリマー粒子を包含する複合シリカ粒子である。
<中空シリカ粒子の製造方法>
本発明の中空シリカ粒子は、前記の複合シリカ粒子を焼成することにより得ることができる。すなわち、下記工程(I)〜(III)により製造することができる。
工程(I):カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマー粒子(a)を0.01〜10質量%、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程。
[R1(CH33N]+- (1)
[R12(CH32N]+- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子の水分散液を調製する工程
工程(III):複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程
工程(III)では、工程(II)で得られた複合シリカ粒子を分散媒から分離し、必要に応じて、酸性水溶液と接触、水洗、乾燥、また、高温で処理した後、電気炉等で好ましくは350〜800℃、より好ましくは450〜700℃で、1〜10時間焼成し、内部のポリマーを除去する。得られる中空シリカ粒子は、その外殻部の基本構成は複合シリカ粒子と変わらないが、内部のポリマー等は焼成により除去されている。
本発明においては、ポリマーを包含する複合シリカ粒子を焼成するため、内包されるポリマー粒子の形状、形態を所望の状態に予め制御しておくことにより、所望の形状、形態を有する中空シリカ粒子を容易に製造することができる。例えば、内部に真球状のポリマーを有する複合シリカ粒子を焼成することにより、内部中空及び外形が真球状の中空シリカ粒子を製造することができる。また、金属触媒等を含有するマイクロカプセル状のポリマー粒子を包含する複合シリカ粒子を焼成することにより、内部に金属触媒等を含有する中空シリカ粒子を製造することができる。
<中空シリカ粒子>
本発明の中空シリカ粒子は、外殻部の平均メソ細孔径が揃っており、比表面積が大きく、細孔分布がシャープであることが特徴である。すなわち、本発明の中空シリカ粒子は、外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、好ましくはBET比表面積が800m2/g以上であり、また好ましくは窒素吸着測定を行いBJH法によって求められるメソ細孔の80%以上が平均細孔径±30%以内のものである。
本発明の中空シリカ粒子の外殻部の平均細孔径は、好ましくは1〜8nm、特に好ましくは1〜5nmである。メソ細孔構造を有する外殻部と粒子内部の中空部分の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することができ、その細孔径、細孔規則性、外殻部から内部への細孔の繋がり具合を確認することができる。
本発明の中空シリカ粒子のメソ細孔構造は、メソ細孔径が揃っていることが特徴の1つである。中空シリカ粒子のメソ細孔径は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上が平均細孔径の±30%以内であることが望ましい。本発明におけるメソ細孔の平均細孔径及びその分布の程度は、窒素吸着測定を行い、窒素吸着等温線からBJH法により求めた値である。
中空シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは900m2/g以上、特に好ましくは950〜1500m2/gである。
また、平均粒子径は、好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜3μmである。中空シリカ粒子の平均粒子径が0.05〜0.1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜5nmであり、平均粒子径が0.1〜1μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜8nmであり、平均粒子径が1〜10μmのときのメソ細孔の平均細孔径は好ましくは1〜10nmである。
また、本発明の中空シリカ粒子は、好ましくは粒子全体の80%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有しており、粉末X線回折(XRD)及び/又は電子線回折パターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有することが好ましい。
本発明の中空シリカ粒子の平均粒子径は、ポリマー種の選択、混合時の撹拌力、試薬の濃度、溶液の温度、焼成条件等によって調整することができる。
本発明の中空シリカ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察において粒子全体の好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上が中空粒子であることを確認することができる。中空シリカ粒子割合の具体的な測定方法は、まず透過型電子顕微鏡(TEM)下で、20〜30個の粒子が含まれる視野中の全粒子から、メソ細孔を有し且つ中空である粒子の個数を数え、この操作を視野を5回変えて行った平均値として求めたものである。
本発明の中空シリカ粒子は、好適態様において、透過型電子顕微鏡により観察されたメソ細孔の平均細孔間隔が粉末X線回折(XRD)により得られた構造周期と±30%の範囲で一致する。具体的には、観察されたメソ細孔の中心間距離に√3/2を乗じた値と粉末X線回折により得られた最も低角のピークに対応する面間隔が±30%の範囲で一致する。また上記のとおり、粉末X線回折パターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有する、メソ領域に周期性のある物質である。
本発明の中空シリカ粒子における外殻部の厚みは、10〜500nmであることが好ましく、20〜300nmであることがより好ましく、30〜200nmであることが特に好ましい。
また、〔外殻部の平均厚み/平均粒子径〕の比は、0.01〜0.6であることが好ましく、0.05〜0.5であることがより好ましく、0.1〜0.4であることがより好ましい。中空シリカ粒子の平均粒子径及びその分布の程度、並びに外殻部の厚みの程度は、複合シリカ粒子のところで記載した方法と同様にして行う。
実施例及び比較例で得られたシリカ粒子の各種測定は、以下の方法により行った。
(1)平均粒子径及び平均外殻厚みの測定
日本電子株式会社製の透過型電子顕微鏡(TEM)JEM−2100を用いて加速電圧160kVで測定を行い、それぞれ20〜30個の粒子が含まれる5視野中の全粒子の直径および外殻厚みを写真上で実測して、平均粒子径及び平均外殻厚みを求めた。観察に用いた試料は高分解能用カーボン支持膜付きCuメッシュ(200−Aメッシュ、応研商事株式会社製)に付着させ、余分な試料をブローで除去して作成した。
(2)BET比表面積、平均細孔径の測定
株式会社島津製作所製、比表面積・細孔分布測定装置、商品名「ASAP2020」を使用し、液体窒素を用いて多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。前記のBJH法を採用し、ピークトップを平均細孔径とした。前処理は250℃で5時間行った。
(3)粉末X線回折(XRD)パターンの測定
理学電機工業株式会社製、粉末X線回折装置、商品名「RINT2500VPC」を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02°、発散スリット:1/2°、発散スリット縦:1.2mm、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲は回折角(2θ)1〜20°、走査速度は4.0°/分で連続スキャン法を用いた。なお、試料は、粉砕した後、アルミニウム板に詰めて測定した。
製造例1(カチオン性ポリマー粒子の製造)
2L−セパラフルフラスコにイオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部と塩化メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム0.5部をいれ、内温70℃まで昇温させた。次いで水溶性開始剤として2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製のV−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌を行った。その後さらに75℃で3時間過熱撹拌を行った。冷却後、得られた混合液から凝集物を200メッシュ濾過(目開き;約75μm)し、得られた濾過液をエバポレーターにより加熱濃縮し、冷却後、濃縮液を1.2μmのメンブランフィルター〔Sartorius社製、商品名:Minisart〕で濾過し、イオン交換水で調整することで、カチオン性ポリマー粒子の懸濁液〔固形分(有効分)含有量40%、平均粒径312nm〕を得た。
製造例2(ノニオン性ポリマー粒子の製造)
2L−セパラフルフラスコにイオン交換水600部、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(花王株式会社製のコータミン86W、有効分28%)71.4部、を添加し、73℃設定の温浴で加熱・撹拌し、内温67℃まで昇温させた。次いで水溶性開始剤として2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製のV−50)1.0部と、スチレン200部とを添加し、3時間加熱撹拌を行った。冷却後、得られた混合液から凝集物を200メッシュ濾過(目開き;約75μm)し、得られた濾過液をエバポレーターにより加熱濃縮し、冷却後、濃縮液を1.2μmのメンブランフィルター〔Sartorius社製、商品名:Minisart〕で濾過し、イオン交換水で調整することで、ノニオン性ポリマー粒子の懸濁液〔固形分(有効分)含有量20%、平均粒径52nm〕を得た。
製造例3(陰イオン性ポリマー粒子の製造)
2L−セパラフルフラスコにイオン交換水600部、メタクリル酸メチル99.5部とスチレンスルホン酸ナトリウム1部をいれ、内温70℃まで昇温させた。次いで水溶性開始剤として2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(和光純薬株式会社製のV−50)0.5部をイオン交換水5部に溶かした溶液を添加し、3時間加熱撹拌を行った。その後さらに75℃で3時間過熱撹拌を行った。冷却後、得られた混合液から凝集物を200メッシュ濾過(目開き;約75μm)し、得られた濾過液をエバポレーターにより加熱濃縮し、冷却後、濃縮液を1.2μmのメンブランフィルター〔Sartorius社製、商品名:Minisart〕で濾過し、イオン交換水で調整することで、陰イオン性ポリマー粒子の懸濁液〔固形分(有効分)含有量42%、平均粒径150nm〕を得た。
実施例1(カチオン性ポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子の製造)
100mlフラスコに水60g、メタノール20g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.46g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.35g、製造例1で得たカチオン性ポリマー粒子の懸濁液0.11gを入れ撹拌した。その水溶液にテトラメトキシシラン0.34gをゆっくりと加え、5時間撹拌後、12時間熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗、乾燥の後した。乾燥粉末を水100mlに分散し、1M塩酸を用いてpH2に調整し、一晩撹拌した。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗後、乾燥して、カチオン性ポリマー粒子を内包し、外殻部がメソ細孔構造を有する複合シリカ粒子を得た。
この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有していた。得られた複合シリカ粒子のXRD測定結果を図1に示し、性状を表1に示す。
実施例2(ノニオン性ポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子の製造)
カチオン性ポリマー粒子の懸濁液の代わりに製造例2で得たノニオン性ポリマー粒子の懸濁液0.19gを用いて実施例1と同様の操作を行い、複合シリカ粒子を得た。得られた複合シリカ粒子の性状を表1に示す。
比較例1(陰イオン性ポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子の製造)
カチオン性ポリマー粒子の懸濁液の代わりに製造例3で得た陰イオン性ポリマー粒子の懸濁液0.12gを用いて実施例1と同様の操作を行い、複合シリカ粒子を得た。得られた複合シリカ粒子の性状を表1に示す。
Figure 2008174435
実施例3(中空シリカ粒子の製造)
100mlフラスコに水60g、メタノール20g、1M水酸化ナトリウム水溶液0.46g、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.35g、カチオン性ポリマー粒子懸濁液0.11gを入れ撹拌した。その水溶液にテトラメトキシシラン0.34gをゆっくりと加え、5時間撹拌後、12時間熟成させた。得られた白色沈殿物をろ別し、水洗、乾燥の後、1℃/分の速度で600℃まで昇温したのち、2時間600℃で焼成し、カチオン性ポリマー粒子を除去して、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子を得た。
この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有していた。得られた中空シリカ粒子の粒子全体のTEM像を図2に示し、XRD測定結果を図3に示し、性状を表2に示す。
実施例4(中空シリカ粒子の製造)
実施例1で得られたカチオン性ポリマー粒子内包メソポーラスシリカ粒子を、1℃/分の速度で600℃まで昇温したのち、2時間600℃で焼成し、カチオン性ポリマー粒子を除去して、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子を得た。得られた中空シリカ粒子の性状を表2に示す。
なお、この中空シリカ粒子は、粉末X線回折(XRD)のパターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有していた。
比較例2
カチオン性ポリマー粒子の懸濁液を用いなかった以外は実施例4と同様の操作を行った。中空粒子の生成は認められなかった。結果を表2に示す。
比較例3
富士シリシア化学株式会社製の中空シリカ粒子「フジバルーン」の測定結果を表2に示す。窒素吸着による細孔分布の測定では、1〜10nmの範囲にメソ細孔は確認されなかった。また比表面積も非常に低かった。XRD測定結果を図4に示す。
Figure 2008174435
本発明の複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子は、メソ細孔構造を有し比表面積が大きいため、例えば構造選択性を有する触媒担体、吸着剤、物質分離剤、酵素や機能性有機化合物の固定化担体等としての利用が可能であり、内包物の制御がし易く利便性が高い。
本発明の複合シリカ粒子は、例えばイオン交換樹脂を内包させることで選択的なイオン吸着が可能となる。また低屈折率素材であるメソポーラスシリカをポリマー表面に被覆することで、ポリマー粒子の光学特性を変化させることが可能であり、透明性や彩度を向上させることができる。またポリマーにより形成されたマイクロカプセルを用いて合成することでマイクロカプセル内に含まれている機能性素材を粒子内に取り込むことが可能となり、徐放素材や触媒として応用可能である。更には、金属触媒等を物理的又は化学的に取り込んだポリマーを内包した複合シリカ粒子を製造し、これを焼成することでポリマーを除去し、中空部分に触媒だけを包含した鈴状のメソポーラスシリカ粒子を得ることができる。得られた化合物は選択的な反応が可能となる。以上のように、本発明の複合シリカ粒子は、非常に多岐にわたる応用が期待できる。
また、中空シリカ粒子は、内部に機能性有機化合物を包含させればドラッグデリバリーシステム等に非常に効果的に利用できる。
本発明の製造方法によれば、メソ細孔構造を有しポリマーを包含した複合シリカ粒子及び中空シリカ粒子を効率よく得ることができ、また粒子形態、粒子径の制御も容易であり、メソ細孔規則性、比表面積の整った粒子を得ることができる。
実施例1で得られた複合シリカ粒子のXRD測定結果である。 実施例3で得られた中空シリカ粒子のXRD測定結果である。 実施例3で得られた中空シリカ粒子の粒子全体のTEM像である。 比較例2で用いた中空シリカ粒子のXRD測定結果である。

Claims (8)

  1. 外殻部が平均細孔径1〜10nmのメソ細孔構造を有し、その内部にカチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマーを包含してなる複合シリカ粒子。
  2. 粉末X線回折パターンにおいて、d=2〜12nmの範囲に相当する回折角度に1本以上のピークを有する、請求項1に記載の複合シリカ粒子。
  3. 平均粒子径が0.2〜10μmである、請求項1又は2に記載の複合シリカ粒子。
  4. 粒子全体の80%以上が平均粒子径±30%以内の粒子径を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の複合シリカ粒子。
  5. BET比表面積が100m2/g以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の複合シリカ粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合シリカ粒子を焼成して得られる、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子。
  7. 下記工程(I)及び(II)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有し、その内部にポリマーを包含してなる複合シリカ粒子の製造方法。
    工程(I):カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマー粒子(a)を0.01〜10質量%、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程
    [R1(CH33N]+- (1)
    [R12(CH32N]+- (2)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
    工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子の水分散液を調製する工程
  8. 下記工程(I)〜(III)を含む、外殻部がメソ細孔構造を有する中空シリカ粒子の製造方法。
    工程(I):カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、及び両性ポリマーから選ばれる1種以上のポリマー粒子(a)を0.01〜10質量%、下記一般式(1)及び(2)で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる1種以上(b)を0.1〜100ミリモル/L、及び加水分解によりシラノール化合物を生成するシリカ源(c)を0.1〜100ミリモル/L含有する水溶液を調製する工程。
    [R1(CH33N]+- (1)
    [R12(CH32N]+- (2)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を示し、Xは1価陰イオンを示す。)
    工程(II):工程(I)で得られた水溶液を10〜100℃の温度で撹拌して、前記複合シリカ粒子の水分散液を調製する工程
    工程(III):複合シリカ粒子を分散媒から分離し、焼成する工程
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