JP6037268B2 - 金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法 - Google Patents
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Description
そして近年、メソポーラスシリカに触媒を担持させた場合に、この均一なナノ空間と広大な表面積に起因して、高触媒活性および反応選択性等の機能が発現することが見出されたことから、メソポーラスシリカの触媒担体としての利用に新たな期待が寄せられている(例えば、非特許文献6参照)。
以下、液中で発生されたプラズマを単に「液中プラズマ」という場合がある。この液中プラズマは、典型的には、液体中に浸漬した電極対にマイクロ波や高周波を印加することで液体中に発生される気相内に形成することができ、気相中(典型的には、減圧ないしは大気圧中)で発生される気相プラズマとは異なる物理的および化学的性質を示す。
例えば、液中プラズマを利用して金属粒子を製造する方法については既に知られている(例えば、特許文献1または2参照)。特許文献1には、金属塩を含む水溶液にプラズマを生じさせることにより、この金属のナノ粒子が製造できることが開示されている。しかしながら、この特許文献1の開示によると、形成された金属ナノ粒子が時間の経過とともに凝集するのを避けるために、金属塩の水溶液にゼラチン等の凝集抑制添加剤を添加することが必要不可欠であった。したがって、形成された金属ナノ粒子をメソポーラスシリカに担持させることは困難であり、特にメソポーラスシリカの細孔内部(例えば細孔の深部)に担持させることは不可能であった。
また、特許文献2の手法では、水溶液中に設置されるプラズマ発生用の金属電極を放電により融解させて金属粒子を製造した後、この金属粒子を吸着によりカーボン材料に担持させるようにしている。したがって、金属粒子は電極材料に制限され、担体はカーボン材料に限定されてしまう。また、たとえ担体としてメソポーラスシリカを利用した場合であっても、一旦製造された金属粒子をメソポーラスシリカの細孔内部(例えば細孔の深部)に移動させて、吸着させることは困難である。
これに対し、本発明の構成によると、金属粒子はメソポーラスシリカの表面において形成される。したがって、例えば、水溶液中に凝集抑制添加剤が含まれていなくても形成された金属粒子が凝集することはなく、メソポーラスシリカの外表面あるいは細孔内部の表面において高分散された状態で担持され得る。
金属イオンは、水溶液中に自在に移動可能な状態で含まれていても良いし、例えば、金属粒子を形成あるいは担持したいと考える所望の位置に予め配置させるようにしても良い。また、メソポーラスシリカの表面は、一般的には、負に帯電した状態であり得る。そこで、メソポーラスシリカの外表面および細孔内部の表面の少なくとも一部に、正に帯電している金属イオンを吸着により配置させておくことで、この金属イオンが吸着された位置もしくはその近傍に、確実に金属粒子を形成することができる。かかる構成によると、例えば、メソポーラスシリカの細孔の深部などの所望の表面に金属粒子を形成して担持させることが可能とされる。
メソポーラスシリカの表面は、シラノール基で構成されており、親水性を有していると考えられる。しかしながら、界面活性剤の自己組織構造を鋳型として合成されるメソポーラスシリカは、実際には、表面にこの界面活性剤が残存した状態であり得る。本発明の方法においては、上記金属イオンの吸着前に、かかるメソポーラスシリカの表面に酸処理を施して表面改質を行うことで、メソポーラスシリカの表面から界面活性剤等の有機物を除去するようにしている。これにより、メソポーラスシリカにより多くの金属イオンを吸着させることができ、より多量の金属粒子を担持させることができる。
上記の酸処理の他に、メソポーラスシリカを含む水溶液中でプラズマ処理(典型的には、ソリューションプラズマ処理)を施すことによっても、メソポーラスシリカの表面の性状を金属イオンの吸着に適した状態に整えることができる。たとえば、メソポーラスシリカを単独で含む水溶液中でソリューションプラズマを発生させるソリューションプラズマ処理により界面活性剤を除去し、メソポーラスシリカの表面に高密度で水酸基を導入することができ、メソポーラスシリカの表面の親水性をより一層高めることができる。これにより、メソポーラスシリカにより多くの金属イオンを吸着させることができ、より多量の金属粒子を担持させることが可能となる。
かかる構成によると、メソポーラスシリカの細孔内部の表面にのみ金属粒子を担持させることが可能となる。メソポーラスシリカを触媒担体として利用する場合、細孔の内部に形成される特徴的なナノ空間により、触媒作用に新たな機能性が発現することが考えられる。したがって、メソポーラスシリカの細孔内部の表面にのみ金属粒子を担持させることにより、かかる機能性をより強く発現し得る触媒体を実現することができる。メソポーラスシリカの細孔内部の表面にのみ金属イオンを吸着させるためには、例えば、メソポーラスシリカの外表面および細孔内部の表面に金属イオンを吸着させた後、外表面に吸着した金属イオンを洗浄等により除去することが例示される。
かかる構成によると、メソポーラスシリカに担持される金属粒子を、例えば、平均粒径が3nm以下のいわゆる金属ナノクラスターとして形成することができる。これにより、例えば、新規な機能を備えることが期待される金属粒子担持メソポーラスシリカの製造が可能となる。
なお、本明細書においてメソポーラスシリカに担持される金属粒子についての「平均粒径」とは、電子顕微鏡等の観察手段により観察される複数(例えば2以上)の観察視野あるいは観察像内で選定された10個以上の粒子の円相当径の算術平均値として定義される。また、後述のメソポーラスシリカに形成されている細孔の「平均細孔径」についても、同様に求めることができる。
かかる構成とすることで、液中プラズマを発生させるのに必要な電力量を抑えるとともに、より安定した状態で液中プラズマを発生させることができるため、より効率よく安定した条件で金属粒子担持メソポーラスシリカの製造を行うことができる。
かかる構成によると、ジュール熱により水溶液中に発生する気泡を水面に向かって浮上させることなく、水溶液中に安定した状態で維持することができ、この気泡中に安定した状態でプラズマを発生させることが可能となる。これにより、より効率よく安定した状態で金属粒子担持メソポーラスシリカを製造することができる。
液中で発生されるプラズマは、火花放電、コロナ放電、グロー放電、アーク放電の形態であり得る。なかでも、本態様の分解方法では、液中プラズマのより好ましい形態としてグロー放電プラズマを金属粒子の製造に利用しており、非平衡な低温プラズマを発生させることができ、より安定的に金属粒子担持メソポーラスシリカの分解を行うことができる。
液中のグロー放電プラズマは、液中に配置した電極間に高周波数の電圧を印加することを発生させることができる。かかる構成によると、電極間に発生するジュール熱により液相中に発生される気相の内部に、グロー放電プラズマを定常的に発生させることができる。すなわち、液相/気相/プラズマ相の界面が安定に形成され、プラズマ相で発生された活性種が気相を介して気液界面に供給されるため、金属イオンを高効率で還元することが可能となる。
ここに開示される金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法は、メソポーラスシリカと金属イオンとを含む水溶液中でプラズマを発生させることにより、前記メソポーラスシリカの外表面および細孔内部の表面の少なくとも一部に前記金属イオンを還元してなる金属粒子を形成することを特徴としている。
ここで、液中プラズマは、液体中に発生された気体(気相)にマイクロ波や高周波を印加して当該気体を構成する分子を部分的ないしは完全に電離させることで、形成することができる。つまり、液中プラズマにおいては、プラズマ相を取り囲む気相はさらに液相に取り囲まれており、プラズマを構成する上記のイオン、電子およびラジカル等の活性種は制限された気相中において自由に運動し得る状態である。そのため、解放された気相中に発生される気相プラズマ(典型的には、大気圧プラズマ、低圧プラズマ等)とは異なる物理的および化学的性質を示す。例えば、気相プラズマは、気体の温度を上げて行った際にこの気体を構成する中性分子が電離してプラズマ化することで発生する。このとき、固体・液体・気体間の相転移とは異なり気体からプラズマへの転移は徐々に起こるため、構成分子のごく一部が電離した電離度が非常に低い状態でも充分にプラズマであり得る。これに対し液中プラズマは、典型的には、まず液中での放電により当該液体がジュール加熱により気化されて気相を形成し、さらにこの気相においてプラズマが発生することで形成される。すなわち、液中プラズマは、プラズマという高エネルギー状態が液中(すなわち凝縮相)に閉じ込められており、閉鎖系の物理が実現するとともに、解放されない高密度なプラズマ反応場が形成されているといえる。
これらのことから、本発明の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法においては、金属粒子を簡便かつ高効率に製造することが可能とされる。
図1は、メソポーラスシリカと金属イオンとを含む水溶液中でソリューションプラズマ4を発生させるためのソリューションプラズマ発生装置10の概略を示す図である。この実施形態において、メソポーラスシリカと金属イオンとを含む水溶液2は、ガラス製のビーカーなどの容器5に入れられている。また、プラズマを発生させるための一対の電極6は所定の間隔を以て水溶液2中に配設され、絶縁部材9を介して容器5に保持されている。電極6は外部電源8に接続されており、この外部電源8から所定の条件のパルス電圧が印加される。これによって、一対の電極6間に、定常的にソリューションプラズマ4を発生させることができる。
このようなメソポーラスシリカの粒径等は特に制限されないものの、例えば、得られる金属粒子担持メソポーラスシリカの触媒体としての利用を考慮する場合は、平均粒径が1μm〜100μm程度の範囲の粒子状のメソポーラスシリカを用いるのが好ましい。水溶液中に含まれるメソポーラスシリカの量に特に制限はないものの、例えば、ソリューションプラズマによる金属粒子の形成の場となるに適した状態で水溶液中に分散されているのが好ましい。用いるメソポーラスシリカの形状等にもよるため一概には言えないが、例えば、メソポーラスシリカは水溶液中に、w/v%基準で、30%以下程度の割合で含まれていて良く、より限定的には20%以下、好ましくは10%以下、例えば1%〜5%とすることが例示される。水溶液中にメソポーラスシリカを分散させるには、例えば、スターラー等の各種の攪拌装置7を用いたり、メソポーラスシリカを含む水溶液を管路を循環させて攪拌する等の手法を採用することができる。
水溶液中に含ませる金属イオンの濃度についても特に制限はないが、例えば、メソポーラスシリカに金属粒子源としての金属イオンを好適に供給できる程度濃度とすることができる。かかる金属イオンの濃度としては、例えば、0.1mM〜10mM程度とするのが好適な例として示される。
酸処理は、メソポーラスシリカを酸の水溶液に浸漬させたのち、乾燥させることで実施することができる。酸処理に用いる酸の種類としては、硫酸、硝酸、塩酸、有機酸等、いずれの酸であってもよい。なかでも、残留成分の影響が少ないことから、硝酸や硫酸等を用いるのが好ましい。酸の濃度は特に制限されず、例えば、0.01〜5M程度の範囲内で適宜調整することができる。浸漬時間は、メソポーラスシリカの細孔の内部にまで十分に酸の水溶液を浸透させるために、例えば、5〜48時間程度、好ましくは12〜36時間程度を目安とすることができる。酸処理時の温度は0〜50℃程度であってよく、更に好ましくは5〜35℃であり、典型的には室温(25℃)とすることができる。酸の水溶液への浸漬後は、例えば、30〜150℃程度の温度でメソポーラスシリカを乾燥すればよい。
以上のメソポーラスシリカの表面の性状は、メソポーラスシリカの全体について制御しても良いし、その一部のみ(例えば、外表面のみ、あるいは細孔の内部の表面のみ)を変化させるなどして制御するようにしても良い。
(サンプル1)
0.5mMの硝酸銀イオンを含む水溶液を150mlと、平均粒径が11μmで平均細孔径が4.2nmの粉末状のメソポーラスシリカ(太陽化学株式会社製、TMPS−4)1gとを準備し、水溶液中にメソポーラスシリカを加えて攪拌し、分散させることで、メソポーラスシリカ分散水溶液を用意した。次いで、以下の装置を用い、このメソポーラスシリカ分散水溶液中でプラズマを発生させた。
図1は、メソポーラスシリカ分散水溶液中でプラズマを発生させるためのソリューションプラズマ発生装置10の概略を示す図である。この実施形態において、メソポーラスシリカ分散水溶液2は、ガラス製のビーカーからなる容器5に入れられている。また、プラズマを発生させるための一対の電極6は所定の間隔を以て水溶液2中に配設され、絶縁部材9を介して容器5に保持されている。この実施形態においては、電界を局所的に集中させることが可能な針状の電極6を用いた。電極6は、直径が約1mmのタングステンワイヤー(ニラコ社製)で構成し、電極間距離を0.3mmに設定した他、電界集中を妨げる余分な電流を抑えるために先端部(例えば、数mm程度)のみを露出させて、後の部分はフッ素樹脂からなる絶縁部材9で絶縁した。この実施形態では、絶縁部材9は電極6を容器5に固定するとともに、電極6と容器5との水密を保つための栓をも兼ねた構成となっている。電極6は外部電源8に接続されており、この外部電源8から所定の条件のパルス電圧が印加される。外部電源8としては、バイポーラパルス電源(株式会社栗田製作所製、MPS−R06K02C−WP1F)を用いた。
その後、水溶液をろ過してメソポーラスシリカを回収し、純水で洗浄して、サンプル1のメソポーラスシリカとした。
以下の手順で、予め銀イオンを吸着させたメソポーラスシリカを用意した。すなわち、まず、1mMの硝酸銀イオンを含む水溶液を100mlに対し、サンプル1と同様のメソポーラスシリカ1gを準備し、水溶液中にメソポーラスシリカを加えて攪拌した。メソポーラスシリカは負に帯電しているため、この水溶液を引き続き24時間静置することで、カチオンである銀イオンをメソポーラスシリカに吸着させた。その後、この水溶液をろ過してメソポーラスシリカを回収し、表面を純水で洗浄して、細孔の内部にのみ銀イオンを吸着させたメソポーラスシリカを得た。
次いで、この銀イオンを吸着したメソポーラスシリカ1gを150mlの水に分散させることで、メソポーラスシリカ分散水溶液を用意した。そして、サンプル1と同様の装置を用いて、このメソポーラスシリカ分散水溶液中でプラズマを発生させた。本実施形態におけるソリューションプラズマを発生させるためのパルス電圧の印加条件は、電圧:2400V、パルス幅:2μs、繰り返し周波数:15kHzとし、この条件で水溶液中にソリューションプラズマを15分間発生させた。プラズマ発生後、この溶液をろ過してメソポーラスシリカを回収し、純水で洗浄して、サンプル2のメソポーラスシリカとした。
以下に示す公知の液相還元法により、メソポーラスシリカに銀ナノ粒子を担持させた。すなわち、まず、有機溶媒としてイソオクタン、界面活性剤としてスルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(AOT)を用い、イソオクタン100mlに対してAOTを0.0125molの割合で混合した後、1mMの濃度となるように硝酸銀を添加することで、1mMの硝酸銀溶液を調整した。
そして、この硝酸銀溶液150mlに、サンプル1と同じメソポーラスシリカ1gを加えて攪拌し分散させた。次いで、該溶液に還元剤としてのアスコルビン酸を加えることで銀イオンを還元させ、銀ナノ粒子の合成を行った。
その後、この溶液をろ過してメソポーラスシリカを回収し、純水で洗浄して、サンプル3のメソポーラスシリカとした。
上記で得られたサンプル1〜3のメソポーラスシリカの外表面および細孔内の表面を走査透過電子顕微鏡(STEM:日本電子株式会社製、JEM2500SE)により観察した。その結果を図3〜5にそれぞれ示した。
図3に示されるように、サンプル1のメソポーラスシリカの外表面には粒径が10nm程度の銀粒子が、細孔内には粒径が2nm〜4nm(平均粒径約3nm)の銀粒子が形成されていることが確認された。これにより、本発明の方法により、銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカが製造できることがわかった。また、ソリューションプラズマによる処理を施すことにより、水溶液中の銀イオンが速やかにメソポーラスシリカのメソ孔内にまで入り込み、メソポーラスシリカの外表面および細孔内で還元されて、銀粒子を形成したことがわかった。
また、銀イオンを予めメソポーラスシリカに吸着させ、その他の銀イオンを除去した状態でソリューションプラズマによる処理を施すことにより、所定量の銀イオンのみが還元され、析出される粒子の粗大化を抑制でき粒径の揃った銀粒子(ナノクラスター)を形成できることがわかった。
さらに、おおよそ70%程度の細孔内に銀粒子(ナノクラスター)の生成が確認でき、銀イオンの吸着を利用することにより高度に分散状態が制御された銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカが製造できることがわかった。
サンプル2と同様にして、予め銀イオンを吸着させたメソポーラスシリカを用意し、この銀イオンを吸着したメソポーラスシリカ1gを150mlの水に分散させることで、メソポーラスシリカ分散水溶液を用意した。
次いで、サンプル2の場合とはソリューションプラズマを発生させるためのパルス電圧の印加条件を変化させ、その他は同様にして、銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカを製造した。
サンプル5の銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカは、サンプル2のパルス電圧印加条件において、繰り返し周波数を30kHzとし、その他の条件はサンプル2と同様にすることで得た。
サンプル6の銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカは、サンプル2のパルス電圧印加条件において、電圧を4000Vとし、さらに繰り返し周波数を30kHzとし、その他の条件はサンプル2と同様にすることで得た。
また、サンプル4〜6の銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカの細孔内に形成された銀ナノ粒子(ナノクラスター)の量をSTEM観察により調べ、その結果を併せて表1に示した。表1における評価は、任意に選択した観察視野において、80%を超える程度の細孔内に銀ナノ粒子が形成されている場合を「◎」、およそ60%以上80%以下程度の細孔内に銀ナノ粒子が形成されている場合を「○」、40%以上60%以下程度の細孔内に銀ナノ粒子が形成されている場合を「△」、銀ナノ粒子が形成されている細孔がおよそ50%に満たない場合を「×」とした。
なお、表1には、参考のために、サンプル2の銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカについての評価も併せて示した。
サンプル1と同様のメソポーラスシリカを0.1MのHNO3溶液に浸漬させて24時間静置した後、この溶液をろ過してメソポーラスシリカを回収し、純水で洗浄して乾燥させることで、酸処理したメソポーラスシリカを用意した。
この酸処理したメソポーラスシリカを用い、サンプル2と同様の条件で硝酸銀水溶液中に浸漬させることで銀イオンを吸着させ、次いで、この水溶液中でソリューションプラズマを発生させることで、サンプル7の銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカを製造した。
サンプル1と同様のメソポーラスシリカを水に分散させた水溶液中に、印加電圧1600V、パルス幅2μs、繰り返し周波数15kHzの条件(すなわち、サンプル1のパルス電圧印加条件と同じ条件)でソリューションプラズマを15分間発生させ、次いで、この水溶液をろ過してメソポーラスシリカを回収し、ソリューションプラズマ処理したメソポーラスシリカを用意した。なお、このソリューションプラズマ処理の前後でメソポーラスシリカについてフーリエ変換型赤外分光分析(FT−IR分析)を行った結果、ソリューションプラズマ処理によりメソポーラスシリカの表面に新たに水酸基が形成されたことが確認された。またソリューションプラズマ処理により、メソポーラスシリカを分散させた水溶液のゼータ電位が大きく負に変化したことから、この水酸基は高密度に形成されていることが示唆された。
次いで、このソリューションプラズマ処理したメソポーラスシリカを用い、サンプル2と同様の条件で硝酸銀水溶液中に浸漬させることで銀イオンを吸着させ、次いで、この水溶液中でソリューションプラズマを発生させることで、サンプル8の銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカを製造した。
上記で得られたサンプル7および8のメソポーラスシリカのSTEM観察を行い、メソポーラスシリカの細孔内に形成された銀粒子の粒径と量とを調べて、その結果を表2に示した。表2における銀ナノ粒子形成量の評価は表1の場合と同様であって、任意に選択した観察視野において、80%を超える程度の細孔内に銀ナノ粒子が形成されている場合を「◎」、およそ60%以上80%以下程度の細孔内に銀ナノ粒子が形成されている場合を「○」、40%以上60%以下程度の細孔内に銀ナノ粒子が形成されている場合を「△」、銀ナノ粒子が形成されている細孔がおよそ50%に満たない場合を「×」とした。
なお、表1には、参考のために、サンプル2の銀ナノ粒子担持メソポーラスシリカについての評価結果も併せて示した。
3 気相
4 ソリューションプラズマ(プラズマ相)
5 容器
6 電極
7 攪拌装置
8 外部電源
9 絶縁部材
10 ソリューションプラズマ発生装置
Claims (11)
- メソポーラスシリカと金属イオンとを含む水溶液中でプラズマを発生させることにより、前記メソポーラスシリカの外表面および細孔内部の表面の少なくとも一部に前記金属イオンを還元してなる金属粒子を形成する、金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記水溶液が、前記金属粒子の凝集を抑制する凝集抑制添加剤を含まない、請求項1に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 予め、前記メソポーラスシリカの外表面および細孔内部の表面の少なくとも一部に前記金属イオンを吸着させ、次いで、前記金属イオンを吸着したメソポーラスシリカを含む水溶液中でプラズマを発生させる、請求項1または2に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記金属イオンの吸着に先立って、前記メソポーラスシリカを酸処理して乾燥させる、請求項3に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記金属イオンの吸着に先立って、前記メソポーラスシリカを含む水溶液に対してプラズマ処理を施す、請求項3に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記メソポーラスシリカの細孔内部の表面にのみ前記金属イオンを吸着させる、請求項3〜5のいずれか1項に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記金属粒子の平均粒径を3nm以下とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記水溶液の電気伝導度を、300μS・cm−1〜2500μS・cm−1の範囲とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記プラズマは、前記水溶液中で線状電極間にパルス幅が1〜10μsで、周波数が103〜105Hzの直流パルス電圧を印加することで発生させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記プラズマが、グロー放電プラズマである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
- 前記グロー放電プラズマは、前記水溶液中に発生した気相中に形成される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属粒子担持メソポーラスシリカの製造方法。
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