JP2014101531A - ナノ流体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液中プラズマを利用して、液媒体中に熱伝導流体として用いるのに適した形態の金属ナノ粒子を形成する、熱伝導性に優れたナノ流体の製造方法を提供すること。
【解決手段】Au(III)イオンと、25℃における臨界ミセル濃度をCcmcとしたとき、1Ccmc以上10Ccmc以下の濃度の陽イオン界面活性剤と、を含み、pHが8〜10の水溶液を調製すること、水溶液の温度を5℃以上15℃以下に保ちながら、該水溶液中でプラズマを発生させることによりAu(III)イオンを還元してAuナノ粒子を形成すること、を含む、ナノ流体の製造方法とする。
【選択図】図3C

Description

本発明は、ナノ流体の製造方法に関する。より詳細には、熱伝導性に優れたナノ流体の製造方法に関する。
粒径がナノメートルの領域にあるナノ粒子は、その形状特異性により、光学的性質、電気的性質、機械的性質等が、原子や分子あるいはバルク体とは異なり得ることから、電子材料、磁性材料または触媒材料等として種々の分野での利用が検討され、応用が進められている。
このようなナノ粒子の応用の一つに、例えば、粒径が100nm以下程度の金属ナノ粒子が媒体に分散されたナノ流体がある。ナノ流体は、例えば、近年の各種電子機器等の小型化により微細となった伝熱流路を、詰まることなく流動しながら、熱エネルギーを伝搬する熱伝導流体である。このようなナノ流体は、例えば、水やエチレングリコール等のベースとなる液媒体に、粒径100nm以下程度の各種の金属ナノ粒子等を、分散性および安定性を確保するための界面活性剤等の保護剤と共に分散させることで構成することができる(例えば、特許文献1参照)。
このように、ナノ流体中には金属ナノ粒子が分散されていることから、伝熱面積が増加して熱伝導度が大幅に増大することが期待される。特に粒径が2nm程度以下の超微細な金属ナノ粒子を用いた場合には、理論的には、量子効果が発現される。そのため、ナノ粒体中で金属ナノ粒子の間隔を制御することで、液体中でも固体におけるのと同様の熱拡散系が構築でき、熱伝導度が非線形的に増大させられると予想されている。
特開2008−46141号公報 特開2008−13810号公報 特開2005−68447号公報
このような熱伝導物質としての金属ナノ粒子は、近年のナノ粒子の大量合成技術および高速合成技術の発達によってより簡便に製造できるようになってきている。そして本発明者らも、溶液中で発生させる液中プラズマの作用により、粒径が500nm以下の金属ナノ粒子を大量かつ迅速に生成することのできる、全く新しい金属ナノ粒子生成装置を提案している(例えば、特許文献2参照)。この金属ナノ粒子生成装置によると、金属塩を含む水溶液中でプラズマを生じさせることにより、水溶液中の金属イオンを還元し、この金属塩を構成する金属のナノ粒子を生成することができる。かかる金属ナノ粒子生成装置を用いて作製される金属ナノ粒子をナノ流体に適用することで、より手軽にナノ流体を製造し得るものと期待される。
しかしながら、上記の特許文献2に開示されている技術によると、より粒径の小さい、例えば粒径が数nmレベルの金属ナノ粒子を製造するのは困難であった。さらに、金属ナノ粒子を粒径のバラつきを少なくして製造することについても課題が残されていた。また、粒径のバラつきが大きい金属ナノ粒子をナノ流体に適用すると、ナノ流体中でのナノ粒子の分散性が微視的なレベルで低下してしまうため、粒径に見合った熱伝導度が得られない可能性があった。
本発明は上記課題に鑑みて創出されたものであり、液中プラズマを利用して、液媒体中に熱伝導流体として用いるのに適した形態の金属ナノ粒子を形成する、熱伝導性に優れたナノ流体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、これまでに、水溶液中で発生されるプラズマ(以下、単に「液中プラズマ」という場合がある。)の作用を利用して金属ナノ粒子を製造し得ることを見出し、かかる技術を実際の具体的な応用の場により適した形態に改良すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、液中プラズマにより生成される金属ナノ粒子を熱伝導流体に適用してナノ流体を構築するにあたり、以下の知見を見出したことで、本願発明を完成するに至った。
・金属ナノ粒子が形成される環境を整えることで、形成される金属ナノ粒子の粒径や粒径分布等の特性をより詳細に制御することができる。
・特に金属ナノ粒子が形成される際の、水溶液中に含有させる界面活性剤の状態を調整することで、この金属ナノ粒子とこれを含む水溶液とを含むナノ流体の熱伝導性に係る性状を効果的に制御することができる。
すなわち、この出願は、従来技術の課題を解決するものとして、ナノ流体の製造方法を提供する。このナノ流体の製造方法は、Au(III)イオンと陽イオン界面活性剤とを含む水溶液中でプラズマを発生させることにより上記Au(III)イオンを還元し、上記水溶液中にAuナノ粒子を形成してナノ流体を製造するものである。そして、かかる製造方法において、以下の要件を含むことを特徴としている。
(1)プラズマを発生させる前の上記水溶液における陽イオン界面活性剤の濃度を、25℃における臨界ミセル濃度をCcmとしたとき、1Ccm以上10Ccm以下となるように調整する。
(2)プラズマを発生させる前の上記水溶液における水溶液のpHを8〜10の範囲に調製する。
(3)上記水溶液の温度を5℃以上15℃以下に保ちながら、該水溶液中でプラズマを発生させる。
一般的な、金属ナノ粒子を用いた熱伝導流体の熱伝導率を向上させるには、より多くの金属ナノ粒子を、凝集させることなく均一に分散させることが望ましい。しかしながら、粒径が100nm以下のナノ粒子は表面活性が高いために凝集しやすく、その分散状態を長期間にわたって制御するのは困難である。そのため、金属ナノ粒子の分散性を確保するために種々の界面活性剤等の保護剤の利用が提案されている。しかしながら、液中プラズマによるナノ流体の製造において、熱伝導率を効果的に向上させる保護剤の利用についてはこれまで検討されていなかった。
本発明によると、液中プラズマを発生させる水溶液のpHと温度とが適切に制御されているため、Auナノ粒子を望まない大きさに粗大化させることなく、粒径が数ナノメートルで揃い、形状が略球形に整った状態で凝集させることなく形成することができる。したがって、Auナノ粒子が高分散な状態で水溶液中に含まれたナノ流体を製造することができる。また、界面活性剤の濃度が適切に管理されているため熱伝導特性が向上されており、熱輸送流体として適したナノ流体を製造することができる。すなわち、Auナノ粒子の形成過程において粒子形態の制御および分散性の向上を図ることに成功し、得られるナノ流体を熱輸送特性に優れたものとすることが可能とされる。
ここに開示されるナノ流体の製造方法の好ましい一態様においては、上記水溶液中の上記Au(III)イオンの濃度を0.05mM〜0.5mMに調整することを特徴としている。
かかる構成によると、例えば25℃における熱伝導度が水(25℃における水の熱伝導度は0.6075である。)よりも約5%程度高められたナノ流体を得ることができる。このようなナノ流体は、例えば、中温領域の熱エネルギーを低損失で輸送し、熱源としてそのまま利用可能なエネルギー輸送システム等を構築するのに好適に用いることができる。
ここに開示されるナノ流体の製造方法の好ましい一態様においては、上記水溶液中に平均粒径が3nm〜5nmのAuナノ粒子を形成することを特徴としている。
液媒体中に金属ナノ粒子が分散されたナノ流体においては、理論的には、金属ナノ粒子の粒径が小さくなるほど、熱伝導度が増加すると考えられる。そして、液中プラズマを利用したナノ流体の製造においては、例えば、3nmより平均粒径の小さい金属ナノ粒子を形成してナノ流体を製造することも可能である。
しかしながら、上記の通りの比較的穏やかな条件において、液中プラズマによりナノ流体を製造する場合は、より粒径の小さいAuナノ粒子を形成したからと言って、必ずしもこれに伴いナノ流体の熱伝導度が増大されるわけではない。かかる構成によると、熱伝導流体として適した、粒径が3nm〜5nmのAuナノ粒子を含む熱伝導特性に優れたナノ流体を製造することができる。
ここに開示されるナノ流体の製造方法の好ましい一態様においては、上記陽イオン界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)またはポリビニルピロリドン(PVP)を用いることを特徴としている。
CTABは、異方性ナノ粒子である金ナノロッドをAu(III)イオンの還元により製造する際に用いる界面活性剤として知られている(例えば、特許文献3等参照)。また、PVPは、液中プラズマによる金属ナノ粒子の生成において用いることができることが知られている界面活性剤である(例えば、特許文献2参照)。これらは、陽イオン界面活性剤のうちでも、ナノ流体を製造する際に用いる界面活性剤として好ましい。これらの何れかの陽イオン界面活性剤を上記(1)に示した濃度に調整して液中プラズマを発生させることで、ナノ粒子は形態と分散性のバランスに優れたものとなり、熱伝導特性に優れたナノ流体を製造することができる。
ここに開示されるナノ流体の製造方法の好ましい一態様においては、上記水溶液中に一対の線状電極を配置し、上記プラズマは、上記線状電極間パルス幅が0.1μs〜5μsで、周波数が10Hz〜10Hzの直流パルス電圧を印加することで発生させることを特徴としている。
かかる構成によると、線状電極間に生じるジュール熱によって水溶液中に発生する気泡の大部分を水面に向かって浮上させることなく、水溶液中に安定した状態で維持することができ、この気泡中に安定した状態でプラズマを発生させることが可能となる。これにより、より効率よく安定した状態でナノ流体を製造することができる。
ここに開示されるナノ流体の製造方法の好ましい一態様においては、上記プラズマは、グロー放電プラズマであることを特徴としている。
液中で発生されるプラズマは、火花放電、コロナ放電、グロー放電、アーク放電の形態であり得る。なかでも、液中プラズマのより好ましい形態としてグロー放電プラズマをナノ流体の製造に利用することができる。これにより、非平衡な低温プラズマを発生させることができ、より少ないエネルギーで安定的にナノ流体の製造を行うことができる。
ナノ流体の製造に用いる液中プラズマ発生装置の構成の一例を示す模式図である。 ナノ流体の製造に利用する液中プラズマによる反応場の構成を例示した模式図である。 一実施形態において界面活性剤濃度を0.44mMとして製造したナノ流体中におけるAuナノ粒子の様子を例示した透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 一実施形態において界面活性剤濃度を0.88mMとして製造したナノ流体中におけるAuナノ粒子の様子を例示した透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 一実施形態において界面活性剤濃度を1.32mMとして製造したナノ流体中におけるAuナノ粒子の様子を例示した透過型電子顕微鏡(TEM)像である。
以下、本発明のナノ流体の製造方法について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書および図面に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示されるナノ流体の製造方法は、本質的に、Au(III)イオンと陽イオン界面活性剤とを含む水溶液中でプラズマを発生させることによりこのAu(III)イオンを還元し、水溶液中にAuナノ粒子を形成するものである。そしてかかる手法において、以下の(1)〜(3)を必須の要件として含むことを特徴としている。
(1)プラズマを発生させる前の水溶液における陽イオン界面活性剤の濃度を、25℃における臨界ミセル濃度をCcmとしたとき、1Ccm以上10Ccm以下となるように調整する。
(2)プラズマを発生させる前の水溶液における水溶液のpHを8〜10の範囲に調整する。
(3)水溶液の温度を5℃以上15℃以下に保ちながら、水溶液中でプラズマを発生させる。
Auナノ粒子を構成する金(Au)は、20℃における熱伝導度が295W/mkと各種の金属の中でも比較的高い値を示す。したがって、Auナノ粒子を含むナノ流体は、高い熱伝導度を備えることが期待できる。かかるAuナノ粒子の原料としては、Au(III)イオンが好適に用いられる。この原料としてのAu(III)イオンを含む水溶液の調製については特に制限はなく、例えば、Au(III)イオンを各種の錯体の形態で含む水溶液を用いるようにしても良い。かかる錯体は、例えば、三価の金のハロゲノ錯体であってよく、具体的には、テトラクロロ金(III)酸イオン:[AuCl等の形態であり得る。
Au(III)イオンは、プラズマを発生させる前の水溶液中に0.05mM〜0.5mMの濃度で含まれているのが好ましい。濃度が0.05mM未満であると、形成されるAuナノ粒子の量が少なくなる。そのため、得られるナノ流体の熱伝導度が十分に高くならず、熱伝導流体として利用するには熱伝導特性に乏しい。濃度が0.5mMを超過すると、ナノ流体中でAuナノ粒子が部分的に凝集を始めたりする可能性があるために好ましくない。Au(III)イオンの濃度は0.07mM〜0.3mM程度の範囲であるのがより好ましい。
陽イオン界面活性剤としては、各種のものを用いることができ、例えば、第4級アンモニウム塩型やアルキルアミン塩型の界面活性剤を考慮することができる。具体的には、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド(OTAB)、ベンザルコニウム塩、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。中でも、液中プラズマの発生によりナノ流体を製造するにより適した陽イオン界面活性剤としては、ポリビニルピロリドン(PVP)やセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)等が例示される。これらの界面活性剤を用いた場合に、より形態および分散性良くAuナノ粒子を形成することができ、得られるナノ流体の熱伝導特性がより高められる。
かかる陽イオン界面活性剤は、25℃における臨界ミセル濃度をCcmとしたとき、1Ccm以上10Ccm以下となるように水溶液を調整する。
ここで、臨界ミセル濃度(Ccm)とは、水溶液中で界面活性剤がミセルを作り始める際の界面活性剤の濃度である。この濃度以下では界面活性剤はミセルを形成せずに溶液の状態で存在する。したがって、界面活性剤を含む溶液においては、界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度よりも低いか、臨界ミセル濃度以上であるかで、その物性が大きく異なり得る。本明細書において、かかる臨界ミセル濃度は一般的に採用されている25℃における臨界ミセル濃度を基準としている。なお、かかる臨界ミセル濃度は、温度が低下すると低くなることが知られており、本発明における水溶液の温度である5℃以上15℃以下では、かかる点を勘案して上記のとおり陽イオン界面活性剤の濃度範囲を決定するようにしている。
本発明では、陽イオン界面活性剤が確実にミセルを形成している状態(すなわち、臨界ミセル濃度Ccm以上の濃度)において、液中プラズマを発生させるようにしている。これにより、得られるナノ流体の熱伝導特性が液中プラズマの作用によって効果的に向上されるのである。なお、陽イオン界面活性剤が臨界ミセル濃度Ccmに満たない濃度であると、例えば形成されるAuナノ粒子の粒径が3nm程度よりも小さくなるなどして、熱伝導特性は効果的に向上され難い。また、界面活性剤の濃度を臨界ミセル濃度よりも大幅に増大させると、液中に形成されるAuナノ粒子の特定結晶面に界面活性剤が吸着されて、Auナノ粒子が特定の方位にのみロッド状に成長することがあり得る。そのため、界面活性剤の濃度の上限は10Ccm程度とするのが適当である。プラズマを発生させる前の水溶液、すなわち初期の水溶液における臨界ミセル濃度は、1Ccm以上10Ccm以下であることが好ましく、より好ましくは、1Ccm以上5Ccm以下であり、さらに好ましくは1Ccm以上2Ccm以下である。
以上の臨界ミセル濃度は、公知の各種の手法で測定することができる。例えば、電気伝導法、表面張力法、吸光度法、動的光散乱法等により測定することが例示される。臨界ミセル濃度の測定は、具体的には、例えば、25℃に保った蒸留水100mlに界面活性剤を加えて所定の濃度の界面活性剤の水溶液を調製し、この水溶液の電気伝導度、表面張力、吸光度、散乱等の物性を測定する。そして、界面活性剤の濃度とこれらいずれかの物性値との関係において、両者の関係性が急激に変化する点を臨界ミセル濃度として得ることができる。
また、水溶液のpHは、8〜10の範囲に調製するようにしている。水溶液のpHを8〜10程度の弱アルカリとすることで、粒径にバラつきが少なく、粒度分布曲線が急峻で、かつ、粒子形状が略球状で滑らかなAuナノ粒子を液中プラズマにより形成することができる。ナノ流体においては、このように異方性が小さいナノ粒子の各々が近距離秩序を保った分散状態を実現することが好ましい。これに対し、水溶液のpHが8未満であると、比較的粒径が大きく、さらに粒度分布曲線が幅広で粒径にバラつきのあるAuナノ粒子が形成される傾向が高くなるために好ましくない。また、水溶液のpHが10を超過すると、より粒径が微細で大きさの揃ったAuナノ粒子が得られ易いものの、粒径が小さすぎたり得られる粒子の形状がいびつになる傾向があるために好ましくない。
そして本発明では、以上のように溶液の状態を整えた上で、水溶液の温度を5℃以上15℃以下の範囲に保ちながら、水溶液中でプラズマを発生させる。ここで、ナノ流体の製造方法では、Au(III)イオンの還元の場として、該水溶液中で発生させる液中プラズマを利用するようにしている。すなわち、プラズマを構成する正負のイオン、電子およびラジカル等の活性種の作用によって、水溶液中に含まれるAu(III)イオンの還元と、これに伴うゼロ価のAuからなるナノ粒子の形成とが実現される。かかる活性種は、典型的には、水溶液中の水分子が分解されて生成する、水素イオン、水酸化物イオン、酸素イオン、水素ラジカル、酸素ラジカルおよびヒドロキシラジカル等であり得る。
ここで、上記の反応場となる液中プラズマは、液体中の電極間にマイクロ波や高周波を印加して発生された気体(気相)の中に、当該気体を構成する分子を部分的ないしは完全に電離させることで、形成することができる。つまり、液中プラズマにおいては、プラズマ相を取り囲む気相はさらに液相に取り囲まれており、プラズマを構成する上記のイオン、電子およびラジカル等の活性種は制限された気相中において自由に運動し得る状態である。そのため、解放された気相中に発生される気相プラズマ(典型的には、大気圧プラズマ、低圧プラズマ等)とは異なる物理的および化学的性質を示す。
例えば、気相プラズマは、気体の温度を上げて行った際にこの気体を構成する中性分子が電離してプラズマ化することで発生する。このとき、固体・液体・気体間の相転移とは異なり気体からプラズマへの転移は徐々に起こるため、構成分子のごく一部が電離した電離度が非常に低い状態でも充分にプラズマであり得る。これに対し液中プラズマは、典型的には、まず液中での放電により当該液体がジュール加熱により気化されて気相を形成し、さらにこの気相においてプラズマが発生することで形成される。すなわち、液中プラズマは、プラズマという高エネルギー状態が液中(すなわち凝縮相)に閉じ込められており、閉鎖系の物理が実現するとともに、解放されない高密度なプラズマ反応場が形成されているといえる。
また、Auナノ粒子のプレカーサーともいえるAu(III)イオンは、液中プラズマにおいては液相を介して供給される。すなわち、本発明では、Au(III)イオンは反応場に比較的高密度で効率的に供給される。したがって、本発明の製造方法においては、Au(III)イオンの還元を高効率で行うことができ、Auナノ粒子を生産性良く形成することができる。
なお、以上のような液中プラズマは、電極間にかかる電位差の違い等によって、雷のような火花放電、コロナ放電、グロー放電、アーク放電等に分類される。火花放電が継続的に流れるとグロー放電あるいはアーク放電となる。ここで、液中で発生されるグロー放電プラズマ(以下、ソリューションプラズマとも言う。)は、その他の液中プラズマに対して、さらに異なる特徴を有している。例えば、アーク放電プラズマは粒子密度が高く、イオンや中性粒子の温度が電子温度とほぼ等しい局所熱平衡状態にある熱プラズマである。これに対し、グロー放電プラズマは、電子温度は高いがイオンや中性粒子の温度が低い非平衡状態にある低温プラズマである。また、コロナ放電では連続的なプラズマの発生は難しいことに加え、水の分解により水素ラジカルと共に酸化性のヒドロキシラジカルが比較的多く形成されるという特徴がある。これに対し、グロー放電プラズマではプラズマの持つエネルギーが高く、酸化性のヒドロキシラジカルがさらに分解されて還元性の水素ラジカルが多く生成される。すなわち、グロー放電プラズマによるとAu(III)イオンの還元がより効率的に行われることとなる。このことから、本発明では、液中プラズマとしてグロー放電プラズマを発生させることを好ましい形態としている。
かかるグロー放電プラズマは、サブマイクロ秒のパルス幅の電圧を、高い繰り返し周波数で印加することにより、比較的安定して発生可能である。そのため、プラズマ相を囲む液体の膨張・圧縮運動とプラズマ相とは連動しつつ安定な状態が長時間(例えば、2時間以上)維持され得る。そのため、例えば、ソリューションプラズマにおいては、電極間に発生される気相はその一部が浮力により電極間から浮上して液表面に到達することがあり得るものの、その大部分は電極間に一定の大きさの気相として定常的に維持される。したがって、ソリューションプラズマにおいてはプラズマの発生状態を定常的にコントロールすることができる。本発明のナノ流体の製造方法では、このような制御されたプラズマを利用することを好ましい形態としており、より効率的にナノ流体を製造することができる。発生したプラズマがグロー放電プラズマであるかどうかは、例えば、プラズマ発光分光分析等により求められるタウンゼント第2係数が0.0005〜0.005の範囲にあることで確認することができる。
なお、ここで、プラズマの発生中、水溶液の温度は5℃以上15℃以下に保つことが肝要である。水溶液の温度が15℃を超過すると、Auナノ粒子が粗大化し易く、粒径にバラつきが生じたり凝集したりする傾向がある。例えば、水溶液の温度を15℃以下に保つことで、5nm以下のAuナノ粒子が分散されたナノ流体を好適に得ることができる。また、水溶液の温度を5℃未満にすることは、Auナノ粒子の粗大化を防げるものの、上記の通りに調整された水溶液を用いる場合、そのコストに見合った効果を得るのは困難となる。水溶液の温度は、実際的には、例えば、10℃以上15℃以下の範囲とするのがより好ましい例として示される。ここで、水溶液を上記温度範囲に保つ手段としては特に制限はなく、各種の温度調節機構(典型的には、冷却機構)を利用することができる。かかる冷却機構としては、スターラー、フィン等の撹拌手段、恒温水槽等の恒温器、冷却ガス、冷却水等を環流させる還流冷却手段等が例示される。これらの冷却機構は、2種以上を組み合わせて用いるようにしても良い。
以上の液中プラズマは、水溶液の量や詳細なプラズマ発生条件等にもよるため一概には言えないものの、例えば、数分以上、典型的には10分間以上を目安に発生させることができる。かかる処理時間を短縮させるために、液中プラズマと水溶液中のAu(III)イオンとの接触効率を高めるよう工夫することも可能である。
以下、本発明の好適な実施形態としての、ソリューションプラズマを反応場としたナノ流体の製造を例にして、本発明のナノ流体の製造方法についてより詳細に説明する。
図1は、水溶液2中でソリューションプラズマ4を発生させるためのソリューションプラズマ発生装置10の概略を示す図である。この実施形態において、Au(III)イオンと陽イオン界面活性剤とを含む水溶液2は、ガラス製のビーカーなどの容器5に入れられている。また、プラズマ4を発生させるための一対の電極6は所定の間隔(例えば、0.1mm〜5mm程度)を以て水溶液2中に配設され、絶縁部材9を介して容器5に保持されている。電極6は外部電源8に接続されており、この外部電源8から所定の条件のパルス電圧が印加される。これによって、一対の電極6間に、定常的にソリューションプラズマ4を発生させることができる。
電極6としては、例えば、平板状電極や棒状電極およびその組み合わせ等の様々な形態であってよく、その材質についても特に制限はない。例えば、鉄(Fe)、金(Au)、タングステン(W)、白金(Pt)等の電極であり得る。この実施形態においては、タングステン製で、電界を局所的に集中させることが可能な直径が数mm程度(例えば、0.5〜3mm程度)の線状(針状)電極6を用いている。かかる電極6は、電界集中を妨げる余分な電流を抑えるために、先端部(例えば、0.1〜2mm程度)のみを露出させ、残りの部分は絶縁部材9等で絶縁しておくことが望ましい。絶縁部材9は、例えばゴム製あるいは樹脂(例えば、フッ素樹脂)製であることが例示される。この実施形態では、絶縁部材9は電極6を容器5に固定するとともに、電極6と容器5との水密を保つための栓をも兼ねた構成である。かかる装置10において、ソリューションプラズマを発生させるためのパルス電圧の印加条件は、水溶液2中に含まれる原料化合物の種類やその濃度等の条件、さらには装置10の構成条件等にもよるものの、一例として、電圧(2次電圧)が約1000〜2000V程度となるように、パルス幅:約1〜5μs程度のパルス電流を、繰り返し周波数:約10〜30kHz程度となる範囲印加することが例示される。
ここで、水溶液2は、安定したソリューションプラズマの発生を可能とするために、電気伝導度を300μS・cm−1〜2500μS・cm−1程度を目安に調整しておくのが好ましい。電気伝導度の調整が必要な場合は、例えば、塩化カリウム(KCl)や水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等の電解質を水溶液2に溶解させる等して行うとよい。本発明では、上記の水溶液のpHの調整も兼ねて、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ塩、より好ましくは水酸化カリウムを用いるのが好適な例として示される。電気伝導度が300μS・cm−1未満であると、ソリューションプラズマの発生に多くの電力を要し、好適にソリューションプラズマを発生し難くなる傾向があるために好ましくない。また、電気伝導度が2500μS・cm−1を超過する場合は、プラズマ発生のために電極間に投入した電力がイオン電流として消費されてしまい、定常的にプラズマを発生させるのが困難となる傾向があるために好ましくない。電気伝導度は、500μS・cm−1〜2300μS・cm−1程度とするのが好ましく、更には、1000μS・cm−1〜2000μS・cm−1程度とするのが好ましい。
そして、ソリューションプラズマ発生装置10によって水溶液2中に上記のパルス電圧を印加することで、ソリューションプラズマ4が形成される。ソリューションプラズマ発生装置10により発生されるプラズマ反応場は、例えば、図2に示したような構成となる。すなわち、水溶液(液相)2中に気相3が形成され、この気相3中にソリューションプラズマ(プラズマ相)4が形成されている。このプラズマ反応場は、電極6間に定常的に維持されている。かかるプラズマ反応場では、プラズマ相4から液相2に向かって、高いエネルギーを有した電子、イオン、ラジカル等の活性種が供給される。一方、液相2から気相3およびプラズマ相4に向けては、液相2を構成する水あるいはこれに溶解されたAu(III)イオンが供給される。そしてこれらは、主として液相2と気相3の界面において接触(衝突)する。とりわけ、水から発生される水素ラジカル,水素イオン,ヒドロキシラジカル等は反応性が高く、特に水素ラジカルが液相2中に含まれるAu(III)イオンと接触することで、かかるAu(III)イオンの還元作用を示すと考えられる。なお、図2では理解を容易にするために、液相2と気相3、気相3とプラズマ相4の間の各界面が略球状に明確に形成されたような様子を示しているが、かかる界面は必ずしも明確に形成されることに限定されない。例えば、気相3とプラズマ相4の間の界面に臨界的なものがなく、かかる界面は空間的な広がりを持っていても良い。
以上の構成によると、例えば、ソリューションプラズマの作用によって、Au(III)イオンが還元され、溶液中にAuナノ粒子が形成される。このナノ粒子は凝集することなく、例えば、ごく微細な微粒子(例えば、平均粒径3μm〜5μm程度)として水溶液中に高度に分散された状態で生成され、これによりナノ流体が形成されることとなる。
以上、好適な実施形態に基づきナノ流体の製造方法について説明したが、かかる製造方法はこの例に限定されず、適宜に態様を変化して行うことができる。例えば、ソリューションプラズマの発生に際しては、必ずしもタングステンからなる針状電極を用いる必要はなく、例えば、低インダクタンスの誘導コイルによりソリューションプラズマを発生するようにしても良い。さらに、液中プラズマは、ソリューションプラズマ(グロー放電プラズマ)によるものに限定されず、例えば、液中でのアーク放電プラズマ等を利用して実施しても良い。また、ソリューションプラズマの発生条件も、水溶液や装置等の条件に応じて適宜調節できることは言うまでもない。
以上の通り、本発明のナノ流体の製造方法は、これまでにないプラズマ反応場を利用した新規なナノ流体の製造手法であって、更なる機能の展開の可能性を有するナノ流体を製造するものであり得る。
次に、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
塩化金(III)三水和物を用いて、0.1mMのHAuCl溶液を調整した。この溶液に、陽イオン界面活性剤として、市販されているセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を(a)0.44mM、(b)0.88mM、(c)1.32mMの3通りの濃度となるように、また、水酸化カリウムを0.4mMの濃度となるように、調製して加えた。この溶液のpHは約8であった。なお、電気伝導法により計測した上記のCTABの臨界ミセル濃度は、0.88mMであった。
上記(a)〜(c)の濃度に調整したHAuCl溶液を300mlずつ用意し、各々の溶液中で図1に示した装置を用いてソリューションプラズマを発生させた。図1は、水溶液中でプラズマを発生させるためのソリューションプラズマ発生装置10の概略を示す図である。この実施形態において、上記で調製した(a)〜(c)の溶液2は、それぞれガラス製のビーカーからなる容器5に入れ、マグネチックスターラーからなる撹拌装置7により撹拌を行っている。また、容器5は、プラズマ発生中の発熱により溶液2が加熱されないよう、15℃を保つよう設定された恒温槽11に収容されている。プラズマを発生させるための一対の電極6は所定の間隔を以て溶液2中に配設され、絶縁部材9を介して容器5に保持されている。この実施形態においては、電界を局所的に集中させることが可能な針状の電極6を用いた。電極6は、直径が1.0mmのタングステンワイヤー(ニラコ社製)で構成し、対向する電極間の距離を0.3mmに設定したほか、電界集中を妨げる余分な電流を抑えるために先端部(例えば、数mm程度)のみを露出させて、後の部分はフッ素樹脂からなる絶縁部材9で絶縁した。この実施形態では、絶縁部材9は電極6を容器5に固定するとともに、電極6と容器5との水密を保つための栓をも兼ねた構成となっている。電極6は外部電源8に接続されており、この外部電源8から所定の条件のパルス電圧が印加される。外部電源8としては、バイポーラパルス電源(株式会社栗田製作所製、MPS−R06K02C−WP1F)を用いた。
本実施形態においてソリューションプラズマを発生させるためのパルス電圧の印加条件は、電圧:1700V、パルス幅:1μs、繰り返し周波数:25kHzとし、この条件で各溶液2中にソリューションプラズマを900秒間(15分間)発生させた。かかる条件で発生させたプラズマは、プラズマ発光分光分析等により求められるタウンゼント第2係数が0.0005〜0.005の範囲にあることが確認される。
溶液(a)〜(c)はいずれも無色透明であったが、ソリューションプラズマの発生直後から透明のまま徐々に淡い赤みを帯びるよう変色した。この変色は、3価の金イオンが0価に還元されたことを示している。このようなソリューションプラズマによる処理を900秒間行った後に得られる溶液(a)〜(c)を、それぞれナノ流体(a)〜(c)という。以下、ナノ流体(a)〜(c)について下記の試験を行った。
<TEM観察>
上記で得られたナノ流体(a)〜(c)について、ナノ解析電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−2500SE)を用いて流体中に形成されたAuナノ粒子の形態観察を行った。ナノ流体(a)〜(c)をTEM観察して得られたTEM像をそれぞれ図3A〜3Cに示した。また、TEM観察から、各溶液に形成された100個以上のAu粒子について粒径を計測し、平均粒径を調べた。その結果を下記の表1に示した。
<熱伝導度>
また、ナノ流体(a)〜(c)の熱伝導度を、熱伝導率測定装置((株)リガク製、CTi)を用いて、非定常熱線法により測定した。その結果を併せて表1に示した。
図3A〜3Cから明らかなように、ナノ流体(a)〜(c)にはAuナノ粒子が凝集することなく概ね均一に分散されて形成されていることが確認された。すなわち、ナノ流体(a)のように界面活性剤の濃度が0.44mMと臨界ミセル濃度のおよそ半分であっても、Auナノ粒子の凝集を充分に抑える効果があることが確認できた。また、ナノ流体(a)〜(c)では、界面活性剤の濃度が最も高いナノ流体(c)において形成されたAuナノ粒子の形状が最も円滑で球状に近く、形状にバラつきがないことがわかった。
Auナノ粒子の粒径については、界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度に満たないナノ流体(a)が最も小さかった。なお、ナノ流体(b)と(c)との比較では、界面活性剤の量が臨界ミセル濃度よりも多い場合に形成されるAuナノ粒子の粒径はほぼ同じであった。
また、熱伝導度は、界面活性剤の濃度を臨界ミセル濃度以上としたナノ流体(b)および(c)について25℃における水の熱伝導度である0.6075よりも大幅に高い値が得られており、特に界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度よりも高いナノ流体(c)が最も高い値となることが確認できた。一方で、Auナノ粒子が最も小さいナノ流体(a)では熱伝導度が最も低く、水の熱伝導度より大幅に下回る値となった。すなわち、ソリューションプラズマを発生させることにより製造されるナノ流体においては、必ずしも流体中に含まれるAuナノ粒子の粒径を小さくして比表面積を増大させることが熱伝導特性の向上に貢献するわけではないことがわかる。
なお、このようにして調製されたナノ流体(b)および(c)はいずれも分散性および安定性に優れており、例えば、製造後4か月を経過した時点でもAuナノ粒子の粒径やその分散性等の物性に変化が見られないことが確認された。また、本明細書には具体的に例示していないものの、水溶液中のAu(III)イオンの濃度を0.5mM程度にまで高めることで、得られるナノ流体の熱伝導度がより一層高められることが確認されている。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
2 水溶液(液相)
3 気相
4 ソリューションプラズマ(プラズマ相)
5 容器
6 電極
7 撹拌装置
8 外部電源
9 絶縁部材
10 ソリューションプラズマ発生装置
11 恒温槽

Claims (6)

  1. Au(III)イオンと陽イオン界面活性剤とを含む水溶液中でプラズマを発生させることにより前記Au(III)イオンを還元し、前記水溶液中にAuナノ粒子を形成してナノ流体を製造する方法であって、
    プラズマを発生させる前の前記水溶液における陽イオン界面活性剤の濃度を、25℃における臨界ミセル濃度をCcmとしたとき、1Ccm以上10Ccm以下となるように調整する、
    プラズマを発生させる前の前記水溶液における水溶液のpHを8〜10の範囲に調製する、
    前記水溶液の温度を5℃以上15℃以下に保ちながら、該水溶液中でプラズマを発生させる、
    ことを特徴とするナノ流体の製造方法。
  2. 前記水溶液中の前記Au(III)イオンの濃度を0.05mM〜0.5mMに調整する、請求項1に記載のナノ流体の製造方法。
  3. 前記水溶液中に平均粒径が3nm〜5nmのAuナノ粒子を形成する、請求項1または2に記載のナノ流体の製造方法。
  4. 前記陽イオン界面活性剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロミドまたはポリビニルピロリドンを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノ流体の製造方法。
  5. 前記水溶液中に一対の線状電極を配置し、
    前記プラズマは、前記線状電極間にパルス幅が0.1μs〜5μsで、周波数が10Hz〜10Hzの直流パルス電圧を印加することで発生させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノ流体の製造方法。
  6. 前記プラズマは、グロー放電プラズマである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ流体の製造方法。
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