JP2005054086A - 触媒物質含有機能材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害物質等を効率的に除去することが可能であり、かつ耐久性に優れた触媒物質含有機能材およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体と、該無機イオン交換体に担持された触媒物質を含む触媒含有機能材であって、
該複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより得られる、機能材。
【選択図】なし
【解決手段】親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体と、該無機イオン交換体に担持された触媒物質を含む触媒含有機能材であって、
該複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより得られる、機能材。
【選択図】なし
Description
本発明は、有害物質の除去などに有用な触媒物質含有機能材およびその製造方法に関する。
光触媒等の触媒物質を様々な基材につけて実社会に応用しようという試みにおいて、基材がシート状の場合は混抄、含浸、塗工、熱可塑性樹脂に練り込んで紡糸したのち不織布にする方法、または触媒物質に対して耐性のある無機多孔体(粘土、シリカゲル等)と二次粒子を作り、これを抄紙する方法等が従来から知られている。また、基材が板、ブロック等の形態の場合は、塗工が主流である。
混抄により触媒物質を基材に担持させた機能材としては、例えば、塩素酸や亜塩素酸などの酸化物質と多孔性担体および性能向上剤としての酸化物とセルロース繊維を混抄したもの(特許文献1)や、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、芳香族アラミド繊維、ガラス繊維、セピオライトおよび触媒活性成分を混抄したもの(特許文献2)が知られている。
しかしながら混抄の場合、触媒物質が網抜けし、シート上に十分に歩留まらない問題がある。また、触媒物質が歩留まったとしても、触媒物質は基材の水素結合を妨害し、さらに触媒反応により基材を分解するので、シートの強度が低下したり、該触媒物質によりシートの通気性が低下し、目詰まりが発生したりするなどの問題がある。
含浸または塗工により触媒物質を基材に担持させた機能材としては、例えば、パルプ短繊維含有担体が入ったスラリーに酸、アルカリ、酸化剤、還元剤または抗菌剤を溶解または分散させ、水を切り成形したもの(特許文献3)や、ハニカム担体に二酸化マンガン、ゼオライト、硝酸銀水溶液および水からなるスラリーを含浸させた後、乾燥させたもの(特許文献4)が知られている。
しかしながら、含浸の場合、触媒物質は定着しづらく、チョーキング(粉落ち)や、強度が低下する問題がある。また、定着しても触媒反応により基材が分解されるなどの問題がある。一方、塗工の場合、触媒物質が塗工液層に埋没し、該触媒物質による触媒反応が発現しない場合がある。また、発現させようとすると触媒反応により定着剤自体が分解するなどの問題がある。
混練により触媒物質を基材に担持させた機能材としては、例えば、有機増粘剤および結合剤や無機結合剤に酸化マンガン、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素を混練し、ハニカム形状に押出成形したオゾン分解用成形体(特許文献5)が知られている。
しかしながら、混練の場合、触媒物質が樹脂繊維内に埋没し、該触媒物質による触媒反応が発現しない場合がある。また、発現させようとすると触媒反応により樹脂自体が分解するなどの問題がある。
二次粒子を基材に担持させる技術としては、例えば、金属および金属酸化物粒子、吸着剤粒子、熱可塑性粒子を含むスラリーを調製し、水を除去しながら熱融着性樹脂を介して粒子同士を繊維状基材に結合させた環境浄化材(特許文献6)が知られている。
しかしながら、二次粒子の場合、触媒物質の歩留まりはいいものの、二次粒子内部に埋没した触媒物質による触媒反応は発現しない問題がある。
一方、無機イオン交換体に酸化触媒を担持させる技術としては、例えば、二価の水溶性マンガン化合物を含浸法またはイオン交換法でシリカに担持し、その後に150〜500℃で焼成する方法(特許文献7)が知られている。
上記従来の触媒物質含有機能材における種々の問題、例えば触媒物質のチョーキング、触媒物質による有機系担体(紙、不織布等)の強度低下および触媒物質が担体内部に埋没されることによる触媒反応効率の低下などを解消する触媒物質含有機能材として、本発明者らは既に親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体(特許文献8)に触媒物質を凝集沈殿により担持させた触媒物質含有機能材(特許文献9)を提供した。しかしながら、さらに優れた特性を有する触媒物質含有機能材が望まれているのが現状である。
特開平5−132900号公報
特開平7−47287号公報
特開平5−161841号公報
特開平5−261294号公報
特開平10−272358号公報
国際公開第96/037288号パンフレット
特開平7−69641号公報
特許第3317660号公報
特開2001−240759号公報
本発明の目的は、触媒活性が高く、有害物質等の除去効率に非常に優れ、かつ、耐久性も非常に優れた触媒物質含有機能材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく銑意研究した結果、親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体(以下、「無機イオン交換体−親水性高分子複合体」とも称する)の無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換法により含有せしめた後、100℃以下で酸化処理を施すことにより、無機イオン交換体中で触媒性金属イオンを酸化し、有害物質の除去能力に優れる触媒物質(酸化触媒)とすることで、基材強度の低下を抑え、かつ有害物質の除去能に優れた機能材とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体と、該無機イオン交換体に担持された触媒物質を含む触媒含有機能材であって、
該複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより得られた、機能材。
〔2〕触媒物質が、鉄、ビスマス、カドミウム、ジルコニウム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銅、亜鉛、錫、銀、白金、パラジウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、イリジウム、ランタン、セリウム、イットリウムおよびサマリウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物である、上記〔1〕記載の機能材。
〔3〕無機イオン交換体がゼオライトである、上記〔1〕または〔2〕記載の機能材。
〔4〕親水性高分子が天然セルロースである、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の機能材。
〔5〕酸化処理が、オゾン、空気、酸素および過酸化水素水から選ばれる少なくとも1種の酸化剤による酸化処理である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の機能材。
〔6〕親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することを含む、上記〔1〕記載の触媒物質含有機能材の製造方法。
〔1〕親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体と、該無機イオン交換体に担持された触媒物質を含む触媒含有機能材であって、
該複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより得られた、機能材。
〔2〕触媒物質が、鉄、ビスマス、カドミウム、ジルコニウム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銅、亜鉛、錫、銀、白金、パラジウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、イリジウム、ランタン、セリウム、イットリウムおよびサマリウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物である、上記〔1〕記載の機能材。
〔3〕無機イオン交換体がゼオライトである、上記〔1〕または〔2〕記載の機能材。
〔4〕親水性高分子が天然セルロースである、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の機能材。
〔5〕酸化処理が、オゾン、空気、酸素および過酸化水素水から選ばれる少なくとも1種の酸化剤による酸化処理である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の機能材。
〔6〕親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することを含む、上記〔1〕記載の触媒物質含有機能材の製造方法。
本発明の触媒物質含有機能材(以下、単に「機能材」とも称する)は、触媒反応および吸着を妨害するバインダー等を使用せずに触媒物質を無機イオン交換体−親水性高分子複合体の無機イオン交換体(特に有害物質等と効率的に接触し得る表面)にファンデルワールス力で強固に担持されているので、有害物質等を非常に高効率的で除去可能であるばかりでなく、従来では得られなかった非常に優れた耐久性をも有する。
本発明の機能材は、親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体と、該無機イオン交換体に担持された触媒物質を含む触媒含有機能材であって、
該複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより得られたものであることを特徴とする。
該複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより得られたものであることを特徴とする。
本発明における「触媒物質」とは、触媒作用を有する物質、すなわち、化学反応に際し、反応物質以外のもので、それ自身は化学変化を受けず、しかも反応速度を速める作用を有する物質であって、上記無機イオン交換体−親水性高分子複合体中の該無機イオン交換体にイオン交換法により担持された触媒性金属イオンを100℃以下で酸化処理して得られる物質を意味する。このような触媒物質としては、例えば、鉄、ビスマス、カドミウム、ジルコニウム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銅、亜鉛、錫、銀、白金、パラジウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、イリジウム、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウムなどの金属の酸化物が挙げられ、なかでも触媒性能が高いことから、二酸化マンガン、酸化銀、酸化亜鉛、酸化銅、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化バリウム、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ビスマス、酸化ニッケルが好ましく、二酸化マンガン、酸化銀、酸化亜鉛、酸化銅が特に好ましい。また、本発明においては、これらを少なくとも1種使用していればよく、これらを2種以上併用してもよい。
本発明における「触媒性金属イオン」とは、100℃以下で酸化処理されることによって上記触媒物質となる金属イオンを意味し、例えば、上述した金属のイオンが挙げられる。これらの触媒性金属イオンは陽イオンの形態でも、陰イオンの形態でもよく、さらにその電荷数も制限はない。また、本発明においては、これらを少なくとも1種使用していればよく、これらを2種以上併用してもよい。
本発明における「イオン交換法」としては、触媒性金属イオンと無機イオン交換体の陽イオンまたは陰イオンとをイオン交換することができる方法であれば特に限定されないが、例えば、無機イオン交換体−親水性高分子複合体を触媒性金属イオンを含有する水溶液に浸漬させる方法(例えば、特許文献8参照)、無機イオン交換体−親水性高分子複合体が入った容器に、触媒性金属イオンを含有する水溶液を断続的又は連続的に通ずる方法、さらに、無機イオン交換体−親水性高分子複合体に、触媒性金属イオンを含有する水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。簡便なことから、該複合体を触媒性金属イオンを含有する水溶液に浸漬させる方法が好ましい。
上記触媒性金属イオンを含有する水溶液中の触媒性金属イオンの濃度としては、通常0.0001〜10mol/L、好ましくは0.01〜5mol/Lである。また、触媒性金属イオンは、通常、その水溶性の塩を通じて水溶液中に供給されるが、当該水溶性塩としては、その溶解度などの観点から、所望される触媒性金属イオンに応じて適宜決定することができる。
例えば、触媒性金属イオンが鉄、ビスマス、カドミウム、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銅、亜鉛、錫、銀、カルシウム、マグネシウム、バリウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデン、イリジウム、ランタン、セリウム、イットリウム、サマリウムなど、溶解時に陽イオンの形態をとるものについては、その硝酸塩、硫酸塩、塩化物塩、酢酸塩などが挙げられ、チタン、白金、パラジウム、タングステンなど、溶解時に陰イオンの形態をとるものについては、それぞれの酸化物塩、錯塩(例えばタングステンの場合、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウムなど、白金の場合、テトラクロロ白金酸カリウム、テトラブロモ白金酸カリウムなど)が挙げられる。また無機イオン交換体が両性イオン交換体(陽イオンも陰イオンも交換可能)である場合や無機イオン交換体として陽イオン交換体と陰イオン交換体の両方が親水性高分子の実体内に存在する場合などは、上記触媒性金属イオンを二種類以上含む複合塩でもよい。このような複合塩としては、例えば、タングステン酸亜鉛、タングステン酸コバルトなどが挙げられる。
また、上記触媒性金属イオンを含有する水溶液に上記複合体を浸漬等させる際のpH、温度および浸漬時間は、無機イオン交換体および親水性高分子の性質、イオン交換率などを考慮して適宜設定すればよいが、pHは通常5〜14(好ましくは6〜10)であり、温度は通常0〜100℃(好ましくは20〜50℃)であり、浸漬時間は通常2〜100時間(好ましくは10〜48時間)である。
本発明における「酸化処理」としては、無機イオン交換体にイオン交換法により担持された触媒性金属イオンを上記触媒物質にすることができる方法であれば特に限定されないが、例えば、酸化剤(酸化作用を有する気体、酸化作用を有する液体など)に接触させる方法などが挙げられ、具体的には、酸化作用を有する気体と接触させる方法、酸化作用を有する液体に浸漬する方法、上記複合体をpHがアルカリ性の溶液に浸漬させた後、酸化作用を有する気体を吹き込む方法などが挙げられる。当該酸化作用を有する気体としては、例えば、二酸化窒素、硫化水素、オゾン、空気、酸素などが挙げられ、好ましくはオゾン、空気、酸素が挙げられる。当該酸化作用を有する液体としては、例えば、過酸化水素水、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化亜鉛、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウムの水溶液が挙げられ、好ましくは過酸化水素水が挙げられる。
これらの酸化剤は無機イオン交換体に担持された触媒性金属イオンを酸化させる能力があればその使用濃度は特に限定されないが、なかでも安全性、経済性の観点から、酸化作用を有する気体としては100ppm以上(好ましくは130〜500ppm)のオゾンを含む気体が好ましく、酸化作用を有する液体としては10%以上(好ましくは15〜30%)の過酸化水素水が好ましい。
本発明における酸化処理は、100℃以下で行うことが必要であり、反応効率、酸化触媒の結晶性、経済性の観点からは、10〜90℃で行うことが好ましく、20〜80℃で行うことがより好ましい。100℃を超える温度で酸化処理を行う場合、親水性高分子基材が酸化され、劣化するため、強度的に十分な機能材を得ることができないおそれや、得られた酸化触媒の結晶性の変化や、触媒機能の低下が起こる可能性がある。
本発明における「親水性高分子基材」は、水に対して膨潤するものであれば特に制限はない。例えば、天然セルロース(パルプ、ケナフ、木綿、麻等)、再生セルロース(セロファン、セルロースビーズ、レーヨン、セルローススポンジ等)、バクテリアセルロースおよびセルロースを化学修飾したエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、さらには絹、羊毛、ポリビニルアルコール、架橋型ポリビニルアルコール、キチン、キトサン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルホルマール等の天然または人工の親水性高分子、ポリアクリルアミド等の高吸水性高分子ゲル、コラーゲン、木毛等が挙げられる。
なかでも、除去対象物質との接触に有利で適度な間隙を有すること、使用形態に応じた成型が容易であること、価格および取り扱い易さなどの点から天然セルロース(特にパルプ)が好ましい。
本発明における「無機イオン交換体」は、イオン交換能を有するものであって、親水性高分子を溶解、分解または崩壊させないものであれば特に限定されないが、好ましくは多孔質であるもの、例えば、ゼオライト、シリカゲル、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、粘土鉱物類等が挙げられる。なかでも、最も用途が広いという点からゼオライトが好ましい。また、これらは2種以上を併用することができる。
ゼオライトとしては、特に制限はなく、公知のゼオライトを使用することができる。また、ゼオライト骨格中のアルミニウム1分子に対するケイ素分子の割合(Si/Al比)についても種々の値を有するゼオライトが使用できる。具体的には、A型ゼオライト(Si/Al比:1)、X型ゼオライト(Si/Al比:1.0〜1.5)、Y型ゼオライト(Si/Al比:1.5〜3.0)、ZSM−5型ゼオライト(Si/Al比:10以上)、ZSM−11型ゼオライト(Si/Al比:10以上)、シリカライト(Si/Al比:無限大)、合成モルデナイト(Si/Al比:4.5〜12)などの合成ゼオライトや、天然モルデナイト(Si/Al比:4.2〜5.0)、天然クリノプチロライト(Si/Al比:4.25〜5.25)などの天然ゼオライトなどが挙げられる。また、これらの合成ゼオライトや天然ゼオライトの骨格内アルミニウムを脱離させたゼオライトも使用できる。例えば、骨格内アルミニウムを脱離させたY型ゼオライト、骨格内アルミニウムを脱離させたクリノプチロライト、および骨格内アルミニウムを脱離させたモルデナイトなどが挙げられる。
なかでも、親水性高分子基材で実体内での合成が容易であることから、4Aゼオライト(Na12Si12Al12O48・27H2O)が好ましい。
上記無機イオン交換体の平均粒径としては、吸着能力、製造が容易であることなどの点から、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは0.1〜20μmである。
なお、ここでいう平均粒径とは、走査型電子顕微鏡を用いて1000〜3500倍の倍率で写真を撮り、各粒子を一定方向の2本の平行線ではさみ、その平行線間の距離を測ることで測定した値(フェレー径)の平均値である。また、当該測定方法において測定可能な粒子の大きさは0.1μm以上である。
本発明における「親水性高分子基材の実体内」とは、例えば、親水性高分子基材がパルプ等の天然セルロースからなる場合、天然セルロースを構成成分とする基材の内部、より詳細には、細胞壁を構成するミクロフィブリル(φ約0.1μm)とミクロフィブリルとの隙間(100〜5000Å)を膨潤させることによって生じる部位(サイト)あるいはミクロフィブリル中のミセルで、セルロース分子鎖が結晶化していない領域を膨潤させることによって生じる部位(サイト)を意味し、例えば、セルロースの細胞壁表面、細胞壁内に元々存在する細孔および細胞内腔(ルーメン)は含まれない。
また、親水性高分子基材の実体内に無機イオン交換体を含有するとは、無機イオン交換体の一部または全部がセルロース基材の実体内に存在することを意味する。
ただし、本発明においては、全ての無機イオン交換体の全部が親水性高分子基材の実体内に必ずしも存在する必要はない。
本発明の機能材中の無機イオン交換体の含有率は特に制限されないが、1.0〜70.0重量%であることが好ましく、特に好ましくは10.0〜50.0重量%である。無機イオン交換体の割合が上記範囲内であれば十分な吸着能力が得られ、十分な量の触媒物質を担持させることができ、かつ容易に製造することができる。
また、本発明の機能材における触媒物質の含有率は、好ましくは0.1〜80重量%であり、より好ましくは1〜30重量%である。上記範囲内であれば触媒反応の効率は充分なものとなり、かつ製造も容易である。
なお、ここでいう無機イオン交換体および触媒物質の含有率は、得られた機能材を400℃で3時間加熱処理することにより親水性高分子基材を除去した後、蛍光X線装置(例えば、MESA−500;(株)堀場製作所製)を使用して測定した各無機成分の比率より求めることができる。
また、本発明の機能材においては、触媒物質の触媒作用による親水性高分子基材の劣化を抑制するために、触媒物質は無機イオン交換体の表面に高分散状態で担持されることが好ましい。
本発明の機能材は、上記無機イオン交換体−親水性高分子複合体の無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより製造することができる。
上記無機イオン交換体−親水性高分子複合体は公知であり、例えば、特許文献8に記載される方法により製造することができる。例えば、無機イオン交換体がゼオライト、親水性高分子がパルプであるゼオライト−パルプ複合体の場合、パルプを10〜50,000mmol/Lの塩基性物質の水溶液で膨潤させ、1.0〜10,000mmol/Lのアルミニウム化合物の水溶液を混合し、次いで1.0〜1,000mmol/Lのケイ素化合物の水溶液を混合した後、20〜100℃で1時間〜20日間処理することにより製造することができる。
上記無機イオン交換体−親水性高分子複合体の無機イオン交換体に、上述したイオン交換法を用いることで触媒性金属イオンを担持させることができる。例えば、無機イオン交換体がゼオライトであり、親水性高分子がパルプであるゼオライト−パルプ複合体の場合、該ゼオライト−パルプ複合体を0.001〜5mol/Lのマンガンイオンを含有する水道水(pH6〜10)中に10〜48時間浸漬させることにより、マンガンイオンを担持したゼオライト−パルプ複合体を得ることができる。
上記触媒性金属イオンが担持された無機イオン交換体−親水性高分子複合体を、上述した100℃以下で酸化処理することによって、該無機イオン交換体に担持された触媒性金属イオンが酸化されて触媒物質となり、本発明の触媒含有機能材が得られる。例えば、マンガンイオンを担持したゼオライト−パルプ複合体の場合、当該複合体を130〜500ppmのオゾン雰囲気下に20〜80℃で30分から120分接触させることにより二酸化マンガン担持ゼオライト−パルプ複合体を得ることができる。
本発明の機能材は、上記のような製造方法によって、触媒物質による触媒反応および吸着を妨害するバインダーなどを使用せずに、触媒物質を無機イオン交換体に担持したものであるので、触媒物質による触媒反応や無機イオン交換体による吸着反応がバインダーなどにより妨害されないことから、バインダーを使用したものよりもはるかに効率的に有害物質等の除去が行われる。さらに、触媒物質の大部分は親水性高分子基材に直接担持されていないので触媒物質による劣化を受けにくいばかりでなく、その触媒物質の無機イオン交換体への結合は非常に強固であることから、従来にはなかった優れた耐久性を有する。従って、本発明の機能材は、有害物質などの対象物質を、非常に高効率で、かつ安定して除去することができる。
本発明の機能材において、触媒物質と無機イオン交換体との結合は、従来の触媒物質含有機能材と比べて非常に強固である。従って、従来の触媒含有機能材において、触媒物質がほとんど脱落してしまうような処理(離解、洗浄など)を行っても、本発明の機能材において触媒物質はほとんど脱落しない。これは、触媒性金属イオンはイオン交換により、骨格構造内に取りこまれた形で無機イオン交換体に担持されているため、酸化処理により酸化物になっても非常に小さな分子として、無機イオン交換体内に分散しているからである。
例えば、本発明の機能材において親水性高分子基材がセルロース繊維(例えば、パルプ)等の水中で離解するものからなるシート等である場合、好ましくは水中で離解して濃度0.5重量%の懸濁液とした後、ろ過により水を排出する工程を少なくとも計3回(好ましくは計5回)繰り返した後においても触媒物質の残存率は80重量%以上(より好ましくは90重量%以上100重量%未満)である。
ここで、「水中で離解して濃度0.5重量%の懸濁液とした後、ろ過により水を排出する工程」とは、後記するJIS P 8209(パルプ試験用手すき紙調製方法)に準じて行う離解および洗浄方法による工程のことであり、要約すれば、試料をJIS P 8209に基づいて水中で離解し、水で希釈して濃度0.5重量%の懸濁液とした後、金網でろ過し、水のみを排出するという一連の工程のことである。
また、「触媒物質の残存率」とは、担持されている触媒物質のうち上記離解および洗浄工程後も担持されたまま残る触媒物質の割合である。
また、別の例として、本発明の機能材において親水性高分子基材がエチレン酢酸ビニルコポリマー等の水中で離解しにくいものからなるシート等である場合、多量の水(例えば、25cm×25cm、厚さ5μmであるシートに対して20L)で少なくとも3回(好ましくは5回)洗浄した後においても触媒物質の残存率は80重量%以上(より好ましくは90重量%以上100重量%未満)である。
本発明の機能材は、製造された触媒物質を無機イオン交換体−親水性高分子と複合化するものとは異なり、触媒物質となる触媒性金属イオンを予め無機イオン交換体に含有せしめた後に触媒物質に変化させるのが最大の特徴である。従って、本発明の機能材は触媒物質を効率よく担持するのと同時に、触媒物質と無機イオン交換体−親水性高分子複合体を直接複合化することによって生ずる機能の減殺という問題を解決している。
本発明の機能材は、柔軟な素材である親水性高分子基材に触媒物質および無機イオン交換体を担持させたものであるので、成形加工が容易であり、用途に応じて、粒子状、立方体状、シート状等の種々の形態に成形加工して使用することができる。この際、補強材等として無処理の親水性高分子を含有させてもよいし、また、他の素材と共に種々の機能材としてもよい。
本発明の機能材は、吸着および触媒反応に悪影響を与えない範囲で、さらに他の添加物を含有していてもよい。このような添加物としては、触媒の酸化作用を更に高める働きをする過酸化物、触媒物質の触媒反応により対象物質から転換した転換物質により変色し、該転換物質の存在量の目安を示すpH指示薬などのインジケーター機能を付与する物質、無機イオン交換体に適当な水分を付与し、無機イオン交換体の吸着能を向上させるエチレングリコールなどの保湿剤、難燃性を向上させるリン酸アンモニウムなどの難燃剤などが挙げられる。
本発明の機能材が除去可能な物質としては、無機イオン交換体による吸着および触媒物質による触媒反応により除去される物質であれば特に限定されないが、好ましくは、常温で気体の無機化合物、または種々の有機化合物が挙げられる。特に、環境汚染等の原因物質および存在することで動植物、機械、装置、物品等に何らかの悪影響を与える物質と知られる様々な有害物質、例えば、NOx(NO、NO2等)、SOx(SO2、SO3等)、VOC(トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブタノール等)、有機ハロゲン化合物(1,1−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、p−ジクロロベンゼン等)、悪臭物質(硫化水素、アンモニア、メチルメルカプタン、アミン等)、タバコ臭(アセトアルデヒド、酢酸、アンモニア等)、ホルムアルデヒド、脂肪酸、エチレン等が挙げられ、特に、ホルムアルデヒド、NOx、SOxが挙げられる。
上記有害物質等の対象物質と本発明の機能材との接触方法としては、特に限定されない。例えば、本発明の機能材を含有する反応容器に対象物質をバッチ方式または連続方式で導入して接触させてもよく、また、対象物質の発生源(タバコ臭を対象とする場合における灰皿等)の付近および/または通り路(ホルムアルデヒド等を対象とする場合における室内のエアコンまたは空気清浄機の吸入部分または吹出部分)に配置して接触させるようにしてもよい。また、本発明の機能材において、触媒物質が酸化触媒である場合、酸化反応を実現する条件としては、特に限定されないが、酸素と室温以上の温度があることが好ましい。酸素濃度や温度は特に限定されないが、通常の酸素濃度である21%以上、温度は15℃以上が好ましい。
上記対象物質が触媒物質による触媒反応によって転換物質に転換される場合、該転換物質は、通常、無機イオン交換体に保持されるが、その保持量が過度になると対象物質の除去効率が悪化するので、上記インジケーター機能を付与する物質等を予め含有させることによりその保持量を確認し、水で洗い流したり、加熱して放散させたりすることによって、定期的に除去することが好ましい。
本発明の機能材は、有害物質除去材として、例えば、室内のホルムアルデヒド、タバコ臭等の除去剤、自動車道路沿道、トンネルおよび車内などのNOx汚染が問題となっている空間におけるNOxの除去剤、硫化水素、アンモニア、メチルメルカプタン等の悪臭および刺激臭物質の脱臭剤、硫化水素等に起因する金属の錆の防錆剤等として好適に使用することができる。
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。また、以下に実施例および比較例により得られた機能材(シート)の特性値の測定方法を示す。
(機能材中の各無機成分の含有率)
蛍光X線装置(MESA−500;(株)堀場製作所製)を使用して測定した試料中の各無機成分の比率と、該試料を400℃で3時間加熱処理することにより親水性高分子基材を除去して得られた試料中の無機成分の含有量より、触媒物質含有機能材中の各無機成分および触媒物質の含有率を算出した。
(機能材中の触媒物質の残存率)
以下の工程に従って算出した。
(1)洗浄工程
(1−a)実施例1および2(JIS P 8209に準ずるシートの離解および洗浄)
JIS P 8209(パルプ試験用手すき紙調製方法)に記載される手順に準ずる以下の工程により実施例1および2のシートを離解し洗浄した。
1.試料をJIS P 8209に基づいて離解して0.5重量%の懸濁液を調製する。
2.JIS P 8209で定められたシートマシンの容器に水面が金網のすぐ上になるまで水を入れ、金網の下部から空気を完全に追い出す。
3.上記1で調製した懸濁液を投入し、水を容器の基準線まで加えて、希釈懸濁液の深さが金網上350mmとなるようにする。
4.JIS P 8209で定められた多孔板かき混ぜ機を容器に入れ、該かき混ぜ機の円板が常に液面下になるようにして、毎秒1回の割合で6秒間、次いで10秒間に1回上下に動かしてかき混ぜる。
5.かき混ぜを終えてから10秒後、排水コックを全開して湿シートを金網上に作る。
6.湿シートを取り出さずに、再度水を容器の基準線まで加える。
7.4〜6の手順を計3回または5回繰り返す(この一連の工程を「洗浄」とする)。
8.JIS P 8209に基づいてコーチング、第1プレス、第2プレスおよび乾燥を行ってシートを得る。
(1−b)比較例1
比較例1のシート(25cm×25cm)を20Lで3回洗浄した後、乾燥した。
(2)触媒物質の残存率
上記洗浄工程前と洗浄工程後の触媒物質の担持率を測定し、以下の式(1)により触媒物質の残存率を算出した。
(機能材中の各無機成分の含有率)
蛍光X線装置(MESA−500;(株)堀場製作所製)を使用して測定した試料中の各無機成分の比率と、該試料を400℃で3時間加熱処理することにより親水性高分子基材を除去して得られた試料中の無機成分の含有量より、触媒物質含有機能材中の各無機成分および触媒物質の含有率を算出した。
(機能材中の触媒物質の残存率)
以下の工程に従って算出した。
(1)洗浄工程
(1−a)実施例1および2(JIS P 8209に準ずるシートの離解および洗浄)
JIS P 8209(パルプ試験用手すき紙調製方法)に記載される手順に準ずる以下の工程により実施例1および2のシートを離解し洗浄した。
1.試料をJIS P 8209に基づいて離解して0.5重量%の懸濁液を調製する。
2.JIS P 8209で定められたシートマシンの容器に水面が金網のすぐ上になるまで水を入れ、金網の下部から空気を完全に追い出す。
3.上記1で調製した懸濁液を投入し、水を容器の基準線まで加えて、希釈懸濁液の深さが金網上350mmとなるようにする。
4.JIS P 8209で定められた多孔板かき混ぜ機を容器に入れ、該かき混ぜ機の円板が常に液面下になるようにして、毎秒1回の割合で6秒間、次いで10秒間に1回上下に動かしてかき混ぜる。
5.かき混ぜを終えてから10秒後、排水コックを全開して湿シートを金網上に作る。
6.湿シートを取り出さずに、再度水を容器の基準線まで加える。
7.4〜6の手順を計3回または5回繰り返す(この一連の工程を「洗浄」とする)。
8.JIS P 8209に基づいてコーチング、第1プレス、第2プレスおよび乾燥を行ってシートを得る。
(1−b)比較例1
比較例1のシート(25cm×25cm)を20Lで3回洗浄した後、乾燥した。
(2)触媒物質の残存率
上記洗浄工程前と洗浄工程後の触媒物質の担持率を測定し、以下の式(1)により触媒物質の残存率を算出した。
製造例1 マンガン型ゼオライト担持パルプ
(1) 針葉樹クラフトパルプ(100g;王子製紙(株)製)に48%苛性ソーダ(100g;旭硝子(株)製)を加え、よく混練した。パルプが膨潤した後、55%液体アルミン酸ソーダ(130g;浅田化学(株)製)を加えて混練した。次いで、さらに65%液体ケイ酸ソーダ(100g;日本化学工業(株)製)を加えて混練した後、該懸濁液を1時間加熱した。懸濁液中のパルプを水道水で充分に水洗し、遠心分離機で含水率約60重量%に脱水して、Na−A型ゼオライト担持パルプを得た。このNa−A型ゼオライト担持パルプのゼオライト担持率は43.1重量%であった。
(2) (1)で得られたNa型ゼオライト担持パルプ(100g:絶乾重量)を、マンガンイオン(0.1mol;硝酸マンガン・6水和物29g)を水道水20Lに溶解した水溶液(pH=7.2)に投入し、24時間撹拌した。次いで、パルプを水道水で充分洗浄後、遠心脱水機で含水率約60重量%に脱水して(1000rpm、10分)、マンガン型ゼオライト担持パルプを得た。このマンガン型ゼオライト担持パルプのマンガン含有率は4.0重量%であった。
(1) 針葉樹クラフトパルプ(100g;王子製紙(株)製)に48%苛性ソーダ(100g;旭硝子(株)製)を加え、よく混練した。パルプが膨潤した後、55%液体アルミン酸ソーダ(130g;浅田化学(株)製)を加えて混練した。次いで、さらに65%液体ケイ酸ソーダ(100g;日本化学工業(株)製)を加えて混練した後、該懸濁液を1時間加熱した。懸濁液中のパルプを水道水で充分に水洗し、遠心分離機で含水率約60重量%に脱水して、Na−A型ゼオライト担持パルプを得た。このNa−A型ゼオライト担持パルプのゼオライト担持率は43.1重量%であった。
(2) (1)で得られたNa型ゼオライト担持パルプ(100g:絶乾重量)を、マンガンイオン(0.1mol;硝酸マンガン・6水和物29g)を水道水20Lに溶解した水溶液(pH=7.2)に投入し、24時間撹拌した。次いで、パルプを水道水で充分洗浄後、遠心脱水機で含水率約60重量%に脱水して(1000rpm、10分)、マンガン型ゼオライト担持パルプを得た。このマンガン型ゼオライト担持パルプのマンガン含有率は4.0重量%であった。
製造例2 テトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプ
(1) 針葉樹クラフトパルプ(100g;王子製紙(株)製)に、1号L2珪酸ソーダ(108g;東曹産業(株)製)と48%液体苛性ソーダ(210g;東亞合成(株))210gの混合水溶液516mlを加え、よく撹拌した後、液体アルミン酸ソーダ(150g;住友化学工業(株))を添加し、よく撹拌した。この原料を温水循環装置(設定温度60℃)で加熱し始め、材料温度が58℃に達した時に、更に副原料として1号L2珪酸ソーダ66gおよび水を750ml加え、よく撹拌した後、材料温度が84℃に到達するまで温水循環装置の温度設定を90℃に切り換えて2時間かけて加熱した。懸濁液中のパルプを水道水で充分に水洗し、遠心分離機で含水率約60重量%に脱水して、Na−X型ゼオライト担持パルプを得た。このNa−X型ゼオライト担持パルプのゼオライト担持率は41.0重量%であった。
(2) (1)で得られたNa−X型ゼオライト担持パルプ(100g:絶乾重量)を、テトラアンミンパラジウムイオン(0.05mol;テトラアンミンジクロロパラジウム・1水和物13g)を水道水20Lに溶解した水溶液(pH=6.8)に投入し、24時間撹拌した。次いで、パルプを水道水で充分洗浄後、遠心脱水機で含水率約60重量%に脱水して(1000rpm、10分)、テトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプを得た。このテトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプのパラジウム含有率は10.3重量%であった。
(1) 針葉樹クラフトパルプ(100g;王子製紙(株)製)に、1号L2珪酸ソーダ(108g;東曹産業(株)製)と48%液体苛性ソーダ(210g;東亞合成(株))210gの混合水溶液516mlを加え、よく撹拌した後、液体アルミン酸ソーダ(150g;住友化学工業(株))を添加し、よく撹拌した。この原料を温水循環装置(設定温度60℃)で加熱し始め、材料温度が58℃に達した時に、更に副原料として1号L2珪酸ソーダ66gおよび水を750ml加え、よく撹拌した後、材料温度が84℃に到達するまで温水循環装置の温度設定を90℃に切り換えて2時間かけて加熱した。懸濁液中のパルプを水道水で充分に水洗し、遠心分離機で含水率約60重量%に脱水して、Na−X型ゼオライト担持パルプを得た。このNa−X型ゼオライト担持パルプのゼオライト担持率は41.0重量%であった。
(2) (1)で得られたNa−X型ゼオライト担持パルプ(100g:絶乾重量)を、テトラアンミンパラジウムイオン(0.05mol;テトラアンミンジクロロパラジウム・1水和物13g)を水道水20Lに溶解した水溶液(pH=6.8)に投入し、24時間撹拌した。次いで、パルプを水道水で充分洗浄後、遠心脱水機で含水率約60重量%に脱水して(1000rpm、10分)、テトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプを得た。このテトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプのパラジウム含有率は10.3重量%であった。
比較製造例1 銀型ゼオライト担持ポリビニルアルコール
(1) 市販のX型ゼオライト「F9ゼオラム(東ソー(株))」40gを、銀イオン(0.2mol;硝酸銀34g)を純水20Lに溶解した水溶液に加えて、12時間撹拌した。銀担持X型ゼオライトを取り出し、ブフナー漏斗とNo.5C(東洋濾紙(株))を用いて、濾過、純水による洗浄後、60℃の乾燥機内で16時間乾燥した。
(2) 市販のポリビニルアルコールCM−318((株)クラレ製)50gを60℃の温水2Lに加えて溶かし、これに上述の銀担持ゼオライト40gを加えて分散させた。このスラリーを剥離シート上でキャストし、60℃の乾燥機内で16時間乾燥した。このスラリーの水分を蒸発させた後の固形分中の銀担持ゼオライトの含有率は44.4重量%であり、銀型ゼオライト担持ポリビニルアルコールの銀含有率は13.0重量%であった。
(1) 市販のX型ゼオライト「F9ゼオラム(東ソー(株))」40gを、銀イオン(0.2mol;硝酸銀34g)を純水20Lに溶解した水溶液に加えて、12時間撹拌した。銀担持X型ゼオライトを取り出し、ブフナー漏斗とNo.5C(東洋濾紙(株))を用いて、濾過、純水による洗浄後、60℃の乾燥機内で16時間乾燥した。
(2) 市販のポリビニルアルコールCM−318((株)クラレ製)50gを60℃の温水2Lに加えて溶かし、これに上述の銀担持ゼオライト40gを加えて分散させた。このスラリーを剥離シート上でキャストし、60℃の乾燥機内で16時間乾燥した。このスラリーの水分を蒸発させた後の固形分中の銀担持ゼオライトの含有率は44.4重量%であり、銀型ゼオライト担持ポリビニルアルコールの銀含有率は13.0重量%であった。
実施例1 二酸化マンガン・ゼオライト担持パルプシート
製造例1で得られたマンガン型ゼオライト担持パルプ(15g)を標準離解機(東洋精機(株)製)で離解し、次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、マンガン型ゼオライト担持パルプシート(坪量140g/m2)を得た。得られたシートをポリエチレン製のガスバッグに入れ、脱気したのち130ppmのオゾンガスを3L封入した。このガスバッグを50℃に設定した電気乾燥機に静置し、30分後、内部のオゾンガス濃度が0ppmになったのを検知管(光明理化学工業(株)製182U)を用いて確認した後、脱気して更に130ppmのオゾンガスを3L封入した。上記操作を10回繰り返し、マンガン型ゼオライト担持パルプシート中のマンガンイオンを二酸化マンガン(MnO2)に変えた。この操作によりシートは二酸化マンガンの褐色になり、A型ゼオライト含有率43重量%、二酸化マンガン含有率;6重量%の二酸化マンガン・ゼオライト担持パルプシートを得た。また、上記方法により求めた二酸化マンガンの残存率は93重量%であった。
製造例1で得られたマンガン型ゼオライト担持パルプ(15g)を標準離解機(東洋精機(株)製)で離解し、次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、マンガン型ゼオライト担持パルプシート(坪量140g/m2)を得た。得られたシートをポリエチレン製のガスバッグに入れ、脱気したのち130ppmのオゾンガスを3L封入した。このガスバッグを50℃に設定した電気乾燥機に静置し、30分後、内部のオゾンガス濃度が0ppmになったのを検知管(光明理化学工業(株)製182U)を用いて確認した後、脱気して更に130ppmのオゾンガスを3L封入した。上記操作を10回繰り返し、マンガン型ゼオライト担持パルプシート中のマンガンイオンを二酸化マンガン(MnO2)に変えた。この操作によりシートは二酸化マンガンの褐色になり、A型ゼオライト含有率43重量%、二酸化マンガン含有率;6重量%の二酸化マンガン・ゼオライト担持パルプシートを得た。また、上記方法により求めた二酸化マンガンの残存率は93重量%であった。
実施例2 酸化パラジウム・ゼオライト担持パルプシート
製造例2で得られたテトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプ(15g)を標準離解機(東洋精機(株)製)で離解し、次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、テトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプシート(坪量140g/m2)を得た。得られたシートをポリエチレン製のガスバッグに入れ、脱気したのち130ppmのオゾンガスを3L封入した。このガスバッグを50℃に設定した電気乾燥機に静置し、30分後、内部のオゾンガス濃度が0ppmになったのを検知管(光明理化学工業(株)製182U)を用いて確認した後、脱気して更に130ppmのオゾンガスを3L封入した。上記操作を10回繰り返し、テトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプシート中のパラジウムイオンを酸化パラジウム(PdO)に変えた。この操作によりシートは酸化パラジウムの褐色になり、X型ゼオライト含有率41重量%、酸化パラジウム含有率11重量%の酸化パラジウム・ゼオライト担持パルプシートを得た。また、上記方法により求めた酸化パラジウムの残存率は93重量%であった。
製造例2で得られたテトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプ(15g)を標準離解機(東洋精機(株)製)で離解し、次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、テトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプシート(坪量140g/m2)を得た。得られたシートをポリエチレン製のガスバッグに入れ、脱気したのち130ppmのオゾンガスを3L封入した。このガスバッグを50℃に設定した電気乾燥機に静置し、30分後、内部のオゾンガス濃度が0ppmになったのを検知管(光明理化学工業(株)製182U)を用いて確認した後、脱気して更に130ppmのオゾンガスを3L封入した。上記操作を10回繰り返し、テトラアンミンパラジウム型ゼオライト担持パルプシート中のパラジウムイオンを酸化パラジウム(PdO)に変えた。この操作によりシートは酸化パラジウムの褐色になり、X型ゼオライト含有率41重量%、酸化パラジウム含有率11重量%の酸化パラジウム・ゼオライト担持パルプシートを得た。また、上記方法により求めた酸化パラジウムの残存率は93重量%であった。
比較例1 酸化銀・ゼオライト担持ポリビニルアルコールシート
比較製造例1で得られた銀型ゼオライト担持ポリビニルアルコールシート(3.0g)を、pH=9.0に調整した過酸化水素水(過酸化水素濃度;31%)100mLに室温で24時間浸漬し、銀イオンを酸化銀(Ag2O)に変えた。この操作によりシートは酸化銀の黒色になった。このシートのゼオライト含有率は44重量%、酸化銀の含有率は13重量%であった。また、上記方法により求めた酸化銀の残存率は98重量%であった。
比較製造例1で得られた銀型ゼオライト担持ポリビニルアルコールシート(3.0g)を、pH=9.0に調整した過酸化水素水(過酸化水素濃度;31%)100mLに室温で24時間浸漬し、銀イオンを酸化銀(Ag2O)に変えた。この操作によりシートは酸化銀の黒色になった。このシートのゼオライト含有率は44重量%、酸化銀の含有率は13重量%であった。また、上記方法により求めた酸化銀の残存率は98重量%であった。
比較例2 二酸化マンガン・ゼオライト担持紙
二酸化マンガン(10g;和光純薬(株)製)、市販のX型ゼオライト80g「4Aゼオラム(東ソー(株)製)」、針葉樹クラフトパルプ(100g;王子製紙(株)製)を90Lの水道水が入ったポリ容器に入れ、24時間、室温で撹拌した。これに市販の沈殿凝集剤「ハイモロック E−395」を20cc加え、凝集沈殿させた。遠心脱水機で含水率を約60重量%になるように脱水した(1000rpm、10分)。得られた固形分を20g計り取り、標準離解機(東洋精機(株)製)で離解し、次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、マンガン型ゼオライト担持紙を得た。この紙の成分分析を行ったところ、坪量;136g/m2、パルプ;6.8g、F9ゼオラム;1.5g、二酸化マンガン;0.2gであった。重量%で表すと、パルプ分;80重量%、F9ゼオラム;17.6重量%、二酸化マンガン;2.3重量%であった。また、上記方法により求めた二酸化マンガンの残存率は44重量%であった。
二酸化マンガン(10g;和光純薬(株)製)、市販のX型ゼオライト80g「4Aゼオラム(東ソー(株)製)」、針葉樹クラフトパルプ(100g;王子製紙(株)製)を90Lの水道水が入ったポリ容器に入れ、24時間、室温で撹拌した。これに市販の沈殿凝集剤「ハイモロック E−395」を20cc加え、凝集沈殿させた。遠心脱水機で含水率を約60重量%になるように脱水した(1000rpm、10分)。得られた固形分を20g計り取り、標準離解機(東洋精機(株)製)で離解し、次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、マンガン型ゼオライト担持紙を得た。この紙の成分分析を行ったところ、坪量;136g/m2、パルプ;6.8g、F9ゼオラム;1.5g、二酸化マンガン;0.2gであった。重量%で表すと、パルプ分;80重量%、F9ゼオラム;17.6重量%、二酸化マンガン;2.3重量%であった。また、上記方法により求めた二酸化マンガンの残存率は44重量%であった。
比較例3 二酸化マンガン(1.4g;和光純薬(株)製)
実験例1 アセトアルデヒドの吸着・分解
実施例1、比較例1および比較例2のサンプルを10×10cmに切り取り、ガスバリアー性のバッグに入れ、封入した後、内部を脱気した。また比較例3についてはそのままガスバリアー性のバッグに入れ、封入した後、内部を脱気した。空気希釈したアセトアルデヒドガス50ppmを1.5Lガスバッグに入れ、このバッグを50℃に設定した電気乾燥機内に入れた時間を0分として内部の濃度をガス検知管(北川式)で経時的に調べた。結果を表1に示す。
実施例1、比較例1および比較例2のサンプルを10×10cmに切り取り、ガスバリアー性のバッグに入れ、封入した後、内部を脱気した。また比較例3についてはそのままガスバリアー性のバッグに入れ、封入した後、内部を脱気した。空気希釈したアセトアルデヒドガス50ppmを1.5Lガスバッグに入れ、このバッグを50℃に設定した電気乾燥機内に入れた時間を0分として内部の濃度をガス検知管(北川式)で経時的に調べた。結果を表1に示す。
上記表1より、本願のようにセルロースの実体内部にゼオライトを生成させ、このゼオライトに触媒性金属イオンをイオン交換法によって担持させた後、100℃以下で酸化処理を行ったシートは従来技術で得られた触媒シートより優れた触媒効果を示すことが判明した。
比較例4 パラジウム担持活性炭混抄紙
パラジウム担持活性炭(5g;和光純薬(株)製)、Na−カルボキシメチルセルロース(1g;和光純薬(株)製)、標準離解機(東洋精機(株)製)で離解した針葉樹クラフトパルプ(5g;王子製紙(株)製)を10Lの水道水が入ったポリ容器に入れ、1時間、室温で撹拌した。次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、パラジウム担持活性炭混抄紙を得た。この紙の成分分析を行ったところ、坪量;144g/m2、パルプ;5g、パラジウム担持活性炭;3.7g、酸化パラジウム;0.3gであった。重量%で表すと、パルプ分(カルボキシメチルセルロースを含む);55.5重量%、パラジウム担持活性炭;41.1重量%、酸化パラジウム;3.4重量%であった。
パラジウム担持活性炭(5g;和光純薬(株)製)、Na−カルボキシメチルセルロース(1g;和光純薬(株)製)、標準離解機(東洋精機(株)製)で離解した針葉樹クラフトパルプ(5g;王子製紙(株)製)を10Lの水道水が入ったポリ容器に入れ、1時間、室温で撹拌した。次いで角型抄紙機(熊谷理機工業(株)製;条件80メッシュ、自然水使用、吸引なし、水量15L、サイズ25×25cm)を使用して抄紙し、パラジウム担持活性炭混抄紙を得た。この紙の成分分析を行ったところ、坪量;144g/m2、パルプ;5g、パラジウム担持活性炭;3.7g、酸化パラジウム;0.3gであった。重量%で表すと、パルプ分(カルボキシメチルセルロースを含む);55.5重量%、パラジウム担持活性炭;41.1重量%、酸化パラジウム;3.4重量%であった。
実験例2 エチレンの吸着・分解
実施例2および比較例4のサンプルを10×10cmに切り取り、ガスバリアー性のバッグに入れ、封入した後、内部を脱気した。空気希釈したエチレンガス200ppmを1.5Lガスバッグに入れ、このバッグを室温に放置し、ガス注入時を0分として内部の濃度をガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製;GC−14A)で経時的に調べた。結果を表2に示す。
実施例2および比較例4のサンプルを10×10cmに切り取り、ガスバリアー性のバッグに入れ、封入した後、内部を脱気した。空気希釈したエチレンガス200ppmを1.5Lガスバッグに入れ、このバッグを室温に放置し、ガス注入時を0分として内部の濃度をガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製;GC−14A)で経時的に調べた。結果を表2に示す。
上記表2に示すように、本発明の触媒物質含有機能材は、エチレンの吸着分解能において、従来のシートよりも高性能であることが示された。
Claims (6)
- 親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体と、該無機イオン交換体に担持された触媒物質を含む触媒含有機能材であって、
該複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することにより得られた、機能材。 - 触媒物質が、鉄、ビスマス、カドミウム、ジルコニウム、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、銅、亜鉛、錫、銀、白金、パラジウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、イリジウム、ランタン、セリウム、イットリウムおよびサマリウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物である、請求項1記載の機能材。
- 無機イオン交換体がゼオライトである、請求項1または2記載の機能材。
- 親水性高分子が天然セルロースである、請求項1〜3のいずれかに記載の機能材。
- 酸化処理が、オゾン、空気、酸素および過酸化水素水から選ばれる少なくとも1種の酸化剤による酸化処理である、請求項1〜4のいずれかに記載の機能材。
- 親水性高分子基材と無機イオン交換体を含み、該無機イオン交換体が該親水性高分子基材の実体内に含有された無機イオン交換体−親水性高分子複合体の該無機イオン交換体に、触媒性金属イオンをイオン交換により担持させ、次いで、該触媒性金属イオンが担持された複合体を100℃以下で酸化処理することを含む、請求項1記載の触媒物質含有機能材の製造方法。
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