JP2001116588A - インクリメント信号発生装置 - Google Patents
インクリメント信号発生装置Info
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Abstract
信号を発生させる装置において、インクリメント信号の
発生密度を調整するとともに、物理量の絶対値に関する
情報を容易に取得できるようにする。 【解決手段】 物理量Xに対応する測定信号Sの値が単
位変化量ΔSだけ変化する度毎にインクリメント信号I
Sを発生させる一方、物理量Xの既知の値X0に対応す
る基準信号S0を別途発生させ、更に、測定信号Sの値
が基準信号S0の値を含む原点近傍範囲R0に入ったら
原点信号を発生させる。この原点信号に基づいて、外部
処理系は上記既知の値X0に対応する基準インクリメン
ト信号IS0を識別することができる。
Description
だけ変化する度毎に所定の信号(例えばパルス信号)を
発生させ、該信号を計数することにより前記目的信号の
値に関する情報を取得する技術に関する。
気パルスを発生させる方法の一つが特開平3−2935
20号公報に開示されている。この方法は、各電気パル
スの発生時点における物理量の測定値を記憶保持し、物
理量が記憶保持値に対して予め定められた基準ないし単
位量だけ変化する度毎に1個の電気パルスを発生させる
とともに、その時点における物理量の測定値を先の記憶
保持値に代えて記憶保持するという動作を反復するとい
うものである。
特開平3−293520号公報に記載の方法に基づいて
タイミング信号(例えば電気パルス)を発生させる方法
が開示されている。この方法は、特開平3−29352
0号公報に記載の方法に基づいたものであるが、特に、
物理量の測定値の記憶保持や物理量の現在値と前記記憶
保持値との比較といった処理をデジタル化したところに
特徴がある。このようにすれば、例えばパソコンを利用
して、物理量の測定値の記憶保持、該物理量の現在値と
前記記憶保持値との比較、及び、比較結果に応じたタイ
ミング信号(パルス信号又はそれに類する計数可能な信
号)の出力といった処理をソフトウェア的に実行するこ
とができる。
はタイミング信号を発生させる装置も開示されている
が、この装置は、いわゆるインクリメンタル型エンコー
ダとして利用することができる。すなわち、ある物理量
を入力として上記装置が発生する電気パルス又はタイミ
ング信号を外部の処理系へ入力すれば、その処理系にお
いては、前記電気パルス又はタイミング信号の計数値に
基づいて所定の処理を行うことにより、前記物理量の変
化に関する情報(例えば、ある時間における変化量や変
化の速度)を得ることができる。そこで、本明細書で
は、上記電気パルス又はタイミング信号のような信号を
インクリメント信号と呼び、そのような信号を発生させ
る装置をインクリメント信号発生装置と呼ぶことにす
る。
単位量を適宜変化させることによりインクリメント信号
の発生密度を変化させることができるが、これは、外部
処理系における物理量の測定分解能を任意に設定するこ
とができることを意味する。また、物理量がいかなる種
類のものであっても、その物理量をアナログ電気信号に
変換する適切な入力インターフェイス(センサ等)が利
用可能であれば、その物理量を上記インクリメント信号
発生装置へ入力することができる。従って、上記インク
リメント信号発生装置は、物体の位置や角度だけでな
く、温度、湿度、圧力等、様々な物理量の変化に関する
情報を取得するために応用することができる。
理量の絶対値に関する情報を取得しようとする場合、上
記インクリメント信号発生装置の出力するインクリメン
ト信号だけでは不十分である。本発明はこのような課題
を解決するために成されたものであり、その目的とする
ところは、入力された物理量の変化に関する情報だけで
なくその絶対値に関する情報をも取得できるような信号
を出力するようなインクリメント信号発生装置を提供す
ることにある。
に成された本発明に係るインクリメント信号発生装置
は、値の変化する目的信号を受け、所定のトリガ信号を
受けた時点において前記目的信号の値を参照値として記
憶保持するとともに、該参照値を示す保持信号を出力す
る保持手段、前記目的信号及び前記保持信号を受けて該
目的信号の値と前記参照値とを比較し、両値の差が所定
の単位変化量に達したときに1個のインクリメント信号
を外部へ出力するとともに前記トリガ信号を前記保持手
段へ送るインクリメント信号発生手段、前記目的信号の
既知の値である基準値を示す基準信号を発生させる基準
信号発生手段、及び前記目的信号及び前記基準信号を受
けて該目的信号の値と前記基準値とを比較し、該目的信
号の値が該基準値を含む所定範囲内に存在するか否かを
示す信号である原点信号を外部へ出力する原点信号発生
手段を備えることを特徴とする。
装置の各構成要素について説明する。
は、例えば、所定の物理量の測定用に構成されたセンサ
の出力信号のことである。目的信号は、アナログ信号で
もデジタル信号でもよい。なお、目的信号がデジタル信
号である場合、その量子化ビット数は、上記単位変化量
よりも十分小さい量を表現できるように十分大きくす
る。
トリガ信号を受けた時点においてその目的信号の値を参
照値として記憶保持するとともに、その参照値を示す信
号(保持信号)を出力する。このような保持手段は、例
えばサンプル・ホールド回路を利用して構成することが
できる。
の値と保持信号の値(参照値)とを常時比較し、両者の
差が所定の単位変化量に達したときに1個のインクリメ
ント信号を外部へ出力するとともに、保持手段へトリガ
信号を送る。このようなインクリメント信号発生手段
は、例えば比較器を利用して構成することができる。
範囲内で予め定められた既知の値(基準値)を示す基準
信号を発生させるもので、例えば電圧発生器を用いて構
成することができる。
信号の値(基準値)とを比較し、基準値を含む所定範囲
(以下、原点近傍範囲とよぶ)内に目的信号の値が存在
するか否かを示す信号である原点信号を外部へ出力す
る。原点信号は、例えば、目的信号の値が原点近傍範囲
内に存在するときにONとなり、それ以外のときにOF
Fとなる二値信号とする。原点信号発生手段は、例え
ば、目的信号及び基準信号を受けて両者の値を比較する
比較器を含む構成とする。
の信号発生動作について図1を参照しながら説明する。
以下の説明においては、ある物理量Xを測定するセンサ
が出力する測定信号Sを目的信号とする。また、センサ
により測定可能な物理量Xの範囲(入力範囲)をX1〜
X2とし、その範囲に対応する測定信号Sの値の範囲
(測定範囲)をS1〜S2とする。測定信号Sの値の単
位変化量をΔSとし、ΔSに対応する物理量Xの変化量
をΔXとする。ここで、ΔXは、本発明に係るインクリ
メント信号発生装置が出力するインクリメント信号に基
づいて外部処理系が物理量Xの変化量や絶対値を測定す
る際の分解能に相当する。また、物理量Xの既知の値X
0に対して測定信号Sの基準値S0が対応することが予
め分かっているものとし、基準値S0を含む幅Wの範囲
を原点近傍範囲R0とする。
走査するように物理量Xが変化する状況を考える。この
とき、測定信号Sの値も、測定範囲S1〜S2全体を走
査するように変化する。この間、インクリメント信号発
生手段は、保持手段により保持された参照値と測定値S
との差が単位変化量ΔSに達する度毎に1個のインクリ
メント信号ISを出力する。また、原点信号発生手段
は、基準信号発生手段から送られてくる基準信号の値に
基づいて原点近傍範囲R0の上限値及び下限値を決定
し、原点近傍範囲R0内に測定信号Sの値が存在する間
だけ原点信号BSをONにする。この原点信号BSをイ
ンクリメント信号ISとともに外部処理系へ入力すれ
ば、その外部処理系では、原点信号BSがONである間
に出力される1個のインクリメント信号IS0を、上記
基準値S0及び物理量の既知の値X0に対応する基準イ
ンクリメント信号として識別することができる。このよ
うに物理量の既知の値X0に対応する1個のインクリメ
ント信号が識別されれば、その後に出力されるインクリ
メント信号ISに基づき、それに対応する物理量Xの値
を算出することができる。
Wが小さすぎると、原点近傍範囲R0内でインクリメン
ト信号ISが1個も発生しなくなる。逆に、原点近傍範
囲R0の幅Wが大きすぎると、原点近傍範囲R0内で2
個以上のインクリメント信号ISが発生してしまう。こ
のような問題を考慮すると、原点近傍範囲R0の幅Wは
測定信号Sの値の単位変化量ΔSと同一かそれよりも僅
かに大きい程度に設定することが好ましい。このように
すると、原点近傍範囲R0内で少なくとも1個のインク
リメント信号ISが確実に発生し、しかも2個以上のイ
ンクリメント信号ISが発生する可能性が極めて低くな
る。
合、保持手段、インクリメント信号発生手段、基準信号
発生手段及び原点信号発生手段は、中央処理装置や記憶
装置を備えた電子計算機を利用したソフトウェアプログ
ラムにより実現することも可能である。このようにする
場合、保持手段及びインクリメント信号発生手段につい
ては、特開平5−99707号公報の図19〜図22及
びそれに関する明細書中の記載に基づいてこれを構成す
ることができる。基準信号発生手段は、例えば、記憶装
置に上記基準値を予め保存しておき、中央処理装置で
は、主プロセスから所定の命令を受けたときに記憶装置
から前記基準値を読み出してその値を示すデータ(この
データを搬送する信号が基準信号に相当する)を返すサ
ブルーチンを含むプログラムを動作させることにより、
これを構成することができる。原点信号発生手段は、例
えば上記基準値を含む所定の範囲の上限値と下限値を予
め記憶装置に保存しておき、中央処理装置では、主プロ
セスから渡される目的信号の値が前記上限値以下且つ前
記下限値以上である場合に真となる二値データ(このデ
ータを搬送する信号が原点信号に相当する)を返すよう
なサブルーチンを含むプログラムを動作させることによ
り、これを構成することができる。
説明する。
ント信号発生装置の概略的構成を示すブロック図であ
る。このインクリメント信号発生装置1において、セン
サ11は、入力された物理量Xに応じた電圧Vを出力す
る。A/D変換器13は、センサ11の出力する電圧V
を受け、その電圧値を示すデジタル信号である測定信号
Sを出力する。
は、保持器15及び第一の比較器16へ送られる。保持
器15は、後記微分器17が出力するトリガ信号TSを
受けた時点における測定信号Sを記憶保持するととも
に、保持された測定信号Sの値(参照値)を示す信号
(保持信号)Shを第一の比較器16へ送る。第一の比
較器16は、測定信号S及び保持信号Shを受けて両信
号の値を常時比較し、両値の差が単位変化量ΔSに達し
たら微分器17へ信号を送る。微分器17は前記信号を
受けた瞬間にパルス信号を出力する。このパルス信号は
インクリメント信号ISとして外部処理系へ出力される
とともに、トリガ信号TSとして保持器15へも送られ
る。トリガ信号TSを受けた保持器15は、その時点に
おいて測定信号Sの値を新たな参照値として保持する。
号Sは、第二の比較器18へも送られる。第二の比較器
18は、上記測定信号Sと、基準信号発生器20が出力
する基準信号S0とを受け、基準信号S0の値(基準
値)を含む原点近傍範囲R0内に測定信号Sの値が含ま
れている間だけ原点信号BSをONにする。この原点信
号BSは外部処理系へ送られる。外部処理系において
は、原点信号BSがONである間に微分器17が出力す
るインクリメント信号ISを基準インクリメント信号I
S0として識別し、その信号IS0を物理量の既知の値
X0と対応させることができる。
ある場合における図2のインクリメント信号発生装置1
の構成例について説明する。
ータリーエンコーダの一例を示すものである。このロー
タリーエンコーダ30は、2つのポテンショメータPa
及びPbを用いて回転軸31の回転位置を示す電圧を発
生するように構成された多回転型ロータリーエンコーダ
である。ポテンショメータPaは、一定の電圧が印加さ
れる一対の入力端子Pa1及びPa2、及び、回転軸3
1の回転位置に応じて変化する電圧Vaを出力する出力
端子Pa3を有する。同様に、ポテンショメータPbも
一対の入力端子Pb1及びPb2、及び、出力端子Pb
3(出力電圧Vb)を有する。図4は、ポテンショメー
タPa及びPbの出力電圧Va及びVbと回転軸31の
回転位置θとの関係を示すグラフである。図に示したよ
うに、電圧Va及びVbは波形が同一で180°の位相
差を有する。電圧Vaの有効角度範囲は0〜180°で
あり、電圧Vbの有効角度範囲は180〜360°であ
る。また、有効角度範囲に対応する電圧範囲はVn〜V
xである。
センサ11に相当するものである。しかし、このロータ
リーエンコーダ30は電圧の出力端子を2つ(Pa3、
Pb3)備えているため、そのままセンサ11と置換す
ることはできず、有効角度範囲毎に2つの電圧Va及び
Vbを切り換えていずれか一方を図2の電圧Vとして保
持器15へ送るための仕組みが別途必要である。このよ
うな仕組みは、例えば、特開平5−99707号公報の
図6及びそれに関する明細書中の説明に基づいて構成す
ることができる。
の基準信号発生器20の一部に相当するものである。基
準電圧発生器32は、ポテンショメータPaの入力端子
Pa1及びPa2の間に印加される電圧を一対の抵抗r
1及びr2により分圧して得られる電圧V0を発生させ
る。この電圧V0は、基準信号発生器20に備えられた
A/D変換器(図示せず)によりデジタル信号に変換さ
れる。このデジタル信号が基準信号S0として第二の比
較器18へ送られ、第二の比較器18は、上述のように
基準信号S0と測定信号Sとを比較し、比較結果に応じ
て原点信号BSを外部処理系へ出力する。この原点信号
BSに基づいて、外部処理系は、先に説明したような処
理を行うことにより、基準電圧V0(及び図4の回転位
置θ0)に対応する基準インクリメント信号を識別する
ことができる。
いて構成されたインクリメント信号発生装置1の角度分
解能を1°に設定することを考える。このためには、理
論上は、第一の比較器16における比較判定で用いられ
る単位変化量ΔSを次式ΔS=(Vx−Vn)/180
により求められる値とすればよい。しかし、実際に設定
される単位変化量ΔSの値を上記理論値と完全に一致さ
せることは不可能であって、そこには必ず誤差が発生す
る。この誤差は、回転軸31が連続的に多数サイクル回
転する間に蓄積され、その結果、各インクリメント信号
に対応する回転位置θの実際の値が徐々に変化してしま
う。
較器16は、単位変化量ΔSの値を適宜変更(補正)で
きるような構成とすることが好ましい。そして、外部処
理系においては、各サイクル(一の基準インクリメント
信号の発生から次の基準インクリメント信号の発生ま
で)において発生するインクリメント信号の数を計数
し、その計数値が所定値(例えば、角度分解能が1°で
あれば360個)より大きくなった場合(あるいは、1
サイクルの完了前に計数値が所定値に達した場合)には
ΔSを僅かに大きくし、逆に計数値が所定量より小さく
なった場合(あるいは、サイクルの完了時に計数値が所
定値に満たない場合)にはΔSを僅かに小さくする、と
いう補正処理を行う。ここで、補正によりΔSを変化さ
せる量は上記誤差よりも大きくΔSよりも十分に小さい
量とする。このような補正処理を行えば、多数サイクル
に渡る連続回転においてもインクリメント信号が発生す
る回転位置の誤差が累積拡大することがない。なお、単
位変化量ΔSの値が変更可能であるような比較器は、例
えば、特開平5−99707号公報の図13及びそれに
関する明細書中の説明に基づいて構成することができ
る。
メント信号発生装置の概略的構成を示すブロック図であ
る。このインクリメント信号発生装置は、入力された物
理量Xに応じた電圧V1を出力するセンサ11の他に、
センサ11の出力電圧V1と等価な電圧V2を発生させ
る電圧発生器12を備えている。センサ11及び電圧発
生器12の出力はスイッチ14の入力に接続されてお
り、スイッチ14の出力はA/D変換器13の入力に接
続されている。A/D変換器13の出力信号が測定信号
Sとして保持器15に入力される。
スイッチ14を電圧発生器12側にセットし、電圧発生
器12からの出力電圧V2を適宜変化させることによ
り、測定信号Sの値を、測定範囲S1〜S2全体を走査
するようなパターンで変化させることができる。このと
き、測定信号Sの変化に応じてインクリメント信号IS
が発生するから、先に説明したような方法で基準値S0
に対応する基準インクリメント信号IS0を識別するこ
とができる。このように、図5のインクリメント信号発
生装置2では、物理量Xを実際に変化させなくても基準
インクリメント信号を識別することができるのである。
クリメント信号発生装置の概略的構成を示すブロック図
である。このインクリメント信号発生装置3において、
センサ11の出力電圧V1は第一のA/D変換器13a
によりデジタル信号Saに変換されてスイッチ21の一
方の入力端子へ送られ、電圧発生器12の出力電圧V2
は、第二のA/D変換器13bによりデジタル信号Sb
に変換されてスイッチ21の他方の入力端子へ送られ
る。スイッチ21の出力端子から出力される測定信号S
は保持器15、第一の比較器16及び第二の比較器18
へ送られる。また、第一のA/D変換器13aの出力信
号Sa及び保持器15等へ入力される測定信号Sは第三
の比較器22へも送られる。
13aの出力信号Saと、スイッチ21により選択され
た信号Sの値とを受け、前者の値Saを含む所定の値範
囲R1内に後者の値Sが存在するときにONになる信号
PSを出力する。例えば、スイッチ21を第一のA/D
変換器13a側にセットした場合、測定信号Sは第一の
A/D変換器13aの出力信号Saと常に同一であるか
ら、上記信号PSは常にONになる。一方、スイッチ2
1を第二のA/D変換器13bの側にセットした場合、
上記信号PSは、第一のA/D変換器13aの出力信号
Saの値と、第二のA/D変換器13bの出力信号Sb
の値とが等しいときのみONになる。
器13aの出力信号Saは、その時点における物理量X
の現在値を示す。従って、上記信号PSは、測定信号S
が物理量Xの現在値にほぼ等しい値を示しているときに
ONになる信号とみなすことができる。そこで、この信
号PSを以下では現在値検出信号とよぶ。
について図1及び図6を参照しながら説明する。
も、スイッチ21を第二のA/D変換器13b側にセッ
トし、電圧発生器12からの出力電圧V2を適宜変化さ
せることにより、上記インクリメント信号発生装置2と
同様に、測定信号Sの値を、測定範囲S1〜S2全体を
走査するようなパターンで変化させることができる。こ
のとき、測定信号Sの変化に応じてインクリメント信号
ISが発生するから、先に説明したような方法で、基準
値S0に対応する基準インクリメント信号IS0を外部
処理系において識別することができる。このように、イ
ンクリメント信号発生装置3でも、物理量Xを実際に変
化させることなく、基準インクリメント信号を識別する
ことができる。
力信号に基づいて物理量Xの現在値を求める手順につい
て説明する。まず、スイッチ21を第二のA/D変換器
13b側にセットし、先に説明したような手順で基準イ
ンクリメント信号IS0を検出する。そして、測定信号
Sの値が基準値S0から第一のA/D変換器13aの出
力信号Saの値に近づくように、電圧発生器12の電圧
V2を変化させる。外部処理系においては、基準インク
リメント信号IS0が発生した後、現在値検出信号PS
がONとなり、1個のインクリメント信号が発生するま
でに発生するインクリメント信号の数Nを計数する。た
だし、この計数値Nは、測定信号Sが単位変化量ΔSだ
け増加する度毎に1を加え、測定信号Sが単位変化量Δ
Sだけ減少する度毎に1を減ずるという方法で計算す
る。こうして計数値Nが求められれば、物理量Xの現在
値Xpは次式 Xp=X0+N×ΔX により求められる。
クリメント信号発生装置の概略的構成を示すブロック図
である。このインクリメント信号発生装置4は、図2の
インクリメント信号発生装置2の構成要素に加えて、A
/D変換器13と保持器15との間に配設された2つの
スイッチ23、24、及び、保持器15が出力する保持
信号Shを受け、該保持信号Shの値よりも単位変化量
ΔSだけ小さい値を有する信号Sh−ΔSを出力する減
算器25を備えている。
について図7及び図8を参照しながら説明する。なお、
以下の説明では、測定信号Sの基準値S0が図1で示し
た測定範囲S1〜S2の上限値S2と略等しく設定され
ているものとする。
に示したように2つのスイッチ23、24の設定を図8
(a)〜(c)に示した3通りの設定から選択すること
により、保持器15へ送る信号を3通りに切り換えるこ
とができる。
23、24をセットする。この場合、センサ11の出力
電圧をA/D変換器13で変換して得られる信号Sが保
持器15へ送られるようになる。このとき、全体の回路
構成は実質的に図2の回路構成と同一になるから、図7
の装置4は、図2の装置1に関して先に行った説明が全
て該当するような装置となる。装置4による通常のイン
クリメント信号発生動作(物理量Xの測定動作)は、こ
のようにスイッチ23、24をセットした状態で行う。
23、24をセットする。すると、保持器15には基準
信号発生器20が発生する基準信号S0が送られ、保持
器15が保持する参照値は基準値S0にリセットされる
(この動作を以下では保持値リセット呼ぶ)。このと
き、もし微分器17からインクリメント信号ISが発生
しなければ、それは測定信号Sの値が基準値S0と略等
しい(すなわち、両値の差は単位変化量ΔSより小さ
い)ことを意味する。従って、外部処理系においては、
保持値リセットを行ったときにインクリメント信号IS
が検出されないことをもって、その時点における測定信
号Sの値が基準値S0に等しいと判断することができ
る。この後は、図8(a)に示したようにスイッチ2
3、24をセットし、通常のインクリメント信号発生動
作に移行すればよい。
インクリメント信号が検出されたら、それは、その時点
における測定信号Sの値が基準値S0と異なること(こ
の実施例では、先に述べたようにS0をSの上限値S2
と略等しく設定しているから、測定信号Sの値が基準値
S0より小さいこと)を意味する。このような場合、ス
イッチ24を図8(c)に示したようにセットする(ス
イッチ23はA/D変換器13及び基準信号発生器20
のいずれの側にセットしてもよい)。図8(c)のよう
にスイッチ24をセットすると、保持器15の出力する
保持信号Shの値を減算器25により単位変化量ΔSだ
け減じた信号Sh−ΔSが保持器15へ入力され、この
信号の値が新たな参照値Shとされる。そして、この新
たな保持信号Shと測定信号Sとが比較器15により比
較され、両信号の値の差がΔSよりまだ大きければ、更
に1個のインクリメント信号IS及びトリガ信号TSが
微分器17から出力され、上記新たな保持信号Shの値
から更にΔSだけ値を小さくした信号が減算器25から
保持器15へ送られる。こうして、比較器16では、基
準値S0を初期値として保持信号Shの値を単位変化量
ΔSずつデクリメントしながら保持信号Shと測定信号
Sとの比較が繰り返され、微分器17からは、保持信号
Shの値と測定信号Sの値との差がΔSよりも小さくな
るまで、一定時間間隔でインクリメント信号ISが出力
される。
ト以降、上記のように一定時間間隔で発生するインクリ
メント信号ISを計数する。そして、先のインクリメン
ト信号ISの発生後、上記一定時間より長く設定された
所定時間の間に次のインクリメント信号が検出されなか
った場合に、保持信号Shの値が測定信号Sの値と等し
くなった(両値の差がΔSより小さくなった、すなわち
測定信号Sの現在値が検出された)ものとみなし、その
時点におけるインクリメント信号ISの計数値Nを測定
信号Sの現在値に対応する計数値とする。この後は、図
8(a)に示したようにスイッチ23、24をセット
し、通常のインクリメント信号発生動作に移行すればよ
い。
クリメント信号の計数値Nは次のような方法で取得して
も良い。すなわち、保持値リセット以降、外部処理系に
おいて、上記のようにインクリメント信号ISを計数す
るとともに、保持値リセット時点からの経過時間を計測
する。そして、その経過時間が、保持信号Shの値が基
準値S0から段階的に変化して測定信号Sの値に達する
のに十分な時間として予め定められた最大経過時間に達
したら、その時点におけるインクリメント信号ISの計
数値Nを、測定信号Sの現在値に対応する計数値とす
る。なお、上記最大経過時間は例えば次のようにして定
める。すなわち、保持信号Shを1回デクリメントさせ
る動作にかかる時間をΔtとするとき、保持値リセット
から現在値検出までの時間の最大値txは、次式 tx=Δt×(S2−S1)/ΔS で与えられる。従って、最大経過時間を上記txの値よ
り大きく設定しておけば、確実に測定信号Sの現在値を
検出することができるのである。
1で示した測定範囲S1〜S2の上限値S2と略等しく
設定されているものとしたが、基準値S0を下限値S1
と略等しく設定するとともに、減算器25の代わりに加
算器を用いても、上記と同様に測定信号Sの現在値に対
応するインクリメント信号の計数値を求めることができ
る。
リメント信号発生装置1〜4では、センサ11の出力信
号をA/D変換器13又は13aによりデジタル信号に
変換して各種処理を行うものとしたが、特開平3−29
3520号公報に記載の方法及び装置のようにアナログ
信号で各種処理を行う装置の場合、A/D変換器(1
3、13a、13b)が不要である点が異なるだけで、
信号処理については、上に説明したような手順をそのま
ま応用することができる。
報では、まず発明の最も基本的な要素に相当する装置
(基本装置)が図1に開示され、更にその基本装置を応
用又は変形したより複雑な形態の装置、例えば、物理量
の値の異なる有効範囲に対応する複数のセンサ(変換
器)を備える装置(同公報の図3)、物理量の変化の方
向(増加/減少)にそれぞれ対応する2つの比較器及び
微分器を備える装置(同公報の図7)、あるいはそれら
を組み合わせた各種装置が開示されているが、これと同
様に、本願についても、例えば図2の装置を基本装置と
し、特開平3−293520号公報を参考にして、基本
装置を応用又は変形したより複雑な形態の装置を構成す
ることが可能である。もちろん、信号処理をデジタル化
する場合は、特開平5−99707号公報を参考にして
もよい。
リメント信号発生装置では、測定対象とする物理量を実
際に変化させることなく、物理量の既知の値に対応する
インクリメント信号を識別したり、物理量の現在値を求
めることができる。そして、それが出力する各種信号を
処理することにより、外部制御系において、各インクリ
メント信号の発生時点における物理量の絶対値に関する
情報を容易に取得することができる。
信号発生動作を説明するための図。
発生装置の概略的構成を示すブロック図。
として利用できるロータリーエンコーダの一例を示す
図。
圧)と回転位置との関係を示すグラフ。
号発生装置の概略的構成を示すブロック図。
ト信号発生装置の概略的構成を示すブロック図。
ト信号発生装置の概略的構成を示すブロック図。
ッチの3通りの設定を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 値の変化する目的信号を受け、所定のト
リガ信号を受けた時点において前記目的信号の値を参照
値として記憶保持するとともに、該参照値を示す保持信
号を出力する保持手段、 前記目的信号及び前記保持信号を受けて該目的信号の値
と前記参照値とを比較し、両値の差が所定の単位変化量
に達したときに1個のインクリメント信号を外部へ出力
するとともに前記トリガ信号を前記保持手段へ送るイン
クリメント信号発生手段、 前記目的信号の既知の値である基準値を示す基準信号を
発生させる基準信号発生手段、及び前記目的信号及び前
記基準信号を受けて該目的信号の値と前記基準値とを比
較し、該目的信号の値が該基準値を含む所定範囲内に存
在するか否かを示す信号である原点信号を外部へ出力す
る原点信号発生手段を備えることを特徴とするインクリ
メント信号発生装置。 - 【請求項2】 上記目的信号の値の可変範囲に含まれる
所定区間内で発生する上記インクリメント信号の数を計
数する計数手段、及び上記インクリメント信号の計数値
が所定値と等しいか否かを判定し、該計数値が該所定値
と異なるときに上記単位変化量を補正する補正手段を更
に備えることを特徴とする請求項1に記載のインクリメ
ント信号発生装置。 - 【請求項3】 測定されている物理量の実際の値を示す
実信号を出力する物理量検出手段、 前記実信号と等価な信号であって、その値を任意に変化
させることのできるダミー信号を発生させるためのダミ
ー信号発生手段、 上記保持手段へ送るべき目的信号を前記実信号及び前記
ダミー信号の間で切り換えるためのスイッチ、及び前記
実信号及び前記ダミー信号を受けて該実信号の値及び該
ダミー信号の値を比較し、両値の差が所定値より小さく
なったときに現在値検出信号を出力する現在値検出手段
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の
インクリメント信号発生装置。 - 【請求項4】 測定されている物理量の実際の値を示す
実信号を出力する物理量検出手段、 前記実信号と等価な信号であって、その値が所定パター
ンで変化するダミー信号を発生させるためのダミー信号
発生手段、及び上記保持手段へ送るべき目的信号を前記
実信号及び前記ダミー信号の間で切り換えるためのスイ
ッチを備え、 上記インクリメント信号発生手段は、前記ダミー信号の
値が前記所定パターンで変化する間、該ダミー信号及び
前記実信号を受けて該実信号の値及び該ダミー信号の値
を比較し、両値の差が所定値より小さくなるまで上記イ
ンクリメント信号を出力することを特徴とする請求項1
又は2に記載のインクリメント信号発生装置。
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JP29675799A Expired - Lifetime JP4847639B2 (ja) | 1999-10-19 | 1999-10-19 | インクリメント信号発生装置 |
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