JPH07139967A - エンコーダの信号処理回路 - Google Patents

エンコーダの信号処理回路

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JPH07139967A
JPH07139967A JP28787493A JP28787493A JPH07139967A JP H07139967 A JPH07139967 A JP H07139967A JP 28787493 A JP28787493 A JP 28787493A JP 28787493 A JP28787493 A JP 28787493A JP H07139967 A JPH07139967 A JP H07139967A
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signal
signals
multiplication
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position detection
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JP28787493A
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Inventor
Norio Okuya
憲男 奥谷
Yasunao Okazaki
安直 岡▲崎▼
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置検出センサが位相差を有する複数の信号
を出力するインクリメンタル型のエンコーダにおいて、
複数の位置検出センサの出力信号を1つの処理回路で処
理し、多軸対応の場合であっても小規模な構成で処理を
行う。 【構成】 複数の位置検出センサ1a、1bの出力信号
を取り込み、それらの出力信号の中から信号処理する信
号を選択し切り換える入力処理切換手段2を設け、複数
の位置検出センサ1a、1bの出力信号のうち処理する
信号を入力処理切換手段2により順次切換えて行き、逓
倍などの信号処理回路を共用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクリメンタル型の
エンコーダの信号処理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、産業用ロボットなど多軸の装置に
エンコーダを適用する場合には、各軸に位置検出センサ
を取付け、各位置検出センサに対して1対1に位置検出
センサの個数分だけの信号処理回路を設け、各信号処理
回路から各軸の位置情報を得る方式がとられている。
【0003】また、従来のインクリメンタル型のエンコ
ーダの信号処理回路では、通常より高分解能な位置情報
を得るために、位置検出センサより出力される90°位
相差をもつ2つの正弦波信号をもとに、抵抗素子で構成
した逓倍回路により電気的に逓倍を行い、位置検出セン
サより出力される信号よりも高分解能な90°位相差を
もつ逓倍矩形波信号を生成し、この逓倍矩形波信号をも
とにアップダウンカウンタにより計数し、位置検出を行
うという構成をとっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように多軸装置の各軸に取付けられた位置検出センサの
個数分の信号処理回路を設けると、装置の大規模化につ
ながり、コスト的にも問題があった。
【0005】また、抵抗素子による逓倍回路では、逓倍
数の低い範囲においては比較的安価で簡潔な回路にて構
成できるという利点があるものの、256逓倍といった
逓倍数の高い範囲になると、回路の規模が非常に大きく
なり、実用上スペース的にも実現が困難になるという問
題があった。
【0006】また、抵抗素子による逓倍回路では、回路
を構成する抵抗素子やオペアンプの個々の精度が逓倍精
度に影響するため、逓倍精度を確保しようとした場合、
精度の良い抵抗素子やオペアンプを使わざるを得ず、回
路が高価になるという問題があった。
【0007】さらに、アップダウンカウンタによる逓倍
矩形波の計数に関しては、逓倍数が低い範囲では、矩形
波のパルス間隔は十分長く、アップダウンカウンタも十
分に動作可能であるが、信号が高速で変化する場合や逓
倍数が高い場合にはパルス間隔が短くなり、アップダウ
ンカウンタが計数できなくなる恐れがあるという問題も
あった。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、1つ
の処理回路で複数の位置検出センサの出力信号を処理で
き、多軸対応の場合であっても小規模な構成で処理を行
い、省スペース、低コスト化を実現でき、また高速・高
逓倍においても検出エラーのない位置検出を実現できる
エンコーダの信号処理回路を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、位置検出セン
サが位相差を有する複数の信号を出力するインクリメン
タル型のエンコーダにおいて、複数の位置検出センサの
出力信号を取り込み、それらの出力信号の中から信号処
理する信号を選択し切り換える入力処理切換手段を備え
たことを特徴とする。
【0010】好適には入力処理切換手段に入力信号を一
時的に保持するサンプルホールド手段が設けられる。
【0011】また好適には、入力処理切換手段から出力
された複数の信号のうち少なくとも2つの信号を選択す
る選択手段と、選択手段により選択された信号を逓倍す
る信号逓倍手段が設けられる。
【0012】その場合に、好適には入力信号をもとに複
数の中間位相信号を合成する合成手段が入力処理切換手
段に設けられる。
【0013】また、入力処理切換手段から出力された複
数の信号をもとに逓倍を行う逓倍手段と、逓倍手段の出
力信号を位置データに変換する位置データ変換手段と、
変換結果にもとづき出力する信号を選択する選択手段
と、選択された信号にもとづき逓倍信号1周期間を絶対
値的に高分解能で逓倍する高分解能逓倍手段が設けら
れ、さらに好適には高分解能逓倍手段がA/Dコンバー
タにて構成される。
【0014】
【作用】本発明によれば、複数の位置検出センサの出力
信号のうち処理する信号を入力処理切換手段により順次
切り換えることによって、逓倍などの信号処理回路を共
用化でき、各位置検出センサに対して1対1に信号処理
回路を設ける必要がなくなり、1つの信号処理回路で複
数の位置検出センサの出力信号の信号処理が可能とな
る。
【0015】また、サンプルホールド手段を設けること
により、各位置検出センサからの出力信号を同時にサン
プルホールドし、次のサンプルホールドタイミングまで
に入力処理切換手段で順次処理を行えば、1つの信号処
理回路で同じサンプルホールドタイミングの信号に対し
て処理することができる。
【0016】また、選択手段を設けて入力処理切換手段
より出力される複数の信号のうち逓倍を行う信号を順次
切換えることにより、逓倍回路を共用化でき、各信号に
対して1対1に逓倍回路を設ける必要がなく、1つの逓
倍回路で位置検出センサの出力信号の逓倍が可能とな
る。
【0017】また、位置検出センサの出力信号の中間位
相の信号を合成する合成手段を設けることにより、選択
手段にて出力信号又は合成信号を選択して逓倍すれば、
高精度な逓倍の可能な信号の特定の区間を利用すること
が可能となる。
【0018】さらに、複数段の逓倍処理系を設け、高い
分解能を絶対値的に逓倍処理することにより、たとえ位
置検出誤差が生じた場合でも誤差が累積せず、誤差が消
滅した時点で正確な位置検出に復帰することができる。
【0019】さらに、A/Dコンバータにより高分解能
の逓倍を行うことにより、抵抗による逓倍のように抵抗
素子の個々の精度が全体の逓倍精度に影響したり、逓倍
前の信号の振幅変化が逓倍精度に影響するということが
なくなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明のエンコーダの信号処理回路の
一実施例を図1〜図9を参照しながら説明する。
【0021】図1において、2つの位置検出センサ1
a、1bから出力された位置信号が入力処理切換手段2
に入力され、増幅などの処理をされた後どちらか一方か
らの信号が選択され、逓倍手段3及び選択手段4に出力
される。逓倍手段3にて逓倍された信号は、位置データ
変換手段5で位置データに変換されて出力される。この
位置データは選択手段4に対しても信号選択指令として
出力され、選択手段4はこの信号選択指令をもとに信号
を選択して高分解能逓倍手段6に出力する。この高分解
能逓倍手段6にて選択された信号は逓倍され、位置デー
タ変換手段5で位置データに変換されて出力される。こ
うして信号処理回路で処理されて出力された位置データ
を外部処理手段21で利用することにより、位置検出セ
ンサ1a、1bが検出した位置情報を得ることができ
る。なお、7は信号処理回路の各手段の動作タイミング
を制御するタイミング制御手段である。
【0022】次に、各手段の詳細な構成について、図
2、図3を参照しながら説明する。なお、図1の位置検
出センサ1a、1bは、照明手段、スリットを刻んだ可
動スリット板及び読取スリット板、光検出手段などで構
成される一般的な光学式のエンコーダで、測定動作時に
可動スリット板の移動に伴って90°位相差をもった2
つの正弦波位置信号、A相信号(以下、信号A)とB相
信号(以下、信号B)を出力する。
【0023】図2において、入力処理切換手段2には、
各入力信号を増幅するヘッドアンプ8a〜8dと、反転
アンプ19a〜19dと差動アンプ20a〜20dを有
し、各入力信号とその反転信号を送信してそれらの受信
信号の差動信号を出力するようにした伝送手段10a〜
10dと、タイミング制御手段7からのタイミング指令
によって入力信号を一時的にホールドするサンプルホー
ルド手段11a〜11dとが、2つの位置検出センサ1
a、1bの信号A、信号Bのそれぞれに対応して4系統
設けられている。サンプルホールド手段11a〜11d
の後段には、入力切換回路12が設けられ、タイミング
指令に基づき、2つの位置検出センサ1a、1bからの
出力信号を切り換える。さらに後段には、オペアンプな
どで構成された中間位相信号の合成手段13が設けら
れ、図4に示すように信号A、信号Bの中間位相の信号
C、信号Dや、信号A〜Dの反転信号、信号−A〜−D
が生成されて出力される。
【0024】ハードウェア的には、ヘッドアンプ8a〜
8dは位置検出センサ1a、1bが取付けられた装置本
体に配設され、サンプルホールド手段11a〜11d以
後の信号処理回路の主要部は被測定装置外部に配設さ
れ、両者を伝送手段10a〜10dにて中継した構成と
なっている。
【0025】次に、図3は、逓倍手段3、選択手段4、
高分解能逓倍手段6、および位置データ変換手段5の詳
細構成を示す。14a〜14dは正弦波を矩形波に変換
する信号変換回路であり、図4に示すA、B、C、D各
位相の信号を図7に示す矩形波信号Ap 、Bp 、Cp 、
Dp に変換する。15はNANDゲートなどで構成され
る論理回路であり、逓倍手段と位置データ変換手段の両
機能を兼ねており、図7に示すように、Ap 〜Dp の矩
形波信号を8逓倍し、3ビットの位置データPD5、P
D6、PD7に変換する。16は選択手段4を構成する
マルチプレクサであり、A〜D、−A〜−Dの8信号の
うち特定の2つの信号を選択してA/Dコンバータ17
に出力する。A/Dコンバータ17は、高分解能逓倍手
段と位置データ変換手段の両機能を兼ねており、マルチ
プレクサ16より出力された2つの信号をもとにA/D
変換を行い、5ビットの位置データPD0、PD1、P
D2、PD3、PD4を出力する。なお、本実施例で使
用しているA/Dコンバータは、アナログ・デバイセズ
社製の8ビットA/DコンバータAD7821であり、
IN、VREF(+) 、VREF(-)の3つの入力端子をもち、
この3入力に基づいた信号電位のA/D変換が行われ
る。
【0026】次に、以上の信号処理回路において行われ
る信号処理を図2〜図9を参照しながら詳細に説明す
る。
【0027】位置検出センサ1a、1bより出力された
正弦波の位置信号A、Bは、まずヘッドアンプ8a〜8
dで増幅された後、伝送手段10a〜10dにて反転ア
ンプ19a〜19dで反転された信号とともに信号線を
通して伝送され、差動アンプ20a〜20dに入力され
る。従って、たとえ信号線にノイズがのったとしても、
同相ノイズであれば差動アンプ20a〜20dにより除
去されるため、対ノイズ性に優れている。
【0028】次に、差動アンプ20a〜20dより出力
された信号は、サンプルホールド手段11a〜11dに
よりタイミング制御手段7より出力されるタイミング指
令に基づいて同時にかつ一定時間間隔で、一定時間ホー
ルドされて出力される。なお、このサンプルホールド動
作によって、位置信号は図5(a)に示すように、時間
的に離散値の階段状信号に変換されるが、サンプルホー
ルド間隔は十分に短いので、多くの場合図5(b)に示
すような連続信号として扱うことができる。そのため、
以下の説明では信号を図5(b)のような連続信号とし
て説明を進め、必要な箇所では階段状のサンプルホール
ド信号としての性質にそって説明を行う。また、信号を
表す文字の表記に関しても、サンプルホールドされる以
前の信号A、Bと区別することなくA、Bを使用する。
【0029】さて、サンプルホールド手段11a〜11
dによりホールドされた信号は、入力切換回路12に入
力され、ここで2つの位置検出センサ1a、1bからの
信号のうちどちらか一方が選択され、以後の処理回路に
より処理がなされる。選択する信号は、図6のタイミン
グチャートに示すように、タイミング制御手段7からの
タイミング指令に基づき、同一のサンプルホールドタイ
ミングの内に一度の切換えがなされる。即ち、同一時間
にサンプルされた2つの位置検出センサ1a、1bの出
力信号が切換えられ、次のサンプルホールドタイミング
までに順次一度づつ処理回路に流されて処理される。
【0030】このように各位置検出センサ1a、1bか
らの信号を同一のサンプルホールドタイミングでホール
ドし、ホールドされた信号を信号処理回路にて時分割処
理にて処理し、順次得られる位置データを利用すること
により、得られる2つの位置データ間に時間的な同時性
が保証される。したがって、ロボットなどの多軸装置に
適用した場合でも、時間的に一致した関節角度情報を得
ることができ、制御上の問題を生じない。
【0031】なお、外部処理手段21はタイミング制御
手段7の発するタイミング指令をモニタすることによ
り、現在位置検出センサ1a、1bのどちらの位置デー
タが出力されているか、同一のサンプルホールドタイミ
ングによる位置データはどれかを知ることができる。た
だし、外部処理手段21が位置データを取り込むにあた
っては、信号処理回路の応答性の問題があるので、入力
の切換えと同時に取り込むのではなく、位置データの出
力が安定してから取り込まなければならない。
【0032】以上のように本実施例では入力切換回路1
2により複数の位置検出センサ1a、1bの出力信号の
処理が時分割で行われるので、逓倍回路などの大部分の
信号処理回路の共用化が図られる。
【0033】次に、合成手段13では出力されたサンプ
ルホールド信号A、Bをもとに、オペアンプ等で構成さ
れる合成回路により、図4(a)に示すような中間位相
信号C、D、及びそれらの信号の反転信号−A、−B、
−C、−Dが生成される。C、D信号は、C=1/√2
(A+B)、D=1/√2(−A+B)の計算式によっ
て得られる信号であり、位相的には信号Cは信号Aより
45°位相がずれた信号で、信号Dは信号Aより135
°位相がずれた信号である。
【0034】次に、逓倍手段および位置データ変換手段
での処理について説明する。ここでは、A〜Dの4信号
が利用される。これら4信号は、まず正弦波−矩形波変
換回路14a〜14dにおいて正弦波信号A〜Dから矩
形波信号Ap 〜Dp に変換される。変換された矩形波信
号Ap 〜Dp は、図7に示すように、1/8周期づつず
れた矩形波信号となる。ここで、Ap 信号の1周期を基
準にして考えると、Ap 〜Dp の矩形波信号の論理状態
によって、図7に示すPh0〜Ph7の8つの象限が存
在することになる。論理回路15においては、論理処理
を行うことにより、Ap 〜Dp の矩形波信号をもとにP
h0〜Ph7の象限を示す位置データ位置データを3ビ
ットデータPD5〜PD7として出力する。例えば、矩
形波の電位レベルの高い方を1、低い方を0とすると、
象限Ph2ではAp :0、Bp :0、Cp :0、Dp :
1という状態であり、他とは区別できる。さらに、論理
処理により象限Ph2の時に位置データPD7:0、P
D6:1、PD5:0が出力されるように論理回路の設
計を行えばよい。このように、論理回路15においては
逓倍処理(8逓倍)と位置データ変換処理が一度に行わ
れる。
【0035】次に、選択手段4(マルチプレクサ16)
での処理について説明する。選択手段4にはA〜−Dの
8つの正弦波信号が入力され、この8信号の中の特定の
2信号が選択指令にもとづいて選択され、出力される。
選択手段4に入力される選択指令は、論理回路15によ
り出力される3ビットの位置データであり、したがって
選択手段4の選択パターンとして、上記8象限Ph0〜
Ph7に対応する8パターンが得られることになる。そ
こで、本実施例では論理回路15において検出した8象
限に応じて図4(b)に示すような選択が行われるよう
に回路を設計している。すなわち、正弦波信号の中で略
リニアな特定区間が選択され出力されるようになってい
る。
【0036】このように信号の略リニアな区間のみが選
択され、逓倍回路に出力されることにより、逓倍回路に
おいてA/Dコンバータ17の使用が可能となる。選択
手段4により選択された信号はそれぞれ、A/Dコンバ
ータ16のVREF(+)およびVREF(-)入力端子に入力され
る。また、VINはGND(絶対電位0)に接続されてい
る。これら3入力に基づいた5ビットのA/D変換値
〔X〕は、次の(1) 式によって算出されるXを超えない
最大の整数によって与えられる。
【0037】
【数1】
【0038】なお、A/DコンバータAD7821は、
8ビットのA/Dコンバータであるが、本実施例では対
ノイズ性、安定性などを考慮にいれ、下位3ビットを切
捨て、上位5ビットの変換値を用いるようにしている。
【0039】このようなA/D変換を行えば、例えばP
h0の場合、選択信号はA、Cであり、図8に示すよう
に、信号AとGNDの電位差VA の最大値VAMAXを32
とするように最適化した値で、VA が5ビットのデジタ
ル値PD0〜PD4に変換される。しかも、(1) 式の分
数部分母にVREF(+)−VREF(-)の項があることからわか
るように、例えば位置検出センサ1a、1bにおいて光
源光量の変動などが起こり、元信号の振幅変動が生じて
も変換値に影響が出ないようになっている。
【0040】こうして得られる電位差VA の変換値は、
入力される信号Aがリニアであるとみなすことができる
ので、信号Aの位相PA と比例することになる。したが
って、A/D変換データPD0〜PD4は信号Aの位相
を表す位置データとして扱うことができる。すなわち、
A/Dコンバータ17を使った回路により、論理回路1
5によって分けられたPh0〜PH7の8象限のうちの
1つの象限において、32逓倍の位置データへの変換が
行われたことになる。
【0041】ところで、合成手段13より出力されるA
〜−Dの8信号は、信号処理過程において別々の回路を
通って生成されてくるので、各回路の時間応答の違いか
ら一般に時間的な一致性は保証されず、このことを原因
とする位置検出誤差の発生が懸念される。しかし、本実
施例の信号処理回路では、同一のサンプルホールドタイ
ミングによる同一のサンプルホールド信号A、Bをもと
に処理、合成された信号を利用するので、A〜−Dのす
べての信号がある同じ瞬間に位置検出センサから出力さ
れた信号をもとにした時間的に同一性の保証された信号
であるため、選択手段によりA〜−Dの信号を切り換え
ても、各信号の時間的なずれから位置データの時間的不
連続が生じることはない。さらに、2信号を使ってA/
D変換による位置データ変換を行っても2信号の時間的
なずれにより変換データに誤差が発生することもない。
【0042】以上の信号処理によって、パラレルのデジ
タルデータPD0〜PD4およびPD5〜PD7が得ら
れる。ここで、PD5〜PD7は正弦波信号Aを8等分
し、その中のどの区間であるかを表す位置データであ
り、またPD0〜PD4はその8等分区間の内のある区
間を32等分し、その中のどの区間であるかを表す位置
データである。したがって、両データをPD0〜PD4
を下位ビット、PD5〜PD7を上位ビットとし、PD
0〜PD7を8ビットデータとして扱えば、図9に示す
ように、正弦波信号を8×32=256等分して、その
中のどの区間であるかを示すデータとなる。
【0043】なお、逓倍処理、高分解能逓倍処理という
別々の処理系から得られた2つのデータを1つのデータ
としてまとめる場合には、両データが同じ時間に位置検
出センサより出力された信号をもとに得られたデータで
なければ、両処理系のデータの時間的ずれにより生じる
誤差が含まれるが、本実施例においてはサンプルホール
ド手段11a〜11dにて信号を一時的にホールドして
いるので、両逓倍処理系の位置データの時間的な一致性
が確保される。したがって、複数の逓倍処理系を使って
も逓倍精度が確保される。
【0044】以上のようにして、本実施例においては位
置検出センサ1a、1bより出力された位置信号を25
6逓倍して位置データに変換する処理が行われる。
【0045】なお、上記実施例では位置検出センサとし
て光学式エンコーダを使用したが、他の磁気式のエンコ
ーダなどの場合においても処理可能である。また、中間
位相信号に関しては、A〜D、−A〜−Dを合成した
が、A〜Dのみでの処理も可能であることはいうまでも
ない。さらには、位置検出センサの段階から中間位相信
号を構成することもできる。
【0046】また、上記実施例では位置検出センサの出
力信号は正弦波信号としたが、三角波などの他の周期波
であっても本発明による信号処理回路による処理は同じ
である。また、上記実施例ではサンプルホールド手段を
入力切換手段の直前においているが、信号がアナログ信
号状態である部分であれば、他のどこにおいても処理可
能である。ただし、位置検出センサのデータの時間的一
致性を保証するためには、入力切換手段より前段に、ま
た合成手段での時間的一致性を保証するためには合成手
段より前段になければならない。
【0047】また、上記実施例ではアナログ回路やロジ
ックIC、A/DコンバータICなどによる信号処理を
行ったが、位置検出センサの出力信号をA/D変換する
ことによりデジタル値に変換し、以後の処理をMPU、
DSPなどを使ったソフトウェアによる演算処理で実現
することも可能である。さらに、上記実施例では、A/
Dコンバータの分解能を5ビットとしたが、他の分解能
であっても処理は可能であり、その場合には処理回路の
逓倍数が分解能に応じて変化する。A/Dコンバータの
分解能を5ビット以上にすることにより、256逓倍以
上の高逓倍も可能となる。
【0048】
【発明の効果】本発明のエンコーダの信号処理回路によ
れば、以上のように、入力処理切換手段を設けたことに
より、複数台の位置検出センサの出力信号を1つの信号
処理回路で処理でき、装置を小型・簡潔化でき、コスト
低下を図ることができる。
【0049】また、サンプルホールド手段を設けること
により、同じサンプルホールドタイミングの信号に対し
て処理することになり、1つの信号処理回路で順次処理
しても各位置検出センサから得られる位置データを時間
的に一致したものとすることができる。
【0050】また、選択手段を設けることにより、1つ
の逓倍回路で位置検出センサの出力信号の逓倍ができる
ので、高逓倍の場合でも信号処理回路を簡潔にすること
ができ、低コストにすることができる。
【0051】また、合成手段を有することにより、高精
度な逓倍の可能な信号の特定の区間を利用することが可
能となり、高逓倍においても高精度な逓倍が実現でき
る。
【0052】また、複数の逓倍処理系を設け、高い分解
能を絶対値的に逓倍処理することによりたとえ位置検出
誤差が生じた場合でも誤差が累積せず、誤差が消滅した
時点で正確な位置検出に復帰するため、高速、高逓倍で
あっても位置検出誤差の生じ難い信号処理回路を実現で
きる。また、逓倍信号を変換して得られるデータをもと
に選択を行う選択手段を採用することにより簡潔な選択
手段を実現できる。
【0053】また、A/Dコンバータにより高分解能の
逓倍を行うことにより、抵抗素子の個々の精度や逓倍前
の信号の振幅変化が逓倍精度に影響するといったことが
なく、高精度の逓倍を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンコーダの信号処理回路における一
実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施例における入力処理切換手段の構成を示
すブロック図である。
【図3】同実施例における逓倍手段、選択手段、高分解
能逓倍手段および位置データ変換手段の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】同実施例における合成手段および選択手段の出
力信号の説明図である。
【図5】同実施例におけるサンプルホールド信号の説明
図である。
【図6】同実施例における入力処理切換手段のサンプル
ホールドおよび入力切換動作の説明図である。
【図7】同実施例における逓倍手段および位置データ変
換手段の信号処理の説明図である。
【図8】同実施例における高分解能逓倍手段および位置
データ変換手段のA/D変換の説明図である。
【図9】同実施例における逓倍処理の説明図である。
【符号の説明】
1a 位置検出センサ 1b 位置検出センサ 2 入力処理切換手段 3 逓倍手段 4 選択手段 5 位置データ変換手段 6 高分解能逓倍手段 11a サンプルホールド手段 11b サンプルホールド手段 11c サンプルホールド手段 11d サンプルホールド手段 13 合成手段 15 論理回路 16 マルチプレクサ 17 A/Dコンバータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置検出センサが位相差を有する複数の
    信号を出力するインクリメンタル型のエンコーダにおい
    て、複数の位置検出センサの出力信号を取り込み、それ
    らの出力信号の中から信号処理する信号を選択し切り換
    える入力処理切換手段を備えたことを特徴とするエンコ
    ーダの信号処理回路。
  2. 【請求項2】 入力処理切換手段が、入力信号を一時的
    に保持するサンプルホールド手段を有することを特徴と
    する請求項1記載のエンコーダの信号処理回路。
  3. 【請求項3】 入力処理切換手段から出力された複数の
    信号のうち少なくとも2つの信号を選択する選択手段を
    有し、選択手段により選択された信号を逓倍する信号逓
    倍手段を有することを特徴とする請求項1記載のエンコ
    ーダの信号処理回路。
  4. 【請求項4】 入力処理切換手段が、入力信号をもとに
    複数の中間位相信号を合成する合成手段を有することを
    特徴とする請求項3記載のエンコーダの信号処理回路。
  5. 【請求項5】 入力処理切換手段から出力された複数の
    信号をもとに逓倍を行う逓倍手段と、逓倍手段の出力信
    号を位置データに変換する位置データ変換手段と、変換
    結果にもとづき出力する信号を選択する選択手段と、選
    択された信号にもとづき逓倍信号1周期間を絶対値的に
    高分解能で逓倍する高分解能逓倍手段とを有することを
    特徴とする請求項3記載のエンコーダの信号処理回路。
  6. 【請求項6】 高分解能逓倍手段が、A/Dコンバータ
    から成ることを特徴とする請求項5記載のエンコーダの
    信号処理回路。
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