JP4005241B2 - 位置検出装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定周期毎に検出される検出対象の絶対位置に基づいて出力されるデジタル形式の絶対位置データについて、今回と前回との差分値に応じたパルス信号を出力し、そのパルス信号に基づいて検出対象の絶対位置データを出力する位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような位置検出装置として、例えば、特公平8−20274号公報に開示されているものがある。この従来技術では、位置検出部において、1次交流信号sin ωtの電気的位相角を、検出対象の変位量に応じて角度θだけシフトした2次出力信号sin (ωtθ)を得ると、その位相シフト量θに応じて得られる絶対値データDθを出力する(図10(a)参照)。
【0003】
すると、パルス信号出力部は、絶対位置データDθを所定周期毎にサンプリングして、データ値Dθの増減に応じたUP,DOWNパルス信号を出力する(図10(b),(c)参照)。そして、制御装置側では、出力されるパルス信号をカウントすることにより、必要な分解能を有する検出対象の絶対位置データを得て所定の制御を行うようになっている(図10(d)参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、斯様な従来技術では、位置検出部にノイズが印加された場合に以下のような問題が生じる。例えば、図11(a)に示すように、位置検出部において検出された検出対象の変位量に応じた絶対値データが、本来各サンプリング周期毎に“200”,“201”,“202”,“203”,…と1ずつ増加すべきものを、データ“202”の出力タイミングにおいてノイズが印加されたことによって、データ“211”が出力された場合を考える。
【0005】
すると、パルス信号出力部では、データ“201”の時点からデータ“202”の出力タイミングにかけて、11個のアップカウントパルス(UPパルス)が出力される(図11(b)参照)。次のサンプリング周期にデータ“203”は正常に出力されるので、データ“211”からデータ“203”の出力タイミングにかけては、8個のダウンカウントパルス(DOWNパルス)が出力される(図11(c)参照)。
【0006】
この場合、図11(d)に示すように、制御装置側のカウンタが図11(b),(c)におけるUP,DOWNパルスの出力タイミングに追従できるような高速なカウンタであれば問題は生じない。しかしながら、制御装置側のカウンタには、通常、制御に必要な分解能に応じた速度のものが搭載される。従って、図11(b),(c)に示すように、短時間内に多数のUP,DOWNパルスの出力があると、制御装置側のカウンタはその変化に追従することができず、例えば図11(e)に示すように実際に出力されたパルスの半分しか認識できない場合には、カウント値にずれを生じてしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶対位置検出手段にノイズが重畳された場合でも、検出対象の正確な絶対位置データを得ることができる位置検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の位置検出装置は、所定周期毎に検出対象の絶対位置を検出し、デジタル形式の絶対位置データを出力する絶対位置検出手段と、
前記絶対位置検出手段により連続して出力される複数個の絶対位置データに基づいて、中央値に相当するデータを判定して出力する中央値判定手段と、
この中央値判定手段によって出力された今回の中央値と前回の中央値との差分値に応じてパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
このパルス信号出力手段によって出力されるパルス信号を計数して、前記検出対象の絶対位置データを出力する位置データ出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
斯様に構成すれば、中央値判定手段は、絶対位置検出手段により連続して出力される複数個の絶対位置データから中央値を判定するので、絶対位置検出手段にノイズが印加され検出対象の実際の変位位置に対して著しくかけ離れたデータ値が一時的に出力されても、当該データが中央値と判定されて出力されることはない。従って、1周期内にパルス信号出力手段から極めて多数のパルス信号が出力されることはないので、そのパルス信号を計数する位置データ出力手段は、高速動作するものでなくとも計数に“抜け”が生じることはなく、検出対象の絶対位置データを正確に出力することができる。
【0010】
この場合、請求項2に記載したように、複数のパルス波形データが夫々一定範囲の連続したアドレスに記憶されており、前記位置データ出力手段によって出力される絶対位置データが下位アドレスとして入力されると共に、上位アドレスが設定入力されると、前記複数のパルス波形データの内の何れか1つが読み出される記憶手段を備えると良い。
【0011】
斯様に構成すれば、記憶手段に与える上位アドレスを適宜設定することにより、下位アドレスとして入力される位置データ出力手段からの絶対位置データに応じて、複数のパルス波形データの内の何れか1つが記憶手段より読み出されて出力される。従って、検出対象の絶対位置を得ることで所定の制御を行う制御装置に対して、その制御に必要な分解能を有するパルス波形を与えることができる。
【0012】
また、この場合、請求項3に記載したように、前記記憶手段を、同一アドレスに2相分の波形データを記憶させ、前記2相分の波形データが読み出されることで互いに位相が90度異なるエンコーダ信号を出力可能に構成するのが好ましい。斯様に構成すれば、A相,B相の2相からなるエンコーダ信号を得ることにより、検出対象の変位方向をも判定することが可能となる。
【0013】
更に、請求項4に記載したように、前記記憶手段より出力されるパルス波形データをラッチする複数のラッチ回路と、
前記記憶手段に対して複数の上位アドレスを切り換え出力すると共に、前記複数のラッチ回路に夫々ラッチ信号を出力する波形データ切替え手段とを備えるのが好適である。
【0014】
斯様に構成すれば、波形データ切替え手段複数の上位アドレスを切り換え出力すると共に、パルス波形データをラッチする複数のラッチ回路に夫々ラッチ信号を出力することで、複数の波形データを同時に出力して複数の制御装置に与えることができる。
【0015】
また、以上の場合において、請求項5に記載したように、前記位置データ出力手段によって出力される絶対位置データが前記検出対象の変位の基準位置を示すデータである場合に原点信号を出力する原点信号出力手段を備えても良く、斯様に構成すれば、検出対象の変位の基準位置をも得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を特開昭57−70406号公報に示したような回転型の位置検出装置に適用した場合の一実施例について図1乃至図9を参照して説明する。尚、以降において2進数,16進数で表現される数値は、数値の後に夫々“B”,“H”を付して示し、これらが付されない数値は10進数で表現されているものとする。図1は、全体の電気的構成を示す機能ブロック図である。機械側に配置される位置検出部(絶対位置検出手段)1は、例えば特開昭57−70406号公報に示されているような回転角度検出装置(アブソコーダ,登録商標)で構成されており、検出対象たる機械の可動部の回転角度を検出するようになっている。位置変換部(絶対位置検出手段)2は、位置検出部1によって検出された可動部の角度量を所定周期毎にサンプリングしてデジタル形式の絶対位置データに変換し、ノイズ処理部(中央値判定手段)3に出力するようになっている。
【0017】
ノイズ処理部3は、所謂メディアン・フィルタを構成するものである。即ち、ノイズ処理部3は、位置変換部2より所定周期毎に与えられる絶対位置データを最新のものを起点としてその2周期前のデータまで保持し、それら3つのデータ間における大小関係を比較して、中央値に相当するデータをパルス出力部(パルス信号出力手段)4に出力するようになっている。
【0018】
パルス出力部4は、ノイズ処理部3より所定のサンプリング周期毎に与えられるデータとその1周期前のデータとの差分をとることで、当該1周期前のデータ値に対する増減分に応じたUPパルスまたはDOWNパルスをパルスカウンタ(位置データ出力手段)5に出力するようになっている。パルスカウンタ5は、アップダウンカウンタで構成されており、パルス出力部4より出力されるUPまたはDOWNパルスに応じてアップまたはダウンカウント動作を行うようになっている。
【0019】
ROM(記憶手段)6には、データ値“1,0”の連鎖によって矩形波を出力するための波形データが一定範囲の連続したアドレスに記憶されている。例えば、図5に示すように、パルスカウンタ5のカウント値データは、ROM6に下位アドレス(A11〜A0)として与えられるようになっている。また、ROM6には、タイミング回路(波形データ切替え手段)7より上位アドレス(A15〜A12)が与えられるようになっている。
【0020】
そして、ROM6には、16ビットの1アドレス(A15〜A0)に対して2ビットのデータ(D1,D0)が割当てられており、アドレスに応じたデータが読み出されると、データD1,D0は夫々OUT1,OUT0に出力されるようになっている。尚、後述するように、OUT0,OUT1はエンコーダ信号のA相,B相信号として出力される。
【0021】
ROM6より読み出されたデータは、2つのデータラッチ(ラッチ回路)8a,8bに与えられるようになっている。タイミング回路7は、1サンプリング周期に対して上位アドレスを切替えて2回出力すると共に、各上位アドレスの出力タイミングに応じて、ラッチ信号をデータラッチ8a,8bに夫々出力するようになっている。データラッチ8a,8bによりラッチされたデータは、夫々周期の異なるパルス波形(エンコーダ信号)として出力され、制御装置の制御に用いられる。
【0022】
また、原点信号出力部(原点信号出力手段)9は、パルスカウンタ5より出力される絶対位置データを参照して、検出対象の変位の基準位置に応じた絶対位置データ(アドレス000H)が出力されると、1サンプリング周期分のパルス幅を有する原点信号を出力するようになっている。
【0023】
図2は、位置検出部1及び位置変換部2の詳細な構成を示す機能ブロック図である。位置検出部1は、例えば特開昭57−70406号公報に示されたもののように、互いに位相が異なる複数の交流信号によって別々に励磁される複数の1次コイル10,11と2次コイル12とを備えた可変磁気抵抗型で構成されている。この位置検出部1は、回転型のものであっても良いし、直線型のものであっても良い。
【0024】
そして、可動部が変位すると、ロッド内部のコアがケーシング内部の1次コイル10及び11並びに2次コイル12に対して変位することで磁気回路にリラクタンスの変化が生じ、そのリラクタンスの変化を検出することでロッド即ち可動部の変位量を位相シフト量θとして検出するようになっている。
【0025】
一方、位置変換部2は、発振器13より例えば周波数1MHz程度のクロックパルスCPをカウンタ14に出力し、カウンタ14のカウント出力データは、サインデータ発生器15及びコサインデータ発生器16に夫々与えられるようになっている。各データ発生器15及び16は、夫々正弦波データ及び余弦波データが記憶されたROMテーブルで構成されており、カウンタ14のカウント値がアドレスとして与えられると、夫々アドレスに応じたデータが読み出されて出力されるようになっている。
【0026】
即ち、カウンタ14のカウント値オール“0”からオール“1”までが、正弦波データ及び余弦波データの1周期に対応しており、カウンタ値オール“0”のアドレスにおいて各データ発生器15及び16から読み出されるデータが、正弦波及び余弦波の位相角0度に対応するデータである。そして、各データ発生器15,16から出力されたデータは、D/A変換・ドライバ部17,18においてアナログ信号に変換され、ローパスフィルタでフィルタリングされて基準交流信号sin ωt,cos ωtとして位置検出部1の1次コイル10,11に夫々出力されるようになっている。
【0027】
位置検出部1の2次コイル12からは、検出出力信号Y(=sin (ωtθ))が出力され、アンプ及びフィルタ19を介してゼロクロスコンパレータ20に与えられるようになっている。ゼロクロスコンパレータ20は、検出出力信号Yのゼロクロス点(位相角0度)を検出するとサンプリングパルスSPを出力し、そのサンプリングパルスSPは、遅延回路21によって僅かに遅延された信号SP′となり、データラッチ22にラッチ信号として与えられるようになっている。
【0028】
データラッチ22の入力端子には、カウンタ14のカウント値が与えられており、そのカウント値をラッチ信号SP′によりラッチするようになっている。そして、データラッチ22の出力データDθは、ノイズ処理部3に与えられるようになっている。
【0029】
ここで、図6に示すように、カウンタ14のカウント値“0”は、基準交流信号sin ωtの位相角0度に対応しており、検出出力信号Yのゼロクロス点に応じてラッチされるカウンタ14のカウント値Dθは、位相シフト量θに応じたカウント値となる。
【0030】
図3は、ノイズ処理部3の詳細な構成を示す機能ブロック図である。位置変換部2より出力されたデータDθは、データレジスタ23の入力端子に与えられており、データレジスタ23の出力端子は、データレジスタ24の入力端子に接続されている。これらのデータレジスタ23及び24には、シフト信号としてサンプリングパルスSP′が与えられており、サンプリングパルスSP′が出力されると、その時点で入力端子に与えられているデータを保持するようになっている。
【0031】
即ち、図3に示すように、データレジスタ23の入力端子にデータDθが与えられている時点において、データレジスタ23は、その1周期前のデータDθ-1を保持しており、データレジスタ24は、2周期前のデータDθ-2を保持している。そして、これらのデータDθ,Dθ-1,Dθ-2は、コンパレータ25及びデータセレクタ26の入力端子に夫々与えられている。データセレクタ26からの出力データAは、パルス出力部4に出力される。
【0032】
コンパレータ25は、データDθ,Dθ-1,Dθ-2の大小関係を比較するようになっており、データセレクタ26は、コンパレータ25より与えられる制御信号に応じて、データDθ,Dθ-1,Dθ-2の内何れか1つを選択して出力するようになっている。そして、コンパレータ25は、大小関係の比較結果に基づいて、データDθ,Dθ-1,Dθ-2の内で中央値に対応するデータがデータセレクタ26より出力されるように、データセレクタ26に制御信号を出力するようになっている。以上のようなノイズ処理部3は、例えば、FPGA(Field Programable Gate Array)などによって構成されている。
【0033】
図4は、パルス出力部4の詳細な構成を示す機能ブロック図である。ノイズ処理部3からの出力データAは、演算器27及びデータレジスタ28に与えられるようになっている。データレジスタ28は、同様に、サンプリングパルスSPが出力されると、その時点で入力端子に与えられているデータを保持してデータBを出力するようになっている。その出力データBは演算器27に出力され、演算器27は、演算(A−B=C)を行い、差分データCをパルス制御回路29に出力するようになっている。
【0034】
パルス制御回路29は、演算器より与えられる差分データCの値に応じてクロック選択信号CSL をクロックゲート30に出力するようになっている。クロックゲート30の入力端子には、位置変換部2のカウンタ14のカウント値(カウンタビット)CDが与えられており、与えられたクロック選択信号CSL に応じて適当なカウンタビットの信号をクロックパルスCLK として選択的に出力するようになっている。即ち、1サンプリング周期の間に、差分データCの値に応じた増減を達成できるように、何れかのカウンタビットがクロックパルスCLK として選択される。
【0035】
クロックゲート30より出力されたクロックパルスCLK は、UP/DOWNパルス発生部31に与えられるようになっている。また、演算器27は、演算(A−B=C)を行った結果、差分データCの正負に応じて符号信号SBをUP/DOWNパルス発生部31に出力するようになっている。例えば、差分データCが正であれば符号信号SBが“1”,負であれば符号信号SBが“0”となるように出力する。そして、UP/DOWNパルス発生部31は、符号信号SBの値に応じて、クロックゲート30より与えられるクロックパルスCLK を、UPパルスまたはDOWNパルスとして各出力端子に選択的に出力するようになっている。尚、位置検出部1,位置変換部2及びパルス出力部4のより詳細な構成については、例えば特公平8−20274号公報などに開示されている。
【0036】
次に、本実施例の作用について図7乃至図9をも参照して説明する。図7(a)は、図11(a)と同様に、位置変換部2により出力される絶対値データが“200”,“201”,“202”,“203”,…と1ずつ増加すべきものを、データ“202”の出力タイミングでノイズが印加されて、データ“211”が出力された場合である。尚、各サンプリング周期に、符号a,b,c,…を付して示す。
【0037】
この時、ノイズ処理部3は、3つの絶対値データの中央値を選択してパルス出力部4に出力する。例えば、周期cにおいて出力されるデータ“201”は、周期a,b,cにおいて位置変換部2により出力された3つのデータの内で中央値に相当するデータである。即ち、位置変換部2による絶対値データの出力が正常であれば、ノイズ処理部3から出力されるデータは、応答が見掛け上1サンプリング周期分遅れたものとなる。
【0038】
そして、周期cにおいて、位置変換部2よりノイズが印加された絶対値データ“211”が出力される。すると、次の周期dにおいて、ノイズ処理部3は、周期b,c,dの3つのデータ“201”,“211”,“203”の内で中央値に相当するデータ“203”を選択して出力する。パルス出力部4は、そのデータを受けて“203”と“201”との差分値に応じた2発のUPパルスをパルスカウンタ5に出力する。従って、周期c→dにかけてのパルスカウンタ5のカウント値は、“201”,“202”,“203”と増加する(図7(e)参照)。
【0039】
次の周期eにおいて、ノイズ処理部3は、周期c,d,eの3つのデータ“211”,“203”,“204”の内からデータ“204”を選択して出力し、パルス出力部4は、データ“203”と“204”との差分値に応じた1発のUPパルスをパルスカウンタ5に出力する。
【0040】
その次の周期fでは、ノイズ処理部3は、周期d,e,fの3つのデータ“203”,“204”,“205”の内から、周期eと同じデータ“204”を選択して出力するので、パルス出力部4は、UP,DOWNの何れのパルスも出力しない。従って、パルスカウンタ5のカウント値も“204”のままとなる。
【0041】
更に次の周期gにおいて、ノイズ処理部3は、周期e,f,gの3つのデータ“204”,“205”,“206”の内からデータ“205”を選択して出力し、パルス出力部4は、データ“204”と“205”との差分値に応じた1発のUPパルスをパルスカウンタ5に出力する。すると、パルスカウンタ5のカウント値は“205”となり、各データ値との関係は正常な状態に復帰する。このパルスカウンタ5より出力されるカウント値が、ROM6に与えられる下位アドレスA11〜A0となる。
【0042】
ここで、図8は、ROM6に記憶される波形データパターンの一例を示すものである。互いに位相が90度異なるA相,B相のエンコーダ信号を1周期分出力するためのデータパターン“D1,D0”は、“00B”,“01B”,“11B”,“10B”の4つである。
【0043】
従って、検出対象が変位する最大ストロークを12ビットアドレスを用いて4096分割する場合に(図8(a)参照)、上記4つのデータパターンを1アドレスずつ書込むと、最大ストローク当たり4096/4=1024パルスを出力するエンコーダ信号を得ることができる(図8(b)参照)。また、上記4つのデータパターンを4アドレスずつ書込むと、1ストローク当たり4096/(4×4)=256パルスを出力するエンコーダ信号を得ることができる(図8(c)参照)。
【0044】
そして、例えば、図8(b)に示すデータパターンを、上位アドレスA15〜A12を“0H”とするROM6のアドレス“0000H〜0FFFH”に書込み、図8(c)に示すデータパターンを、上位アドレスA15〜A12を“1H”とするROM6のアドレス“1000H〜1FFFH”に書込む。
【0045】
ここで、図9は、ROM6に対するデータ読み出しのタイミングチャートである。図9(a)は、タイミング回路7より出力される上位アドレスA15〜A12であり、タイミング回路7は、制御装置側の各部2乃至5をクロック同期で動作させるためのシステムクロック信号や位置変換部2より出力されるサンプリングタイミング信号などに基づいて、サンプリング周期の前半に上位アドレス“0H”を出力し、後半に“1H”を出力する。今、パルスカウンタ5は、図9(b)に示すように、下位アドレスA11〜A0を“006H”,“007H”,0008H”,…と出力するものとする。
【0046】
下位アドレス“006H”から“007H”にかかる部分に注目すると、下位アドレス“006H”のサンプリング周期後半の上位アドレスは“1H”であり、ROM6からはデータは“01B”が読み出される(図9(c)参照)。次のサンプリング周期で上位アドレスは“0H”に、下位アドレスは“007H”に切り替わる。すると、ROM6からはデータは“10B”が読み出される。
【0047】
この時、タイミング回路7はデータラッチ8aにラッチ信号を出力するので(図9(d)参照)、データラッチ8aは、データ“10B”をラッチして出力する(図9(e)参照)。そして、サンプリング周期の後半でタイミング回路7より出力される上位アドレスは“1H”に切り替わり、ROM6からはデータは“01B”が読み出される。すると、タイミング回路7はデータラッチ8bにラッチ信号を出力するので(図9(f)参照)、データラッチ8bは、データ“01B”をラッチして出力する(図9(g)参照)。
【0048】
同様に、次のサンプリング周期前半でROM6に与えられるアドレスは“0008H”となり、データ“00B”が読み出され、データラッチ8aは当該データをラッチして出力し、周期後半でアドレスは“1008H”となり、データ“11B”が読み出され、データラッチ8bは当該データをラッチして出力する。
【0049】
このように、タイミング回路7により1サンプリング周期内でROM6に与えられる上位アドレスが切替えられることで、ROM6から夫々異なるデータが読み出され、データラッチ8a,8bが夫々のデータをラッチすることで、検出対象の最大ストローク当たり出力パルス数が異なるエンコーダ信号を複数出力することが可能となる。
【0050】
以上のように本実施例によれば、ノイズ処理部3は、位置変換部2により連続して出力される3個の絶対位置データから中央値を判定するので、位置変換部2にノイズが印加され検出対象の実際の変位位置に対して著しくかけ離れたデータ値が一時的に出力されたとしても、当該データが中央値と判定されて出力されることはない。従って、1周期内にパルス出力部4から極めて多数のパルス信号が出力されることはないので、そのパルス信号をカウントするパルスカウンタ5は、高速動作するものでなくともカウントに“抜け”が生じることはなく、検出対象の絶対位置データを正確に出力することができる。
【0051】
また、本実施例によれば、ROM6に、検出対象の最大ストローク当たりの出力パルス数が異なる波形データを、夫々一定範囲の連続したアドレスに記憶させ、位置変換部2によって出力される絶対位置データを下位アドレスとしてROM6に入力するようにして、タイミング回路7によって、1サンプリング周期内で上位アドレスを切替えて出力すると共に、ROM6から読み出される波形データをラッチするデータラッチ回路8a,8bに夫々ラッチ信号を出力するようにした。従って、各制御装置に必要な分解能を有する2つの波形データを同時に出力して与えることができる。
【0052】
更に、ROM6に、同一アドレスの2ビットデータに2相分の波形データを記憶させて、互いに位相が90度異なるA相,B相の2相からなるエンコーダ信号を出力するようにしたので、制御装置は、検出対象の変位方向をも判定することが可能となる。加えて、原点信号出力部9は、パルスカウンタ5より出力される絶対位置データ、即ちアドレスが、検出対象の変位の基準位置を示す“000H”である場合に原点信号を出力するので、制御装置は、検出対象の変位の基準位置をも得ることができる。
【0053】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
絶対位置検出手段は、上記実施例では回転位置を検出するアブソコーダを主としたが、直線変位を検出するものでも良いし、シンクロやレゾルバ等で構成しても良い。
【0054】
検出対象の直線変位を検出するものに限らず、回転変位を検出するシンクロやレゾルバ等で構成しても良い。
ROM6から3つ以上のパルス波形データを出力するようにしても良い。
タイミング回路7やデータラッチ8a,8bは必要に応じて設ければ良く、例えば、ROM6に与える上位アドレスA15〜A12をディップスイッチなどで設定して、何れか1つのパルス波形データのみを出力するようにしても良い。
例えば、検出対象の変位方向を検出する必要がない場合には、記憶手段には、1アドレスに対して1相分のパルス波形データを記憶させれば良い。
原点信号出力部も、必要に応じて設ければ良い。
ノイズ処理部3において、中央値を判定する場合のデータ数は、4個以上であっても良い。偶数個の場合は、中央値に最も近い2個のデータの中間値(平均値)をとって中央値を得れば良い。
【0055】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通りであり、以下の効果を奏する。
請求項1記載の位置検出装置によれば、中央値判定手段は、絶対位置検出手段により連続して出力される複数個の絶対位置データから中央値を判定するので、絶対位置検出手段にノイズが印加され検出対象の実際の変位位置に対して著しくかけ離れたデータ値が一時的に出力されても、当該データが中央値と判定されて出力されることはない。従って、1周期内にパルス信号出力手段から極めて多数のパルス信号が出力されることはないので、そのパルス信号を計数する位置データ出力手段は、高速動作するものでなくとも計数に“抜け”が生じることはなく、検出対象の絶対位置データを正確に出力することができる。
【0056】
請求項2記載の位置検出装置によれば、記憶手段に与える上位アドレスを適宜設定することにより、下位アドレスとして入力される位置データ出力手段からの絶対位置データに応じて、複数のパルス波形データの内の何れか1つが記憶手段より読み出されて出力される。従って、検出対象の絶対位置を得ることで所定の制御を行う制御装置に対して、その制御に必要な分解能を有するパルス波形を与えることができる。
【0057】
請求項3記載の位置検出装置によれば、記憶手段を、同一アドレスに2相分の波形データを記憶させ、2相分の波形データが読み出されることで互いに位相が90度異なるエンコーダ信号を出力可とするので、A相,B相の2相からなるエンコーダ信号を得ることにより、検出対象の変位方向をも判定することが可能となる。
【0058】
請求項4記載の位置検出装置によれば、波形データ切替え手段により複数の上位アドレスを切り換え出力すると共に、パルス波形データをラッチする複数のラッチ回路に夫々ラッチ信号を出力することで、複数の波形データを同時に出力して複数の制御装置に与えることができる。
【0059】
請求項5記載の位置検出装置によれば、絶対位置データが検出対象の変位の基準位置を示すデータである場合に原点信号を出力する原点信号出力手段を備えたので、検出対象の変位の基準位置をも得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における全体の電気的構成を示す機能ブロック図
【図2】位置検出部及び位置変換部の詳細な構成を示す機能ブロック図
【図3】ノイズ処理部の詳細な構成を示す機能ブロック図
【図4】パルス出力部4の詳細な構成を示す機能ブロック図
【図5】パルスカウンタ及びタイミング回路とROMとのアドレスバスの接続状態を示す図
【図6】基準交流信号sin ωtと検出出力信号Yとの位相関係を示す図
【図7】タイミングチャート
【図8】ROMに記憶される波形データパターンの一例を示す図
【図9】タイミング回路による上位アドレス及びラッチ信号の出力タイミングを示すタイミングチャート
【図10】従来技術を示すタイミングチャート(正常時)
【図11】図10相当図(ノイズ印加時)
【符号の説明】
1は位置検出部(絶対位置検出手段)、2は位置変換部(絶対位置検出手段)、3はノイズ処理部(中央値判定手段)、4はパルス出力部(パルス信号出力手段)、5はパルスカウンタ(位置データ出力手段)、6はROM(記憶手段)、7はタイミング回路(波形データ切替え手段)、8a,8はbデータラッチ(ラッチ回路)、9は原点信号出力部(原点信号出力手段)を示す。

Claims (5)

  1. 所定周期毎に検出対象の絶対位置を検出し、デジタル形式の絶対位置データを出力する絶対位置検出手段と、
    前記絶対位置検出手段により連続して出力される複数個の絶対位置データに基づいて、中央値に相当するデータを判定して出力する中央値判定手段と、
    この中央値判定手段によって出力された今回の中央値と前回の中央値との差分値に応じてパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
    このパルス信号出力手段によって出力されるパルス信号を計数して、前記検出対象の絶対位置データを出力する位置データ出力手段とを備えたことを特徴とする位置検出装置。
  2. 複数のパルス波形データが夫々一定範囲の連続したアドレスに記憶されており、前記位置データ出力手段によって出力される絶対位置データが下位アドレスとして入力されると共に、上位アドレスが設定入力されると、前記複数のパルス波形データの内の何れか1つが読み出される記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
  3. 前記記憶手段は、同一アドレスに2相分の波形データが記憶されており、前記2相分の波形データが読み出されることで互いに位相が90度異なるエンコーダ信号を出力可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の位置検出装置。
  4. 前記記憶手段より出力されるパルス波形データをラッチする複数のラッチ回路と、
    前記記憶手段に対して複数の上位アドレスを切り換え出力すると共に、前記複数のラッチ回路に夫々ラッチ信号を出力する波形データ切替え手段とを備えたことを特徴とする請求項2または3記載の位置検出装置。
  5. 前記位置データ出力手段によって出力される絶対位置データが前記検出対象の変位の基準位置を示すデータである場合に、原点信号を出力する原点信号出力手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の位置検出装置。
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