JP3015751B2 - エンコーダの内挿回路 - Google Patents

エンコーダの内挿回路

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JP3015751B2 JP9003275A JP327597A JP3015751B2 JP 3015751 B2 JP3015751 B2 JP 3015751B2 JP 9003275 A JP9003275 A JP 9003275A JP 327597 A JP327597 A JP 327597A JP 3015751 B2 JP3015751 B2 JP 3015751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、位置、角度、速
度、角速度等の検出を行うエンコーダの2相正弦波信号
にディジタル的に内挿処理を加えて高分解能の2相方形
波データを得る内挿回路に関する。
【0002】
【従来の技術】エンコーダのスケールに形成される格子
の間隔には加工限界がある。従ってスケール格子より細
かい間隔を測定するためには、エンコーダが出力する正
弦波状信号の位相変化の空間周期を更に細分して内挿す
る必要があり、このため従来より種々の内挿回路が用い
られている。
【0003】図11は、従来のディジタル処理による内
挿回路の一例である。エンコーダ40が互いに90°位
相がずれたA,B相の2相正弦波信号INA,INBを
出力する場合、この2相正弦波信号INA,INBはそ
れぞれ、サンプルホールド回路41a,41bにより第
1のクロックCK1でサンプリングされ、A/Dコンバ
ータ42a,42bによりディジタルデータDA,DB
に変換される。このディジタルデータDA,DBに基づ
いて各サンプリング点の位相角データPHを、ルックア
ップテーブルを記憶したメモリ43を用いて求める。ル
ックアップテーブルは、逆正接関数(ATAN)用いた
次の数1に基づいて作成されたものである。
【0004】
【数1】PH=ATAN(DA/DB)
【0005】2相正弦波信号INA,INBと位相角デ
ータPHとの関係は、図12のようになる。メモリ43
により求められた位相角データPHは、クロックCK1
により順次、レジスタ44に取り込まれ、更にレジスタ
45に転送される。これらのレジスタ44,45に保持
される1周期ずれた位相角データの差分が減算器46に
よりとられて、その差分データDXに基づいて、第1の
クロックCK1に同期したこれより高周波の第2のクロ
ックCK2で駆動される2相方形波発生回路47で2相
方形波データが作られる。
【0006】2相方形波発生回路47は、差分データD
Xの極性と絶対値により2相方形波出力OUTA,OU
TBの組み合わせ(A,B)の4つの相(0,0),
(1,0),(1,1),(0,1)の間の状態遷移を
選択することでスケールの移動方向の情報を含むディジ
タル2相方形波データを発生するものである。その状態
遷移図は図13のようになる。位相角データPHが増加
する場合(差分データが正の場合)は、図12のUPで
示す方向に、(0,0)→(1,0)→(1,1)→
(0,1)なる状態遷移をし、差分データが負の場合は
DOWNで示す方向に、(0,0)→(0,1)→
(1,1)→(1,0)なる状態遷移をすることによ
り、ディジタル2相方形波データが発生される。
【0007】図14は、この従来方式により、第1のク
ロックCK1のK−1,K,K+1,K+2の各周期で
の差分データDXが0,1,5,3である場合につい
て、ディジタル2相方形波データが得られる様子を示し
ている。2相方形波データOUTA,OUTBの全ての
立上り及び立下がりエッジがいわゆる内挿パルスに相当
し、図14に示す外部カウンタは、この内挿パルスをカ
ウントする外部カウンタの値を示している。この様に、
第1のクロックCK1により順次得られる位相角データ
PHについて、そのクロック周期内で高周波の第2のク
ロックCK2で位相角データPHと前回値との差分デー
タDXの増減処理を行うことにより、第1,第2のクロ
ックCK1,CK2の周期比で決まる分割数で内挿した
2相方形波データOUTA,OUTBを得ることができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した従来の
ディジタル演算による内挿方式では、図14から明らか
なように、内挿パルスの疎密が大きくなるという問題が
ある。これは、各位相角データの1周期毎の差分データ
をそのまま直接第1のクロックより高周波の第2のクロ
ックCK2により増減処理しているためである。この内
挿パルスの疎密は、エンコーダの動的精度、即ちエンコ
ーダ移動時のリアルタイムの位置検出精度の低下の原因
となる。特に数値制御装置等において、一定時間毎の位
置差から速度情報を得る場合には、その速度情報の精度
低下が問題になる。
【0009】この発明は、上記事情を考慮してなされた
もので、内挿パルスの疎密を解消して動的精度の向上を
図ると共に、その動的精度を損なうことなくオーバース
ピード検知を行うことを可能としたエンコーダの内挿回
路を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエンコー
ダの内挿回路は、エンコーダから出力される90°位相
がずれた2相正弦波信号をそれぞれ一定周波数の第1の
クロックでサンプリングしてディジタルデータに変換
し、得られたディジタルデータの相関関係から各サンプ
リング位相に対応する位相角データを求める位相角デー
タ変換手段と、この位相角データ変換手段により順次得
られる位相角データと1周期前の位相角データとの差分
をとる差分手段と、この差分手段により得られた差分デ
ータを前記第1のクロックと同期した第1のクロックよ
り高周波の第2のクロックに同期して前記第1のクロッ
クの周期内で均等に離散化したパルスに変換する時間補
間手段と、この時間補間手段により得られたパルスに同
期してディジタル2相方形波データを発生する2相方形
波発生手段と、前記差分手段により得られた差分データ
を監視して前記エンコーダのオーバースピードを判定す
るオーバースピード検知手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0011】この発明に係るエンコーダの内挿回路はま
た、エンコーダから出力される90°位相がずれた2相
正弦波信号をそれぞれ一定周波数の第1のクロックでサ
ンプリングしてディジタルデータに変換し、得られたデ
ィジタルデータの相関関係から各サンプリング位相に対
応する位相角データを求める位相角データ変換手段と、
この位相角データ変換手段により順次得られる位相角デ
ータと1周期前の位相角データとの差分をとり得られた
差分データをその上限値を制限して1周期前の位相角デ
ータに加算して更新される位相角データとして保持する
データ更新手段と、上限値が制限された前記差分データ
を前記第1のクロックと同期した第1のクロックより高
周波の第2のクロックで積分してその積分値を保持す
る、前記第1のクロックでリセットされる積分手段と、
前記積分値が前記第1のクロックと第2のクロックの周
期比以上に達したことを検出して桁上げ検出信号を発生
する桁上げ検出手段と、前記第2のクロックに同期して
前記桁上げ検出信号のタイミングでディジタル2相方形
波データを発生する2相方形波発生手段と、前記データ
更新手段内で得られる前記差分データを監視して前記エ
ンコーダのオーバースピードを判定するオーバースピー
ド検知手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】この発明において好ましくは、前記位相角
データ変換手段は、前記2相正弦波信号をそれぞれ前記
第1のクロックでサンプリングしてディジタルデータに
変換するA/D変換手段と、得られたディジタルデータ
から前記位相角データを求めるルックアップテーブルを
記憶したメモリと、このメモリから読み出された位相角
データを前記第1のクロックで順次保持する第1のデー
タ保持手段とを有し、前記データ更新手段は、前記第1
のクロックに同期して前記第1のデータ保持手段に順次
取り込まれる位相角データと1周期前の位相角データと
により更新される位相角データを保持するための第2の
データ保持手段と、前記第1のデータ保持手段に取り込
まれる位相角データと前記第2のデータ保持手段に保持
された位相角データとの差分をとる減算手段と、この減
算手段により得られた差分データの上限値を前記第1の
クロックと第2のクロックの周期比以下に制限するリミ
ッタと、このリミッタにより上限値が制限された差分デ
ータと前記第2のデータ保持手段に保持された位相角デ
ータとを加算して前記第2のデータ保持手段に保持され
た位相角データを更新するための加算手段とを有するも
のとする。
【0013】この発明において好ましくは、前記位相角
データ変換手段は、前記2相正弦波信号をそれぞれ前記
第1のクロックでサンプリングしてディジタルデータに
変換するA/D変換手段と、得られたディジタルデータ
から前記位相角データを求めるルックアップテーブルを
記憶したメモリと、このメモリから読み出された位相角
データを前記第1のクロックで順次保持する第1のデー
タ保持手段とを有し、前記データ更新手段は、前記第1
のクロックに同期して前記第1のデータ保持手段に順次
取り込まれる位相角データと1周期前の位相角データと
により更新される位相角データを保持するための第2の
データ保持手段と、前記第1のデータ保持手段に取り込
まれる位相角データと前記第2のデータ保持手段に保持
された位相角データとの差分をとる減算手段と、この減
算手段により得られた差分データの絶対値をとる絶対値
器と、前記減算手段により得られた差分データの極性を
検出する極性検出手段と、前記絶対値器により得られた
前記差分データの絶対値の上限値を前記第1のクロック
と第2のクロックの周期比以下に制限するリミッタと、
このリミッタにより上限値が制限された差分データに前
記極性検出手段により検出された極性を付加する極性付
加手段と、この極性付加手段により極性が付加された差
分データと前記第2のデータ保持手段に保持された位相
角データとを加算して前記第2のデータ保持手段に保持
された位相角データを更新するための加算手段とを有す
るものとする。
【0014】この発明において、前記オーバースピード
検知手段は例えば、前記差分データの絶対値が判定基準
値以上になったことを検知して超過検知信号を出力する
比較手段と、この比較手段により得られる前記超過検知
信号を前記第1のクロックに同期して取り込み連続して
所定個数の超過検知信号が得られたときにオーバースピ
ードと判定してオーバースピードアラーム信号を出力す
る判定手段とを備えて構成される。この発明において、
前記オーバースピード検知手段はまた、前記差分データ
の絶対値が判定基準値以上になったことを検知して超過
検知信号を出力する比較手段と、前記差分データの極性
を検知する極性検知手段と、前記比較手段により得られ
る前記超過検知信号を前記第1のクロックに同期して連
続して検知し、かつその間に前記極性検知手段が前記差
分データの極性反転を検知したことを判定してオーバー
スピードアラーム信号を出力する判定手段とを備えて構
成される。
【0015】この発明においては、エンコーダから出力
される2相正弦波信号から、第1のクロックでデータ変
換された位相角データの1周期毎の差分データから、第
1のクロックより高周波の第2のクロックに同期して第
1のクロックの周期内にパルスを均等に時間補間して、
2相方形波に変換している。具体的には、位相角データ
の1周期毎の差分データを、その上限値を制限して順次
1周期前の位相角データに加算して位相角データを更新
するデータ更新手段が設けられる。そして、このデータ
更新手段の中で得られる上限値が制限された差分データ
を第2のクロックで第1のクロック周期毎にリセットし
ながら積分し、積分値が第1,第2のクロックの周期比
に達する毎に、桁上げ検出信号を発生する。この桁上げ
検出信号が内挿パルスに相当するもので、その極性に応
じて計数方向を切換えて状態遷移する2相方形波データ
を発生する。この様な位相角の差分データの上限値設定
と、桁上げ発生のデータ範囲を第1,第2のクロックの
周期比に設定した差分データの積分動作とにより、差分
データ値に応じた数の桁上げ検出信号は、差分データ値
の大きさに応じて、大きくなる程小さい間隔で第2のク
ロック周期の整数倍位置で発生されることになり、第1
のクロック周期内にほぼ均等に分配されることになる。
従って、内挿パルス分布の均一化により、エンコーダの
動的精度が向上する。
【0016】この発明において、データサンプリングを
行うための第1のクロックに対して、内挿のための第2
のクロックの周波数は、外部カウンタの性能により制限
され、その制限範囲で周波数を大きいものとすることが
好ましい。このとき、第1のクロックの周期内に補間す
る内挿パルス数は、第1,第2のクロックの周期比であ
るから、位相角データの差分データの上限値も好ましく
は、その周期比(またはそれ以下)に設定し、かつ桁上
げ信号を発生するデータ範囲を同じくその周期比に設定
した差分データの積分動作により、その差分データに基
づく内挿パルスを第1のクロックの周期内で均等に配分
することが可能になる。
【0017】一方、エンコーダの摺動速度は仕様で制約
したとしても、取扱いにより瞬間的に大きくなる場合も
あるし、また電気的原因により2相正弦波信号の瞬間的
な変動も生じ得る。従って、単純に差分データの上限値
を設定しただけでは、大きな変動分が切り捨てられて誤
計数の原因となる。これに対してこの発明では、データ
更新手段にフィードバック機能を導入することにより、
この様な誤計数を防止できる。即ち位相角の差分データ
の大きさが瞬間的に上限値を越えた場合に、1周期で更
新される範囲は上限値以下に制限されるが、次の周期で
はまた現在値をフィードバックして新たな位相角データ
との差分を演算して更新を行うから、瞬間的な大きな変
動があっても自律的に正しい現在値データが復元補完さ
れる。従って、インクリメンタル計数器としての誤計数
が回避される。
【0018】更にこの発明において、データ更新手段の
なかに、パルス均等化のための積分手段に送られる差分
データを絶対値化する絶対値器を設けると、桁上げ検出
手段の検出アルゴリズムが差分データの正負に拘らず同
じものとなり、従って高速性が要求される桁上げ検出が
容易になる。この様な絶対値器を用いないと、高速性が
犠牲になるが、その分回路規模の縮小が図られる。
【0019】更にまたこの発明による内挿回路では、回
路が許容できるエンコーダの送り速度があり、送り速度
がその許容限界を越えると回路が誤動作する。そこでこ
の発明においては、この様な誤動作を検知通報できるよ
うに、位相角の差分データを監視してオーバースピード
判定を行うオーバースピード検知手段を備えている。特
にこのオーバースピード検知手段のオーバースピード判
定には、差分データが判定基準値以上になったこと、及
びその判定基準値超過が第1のクロックに同期して所定
回数連続したことを条件とすることにより、機械的振動
等に起因して頻繁にオーバースピードアラーム信号を出
すような事態を防止して、内挿回路の高速応答性を損な
うことなく、確実にオーバースピード判定を行うことが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1は、この発明の一実施例に係
る内挿回路を示している。エンコーダは示していない
が、2相正弦波信号を出力するものであって例えば、磁
気抵抗素子と磁気スケールを用いた磁気式エンコーダで
ある。しかしこれに限られるわけではなく、光電式その
他のエンコーダにも適用できる。
【0021】この内挿回路は、エンコーダから出力され
る2相正弦波信号INA,INBを第1のクロックCK
1(周期PCK1 )によりサンプリングしてディジタル処
理して位相角データPHを得る位相角変換回路1と、得
られた位相角データPHに基づいて第1のクロックCK
1の周期で順次現在値データを更新保持するデータ更新
回路2とを有し、更に内挿パルス均等化の手段として、
データ更新回路2内で得られる位相角データの1周期毎
の差分データDXを取り込んで第2のクロックCK2
(周期PCK2 )で積分する積分回路3を有する。積分回
路3は、データ範囲M=PCK1 /PCK2 毎に桁上げが行
われるように設定されており、その桁上げ検出を行う桁
上げ検出回路4が設けられて、桁上げ検出信号のタイミ
ングで、かつ差分データの極性に応じた計数方向で2相
方形波データを発生する2相方形波発生回路5が設けら
れている。また、データ更新回路2内で得られる位相角
データの1周期毎の差分データDXを監視してエンコー
ダのオーバースピードを判定するオーバースピード検知
回路6が設けられている。
【0022】各部の具体回路構成と動作は次の通りであ
る。位相角変換回路1は、2相正弦波信号INA,IN
Bをそれぞれ第1のクロックCK1でサンプリングして
保持するサンプルホールド回路11a,11bと、サン
プリング値をディジタルデータに変換するA/Dコンバ
ータ12a,12bと、このA/Dコンバータ12a,
12bで得られたディジタルデータに基づいて位相角デ
ータを求めるルックアップテーブル・メモリ13とを有
し、得られた位相角データPHは、第1のクロックCK
1で第1のレジスタ14に保持される。ルックアップテ
ーブルは上述の数1に基づいて作られる。
【0023】データ更新回路2は、第1のクロックCK
1により駆動されて現在値データCNTを格納する第2
のレジスタ27を有し、この第2のレジスタ27に保持
された現在値データCNTは、減算器21により位相角
変換回路1内の第1のレジスタ14に順次新たに送られ
る位相角データPHとの差分がとられて、得られた差分
データDXにより順次更新されるようになっている。こ
の実施例の場合減算器21で演算された差分データDX
からは、絶対値器22により絶対値が、また極性検知回
路23により極性値データPOLが求められ、求められ
た差分データDXの絶対値はリミッタ24により上限値
が制限された差分データDELTA1とされる。リミッ
タ24により制限される差分データDXの絶対値の上限
値LMTは、M=PCK1 /PCK2 、またはそれ以下に設
定される。
【0024】そして極性付加回路25により差分データ
DELTA1に極性値データPOLが再度付加されて、
DELTA2となり、これが加算器26によって現在値
データCNTに加算されて、その加算値S1が第2のレ
ジスタ27に取り込まれる。即ち、第1のクロックCK
1に同期して現在値データCNTは減算器21にフィー
ドバックされて、位相角データPHとの差分がとられ、
差分データDXに基づいて現在値データCNTは繰り返
し更新されることになる。
【0025】ここまでの位相角変換と位相角データ更新
の動作を、具体的な数値例を挙げて説明する。PCK1 =
200ns(=5MHz)、PCK2 =25ns(=40
MHz)とすると、これらの周期比は、M=PCK1 /P
CK2 =8であり、この実施例ではこれがリミッタ24で
の上限値LMTともなる。減算器21で求められる差分
データがDX=−10のとき、絶対値器22及びリミッ
タ24により得られる差分データは、DELTA1=8
となり、極性データPOLは負、また極性付加回路25
で再度極性が付加された差分データは、DELTA2=
−8となる。即ち更新される値がリミッタ24が制限す
る上限値LMT以下に抑えられて、現在値データCNT
は繰り返し更新される。
【0026】より具体的に、内挿数INP=400の場
合を例示する。このとき、入力正弦波信号INA,IN
Bの周期λと出力2相方形波出力OUTA,OUTBの
分解能Rの関係は、下記数2で与えられる。
【0027】
【数2】R=λ/INP
【0028】λ=4μm ,INP=400の場合、R=
4μm /400=0.01μm となる。A/Dコンバー
タ12a,12bの分解能を10ビットとすると、ルッ
クアップテーブル・メモリ13のアドレスは20ビット
必要である。このメモリ13で変換される位相角データ
PHのデータ範囲は内挿数INPとなり、0〜399の
間の数値になる。位相角データPHの最小目盛り(1L
SB)は、360°/INP=0.9°に対応する。こ
のとき、第1のクロックCK1の周期1〜4で位相角デ
ータPHから現在値データCNTが得られるまでのアル
ゴリズムを具体数値例で示すと、下記表1のようにな
る。
【0029】
【表1】
【0030】表1では、現在値データCNTの初期値を
200として、周期1で位相角データPH=200が得
られた場合を示している。この周期1ではCNTは変化
しない。周期2では、エンコーダが移動してPH=19
8が得られた場合である。このとき差分データDX=−
2となり、リミッタ24を通った絶対値の差分データD
ELTA1=2となり、現在値データCNTへの加算値
S1は、−2+200=198となる。これが次の周期
3の現在値データCNTとなり、ここで位相角データP
H=188が得られると、差分データDX=−10であ
るから、その絶対値DELTA1は上限値LMT=8で
制限される。周期4では、現在値CNTより大きい位相
角データPH=192が得られた場合を示している。こ
のとき、加算値はPHと等しいS1=192となる。即
ち先の周期3で更新値が一時的に不足するが、更新量が
小さくなった周期4で補完されることになる。
【0031】更新すべき量が上限値以下であれば、第1
のクロックCK1の1周期内で完全な更新が可能であ
る。この様な状態を満足するエンコーダの摺動速度V
は、下記数3で表される。
【0032】
【数3】V≦LMT×R/PCK1 =8×0.01[μm ]/200[ns] =400[mm/s]
【0033】この実施例の場合、瞬間的にV>400m
m/sとなっても、前述したフィードバック制御によ
り、自律的に現在値データCNTが復元される。V>4
00mm/sの状態が継続して、差分データDXが増大
すると、正弦波1サイクル分遅れた現在値データがフィ
ードバックされる事態が生じ、このとき誤動作発生状態
となる。上述の例では、差分データの絶対値が200を
越えた場合がこれに相当する。従って回路が継続的に応
答できる最大送り速度は、数3で規定されることにな
る。
【0034】次に、データ更新回路2で得られる上限値
が制限された差分データDELTA1と極性データPO
Lとを用いて、パルス均等化処理を行う積分回路3の部
分の具体構成と動作を説明する。積分回路3は、差分デ
ータDELTA1を第1のクロックCK1で格納する第
3のレジスタ31を有し、このレジスタ31に保持され
た差分データDELTA1を第1のクロックCK1と同
期した高周波の第2のクロックCK2で累算して保持す
る加算器32と第4のレジスタ33を有する。第4のレ
ジスタ33は、第1のクロックCK1によりリセットさ
れる。即ち積分値INTPCNTは、第1のクロックC
K1のある周期で得られた差分データDELTA1が次
の周期内で第2のクロックCK2の周期毎に順次2倍,
3倍,…されたものとなる。
【0035】桁上げ検出回路4は、積分値INTPCN
Tが上述した周期比Mに達する毎に、第1のクロックC
K1の周期内で差分データDELTA1の大きさに応じ
た数の桁上げ検出信号QUADENを発生する。この桁
上げ検出信号QUADENが内挿のタイミング信号とな
る。具体的に、M=LMT=8の場合について、第1の
クロックCK1の周期内で、差分データDELTA1の
大きさに応じて得られる積分値の変化と、これに伴って
発生される桁上げ検出信号QUADENの様子を図2に
示した。差分データDELTA1=8であれば、第2の
クロックCK2の全てのタイミングで桁上げ検出信号Q
UADENが発生され、差分データDELTA1が小さ
くなっても、第1のクロックCK1の周期内に分散され
た形で桁上げ検出信号QUADENが得られることが分
かる。これは、データ更新回路2で上限値LMT=Mを
設定したことと、データ範囲をMに設定した差分データ
DELTA1の積分動作による結果である。
【0036】そして、2相方形波発生回路5は、桁上げ
検出信号QUADENのタイミングで、かつ差分データ
の極性値データPOLに基づく計数方向で、図13に示
した状態遷移による2相方形波データOUTA,OUT
Bを出力する。下記表2は、第1のクロックCK1の周
期K,K+1,K+2において、差分データDELTA
1=1,5,3が得られた場合を例にとって、積分値I
NTPCNT,桁上げ検出信号QUADEN及び外部カ
ウンタの変化を示している。
【0037】
【表2】
【0038】即ち、第1のクロックCK1の周期Kで、
差分データDELTA1が1とすると、先ず第1のクロ
ックCK1でINTPCNT=0に初期化され、第2の
クロックCK2の周期1〜8で、積分値INTPCNT
と差分データDELTA1が加算される。表2では、説
明を分かりやすくするため、データ範囲M=8を越えた
上位桁も示しているが、データ処理上はこれらの上位桁
は不要であり、実際の処理回路では省略できる。第2の
クロックCK2の周期8でINTPCNT=8となり、
桁上げ検出信号QUADENが発生すると、そのタイミ
ングで2相方形波データが出力される。以下、周期K+
1,K+2でも同様に、積分値INTPCNTが8の整
数倍を越えると桁上げ信号QUADENが発生される。
【0039】以上の内挿動作を、従来の図14に対応さ
せて図3に示す。図14と比較して明らかなように、第
1のクロックCK1の周期内での内挿の均等化が図られ
ている。以上のようにこの実施例によると、位相角デー
タを差分データによりフィードバックして更新するよう
に構成すると共に、差分データの上限値を第1,第2の
クロックの周期比Mに設定し、かつ差分データを積分し
て内挿用の桁上げ検出信号を発生する積分回路のデータ
範囲を同じくその周期比Mに設定することにより、内挿
パルスを第1のクロックの周期内で均等に配分すること
が可能になる。しかも位相角データの差分データの大き
さが瞬間的に上限値を越えた場合にも、フィードバック
機構により自律的に正しい現在値データが復元補完され
るようにして、インクリメンタル計数器としての誤計数
が回避されるようになっている。
【0040】またこの実施例においては、差分データD
Xを絶対値データDELTA1として利用することで、
積分回路での桁上げ検出のアルゴリズムを簡単にしてい
る。即ち、2の補数バイナリ表記したとき、例えば+7
は、0111、−7は、1001となり、対称性がない
ため、このまでは桁上げ検出のアルゴリズムが正負で異
なる。これを絶対値化すると、+7は、極性ビット0+
0111、−7は、極性ビット1+0111となり、同
じアルゴリズムで桁上げ検出が可能となる。この桁上げ
検出は前述のような内挿処理のために高速性が要求さ
れ、上の例では第2のクロックCK2の周期内で4ビッ
トの加算が終了できることが必要であるから、この実施
例のように絶対値化してデータ構造を簡単にすることが
有効となる。
【0041】しかし、この発明において差分データの絶
対値化は必ずしも必要ではなく、例えば図1の絶対値化
回路を省略した、図4の構成としてもよい。図1に比べ
て高速処理が困難になるが、回路規模は縮小され、とく
に内挿数が大きい場合にはその縮小の効果が大きくな
る。
【0042】なお、各回路部の具体的な実現法について
は、例えばルックアップテーブル・メモリとしては、R
OM,EPROM,EEPROM,フラッシュメモリ等
の不揮発性メモリが用いられる。また演算回路には、デ
ィジタルロジック回路(汎用ゲート,ゲートアレイ,F
PGA等)、プログラマブル演算回路(DSP,組み込
み型マイクロコントローラ等)、ソフトウェア等が用い
られる。また内挿数については、エンコーダの出力を2
相正弦波信号とすることで既に内挿数4となるから、こ
の発明は5以上の任意の自然数の内挿数の内挿回路を対
象とすることができる。特に、2n(nは自然数)とし
た場合、加算器等の演算回路が簡単になるため有利であ
る。更に第1,第2のクロックCK1,CK2の周期比
Mも任意の自然数を用い得る。特に、M=2m(mは自
然数)とすれば、均等化パルス発生回路部が簡単にな
り、その結果遅延時間が小さくなって、高速性を実現し
易くなる。
【0043】次に、差分データDXを監視してオーバー
スピード検知を行うオーバースピード検知回路6の具体
的な構成例を説明する。図5は、オーバースピード検知
回路6の構成例である。差分データDXは、位置の追従
遅れを示す信号であるから、この実施例ではこの差分デ
ータDXの絶対値|DX|をある判定基準値DXALM
と比較して、差分データ|DX|が判定基準値DXAL
M以上になったことを検知するマグニチュードコンパレ
ータ61を用いている。このマグニチュードコンパレー
タ61は、差分データ|DX|が判定基準値DXALM
以上になったことを検知して超過検出信号DXOVRを
出力する。これがオーバースピード検知の第1条件であ
る。例えば、第1,第2のクロックCK1,CK2の周
期をそれぞれ、CK1=200ns,CK2=25ns
としたとき、これらの比が時間補間できる最大パルス数
であり、この例では8である。一方差分データ|DX|
は8以上の値を取り得るため、判定基準値DXALMを
8(リミット値)以上の大きな値にすればよい。ただ
し、差分データ|DX|が内挿数の1/2を越えると、
回路の自律的復元機能が損なわれるから、判定基準値D
XALMは内挿数の1/2以下の範囲で選択する。
【0044】一方、オーバースピード検知の感度を高く
設定し過ぎると、頻繁にアラームを出し、緊急停止の頻
度が増す。これは、信号調整が不十分であったり、エン
コーダのセンサ部の汚れ、機械的振動、電磁ノイズ等を
原因とする信号品質低下により起こり得る。即ち、正弦
波状信号INA,INBが理想状態からずれることによ
り、その360°の一部分で瞬間的に差分データDXが
判定基準値DXALMを越えるという事態が、許容送り
速度に達する前に生じ得る。この様な事態を防止するた
めには、差分データ|DX|が連続して所定回数Nだけ
判定基準値DXALM以上になったことをオーバースピ
ード検知の第2条件とすればよい。
【0045】そこで図5においては、マグニチュードコ
ンパレータ61から得られる超過検知信号DXOVR=
1を計数するカウンタ62と、このカウンタ62のカウ
ント値がNになったことを判定する判定回路63と、こ
の判定回路63の判定結果を保持してオーバースピード
アラーム信号OSALMを出力するRSフリップフロッ
プ64とを備えている。カウンタ62は第1のクロック
CK1に同期して超過検知信号DXOVR=1をカウン
トするが、DXOVR=0によりリセットされる。した
がって、第1のクロックCK1がN個連続する間、超過
検知信号DXOVR=1であるときに初めて、オーバー
スピードアラーム信号OSALM=1が得られるように
なっている。
【0046】図6は、図5と同様の条件でオーバースピ
ード検知を行うオーバースピード検知回路6の他の例で
ある。この実施例では、マグニチュードコンパレータ6
1から得られる超過検知信号DXOVRを第1のクロッ
クCK1で動作するN段のシフトレジスタ651 〜65
N に順次取り込んで転送し、各段出力がオール1になっ
たことをANDゲート66で検知して、その検知出力を
RSフリップフロップ64で保持するようにしている。
なお、RSフリップフロップ64は外部からのアラーム
リセット信号によりリセットされる。
【0047】図5及び図6のオーバースピード検知回路
6をソフトウェアにより実現した場合、そのフローは図
7のようになる。即ち、オーバースピードアラーム信号
OSALM及びカウント値Kを0として初期化して(S
1)、差分データ|DX|が判定基準値DXALM以上
になったか否かを判定し(S2)、YESであればカウ
ント値Kをカウントアップし(S3)、NOであれば、
カウント値Kを初期化する(S4)。カウント値KがN
になったか否かを判定し(S5)、NOであれば同様の
動作を繰り返し、YESであればオーバースピードアラ
ーム信号OSALM=1を出す。
【0048】次に、具体的な実験データに基づいてこの
実施例の作用を明らかにする。実験条件は、図1におい
て、A/Dコンバータ12a,12bを10ビットA/
Dコンバータとし、内挿数を400、A/Dコンバータ
12a,12bの入力範囲を2.6V±1.0Vとし、
A,B相の正弦波状入力信号INA,INBを下記表3
の条件1〜4で与えた。なお表3では、正弦波状信号を
中心電圧a[V]と振幅b[V]によりa±bで表して
いる。またINBの括弧内は、INAとの位相差であ
る。
【0049】
【表3】
【0050】オーバースピード判定条件である判定基準
値DXALMと判定カウント値Nを種々選択して、表3
の信号入力条件1〜4についてオーバースピード検知の
実験を行った結果を図8に示す。この結果から、オーバ
ースピード判定基準を、DXALM=64、N=1,
2,4,8に設定すれば、入力信号条件1〜4のいずれ
の場合も回路の応答限界100kHzで確実にオーバー
スピード検出を行うことができる。その他の判定基準に
設定すると、100kHz未満でオーバースピードを検
出してしまい、正確なオーバースピード検知ができな
い。
【0051】オーバースピード検知回路6のもう一つの
構成例を図9に示す。このオーバースピード検知回路6
の原理は、回路が追従不能のオーバースピードになった
ときの差分データDXの極性反転の瞬間を検出するもの
である。前述のようにこの実施例の内挿回路では、内挿
数400として、瞬間的にオーバースピードとなって
も、位相角データPHと1周期前のデータ(現在値デー
タ)CNTの差である差分データDXが、−199≦D
X≦199の範囲、即ち入力正弦波信号の周期で180
°遅れの範囲では回路のフィードバック機能により誤動
作とはならない。オーバースピード状態が継続して差分
データDXが上述の範囲を外れると、回路は1周期遅れ
た追従値でロックしようと作用し、このとき差分データ
DXは極性反転する。図9のオーバースピード検知回路
6はこの極性反転をオーバースピード判定条件としてい
る。
【0052】即ち、図5及び図6と同様に、マグニチュ
ードコンパレータ61は差分データ|DX|が判定基準
値DXALM以上になったこと検知するために設けられ
ている。またこのマグニチュードコンパレータ61によ
る超過検知信号DXOVRを第1のクロックCK1に同
期して取り込むフリップフロップ83が設けられ、現在
の超過検知信号DXOVR1と1周期前の超過検知信号
DXOVR2の一致を検出するためのANDゲート85
が設けられている。一方、差分データDXの極性を検知
して、DX≧0のときにDXPOL=1、DX<0のと
きにDXPOL=0なる極性データDXPOLを出力す
る極性検知回路81と、極性データDXPOLを第1の
クロックCK1に同期して取り込むフリップフロップ8
2と、現在の極性データDXPOL1と1周期前の極性
データDXPOL2の不一致、即ち極性反転を検出する
EXORゲート84が設けられている。
【0053】例えば、図10に示すように、オーバース
ピードにより差分データDXが正方向に増大して、20
0を越えようとすると、極性反転する。その前後で、|
DX|は共に大きく、連続して判定基準値DXALMを
越えるため、超過検知信号DXOVR1,DXOVR2
は共に1であり、これがANDゲート85により検知さ
れる。また、差分データDXの極性反転は、EXORゲ
ート84により検知される。したがって、これらのゲー
ト84,85の出力の積をANDゲート86で取ること
により、第1のクロックCK1に同期して連続して超過
検知信号DXOVR=1が得られ、かつその間に差分デ
ータDXが極性反転したこと、即ちオーバースピードに
よる1周期遅れの追従が検知されることになる。このA
NDゲート86の出力をRSフリップフロップ74に取
り込んで、オーバースピードアラーム信号OSALM=
1を出すことができる。
【0054】以上のようにこの実施例によると、内挿回
路内の位相角データの差分データDXを監視して、ある
程度正弦波状信号の品質低下があっても確実にオーバー
スピード検知を行うことができる。特に図5及び図6の
オーバースピード検知回路を用いれば、エンコーダの最
大送り速度にほぼ等しい限界周波数に達するまでオーバ
ースピード検知を行わず、また誤動作とはならない瞬間
的なオーバースピードや他の原因でより頻繁にオーバー
スピードアラームを出すといった事態を防止して、回路
の応答性能を十分に引き出すことが可能になる。したが
って、高速の内挿回路の信頼性が高いものとなる。
【0055】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、エ
ンコーダから出力される2相正弦波信号から、第1のク
ロックでデータ変換された位相角データの1周期毎の差
分データを、その上限値を制限して順次現在値データに
加算し現在値データを更新する位相角データの更新手段
を設け、このデータ更新手段の中で得られる上限値が制
限された差分データを第1のクロックより高周波の第2
のクロックで、第1のクロック周期毎にリセットしなが
ら積分し、積分値が第1,第2のクロックの周期比に達
する毎に桁上げ検出信号を発生して、この桁上げ検出信
号のタイミングでかつその極性に応じて計数方向を切換
えて状態遷移する2相方形波データを発生するようにし
ている。これにより、第1のクロック周期内で得られる
差分データ値に応じた数の桁上げ検出信号即ち内挿パル
スは第1のクロック周期内に均等に分配され、エンコー
ダの動的精度が向上する。またこの発明によれば、位相
角の差分データを監視してオーバースピード判定を行う
オーバースピード検知手段を備えて、内挿回路の動的精
度向上を損なうことなく、確実にオーバースピード判定
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る内挿回路の構成を
示す。
【図2】 同実施例の内挿回路による桁上げ検出信号の
発生の様子を示す。
【図3】 同実施例の内挿回路による2相方形波出力の
動作を示す。
【図4】 内挿回路の他の構成例を示す。
【図5】 同実施例のオーバースピード検知回路の構成
例を示す。
【図6】 同実施例のオーバースピード検知回路の構成
例を示す。
【図7】 図5及び図6のオーバースピード検知回路の
動作フローを示す。
【図8】 オーバースピード検知回路の性能実験結果を
示す。
【図9】 他のオーバースピード検知回路の構成例を示
す。
【図10】 図9のオーバースピード検知回路の動作を
説明するための図である。
【図11】 従来の内挿回路の構成を示す。
【図12】 2相正弦波信号と位相角データの関係を示
す。
【図13】 2相方形波発生回路の状態遷移を示す。
【図14】 従来の内挿回路による2相方形波出力の動
作を示す。
【符号の説明】
1…位相角変換回路、11a,11b…サンプルホール
ド回路、12a,12b…A/Dコンバータ、13…メ
モリ、14…第1のレジスタ、2…データ更新回路、2
1…第2のレジスタ、22…絶対値器、23…極性検出
回路、24…リミッタ、25…極性付加回路、26…加
算器、27…第2のレジスタ、3…積分回路、31…第
3のレジスタ、32…加算器、33…第4のレジスタ、
4…桁上げ検出回路、5…2相方形波発生回路、6…オ
ーバースピード検知回路、CK1…第1のクロック、C
K2…第2のクロック。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンコーダから出力される90°位相が
    ずれた2相正弦波信号をそれぞれ一定周波数の第1のク
    ロックでサンプリングしてディジタルデータに変換し、
    得られたディジタルデータの相関関係から各サンプリン
    グ位相に対応する位相角データを求める位相角データ変
    換手段と、 この位相角データ変換手段により順次得られる位相角デ
    ータと1周期前の位相角データとの差分をとる差分手段
    と、 この差分手段により得られた差分データを前記第1のク
    ロックと同期した第1のクロックより高周波の第2のク
    ロックに同期して前記第1のクロックの周期内で均等に
    離散化したパルスに変換する時間補間手段と、 この時間補間手段により得られたパルスに同期してディ
    ジタル2相方形波データを発生する2相方形波発生手段
    と、 前記差分手段により得られた差分データを監視して前記
    エンコーダのオーバースピードを判定するオーバースピ
    ード検知手段とを備えたことを特徴とするエンコーダの
    内挿回路。
  2. 【請求項2】 エンコーダから出力される90°位相が
    ずれた2相正弦波信号をそれぞれ一定周波数の第1のク
    ロックでサンプリングしてディジタルデータに変換し、
    得られたディジタルデータの相関関係から各サンプリン
    グ位相に対応する位相角データを求める位相角データ変
    換手段と、 この位相角データ変換手段により順次得られる位相角デ
    ータと1周期前の位相角データとの差分をとり得られた
    差分データをその上限値を制限して1周期前の位相角デ
    ータに加算して更新される位相角データとして保持する
    データ更新手段と、 上限値が制限された前記差分データを前記第1のクロッ
    クと同期した第1のクロックより高周波の第2のクロッ
    クで積分してその積分値を保持する、前記第1のクロッ
    クでリセットされる積分手段と、 前記積分値が前記第1のクロックと第2のクロックの周
    期比以上に達したことを検出して桁上げ検出信号を発生
    する桁上げ検出手段と、 前記第2のクロックに同期して前記桁上げ検出信号のタ
    イミングでディジタル2相方形波データを発生する2相
    方形波発生手段と、 前記データ更新手段内で得られる前記差分データを監視
    して前記エンコーダのオーバースピードを判定するオー
    バースピード検知手段とを備えたことを特徴とするエン
    コーダの内挿回路。
  3. 【請求項3】 前記位相角データ変換手段は、 前記2相正弦波信号をそれぞれ前記第1のクロックでサ
    ンプリングしてディジタルデータに変換するA/D変換
    手段と、 得られたディジタルデータから前記位相角データを求め
    るルックアップテーブルを記憶したメモリと、 このメモリから読み出された位相角データを前記第1の
    クロックで順次保持する第1のデータ保持手段とを有
    し、 前記データ更新手段は、 前記第1のクロックに同期して前記第1のデータ保持手
    段に順次取り込まれる位相角データと1周期前の位相角
    データとにより更新される位相角データを保持するため
    の第2のデータ保持手段と、 前記第1のデータ保持手段に取り込まれる位相角データ
    と前記第2のデータ保持手段に保持された位相角データ
    との差分をとる減算手段と、 この減算手段により得られた差分データの上限値を前記
    第1のクロックと第2のクロックの周期比以下に制限す
    るリミッタと、 このリミッタにより上限値が制限された差分データと前
    記第2のデータ保持手段に保持された位相角データとを
    加算して前記第2のデータ保持手段に保持された位相角
    データを更新するための加算手段とを有することを特徴
    とする請求項2記載のエンコーダの内挿回路。
  4. 【請求項4】 前記位相角データ変換手段は、 前記2相正弦波信号をそれぞれ前記第1のクロックでサ
    ンプリングしてディジタルデータに変換するA/D変換
    手段と、 得られたディジタルデータから前記位相角データを求め
    るルックアップテーブルを記憶したメモリと、 このメモリから読み出された位相角データを前記第1の
    クロックで順次保持する第1のデータ保持手段とを有
    し、 前記データ更新手段は、 前記第1のクロックに同期して前記第1のデータ保持手
    段に順次取り込まれる位相角データと1周期前の位相角
    データとにより更新される位相角データを保持するため
    の第2のデータ保持手段と、 前記第1のデータ保持手段に取り込まれる位相角データ
    と前記第2のデータ保持手段に保持された位相角データ
    との差分をとる減算手段と、 この減算手段により得られた差分データの絶対値をとる
    絶対値器と、 前記減算手段により得られた差分データの極性を検出す
    る極性検出手段と、 前記絶対値器により得られた前記差分データの絶対値の
    上限値を前記第1のクロックと第2のクロックの周期比
    以下に制限するリミッタと、 このリミッタにより上限値が制限された差分データに前
    記極性検出手段により検出された極性を付加する極性付
    加手段と、 この極性付加手段により極性が付加された差分データと
    前記第2のデータ保持手段に保持された位相角データと
    を加算して前記第2のデータ保持手段に保持された位相
    角データを更新するための加算手段とを有することを特
    徴とする請求項2記載のエンコーダの内挿回路。
  5. 【請求項5】 前記オーバースピード検知手段は、 前記差分データの絶対値が判定基準値以上になったこと
    を検知して超過検知信号を出力する比較手段と、 この比較手段により得られる前記超過検知信号を前記第
    1のクロックに同期して取り込み連続して所定個数の超
    過検知信号が得られたときにオーバースピードと判定し
    てオーバースピードアラーム信号を出力する判定手段と
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載のエ
    ンコーダの内挿回路。
  6. 【請求項6】 前記オーバースピード検知手段は、 前記差分データの絶対値が判定基準値以上になったこと
    を検知して超過検知信号を出力する比較手段と、 前記差分データの極性を検知する極性検知手段と、 前記比較手段により得られる前記超過検知信号を前記第
    1のクロックに同期して連続して検知し、かつその間に
    前記極性検知手段が前記差分データの極性反転を検知し
    たことを判定してオーバースピードアラーム信号を出力
    する判定手段とを有することを特徴とする請求項1また
    は2に記載のエンコーダの内挿回路。
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