JP4195313B2 - 原点検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工作機械や精密測定機器等において相対変位する2部材間の相対変位量を検出するスケール装置に適用して好適な原点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属加工機械や精密測定機器等において相対変位する2部材間の相対変位量を検出するスケール装置では、相対変位量に応じた例えば位相変調信号を光学式インクリメンタルエンコーダや磁気式インクリメンタルエンコーダにより得て、上記位相変調信号の周期を基準信号の周期と比較することにより、相対変位量を表すインクリメンタル信号を生成し、このインクリメンタル信号をカウントすることにより変位量を求めるようにしており、上記変位量の検出精度を上げるために内挿処理が行われている。
【0003】
また、従来よりインクリメンタルエンコーダには、高精度且つ信頼性の高い測定を実現するために絶対原点を表す信号(以下、原点信号という。)を出力する機能が備えられている。例えば、インクリメンタル信号用の目盛とは別に定点信号用の目盛を記録しておき、定点信号用の目盛から得られる定点信号そのものを原点信号として使用したり、定点信号をゲートとしてインクリメンタル信号を1つ選択することにより原点信号を得るようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−104017号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高精度インクリメンタルエンコーダは、内挿精度を向上させるために、インクリメンタル測定用周期性信号の周期が近年特に短くなってきている。
【0006】
インクリメンタル測定用周期性信号の波長(周期)が20μm程度の従来のインクリメンタルエンコーダでは、図20に示すように、インクリメンタル信号の周期に対応してほぼ同じ周期を持った定点信号を得ることができ、これによりインクリメンタル信号の一定位置を検出し定点信号をゲートとして用いて、インクリメンタル信号の1つ原点信号として選択することができた。
【0007】
しかし、インクリメンタル測定用周期性信号の波長(周期)が短くなると、インクリメンタル信号の周期に対応してほぼ同じ周期を持った定点信号を生成することが難しくなる。
【0008】
そこで、インクリメンタル測定用周期性信号の波長(周期)を4μm以下にしたものでは、図21に示すように、インクリメンタル信号の10〜100倍程度の長い周期の定点信号を生成するようにしている。そして、定点信号のエッジすなわち信号の変化点を原点とする方法や、定点信号をゲートして用い、定点信号がアクティブになって最初のインクリメンタル信号を原点とする方法が考えられている。
【0009】
しかしながら、いずれの場合もインクリメンタルエンコーダの相対移動方向によって、異なる原点位置を検出しまうという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の問題点に鑑み、インクリメンタルエンコーダの相対移動方向に拘わらず、特定の原点位置を確実に検出することができるようにした原点検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、インクリメンタル測定用周期性信号に基づいてインクリメンタルエンコーダの相対移動方向を弁別することにより、インクリメンタルエンコーダの相対移動方向に拘わらず、特定の原点位置を検出する。
【0012】
すなわち、本発明は、インクリメンタル測定用周期性信号と原点検出用の定点信号を出力するインクリメンタルエンコーダを備えるスケール装置における原点検出装置であって、上記インクリメンタルエンコーダから出力されたインクリメンタル測定用周期性信号に基づいて、上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向を示す方向性信号を生成する方向性信号生成手段と、上記方向性信号生成手段により生成された方向性信号に基づいて上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向を弁別する弁別手段と、上記インクリメンタルエンコーダから出力された上記定点信号と上記弁別手段による上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向の弁別結果に基づいて、原点信号を生成する原点信号生成手段と、上記方向性信号生成手段から上記原点信号生成手段に供給する方向性信号を積分する積分手段とを備え、上記積分手段は、上記方向性信号生成手段により生成された方向性信号を2値化したカウント制御信号によりカウント動作が制御されるアップダウンカウンタ又はフェイズアキュムレータからなる。
【0013】
本発明に係る原点検出装置において、上記原点信号生成手段は、例えば、上記定点信号と上記弁別手段による上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向の弁別結果とに基づいて、上記定点信号の立上りエッジと立下りエッジを選択して原点信号とする。
【0014】
また、本発明に係る原点検出装置において、上記原点信号生成手段は、例えば、インクリメンタル測定用周期性信号から周期的に生成される原点用信号を、上記定点信号と上記弁別手段による上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向の弁別結果とに基づいてゲートして原点信号とする。
【0015】
また、本発明に係る原点検出装置において、上記方向性信号生成手段は、例えば、上記インクリメンタルエンコーダから出力されたインクリメンタル測定用周期性信号に基づいて生成される内挿処理されたインクリメンタル信号から得られるインクリメンタル値の変化の極性を検出して方向性信号とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
まず、インクリメンタル測定用周期性信号と原点検出用の定点信号を出力するインクリメンタルエンコーダを備えるスケール装置における定点信号の立上りエッジ又は立下りエッジを原点位置として検出する原点検出装置に本発明を適用した実施の形態ついて説明する。
【0020】
本発明に係る原点検出装置は、例えば図1に示すように構成される。
【0021】
この図1に示した原点検出装置10は、インクリメンタル信号用の目盛と定点信号用の目盛が記録された光学式のスケール装置に適用したもので、上記スケール装置のインクリメンタルエンコーダから出力される2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bが入力される内挿回路11、この内挿回路11により得られる方向性信号が供給される比較器12、上記インクリメンタルエンコーダにより得られる定点信号Cが供給される立上り微分器13及び立下り微分器14、原点信号を出力するゲート回路15を備え、上記比較器12、立上り微分器13及び立下り微分器14の各出力が上記ゲート回路15に供給される構成となっている。
【0022】
この原点検出装置10において、上記内挿回路11に供給される2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bは、インクリメンタルエンコーダによりインクリメンタル信号用の目盛に基づいて生成される測定対象物との相対変位量に応じた例えば位相変調信号である。また、上記立上り微分器13及び立下り微分器14に供給される定点信号Cは、インクリメンタルエンコーダにより定点信号用の目盛に基づいて生成される定点位置を示す信号を2値化したものである。
【0023】
上記内挿回路11は、2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bからインクリメンタル信号の周期を内挿することにより得られるインクリメンタル値を出力する。
【0024】
インクリメンタル信号の内挿方法としては、例えば、90°位相の異なる2相信号の内挿方法としてベクトル加算方式や位相変調方式、図2に示すように正弦波信号SIN及び余弦波信号COSをA/D変換器11A,11Bによりデジタル化してルックアップテーブル11Cよりtan−1変換した値(θ,R)を読み出す方法などが知られている。さらに、120°位相の異なる3相信号の内挿方法としては、図3に示すように、直線近似される部分のみを使用して、振幅レベルのみを内挿する方法が知られている。
【0025】
また、上記内挿回路11は、上記2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bに基づいて上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向を示す方向性信号を生成して出力する。この内挿回路11では、例えば、上記インクリメンタル値の変化の極性を検出して方向性信号とする。
【0026】
そして、比較器12は、上記内挿回路11で生成された方向性信号の信号レベルを所定の比較値と比較することによって、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向を弁別して、2値化した方向性信号をゲート制御信号GCとしてゲート回路15に供給する。
【0027】
ここで、2値化した方向性信号は、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向について、論理Hにより正方向を示し、論理Lにより逆方向を示すものとする。
【0028】
また、上記立上り微分器13及び立下り微分器14は、インクリメンタルエンコーダから供給される2値化した定点信号Cを微分することにより、定点信号Cの立上りエッジに対応する立上り微分信号UD及び立下りエッジに対応する立下り微分信号DDを生成して上記ゲート回路15に供給する。
【0029】
上記ゲート回路15は、上記2値化した方向性信号がゲート制御信号GCとして供給されることにより、次のように制御される。
【0030】
すなわち、この原点検出装置10の動作を図4のタイミングチャートに示すように、上記ゲート回路15は、2値化した方向性信号が論理Hのとき、すなわち、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向が正方向のときには、立上り微分信号UDに対してゲートを開き、立下り微分信号DDに対してゲートを閉じることにより、立上り微分信号UDを原点信号として選択して出力する。また、2値化した方向性信号が論理Lのとき、すなわち、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向が逆方向のときには、立下り微分信号DDに対してゲートを開き、立上り微分信号UDに対してゲートを閉じることにより、立下り微分信号DDを原点信号として選択して出力する。
【0031】
このように、この原点検出装置10では、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向に応じて、上記ゲート回路15により立上り微分信号UD又は立下り微分信号DDを原点信号として選択することにより、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向に拘わらず、特定の原点位置を示す原点信号を出力することができる。
【0032】
ここで、上記内挿回路11において、上記インクリメンタル値の変化量の単位時間毎の変化の極性を検出して方向性信号とする場合、図5に示すように、インクリメンタル値の変化が本来移動している方向とは逆の方向を示し、誤った原点信号を発生することがある。これは、単位時間毎の変化量が少ない場合、外乱やノイズによって発生するもので、この状態が発生する頻度は、単位時間毎の変化量が少なくなる程、顕著に現れる。
【0033】
しかし、インクリメンタルエンコーダが移動している場合、方向性信号のディユーティ比率は、移動している方向を示す値の比率が高くなる。このようにディユーティ比率が変化する方向性信号を積分した場合、積分された方向性信号は、図6に太線で示すように、ディユーティ比率に応じて電圧値として変化し、また、瞬間的な変化には殆ど追従しない。
【0034】
そこで、図7に示す原点検出装置20のように、内挿回路11から比較器12に供給する方向性信号を積分する積分器21を設けることにより、ジッターによる方向性信号の急激な変化で方向性弁別を間違えることなく原点を確実に検出することができるようになる。
【0035】
すなわち、方向性信号を積分することによりフィルタを掛け、比較器12で所定の比較値と比較することにより、現在の正確の移動方向を得ることができる。しかも、一時的に発生する反対方向の信号を無視することができ、これにより、原点の読み取り方向を正確に捉えることが可能になる。
【0036】
なお、図7に示した原点検出装置20の他の構成要素は、図1に示した原点検出装置10と同じなので、図7中に同一番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0037】
ここで、上記積分器21としては、例えば図8に示すように、コンデンサCと抵抗Rによる単純な回路構成の積分器21Aを用いることができる。また、大きな時定数が必要な場合には、図9に示すように、コンデンサCと抵抗Rと演算増幅器OPによるアクティブタイプの積分器21Bとすればよい。
【0038】
さらに、上記積分器21としてデジタルフィルタを用いることができることは勿論であるが、例えば図10に示すように、カウンタを用いた比較的に簡単なデジタル回路で実現することもできる。
【0039】
図10に示した積分器21Cは、4ビットのアップ/ダウンカウンタ22と、このアップ/ダウンカウンタ22の動作を制御する制御回路23を備える。
【0040】
上記4ビットのアップ/ダウンカウンタ22には、クロック信号が上記制御回路23を介してクロック端子CLKに供給されるとともに、上記内挿回路11から出力された方向性信号がカウント制御信号としてカウント制御端子DIRに供給される。
【0041】
また、上記制御回路23には、上記内挿回路11から出力された方向性信号、上記アップ/ダウンカウンタ22の4ビット出力Q0〜Q3及びクロック信号CLKが供給される。
【0042】
上記アップ/ダウンカウンタ22は、図11に示すように、インクリメンタルエンコーダが移動していても、加算方向では「7」より大きなカウント値を取らず「7」を保持し、減算方向では「8」より小さなカウント値を取らず「8」を保持するようにカウント動作が制御され、そのカウント出力Q0〜Q3の最上位ビットQ3が方向性信号として使用される。
【0043】
このような構成の積分器21Cでは、方向性信号が完全に一方向にいる場合には「7」又は「8」のカウント値となり、また、加算方向はデューティが8サンプルまで無視することができ、また、減算方向では16サンプルまで逆方向の信号を無視することができることになる。
【0044】
以上の説明では、方向性信号のみで説明したが、上記内挿回路11により得られるインクリメンタル値を累積加減算することにより二値化した方向性信号を生成することもできる。
【0045】
例えば図12に示すようなハードロジックで上記積分器21を構成することができる。
【0046】
図12に示す積分器21Dはフェイズアキュムレータによる積分器の例であり、上記内挿回路11により得られるインクリメンタル値の差分値が供給される加減算器24と、この加減算器24による加減算値の上限値及び下限値を設定するリミッタ回路25と、上記加減算器24から上記リミッタ回路25を介して出力される加減算値をラッチして上記加減算器24の入力とするラッチ回路26からなり、上記ラッチ回路26によりラッチされた累積値の最上位ビットMSBが方向性信号として使用される。
【0047】
このような構成の積分器21Dでは、上記内挿回路11により得られるインクリメンタル値の差分値すなわちサンプル毎の偏差を累積加減算(積分)するため、移動が伴わないと増減値が変化しない。この場合の加減算器24は、距離を得ることが目的ではないため、この加減算器24による加減算値の上限値及び下限値が上記リミッタ回路25で設定されている。上記加減算器のデータの動きを図13に示してある。上記上限値及び下限値(図13の例では、000を基準とし、7FFを上限値、800を下限値としている。)は、距離に対するヒステリシス値となり、移動方向が反転してもヒステリシス分移動しない限り方向性が変わらない、移動方向を正確に捉えることができ、また、急激に移動方向が反転した場合も偏差量が速度に相当するため、方向性の反転の追従性が向上する。
【0048】
インクリメンタル値を累積加減算することにより二値化した方向性信号を生成する場合、図12のようにハードロジックで構成可能であるが、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)等によるソフトウエア処理に適している。
【0049】
以上、インクリメンタル測定用周期性信号と原点検出用の定点信号を出力するインクリメンタルエンコーダを備えるスケール装置における定点信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジを原点位置として検出する原点検出装置に本発明を適用した実施の形態ついて説明したが、本発明は、例えば図14に示すようにインクリメンタル測定用周期性信号から周期的に生成される原点用信号を定点信号に基づいてゲートして原点信号とする構成の原点検出装置30に適用することもできる。
【0050】
この原点検出装置30は、インクリメンタル信号用の目盛と定点信号用の目盛が記録された光学式のスケール装置のインクリメンタルエンコーダから出力される2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bが入力される内挿回路31、この内挿回路31により得られる方向性信号が供給される比較器32、原点信号出力するゲート回路33及び原点マスク信号生成回路34を備え、原点検出方向設定信号、原点ゲート信号、上記内挿回路31により得られる一致信号、上記比較器32から出力される方向性信号、上記原点マスク信号生成回路34により得られる原点マスク信号が供給される構成となっている。なお、上記原点マスク信号生成回路34には、原点マスク解除信号が供給されるようになっている。
【0051】
この原点検出装置30において、上記内挿回路31に供給される2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bは、インクリメンタルエンコーダによりインクリメンタル信号用の目盛に基づいて生成される測定対象物との相対変位量に応じた例えば位相変調信号である。
【0052】
また、ゲート回路33に供給される原点ゲート信号は、インクリメンタルエンコーダにより定点信号用の目盛に基づいて生成される定点位置を示す定点信号を2値化したものである。
【0053】
原点検出方向設定信号及び原点マスク解除信号は、図示しないコントローラから上記ゲート回路33に供給される。
【0054】
上記内挿回路31は、図15に示すように、2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bからインクリメンタル信号の周期を内挿することにより得られるインクリメンタル値を出力する。また、上記2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bに基づいて上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向を示す方向性信号を生成して上記比較器32に供給する。さらに、上記2相のインクリメンタル測定用周期性信号A,Bの信号レベルが1周期毎に一致するタイミングに対応する一致信号を上記インクリメンタル値から得て、この一致信号を原点用信号としてゲート回路33に供給する。
【0055】
そして、比較器32は、上記内挿回路31で生成された方向性信号の信号レベルを所定の比較値と比較することによって、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向を弁別して、2値化した方向性信号をゲート回路33に供給する。
【0056】
ここで、2値化した方向性信号は、上記測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向について、論理Hにより正方向を示し、論理Lにより逆方向を示すものとする。
【0057】
そして、ゲート回路33は、上記内挿回路31から供給される原点用信号すなわち一致信号と原点ゲート信号及び原点マスク信号との論理積をとることにより2箇所の位置で得られる原点用信号を方向性信号により選択して原点信号として出力する構成となっている。このゲート回路は、図15に示すように、原点ゲート信号がアクティブでなおかつ原点検出設定信号と一致した移動方向のみ原点信号を出力する。
【0058】
また、上記原点マスク信号生成回路34は、ゲート回路33から出力される原点信号の立ち下がりエッジでセットされ、原点マスク解除信号立ち上がりエッジでリセットされるSRフリップフロップ回路34Aからなる。
【0059】
このような構成の原点検出装置30では、その動作を図16乃至図19のタイミングチャートに示すように、方向性信号が論理「L」と原点検出方向設定信号が論理「H」で一致していない場合(図19参照)及び方向性信号が論理「H」と原点検出方向設定信号が論理「L」で一致していない場合(図17参照)には原点信号が得られず、方向性信号と原点検出方向設定信号が共に論理「H」で一致している場合(図16参照)と、方向性信号と原点検出方向設定信号が共に論理「L」で一致している場合(図18参照)に原点信号が得られ、測定対象物に対するインクリメンタルエンコーダの相対移動方向に拘わらず、特定の原点位置を示す原点信号を出力することができる。
【0060】
ここで、このようにインクリメンタル測定用周期性信号から周期的に生成される原点用信号を定点信号に基づいてゲートして原点信号とする構成の原点検出装置30においても、上述の図7に示した原点検出装置20と同様に、内挿回路31から比較器32に供給する方向性信号を積分する積分器35を設けることにより、ジッターによる方向性信号の急激な変化で方向性弁別を間違えることなく原点を確実に検出することができるようになる。
【0061】
上記積分器35としては、上述の図8乃至図13に示した構成のものを用いることができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る原点検出装置では、インクリメンタル測定用周期性信号に基づいてインクリメンタルエンコーダの相対移動方向を弁別することにより、インクリメンタルエンコーダの相対移動方向に拘わらず、特定の原点位置を検出することができる。また、積分器をデジタル化することで回路構成が小型になるとともにアナログ素子による経年変化の影響を押さえることができる。さらに、フェイズアキュムレータによる積分器では、位置の差分データをそのまま積分するので、時間遅れによる誤差が少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクリメンタル測定用周期性信号と原点検出用の定点信号を出力するインクリメンタルエンコーダを備えるスケール装置における定点信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジを原点位置として検出する原点検出装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】 インクリメンタル信号の内挿方法の説明に供する図である。
【図3】 120°位相の異なる3相信号の内挿方法の説明に供する図である。
【図4】 上記原点検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】 上記原点検出装置の内挿回路においてインクリメンタル値の変化の極性を検出して方向性信号とする場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】 ディユーティ比率が変化する方向性信号の積分結果を示す図である。
【図7】 本発明に係る原点検出装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】 上記原点検出装置に備えられる積分器の構成例を示す回路図である。
【図9】 上記積分器の他の構成例を示す回路図である。
【図10】 上記積分器をデジタル回路で実現する場合の構成例を示すブロック図である。
【図11】 上記デジタル回路で構成した積分器の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】 内挿回路により得られるインクリメンタル値を累積加減算することにより二値化した方向性信号を生成するようにハードロジックで構成した積分器の構成例を示すブロック図である。
【図13】 上記ハードロジックで構成した積分器の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】 インクリメンタル測定用周期性信号から周期的に生成される原点用信号を定点信号に基づいてゲートして原点信号とする原点検出装置の構成例を示すブロック図である。
【図15】 上記原点検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図16】 方向性信号と原点検出方向設定信号が共に論理「H」で一致している場合の上記原点検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図17】 方向性信号が論理「L」と原点検出方向設定信号が論理「H」で一致していない場合の上記原点検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図18】 方向性信号と原点検出方向設定信号が共に論理「L」で一致している場合の上記原点検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図19】 方向性信号が論理「H」と原点検出方向設定信号が論理「L」で一致していない場合の上記原点検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図20】 インクリメンタル測定用周期性信号の波長(周期)が20μm程度の従来のインクリメンタルエンコーダの動作を示すタイミングチャートである。
【図21】 インクリメンタル測定用周期性信号の波長(周期)を4μm以下にしたインクリメンタルエンコーダの動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10,20,30 原点検出装置、11,31 内挿回路、11A,11B A/D変換器、11C ルックアップテーブル、12,32 比較器、13 立上り微分器、14 立下り微分器、15,33 ゲート回路、21,21A〜21D,35 積分器、C コンデンサ、R 抵抗、OP 演算増幅器、22 アップ/ダウンカウンタ、23 制御回路、24 加減算器、25 リミッタ回路、26 ラッチ回路、34 原点マスク信号生成回路、34A SRフリップフロップ回路
Claims (4)
- インクリメンタル測定用周期性信号と原点検出用の定点信号を出力するインクリメンタルエンコーダを備えるスケール装置における原点検出装置であって、
上記インクリメンタルエンコーダから出力されたインクリメンタル測定用周期性信号に基づいて、上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向を示す方向性信号を生成する方向性信号生成手段と、
上記方向性信号生成手段により生成された方向性信号に基づいて上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向を弁別する弁別手段と、
上記インクリメンタルエンコーダから出力された上記定点信号と上記弁別手段による上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向の弁別結果に基づいて、原点信号を生成する原点信号生成手段と、
上記方向性信号生成手段から上記原点信号生成手段に供給する方向性信号を積分する積分手段とを備え、
上記積分手段は、上記方向性信号生成手段により生成された方向性信号を2値化したカウント制御信号によりカウント動作が制御されるアップダウンカウンタ又はフェイズアキュムレータからなる原点検出装置。 - 上記原点信号生成手段は、上記定点信号と上記弁別手段による上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向の弁別結果とに基づいて、上記定点信号の立上りエッジと立下りエッジを選択して原点信号とする請求項1記載の原点検出装置。
- 上記原点信号生成手段は、上記インクリメンタル測定用周期性信号から周期的に生成される原点用信号を、上記定点信号と上記弁別手段による上記インクリメンタルエンコーダの相対移動方向の弁別結果とに基づいてゲートして原点信号とする請求項1記載の原点検出装置。
- 上記方向性信号生成手段は、上記インクリメンタルエンコーダから出力されたインクリメンタル測定用周期性信号に基づいて生成される内挿処理されたインクリメンタル信号から得られるインクリメンタル値の変化の極性を検出して方向性信号とすることを特徴とする請求項1記載の原点検出装置。
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