JPH07209020A - エンコーダ読み取り信号の補正回路 - Google Patents

エンコーダ読み取り信号の補正回路

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JPH07209020A
JPH07209020A JP6016992A JP1699294A JPH07209020A JP H07209020 A JPH07209020 A JP H07209020A JP 6016992 A JP6016992 A JP 6016992A JP 1699294 A JP1699294 A JP 1699294A JP H07209020 A JPH07209020 A JP H07209020A
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JP
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value
encoder
signal
maximum
minimum
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JP6016992A
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Osami Eda
修巳 江田
Akihiko Morishita
昭彦 森下
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 エンコーダ信号の振幅およびオフセット値を
高精度に補正する。 【構成】 各エンコーダ信号をA/D変換するためのA
/D変換手段と、各エンコーダ信号の最大値および最小
値を記憶するための記憶手段と、前記A/D変換された
信号値と前記記憶された最大値および最小値とを比較す
るための比較手段と、前記A/D変換手段、前記記憶手
段および前記比較手段を制御するための制御手段とを備
えた検出手段と、各エンコーダ信号の最大値および最小
値の初期値を周期ごとに設定し、前記A/D変換された
信号値が前記最大値よりも大きい場合に前記最大値を前
記A/D変換値で置換することによって最大値を更新
し、前記A/D変換された信号値が前記最小値よりも小
さい場合に前記最小値を前記A/D変換値で置換するこ
とによって最小値を更新する更新動作を1つの周期に亘
り繰り返すように制御する制御手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンコーダ読み取り信号
の補正回路に関し、特にエンコーダ読み取り信号の振幅
およびオフセット値の補正を実行する回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンコーダは位相がほぼ90°
異なる正弦波に近い2つの信号を発生する。すなわち、
実際のエンコーダから読み取る2つの信号には、たとえ
ば光量変化、温度変化、パターンの不均一等に起因する
オフセット値(ゼロレベル)および振幅の変動を伴う。
このため、エンコーダ検出部から得られる読み取り信号
をそのまま用いて内挿計算を行っても、上記オフセット
値および振幅の変動の影響により高精度な内挿計算、ひ
いては高精度な位置測定結果を得ることができない。し
たがって、高精度な内挿計算を行うために、エンコーダ
読み取り信号のオフセット値および振幅の変動の補正を
行う必要があった。
【0003】従来のエンコーダ信号の補正方法として
は、たとえば特開昭60−157013号公報に開示の
方法が知られている。この公報に開示の補正方法によれ
ば、2つのエンコーダ信号AおよびBが周期的な正弦信
号で且つ位相差がほぼ90°であるため、一方の信号値
がゼロレベルになったとき他方の信号値がほぼ極大値ま
たは極小値となることに着目し、互いの信号のゼロレベ
ルを利用して各信号の最大値および最小値を測定してい
る。そして、測定した各信号の最大値および最小値に基
づきエンコーダ読み取り信号の振幅およびゼロレベルの
補正を行っている。
【0004】図3は、従来のエンコーダ信号の補正回路
の構成を概略的に示す図である。図示の補正回路では、
ディテクタ(不図示)で検出されたエンコーダ信号Aお
よびBが、それぞれコンパレータ20および21により
矩形化され、矩形信号SAおよびSBとして出力され
る。矩形信号SAおよびSBを受けてパルス生成部22
は、信号SBのエッジを検出し、検出したエッジ信号に
基づきSAのレベルがHのときには信号Aの最大値をサ
ンプルするための信号SMAmax を、SAのレベルがL
のときには信号Aの最小値をサンプルするための信号S
MAmin を生成して出力する。
【0005】同様に、矩形信号SAおよびSBを受けて
パルス生成部23は、信号SAのエッジを検出し、検出
したエッジ信号に基づき、SBのレベルがHのときには
信号Bの最大値をサンプルするための信号SMBmax
を、SBのレベルがLのときには信号Bの最小値をサン
プルするための信号SMBmin を生成して出力する。次
いで、サンプルホールド回路24乃至27では、それぞ
れサンプル信号SMAmax 、SMAmin 、SMBmax お
よびSMBmin にしたがって、エンコーダ信号Aおよび
Bをサンプルホールドする。すなわち、サンプルホール
ド回路24ではエンコーダ信号Aの最大値Amax を、サ
ンプルホールド回路25ではエンコーダ信号Aの最小値
Amin を、サンプルホールド回路26ではエンコーダ信
号Bの最大値Bmax を、サンプルホールド回路27では
エンコーダ信号Bの最小値Bmin をホールドする。
【0006】なお、図4は、読み取り信号AおよびBか
らそれぞれ生成された矩形信号SA、SBおよびサンプ
ル信号SMAmax 、SMAmin 、SMBmax SMBmin
を示している。以上のように検出された各エンコーダ信
号の最大値および最小値Amax 、Amin 、Bmax 、Bmi
n 並びにエンコーダ信号A、Bは、セレクタ28を介し
てA/Dコンバータ29によりA/D変換され、演算処
理部30において補正計算が行われる。また、アナログ
型のピーク検出器を用いてエンコーダ信号の最大値およ
び最小値を検出し、エンコーダ信号の補正を行う方法も
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のエ
ンコーダ信号の補正回路では、2つのエンコーダ信号A
およびBの位相差が90°であることが前提となってい
る。しかしながら、実際のエンコーダの読み取り信号の
位相差は正確に90°ではないため、一方の信号値がゼ
ロレベルのとき、他方の信号値は必ずしも最大値または
最小値にはならない。すなわち、90°に対する位相差
の誤差分に対応して、他方の信号値はその最大値または
最小値からずれた値となる。
【0008】したがって、従来のエンコーダ信号の補正
回路で計測した最大値および最小値には、エンコーダ信
号の位相差誤差に起因した誤差が発生するという不都合
があった。さらに、エンコーダ信号のゼロレベルと最大
値、最小値の検出レベルとが実際には一致しないため、
正確な最大値および最小値を検出することができないと
いう不都合があった。
【0009】なお、位相差の誤差が各周期を通して一定
であれば、この一定な位相差誤差に基づいて、計測され
た最大値および最小値から正確な最大値および最小値を
求める処理を実行することも可能である。しかしなが
ら、実際のエンコーダ読み取り信号では位相差の誤差が
各周期を通して一定ではないため、このような処理の実
行も不可能である。また、アナログ型のピーク検出器を
用いる方法では、エンコーダ信号の変動が時間的に遅い
場合には有効であるが、パターンと検出部との相対移動
に対応して変化する速い変動には有効に働かない。本発
明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、各エン
コーダ読み取り信号の最大値および最小値を正確に求め
ることにより、エンコーダ信号の振幅およびオフセット
値を高精度に補正することのできる、エンコーダ読み取
り信号の補正回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、基準位置からの変位に応じてエ
ンコーダ検出部から読み取られた互いに位相の異なる2
つ以上のエンコーダ信号を補正するための補正回路にお
いて、前記互いのエンコーダ信号の振幅値、オフセット
値および位相差の状態に依存することなく各エンコーダ
信号について個別に、1つの周期における各エンコーダ
信号の最大値および最小値を検出するための検出手段
と、該検出手段で検出した各エンコーダ信号の最大値お
よび最小値に基づいて各エンコーダ信号の振幅およびオ
フセット値を補正するための手段とを備え、前記検出手
段は、各エンコーダ信号をA/D変換するためのA/D
変換手段と、各エンコーダ信号の最大値および最小値を
記憶するための記憶手段と、前記A/D変換された信号
値と前記記憶された最大値および最小値とを比較するた
めの比較手段と、前記A/D変換手段、前記記憶手段お
よび前記比較手段を制御するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、各エンコーダ信号の最大値および最小
値の初期値を周期ごとに設定し、前記A/D変換された
信号値が前記最大値よりも大きい場合に前記最大値を前
記A/D変換値で置換することによって最大値を更新
し、前記A/D変換された信号値が前記最小値よりも小
さい場合に前記最小値を前記A/D変換値で置換するこ
とによって最小値を更新する更新動作を1つの周期に亘
り繰り返すように制御する。
【0011】好ましい態様によれば、前記1つの周期に
おけるエンコーダの回転方向が一定であるか否かを検知
するための回転検知手段と、該回転検知手段の出力に応
じて前記検出手段が検出した最大値および最小値の有効
性を判断するための判断手段とを備えている。
【0012】
【作用】本発明の補正回路では、位相の異なる2つの信
号に対して個別に、1つの周期における各エンコーダ信
号の最大値および最小値を正確に検出する。具体的に
は、たとえば各エンコーダ信号について交互にA/D変
換を実行し、A/D変換された値とその時点での最大値
(最小値)と比較し、A/D変換値が最大値より大(最
小値より小)の場合には、最大値(最小値)をA/D変
換値と置き換えることによって、最大値(最小値)の値
を更新する。この更新動作を1つの周期内において繰り
返すことにより、エンコーダ読み取り信号の位相差誤差
に依存することなく、各エンコーダ信号の最大値および
最小値を正確に検出することができる。
【0013】また、エンコーダが途中で逆回転をした場
合、検出した最大値および最小値は有効ではない。この
ため、たとえば現時点、1つ前の時点および2つ前の時
点におけるエンコーダのカウント値を検出することによ
りエンコーダの1つ前の時点における逆転を検知し、1
つ前の時点において検出した最大値および最小値の有効
性を判断するための判断手段を備えるのが好ましい。さ
らに、複数周期についてそれぞれ検出した最大値および
最小値を格納するための記憶手段を備えているのが好ま
しい。複数周期分の最大値および最小値を記憶していれ
ば、平均計算等の手段を用いることによって、検出した
最大値および最小値からノイズ等の影響を排除してさら
に正確に最大値および最小値を検出することが可能にな
る。また、複数周期分の最大値および最小値の偏差に基
づいてエンコーダの測定精度に関する情報を外部に提示
することが可能になる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の実施例にかかるエンコーダ読み
取り信号の補正回路の構成を模式的に説明する図であ
る。また、図2は、補正すべきエンコーダ信号の波形図
であって、第2周期において逆回転した場合の波形図を
示している。図示の補正回路は、ディテクタ(不図示)
で検出されたエンコーダ信号AおよびBをそれぞれ受け
るコンパレータ1および2を備えている。コンパレータ
1および2は、エンコーダ信号AおよびBをそれぞれ矩
形信号SAおよびSBに生成するように構成されてい
る。
【0015】コンパレータ1および2の出力は、ともに
カウントクロック生成部4および方向信号生成部3の入
力に接続されている。カウントクロック生成部4では、
矩形信号SAおよびSBを受けてエンコーダのカウント
クロックCCLKを生成する。一方、方向信号生成部3
では、矩形信号SAおよびSBを受けてエンコーダの回
転方向信号CUDを生成するように構成されている。
【0016】カウントクロック生成部4および方向信号
生成部3の出力は、カウンタ5の入力に接続されてい
る。カウンタ5では、カウントクロックCCLKおよび
回転方向信号CUDに基づいて現時点(現在の周期)に
おけるエンコーダのカウント値を出力するように構成さ
れている。なお、カウントクロックCCLKは1つの周
期の終了(正転または逆転による)を、回転方向信号C
UDはエンコーダの回転方向が正転方向であるか逆転方
向であるかを示す信号である。
【0017】また、カウンタ5およびカウントクロック
生成部4の出力は、フリップフロップ6の入力に接続さ
れている。フリップフロップ6では、現時点におけるエ
ンコーダのカウント値およびカウントクロックCCLK
に基づき、1つ前の時点(前回の周期)におけるエンコ
ーダのカウント値を出力するように構成されている。さ
らに、フリップフロップ6およびカウントクロック生成
部4の出力は、フリップフロップ7の入力に接続されて
いる。フリップフロップ7では、1つ前の時点における
エンコーダのカウント値およびカウントクロックCCL
Kに基づき、2つ前の時点(前々回の周期)におけるエ
ンコーダのカウント値を出力するように構成されてい
る。
【0018】次いで、カウンタ5およびフリップフロッ
プ7の出力は、カウント値比較部8の入力に接続されて
いる。カウント値比較部8では、現時点におけるエンコ
ーダのカウント値と2つ前の時点におけるエンコーダの
カウント値とを比較し、カウント値が等しい場合には等
しいことを示す検出信号EQを出力するように構成され
ている。カウントクロック生成部4、フリップフロップ
6およびカウント値比較部8の出力は、検出シーケンサ
9の入力に接続されている。
【0019】一方、図示の補正回路は、エンコーダ信号
AおよびBを受けるセレクタ10を備えている。セレク
タ10の出力はA/Dコンバータ11の入力に接続され
ており、セレクタ10によって交互に選択されたエンコ
ーダ信号AおよびBがA/D変換されるように構成され
ている。図示の補正回路はさらに、記憶手段としてのR
AM12を備えている。セレクタ10、A/Dコンバー
タ11およびRAM12は、共通のバス15により相互
に接続され、さらにバススイッチ13を介して検出シー
ケンサ9と接続可能に構成されている。また、セレクタ
10、A/Dコンバータ11およびRAM12は、バス
15によりバススイッチ13を介して内挿計算等を実行
するためのCPU14にも接続可能に構成されている。
【0020】このように、CPU14、セレクタ10、
A/Dコンバータ11およびRAM12は、バス15お
よびバススイッチ13を介して検出シーケンサ9により
制御されるように構成されている。
【0021】以上のように構成された本実施例の補正回
路の動作について、以下説明する。まず、エンコーダ信
号の最大値および最小値の検出動作について説明する。
1つの周期の開始時点において、検出シーケンサ9は、
RAM12で記憶し得る数値のうちで一番小さな値を最
大値の初期値に、一番大きな値を最小値の初期値に設定
する。たとえば、最大値および最小値が8ビットレジス
タに格納されているならば、最大値の初期値として00
Hを、最小値の初期値としてFFHを設定する。なお、
すでに述べたように、セレクタ10およびA/Dコンバ
ータ11は、バス15を介して検出シーケンサ9によっ
て制御可能である。したがって、検出シーケンサ9は、
バス信号を制御することにより、現時点におけるエンコ
ーダ信号の値を任意に得ることが可能である。
【0022】具体的には、検出シーケンサ9は、セレク
タ10の出力としてエンコーダ信号Aを選択する。選択
されたエンコーダ信号Aの値は、A/Dコンバータ11
によってA/D変換される。A/D変換されたエンコー
ダ信号Aの値はまず最大値(最初は初期値)と比較さ
れ、A/D変換値の方が最大値よりも大ならば最大値を
A/D変換値で置換して最大値を更新する。また、A/
D変換されたエンコーダ信号Aの値は最小値(最初は初
期値)とも比較され、A/D変換値の方が最小値よりも
小ならば最小値をA/D変換値で置換して最小値を更新
する。
【0023】さらに、検出シーケンサ9は、セレクタ1
0の出力としてエンコーダ信号Bを選択し、エンコーダ
信号Bについてもエンコーダ信号Aと同様の更新動作を
行う。すなわち、選択されたエンコーダ信号Bの値はA
/Dコンバータ11によってA/D変換され、A/D変
換されたエンコーダ信号Bの値はまず最大値(最初は初
期値)と比較される。もし、A/D変換値の方が最大値
よりも大ならば最大値をA/D変換値で置換して最大値
を更新する。また、A/D変換されたエンコーダ信号B
の値は最小値(最初は初期値)とも比較され、A/D変
換値の方が最小値よりも小ならば最小値をA/D変換値
で置換して最小値を更新する。
【0024】以降、検出シーケンサ9がカウントクロッ
クCCLKを検出してその周期が終了したことを確認す
るまで、エンコーダ信号AおよびBについて交互に上述
の更新動作を順次繰り返す。こうして、エンコーダ信号
AおよびBについて、互いの信号の状態、特に位相差に
依存することなく、各エンコーダ信号について個別的
に、それぞれの最大値および最小値を正確に検出するこ
とができる。
【0025】次いで、本実施例にかかる補正回路の全体
動作について説明する。ディテクタ(不図示)で検出さ
れたエンコーダ信号AおよびBが、それぞれコンパレー
タ1および2によって矩形化され、矩形信号SAおよび
SBが生成される。カウントクロック生成部4では、矩
形信号SAおよびSBを受けてエンコーダのカウントク
ロックCCLKを生成する。一方、方向信号生成部3で
は、矩形信号SAおよびSBを受けてエンコーダの回転
方向信号CUDを生成する。
【0026】カウンタ5では、カウントクロック生成部
4が出力したカウントクロックCCLKおよび方向信号
生成部3が出力した回転方向信号CUDに基づいてエン
コーダの計数を行い、現時点におけるエンコーダのカウ
ント値を出力する。また、フリップフロップ6では、カ
ウンタ5が出力する現時点におけるエンコーダのカウン
ト値およびカウントクロック生成部4が出力したカウン
トクロックCCLKに基づき、1つ前の時点におけるエ
ンコーダのカウント値を出力する。
【0027】さらに、フリップフロップ7では、フリッ
プフロップ6が出力する1つ前の時点におけるエンコー
ダのカウント値およびカウントクロック生成部4が出力
したカウントクロックCCLKに基づき、2つ前の時点
におけるエンコーダのカウント値を出力する。次いで、
カウント値比較部8では、カウンタ5の出力すなわち現
時点におけるエンコーダのカウント値とフリップフロッ
プ7の出力すなわち2つ前の時点におけるエンコーダの
カウント値とを比較し、カウント値が等しい場合には等
しいことを示す検出信号EQを出力する。
【0028】なお、2つ前の時点から現時点にかけてエ
ンコーダの回転方向が一定であり途中での逆回転がなけ
れば、カウンタ5の出力カウント値とフリップフロップ
7の出力カウント値とは異なる。さらに詳細には、カウ
ンタ5の出力カウント値は、フリップフロップ7の出力
カウント値より2だけ大きいかあるいは小さい。逆に、
図2に示すように、第2周期においてエンコーダの回転
方向が逆転した場合、第3周期の時点ではカウンタ5の
出力カウント値とフリップフロップ7の出力カウント値
とは等しい。そして、エンコーダの回転方向が逆転した
とき(すなわち第2周期)のエンコーダのカウント値
は、フリップフロップ6の出力カウント値と一致する。
【0029】図2に示すように、第2周期においてエン
コーダの回転方向が逆転した場合、この第2周期におけ
る換言すればフリップフロップ6の出力カウント値の時
点における各エンコーダ信号の最大値および最小値を正
しく検出することはできない。したがって、後述するよ
うに、この第2周期において検出した各エンコーダ信号
の最大値および最小値のデータを無効にする必要があ
る。
【0030】上述したように、カウンタ5の出力すなわ
ち現時点におけるエンコーダのカウント値とフリップフ
ロップ7の出力すなわち2つ前の時点におけるエンコー
ダのカウント値とを比較し、カウント値が等しい場合に
カウント値比較部8が出力する検出信号EQに基づい
て、検出した各エンコーダ信号の最大値および最小値の
データが有効であるか無効であるかを判断することがで
きる。すなわち、検出信号EQがHの場合、検出シーケ
ンサ9は、上述した検出動作にしたがって検出した最大
値および最小値を無効にすることができる。
【0031】したがって、検出シーケンサ9は、カウン
トクロック生成部4が出力するカウントクロックCCL
Kを検出すると、エンコーダ信号における1つの周期が
終了したと判断する。このとき、検出シーケンサ9はカ
ウント値比較部8が出力する信号EQの値を検出し、信
号EQの値がHであれば検出した最大値および最小値を
無効であると判断し、検出した最大値および最小値をR
AM12に格納しない。逆に、信号EQの値がLであれ
ば検出した最大値および最小値を有効であると判断し、
フリップフロップ6の出力を読み込み、そのカウント値
に対応したRAM12の領域に検出した最大値および最
小値を格納する。
【0032】次いで、内挿計算の実行動作について説明
する。図1に示すように、以上の動作を行う通常時に
は、バススイッチ13は、バス15を介して検出シーケ
ンサ9とセレクタ10、A/Dコンバータ11およびR
AM12とを接続している。しかしながら、CPU14
が内挿計算を実行するためにバス15の使用が必要にな
ると、CPU14はバス使用要求信号BRをLにして検
出シーケンサ9にバス15の使用を要求する。検出シー
ケンサ9は、バス使用要求信号BRがLになったのを検
知すると、バス使用許可信号BGをLにしてCPU14
にバス15の使用を許可する。CPU14は、バス使用
許可信号BGがLになったのを検知すると、バス使用宣
言信号BGACKをLとしてバス15の使用を宣言す
る。
【0033】バス使用宣言信号BGACKおよびバス使
用許可信号BGがともにLになったことを検知したバス
スイッチ13は、バス15を介してCPU14とセレク
タ10、A/Dコンバータ11およびRAM12とを接
続する。その結果、CPU14はバス15を介して接続
されたA/Dコンバータ11、RAM12を使用するこ
とが可能になる。
【0034】こうして、CPU14は、A/D変換デー
タ並びにRAM12に格納されたエンコーダ信号の最大
値および最小値を読み出す。CPU14が内挿計算に必
要なデータを読み出してバス15の使用が必要なくなっ
たら、CPU14はバス使用宣言信号BGACKをHに
戻し、次いでバス使用要求信号BRをHに戻す。バス使
用要求信号BRがHに戻ったのを検知すると、検出シー
ケンサ9はバス使用許可信号BGをHに戻してバス15
の使用権を再び取り戻す。バス15の使用権を取り戻し
た検出シーケンサ9は、エンコーダ信号の最大値および
最小値の検出動作を開始する。CPU14では、バス1
5の使用権を検出シーケンサ9に戻した後、内挿計算を
実行する。
【0035】このように、本実施例では、各エンコーダ
信号の最大値および最小値を検出するための検出系と、
検出した最大値および最小値に基づいて内挿計算を実行
する内挿計算系とが分離されているので、内挿計算時に
も最大値および最小値の検出動作が可能である。
【0036】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、エンコ
ーダ読み取り信号の位相差誤差に依存することなく、各
エンコーダ信号の最大値および最小値を正確に検出する
ことができる。したがって、エンコーダ信号の振幅およ
びオフセット値を高精度に補正することのできるので、
エンコーダの位置測定精度が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるエンコーダ読み取り信
号の補正回路の構成を模式的に説明する図である。
【図2】補正すべきエンコーダ信号の波形図であって、
第2周期において逆回転した場合の波形図である。
【図3】従来のエンコーダ信号の補正回路の構成を概略
的に示す図である。
【図4】図3における読み取り信号AおよびBからそれ
ぞれ生成された矩形信号およびサンプル信号を示す図で
ある。
【符号の説明】
1、2 コンパレータ 3 方向信号生成部 4 カウントクロック生成部 5 カウンタ 6、7 フリップフロップ 8 カウント値比較部 9 検出シーケンサ 10 セレクタ 11 A/Dコンバータ 12 RAM 13 バススイッチ 14 CPU 15 バス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準位置からの変位に応じてエンコーダ
    検出部から読み取られた互いに位相の異なる2つ以上の
    エンコーダ信号を補正するための補正回路において、 前記互いのエンコーダ信号の振幅値、オフセット値およ
    び位相差の状態に依存することなく各エンコーダ信号に
    ついて個別に、1つの周期における各エンコーダ信号の
    最大値および最小値を検出するための検出手段と、該検
    出手段で検出した各エンコーダ信号の最大値および最小
    値に基づいて各エンコーダ信号の振幅およびオフセット
    値を補正するための手段とを備え、 前記検出手段は、各エンコーダ信号をA/D変換するた
    めのA/D変換手段と、各エンコーダ信号の最大値およ
    び最小値を記憶するための記憶手段と、前記A/D変換
    された信号値と前記記憶された最大値および最小値とを
    比較するための比較手段と、前記A/D変換手段、前記
    記憶手段および前記比較手段を制御するための制御手段
    とを備え、 前記制御手段は、各エンコーダ信号の最大値および最小
    値の初期値を周期ごとに設定し、前記A/D変換された
    信号値が前記最大値よりも大きい場合に前記最大値を前
    記A/D変換値で置換することによって最大値を更新
    し、前記A/D変換された信号値が前記最小値よりも小
    さい場合に前記最小値を前記A/D変換値で置換するこ
    とによって最小値を更新する更新動作を1つの周期に亘
    り繰り返すように制御することを特徴とする請求項1に
    記載のエンコーダ読み取り信号の補正回路。
  2. 【請求項2】 前記1つの周期におけるエンコーダの回
    転方向が一定であるか否かを検知するための回転検知手
    段と、該回転検知手段の出力に応じて前記検出手段が検
    出した最大値および最小値の有効性を判断するための判
    断手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載
    のエンコーダ読み取り信号の補正回路。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段は複数の周期について各周
    期における各エンコーダ信号の最大値および最小値を格
    納し、前記各エンコーダ信号の振幅およびオフセット値
    を補正するための手段は、前記記憶手段の最大値の平均
    値および最小値の平均値を計算する平均値計算手段を有
    することを特徴とする請求項1または2に記載のエンコ
    ーダ読み取り信号の補正回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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