JP2001113631A - プラスチックフィルム・ガラスフィルム積層体 - Google Patents
プラスチックフィルム・ガラスフィルム積層体Info
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Abstract
ヤー性等を備え、ハンドリング性及び二次加工性に優れ
たフィルム積層体を提供する。 【解決手段】 フィルム積層体1は、厚さ0.1μm以
上100μm以下のガラスフィルム2と、厚さ1μm以
上1000μm以下のプラスチックフィルム3とが積層
されて構成されている。プラスチックフィルム3は支持
層3aと対ガラス接着層3bの実質二層の積層体からな
る。プラスチックフィルム3は23℃における引張り弾
性率(Pa)と厚さ(μm)の積(Pa・μm)が1×
108 以上1×1012以下の範囲にあり、50(gf/
10mm)≒490(mN/10mm)を超える剥離強
度で積層固着されている。フィルム積層体1は使用時に
プラスチックフィルム3又はガラスフィルム2側が表面
となるように所望の位置に接着されて使用される。プラ
スチックフィルム3が保護膜及び補強材の役割を果た
す。
Description
ム・ガラスフィルム積層体に係り、詳しくはガラスの持
つ耐薬品性、耐摩耗性、ガスバリヤー性等を兼ね備え、
ハンドリング性及び二次加工性に優れたプラスチックフ
ィルム・ガラスフィルム積層体に関するものである。
ているが、ガラスに匹敵する耐薬品性、耐摩耗性、ガス
バリヤー性等の優れた性能を備えたプラスチックフィル
ムはこれまで知られていなかった。
する部材も軽薄短小化しつつあり、ガラス板もその例に
洩れずディスプレイ用やセンサー・素子カバー用などの
用途において、薄肉化が進んでいる。例えば、ガラスフ
ィルムを透明なアクリル樹脂板に積層してディスプレイ
に使用したり、光センサーの受光部に接着して受光窓と
して使用する。
き落としされて得られるガラスフィルムを採取しても、
機械的強度が低くて傷入り、破損し易く、集積・研磨・
検査・保管等の後工程や、実際の応用工程において扱い
が困難で過度の慎重さが要求されるばかりでなく、その
応用工程での二次加工においても方法・条件面において
大きな制約を受けており、効率化や他分野への応用展開
を妨げていた。
のであって、その目的はガラスの持つ耐薬品性、耐摩耗
性、ガスバリヤー性等を備え、ハンドリング性及び二次
加工性に優れたプラスチックフィルム・ガラスフィルム
積層体を提供することにある。
め、請求項1に記載の発明では、厚さ0.1μm以上1
00μm以下のガラスフィルムの少なくとも一方の面
に、厚さ1μm以上1000μm以下で23℃における
引張り弾性率(Pa)と厚さ(μm)の積(Pa・μ
m)が1×108 以上1×1012以下の範囲にあるプラ
スチックフィルムを、50(gf/10mm)≒490
(mN/10mm)を超える剥離強度で積層固着した。
載の発明において、前記プラスチックフィルムが少なく
とも一層の支持層と、少なくとも一層の対ガラス接着層
の実質二層以上の積層体からなる。
請求項2に記載の発明において、管状体の外面に前記プ
ラスチックフィルム・ガラスフィルム積層体が連続して
巻き取られており、前記ガラスフィルムの厚さ(μm)
と当該管状体の外径(mm)との比(μm/mm)が1
以下である。
m以上100μm以下のガラスフィルムの製造工程で、
所定の厚さにローラで引き取られているガラスフィルム
に、対ガラス接着層を有するとともに、厚さ1μm以上
1000μm以下で23℃における引張り弾性率(P
a)と厚さ(μm)の積(Pa・μm)が1×108 以
上1×1012以下の範囲にあるプラスチックフィルム
を、前記対ガラス接着層がガラスフィルムと対応する状
態で連続的に積層固着し、管状のボビンに連続的に巻き
取る。
スフィルムに厚さ、引張り弾性率、剥離強度が所定の値
に規定されたプラスチックフィルムが積層されているた
め、ガラスの持つ耐薬品性、耐摩耗性、ガスバリヤー性
等を備え、しかもハンドリングが容易で二次加工性に優
れている。そして、使用時には所定の大きさに切断さ
れ、主にプラスチックフィルム側が接着剤により所定の
箇所に接着された状態で使用される。使用目的によって
はガラスフィルム側が接着剤により所定の箇所に接着さ
れた状態で使用される場合もある。
載の発明において、前記プラスチックフィルムが少なく
とも一層の支持層と、少なくとも一層の対ガラス接着層
の実質二層以上の積層体からなるため、プラスチックフ
ィルムの適正な厚さ、引張り弾性率及び剥離強度(接着
力)を所望の値に調整するのが容易になる。
請求項2に記載の発明において、プラスチックフィルム
・ガラスフィルム積層体が管状体に連続して巻き取られ
ているため、シート状のプラスチックフィルム・ガラス
フィルム積層体に比較して製造装置の小型化が可能にな
るとともに、保管スペースも小さくできる。
m以上100μm以下のガラスフィルムの製造工程で、
所定の厚さにローラで引き取られているガラスフィルム
に、厚さ1μm以上1000μm以下で23℃における
引張り弾性率(Pa)と厚さ(μm)の積(Pa・μ
m)が1×108 以上1×1012以下の範囲にあるプラ
スチックフィルムが、対ガラス接着層を介して連続的に
積層固着される。そして、管状のボビンに連続的に巻き
取られる。
形態を図1及び図2に従って説明する。図1に示すよう
に、プラスチックフィルム・ガラスフィルム積層体(以
下、単にフィルム積層体と称す)1は、厚さ0.1μm
以上100μm以下のガラスフィルム2と、厚さ1μm
以上1000μm以下のプラスチックフィルム3とが積
層されて構成されている。プラスチックフィルム3は2
3℃における引張り弾性率(Pa)と厚さ(μm)の積
(Pa・μm)が1×108 以上1×1012以下の範囲
にあり、50(gf/10mm)≒490(mN/10
mm)を超える剥離強度で積層固着されている。
としてはソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無ア
ルカリガラス等ほぼいかなるガラス組成のものが適用で
き、強化、表面処理等の二次加工を施したものも可能で
あり、いずれも用途により使い分けられる。
融体の固化する温度より上の温度にてガラス溶融体を引
き延ばして作ることが可能である。ガラス組成、ガラス
溶融体の厚さ、温度、引き取り速度によりガラスフィル
ム2の厚さを制御することができる。ガラスフィルム2
の厚さは0.1〜100μmが効果的であり、0.1μ
mより薄い場合は機械的強度の極度の低下に伴いプラス
チックフィルム3の積層時のストレスにより破損に至り
積層自体が困難となり、100μmより厚い場合にはガ
ラス単体での製造効率が悪化せずハンドリング性、二次
加工性改良を一つの目的としたプラスチックフィルム3
の積層が効果的でなくなる。
の支持層3aと、少なくとも一層の対ガラス接着層3b
の実質二層以上の積層体からなる。支持層3aにはほぼ
いかなる材質のものも応用でき、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリアミド等のホモポリマー、コポリマー、ブレン
ド系の他、多層化したもの(ラミネートフィルム)、安
定剤、可塑剤、衝撃改良剤、着色剤、強化剤等の添加剤
を加えたもの等が応用できる。また、対ガラス接着層3
bの材質としては、ほぼいかなる材質のものも使用で
き、酢酸ビニル系、アセタール系、アクリル系、ポリア
ミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系等の
組成でホモポリマー、コポリマー、ブレンド系の他、多
層化したもの、場合によりオイル、可塑剤、強化剤、ゴ
ム、架橋剤、カップリング剤等を添加したもので熱可塑
系、熱硬化系、感圧接着系等の使用形態のものが応用で
きる。
法によりフィルム化することができ、押出法、カレンダ
ー法、溶液・エマルジョンキャスト法等が可能である。
一方、対ガラス接着層3bは支持層3aへの押出コート
法、溶液・エマルジョンコート法の他、支持層3aとの
共押出法等が可能である。
1000μm以下であるのが好ましい。厚さが1μm未
満の場合には積層時に皺が入ったり破断したりして積層
加工性及びフィルム積層体1の品位を損ねる。また、厚
さが1000μmを超えると管状体の外表面に連続して
巻き取ろうとすると、特に巻き径が小さいとき、各々の
一周あたりの周長の差の周長に対する割合が大きくな
り、残留応力となって剥離ないしはガラスフィルム2の
破壊に至ったり、切断加工性、曲面密着性等の二次加工
性において劣る。
て、その引張り弾性率(Pa)と、厚さ(μm)の積
(Pa・μm)が1×108 以上1×1012以下の範囲
のものが好ましく、支持層3a及び対ガラス接着層3b
を構成するプラスチックの種類、添加剤の種類・量及び
各層の厚さ比の調整により達成することができる。前記
の積が1×108 (Pa・μm)未満の場合にはフィル
ムに腰が無く、ガラスフィルム2との積層時に皺が入っ
て外観を損なったり過度に伸び易くなるため、切断加工
性等の二次加工性において劣る。また、前記の積が1×
1012(Pa・μm)を超える場合には腰が強すぎて、
硬質で脆いガラスフィルム2に追随して密着するための
連続積層加工性等のハンドリング性、切断加工性等の二
次加工において劣る。
0mm)≒490(mN/10mm)を超える剥離強度
でガラスフィルム2と積層されたものが好ましい。剥離
強度が50(gf/10mm)≒490(mN/10m
m)以下の場合、ハンドリング性、二次加工性等は充分
満足するものの、最終的にガラスフィルム2との接着性
が不十分で容易に剥離するため、耐薬品性、耐摩耗性、
ガスバリヤー性等の性能が不十分となる。その結果、再
度剥離して接着性に優れたプラスチックフィルムを貼り
直す必要があり、手間と傷入りの可能性が大きくなる。
なお、剥離強度はフィルム積層体1の測定面の反対面に
厚さ0.5mmの鉄板を接着して補強した後、23℃
下、200mm/min の速度での180°剥離試験によ
り評価した値を用いた。
されて積み重ねた状態で保管されるものと、帯状に形成
されるとともに管状体に連続的に巻き取られて保管され
るものとがある。フィルム積層体1はハンドリング時に
保護膜及び補強材の役割を果たす。
ネルの保護被膜として使用するため、透明なアクリル樹
脂板に積層する場合は、フィルム積層体1を所望の大き
さに切断する。そして、プラスチックフィルム3側の面
に接着剤を塗布してアクリル樹脂板の所定位置に接着す
る。
2との積層化には、例えば、プラスチックフィルム3の
加熱後ガラスフィルム2に接触させる方法及びその逆、
あるいは双方加熱後に接触させる方法でプラスチックフ
ィルム3の対ガラス接着層3bを軟化させた後、軟質ク
ッション材を介してのプレス、ニップロール等により加
圧密着させる方法がある。さらには対ガラス接着層3b
を常態で粘着状に設計したものを単にプレス、ニップロ
ール等により加圧密着させる方法が可能である。ここで
軟質クッション材としては、発泡ポリエチレン、軟質シ
リコーンゴム等工業的に使われている素材が応用でき
る。
ガラスフィルム2を成形している工程中において、ガラ
スが依然として加熱状態にある段階にてプラスチックフ
ィルム3とニップロールにて積層密着化させて積層状態
のまま引き取る方法や、常温近くに冷えた段階にて対ガ
ラス接着層3bを粘着状に設計したプラスチックフィル
ム3を応用して同様に積層する方法が好適である。この
方法によれば、ガラスフィルム2が成形されて後すぐに
プラスチックフィルム3と積層化されるため、ガラスフ
ィルム2単独での機械的脆さが改善されるため、工程内
のハンドリング性が向上するばかりでなく、傷入り等の
機械的損傷に伴う不良率の低減にも効果的に作用する。
また、さらにはガラスフィルム2を成形するのに使われ
ているニップロールが、そのままガラスフィルム2とプ
ラスチックフィルム3とを積層密着化するニップローラ
としても併用できるため特別に設備を増強する必要もな
くなる。
法、ダウンドロー法などによってガラスフィルムを製造
するとともに、その製造工程の途中でプラスチックフィ
ルムを積層するガラス積層体の製造方法を図2(a)に
従って説明する。図示しないガラスフィルム成形工程か
らローラ4,5によって所定の厚さに引き出されるとと
もに、まだ加熱状態にあるガラスフィルム2に対してボ
ビン6から繰り出されたプラスチックフィルム3が、対
ガラス接着層3b(図示せず)側がガラスフィルム2と
対応する状態でローラ5の上流において合流され、ロー
ラ5を通過する間にガラスフィルム2に積層される。対
ガラス接着層3bが軟化するに充分な熱をガラスフィル
ム2が持っている段階でプラスチックフィルム3がガラ
スフィルム2に積層される。ローラ5はガラスフィルム
2とプラスチックフィルム3とを積層密着化するニップ
ローラとして作用する。
却され、巻き取り装置に装備された管状体7の表面にガ
ラスフィルム2が巻き取られる。図2(b)は管状体7
に巻き取られたフィルム積層体1を示す。
合、プラスチックフィルム3とガラスフィルム2の積層
体が管状体7の外表面に連続して巻き取られる際、ガラ
スフィルム2の厚さ(μm)と、当該管状体7の外径
(mm)との比(μm/mm)は1以下が好ましい。1
を超える場合、プラスチックフィルム3が積層してあ
り、機械的脆さが改善されてはいるもののガラスフィル
ム2の曲率が大きくなり過ぎて割れを生じる。
らに詳しく説明する。 (実施例1)厚さ70μmで幅150mm、長さ200
mmの寸法のソーダライムガラスフィルムを用意した。
また、厚さ30μmのポリプロピレンからなる支持層3
aと、厚さ10μmのアクリル系粘着剤とからなる対ガ
ラス接着層3bで構成されたプラスチックフィルム3を
各々押出・延伸加工、溶液コーティング加工を行って採
取した。詳細に述べると、まず、ポリプロピレン樹脂
を、溶融押出して原フィルムを形成し、これを1軸ある
いは2軸延伸して延伸フィルム(支持層3a)を得る。
次いでこの延伸フィルムに、アクリル系粘着剤の酢酸エ
チル溶液をグラビアロールでコーティング加工して、プ
ラスチックフィルム3を得た。
(Pa)と厚さ(μm)の積(Pa・μm)は6×10
10であった。これらフィルムをガラスフィルム2と20
℃下シリコーンゴム製ニップロールにより慎重に積層し
てフィルム積層体1を得た。このフィルム積層体1から
のプラスチックフィルム3の剥離強度は200(gf/
10mm)≒1960(mN/10mm)であった。こ
のフィルム積層体1は容易に手での取り扱いが可能で、
通常のガラス板・プラスチック並みにガラスフィルム2
あるいはプラスチックフィルム3側のいずれにも接着剤
をコーティングあるいはラミネートすることができ、容
易に剥離せず実用上積層体として充分機能し、耐薬品
性、耐摩耗性、ガスバリヤー性においてもガラス単体の
それと同等の性能を有していた。
積層体1を筒状にしてポリプロピレン(PP)製のパイ
プ8に挿入し、プラスチックフィルム3側を内径100
mmのパイプ8の内面に熱融着し、中空部と外部との間
にガスバリアー性を付与することを試みた。ガラスフィ
ルム2はプラスチックフィルム3を介してPP製パイプ
8に脱落せずに良好に接着され、パイプ8に良好なガス
バリアー性機能が付与された。なお、図1(b)はフィ
ルム積層体1がパイプ8に挿入されて、まだプラスチッ
クフィルム3側がパイプ8の内面全体に接触する前の状
態を示している。
ム2を用意し、また、厚さ38μmのポリエチレンテレ
フタレートからなる支持層3aと、厚さ30μmのエチ
レン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物からなる対ガラ
ス接着層3bとで構成されたプラスチックフィルム3を
押出ラミネート法により採取した。プラスチックフィル
ム3の引張り弾性率(Pa)と厚さ(μm)の積(Pa
・μm)は2×1011であった。プラスチックフィルム
3の対ガラス接着層3b側をガラスフィルム2側に向け
て、予め100℃に予熱したガラスフィルム2と、シリ
コーンゴム製のニップロール間に20℃下、同時に通過
させて慎重に積層した。このフィルム積層体1の剥離強
度は450(gf/10mm)≒4410(mN/10
mm)であった。このフィルム積層体1は外径173m
mの紙管にガラスフィルム2を外側に向けて安易に沿わ
せることができ、フィルム積層体1が連続であれば巻き
取ることが可能な状況であった。
層体1を管状体7に巻き取れるかどうかの評価は、管状
体7に対して、幅150mm、長さ200mmのフィル
ム積層体1をその長さ方向が密着するように手で沿わせ
て、ガラスフィルム2に亀裂が生じなければ、巻き取り
可能と評価した。このフィルム積層体1は外径173m
mの管状体としての紙管にガラスフィルム2を外側に向
けた場合と、内側に向けた場合とを試みたが、いずれも
亀裂もなく容易に沿わせることができ、連続したフィル
ム積層体1を巻き取ることが可能であると判断した。
m、長さ200mmのホウケイ酸ガラスフィルム2を用
意した。この単層のガラスフィルム2はそのままでは手
での取り扱いで容易に割れてしまい、また、通常のガラ
ス板・プラスチック同様にガラスフィルム2側に接着剤
をコーティングすることはできるものの、乾燥及びラミ
ネート中にロール等の機材に接触した箇所で破損した。
ム2を用意した。また、厚さ5μmの可塑剤を100重
量部含有するポリ塩化ビニルからなる支持層3aと、厚
さ2μmのアクリル系粘着剤からなる対ガラス接着層3
bとで構成されたプラスチックフィルム3を、各々押出
・延伸加工、溶液コーティング加工を行って採取した。
プラスチックフィルム3の引張り弾性率(Pa)と厚さ
(μm)の積(Pa・μm)は9×107 であった。こ
れらフィルムを20℃の雰囲気下においてシリコーンゴ
ム製ニップロールにより慎重に積層した。このフィルム
積層体1の剥離強度は80(gf/10mm)≒784
(mN/10mm)であった。このフィルム積層体1は
積層時にプラスチックフィルム3に腰が無く、ガラスフ
ィルム2との積層時に皺が入った。また、切断加工時に
カッターにプラスチックフィルム3がまとわりつき、切
断面が荒れノッチ方向と別の方向に亀裂が入った。
較例1と同じものを用意した。また、厚さ30μmのポ
リプロピレンからなる支持層3aと、厚さ5μmのアク
リル系粘着剤からなる対ガラス接着層3bとで構成され
たプラスチックフィルム3を各々押出・延伸加工、溶液
コーティング加工を行って採取した。プラスチックフィ
ルム3の引張り弾性率(Pa)と厚さ(μm)の積(P
a・μm)は6×1010であった。これらフィルムを2
0℃下シリコーンゴム製ニップロールにより慎重に積層
してフィルム積層体1を得た。このフィルム積層体1の
剥離強度は40(gf/10mm)≒392(mN/1
0mm)であった。このフィルム積層体1は容易に手で
の取り扱いが可能で、通常のガラス板・プラスチック並
みにガラスフィルム2側に接着剤をコーティングあるい
はラミネートすることができた。しかし、プラスチック
フィルム3が容易に剥がれてしまい、その結果プラスチ
ックフィルム3上への印刷加工ができなくなった。ま
た、プラスチックフィルム3側を内径100mmのポリ
プロピレン製のパイプの内面に熱融着し、パイプに外圧
を加え変形させた結果、容易にガラスフィルム2が剥離
してしまい、中空部と外部との間にガスバリアー性を付
与するには至らなかった。
としたところ、即ちガラスフィルム2の厚さと紙管の外
径との比(μm/mm)が1より大きな条件としたとこ
ろ、ガラスフィルム2に亀裂が入った。
ィルム2の一方の面に、厚さ1μm以上1000μm以
下で23℃における引張り弾性率(Pa)と厚さ(μ
m)の積(Pa・μm)が1×108 以上1×1012以
下の範囲にあるプラスチックフィルム3が、50(gf
/10mm)≒490(mN/10mm)を超える剥離
強度で積層固着されている。従って、ガラスの持つ耐薬
品性、耐摩耗性、ガスバリヤー性等を備え、しかも、フ
ィルム積層体1を所望の箇所に装着するまでのハンドリ
ング性及び二次加工性に優れる。また、使用目的によっ
てガラスフィルム2側が表面になる状態と、プラスチッ
クフィルム3側が表面になる状態とのいずれの状態でも
使用できる。
3aと対ガラス接着層3bの積層構造のため、プラスチ
ックフィルム3の適正な厚さ、引張り弾性率及び剥離強
度を所望の値に調整するのが容易になる。
1が連続して巻き取られているため、フィルム積層体1
をシート状に形成する場合に比較して、製造装置の小型
化が可能になるとともに、保管スペースも小さくでき
る。
と管状体7の外径(mm)との比(μm/mm)が1以
下に設定されているため、フィルム積層体1を管状体7
に巻き取っても、ガラスフィルム2の曲率が大きくなり
すぎず、即ち曲率半径が小さくなりすぎず、割れが発生
するのを回避できる。
る段階で、プラスチックフィルム3がガラスフィルム2
に積層化されるため、プラスチックフィルム3の対ガラ
ス接着層3bを加熱する工程を設ける必要がなく、装置
の構造が簡単になる。また、ガラスフィルム2が成形さ
れた後、すぐにプラスチックフィルム3と積層化される
ため、ガラスフィルム2単独での機械的脆さが改善さ
れ、工程内のハンドリング性が向上するばかりでなく、
傷入り等の機械的損傷に伴う不良率も低減される。
く、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ フィルム積層体1はガラスフィルム2の一方の面に
のみプラスチックフィルム3を積層固着する構成に限ら
ず、ガラスフィルム2の両面にプラスチックフィルム3
を積層固着した構成であってもよい。この場合、ガラス
フィルム2の両面がプラスチックフィルム3によって保
護されるため、ハンドリング時等にガラスフィルム2が
より傷つき難くなる。また、ガラスフィルム表面の汚れ
や、穴あけ、切断などの二次加工で発生する切削粉によ
る汚染を防止できる。このフィルム積層体1はガスバリ
ヤー性を主目的として使用される。
ラスフィルム2の一方の面にプラスチックフィルム3が
積層固着され、他方の面に接着剤層10が接着されると
ともにその表面に剥離紙11が付着された構成としても
よい。フィルム積層体1を所望の箇所に接着する際は、
フィルム積層体1を所望の形状に切断し、図3(b)に
示すように、剥離紙11を剥がして接着剤層10を露出
させ、接着剤層10を介して所望の箇所にフィルム積層
体1を接着する。この場合、ガラスフィルム2に接着剤
層10が形成されているため、使用時に接着剤を塗布す
る必要がなく、所望の形状に切断加工した後、剥離紙1
1を剥離することにより所望の箇所に接着できる。
着層3bを支持層3aの全面に塗布あるいはラミネート
したものに限らず、例えば対ガラス接着層3bがスポッ
ト的に付着された構成としてもよい。
厚さにローラで引き取られているガラスフィルム2に、
プラスチックフィルム3を対ガラス接着層3bがガラス
フィルム2と対応する状態で連続的に積層したフィルム
積層体1を管状のボビンに連続的に巻き取る代わりに、
所定の寸法に切断して積層状態で回収するようにしても
よい。この場合も、ガラスフィルム2が成形された後、
すぐにプラスチックフィルム3と積層化されるため、ガ
ラスフィルム2単独での機械的脆さが改善され、工程内
のハンドリング性が向上するばかりでなく、傷入り等の
機械的損傷に伴う不良率も低減される。
以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果と
ともに記載する。 (1) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発
明において、前記ガラスフィルムの一方の面にプラスチ
ックフィルムが積層固着され、他方の面に接着剤層が接
着されるとともにその表面に剥離紙が付着されている。
この場合、ガラスフィルムに接着剤が接着されているた
め、使用時に接着剤を塗布する必要がなく、所望の形状
に切断加工した後、剥離紙を剥離することにより所望の
位置に接着できる。
ガラスフィルムが加熱状態にある段階で、前記プラスチ
ックフィルムがガラスフィルムに積層化される。この場
合、プラスチックフィルムの対ガラス接着層を加熱する
工程を設ける必要がなく、装置の構造が簡単になる。
プラスチックフィルムの対ガラス接着層を常温で粘着性
を有する材質で形成し、ガラスフィルムが常温近くに冷
えた段階で、プラスチックフィルムがガラスフィルムに
積層化される。この場合、プラスチックフィルムを加熱
せずにガラスフィルムに接着でき、プラスチックフィル
ムが加熱によって変質する虞がない。
に記載の発明によれば、ガラスの持つ耐薬品性、耐摩耗
性、ガスバリヤー性等を備え、ハンドリング性及び二次
加工性に優れ、各種産業の部品への応用が容易になる。
ックフィルムの適正な厚さ、引張り弾性率及び剥離強度
を所望の値に調整するのが容易になる。請求項3に記載
の発明では、シート状のプラスチックフィルム・ガラス
フィルム積層体に比較して製造装置の小型化が可能にな
るとともに、保管スペースも小さくできる。
ィルムが成形された後、すぐにプラスチックフィルムと
積層化されるため、ガラスフィルム単独での機械的脆さ
が改善され、工程内のハンドリング性が向上するばかり
でなく、傷入り等の機械的損傷に伴う不良率も低減され
る。
分模式図、(b)はパイプ内面にフィルム積層体を熱融
着させる途中の状態の部分模式斜視図。
る模式図、(b)は管状体に巻き取られた状態のフィル
ム積層体を示す模式図。
部分模式図、(b)は剥離紙の一部を剥離した状態の部
分模式図。
チックフィルム、3a…支持層、3b…対ガラス接着
層、7…管状体。
Claims (4)
- 【請求項1】 厚さ0.1μm以上100μm以下のガ
ラスフィルムの少なくとも一方の面に、厚さ1μm以上
1000μm以下で23℃における引張り弾性率(P
a)と厚さ(μm)の積(Pa・μm)が1×108 以
上1×1012以下の範囲にあるプラスチックフィルム
を、50(gf/10mm)(≒490(mN/10m
m))を超える剥離強度で積層固着したことを特徴とす
るプラスチックフィルム・ガラスフィルム積層体。 - 【請求項2】 前記プラスチックフィルムが少なくとも
一層の支持層と、少なくとも一層の対ガラス接着層の実
質二層以上の積層体からなる請求項1に記載のプラスチ
ックフィルム・ガラスフィルム積層体。 - 【請求項3】 管状体の外面に前記プラスチックフィル
ム・ガラスフィルム積層体が連続して巻き取られてお
り、前記ガラスフィルムの厚さ(μm)と当該管状体の
外径(mm)との比(μm/mm)が1以下である請求
項1又は請求項2に記載のプラスチックフィルム・ガラ
スフィルム積層体。 - 【請求項4】 厚さ0.1μm以上100μm以下のガ
ラスフィルムの製造工程で、所定の厚さにローラで引き
取られているガラスフィルムに、対ガラス接着層を有す
るとともに、厚さ1μm以上1000μm以下で23℃
における引張り弾性率(Pa)と厚さ(μm)の積(P
a・μm)が1×108 以上1×10 12以下の範囲にあ
るプラスチックフィルムを、前記対ガラス接着層がガラ
スフィルムと対応する状態で連続的に積層固着し、管状
のボビンに連続的に巻き取るプラスチックフィルム・ガ
ラスフィルム積層体の製造方法。
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