JP2001080384A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 乗用型田植機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を昇降可能に連結し、
前記走行機体の前方の降車位置からの操縦を可能にする作用姿勢及び搭乗操縦時姿勢に変更可能な握り操作具を、前記走行機体の前部に備えて、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある乗用型田植機。
【請求項2】 前記握り操作具が作用姿勢に変更されることにより前輪の操向が規制されるように構成してある請求項1に記載の乗用型田植機。
【請求項3】 走行停止用のブレーキを備え、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記ブレーキを操作することにより、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある請求項1又は2に記載の乗用型田植機。
【請求項4】 前輪及び後輪への伝動を断続するクラッチを備え、前記ブレーキをクラッチよりも伝動方向下手側の位置で制動作動するように備えて、前記クラッチとブレーキとを操作可能に構成し、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記クラッチとブレーキとを操作することにより、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある請求項3に記載の乗用型田植機。
【請求項5】 ミッションケースから後車軸ケースに亘る外部伝動軸に前記ブレーキを備え、前記ブレーキよりも伝動方向上手側の位置に備えられた主クラッチと前記ブレーキとを操作可能に構成し、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記主クラッチとブレーキとを操作することにより、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある請求項3に記載の乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用型田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような乗用型田植機においては、走行機体を圃場に対して出し入れする際の畦超え移動走行時や、走行機体をトラックの荷台などに対して積み降ろしする際の歩み板を用いての移動走行時に、走行機体が前後方向に大きく傾斜する場合があることから、これらの移動走行時には走行機体を降車位置から操縦することが望ましく、そのためには、降車位置からでも走行機体の停止操作を行えるようにしておく必要がある。
【0003】
そこで、従来では、例えば、特許公報第2574680号で開示されているように、ベルトテンション式の主クラッチを操作する主クラッチペダルに、降車位置から操作可能な操作レバーを一体装備したものや、特開平3−246125号公報で開示されているように、ダブルテンション式の主クラッチを操作する主クラッチペダルに、降車位置から操作可能な操作レバーを一体装備するとともに、主クラッチの従動側プーリに作用するブレーキを、主クラッチの切り操作に連動して従動側プーリを制動するように連係したものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
【0006】
本発明の目的は、搭乗操縦時における操作性の低下を招くことなく、降車位置からの機体の停止操作を確実に行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を昇降可能に連結し、走行機体の前方の降車位置からの操縦を可能にする作用姿勢及び搭乗操縦時姿勢に変更可能な握り操作具を、走行機体の前部に備えて、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、握り操作具が作用姿勢に変更されることにより前輪の操向が規制されるように構成した。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の発明において、走行停止用のブレーキを備え、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、ブレーキを操作することにより、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
【0023】
【0024】
【0025】
本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、前輪及び後輪への伝動を断続するクラッチを備え、ブレーキをクラッチよりも伝動方向下手側の位置で制動作動するように備えて、クラッチとブレーキとを操作可能に構成し、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、クラッチとブレーキとを操作することにより、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、ミッションケースから後車軸ケースに亘る外部伝動軸にブレーキを備え、ブレーキよりも伝動方向上手側の位置に備えられた主クラッチとブレーキとを操作可能に構成し、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、主クラッチとブレーキとを操作することにより、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】
図1には乗用型作業機の一例としての乗用型田植機が示されており、この乗用型田植機は、左右一対の前輪1及び後輪2などを備えた乗用型の走行機体3の後部に、油圧駆動されるリンク機構4を介して苗植付装置5を昇降可能に連結することで構成されている。
【0030】
図1〜3に示すように、走行機体3は、その前部に搭載したエンジン6を、左右の前輪1を支持するミッションケース7にベルト式伝動装置8を介して伝動可能に連結し、そのミッションケース7を、左右の後輪2を支持する後車軸ケース9に外部伝動軸28を介して伝動可能に連結することで、ミッションケース7内の主変速装置7A及び前後進切換装置7Bによってギヤ変速及び正逆転切り換えされた走行用動力で左右の前輪1を駆動するとともに、後車軸ケース9内の減速装置9Aによってギヤ減速された走行用動力で左右の後輪2を前輪1と同調した速度で駆動する4輪駆動型に構成されている。又、苗植付装置5は、ミッションケース7に作業用伝動軸29などを介して伝動可能に連結されており、ミッションケース7内の株間変速装置7Cによってギヤ減速された作業用動力で駆動されるようになっている。尚、図3に示す符号7Dはデフ機構である。
【0031】
図1及び図4〜7に示すように、走行機体3の前部にはエンジン6を外囲するエンジンボンネット10が配備され、その左右両横外側には予備苗載台11が立設され、それらエンジンボンネット10と左右の各予備苗載台11との間には、走行機体3の前端から乗降などを行う際に、走行機体3の前端と運転部との間での歩行移動を許容する乗降ステップ12が装備されている。
【0032】
図1及び図4〜10に示すように、走行機体3の前端下部には、バッテリ搭載用の前部フレーム13と左右一対のガードフレーム14とが配備されており、左右のガードフレーム14には、それらの前端同士に亘るU字状の牽引フレーム15が架設されるとともに、走行機体3の前方の降車位置からの操縦を可能にするための操作アーム16が横向きの支点a周りに起伏揺動可能に取り付けられている。
【0033】
操作アーム16は、その幅が、エンジンボンネット10の横幅内に収まって乗降ステップ12での歩行移動を妨げない幅狭で、かつ、その長さが、略鉛直に起立した状態では、その上端を運転座席17に着座した作業者がエンジンボンネット10越しに目視確認できる高さとなるように、丸パイプ材を縦長下拡がり状のアーチ形に屈曲し、その中間部をステー16aで連結したA字状のものであり、その左右の基端部を、左右のガードフレーム14にボルト18で起伏揺動可能に枢支連結するとともに、一方のボルト連結箇所に皿バネ19を介装することで、操作アーム16の起伏揺動に適度の摩擦抵抗が付与されて、手動で任意の起伏姿勢に揺動操作することができ、かつ、起立姿勢での摩擦保持を行えるようになっている。
【0034】
図8〜10に示すように、左右の各ガイドフレーム14の外側にはストッパ20が溶接されており、操作アーム16は、その基端部がストッパ20の前下面に接当することで後方への起立揺動が規制され〔図8の(イ)参照〕、又、その基端部がストッパ20の後下面に接当することで前方への倒伏揺動が規制されるようになっている〔図8の(ロ)参照〕。ちなみに、ストッパ20により後方への起立揺動が規制された略鉛直の起立限界姿勢が操作アーム16の格納姿勢であり、ストッパ20により前方への倒伏揺動が規制された前向きの倒伏限界姿勢が操作アーム16の作用姿勢である。
【0035】
図1及び図4〜7に示すように、操作アーム16は、その先端部が、横握りし易い適当な幅を有する横向きの握り部16bに形成されている。又、ステー16aの後面には、走行機体3の左右中心を示すセンターマスコット21が、ステー16aから握り部16bを越えて突出する作用姿勢と、ステー16aから基端部に向かう格納姿勢とに、横向きの支点b周りで姿勢切り換え可能に取り付けられている。つまり、操作アーム16を格納姿勢に切り換えた状態では、センターマスコット21を作用姿勢に切り換えておくことによって、センターマスコット21を、植え付け走行時に走行機体3の左右中心を走行基準線上に位置させる照準具として機能させることができ、又、操作アーム16を作用姿勢に切り換えた状態では、センターマスコット21を格納姿勢に切り換えておくことによって、降車位置から操作アーム16の握り部16bを掴んで走行機体3を操縦操作する際に、センターマスコット21が邪魔になることを防止できるようになっている。ちなみに、ステー16aの前面には、操作アーム16の商標ニックネームや本機の機種名などを表示した銘板22が貼り付けられている。
【0036】
図1及び図7〜9に示すように、操作アーム16には、その自重に抗した起立揺動操作を補助するための起立付勢機構30が備えられている。起立付勢機構30は、操作アーム16の左側の基端部に備えた連係具16cから後方に向けて延設されたロッド31、このロッド31が挿通されるように左側のガードフレーム14に溶接された固定ブラケット32、及び、ロッド31の延出端部に外嵌されたバネ受具33と固定ブラケット32との間に介装されたコイルバネ34、などによって構成されており、操作アーム16が前方に向けて倒伏揺動操作されるのに伴ってロッド31が前方に引き出されてコイルバネ34が圧縮変形されるようになり、このコイルバネ34の弾性復元力で操作アーム16を起立方向に付勢するようになっている。
【0037】
起立付勢機構30は、操作アーム16を略鉛直の格納姿勢から少し前方に揺動させた所定範囲では、コイルバネ34の付勢力よりも支点aでの摩擦抵抗の方が大きくなるように構成されており、もって、この所定範囲では操作アーム16を任意の起立角度で保持できるようになっている。つまり、操作アーム16の格納姿勢において作用姿勢に切り換えられるセンターマスコット21の位置を、その所定範囲において前後に位置調節して保持できるようになっており、もって、センターマスコット21を、運転座席17に着座した作業者から見易い位置に設定して使用することができるようになっている。又、操作アーム16を所定範囲を越えて前方に大きく倒伏させた状態では、コイルバネ34の付勢力が支点aでの摩擦抵抗よりも大きくなることから、操作アーム16から手を放すことで、操作アーム16をある程度の起立した位置まで自動的に復帰揺動させることができるようになっている。
【0038】
図1、図4、図7〜9及び図11に示すように、操作アーム16の基部近くには、操作アーム16が前方に向けて倒伏揺動操作されるのに伴って前輪1の操向を規制する操向規制機構40が配備されている。操向規制機構40は、ミッションケース7の前端部に固着したブラケット41、下端部に後ろ向きに開放される略V字状の係合部42aを備えた操向規制部材42、ブラケット41に操向規制部材42を横向きの軸芯c周りで揺動可能に取り付ける支軸43、ミッションケース7に縦向きの軸芯d周りで揺動可能に支持されたピットマンアーム44の上面に突設された被係合部45、一方の端部46aが上方に延出して起立付勢機構30のロッド31に巻き付くとともに他方の端部46bが下方に延出して操向規制部材42に係止されるように支軸43に外嵌された捩じりバネ46、及び、捩じりバネ46における一方の端部46aのロッド31からの外れ止めを行うピン47、などによって構成されており、操作アーム16を前方に向けて倒伏揺動操作した際のロッド31の前方移動に伴って、捩じりバネ46の一端46aが前方に向けて押圧移動することで、捩じりバネ46の全体が支軸43周りに回動して他方の端部46bを後方に向けて移動させるようになり、もって、他方の端部46bを係止する操向規制部材42が軸芯c周りで後方に向けて揺動し、その係合部42aがピットマンアーム44の被係合部45に前方から弾性的に係合するようになっている。そして、操作アーム16の倒伏揺動量を大きくしてロッド31の前方移動量を多くするほど、捩じりバネ46の捩じり変形量が大きくなることから、係合部42aの被係合部45への係合圧接力を強められるようになっている。
【0039】
図8、図9及び図11に示すように、被係合部45は、係合部42aに係合される前半部側が前端側ほど細くなる山形に形成されており、ピットマンアーム44が直進位置から多少左右に操向された状態でも、山形の被係合部45に略V字状の係合部42aが押圧係合されることで、ピットマンアーム44を直進位置に修正して、その位置に安定良く係合保持できるようになっている。つまり、操作アーム16を前方に向けて大きく倒伏させた降車位置からの操縦状態では、ピットマンアーム44が直進位置に安定保持されて、路面の凹凸などによって前輪1が勝手に操向されることを阻止できるようになっている。
【0040】
操向規制部材42の係合部42aはピットマンアーム44の被係合部45に弾性的に係合することから、運転部のステアリングホイール23(図1及び図4〜7参照)を強引に回動操作すれば、被係合部45が捩じりバネ46の付勢に抗して操向規制部材42を前方に押しやりながら係合部42aの左右の端部に乗り上がる方向に移動するようになっている。つまり、操作アーム16を前方に向けて倒伏させた降車位置からの操縦状態では、操向規制機構40の作動で前輪1が路面の凹凸などによって勝手に操向されることを阻止しながらも、別の作業者がステアリングホイール23を強引に回動操作すれば前輪1を操向させることができるようになっている。
【0041】
図3及び図12に示すように、ベルト式伝動装置8は、エンジン6の出力軸6aと一体回転する高速駆動プーリ51aと低速駆動プーリ51b、ミッションケース7の入力軸7aと一体回転する高速従動プーリ52aと低速従動プーリ52b、高速駆動プーリ51aと高速従動プーリ52aとに亘って巻き掛けられた高速伝動ベルト53a、低速駆動プーリ51bと低速従動プーリ52bとに亘って巻き掛けられた低速伝動ベルト53b、高速テンションローラ54aを高速伝動ベルト53aに作用させる状態と作用させない状態とに切り換え可能に支持する高速テンションアーム55a、及び、低速テンションローラ54bを低速伝動ベルト53bに作用させる状態と作用させない状態とに切り換え可能に支持する低速テンションアーム55b、などを備えるとともに、高速テンションアーム55aと低速テンションアーム55bとが、2組の連動リンク機構56a,56bを介して、運転座席17の左側方に配備された副変速レバー24に連係されることで、副変速レバー24の操作に応じて、高速テンションローラ54aの作用で高速伝動ベルト53aのみを緊張させる高速伝動状態と、低速テンションローラ54bの作用で低速伝動ベルト53bのみを緊張させる低速伝動状態とを切り換え現出するダブルテンション式に構成されている。
【0042】
図1及び図7に示すように、主変速レバー25は、搭乗ステップ26の前部中央に横移動操作可能に立設されており、その横移動操作で、ミッションケース7内の動力を、移動走行用の「高速」、植え付け走行用の「低速」、及び、畦越えや車両に対する積み降ろし用の「超低速」の3段にギヤ変速できるように、ミッションケース7内の主変速装置7Aに連係されている。図1、図4及び図6に示すように、前後進切換レバー27は、ステアリングホイール23の左側方に前後揺動可能に配備されており、その前後揺動操作で、ミッションケース7内の走行用動力を「前進」と「後進」とに切り換えられるように、ミッションケース7内の前後進切換装置7Bに連係されている。
【0043】
図4及び図6に示すように、右側の乗降ステップ12には左右一対のブレーキペダル57L,57Rが配備されている。又、図2に示すように、後車軸ケース9内には、左側の後輪2に対する伝動を断続する噛合式の左サイドクラッチ9Laと、左サイドクラッチ9Laよりも伝動方向下手側の位置で制動作動する多板式の左サイドブレーキ9Lbとを一連操作可能に一体構成した左サイドクラッチ・ブレーキ9L、及び、右側の後輪2に対する伝動を断続する噛合式の右サイドクラッチ9Raと、右サイドクラッチ9Raよりも伝動方向下手側の位置で制動作動する多板式の右サイドブレーキ9Rbとを一連操作可能に一体構成した右サイドクラッチ・ブレーキ9Rが装備されている。そして、左側のブレーキペダル57Lを踏み込み操作すると、左サイドクラッチ9Laが左側の後輪2に対する伝動を遮断し、その後、左サイドブレーキ9Lbが左側の後輪2を制動するように、左側のブレーキペダル57Lと左サイドクラッチ・ブレーキ9Lとが連係されるとともに、右側のブレーキペダル57Rを踏み込み操作すると、右サイドクラッチ9Raが右側の後輪2に対する伝動を遮断し、その後、右サイドブレーキ9Rbが右側の後輪2を制動するように、右側のブレーキペダル57Rと右サイドクラッチ・ブレーキ9Rとが連係されている。
【0044】
図4〜6及び図12に示すように、左側の乗降ステップ12には主クラッチペダル58が配備されており、主クラッチペダル58のアーム部58aには、主クラッチペダル58の踏み込み操作に伴って、ベルト式伝動装置8における各テンションアーム55a,55bの各基端部を押圧して各テンションローラ54a,54bを各伝動ベルト53a,53bから離間させる接当部59が装備されている。つまり、ベルト式伝動装置8は、主クラッチペダル58の踏み込み操作に伴ってエンジン6からミッションケース7への伝動を遮断する、いわゆる、テンション式の主クラッチ50としても機能するように構成されている。
【0045】
以上の構成から、運転座席17に着座した搭乗操縦状態において走行機体3を走行停止させる場合には、主クラッチペダル58の踏み込み操作を行って、エンジン6からミッションケース7への伝動を遮断する主クラッチ50の切り状態を現出した後、左右のブレーキペダル57L,57Rを同時に踏み込み操作することで、走行機体3を速やかに走行停止させることができるようになっている。又、植え付け走行時に畦際で走行機体3を旋回させる場合には、ステアリングホイール23を旋回方向にきりながら旋回内側のブレーキペダル57L,57Rを踏み込み操作することで、畦際旋回に適した小旋回走行を現出できるようになっている。
【0046】
図12〜14に示すように、主クラッチペダル58を踏み込み操作可能に支持する支軸61には、前方に向けて延出する操作レバー62が、その支軸61周りに上下揺動操作可能に支持されている。主クラッチペダル58及び操作レバー62は、それぞれ、捩じりバネ64,65で上方向きに復帰付勢されるとともに、支軸61に装着された座金66及びボルト67で抜け止めされている。尚、座金66は、その前端側が機体フレーム68に係合することで支軸61周りでの回転が阻止されるとともに、その後端がボルト67の螺着後に屈曲されてボルト67の頭部偏平側面に係合されるようになっており、もって、ボルト67の弛み止めを行えるようになっている。
【0047】
図1、図2及び図13〜15に示すように、操作レバー62は、主クラッチペダル58のアーム部58aよりも上方に位置し、かつ、アーム部58aと交差する状態で配備されるとともに、その基端に備えられた連係アーム62aが、主クラッチ50よりも伝動方向下手側に位置する外部伝動軸28に介装されたブレーキ70に連係機構63を介して連係されており、これによって、この操作レバー62を下方に揺動操作すると、操作レバー62が主クラッチペダル58のアーム部58aに上方から片当たりして主クラッチペダル58を押し下げ操作することで、主クラッチ50の切り状態を現出できるとともに、連係アーム62aが連係機構63を押し操作することで、ブレーキ70の制動作動状態を現出できるようになり、この状態から操作レバー62を上方に揺動操作すると、主クラッチペダル58が上昇復帰することで主クラッチ50の入り状態を現出できるとともに、連係アーム62aが連係機構63を引き操作することで、ブレーキ70の制動解除状態を現出できるようになっている。つまり、操作アーム16を前方に向けて倒伏させた降車位置からの操縦状態でも、操作レバー62による主クラッチ50及びブレーキ70の一連操作で、走行機体3を容易かつ速やかに走行停止あるいは走行開始させることができるようになっている。運転座席17に着座した搭乗操縦状態で主クラッチペダル58を踏み込み操作すると、操作レバー62は復帰位置に残ることから、ブレーキ70を制動作動させることなく主クラッチ50の切り状態を現出できるようになっている。
【0048】
図1及び図4〜7に示すように、操作レバー62は、エンジンボンネット10の左側面に近接配備されるとともに、外方に3次元的に凸曲した湾曲面に形成されるエンジンボンネット10の側面における凸曲頂部よりも前方側まで延出されており、これによって、操作レバー62が乗降ステップ12での歩行移動の邪魔になることを回避しながら、操作レバー62の握り部62bをエンジンボンネット10の左側面から離れた操作し易い位置に位置させることができるようになっている。
【0049】
図13及び図14に示すように左側の乗降ステップ12に、踏み込み操作された主クラッチペダル58の掛け金具58bに係合可能な係止レバー75が、支点e周りに前後揺動操作可能で、かつ、捩じりバネ74で前方向きに復帰付勢された状態で配備されており、係止レバー75を掛け金具58bに係合することで、主クラッチペダル58を踏み込み操作位置に保持できて、主クラッチ50の切り状態を現出維持できるようになっている。
【0050】
又、係止レバー75には、頭付きの係止ピン76が操作レバー62側に向けて突設されている。この係止ピン76は、操作レバー62の揺動操作経路からは外れているが、図13の(ロ)及び図14中の仮想線で示すように、操作レバー62を係止ピン76の下方にまで揺動操作した後、係止レバー75側に弾性変形させて係止ピン76に下方から係合させることで、操作レバー62を所定の操作位置に保持できて、主クラッチ50の切り状態とブレーキ70の制動作動状態とを現出維持できるようになっている。
【0051】
図6、図13及び図14に示すように、操作レバー62には、主クラッチペダル58の右端部に上方から重複する補助ペダル62cが付設されており、これによって、降車位置からの操作で、操作レバー62が係止レバー75の係止ピン76に係止されて、主クラッチ50の切り状態とブレーキ70の制動作動状態とが現出維持されている場合でも、運転座席17に着座した状態で、操作レバー62の補助ペダル62cを踏み込み操作して操作レバー62を係止ピン76から下方に離間させることで、操作レバー62を、その弾性で元の揺動操作経路に復帰させることができ、この状態で補助ペダル62cの踏み込み操作を解除することで、操作レバー62を初期位置まで係止ピン76に干渉することなく上昇復帰させることができるとともに、それに伴って主クラッチペダル58が入り位置まで上昇復帰することから、主クラッチ50の入り状態及びブレーキ70の制動解除状態を簡単に切り換え現出できるようになっている。
【0052】
図2及び図15に示すように、ブレーキ70には、機体フレーム68に固定されたハウジング70a、ハウジング70aに外部伝動軸28の軸芯f方向に摺動可能に支持された複数の固定ブレーキディスク70b、外部伝動軸28に軸芯f方向に摺動可能な状態で一体回転するように支持された複数の回転ブレーキディスク70c、外部伝動軸28に軸芯f方向に摺動可能に支持されたシフト部材70d、及び、シフト部材70dを軸芯f方向に摺動操作するようにハウジング70aに縦軸芯g周りに揺動可能に支持されたシフトフォーク70e、などによって、外部伝動軸28の軸芯fに沿う方向の操作で、複数の固定ブレーキディスク70bと回転ブレーキディスク70cとが圧接される制動状態と、それらが離間する制動解除状態とに切り換えられる多板式に構成されたいわゆるディスクブレーキ70Aが採用されており、もって、降車位置からの機体停止操作によって外部伝動軸28に曲げモーメントが掛かることを回避できるようにしている。
【0053】
図2及び図13〜15に示すように、連係機構63は、操作レバー62の連係アーム62aからブレーキ70のシフトフォーク70eに向けて延設された連係ロッド63a、及び、連係ロッド63aにシフトフォーク70eを連係させる圧縮バネ63bとナット63c、などによって、連係ロッド63aに対するシフトフォーク70eの連係位置を調節できるようになっており、もって、操作レバー62による主クラッチ50の切り操作に対するブレーキ70の制動開始タイミングを調整できるようになっている。
【0054】
図1及び図4〜7に示すように、左右の予備苗載台11は、アーチ形に形成された支柱80を走行機体3側に固定された支持台81に立設し、この支柱80に複数段の苗載板82を外向き片持ち状に装備して構成されたものであり、予備苗載台11の全体を支柱80における後部側の縦軸芯hを中心にして約180度後方に回動することで、苗載板82の走行機体3の横外方への張り出しを回避する状態に予備苗載台11を格納することができて、走行機体3を車両に積載する場合や、ガレージに格納する場合に便利なものとなっている。殊に、左側の予備苗載台11を後方に回動すると、操作レバー62の周辺を広くすることができるので、操作アーム16を利用して降車位置から走行機体3を操縦する場合での操作レバー62などの操作を行い易くすることができるようになっている。
【0055】
要するに、この乗用型田植機は、例えば、走行機体3を圃場に対して出し入れする際の畦超え移動走行時や、走行機体3をトラックの荷台などに対して積み降ろしする際の歩み板を用いての移動走行時などのように、走行機体3が前後方向に大きく傾斜することで搭乗運転が困難になる場合には、搭乗操縦時には、格納姿勢に切り換えられていた操作アーム16を作用姿勢に切り換えるとともに、作用姿勢に切り換えられていたセンターマスコット21を格納姿勢に切り換えることで、降車位置からでも操作アーム16の操作で走行機体3を操縦することができるようになっている。
【0056】
例えば、図16に示すように、走行機体3を前進で登坂させる前進登坂時において、推進反力で走行機体3の前部が浮き気味になる場合には、操作アーム16を押し下げ操作して走行機体3の前部に下向きの荷重を掛けることで走行機体3の前部の浮き上がりを抑制できるようになり、又、路面の状態が悪くて機体が登坂し難い場合には、操作アーム16を前方に向けて引くことで走行機体3の登坂を補助できるようになり、更に、必要に応じて操作アーム16を左右に押し引きすることで、走行機体3の走行方向を強制的に修正できるようになっている。しかも、操作アーム16の作用姿勢への切り換えに伴って、前輪1が操向規制機構40にて直進方向に安定保持されることから、路面の凹凸などによって前輪1が勝手に操向されて走行機体3が思わぬ方向に移動することを阻止できるようになっている。
【0057】
そして、走行機体3を走行停止させる必要が生じた場合には、操作レバー62を押し下げ操作すれば、主クラッチ50の切り状態とブレーキ70の制動作動状態とを簡単に現出できることから、エンジン6を停止させることなく、走行機体3を速やかに走行停止させることができるようになり、その後、走行機体3を再発進させる場合には、操作レバー62を押し上げ操作すれば、走行機体3を速やかに再発進させることができ、又、走行機体3を走行停止状態に維持したい場合には、押し下げ操作した操作レバー62を横方向に偏位させて係止レバー75の係止ピン76に係合させるだけで、簡単に走行機体3を走行停止状態に維持できるようになり、この状態から走行機体3を再発進させる場合には、操作レバー62を係止ピン76から離脱させる、又は、補助ペダル62cを一端踏み込み操作した後にその操作を解除することで、降車位置及び搭乗位置のいずれからでも走行機体3を速やかに再発進させることができるようになっている。
【0058】
ちなみに、降車位置から走行機体3を操縦する場合には、主変速レバー25を「超低速」位置に操作し、副変速レバー24を「低速」位置に操作し、かつ、アクセル操作でエンジン出力を適当に高く設定して、走行機体3を高トルクで微速走行させるようにすればよい。
【0059】
[別実施形態]
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)図17に示すように、ブレーキ70として、機体フレーム68に固定されたハウジング70h、ハウジング70hに固定装備された複数の固定爪70j、外部伝動軸28にその軸芯f方向に摺動可能な状態で一体回転するようにスプライン嵌合されたシフト部材70k、シフト部材70kに固定爪70jと噛合可能な状態に一体形成された複数の可動爪70m、及び、シフト部材70kを軸芯f方向に摺動操作するようにハウジング70hに縦軸芯j周りに揺動可能に支持されたシフトフォーク70nなどによって、外部伝動軸28の軸芯fに沿う方向の操作で、固定爪70jに可動爪70mが噛合する制動状態と、固定爪70jから可動爪70mが離間する制動解除状態とに切り換えられる噛合式に構成されたいわゆる爪ブレーキ70Bを採用するようにしてもよい。この構成によると、走行機体3が前後方向に傾斜している状態では、降車位置からの操作レバー62の操作でブレーキ70を制動作動状態に切り換えると、各固定爪70j及び可動爪70mの噛合制動作用面Aに走行機体3の荷重が掛かることから、より確実な制動を行えるようになる。
(2)ブレーキ70として爪ブレーキ70Bを採用する上記(1)別実施形態においては図17に示すように、爪ブレーキ70Bの各噛合爪である固定爪70jと可動爪70mのそれぞれを、噛合制動作用面Aに逃げ角θを有する先窄まり状に形成して、各噛合制動作用面Aに走行機体3の荷重による強い面圧が掛かっていたとしても、降車位置からの操作レバー62の操作で、固定爪70jと可動爪70mとの噛合を容易に解除できるようにしてもよい。
(3)図18に示すように、ブレーキ70として、機体フレーム68に固定されたハウジング70q、ハウジング70qに固定装備された筒状の摺接部70r、摺接部70rの端部に形成された複数の凹部70s、外部伝動軸28にその軸芯f方向に摺動可能な状態で一体回転するようにスプライン嵌合されたシフト部材70t、シフト部材70tに凹部70sと係合可能な状態に突設されたゴムなどの摩擦材からなる複数のブレーキシュー70u、及び、シフト部材70tを軸芯f方向に摺動操作するようにハウジング70qに縦軸芯k周りに揺動可能に支持されたシフトフォーク70v、などによって、外部伝動軸28の軸芯fに沿う方向の操作で、ブレーキシュー70uが摺接部70rに摺接して凹部70sに係合する制動状態と、ブレーキシュー70uが摺接部70rから離間する制動解除状態とに切り換えられる摩擦噛合式に構成された摩擦ブレーキ70Cを採用するようにしてもよい。
(4)図19〜23に示すように、ミッションケース7内における前輪1及び後輪2に対する最終出力部としてのデフ機構7Dよりも伝動方向上手側の伝動位置に位置する前後進切換機構7Bの出力軸7bに、そのデフ機構7Dへの伝動を断続するクラッチ71と、このクラッチ71よりも伝動方向下手側の位置で制動作動するブレーキ72とを一連操作可能に一体構成したクラッチ・ブレーキ73を配設するとともに、降車位置からの操作が可能となるようにエンジンボンネット10の横側方に配備した操作レバー62を、主クラッチペダル58には連係させずに、クラッチ・ブレーキ73のみに連係機構63を介して連係させるようにして、降車位置からの操作レバー62の操作でクラッチ・ブレーキ73の作動状態を切り換えることで、降車位置からでも走行機体3を走行停止あるいは再発進させられるようにしてもよい。ちなみに、この構成によると、操作レバー62を、その近くに位置するミッションケース7に内装されたクラッチ・ブレーキ73のみに連係させることから、上記の実施形態で例示したように、操作レバー62を、主クラッチ50と操作レバー62から遠く離れたブレーキ70とに連係させる構成のものや、例えば、操作レバー62を、それから遠く離れた位置に配設されたクラッチ・ブレーキに連係させる構成のものなどに比較して、連係構造の簡素化を大幅に図れるようになる。
(5)上記(4)別実施形態におけるクラッチ・ブレーキ73の構成としては種々の変更が可能であり、例えば、クラッチ・ブレーキ73を、図20に示すように、クラッチ71の一例であるディスククラッチ71Aとブレーキ72の一例であるディスクブレーキ72Aとから構成してもよく、図21に示すように、クラッチ71の一例である爪クラッチ71Bとブレーキ72の一例である爪ブレーキ72Bとから構成してもよく、図22に示すように、前記ディスククラッチ71Aと前記爪ブレーキ72Bとから構成してもよく、図23に示すように、前記爪クラッチ71Bと前記ディスクブレーキ72Aとから構成してもよい。
(6)上記(4)の別実施形態におけるクラッチ・ブレーキ73の配置としては、ミッションケース7内における前輪1及び後輪2に対する最終出力部としてのデフ機構7Dよりも伝動方向上手側の伝動位置であれば種々の変更が可能なものであり、例えば、ミッションケース7内における主変速機構7Aと前後進切換機構7Bとの間や、ミッションケース7内における主変速機構7Aよりも伝動方向上手側の位置にクラッチ・ブレーキ73を配置してもよい。
(7)上記(4)の別実施形態においては、図24に示すように、操作レバー62の揺動操作経路の横近傍箇所に、操作レバー62を走行停止用の操作位置の下方まで揺動操作した後の横方向への弾性変形操作で、操作レバー62を走行停止用の操作位置に係合保持する保持具77を配備して、クラッチ・ブレーキ73を、クラッチ71の切り状態とブレーキ72の制動作動状態とを現出した状態に維持できるようにしてもよい。
(8)上記(7)の別実施形態においては、図24に示すように、操作レバー62に補助ペダル62dを付設して、降車位置からの操作で、操作レバー62が保持具77に係止されて、クラッチ・ブレーキ73が、クラッチ71の切り状態とブレーキ72の制動作動状態とを現出した状態に維持されている場合でも、運転座席17に着座した状態で、操作レバー62の補助ペダル62dを踏み込み操作して操作レバー62を保持具77から下方に離間させることで、操作レバー62を、その弾性で元の揺動操作経路に復帰させられるとともに、この状態で補助ペダル62dの踏み込み操作を解除することで、操作レバー62を初期位置まで保持具77に干渉することなく上昇復帰させられるようにして、クラッチ・ブレーキ73を、クラッチ71の入り状態とブレーキ72の制動解除状態とを現出する状態に搭乗位置から簡単に切り換えられるようにしてもよい。
(9)操作レバー62の配置としては、降車位置から操作できる位置であれば種々の変更が可能なものであり、例えば、上記の実施形態で例示したように、降車位置から操作アーム16を操作して走行機体3を操縦するものにおいては、その操縦位置から操作し易い位置であるエンジンボンネット10の右側方箇所に操作レバー62を配置してもよく、又、操作アーム16に操作レバー62を装備するようにしてもよい。又、例えば、走行機体3の側方の降車位置からステアリングホイール23を操作して走行機体3を操縦するものにおいては、その操縦位置から操作し易い位置であるステアリングホイール23の横側方箇所に操作レバー62を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
乗用型田植機の全体側面図
【図2】
乗用型田植機の伝動構成を示す概略平面図
【図3】
ミッションケース内の構成を示す概略平面図
【図4】
走行機体の前部の正面図
【図5】
走行機体の前部の斜視図
【図6】
走行機体の前部の平面図
【図7】
操作アームを作用姿勢に切り換えた状態を示す走行機体の前部の側面図
【図8】
起立付勢機構と操向規制機構の構成を示す縦断側面図
【図9】
起立付勢機構と操向規制機構の構成を示す横断平面図
【図10】
操作アームの基部を示す正面図
【図11】
操向規制機構の構成を示す分解斜視図
【図12】
主クラッチの構成とその操作構造を示す側面図
【図13】
操作レバーと主クラッチペダルの関連を示す側面図
【図14】
操作レバーと主クラッチペダルの関連を示す一部切り欠き平面図
【図15】
ブレーキの配置及び操作構造を示す平面図
【図16】
降車位置からの操縦状態を示す側面図
【図17】
ブレーキとして噛合式のものを採用した別実施形態を示す要部の横断平面図
【図18】
ブレーキとして摩擦式のものを採用した別実施形態を示す要部の横断平面図
【図19】
ミッションケースに降車位置から操作可能なクラッチ・ブレーキを内装した別実施形態を示す概略平面図
【図20】
ディスククラッチとディスクブレーキとからクラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図21】
爪クラッチと爪ブレーキとから、クラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図22】
ディスククラッチと爪ブレーキとからクラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図23】
爪クラッチとディスクブレーキとからクラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図24】
操作レバーをクラッチ・ブレーキに連係した別実施形態での操作レバー保持構造を示す側面図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
7 ミッションケース
9 後車軸ケース
28 外部伝動軸
50 主クラッチ
70 ブレーキ
71 クラッチ
72 ブレーキ
【発明の名称】 乗用型田植機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を昇降可能に連結し、
前記走行機体の前方の降車位置からの操縦を可能にする作用姿勢及び搭乗操縦時姿勢に変更可能な握り操作具を、前記走行機体の前部に備えて、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある乗用型田植機。
【請求項2】 前記握り操作具が作用姿勢に変更されることにより前輪の操向が規制されるように構成してある請求項1に記載の乗用型田植機。
【請求項3】 走行停止用のブレーキを備え、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記ブレーキを操作することにより、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある請求項1又は2に記載の乗用型田植機。
【請求項4】 前輪及び後輪への伝動を断続するクラッチを備え、前記ブレーキをクラッチよりも伝動方向下手側の位置で制動作動するように備えて、前記クラッチとブレーキとを操作可能に構成し、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記クラッチとブレーキとを操作することにより、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある請求項3に記載の乗用型田植機。
【請求項5】 ミッションケースから後車軸ケースに亘る外部伝動軸に前記ブレーキを備え、前記ブレーキよりも伝動方向上手側の位置に備えられた主クラッチと前記ブレーキとを操作可能に構成し、
前記握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、前記主クラッチとブレーキとを操作することにより、前記走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成してある請求項3に記載の乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用型田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような乗用型田植機においては、走行機体を圃場に対して出し入れする際の畦超え移動走行時や、走行機体をトラックの荷台などに対して積み降ろしする際の歩み板を用いての移動走行時に、走行機体が前後方向に大きく傾斜する場合があることから、これらの移動走行時には走行機体を降車位置から操縦することが望ましく、そのためには、降車位置からでも走行機体の停止操作を行えるようにしておく必要がある。
【0003】
そこで、従来では、例えば、特許公報第2574680号で開示されているように、ベルトテンション式の主クラッチを操作する主クラッチペダルに、降車位置から操作可能な操作レバーを一体装備したものや、特開平3−246125号公報で開示されているように、ダブルテンション式の主クラッチを操作する主クラッチペダルに、降車位置から操作可能な操作レバーを一体装備するとともに、主クラッチの従動側プーリに作用するブレーキを、主クラッチの切り操作に連動して従動側プーリを制動するように連係したものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
【0006】
本発明の目的は、搭乗操縦時における操作性の低下を招くことなく、降車位置からの機体の停止操作を確実に行えるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体の後部にリンク機構を介して苗植付装置を昇降可能に連結し、走行機体の前方の降車位置からの操縦を可能にする作用姿勢及び搭乗操縦時姿勢に変更可能な握り操作具を、走行機体の前部に備えて、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、握り操作具が作用姿勢に変更されることにより前輪の操向が規制されるように構成した。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の発明において、走行停止用のブレーキを備え、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、ブレーキを操作することにより、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
【0023】
【0024】
【0025】
本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、前輪及び後輪への伝動を断続するクラッチを備え、ブレーキをクラッチよりも伝動方向下手側の位置で制動作動するように備えて、クラッチとブレーキとを操作可能に構成し、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、クラッチとブレーキとを操作することにより、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項3記載の発明において、ミッションケースから後車軸ケースに亘る外部伝動軸にブレーキを備え、ブレーキよりも伝動方向上手側の位置に備えられた主クラッチとブレーキとを操作可能に構成し、握り操作具を作用姿勢に設定しての走行機体の前方の降車位置からの操縦状態において、主クラッチとブレーキとを操作することにより、走行機体の走行停止及び走行開始操作が行えるように構成した。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の実施の形態】
図1には乗用型作業機の一例としての乗用型田植機が示されており、この乗用型田植機は、左右一対の前輪1及び後輪2などを備えた乗用型の走行機体3の後部に、油圧駆動されるリンク機構4を介して苗植付装置5を昇降可能に連結することで構成されている。
【0030】
図1〜3に示すように、走行機体3は、その前部に搭載したエンジン6を、左右の前輪1を支持するミッションケース7にベルト式伝動装置8を介して伝動可能に連結し、そのミッションケース7を、左右の後輪2を支持する後車軸ケース9に外部伝動軸28を介して伝動可能に連結することで、ミッションケース7内の主変速装置7A及び前後進切換装置7Bによってギヤ変速及び正逆転切り換えされた走行用動力で左右の前輪1を駆動するとともに、後車軸ケース9内の減速装置9Aによってギヤ減速された走行用動力で左右の後輪2を前輪1と同調した速度で駆動する4輪駆動型に構成されている。又、苗植付装置5は、ミッションケース7に作業用伝動軸29などを介して伝動可能に連結されており、ミッションケース7内の株間変速装置7Cによってギヤ減速された作業用動力で駆動されるようになっている。尚、図3に示す符号7Dはデフ機構である。
【0031】
図1及び図4〜7に示すように、走行機体3の前部にはエンジン6を外囲するエンジンボンネット10が配備され、その左右両横外側には予備苗載台11が立設され、それらエンジンボンネット10と左右の各予備苗載台11との間には、走行機体3の前端から乗降などを行う際に、走行機体3の前端と運転部との間での歩行移動を許容する乗降ステップ12が装備されている。
【0032】
図1及び図4〜10に示すように、走行機体3の前端下部には、バッテリ搭載用の前部フレーム13と左右一対のガードフレーム14とが配備されており、左右のガードフレーム14には、それらの前端同士に亘るU字状の牽引フレーム15が架設されるとともに、走行機体3の前方の降車位置からの操縦を可能にするための操作アーム16が横向きの支点a周りに起伏揺動可能に取り付けられている。
【0033】
操作アーム16は、その幅が、エンジンボンネット10の横幅内に収まって乗降ステップ12での歩行移動を妨げない幅狭で、かつ、その長さが、略鉛直に起立した状態では、その上端を運転座席17に着座した作業者がエンジンボンネット10越しに目視確認できる高さとなるように、丸パイプ材を縦長下拡がり状のアーチ形に屈曲し、その中間部をステー16aで連結したA字状のものであり、その左右の基端部を、左右のガードフレーム14にボルト18で起伏揺動可能に枢支連結するとともに、一方のボルト連結箇所に皿バネ19を介装することで、操作アーム16の起伏揺動に適度の摩擦抵抗が付与されて、手動で任意の起伏姿勢に揺動操作することができ、かつ、起立姿勢での摩擦保持を行えるようになっている。
【0034】
図8〜10に示すように、左右の各ガイドフレーム14の外側にはストッパ20が溶接されており、操作アーム16は、その基端部がストッパ20の前下面に接当することで後方への起立揺動が規制され〔図8の(イ)参照〕、又、その基端部がストッパ20の後下面に接当することで前方への倒伏揺動が規制されるようになっている〔図8の(ロ)参照〕。ちなみに、ストッパ20により後方への起立揺動が規制された略鉛直の起立限界姿勢が操作アーム16の格納姿勢であり、ストッパ20により前方への倒伏揺動が規制された前向きの倒伏限界姿勢が操作アーム16の作用姿勢である。
【0035】
図1及び図4〜7に示すように、操作アーム16は、その先端部が、横握りし易い適当な幅を有する横向きの握り部16bに形成されている。又、ステー16aの後面には、走行機体3の左右中心を示すセンターマスコット21が、ステー16aから握り部16bを越えて突出する作用姿勢と、ステー16aから基端部に向かう格納姿勢とに、横向きの支点b周りで姿勢切り換え可能に取り付けられている。つまり、操作アーム16を格納姿勢に切り換えた状態では、センターマスコット21を作用姿勢に切り換えておくことによって、センターマスコット21を、植え付け走行時に走行機体3の左右中心を走行基準線上に位置させる照準具として機能させることができ、又、操作アーム16を作用姿勢に切り換えた状態では、センターマスコット21を格納姿勢に切り換えておくことによって、降車位置から操作アーム16の握り部16bを掴んで走行機体3を操縦操作する際に、センターマスコット21が邪魔になることを防止できるようになっている。ちなみに、ステー16aの前面には、操作アーム16の商標ニックネームや本機の機種名などを表示した銘板22が貼り付けられている。
【0036】
図1及び図7〜9に示すように、操作アーム16には、その自重に抗した起立揺動操作を補助するための起立付勢機構30が備えられている。起立付勢機構30は、操作アーム16の左側の基端部に備えた連係具16cから後方に向けて延設されたロッド31、このロッド31が挿通されるように左側のガードフレーム14に溶接された固定ブラケット32、及び、ロッド31の延出端部に外嵌されたバネ受具33と固定ブラケット32との間に介装されたコイルバネ34、などによって構成されており、操作アーム16が前方に向けて倒伏揺動操作されるのに伴ってロッド31が前方に引き出されてコイルバネ34が圧縮変形されるようになり、このコイルバネ34の弾性復元力で操作アーム16を起立方向に付勢するようになっている。
【0037】
起立付勢機構30は、操作アーム16を略鉛直の格納姿勢から少し前方に揺動させた所定範囲では、コイルバネ34の付勢力よりも支点aでの摩擦抵抗の方が大きくなるように構成されており、もって、この所定範囲では操作アーム16を任意の起立角度で保持できるようになっている。つまり、操作アーム16の格納姿勢において作用姿勢に切り換えられるセンターマスコット21の位置を、その所定範囲において前後に位置調節して保持できるようになっており、もって、センターマスコット21を、運転座席17に着座した作業者から見易い位置に設定して使用することができるようになっている。又、操作アーム16を所定範囲を越えて前方に大きく倒伏させた状態では、コイルバネ34の付勢力が支点aでの摩擦抵抗よりも大きくなることから、操作アーム16から手を放すことで、操作アーム16をある程度の起立した位置まで自動的に復帰揺動させることができるようになっている。
【0038】
図1、図4、図7〜9及び図11に示すように、操作アーム16の基部近くには、操作アーム16が前方に向けて倒伏揺動操作されるのに伴って前輪1の操向を規制する操向規制機構40が配備されている。操向規制機構40は、ミッションケース7の前端部に固着したブラケット41、下端部に後ろ向きに開放される略V字状の係合部42aを備えた操向規制部材42、ブラケット41に操向規制部材42を横向きの軸芯c周りで揺動可能に取り付ける支軸43、ミッションケース7に縦向きの軸芯d周りで揺動可能に支持されたピットマンアーム44の上面に突設された被係合部45、一方の端部46aが上方に延出して起立付勢機構30のロッド31に巻き付くとともに他方の端部46bが下方に延出して操向規制部材42に係止されるように支軸43に外嵌された捩じりバネ46、及び、捩じりバネ46における一方の端部46aのロッド31からの外れ止めを行うピン47、などによって構成されており、操作アーム16を前方に向けて倒伏揺動操作した際のロッド31の前方移動に伴って、捩じりバネ46の一端46aが前方に向けて押圧移動することで、捩じりバネ46の全体が支軸43周りに回動して他方の端部46bを後方に向けて移動させるようになり、もって、他方の端部46bを係止する操向規制部材42が軸芯c周りで後方に向けて揺動し、その係合部42aがピットマンアーム44の被係合部45に前方から弾性的に係合するようになっている。そして、操作アーム16の倒伏揺動量を大きくしてロッド31の前方移動量を多くするほど、捩じりバネ46の捩じり変形量が大きくなることから、係合部42aの被係合部45への係合圧接力を強められるようになっている。
【0039】
図8、図9及び図11に示すように、被係合部45は、係合部42aに係合される前半部側が前端側ほど細くなる山形に形成されており、ピットマンアーム44が直進位置から多少左右に操向された状態でも、山形の被係合部45に略V字状の係合部42aが押圧係合されることで、ピットマンアーム44を直進位置に修正して、その位置に安定良く係合保持できるようになっている。つまり、操作アーム16を前方に向けて大きく倒伏させた降車位置からの操縦状態では、ピットマンアーム44が直進位置に安定保持されて、路面の凹凸などによって前輪1が勝手に操向されることを阻止できるようになっている。
【0040】
操向規制部材42の係合部42aはピットマンアーム44の被係合部45に弾性的に係合することから、運転部のステアリングホイール23(図1及び図4〜7参照)を強引に回動操作すれば、被係合部45が捩じりバネ46の付勢に抗して操向規制部材42を前方に押しやりながら係合部42aの左右の端部に乗り上がる方向に移動するようになっている。つまり、操作アーム16を前方に向けて倒伏させた降車位置からの操縦状態では、操向規制機構40の作動で前輪1が路面の凹凸などによって勝手に操向されることを阻止しながらも、別の作業者がステアリングホイール23を強引に回動操作すれば前輪1を操向させることができるようになっている。
【0041】
図3及び図12に示すように、ベルト式伝動装置8は、エンジン6の出力軸6aと一体回転する高速駆動プーリ51aと低速駆動プーリ51b、ミッションケース7の入力軸7aと一体回転する高速従動プーリ52aと低速従動プーリ52b、高速駆動プーリ51aと高速従動プーリ52aとに亘って巻き掛けられた高速伝動ベルト53a、低速駆動プーリ51bと低速従動プーリ52bとに亘って巻き掛けられた低速伝動ベルト53b、高速テンションローラ54aを高速伝動ベルト53aに作用させる状態と作用させない状態とに切り換え可能に支持する高速テンションアーム55a、及び、低速テンションローラ54bを低速伝動ベルト53bに作用させる状態と作用させない状態とに切り換え可能に支持する低速テンションアーム55b、などを備えるとともに、高速テンションアーム55aと低速テンションアーム55bとが、2組の連動リンク機構56a,56bを介して、運転座席17の左側方に配備された副変速レバー24に連係されることで、副変速レバー24の操作に応じて、高速テンションローラ54aの作用で高速伝動ベルト53aのみを緊張させる高速伝動状態と、低速テンションローラ54bの作用で低速伝動ベルト53bのみを緊張させる低速伝動状態とを切り換え現出するダブルテンション式に構成されている。
【0042】
図1及び図7に示すように、主変速レバー25は、搭乗ステップ26の前部中央に横移動操作可能に立設されており、その横移動操作で、ミッションケース7内の動力を、移動走行用の「高速」、植え付け走行用の「低速」、及び、畦越えや車両に対する積み降ろし用の「超低速」の3段にギヤ変速できるように、ミッションケース7内の主変速装置7Aに連係されている。図1、図4及び図6に示すように、前後進切換レバー27は、ステアリングホイール23の左側方に前後揺動可能に配備されており、その前後揺動操作で、ミッションケース7内の走行用動力を「前進」と「後進」とに切り換えられるように、ミッションケース7内の前後進切換装置7Bに連係されている。
【0043】
図4及び図6に示すように、右側の乗降ステップ12には左右一対のブレーキペダル57L,57Rが配備されている。又、図2に示すように、後車軸ケース9内には、左側の後輪2に対する伝動を断続する噛合式の左サイドクラッチ9Laと、左サイドクラッチ9Laよりも伝動方向下手側の位置で制動作動する多板式の左サイドブレーキ9Lbとを一連操作可能に一体構成した左サイドクラッチ・ブレーキ9L、及び、右側の後輪2に対する伝動を断続する噛合式の右サイドクラッチ9Raと、右サイドクラッチ9Raよりも伝動方向下手側の位置で制動作動する多板式の右サイドブレーキ9Rbとを一連操作可能に一体構成した右サイドクラッチ・ブレーキ9Rが装備されている。そして、左側のブレーキペダル57Lを踏み込み操作すると、左サイドクラッチ9Laが左側の後輪2に対する伝動を遮断し、その後、左サイドブレーキ9Lbが左側の後輪2を制動するように、左側のブレーキペダル57Lと左サイドクラッチ・ブレーキ9Lとが連係されるとともに、右側のブレーキペダル57Rを踏み込み操作すると、右サイドクラッチ9Raが右側の後輪2に対する伝動を遮断し、その後、右サイドブレーキ9Rbが右側の後輪2を制動するように、右側のブレーキペダル57Rと右サイドクラッチ・ブレーキ9Rとが連係されている。
【0044】
図4〜6及び図12に示すように、左側の乗降ステップ12には主クラッチペダル58が配備されており、主クラッチペダル58のアーム部58aには、主クラッチペダル58の踏み込み操作に伴って、ベルト式伝動装置8における各テンションアーム55a,55bの各基端部を押圧して各テンションローラ54a,54bを各伝動ベルト53a,53bから離間させる接当部59が装備されている。つまり、ベルト式伝動装置8は、主クラッチペダル58の踏み込み操作に伴ってエンジン6からミッションケース7への伝動を遮断する、いわゆる、テンション式の主クラッチ50としても機能するように構成されている。
【0045】
以上の構成から、運転座席17に着座した搭乗操縦状態において走行機体3を走行停止させる場合には、主クラッチペダル58の踏み込み操作を行って、エンジン6からミッションケース7への伝動を遮断する主クラッチ50の切り状態を現出した後、左右のブレーキペダル57L,57Rを同時に踏み込み操作することで、走行機体3を速やかに走行停止させることができるようになっている。又、植え付け走行時に畦際で走行機体3を旋回させる場合には、ステアリングホイール23を旋回方向にきりながら旋回内側のブレーキペダル57L,57Rを踏み込み操作することで、畦際旋回に適した小旋回走行を現出できるようになっている。
【0046】
図12〜14に示すように、主クラッチペダル58を踏み込み操作可能に支持する支軸61には、前方に向けて延出する操作レバー62が、その支軸61周りに上下揺動操作可能に支持されている。主クラッチペダル58及び操作レバー62は、それぞれ、捩じりバネ64,65で上方向きに復帰付勢されるとともに、支軸61に装着された座金66及びボルト67で抜け止めされている。尚、座金66は、その前端側が機体フレーム68に係合することで支軸61周りでの回転が阻止されるとともに、その後端がボルト67の螺着後に屈曲されてボルト67の頭部偏平側面に係合されるようになっており、もって、ボルト67の弛み止めを行えるようになっている。
【0047】
図1、図2及び図13〜15に示すように、操作レバー62は、主クラッチペダル58のアーム部58aよりも上方に位置し、かつ、アーム部58aと交差する状態で配備されるとともに、その基端に備えられた連係アーム62aが、主クラッチ50よりも伝動方向下手側に位置する外部伝動軸28に介装されたブレーキ70に連係機構63を介して連係されており、これによって、この操作レバー62を下方に揺動操作すると、操作レバー62が主クラッチペダル58のアーム部58aに上方から片当たりして主クラッチペダル58を押し下げ操作することで、主クラッチ50の切り状態を現出できるとともに、連係アーム62aが連係機構63を押し操作することで、ブレーキ70の制動作動状態を現出できるようになり、この状態から操作レバー62を上方に揺動操作すると、主クラッチペダル58が上昇復帰することで主クラッチ50の入り状態を現出できるとともに、連係アーム62aが連係機構63を引き操作することで、ブレーキ70の制動解除状態を現出できるようになっている。つまり、操作アーム16を前方に向けて倒伏させた降車位置からの操縦状態でも、操作レバー62による主クラッチ50及びブレーキ70の一連操作で、走行機体3を容易かつ速やかに走行停止あるいは走行開始させることができるようになっている。運転座席17に着座した搭乗操縦状態で主クラッチペダル58を踏み込み操作すると、操作レバー62は復帰位置に残ることから、ブレーキ70を制動作動させることなく主クラッチ50の切り状態を現出できるようになっている。
【0048】
図1及び図4〜7に示すように、操作レバー62は、エンジンボンネット10の左側面に近接配備されるとともに、外方に3次元的に凸曲した湾曲面に形成されるエンジンボンネット10の側面における凸曲頂部よりも前方側まで延出されており、これによって、操作レバー62が乗降ステップ12での歩行移動の邪魔になることを回避しながら、操作レバー62の握り部62bをエンジンボンネット10の左側面から離れた操作し易い位置に位置させることができるようになっている。
【0049】
図13及び図14に示すように左側の乗降ステップ12に、踏み込み操作された主クラッチペダル58の掛け金具58bに係合可能な係止レバー75が、支点e周りに前後揺動操作可能で、かつ、捩じりバネ74で前方向きに復帰付勢された状態で配備されており、係止レバー75を掛け金具58bに係合することで、主クラッチペダル58を踏み込み操作位置に保持できて、主クラッチ50の切り状態を現出維持できるようになっている。
【0050】
又、係止レバー75には、頭付きの係止ピン76が操作レバー62側に向けて突設されている。この係止ピン76は、操作レバー62の揺動操作経路からは外れているが、図13の(ロ)及び図14中の仮想線で示すように、操作レバー62を係止ピン76の下方にまで揺動操作した後、係止レバー75側に弾性変形させて係止ピン76に下方から係合させることで、操作レバー62を所定の操作位置に保持できて、主クラッチ50の切り状態とブレーキ70の制動作動状態とを現出維持できるようになっている。
【0051】
図6、図13及び図14に示すように、操作レバー62には、主クラッチペダル58の右端部に上方から重複する補助ペダル62cが付設されており、これによって、降車位置からの操作で、操作レバー62が係止レバー75の係止ピン76に係止されて、主クラッチ50の切り状態とブレーキ70の制動作動状態とが現出維持されている場合でも、運転座席17に着座した状態で、操作レバー62の補助ペダル62cを踏み込み操作して操作レバー62を係止ピン76から下方に離間させることで、操作レバー62を、その弾性で元の揺動操作経路に復帰させることができ、この状態で補助ペダル62cの踏み込み操作を解除することで、操作レバー62を初期位置まで係止ピン76に干渉することなく上昇復帰させることができるとともに、それに伴って主クラッチペダル58が入り位置まで上昇復帰することから、主クラッチ50の入り状態及びブレーキ70の制動解除状態を簡単に切り換え現出できるようになっている。
【0052】
図2及び図15に示すように、ブレーキ70には、機体フレーム68に固定されたハウジング70a、ハウジング70aに外部伝動軸28の軸芯f方向に摺動可能に支持された複数の固定ブレーキディスク70b、外部伝動軸28に軸芯f方向に摺動可能な状態で一体回転するように支持された複数の回転ブレーキディスク70c、外部伝動軸28に軸芯f方向に摺動可能に支持されたシフト部材70d、及び、シフト部材70dを軸芯f方向に摺動操作するようにハウジング70aに縦軸芯g周りに揺動可能に支持されたシフトフォーク70e、などによって、外部伝動軸28の軸芯fに沿う方向の操作で、複数の固定ブレーキディスク70bと回転ブレーキディスク70cとが圧接される制動状態と、それらが離間する制動解除状態とに切り換えられる多板式に構成されたいわゆるディスクブレーキ70Aが採用されており、もって、降車位置からの機体停止操作によって外部伝動軸28に曲げモーメントが掛かることを回避できるようにしている。
【0053】
図2及び図13〜15に示すように、連係機構63は、操作レバー62の連係アーム62aからブレーキ70のシフトフォーク70eに向けて延設された連係ロッド63a、及び、連係ロッド63aにシフトフォーク70eを連係させる圧縮バネ63bとナット63c、などによって、連係ロッド63aに対するシフトフォーク70eの連係位置を調節できるようになっており、もって、操作レバー62による主クラッチ50の切り操作に対するブレーキ70の制動開始タイミングを調整できるようになっている。
【0054】
図1及び図4〜7に示すように、左右の予備苗載台11は、アーチ形に形成された支柱80を走行機体3側に固定された支持台81に立設し、この支柱80に複数段の苗載板82を外向き片持ち状に装備して構成されたものであり、予備苗載台11の全体を支柱80における後部側の縦軸芯hを中心にして約180度後方に回動することで、苗載板82の走行機体3の横外方への張り出しを回避する状態に予備苗載台11を格納することができて、走行機体3を車両に積載する場合や、ガレージに格納する場合に便利なものとなっている。殊に、左側の予備苗載台11を後方に回動すると、操作レバー62の周辺を広くすることができるので、操作アーム16を利用して降車位置から走行機体3を操縦する場合での操作レバー62などの操作を行い易くすることができるようになっている。
【0055】
要するに、この乗用型田植機は、例えば、走行機体3を圃場に対して出し入れする際の畦超え移動走行時や、走行機体3をトラックの荷台などに対して積み降ろしする際の歩み板を用いての移動走行時などのように、走行機体3が前後方向に大きく傾斜することで搭乗運転が困難になる場合には、搭乗操縦時には、格納姿勢に切り換えられていた操作アーム16を作用姿勢に切り換えるとともに、作用姿勢に切り換えられていたセンターマスコット21を格納姿勢に切り換えることで、降車位置からでも操作アーム16の操作で走行機体3を操縦することができるようになっている。
【0056】
例えば、図16に示すように、走行機体3を前進で登坂させる前進登坂時において、推進反力で走行機体3の前部が浮き気味になる場合には、操作アーム16を押し下げ操作して走行機体3の前部に下向きの荷重を掛けることで走行機体3の前部の浮き上がりを抑制できるようになり、又、路面の状態が悪くて機体が登坂し難い場合には、操作アーム16を前方に向けて引くことで走行機体3の登坂を補助できるようになり、更に、必要に応じて操作アーム16を左右に押し引きすることで、走行機体3の走行方向を強制的に修正できるようになっている。しかも、操作アーム16の作用姿勢への切り換えに伴って、前輪1が操向規制機構40にて直進方向に安定保持されることから、路面の凹凸などによって前輪1が勝手に操向されて走行機体3が思わぬ方向に移動することを阻止できるようになっている。
【0057】
そして、走行機体3を走行停止させる必要が生じた場合には、操作レバー62を押し下げ操作すれば、主クラッチ50の切り状態とブレーキ70の制動作動状態とを簡単に現出できることから、エンジン6を停止させることなく、走行機体3を速やかに走行停止させることができるようになり、その後、走行機体3を再発進させる場合には、操作レバー62を押し上げ操作すれば、走行機体3を速やかに再発進させることができ、又、走行機体3を走行停止状態に維持したい場合には、押し下げ操作した操作レバー62を横方向に偏位させて係止レバー75の係止ピン76に係合させるだけで、簡単に走行機体3を走行停止状態に維持できるようになり、この状態から走行機体3を再発進させる場合には、操作レバー62を係止ピン76から離脱させる、又は、補助ペダル62cを一端踏み込み操作した後にその操作を解除することで、降車位置及び搭乗位置のいずれからでも走行機体3を速やかに再発進させることができるようになっている。
【0058】
ちなみに、降車位置から走行機体3を操縦する場合には、主変速レバー25を「超低速」位置に操作し、副変速レバー24を「低速」位置に操作し、かつ、アクセル操作でエンジン出力を適当に高く設定して、走行機体3を高トルクで微速走行させるようにすればよい。
【0059】
[別実施形態]
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)図17に示すように、ブレーキ70として、機体フレーム68に固定されたハウジング70h、ハウジング70hに固定装備された複数の固定爪70j、外部伝動軸28にその軸芯f方向に摺動可能な状態で一体回転するようにスプライン嵌合されたシフト部材70k、シフト部材70kに固定爪70jと噛合可能な状態に一体形成された複数の可動爪70m、及び、シフト部材70kを軸芯f方向に摺動操作するようにハウジング70hに縦軸芯j周りに揺動可能に支持されたシフトフォーク70nなどによって、外部伝動軸28の軸芯fに沿う方向の操作で、固定爪70jに可動爪70mが噛合する制動状態と、固定爪70jから可動爪70mが離間する制動解除状態とに切り換えられる噛合式に構成されたいわゆる爪ブレーキ70Bを採用するようにしてもよい。この構成によると、走行機体3が前後方向に傾斜している状態では、降車位置からの操作レバー62の操作でブレーキ70を制動作動状態に切り換えると、各固定爪70j及び可動爪70mの噛合制動作用面Aに走行機体3の荷重が掛かることから、より確実な制動を行えるようになる。
(2)ブレーキ70として爪ブレーキ70Bを採用する上記(1)別実施形態においては図17に示すように、爪ブレーキ70Bの各噛合爪である固定爪70jと可動爪70mのそれぞれを、噛合制動作用面Aに逃げ角θを有する先窄まり状に形成して、各噛合制動作用面Aに走行機体3の荷重による強い面圧が掛かっていたとしても、降車位置からの操作レバー62の操作で、固定爪70jと可動爪70mとの噛合を容易に解除できるようにしてもよい。
(3)図18に示すように、ブレーキ70として、機体フレーム68に固定されたハウジング70q、ハウジング70qに固定装備された筒状の摺接部70r、摺接部70rの端部に形成された複数の凹部70s、外部伝動軸28にその軸芯f方向に摺動可能な状態で一体回転するようにスプライン嵌合されたシフト部材70t、シフト部材70tに凹部70sと係合可能な状態に突設されたゴムなどの摩擦材からなる複数のブレーキシュー70u、及び、シフト部材70tを軸芯f方向に摺動操作するようにハウジング70qに縦軸芯k周りに揺動可能に支持されたシフトフォーク70v、などによって、外部伝動軸28の軸芯fに沿う方向の操作で、ブレーキシュー70uが摺接部70rに摺接して凹部70sに係合する制動状態と、ブレーキシュー70uが摺接部70rから離間する制動解除状態とに切り換えられる摩擦噛合式に構成された摩擦ブレーキ70Cを採用するようにしてもよい。
(4)図19〜23に示すように、ミッションケース7内における前輪1及び後輪2に対する最終出力部としてのデフ機構7Dよりも伝動方向上手側の伝動位置に位置する前後進切換機構7Bの出力軸7bに、そのデフ機構7Dへの伝動を断続するクラッチ71と、このクラッチ71よりも伝動方向下手側の位置で制動作動するブレーキ72とを一連操作可能に一体構成したクラッチ・ブレーキ73を配設するとともに、降車位置からの操作が可能となるようにエンジンボンネット10の横側方に配備した操作レバー62を、主クラッチペダル58には連係させずに、クラッチ・ブレーキ73のみに連係機構63を介して連係させるようにして、降車位置からの操作レバー62の操作でクラッチ・ブレーキ73の作動状態を切り換えることで、降車位置からでも走行機体3を走行停止あるいは再発進させられるようにしてもよい。ちなみに、この構成によると、操作レバー62を、その近くに位置するミッションケース7に内装されたクラッチ・ブレーキ73のみに連係させることから、上記の実施形態で例示したように、操作レバー62を、主クラッチ50と操作レバー62から遠く離れたブレーキ70とに連係させる構成のものや、例えば、操作レバー62を、それから遠く離れた位置に配設されたクラッチ・ブレーキに連係させる構成のものなどに比較して、連係構造の簡素化を大幅に図れるようになる。
(5)上記(4)別実施形態におけるクラッチ・ブレーキ73の構成としては種々の変更が可能であり、例えば、クラッチ・ブレーキ73を、図20に示すように、クラッチ71の一例であるディスククラッチ71Aとブレーキ72の一例であるディスクブレーキ72Aとから構成してもよく、図21に示すように、クラッチ71の一例である爪クラッチ71Bとブレーキ72の一例である爪ブレーキ72Bとから構成してもよく、図22に示すように、前記ディスククラッチ71Aと前記爪ブレーキ72Bとから構成してもよく、図23に示すように、前記爪クラッチ71Bと前記ディスクブレーキ72Aとから構成してもよい。
(6)上記(4)の別実施形態におけるクラッチ・ブレーキ73の配置としては、ミッションケース7内における前輪1及び後輪2に対する最終出力部としてのデフ機構7Dよりも伝動方向上手側の伝動位置であれば種々の変更が可能なものであり、例えば、ミッションケース7内における主変速機構7Aと前後進切換機構7Bとの間や、ミッションケース7内における主変速機構7Aよりも伝動方向上手側の位置にクラッチ・ブレーキ73を配置してもよい。
(7)上記(4)の別実施形態においては、図24に示すように、操作レバー62の揺動操作経路の横近傍箇所に、操作レバー62を走行停止用の操作位置の下方まで揺動操作した後の横方向への弾性変形操作で、操作レバー62を走行停止用の操作位置に係合保持する保持具77を配備して、クラッチ・ブレーキ73を、クラッチ71の切り状態とブレーキ72の制動作動状態とを現出した状態に維持できるようにしてもよい。
(8)上記(7)の別実施形態においては、図24に示すように、操作レバー62に補助ペダル62dを付設して、降車位置からの操作で、操作レバー62が保持具77に係止されて、クラッチ・ブレーキ73が、クラッチ71の切り状態とブレーキ72の制動作動状態とを現出した状態に維持されている場合でも、運転座席17に着座した状態で、操作レバー62の補助ペダル62dを踏み込み操作して操作レバー62を保持具77から下方に離間させることで、操作レバー62を、その弾性で元の揺動操作経路に復帰させられるとともに、この状態で補助ペダル62dの踏み込み操作を解除することで、操作レバー62を初期位置まで保持具77に干渉することなく上昇復帰させられるようにして、クラッチ・ブレーキ73を、クラッチ71の入り状態とブレーキ72の制動解除状態とを現出する状態に搭乗位置から簡単に切り換えられるようにしてもよい。
(9)操作レバー62の配置としては、降車位置から操作できる位置であれば種々の変更が可能なものであり、例えば、上記の実施形態で例示したように、降車位置から操作アーム16を操作して走行機体3を操縦するものにおいては、その操縦位置から操作し易い位置であるエンジンボンネット10の右側方箇所に操作レバー62を配置してもよく、又、操作アーム16に操作レバー62を装備するようにしてもよい。又、例えば、走行機体3の側方の降車位置からステアリングホイール23を操作して走行機体3を操縦するものにおいては、その操縦位置から操作し易い位置であるステアリングホイール23の横側方箇所に操作レバー62を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
乗用型田植機の全体側面図
【図2】
乗用型田植機の伝動構成を示す概略平面図
【図3】
ミッションケース内の構成を示す概略平面図
【図4】
走行機体の前部の正面図
【図5】
走行機体の前部の斜視図
【図6】
走行機体の前部の平面図
【図7】
操作アームを作用姿勢に切り換えた状態を示す走行機体の前部の側面図
【図8】
起立付勢機構と操向規制機構の構成を示す縦断側面図
【図9】
起立付勢機構と操向規制機構の構成を示す横断平面図
【図10】
操作アームの基部を示す正面図
【図11】
操向規制機構の構成を示す分解斜視図
【図12】
主クラッチの構成とその操作構造を示す側面図
【図13】
操作レバーと主クラッチペダルの関連を示す側面図
【図14】
操作レバーと主クラッチペダルの関連を示す一部切り欠き平面図
【図15】
ブレーキの配置及び操作構造を示す平面図
【図16】
降車位置からの操縦状態を示す側面図
【図17】
ブレーキとして噛合式のものを採用した別実施形態を示す要部の横断平面図
【図18】
ブレーキとして摩擦式のものを採用した別実施形態を示す要部の横断平面図
【図19】
ミッションケースに降車位置から操作可能なクラッチ・ブレーキを内装した別実施形態を示す概略平面図
【図20】
ディスククラッチとディスクブレーキとからクラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図21】
爪クラッチと爪ブレーキとから、クラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図22】
ディスククラッチと爪ブレーキとからクラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図23】
爪クラッチとディスクブレーキとからクラッチ・ブレーキを構成した別実施形態を示す概略図
【図24】
操作レバーをクラッチ・ブレーキに連係した別実施形態での操作レバー保持構造を示す側面図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
7 ミッションケース
9 後車軸ケース
28 外部伝動軸
50 主クラッチ
70 ブレーキ
71 クラッチ
72 ブレーキ
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JP25577799A Expired - Fee Related JP4359367B2 (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 乗用型田植機 |
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JP (1) | JP4359367B2 (ja) |
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1999
- 1999-09-09 JP JP25577799A patent/JP4359367B2/ja not_active Expired - Fee Related
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