JP3596349B2 - 乗用型作業車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗用型田植機・収穫機・トラクタ等の乗用型農作業車や乗用型運搬車・乗用型土木作業車等の各種乗用型作業車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、乗用型田植機等の乗用型農作業車においては、圃場に進入用の急勾配の傾斜道が有る場合には該傾斜道を走行して圃場への出入りをしていた。また、圃場に傾斜道が無い場合には、畦を乗り越えて圃場への出入りをしていた。また、圃場までの移動にはトラック等を利用しているが、トラック等の荷台に乗用型農作業車を積み降ろす時は、荷台に架け渡された歩み板の上を走行させて行っていた。
【0003】
そして、この圃場への出入りやトラックへの積み降しは、運転者が乗用型農作業車に乗って運転することにより行われている。ところが、この場合、乗用型農作業車はかなり大きく傾斜するので、運転者は不安若しくは恐怖を抱いての運転であり、また、事実危険な作業であった。
このような危険な作業を回避するために、この種の従来技術として、乗用型農作業車の操向操作を運転者が車体から降りて補助ハンドルレバーにて行うものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
併し乍ら、運転者が車体から降りて操向操作する際に、車体が前後方向で大きく傾斜しり、障害物がある場合には、車体を即座に停止させないと危険であり、その運転者が車体から降りて確実に然も容易に車体を停止させる課題は、未だ、解決されていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の従来技術のもつ課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、乗用型走行車両2に設けた操縦座席8に着座した運転者が足で操作する主クラッチペダル41を装備した乗用型作業車において、車外から操作される主クラッチ操作レバー57を前記主クラッチペダル41の回動支点42とは異なる回動支点58回りに回動自在に設けると共に、主クラッチ操作レバー57のアーム部59の中途部を主クラッチペダル41に連繋した乗用型作業車としたものであり、請求項2記載の発明は、主クラッチペダル41にて主クラッチ操作とブレーキ操作が共に行なえる請求項1記載の乗用型作業車としたものであり、請求項3記載の発明は、主クラッチ操作レバー57を車体前方から操作可能に主クラッチ操作レバー57の握り部57aを車体前端に近い位置に設けた請求項1乃至2記載の乗用型作業車としたものであり、請求項4記載の発明は、主クラッチ操作レバー57を回動支点58において融通構成を介して回動自在に枢支した請求項1乃至3記載の乗用型作業車としたものであり、請求項5記載の発明は、操向用ハンドル9にて左右前輪10・10を操向するステアリング機構Aに設けた被係合部80aに対して車体前部に収納位置から車体前方に突出した作用位置への切替操作により係合する係合部91を設けた把持アーム83を装備した請求項1乃至4記載の乗用型作業車としたものである。
【0006】
【発明の作用効果】
請求項1記載の発明は、車外から操作される主クラッチ操作レバー57を主クラッチペダル41の回動支点42とは異なる回動支点58回りに回動自在に設けると共に、主クラッチ操作レバー57のアーム部59の中途部を主クラッチペダル41に連繋した乗用型作業車としたものであるから、作業者が車外から主クラッチ操作レバー57を操作するとき、主クラッチ操作レバー57の作業者の操作位置が梃子の力点で、回動支点58が支点となり、主クラッチ操作レバー57のアーム部59の中途部と主クラッチペダル41との連繋部が作用点となる梃子の原理で、作業者は軽い力で容易に操作することができ、非常に操作性が良く、然も、主クラッチ操作レバー57は車外で操作するので緊急時の操作も確実に行なえて安全である。
【0007】
請求項2記載の発明は、主クラッチペダル41にて主クラッチ操作とブレーキ操作が共に行なえる請求項1記載の乗用型作業車としたものであるから、上記請求項1記載の作用効果に加えて、主クラッチの入り切り操作とブレーキの制動操作が一つの操作で行なえて、機体が即座に且つ完全に停止し安全である。
請求項3記載の発明は、主クラッチ操作レバー57を車体前方から操作可能に主クラッチ操作レバー57の握り部57aを車体前端に近い位置に設けたものであるから、上記請求項1記載の作用効果に加えて、車外の車体前側から主クラッチ操作レバー57を軽い力で容易に操作することができ、緊急時の操作も安全である。
【0008】
請求項4記載の発明は、主クラッチ操作レバー57を回動支点58において融通構成を介して回動自在に枢支したものであるから、上記請求項1記載の作用効果に加えて、主クラッチペダル41の回動支点42と主クラッチ操作レバー57の回動支点58とが異なることによる両者の作動不良を簡潔な構成で解消することができると共に、主クラッチ操作レバー57の主クラッチペダル41を動かす作用点となる主クラッチ操作レバー57のアーム部59の中途部と主クラッチペダル41との連繋部の遊びが殆どない構成にすることができ、主クラッチ操作レバー57の操作にがたつきがなくて、操作性及び操作フィーリングがとても良い。
【0009】
請求項5記載の発明は、操向用ハンドル9にて左右前輪10・10を操向するステアリング機構Aに設けた被係合部80aに対して車体前部に収納位置から車体前方に突出した作用位置への切替操作により係合する係合部91を設けた把持アーム83を装備したものであるから、上記請求項1記載の作用効果に加えて、作業時には把持アーム83を収納位置にしておくことにより、把持アーム83が他のものに接当したりして作業の邪魔になることが防止できて作業の邪魔にならず良好な作業が行なえる。また、例えば、圃場へ畦を乗り越えて出入りする時やトラックへの積み降し時等の車体が大きく傾斜する場合には、運転者は、先ず、主クラッチペダル41を操作して主クラッチを切り操作し(主クラッチは切れ、ブレーキは制動状態になる)、操向用ハンドル9を操作して左右前輪10・10を直進状態にしておき、その後、車体から降りて車体の前側にて把持アーム83を車体前方に突出した作用位置にすると、ステアリング機構Aは左右前輪10・10が直進状態のままであるように保持される。そして、主クラッチ操作レバー57にて主クラッチを入り操作する(主クラッチは入り、ブレーキは非制動状態になる)と、運転者は把持アーム83の先端を両手で握ったまま、車体をまっすぐに前進させることができる。この時、運転者は把持アーム83の先端に自分の体重をかけて車体が後方に転倒するのを防止しながら車体を前進させることができる。従って、安全に且つ車体が転倒してしまうことを防止しながら、車体の移動をすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例である乗用型田植機を、図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、1は乗用型田植機であって、乗用型走行車両2の後部に昇降用油圧シリンダー3にて上下動されるリンク機構4を介して田植作業機5を装着して構成されている。
【0011】
乗用型走行車両2は、車体フレ−ム6の中央にエンジン7を搭載し、その上側に操縦座席8を設け、前側に操向用ハンドル9を配置して構成し、該操向用ハンドル9にて操向される左右駆動前輪10・10と左右駆動後輪11・11を設けている。また、田植作業機5は、フレームを兼用した乗用型走行車両2側から伝動される植付部伝動ケース12と、該植付部伝動ケース12内の伝動にて左右往復移動する苗載台13と、該苗載台13に載置されたマット状苗から1株分づつの苗を分割して整地フロート14…にて整地された圃場に植付ける植付装置15等により構成される一般的なものである。
【0012】
16は走行ミッション装置であって、前記エンジン7からベルト伝動装置17と副変速装置である2段ベルト伝動装置18とにより入力された回転動力を、前後駆動車輪10・11に主変速レバー(図示せず)の操作にて路上速(高速)と植付作業速(低速)と後進とに変速して伝動するように車体フレ−ム6の前部側に設けている。
【0013】
2段ベルト伝動装置18は、高速ベルト伝動部18aと低速ベルト伝動部18bとにより構成されている。高速ベルト伝動部18aは、駆動側プーリー19と小径従動側プーリー20との間に設けた伝動ベルト21と該伝動ベルト21を張るテンションプーリー22とから構成され、低速ベルト伝動部18bは、駆動側プーリー25aと大径従動側プーリー23との間に設けた伝動ベルト24と該伝動ベルト24を張るテンションプーリー25とから構成されている。そして、テンションプーリー22及びテンションプーリー25は、各々基部が走行ミッション装置16の側壁に設けた回動軸26に回動自在に軸支されたアーム27・28の先端に回転自在に設けられている。また、各アーム27・28は、各々バネ29・30により、各テンションプーリー22及びテンションプーリー25が伝動ベルトを張るイ方向に付勢されている。
【0014】
31は副変速操作レバーであって、機体に設けた枢支軸32に揺動自在に枢着されており、2つのカムプレート33・34が一体に回動するように設けられている。そして、機体に軸支された揺動アーム35の一端と前記アーム27とをロッド36で連結し、揺動アーム35の他端にはベアリング37が設けられており、副変速操作レバー31の低速位置側への操作にて前記カムプレート33のカム部33aにてベアリング37がロ方向に押されて揺動アーム35が回動するように構成されている。一方、機体に揺動アーム35と同軸上に軸支された揺動アーム38の一端と前記アーム28とをロッド39で連結し、揺動アーム38の他端にはベアリング40が設けられており、副変速操作レバー31の高速位置側への操作にて前記カムプレート34のカム部34aにてベアリング40がロ方向に押されて揺動アーム38が回動するように構成されている。
【0015】
即ち、副変速操作レバー31の低速位置側への操作にて、テンションプーリー22が伝動ベルト21から離れる方向に移動し、テンションプーリー25がバネ30の付勢力により伝動ベルト24を張る位置になって、低速ベルト伝動部18bによりエンジン7の駆動力が走行ミッション装置16に伝動される。また、副変速操作レバー31の高速位置側への操作にて、テンションプーリー25が伝動ベルト24から離れる方向に移動し、テンションプーリー22がバネ29の付勢力により伝動ベルト21を張る位置になって、高速ベルト伝動部18aによりエンジン7の駆動力が走行ミッション装置16に伝動される。
【0016】
41は主クラッチペダルであって、機体に設けた回動支点としての枢支軸42に回動自在に枢支された回動ボス43に基部が固着されたアーム44の先端に固着されている。45は基部が前記回動ボス43に固着された回動アームで、主クラッチペダル41の踏込み操作によるアーム44の回動と一体に回動する。そして、回動アーム45の中央部には貫通穴45aが設けられており、この貫通穴45aをロッド46が貫通して配置されている。ロッド46の先端には、側面視U字状の係合作動アーム47が固着されており、この係合作動アーム47が前記テンションプーリー22・25の各アーム27・28と一体に回動する板体27a・28aに各々固着して設けたピン体48・49の両者に係合している。尚、貫通穴45aを貫通したロッド46の後端はボルトになっており、2個のナット50・50が固定されている。また、44aはアーム44と機体との間に設けたバネであって、主クラッチペダル41を踏込む方向に対して逆方向に復帰する矢印方向に付勢している。
【0017】
即ち、主クラッチペダル41を踏込み操作していない時には、係合作動アーム47のU字状の空間部でピン体48・49は自由に移動できて、各テンションプーリー22・25は副変速操作レバー31にて自由に操作できる構成となっている。そして、主クラッチペダル41を踏込み操作した時には、回動アーム45が回動してナット50・50を後方に押す為に、ロッド46も後方に移動して、係合作動アーム47が両ピン体48・49を後方に引き、各板体27a・28aはバネ29・30の付勢力に抗して回動する。従って、アーム27・28の何れもが反イ方向に移動することとなり、両テンションプーリー22・25は伝動ベルト21・24から離れるので、エンジン7の駆動力は走行ミッション装置16に伝動されなくなり、機体は停止する。
【0018】
51は主クラッチペダル41のロックアームであって、主クラッチペダル41の裏面側に固着された支持軸52に回動自在に枢支されている。そして、支持軸52には、巻バネ53が外嵌されており、その一端が主クラッチペダル41の裏面に接当し他端がロックアーム51に係合して、ロックアーム51をハ方向に付勢している。54はロック解除ペダルであって、ロックアーム51に基部が固着されたロッド55の先端に固着されており、ロックアーム51と一体になっている。一方、機体側には、前記ロックアーム51の下端係合部51aが係合する固定係合部材56が設けられており、主クラッチペダル41を踏込むと、ロックアーム51の下端斜面が固定係合部材56の斜面に接当してロックアーム51は先ず巻バネ53に抗して反ハ方向に回動し、ロックアーム51の下端が固定係合部材56よりも下方に来ると、ロックアーム51は巻バネ53によりハ方向に回動してロックアーム51の下端係合部51aが固定係合部材56の後端部に係合して、主クラッチペダル41は踏込み位置で固定される。そして、ロック解除ペダル54を踏むと、ロックアーム51は巻バネ53に抗して反ハ方向に回動するので、この固定状態を解除することができる。
【0019】
57は操向用ハンドル9の左側のステップ面Sの上方で機体の前端に近い位置に握り部57aが位置するように設けられた主クラッチ操作レバーであって、その基部が機体に設けた回動支点としての支軸58に回動自在に支持されており、前記主クラッチペダル41の裏面側に固着された支持軸52にそのアーム部59の中途部に設けた貫通穴を嵌合させている。従って、主クラッチ操作レバー57の握り部57aを機体前方から握って下方に押し下げると、主クラッチ操作レバー57は支軸58回りに回動し、そのアーム部59の中途部に設けた貫通穴に嵌合した支持軸52を介して主クラッチペダル41を下方に向けて回動させるので、ロックアーム51の下端係合部51aが固定係合部材56の後端部に係合して主クラッチペダル41が固定され、エンジン7の駆動力は走行ミッション装置16に伝動されなくなり、機体は停止する。
【0020】
上記のように主クラッチ操作レバー57を主クラッチペダル41と一体に固着しない理由は、次のとおりである。即ち、主クラッチペダル41のアーム44を枢支軸42回りに回動自在とし、主クラッチ操作レバー57を支軸58回りに回動自在として、主クラッチ操作レバー57のアーム部59の中途部を主クラッチペダル41の支持軸52に連繋することにより、作業者が主クラッチ操作レバー57を手で操作するとき、主クラッチ操作レバー57の握り部57aが梃子の力点で、支軸58が支点となり、支持軸52が作用点となる。従って、主クラッチペダル41を主クラッチ操作レバー57の握り部57aにて梃子の原理で操作することになるので、主クラッチ操作レバーを主クラッチペダルと一体に固着した場合よりも小さな力で操作でき、非常に操作性が良く、然も、主クラッチ操作レバー57は車体前側で操作するので緊急時の操作も確実に行なえて安全である。
【0021】
尚、支持軸52とアーム部59の中途部に設けた貫通穴とは、通常の設計誤差程度の遊びを設けた状態で嵌合している(殆ど遊びはない)が、アーム部59の基部に設けた支点孔は支軸58の外径よりも少し大きくなっており、アーム部59の基部は支軸58に対して大きな遊び(融通構成)を有して支持されている。これは、主クラッチ操作レバー57のアーム部59の回動軸心と主クラッチペダル41のアーム44の回動軸心とが異なることによる両者の作動不良を解消する為のものであり、アーム部59の基部が支軸58に対して大きな遊びで支持されていることにより、主クラッチ操作レバー57と主クラッチペダル41の両者は共に良好に作動操作されることができる。また、主クラッチ操作レバー57の主クラッチペダル41を動かす作用点となる支持軸52部分の遊びが殆どないことにより、主クラッチ操作レバー57の握り部57aを握った時の操作にがたつきがなくて、操作性及び操作フィーリングがとても良い。
【0022】
60はロックアーム51を操作するロック解除レバーであって、ロッド61により前記ロックアーム51に基部が固着されたロッド55の中途部に固着されたアーム62に連繋されており、ロック解除レバー60をニ方向に握り操作することによりロックアーム51を巻バネ53に抗して反ハ方向に回動させることができる。即ち、前記主クラッチ操作レバー57の握り部57aを機体前方から握って下方に押し下げて、ロックアーム51の下端係合部51aが固定係合部材56の後端部に係合して主クラッチペダル41が固定されエンジン7の駆動力が走行ミッション装置16に伝動されなくなった状態を、このロック解除レバー60のニ方向への握り操作にて、ロックアーム51を巻バネ53に抗して反ハ方向に回動させて解除することができる。尚、ロッド61とアーム62とは、アーム62に設けた長孔62aを介して連繋されている。これは、主クラッチ操作レバー57及び主クラッチペダル41を操作する時に、該ロッド61とアーム62との連繋により両操作が作動不良を引き起こさない為の逃げ機構である。ロック解除レバー60をニ方向に握り操作する場合には、この長孔62aの遊び以上にロッド61を引くように構成しているので、上記のようにアーム62を回動させてロックアーム51を巻バネ53に抗して反ハ方向に回動させることができ、ロックを解除することができる。
【0023】
63は前輪ブレーキ作動部材であって、前記主クラッチペダル41と一体に回動する回動アーム45に貫通して配置したロッド46の中途部に基部が固着されたアーム64と前輪を制動する一般的な内拡式シューブレーキ65のブレーキ作動アーム66の先端とを連繋している。詳細に説明すると、アーム64に設けた孔にボルト67を貫通し、アーム64の片側に2個のナット68・68をボルト67上で固定し他側に圧縮バネ69を外嵌した外端側に2個のナット70・70をボルト67上で固定している。そして、ボルト67の前端側にはアーム71を固着し、該アーム71の前端をブレーキ作動アーム66の先端に軸にて連繋している。従って、主クラッチペダル41を踏込み操作(主クラッチ操作レバー57を下動操作)して主クラッチを切る方向に操作すると、回動アーム45が回動してロッド46を後方に引く為に、アーム64も後方に移動して圧縮バネ69を介してボルト67が後方に移動される。即ち、主クラッチペダル41を踏込み操作(主クラッチ操作レバー57を下動操作)して主クラッチを切る方向に操作すると、前輪ブレーキ作動部材63によりブレーキ作動アーム66にて内拡式シューブレーキ65が制動作動して、前輪が制動される。尚、両テンションプーリー22・25が伝動ベルト21・24から離れてエンジン7の駆動力が走行ミッション装置16に伝動されなくなる直前から、このブレーキ65が制動作動し始めて、走行ミッション装置16に伝動されなくなった時には完全に制動した状態になるように、前輪ブレーキ作動部材63の長さをナット68・70の位置調節で調整している。
【0024】
72は操向用ハンドル9の後方側の下方位置に設けられた超低速変速レバーである。主変速レバーの操作にて植付作業速又は後進とし、副変速操作レバー31にて低速にした後に、この超低速変速レバー72にて前記走行ミッション装置16内の歯車式変速機構を操作すると、車体を超低速で前進又は後進させることができる。
【0025】
尚、73・74は左右駆動後輪11・11への伝動軸であって、操向用ハンドル9の右側のステップ面S上方に設けた左右サイドブレーキペダルの踏込み操作により、走行ミッション装置16内に設けたサイドクラッチ装置にて駆動力が各々断続されサイドブレ−キ装置により各々制動される。
75は走行ミッション装置16から機体後方に向けて設けられたPTO伝動軸であって、途中の動力を断続する作業機クラッチ装置76を介してPTO軸77により田植作業機5に動力を伝動している。
【0026】
ここで、操向用ハンドル9による左右駆動前輪10・10を操向操作するステアリング機構Aの構成を説明すると、操向用ハンドル9と一体回動自在なステアリング軸78の下部が走行ミッション装置16の前端部内に貫入して設けられており、該ステアリング軸78の下部は走行ミッション装置16内に設けた歯車式ステアリング減速機構に入力軸として連繋されている。そして、歯車式ステアリング減速機構から回転が減速された出力軸79が走行ミッション装置16の下部から突出して設けられている。この出力軸79の下端に一体回動自在にピットマンアーム80を設け、このピットマンアーム80の左右両側を各々左右駆動前輪10・10と一体回動自在なナックルアーム81・81に左右タイロッド82・82にて連繋している。然して、操向用ハンドル9を回動操作すると、左右駆動前輪10・10が操向操作されるようになっている。尚、ピットマンアーム80の前部には、後述の係合部としてのロックピン91が係合する被係合部としての凹み80aが形成されている。
【0027】
83・83は、機体の前部に支持ピン84にて回動自在に支持された左右把持アームで、その基部側が横棒83aにて一体に回動するように連結されている。支持ピン84は、機体にボルト及びナット85…にて固定された左右支持板86・86の孔に貫通して配置されており、左右把持アーム83・83の各基部に固着されたボス87・87がこの支持軸84に外嵌して回動自在に設けられている。また、88は支持ピン84に外嵌して回動自在に設けられたステアリングロック部材であって、ボス89と該ボス89に前部が固着されたアーム90と該アーム90の後端に固着されたロックピン91とボス89及びアーム90及びロックピン91に亘って固着された補強板92にて構成されている。
【0028】
93はボス89に外嵌して設けられた巻バネで、一端を左右把持アーム83・83を一体に連結する前記横棒83aに係合させ、他端をアーム90に設けた孔94に係合させている。従って、左右把持アーム83・83を起立させた状態では、図5で実線に示すようにロックピン91はピットマンアーム80の凹み80aに係合していないので、作業者は操向用ハンドル9を操作して通常とおり車体の操向操作を行うことができる。
【0029】
そして、操向用ハンドル9を操作して左右駆動前輪10・10を直進状態にして左右把持アーム83・83を前方に倒すと、巻バネ93を介してステアリングロック部材88が後方に回動して図5で仮想線に示すようにロックピン91がピットマンアーム80の凹み80aに係合するので、左右駆動前輪10・10は巻バネ93の付勢力により直進状態に保持される。尚、作業者が操向用ハンドル9を操作して、巻バネ93の付勢力よりも大きな力でピットマンアーム80を回動させた場合には、巻バネ93の付勢力に抗して車体の操向操作を行うことができる。
【0030】
95は左把持アーム83の基部に固着されたボス87に外嵌して設けられた巻バネで、一端を左右把持アーム83・83を一体に連結する前記横棒83aに係合させ、他端を機体に固定の左支持板86に設けた孔に係合させている。従って、左右把持アーム83・83は起立させた状態になるように巻バネ95で付勢されており、作業者は巻バネ95の付勢力に抗して左右把持アーム83・83を起立状態から前方に倒れた状態にする。よって、作業者が前方に倒れた状態で左右把持アーム83・83から手を離すと、巻バネ95の付勢力にて自動的に左右把持アーム83・83は起立状態に戻る。
【0031】
96は車体の前部左右中央部位に位置して設けられたセンターマーカーであって、機体に固定の軸回りに図1にて実線で示す収納状態から仮想線で示す使用状態に回動自在に設けられている。このセンターマーカー96は、使用状態にして、田植作業時に乗用型走行車両2の操縦座席8に着座した運転者が、図外の田植作業機5に備えられた左右一対の線引き具の一方によって次工程の植付け圃場面にて形成された走行基準線に、乗用型走行車両2の中心を合わせるための照準具として使用するものである。
【0032】
左右把持アーム83・83の前端部には、空隙Bが有り、前記センターマーカー96と左右把持アーム83・83とが干渉することのないようになっている。即ち、左右把持アーム83・83を起立状態にしていても、センターマーカー96は左右把持アーム83・83の前端部の空隙Bを通って自由に前後回動できる構成となっている。尚、97・97は、作業者が左右把持アーム83・83の先端部で怪我をしないように、左右把持アーム83・83の先端部に外嵌して設けた樹脂製のキャップである。
【0033】
次に、この乗用型田植機1にて田植作業を行なう場合の説明をする。
先ず、圃場内で田植作業を行なう時には、左右把持アーム83・83を収納位置にしておくことにより、左右把持アーム83・83が畦や植付けた苗等に接当したりして作業の邪魔になることが防止できると共に、視界の邪魔になることがなくて、良好な田植作業が行なえる。
【0034】
また、例えば、圃場へ畦を乗り越えて出入りする時には、運転者は、操縦座席8に着座して車体を操縦して車体を圃場の畦の近くまで移動させて畦に対して車体が直角になるようにして、主クラッチペダル41を踏込んでロックアーム51の下端係合部51aが固定係合部材56の後端部に係合して主クラッチペダル41が踏込み位置で固定された状態にして車体を停止させる。そして、主変速レバーを植付作業速とし副変速操作レバー31を低速位置側にし超低速変速レバー72にて走行ミッション装置16内の歯車式変速機構を操作して、車体が超低速で前進する変速状態として、操向用ハンドル9を操作し左右前輪10・10を直進状態にしておく。その後、車体から降りて車体の前側に来て、主クラッチ操作レバー57のロック解除レバー60をニ方向へ握り操作して、ロックアーム51を巻バネ53に抗して反ハ方向に回動させて解除し、車体が超低速で前進するようにする。その直後に、左右把持アーム83・83の先端を握って収納位置から車体前方に倒れて突出した作用位置に切替える。すると、巻バネ93を介してステアリングロック部材88が後方に回動してロックピン91がピットマンアーム80の凹み80aに係合するので、左右駆動前輪10・10は巻バネ93の付勢力により直進状態に保持される。そして、運転者は、左右把持アーム83・83の先端を両手で握ったまま、車体をゆっくりと前進させて畦を乗り越えさせる。この時、左右前輪10・10のみが畦に乗り上がって車体が大きく後傾斜した場合には、運転者は左右把持アーム83・83の先端に自分の体重をかけて車体が後方に転倒するのを防止しながら車体を前進させて畦を乗り越えさせる。また、車体の進行方向が畦によって変更されようとした時には、運転者は左右把持アーム83・83の先端を操作して進路を補正することができる。そして、畦を乗り越えて圃場からの出入りが終えた時に、運転者が左右把持アーム83・83から手を離すと、左右把持アーム83・83は自動的に収納位置になる。その後、運転者は、主クラッチ操作レバー57の握り部57aを車体前方から握って下方に押し下げて車体を停止させる。このように、安全に且つ車体が転倒してしまうことを防止しながら、車体の圃場への出入りが行なえる。その後、運転者は、車体に搭乗して車体を運転する。
【0035】
尚、圃場に進入用の急勾配の傾斜道が有る場合にも、上記と同様にして、車体を該傾斜道を走行させて圃場への出入りを行なう。
また、乗用型田植機1をトラックへ積み込む時には、トラックの荷台に歩み板を架け渡し、運転者は、操縦座席8に着座して車体を操縦して車体を歩み板の近くまで移動させて直進すれば歩み板に乗れる状態にして、主クラッチペダル41を踏込んでロックアーム51の下端係合部51aが固定係合部材56の後端部に係合して主クラッチペダル41が踏込み位置で固定された状態にして車体を停止させる。そして、主変速レバー・副変速操作レバー31・超低速変速レバー72を操作して車体が超低速で前進する変速状態として、操向用ハンドル9を操作し左右前輪10・10を直進状態にしておく。その後、車体から降りて車体の前側に来て、主クラッチ操作レバー57のロック解除レバー60をニ方向へ握り操作して、ロックアーム51を巻バネ53に抗して反ハ方向に回動させて解除し、車体が超低速で前進するようにする。その直後に、左右把持アーム83・83の先端を握って収納位置から車体前方に倒れて突出した作用位置に切替える。すると、巻バネ93を介してステアリングロック部材88が後方に回動してロックピン91がピットマンアーム80の凹み80aに係合するので、左右駆動前輪10・10は巻バネ93の付勢力により直進状態に保持される。そして、運転者は、左右把持アーム83・83の先端を両手で握ったまま、車体をゆっくりと前進させて歩み板上を走行させる。この時、歩み板上に乗って車体が大きく後傾斜した場合、運転者は左右把持アーム83・83の先端に自分の体重をかけて車体が後方に転倒するのを防止しながら車体を前進させて歩み板上を走行させる。また、車体の進行方向が変更した時には、運転者は左右把持アーム83・83の先端を操作して進路を補正することができる。そして、歩み板上を走行してトラックの荷台に車体が乗り終えた時に、運転者が左右把持アーム83・83から手を離すと、左右把持アーム83・83は自動的に収納位置になる。その後、運転者は、主クラッチ操作レバー57の握り部57aを車体前方から握って下方に押し下げて車体を停止させる。このように、安全に且つ歩み板から脱輪して転倒するようなことを防止しながら、トラックに積み込むことができる。
【0036】
尚、乗用型田植機1をトラックから降ろす時は、主変速レバーを後進にして、上記と同様の作業行程で後進によりトラックから降ろす。
最後に、二人作業で乗用型田植機1を畦越えさせたりトラックに積み込んだりする場合には、一人が操縦座席8に着座して車体を操縦し、もう一人が車体の前側で左右把持アーム83・83の先端を握って収納位置から車体前方に倒れて突出した作用位置に切替えて、自分の体重をかけて車体が後方に転倒するのを防止する。この時、左右把持アーム83・83が作用位置なっているので、左右駆動前輪10・10は直進状態に保持されているが、車体の進行方向が何らかの理由で変化した場合には、操縦座席8に着座した運転者が操向用ハンドル9を巻バネ93の付勢力よりも大きな力でピットマンアーム80が回動するように操作すると巻バネ93の付勢力に抗して車体の操向操作を行うことができるので、歩み板からの脱輪が未然に操向操作で防止でき、また、畦越え時の適切な操向操作も行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図である。
【図2】乗用型走行車両の簡略平面図である。
【図3】主クラッチペダル及び主クラッチ操作レバーの要部側面図である。
【図4】主クラッチペダル及び主クラッチ操作レバーの要部平面図である。
【図5】左右把持アーム83・83及びステアリング機構の要部側面図である。
【図6】左右把持アーム83・83及びステアリング機構の要部平面図である。
【図7】作用説明用の全体側面図である。
【符号の説明】
2 乗用型走行車両
8 操縦座席
9 操向用ハンドル
10 左右前輪
41 主クラッチペダル
42 回動支点(枢支軸)
57 主クラッチ操作レバー
57a 握り部
58 回動支点(支軸)
80a 被係合部(ピットマンアーム80の凹み)
83 把持アーム
91 係合部(ロックピン)
A ステアリング機構
B 把持アームの空隙
Claims (5)
- 乗用型走行車両2に設けた操縦座席8に着座した運転者が足で操作する主クラッチペダル41を装備した乗用型作業車において、車外から操作される主クラッチ操作レバー57を前記主クラッチペダル41の回動支点42とは異なる回動支点58回りに回動自在に設けると共に、主クラッチ操作レバー57のアーム部59の中途部を主クラッチペダル41に連繋したことを特徴とする乗用型作業車。
- 主クラッチペダル41にて主クラッチ操作とブレーキ操作が共に行なえる請求項1記載の乗用型作業車。
- 主クラッチ操作レバー57を車体前方から操作可能に主クラッチ操作レバー57の握り部57aを車体前端に近い位置に設けた請求項1乃至2記載の乗用型作業車。
- 主クラッチ操作レバー57を回動支点58において融通構成を介して回動自在に枢支した請求項1乃至3記載の乗用型作業車。
- 操向用ハンドル9にて左右前輪10・10を操向するステアリング機構Aに設けた被係合部80aに対して車体前部に収納位置から車体前方に突出した作用位置への切替操作により係合する係合部91を設けた把持アーム83を装備した請求項1乃至4記載の乗用型作業車。
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