JP7126460B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
本発明は、水田作業機において、操作アームによる機体の操縦性を向上させることを目的としている。
本発明によると、前述の構成において、デフロック連係機構が、前車軸ケースとの干渉を避けながら、保持部とデフロック部とに亘って無理なく設けられる。この場合、デフロック連係機構が側面視で前車軸ケースよりも上側を迂回するので、前車軸ケースの付近の地上高の確保の面でも有利になる。
これにより、操作アームの非使用姿勢から使用姿勢への姿勢変更に基づいて、保持部により不足なく操向部材が前輪の直進位置で保持されるのであり、第1ストロークと第2ストロークとの差が第1吸収部により無理なく吸収される。
これにより、保持部に基づいて、デフロック部により不足なく前輪デフ機構がデフロック状態に操作されるのであり、第2ストロークと第3ストロークとの差が第2吸収部により無理なく吸収される。
逆に、デフロック操作具の操作に基づいて、デフロック部により前輪デフ機構がデフロック状態に操作されても、第2融通部により操作アームが操作されることはないので、作業者が違和感を持つことはない。
図1に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2が設けられた機体3の後部に、リンク機構4が上下に揺動可能に支持されて後側に延出されており、リンク機構4を昇降操作する油圧シリンダ5が設けられている。
図1,2,3に示すように、機体3の前部の右部及び左部に、支持フレーム33,34が設けられて、支持フレーム33,34に予備苗のせ台31,32が支持されている。
図1に示すように、苗植付装置6に、植付伝動ケース9、回転ケース10、植付アーム11、フロート12、苗のせ台13等が設けられている。
図1に示すように、施肥装置7に、ホッパー15、繰り出し部16、ブロア17、作溝器18及びホース19等が設けられている。
図1に示すように、苗植付装置6に支持された右及び左の支持ケース14が、前側に延出されており、支持ケース14の前部に亘って、駆動軸(図示せず)が回転可能に支持されて、多数の整地体21が駆動軸に取り付けられている。
図1,2,3に示すように、機体3の前部に配置されたミッションケース22に、支持フレーム23が連結されて前側に延出され、支持フレーム23にエンジン29が支持されている。
副変速装置41の動力が、伝動軸51から後車軸ケース40に伝達され、後車軸ケース40の内部の伝動軸(図示せず)及び伝動ギヤ(図示せず)を介して、後輪2に伝達される。
図4,11,12に示すように、ミッションケース22の上面部に、ハンドルポスト30が連結されて上側に延出されている。ハンドルポスト30の上下中間部に、油圧型式のパワーステアリングユニット35が内装されており、ハンドルポスト30の上端部に、操縦ハンドル25が回転可能に支持されている。
図4,5,6,16に示すように、上辺部に多数の凹部が形成された側面視で扇形状の
変速部材37が設けられており、変速部材37のボス部37bにより、変速部材37が、
ハンドルポスト30の上部の左横部に、左右方向の軸芯P1周りに揺動可能に支持されて
いる。
変速レバー26が中立停止位置Nから前進最高速位置FAに向けて前進側に操作されると、連係ロッド48が変速レバー26側に引き操作されて、中継部材47及び支持軸46が図4の時計方向に揺動(回転)し、連係ロッド49が変速装置43の変速軸43b及びアーム部43c側に押し操作され、変速装置43の変速軸43b及びアーム部43cが前進側に操作される。
図1,2,3に示すように、ボンネット24に対して右側及び左側から、ボンネット24に対して後側に亘って、フロア28が設けられている。
これにより、機体3の前側に立つ作業者が、手を延ばしてブレーキレバー56を持ってブレーキペダル55を操作することができるのであり、踏み操作状態(制動状態)のブレーキペダル55及びブレーキレバー56に、ロックレバー57を掛けることにより、ブレーキペダル55及びブレーキレバー56を、踏み操作状態(制動状態)で保持することができる。
図4~図7及び図16に示すように、連係軸60が、支持フレーム23とミッションケース22との間において、左右方向に沿った軸芯P6周りに回転可能に支持されている。連係軸60の右のアーム部60aと、ブレーキペダル55のアーム部55aとに亘って、連係ロッド61が接続されている。
以上のように、連係ロッド61、連係軸60、連係ロッド65等を有する低速連係機構66が、ブレーキペダル55と連係部材64とに亘って設けられている。
図7及び図8に示すように、変速装置43が中立停止位置Nに操作された状態で、連係部材64は中立停止位置Nに位置している。
図9に示すように、ブレーキペダル55が踏み操作されていない状態で、変速装置43が前進側に操作されると、連係部材64が中立停止位置Nから図9の反時計方向に揺動して、連係部材64の長孔64aの前側の端部が、連係ロッド65の操作部65a(位置A1)に接近する。この場合、連係部材64(変速装置43)が、比較的高速である前進側の高速位置F1に操作されていたとする。
図10に示すように、ブレーキペダル55が踏み操作されていない状態で、変速装置43が後進側に操作されると、連係部材64が中立停止位置Nから図 の時計方向に揺動して、連係部材64の長孔64aの前側の端部が、連係ロッド65の操作部65a(位置A1)から離れる。
図1,2,3に示すように、正面視でアーチ状の操作アーム53が、機体3の前部である支持フレーム23の前部に支持されている。
図11,12,13,16,17,18に示すように、丸棒材が折り曲げられて構成された保持部68が、支持フレーム23のブラケット23a、及びミッションケース22に連結されたブラケット69に、左右方向の軸芯P7周りに揺動可能に支持されている。
図11~図18に示すように、ミッションケース22の内部に、前輪デフ機構50をデフロック状態に操作可能なデフロック機構74が設けられている。デフロック機構74を操作する軸状のデフロック部75が、ミッションケース22の後面から後側に出るように設けられている。デフロック部75が、側面視及び平面視で、前車軸ケース39よりも後側に設けられ、保持部68よりも後側に設けられている。
図11~図18に示すように、連係ロッド80が設けられており、連係ロッド80の前部が、保持部68のアーム部68bに接続されている。連係ロッド80の中間部が上側に折り曲げられて、連係ロッド80の後部が、側面視で前車軸ケース39よりも上側を迂回するように配置されている。
例えば畦を越えて水田に進入する場合や畦を越えて水田から出る場合、作業者は、機体3から降りて機体3の前側に立ち、変速レバー26を前進側の十分な低速位置に操作し、操作アーム53を使用姿勢B2に操作して、操作アーム53を持つことにより、機体3の向きの修正を行ったり、機体3の前部の浮き上がりを押さえたりする。
図17に示す状態は、操作アーム53が非使用姿勢B1に操作された状態で、保持部68の操作部68aが操向部材36から前側に離れて、前輪1の操向操作が可能な状態であり、デフロック部75及び操作部76が解除位置C2に操作されて、前輪デフ機構50が作動する状態である。
図17及び図18に示すように、操作アーム53が非使用姿勢B1から使用姿勢B2に操作されると、操作アーム53のピン53dが前側に移動して、操作アーム53の非使用姿勢B1から使用姿勢B2への姿勢変更の第1ストロークS1が生じる。
図15及び図17に示すように、デフロックペダル77の本体部77aの下部が、操作部76の長孔76aに挿入され、連係ロッド84の下部84aが、操作部76の長孔76bに挿入されている(前述の(デフロック機構に関する構成)参照)。
図21に示すように、2つの凹部86a,86bが形成された平板状のデテント部材86を、操作アーム53の基部53bに連結し、板バネ状のバネ部材87を、支持フレーム23に連結してもよい。
デテント部材86の凹部86bが、側面視で非対称の形状に形成されている。作業者が操作アーム53を使用姿勢B2から非使用姿勢B1に操作する際に、バネ部材87が大きな抵抗力を発生させることなく、デテンド部材86の凹部86bから抜けるのであり、作業者が操作アーム53を使用姿勢B2から非使用姿勢B1に比較的楽に操作することができる。
図17及び図18に示す保持部68のアーム部68bにおいて、連係ロッド71における保持部68のアーム部68bへの接続部分と保持部68(軸芯P7)との間の長さL1と、連係ロッド80における保持部68のアーム部68bへの接続部分と保持部68(軸芯P7)との間の長さL2とを、同じ長さに設定して、第2ストロークS2が、増幅されずに、そのまま中継部材81に伝達されるように構成してもよい。
図17及び図18に示す中継部材81において、連係部材82における中継部材81への接続部分と軸芯P9との間の長さL3と、連係ロッド84における中継部材81への接続部分と軸芯P9との間の長さL4とを、同じ長さに設定して、増幅第2ストロークS21が、増幅されずに、そのままデフロック部75及び操作部76に伝達されるように構成してもよい。
図17及び図18において、第2ストロークS2が、第3ストロークS3よりも少し小さなものに設定されてもよい。
この場合、第2ストロークS2が、保持部68のアーム部68b及び中継部材81により、第3ストロークS3よりも大きな増幅第2ストロークS21に増幅されるように構成すればよい。
この場合、第2ストロークS2が、中継部材81により第3ストロークよりも大きなものに増幅されるように構成すればよい(第3ストロークS3が、中継部材81により第2ストロークS2よりも小さなストロークS22に収縮されるように構成しればよい)。
この場合、第2ストロークS2が、保持部68のアーム部68bにより、第3ストロークS3よりも大きな増幅第2ストロークS21に増幅されるように構成すればよい。
図17及び図18において、第2ストロークS2が、第3ストロークS3よりも十分に大きなものとなるように構成してもよい。
この場合、保持部68のアーム部68bを、前述の(発明の実施の第2別形態)に記載のように構成して、保持部68のアーム部68bの増幅機能を無くし、中継部材81を、前述の(発明の実施の第3別形態)に記載のように構成して、中継部材81の増幅機能(収縮機能)を無くせばよい。
エンジン29の出力プーリー29a、変速装置43(入力プーリー43a)、伝動ベルト44、テンションプーリー45及びクラッチ63を、平面視で、機体3の左右中央に対して右側に配置し、直進保持連係機構73及びデフロック連係機構85、デフロック部75を、平面視で、機体3の左右中央に対して左側に配置してもよい。
直進保持連係機構73を操作アーム53と保持部68とに亘って設け、デフロック連係機構85を操作アーム53とデフロック部75とに亘って設けて、直進保持連係機構73及びデフロック連係機構85を並列的に配置してもよい。
直進保持連係機構73及びデフロック連係機構85を、機体3の左右中央に対して右側又は左側の同じ側に配置してもよい。
デフロック連係機構85において、連係ロッド80及び連係部材82により、中継部材81が図18の時計方向に揺動操作され、連係ロッド84が上側に引き操作されて、デフロック部75及び操作部76がデフロック位置C1に操作されるように構成してもよい。
相当)(図示せず)を備えた乗用型直播機や、田面に薬剤を供給する供給装置(作業装置
に相当)(図示せず)を備えた乗用型散布機等の水田作業機にも適用できる。
3 機体
36 操向部材
39 前車軸ケース
50 前輪デフ機構
53 操作アーム
68 保持部
68b アーム部(ストローク増幅部)
72 バネ(第1吸収部)
73 直進保持連係機構
75 デフロック部
76a 長孔(第1融通部)
76b 長孔(第2融通部)
77 デフロックペダル(デフロック操作具)
81 中継部材(ストローク増幅部)
83 バネ(第2吸収部)
85 デフロック連係機構
B1 非使用姿勢
B2 使用姿勢
S1 第1ストローク
S2 第2ストローク
S3 第3ストローク
Claims (7)
- 機体の前部で起立した非使用姿勢、及び、機体の前部から前側に延出された使用姿勢に、姿勢変更可能に機体の前部に支持された操作アームと、
右及び左の前輪を操向操作する操向部材を、前輪の直進位置で保持可能な保持部と、
右及び左の前記前輪に動力を伝達する前輪デフ機構を、デフロック状態に操作可能なデフロック部とが備えられ、
前記操作アームの前記非使用姿勢から前記使用姿勢への姿勢変更を、前記保持部に伝達して、前記保持部により前記操向部材を前記前輪の直進位置で保持する直進保持連係機構と、
前記操作アームの前記非使用姿勢から前記使用姿勢への姿勢変更を、前記デフロック部に伝達して、前記デフロック部により前記前輪デフ機構をデフロック状態に操作するデフロック連係機構とが備えられ、
前記直進保持連係機構が、前記操作アームと前記保持部とに亘って設けられ、
前記デフロック連係機構が、前記保持部と前記デフロック部とに亘って設けられて、
前記操作アームの前記非使用姿勢から前記使用姿勢への姿勢変更が、前記操作アームから前記直進保持連係機構を介して前記保持部に伝達され、前記保持部から前記デフロック連係機構を介して前記デフロック部に伝達される水田作業機。 - 前記保持部が、前記操作アームよりも後側に設けられ、
前記デフロック部が、前記保持部よりも後側に設けられている請求項1に記載の水田作業機。 - 前記前輪を操向可能に支持する前車軸ケースが、前記操作アームよりも後側に設けられて、
前記保持部が、前記操作アームよりも後側で且つ前記前車軸ケースよりも前側に設けられ、
前記デフロック部が、前記前車軸ケースよりも後側に設けられて、
前記デフロック連係機構が、側面視で前記前車軸ケースよりも上側を迂回して、前記保持部と前記デフロック部とに亘って設けられている請求項2に記載の水田作業機。 - 前記操作アームの前記非使用姿勢から前記使用姿勢への姿勢変更の第1ストロークが、前記保持部により前記操向部材を前記前輪の直進位置で保持する為の第2ストロークよりも大きなものに設定されて、
前記第1ストロークと前記第2ストロークとの差を、弾性変形することによって吸収する第1吸収部が備えられ、
前記第2ストロークが、前記デフロック部により前記前輪デフ機構をデフロック状態に操作する為の第3ストロークよりも大きなものに設定されて、
前記第2ストロークと前記第3ストロークとの差を、弾性変形することによって吸収する第2吸収部が備えられている請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。 - 前記第2ストロークを増幅して前記デフロック部に伝達するストローク増幅部が備えられている請求項4に記載の水田作業機。
- 人為的に操作されることにより、前記デフロック部を操作して前記前輪デフ機構をデフロック状態に操作可能なデフロック操作具が備えられて、
前記操作アームの前記非使用姿勢から前記使用姿勢への姿勢変更が、前記デフロック連係機構を介して前記デフロック部に伝達されても、前記デフロック操作具が操作されないようにする第1融通部が、前記デフロック操作具と前記デフロック部との接続部分に設けられ、
前記デフロック操作具により前記デフロック部が操作されても、前記デフロック連係機構が操作されないようにする第2融通部が、前記デフロック連係機構と前記デフロック部
との接続部分に設けられている請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。 - 前記操作アームの前記非使用姿勢から前記使用姿勢への姿勢変更により、前記直進保持連係機構が前記操作アーム側に引き操作されて、前記保持部により前記操向部材が前記前輪の直進位置で保持され、
前記操作アームの前記非使用姿勢から前記使用姿勢への姿勢変更により、前記デフロック連係機構が前記操作アーム側に引き操作されて、前記デフロック部により前記前輪デフ機構がデフロック状態に操作される請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の水田作業機。
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