JP2001072781A - ポリイミドフィルムおよびそれを用いた電気・電子機器用基板 - Google Patents

ポリイミドフィルムおよびそれを用いた電気・電子機器用基板

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JP2001072781A
JP2001072781A JP31259299A JP31259299A JP2001072781A JP 2001072781 A JP2001072781 A JP 2001072781A JP 31259299 A JP31259299 A JP 31259299A JP 31259299 A JP31259299 A JP 31259299A JP 2001072781 A JP2001072781 A JP 2001072781A
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Japan
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film
adhesive
polyimide film
polyimide
equivalents
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JP31259299A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Ono
和宏 小野
Renichi Akahori
廉一 赤堀
Hideto Nishimura
英人 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分に高弾性率、低線膨張係数、低吸水率、
低吸湿膨張係数、低線膨脹係数、高寸法安定性である十
分に優れた特性を有するポリイミドフィルム、および該
ポリイミドフィルムを用いた各種電気・電子機器用基板
を提供すること。 【解決手段】 引張り弾性率が700kg/mm2以下
で、吸湿膨脹係数が20ppm以下であり、特定の繰り
返し単位を必須の繰り返し単位として含むポリイミドフ
ィルムを合成し、該ポリイミドフィルムを用いてフレキ
シブルプリント配線板用積層体をはじめとして各種電気
・電子機器用基板を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリイミド
フィルムに関するものである。さらに詳しくは、低線膨
張係数、低吸水率、低吸湿膨張係数、高弾性率、高寸法
安定性などの優れた特性を有し、フレキシブルプリント
配線板、半導体実装用の接着フィルム、磁気記録フィル
ム、ハードディスクサスペンジョン配線基材等の各種電
気・電子機器基材のベースフィルムとして好適に使用で
きる新規なポリイミドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリイミドフィルムは種々の有
機ポリマーのなかでも、その優れた耐熱性・低温特性・
耐薬品性・電気特性などから、電気・電子機器用途の材
料として、さらに宇宙・航空分野から電子通信分野まで
幅広く用いられている。特に最近では、かかるポリイミ
ドフィルムに、単に耐熱性に優れているだけでなく、用
途に応じて種々の性能を合わせ有することが要求されて
いる。
【0003】例えば、フレキシブルプリント配線板用ベ
ースフィルムに用いられる際には、弾性率が高く、吸湿
膨張係数、線膨張係数が小さいことが望まれる。吸湿膨
張係数および線膨張係数が大きいポリイミドフィルムを
用いて得られたフレキシブルプリント配線板は、反りや
カールが発生する。特に、PDP(プラズマディスプレ
イ)用フレキシブルプリント配線板は、他の用途と仕較
して大面積で用いられるため、基板ベースフィルムに
は、高寸法安定性が要求される。
【0004】一般に、上記各種電気・電子機器に用いら
れるポリイミドとして、ピロメリット酸二無水物と4 ,
4 ’−ジアミノジフェニルエーテルとの重縮合によって
得られるポリイミドが、耐熱性、電気絶縁性に優れてい
ることから、高温環境下で使用される電機部品に利用さ
れており、またこのポリイミドのフィルムは、その寸法
安定性を生かして、フレキシブルプリント配線板等の用
途に使用されている。しかし、近年、IC、LSI等に
用いるベースフィルムには、一層の高加工性および高精
度化が要求され、ベースフィルムとするポリイミドの特
性についても一層高弾性率、低線膨張係数、低吸水性等
であることが要求されるようになり、この要求の対応に
ついて種々検討が行われている。例えば、特開昭60−21
0629、特開昭64−16832 、特開昭64−16833 、特開昭64
−16834 、特開平1 −131241、特開平1 −131242の各号
公報では、弾性率を高めるためにジアミン成分としてパ
ラフェニレンジアミンを併用し、ピロメリット酸二無水
物、4 ,4 ’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェ
ニレンジアミンによる3成分系ポリイミドの例が記載さ
れている。さらに、弾性率を高めるために上記3成分に
3 ,3 ’−4 ,4 ’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を加えた4成分系ポリイミドヘの展開も行われてい
る。例えば、特開昭59−164328、特開昭61−111359の各
号公報には4成分系ポリイミドの例が記載されている。
その他、4成分系ポリイミドで重合時にモノマーの添加
手順をコントロールすることによって物性を改良する試
みが、例えば、特開平5 −25273 号公報に示されてい
る。また、TMHQに類似の構造の酸を用いることが、
例えば特開平9−77871、10−36506、特公平7−88495、
特許2,712,597号に記載されている。
【0005】上記のように、従来からポリイミドフィル
ムが電気・電子機器にも用いられているいるが、近年要
求される特性がますます厳しいものとなり、要求特性へ
の対応策が種々検討されているが、現在のところ、十分
に高弾性率、低吸水率、低吸湿膨張係数、低線膨張係
数、高寸法安定性である十分に優れた特性を有するポリ
イミドフィルムはまだ提案されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の状況に鑑み、十分に高弾性率、低線膨張係数、低
吸水率、低吸湿膨張係数、高寸法安定性である十分に優
れた特性を有するポリイミドフィルムを提供すること、
および該ポリイミドフィルムを用いた各種電気・電子機
器用基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記本発明の
目的を達成するために、次のポリイミドフィルム、フレ
キシブルプリント配線板用積層体、接着フィルム、磁気
記録用ベースフィルムおよびハードディスクサスペンジ
ョン配線基材を提供する。
【0008】(1)引張り弾性率が700kg/mm2
以下で、吸湿膨張係数が20ppm以下であるポリイミ
ドフィルム。
【0009】(2)100〜200℃における線膨張係
数が5〜15ppmである上記(1)に記載のポリイミ
ドフィルム。
【0010】(3)吸水率が3.0%以下である上記
(1)または(2)のいずれかに記載のポリイミドフィ
ルム。
【0011】(4) 吸水率が2.0%以下である請求
項1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
【0012】(5)下記一般式(1)で表される繰り返
し単位を分子中に含む上記(1)〜(4)のいずれかに
記載のポリイミドフィルム。
【0013】
【化13】
【0014】{式中、R1 は、
【0015】
【化14】
【0016】から選ばれる2価の有機基(式中、R4
CH3 −、Cl−、Br−、F−またはCH3O−であ
る)であり、Rは、
【0017】
【化15】
【0018】(式中、nは1〜3の整数、Xは、水素、
ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキ
ル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1
価の置換基を表す。)、または
【0019】
【化16】
【0020】(式中、Y、Zは、水素、ハロゲン、カル
ボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6
以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表
し、Y、Zは同じ置換基でも異なった置換基でもよく、
Aは、−O−,−S−,−CO−,−SO−,−SO2
−,−CH2 −から選ばれる2価の連結基を表す。)で
表される2価の有機基である。}
【0021】(6)上記一般式(1)で表される繰り返
し単位に加えて、下記一般式(2)で表される繰り返し
単位を分子中に含む上記(5)に記載のポリイミドフィ
ルム。
【0022】
【化17】
【0023】(式中、Rは、一般式(1)のRと同じで
あり、R3 は、
【0024】
【化18】
【0025】から選ばれる4価の有機基である。)
【0026】(7)下記一般式(3)で表される繰り返
し単位を分子中に含む上記(5)または(6)に記載の
ポリイミドフィルム。
【0027】
【化19】
【0028】(式中、Rは、一般式(1)のRと同じで
ある。)
【0029】(8)下記一般式(5)で表される繰り返
し単位と、下記一般式(5)で表される繰り返し単位と
を分子中に含む上記(5)または(6)に記載のポリイ
ミドフィルム。
【0030】
【化20】
【0031】(式中、R2 は、
【0032】
【化21】
【0033】または
【0034】
【化22】
【0035】から選ばれる2価の有機基である。)
【0036】
【化23】
【0037】(式中、R2 は、一般式(4)のR2 と同
じであり、R3 は、一般式(2)のR 3 と同じであ
る。)
【0038】(9)分子中に含まれる主たる繰り返し単
位が、下記一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単
位である上記(5)または(6)に記載のポリイミドフ
ィルム。
【0039】
【化24】
【0040】(10)分子中の上記一般式(6)〜
(9)で表される繰り返し単位の数をそれぞれa、b、
c、dとし、a+b+c+dをsとしたとき、(a+
b)/s、(a+c)/s、(b+d)/s、(c+
d)/sのいずれもが0.25〜0.75を満たす上記
(9)に記載のポリイミドフィルム。
【0041】(11)上記(1)〜(10)のいずれか
に記載のポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属層
を設けてなるフレキシブルプリント配線板用積層体。
【0042】(12)金属層が熱硬化性接着剤を介して
積層された上記(11)に記載のフレキシブルプリント
配線板用積層体。
【0043】(13)金属層が熱可塑性ポリイミド接着
剤を介して積層された上記(11)に記載のフレキシブ
ルプリント配線板用積層体。
【0044】(14)ポリイミドフィルムの少なくとも
片面に、加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、カップ
リング剤処理から選ばれる少なくとも1種の処理が施さ
れた上記(11)〜(13)のいずれかに記載のフレキ
シブルプリント配線板用積層体。
【0045】(15)上記(1)〜(10)のいずれか
に記載のポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤
層を設けてなる接着フィルム。
【0046】(16)接着剤層が熱硬化性接着剤よりな
る上記(15)に記載の接着フィルム。
【0047】(17)接着剤層が熱可塑性ポリイミド接
着剤よりなる上記(15)に記載の接着フィルム。
【0048】(18)磁気記録用ベースフィルム用であ
る上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリイミド
フィルム。
【0049】
【発明の実施の形態】本発明に係るポリイミドフィルム
は、引張り弾性率が700kg/mm2 以下で、好まし
くは500〜700kg/mm2 であり、吸湿膨脹係数
が20ppm以下、好ましくは15ppm以下のもので
ある。また、好ましくは、100〜200℃における線
膨脹係数が5〜15ppmであり、吸水率が3.0%以
下、好ましくは2.0%以下である。
【0050】上記のような本発明のポリイミドフィルム
は、通常、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を
分子中に含むポリイミドからなる。
【0051】
【化25】
【0052】{式中、R1 は、
【0053】
【化26】
【0054】から選ばれる2価の有機基(式中、R4
CH3 −、Cl−、Br−、F−またはCH3O−であ
る)であり、Rは、
【0055】
【化27】
【0056】(式中、nは1〜3の整数、Xは、水素、
ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキ
ル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1
価の置換基を表す。)、または
【0057】
【化28】
【0058】(式中、Y、Zは、水素、ハロゲン、カル
ボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6
以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表
し、Y、Zは同じ置換基でも異なった置換基でもよく、
Aは、−O−,−S−,−CO−,−SO−,−SO2
−,−CH3−から選ばれる2価の連結基を表す。)で
表される2価の有機基である。}
【0059】上記の一般式(1)で表される繰り返し単
位を分子中に含むポリイミドフィルムには、必須成分の
一般式(1)で表される繰り返し単位のほか、下記一般
式(2)で表される繰り返し単位を含むことができる。
【0060】
【化29】
【0061】(式中、Rは、一般式(1)のRと同じで
あり、R3 は、
【0062】
【化30】
【0063】から選ばれる4価の有機基である。)
【0064】本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミ
ドの前駆体であるポリアミド酸の溶液を脱水、閉環して
イミド化し、フィルム状に成形するか、イミド化とフィ
ルム成形を同時に行うかして製造され得る。より具体的
には、例えば、ポリアミド酸溶液に脱水剤および触媒等
を添加して混合し、それを、ガラス板等の平板、ドラム
あるいはエンドレスベルト等の基板上に流延または塗布
してフィルム状にし、適当な温度で焼成してイミド化
し、得られたフィルムを基板から剥がすことによりポリ
イミドフィルムを得ることができる。
【0065】ポリイミドフィルムの製造に用いる前駆体
のポリアミド酸溶液は、酸二無水物成分とジアミン成分
を実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合して得
られる。この際、必要に応じて、酸二無水物成分として
2種以上の酸二無水物を用い、またジアミン成分として
2種以上のジアミンを用いることができる。本発明で用
いられるポリアミド酸溶液は、、通常、下記一般式(1
0)で表される芳香族ジエステル酸二無水物を必須の酸
二無水物成分とし、それと下記一般式(11)で表され
るジアミンを重合させて得られる。
【0066】
【化31】
【0067】(R1 は、一般式(1)のR1 と同じであ
る。)
【0068】
【化32】
【0069】(Rは、一般式(1)のRと同じであ
る。)
【0070】上記重合の際、酸二無水物成分として、上
記必須成分の一般式(10)で表される芳香族ジエステ
ル酸二無水物のほか、下記一般式(12)で表されるテ
トラカルボン酸二無水物などの必須成分以外の酸二無水
物を添加することができる。
【0071】
【化33】
【0072】(R3 は、一般式(2)のR3 と同じであ
る。)
【0073】上記の場合、一般式(10)で表される芳
香族ジエステル酸二無水物と一般式(12)で表される
テトラカルボン酸二無水物などの使用割合は、必要に応
じて適宜設定することができるが、一般に、全酸二無水
物成分に対して一般式(10)で表される芳香族ジエス
テル酸二無水物が25モル%以上、好ましくは35モル
%以上、さらに好ましくは40モル%以上であり、一般
式(12)で表されるテトラカルボン酸二無水物を適量
用いることは好ましいことである。一般式(10)で表
される芳香族ジエステル酸二無水物の使用割合が25モ
ル%未満のときは、得られるポリイミドフィルムの吸水
率および吸湿膨張係数が増大する。
【0074】上記重合は、有機極性溶媒を用いて、公知
のいずれかの方法。例えば、特開昭63−166287及び59−
164328等に記載されている方法によって行われ得る。重
合の際、原料の酸二無水物成分とジアミン成分を反応系
に加える順番および方法は任意である。
【0075】本発明における反応の方法は、次の種々の
方法で行われる。 (a)ジアミン類と酸二無水物を予め混合し、その混合
物を少量づつ溶媒溶液中に撹拌しながら添加する方法。 (b)これとは逆にジアミン類と酸二無水物の混合物に
撹拌しながら溶媒を添加する方法。 (c)ジアミン類だけを溶媒に溶かしておき、これに反
応速度をコントロールできる割合で酸二無水物を加える
方法。 (d)テトラカルボン酸二無水物だけを溶媒に溶かして
おき、これに反応速度をコントロールできる割合でジア
ミン類を加える方法。 (e)ジアミン類と酸二無水物を別々の溶媒に溶かして
おき、ゆっくりと反応容器中でこれらの溶液を加える方
法。 (f)予めジアミン類過剰のポリアミド酸と酸二無水物
過剰のポリアミド酸を作っておき、これらを反応容器中
でさらに反応させる方法。 (g)ジアミン類の内、1部のジアミン類と酸二無水物
をはじめに反応させた後、残りのジアミン類を反応させ
る方法あるいはこれの逆の方法。
【0076】酸二無水物成分とて、一般式(10)で表
される芳香族ジエステル酸二無水物と一般式(12)で
表されるテトラカルボン酸二無水物とを用いる場合、特
に好ましい重合方法は、まず、一方の酸二無水物とジア
ミン成分とを反応させて第一のポリアミド酸を生成さ
せ、続けて他方の酸二無水物とジアミン成分とを反応さ
せて第二のポリアミド酸を生成させる方法である。
【0077】上記重合の際に用いる有機極性溶媒として
は、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキ
シドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルム
アミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N
−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリド
ンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、
またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいは
ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなど
を挙げることができ、これらを単独または2種以上の混
合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、
トルエンのような芳香族炭化水素と組み合わせて用いる
こともできる。生成したポリアミド酸は有機極性溶媒中
に5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、さら
に好ましくは12〜27重量%溶解されているのが取扱
いの面からも望ましい。
【0078】上記のような方法で得られるポリアミド酸
から製造されるポリイミドフィルムは、電気特性の優れ
た、また物性バランスの優れたポリイミドフィルムであ
る。また、上記のような方法で得られるポリアミド酸の
平均分子量は、10000〜1000000であること
が望ましい。平均分子量が10000未満ではできあが
ったフィルムが脆くなり、一方、1000000を越え
るとポリアミド酸ワニスの粘度が高くなり過ぎて取扱い
が難しくなって好ましくない。
【0079】上記のようにしてポリアミド酸から製造さ
れる上記一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中
に含むポリイミドの内でも、下記一般式(3)で表され
る繰り返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムが好
ましい。
【0080】
【化34】
【0081】(式中、Rは、一般式(1)のRと同じで
ある。)
【0082】また、上記の一般式(1)で表される繰り
返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムの内でも、
下記一般式(4)で表される繰り返し単位と、下記一般
式(5)で表される繰り返し単位とを分子中に含むポリ
イミドフィルムが一層好ましい。
【0083】
【化35】
【0084】(式中、R2 は、
【0085】
【化36】
【0086】または
【0087】
【化37】
【0088】から選ばれる2価の有機基である。)
【0089】
【化38】
【0090】(式中、R2 は、一般式(4)のR2 と同
じでああり、R3 は、一般式(2)のR3 と同じであ
る。)
【0091】また、上記の一般式(1)で表される繰り
返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムの内でも、
分子中に含まれる主たる繰り返し単位が下記一般式
(6)〜(9)で表される繰り返し単位であるポリイミ
ドフィルムがさらに一層好ましい。
【0092】
【化39】
【0093】上記ポリイミドフィルムは上記分子中の一
般式(6)〜(9)で表わされる繰り返し単位の数をそ
れぞれa、b、c、dとし、a+b+c+dをsとした
とき、(a+b)/s、(a+c)/s、(b+d)/
s、(c+d)/sのいずれもが0.25〜0.75を
満たすことが好ましい。
【0094】本発明のポリイミドフィルムの製造に当た
り、その前駆体であるポリアミド酸溶液に、酸化防止
剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、あるいは、無機のフィラー類、あるいは各種の
強化材を複合することも可能である。
【0095】また、ポリアミド酸溶液から本発明のポリ
イミドフィルムを得るには、熱的に脱水する熱的方法、
脱水剤を用いる化学的方法のいずれを用いてもよいが、
化学的方法による方が生成するポリイミドフィルムの伸
びや引張強度等の機械特性が優れたものになるので好ま
しい。また、化学的方法による方が、短時間でイミド化
することができる等の利点もある。なお、熱的にイミド
化する方法と化学的にイミド化する方法を併用すること
も可能である。
【0096】以下にポリイミドフィルムのより具体的作
成方法についての例を説明する。上記ポリアミド酸また
はその溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒を加えた溶液
をドラムあるいはエンドレスベルト上に流延または塗布
して膜状とし、その膜を150℃以下の温度で約1〜2
0分間乾燥し、自己支持性のポリアミド酸の膜を得る。
次いで、これを支持体より引き剥し端部を固定する。そ
の後約100〜550℃(好ましくは450℃以上、更
に好ましくは470℃以上、特に500℃以上)まで徐
々にもしくは段階的に加熱することによりイミド化し、
冷却後これより取り外し本発明のポリイミドフィルムを
得る。その最高加熱温度は、フィルムの劣化を鑑み60
0℃以下が好ましい。上記脱水剤としては、例えば無水
酢酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などが挙げら
れる。また、上記触媒としては、例えばトリエチルアミ
ンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の
芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノ
リン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。さ
らにまた、得られるポリイミドフィルムの厚さは、その
用途等必要に応じて適宜設定することができるが、一般
に、5〜90μmが好ましい。
【0097】上記の如くして得られたポリイミドフィル
ムは、フレキシブルプリント配線板用積層体等のベース
フィルムとして好適に用い得るように、その弾性率は、
700kg/mm2 以下で、500kg/mm2 以上が
好ましい。吸湿膨脹係数は、20ppm以下、さらには
18ppm以下、特には16ppm以下が好ましい。1
00〜200℃における線膨脹係数は、20ppm以
下、さらに15ppm以下、特には12ppm以下が好
ましく、一般に5〜15ppmである。吸水率は、3.
0%以下、さらに2.0%以下、さらに1.8%以下、
特には1.6%以下が好ましい。また、比誘電率は、周
波数100Hz〜1MHz(常温)の範囲において3.
50以下、さらには3.40以下、特には3.35以下
が好ましい。また、1KHzの測定周波数において−5
0℃〜200℃の温度範囲で3.30以下、1KHz〜
1MHz(常温)の範囲において3.30以下、さらに
乾燥状態と吸湿状態での比誘電率の差が小さく0.3以
下であることが好ましい。また、長手方向(MD方向)
と横断方向(TD方向)との吸湿膨脹係数の比が1/5
〜5、さらには1/3〜3、特には1/2〜2が好まし
い。密度は、1.440〜1.480g/cm3 程度が
好ましい。本発明のポリイミドフィルムのガラス転移温
度は200℃以上が好ましく、更に好ましくは240℃
以上、特に260℃以上が好ましい。
【0098】上記した本発明に係るポリイミドフィルム
は、上記のように十分に高弾性率、低線膨張係数、低吸
水率、低吸湿膨張係数、高寸法安定性である十分に優れ
た特性を有するものであるから、種々の用途に広く用い
ことができるが、中でも、フレキシブルプリント配線板
用積層体、半導体実装用の接着フィルム、磁気記録フィ
ルム(例えば、フロッピーデスク、磁気記録テープ
等)、ハードディスクサスペンジョン配線基材などのベ
ースフィルムとして好適に用いることができる。
【0099】まず、本発明のポリイミドフィルムをフレ
キシブルプリント配線板用積層体のベースフィルムとし
て用いる場合についてより具体的に説明する。
【0100】一般に、フレキシブルプリント配線板(F
PC)は、長尺の絶縁材であるベースフィルムをロ−ル
ツ−ロールで、接着剤塗布、乾燥、銅箔ラミネーテ
イング、接着剤硬化、配置パターン形成(レジスト
塗布、銅エッチング、レジスト剥離)というような加工
工程により製造される。一般に、パターン形成時、エッ
チング処理工程において寸法変化を生じ、そのため回路
設計の際、以後の工程の変化を予め考慮し、設計する必
要があった。FPC自体の高寸法安定性を実現するため
には、適度な高弾性率、低吸水率、低線膨張係数、低吸
混膨張係数を有するFPC用基材が必要となる。このF
PCの寸法変化は、(a)FPCの絶縁材であるベース
フィルムの吸湿・脱湿による寸法変化、(b)銅箔ラミ
ネート時に生じる銅箔とベースフィルムの熱膨張の差に
よる歪み、(c)各工程に生じる張力による歪みなどの
ために生じる。そして、(b)の原因による寸法変化
は、ベースフィルムの線膨張係数が一定であれば、この
寸法変化量を容易に設計に取り込むことができる。
(c)の原因による寸法変化は、各工程の張力をコント
ロ−ルすることにより、制御することができ、この寸法
変化量も容易に設計に取り込むことができる。しかしな
がら、FPCの製造工程は、洗浄工程等で吸湿したり、
乾燥したりする工程が繰り返されるため、(a)のベー
スフィルムの吸湿・脱湿による寸法変化をコントロール
することは困難である。
【0101】また、最近発表された多層配線板の製法
は、予め銅箔にポリイミドフィルムを熱可塑性ポリイミ
ドで接着し、下面にも熱可塑性ポリイミド接着層を持つ
層構造の銅箔ポリイミドフィルムを用意し、次に、銅配
線パターンをエッチング後、下面からエキシマレーザー
でビアの穴あけをし、これに熱可塑性ポリイミド樹脂に
金属粉を加えたビア用導電ペーストを充填する。同様の
方法で必要枚数の基板を用意し、これらを積み重ね、熱
プレスによるホットメルト法で一括積層して多層配線板
とする方法である。この多層配線板の製造工程において
も、絶縁層に用いられるポリイミドフィルムの寸法安定
性をコントロールすることは困難である。また、プラズ
マディスプレイ(PDP)用FPCは、一般に従来のF
PCと比較して大面積で使用されるため、FPC自体の
高寸法安定性が一層要求されている。このような厳しい
要求特性を満足しうるFPC用基材の発明が待たれてい
る。
【0102】本発明のポリイミドフィルムは、上記のと
おり優れた特性を有するので、上記FPCにおける諸問
題を解決し得て、従来の3層FPCあるいは最近発表さ
れた多層配線板のベースフィルムとして好適に用いるこ
とができる。
【0103】本発明のポリイミドフィルムを3層FPC
あるいは多層配線板のベースフィルムとするとき、本発
明のポリイミドフィルムの内でも、ジアミン成分とし
て、アミノ基以外の置換基を有しないフェニレンジアミ
ン類とアミノ基以外の置換基を有しないジアミノジフェ
ニルエーテル類を用いたポリイミドフィルムが好ましく
用いられる。上記フェニレンジアミンの使用によりポリ
イミドフィルムの弾性率が一層向上され、上記ジアミノ
ジフェニルエーテル類の使用によりフィルム成形の際の
成形性が向上される。フェニレンジアミン類の中でも、
パラフェニレンジアミンが一層好ましく、ジアミノジフ
ェニルエーテル類の中でも、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテルが一層好ましい。さらには、フェニレンジ
アミン類とジアミノジフェニルエーテルとを、フェニレ
ンジアミン類:ジアミノジフェニルエーテル類=10〜
90モル%:10〜90モル%、好ましくは20〜80
モル%:20〜80モル%、さらに好ましくは30〜7
0モル%:30〜70モル%の割合で混合使用したポリ
イミドフィルムが一層好ましく用いられる。
【0104】また、例えば、厳しい環境下に、例えば高
温、多湿度下に用いられる、一層優れた上記諸特性の求
められるフレキシブルプリント配線板のベースフィルム
としては、本発明のポリイミドフィルムの内でも、上記
芳香族ジエステル酸二無水物と、フェニレンジアミン類
とジアミノジフェニルエーテル類の比が5〜40モル
%:60〜95モル%であるという特定の2種顛のジア
ミン成分からなるポリイミド成分と、上記テトラカルボ
ン酸二無水物と、フェニレンジアミン類とジアミノジフ
ェニルエーテル類の比が55〜90モル%:10〜45
モル%であるという特定の2種類のジアミン成分からな
るポリイミド成分とが分子結合してなる共重合ポリイミ
ドのフィルムが特に好ましく用いられる。
【0105】本発明のポリイミドフィルムをベースフィ
ルムとして用い、それに金属層を設けてフレキシブルプ
リント配線板用積層体を製造するには、従来から知られ
たフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法を適
宜採用して行うことができる。その一例を以下に説明す
る。
【0106】一般に、本発明のポリイミドフィルム上に
溶液状の接着剤を塗布、もしくはシート状の接着剤をラ
ミネートし、その後銅箔等の金属箔を貼り合わせ、接着
剤が硬化するのに充分な温度にてキュアすることにより
製造される。この際、接着剤としては公知の種々の接着
剤を適宜選択して用いることができ、その例として、エ
ポキシ樹脂系、ポリアミド樹脂系、フェノール樹脂系、
アクリル樹脂系、ポリイミド樹脂系、ゴム系樹脂系等の
各種接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、必要に応
じて、単独でも、二種以上を混合使用することもでき、
また、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
などの添加剤を添加したものを用いることができる。
【0107】接着剤が溶液の場合は、ポリイミドフィル
ムを所定の巾にスリットし、バーコーター、コンマコー
ターなどを用いて1〜50μmの厚さに接着剤溶液を塗
布し、接着剤溶液中の有機溶媒を除去するために50〜
200℃の雰囲気下にて10〜600秒程度乾燥させ
る。次に、この接着剤を塗布したポリイミドフィルムを
銅箔とを50〜200℃の温度をかけつつ張り合わせ
る。得られた銅箔と貼り合わせた3層積層体を、接着剤
に用いられている樹脂が硬化するのに充分な温度と時間
をかけて熱キュアする。
【0108】また、接着剤がシート状の場合は、シート
の保護層を除去し、ポリイミドフィルムと50〜200
℃の温度をかけつつ貼り合わせる。次に、ポリイミドフ
ィルムに接着剤シートを貼り合わせた2層積層体と銅箔
を50〜200℃の温度をかけつつ貼り合わせる。得ら
れた3層積層体を接着剤に用いられている樹脂が硬化す
るのに充分な温度と時間をかけて熱キュアする。上記各
方法により3層積層体のフレキシブルプリント配線板用
積層体を製造することができる。
【0109】また、上記積層体の接着強度の改善を図る
ために、ポリイミドフィルム上へ接着剤を塗布、もしく
は接着剤シートをラミネートする前に、前処理として、
ポリイミドフィルムに対し、加熱処理、コロナ処理、大
気圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理、カップリング剤
処理、サンドブラスト処理、アルカリ処理、酸処理など
公知の種々の接着強度改善技術を適用することができ
る。また、接着強度の改善のために、例えば米国特許4,
742,099号に記載された各種金属化合物、例えば錫化合
物、チタン化合物のポリアミド酸への添加、もしくは各
種有機金属化合物の溶液のゲルフィルムヘの塗布などを
適用しても良い。
【0110】上記ポリイミドフィルムの前処理の加熱処
理は、フィルムの繰り出し機と巻き取り機との間に電気
ヒーター等による加熱炉を設けた加熱処理機などにより
連続的に行うことができる。加熱炉が必要に応じて複数
箇所設けられた加熱処理機等が好ましく用いられ得る
が、加熱最高処理温度は加熱炉の最高雰囲気温度が10
0℃〜700℃が好ましく、特に200〜600℃が好
ましい。加熱最高処理温度を上記範囲内にすることによ
り、機械的強度、接着性、寸法安定性等に優れたポリイ
ミドフィルムを得ることができる。加熱処理処理時間
は、最高温度の暴露時間が1〜1200秒が好ましい。
より好ましくは2〜800秒、特に5〜400秒が好ま
しい。なお、加熱処理において、加熱処理温度を段階的
に設定しても良い。例えば、200℃、400℃、60
0℃、400℃、200℃に加熱炉の温度を設定しそれ
ぞれの炉の曝露時間を200秒ずつに設定したり、逆に
加熱処理温度を段階的に設定せず加熱炉を全て500℃
に設定してフィルムの加熱処理を実施しても良い。
【0111】上記ポリイミドフィルムの前処理のコロナ
処理は、当業者が入手可能な一般的なコロナ処理機によ
って行えば良く、コロナ処理密度は、50〜800w・
min/m2 が好ましい。コロナ処理密度の計算式を以
下に示す。 コロナ処理密度(w・min/m2 )=コロナ出力
(w)/{ラインスピード(m/min)×処理幅
(m)}
【0112】上記ポリイミドフィルムの前処理のプラズ
マ処理は、当業者が入手可能な一般的なプラズマ処理機
によって行えば良い。プラズマ放電を減圧下で行う方式
と大気圧下で行う方式とがあるが、処理装置の設備費用
の点からは大気圧下で放電する方式が好ましく用いられ
得る。大気圧下でのプラズマ処理のガス種類、ガス圧、
処理密度は特に限定されないが、ガス圧に関しては、1
00〜1000Torrの範囲の圧力下で行うことが好
ましい。プラズマガスを形成するのに用いられ得るガス
は、例えば、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノ
ン、ネオン、ラドン、窒素等の不活性ガス、また酸素、
空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロロホ
ルム、水素、アンモニア、カーボンテトラフルオライ
ド、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン等
である。また、公知のフッ化ガス、上記ガスの混合ガス
でも良い。好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴン
/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム/
酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸化
炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウム
/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、アルゴン/
ヘリウム/アセトン、ヘリウム/アセトン、ヘリウム/
空気、アルゴン/ヘリウム/シラン等が挙げられる。処
理密度は、100〜20000w・min/m2 、特に
300〜10000w・min/m2 が好ましい。プラ
ズマ処理密度の計算式を以下に示す。 プラズマ処理密度(w・min/m2 )=プラズマ出力
(w)/{ラインスピード(m/min)×処理幅
(m)}
【0113】上記ポリイミドフィルムの前処理のカップ
リング剤処理は、例えばフィルム表面にカップリング剤
溶液を塗布する、フィルム表面をカップリング剤溶液で
ラビングする、フィルム表面にカップリング剤溶液を吹
き付ける、フィルムをカップリング剤溶液に浸漬する等
の方法が挙げられる。また、用いるカップリング剤とし
ては、シラン系、チタン系、アルミニウム系、ジルコニ
ウム系、脂肪族ポリアミン系、芳香族ポリアミン系等の
カップリング剤が挙げられる、芳香族ポリアミン系の中
では、ジエチレントリアミン、N−アミノエチルピペラ
ジン、イソホロンジアミンが好ましく用いられる。な
お、カップリング剤溶液の濃度を0.005〜50wt
%、好ましくは0.1〜20wt%、さらに好ましく
は、1〜10wt%とすることにより、フィルム表面に
むらなく均一にカップリング剤を付着することができ、
カップリング剤の効果も充分に発現させることができ
る。また、カップリング剤溶液の調製に用いる有機溶媒
としては、特に限定されるものではないが、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンなどを、単独もしくは
混合して用いることができる。
【0114】上記加熱処理、コロナ処理、プラズマ処
理、カップリング剤処理は、2種以上を組み合わせて行
うことができ、その場合、処理順序は特に制限されるも
のではなが、より効果的にポリイミドフィルムと熱可塑
性ポリイミド等の接着剤との界面接着強度を得るために
は、以下のような順序で表面処理を実施するのが好まし
い。 (a)加熱処理とコロナ処理を組み合わせる場合、処理
順序は加熱処理/コロナ処理の順序にて処理を行うこと
が好ましい。 (b)加熱処理とプラズマ処理を組み合わせる場合、処
理順序は加熱処理/プラズマ処理の順序にて処理を行う
ことが好ましい。 (c)加熱処理とカップリング剤処理を組み合わせる場
合、処理順序は加熱処理/カップリング剤処理の順序に
て処理を行うことが好ましい。 (d)コロナ処理とプラズマ処理を組み合わせる場合、
処理順序はコロナ処理/プラズマ処理の順序にて処理を
行うことが好ましい。 (e)コロナ処理とカップリング剤処理を組み合わせる
場合、処理順序はコロナ処理/カップリング剤処理の順
序にて処理を行うことが好ましい。 (f)プラズマ処理とカップリング剤処理を組み合わせ
る場合、処理順序はプラズマ処理/カップリング剤処理
の順序にて処理を行うことが好ましい。 上記組合せ以外に3種類以上の処理を組み合わせる場合
においても上記処理順序にて処理を実施することが好ま
しい。
【0115】近年、FPC(フレキシブルプリント配線
板)においては、ベースフィルムとなるポリイミドフィ
ルムと、エポキシ系あるいはアクリル系などの接着剤と
の界面の密着強度が問題となることがあり、この問題解
決のための技術が多数発表されている。しかし、FPC
の使用環境が高温等の過酷な環境下での使用が増えつつ
あり、エポキシ系あるいはアクリル系などの接着剤を用
いたFPCでは、どうしてもFPCを構成する基材の界
面の密着強度が充分に保持できない。そこで最近では、
接着剤として熱可塑性ポリイミドを用いることで高温等
の過酷な環境下での使用に耐え得るFPCが提案されて
いる。熱可塑性ポリイミドをFPCの接着剤として用い
る場合、次の3通りの方法がある。すなわち、第一に、
シート状もしくは粉末の熱可塑性ポリイミドをベースフ
ィルムとなる非熱可塑性ポリイミドフィルムに加熱圧着
する方法、第二に、熱可塑性ポリイミド有機溶媒溶液を
ベースフィルムとなる非熱可塑性ポリイミドフィルムに
塗布・乾燥する方法、第三に、熱可塑性ポリイミドの前
駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液をベースフィルム
となる非熱可塑性ポリイミドフィルムに塗布・乾燥・イ
ミド化する方法がある。いずれの方法でも、従来のベー
スフィルムとなる非熱可塑性ポリイミドフィルムにおい
ては、熱可塑性ポリイミドとの界面の密着強度が問題と
なっている。
【0116】ところで、上述の本発明のポリイミドフィ
ルムをベースフィルムとして用いたFPCの製造に際
し、接着剤として熱可塑性ポリイミドを用い、かつ上記
の加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、カップリング
剤処理などの前処理を行えば、上記従来のベースフィル
ムと接着剤との界面の密着強度の問題が解決され、当該
密着強度が優れ、高温環境下等の過酷な環境下において
好適に使用できる、一層特性の優れたFPCを製造する
ことができる。
【0117】上記一層特性の優れたFPCの製造に用い
る熱可塑性ポリイミド接着剤としては、特に限定されな
いが、一般に、一般式(13)や一般式(14)で表さ
れる熱可塑性ポリイミドが用いられる。
【0118】
【化40】
【0119】(式中、R5 は、
【0120】
【化41】
【0121】から選ばれる2価の有機基であり、R
6 は、
【0122】
【化42】
【0123】
【化43】
【0124】
【化44】
【0125】から選ばれる2価の有機基である。)
【0126】
【化45】
【0127】(R6 は、一般式(13)のR6 と同じで
あり、R7 は、
【0128】
【化46】
【0129】
【化47】
【0130】から選ばれる4価の有機基である。)
【0131】これらの熱可塑性ポリイミド樹脂は、その
組成により100〜350℃の間に明確なガラス転移点
を有する。
【0132】熱可塑性ポリイミド接着剤を用いてのベー
スフィルムであるポリイミドフィルムと金属箔との接着
は、一般に次のようにして行うことができる。すなわ
ち、熱可塑性ポリイミドに転化されるポリアミド酸また
は一部イミド化したポリイミドを含むポリアミド酸を含
有するワニスを接着剤として用いる場合は、貼り合わす
べき被接着物に、該ワニスを薄い層にして被着し、次い
で被着した被接着物を空気中で所定時間100〜300
℃程度に加熱して過剰の溶剤を除去し、ポリアミド酸を
より安定なポリイミドに転化し、別の被接着物を重ね合
わせ、次いで1〜1000kg/cm2 の圧力、100
〜400℃の温度で圧着し、100〜400℃の温度で
キュアさせて、被接着物を接着することができる。ま
た、フィルム状または粉末状の熱可塑性ポリイミドを接
着剤として用いる場合は、該フィルムまたは粉末を被接
着物の間に挿入付着させて、1〜1000kg/cm2
の圧力、100〜400℃の温度で圧着し、100〜4
00℃の温度でキュアさせて、被接着物を接着すること
ができる。また、熱可塑性ポリイミドを有機溶媒に溶解
した溶液からなる接着剤を使用する場合は、貼り合わす
べき被接着物にこの接着剤を塗布し、次いで所定時間1
00〜300℃程度加熱して溶媒の除去を行い、次い
で、その被接着物のポリイミドの塗布面に別の被接着物
を1〜1000kg/cm2 の圧力、100〜400℃
の温度で圧着し、100〜400℃の温度でキュアさせ
て、被接着物を接着することができる。上記接着方法に
おいてポリイミド積層体と金属箔とを加熱圧着する方法
は、熱ロールを用いて熱ラミネートする方法やホットプ
レス等公知の方法を適宜使用することができる。加熱条
件は、用いられる熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度
に依存するが、好ましくはガラス転移温度以上、より好
ましくはこの点より20℃以上あれば良い。加圧条件
は、一般的には20〜150kg/cm2 の範囲が用い
られる。また、用いる熱可塑性ポリイミドは、ガラス転
移温度が100〜350℃、好ましくは150〜300
℃のものが好ましい。
【0133】次に、本発明のポリイミドフィルムを接着
フィルムのベースフィルムとして用いる場合についてよ
り具体的に説明する。
【0134】近年、電子機器の高性能化、高機能化、小
型化が進んでおり、用いられる電子部品に対する小型
化、軽量化が求められている。そのため半導体素子パッ
ケージ方法やそれらを実装する配線材料または配線部品
もより高密度、高機能、かつ高性能なものが求められる
ようになってきた。特に、半導体パッケージ、COL、
LOCパッケージ、MCM(multi chip m
odule)等の高密度実装材料や多層FPC等のプリ
ント配線板材料、さらには航空宇宙材料として好適に用
いることができる、良好な半田耐熱性、寸法安定性、お
よび接着特性を示す接着フィルム、絶縁材料等が求めら
れている。
【0135】半田耐熱性を向上させるためには、従来種
々の工夫がなされてきた。特開平6−200216号公
報には、シリコンユニットを有するポリイミド樹脂とエ
ポキシ樹脂より成るプリント基板用耐熱性接着剤フィル
ムが提案されている。特開平7−097555号公報に
は、特定ナフタレン型エポキシ樹脂に対するアルコール
可溶性ポリアミド樹脂の配合割合を特定にすることによ
り半田耐熱性を向上させることが提案されている。特開
平6−5997号公報には、アルカリ性水溶液で表面処
理したポリイミド系フィルムを用いることで半田耐熱性
を向上させることが提案されている。特開平2−794
96号公報には、圧延銅箔の表面を交流エッチング処理
した後、接着剤を塗布し、次いでプラスチック絶縁フィ
ルムを積層し、半田耐熱性に優れたフレキシブル印刷配
線基板を製造する方法が提案されている。上記のよう
に、半田耐熱性に優れた配線基板を得るためには、ポリ
イミドフィルムの表面処理や銅箔の表面処理といった被
着体の表面改質、あるいはポリイミド主鎖ユニットへの
シリコンユニット導入といった接着剤の改良等の手段が
種々提案されてきた。しかし、未だ、十分に良好な半田
耐熱性、寸法安定性、および接着特性を示す接着フィル
ム、絶縁材料等は得られていない。
【0136】ところで、上記のような半導体実装用の接
着フィルムを構成するに当たり、そのベースフィルとし
て本発明のポリイミドフィルムを用いることにより十分
に良好な半田耐熱性、寸法安定性、および接着特性を示
す接着フィルムを製造することができる。ベースフィル
として本発明のポリイミドフィルムを用いた接着フィル
ムは、上記優れた諸特性を有するので、電子機器におけ
る電子部品、電子回路基板等の固定用途あるいは絶縁用
途等に好適に用いることができ、特に耐熱性が要求され
るフレキシブルプリント配線基板や半導体素子のダイパ
ッドボンディング用、あるいはCOL(chip on
lead)またはLOC(leadon chip)
用等の実装用材料として好適に用いることができる。
【0137】本発明のポリイミドフィルムをベースフィ
ルムとした本発明の接着フィルムは、ベースフィルムの
ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に接着剤層を設
けて製造される。接着剤面にカバーフィルムとして例え
ばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が
貼付された接着フィルム等も本発明でいう接着フィルム
に含まれる。ベースフィルムにするポリイミドフィルム
は、高弾性率であれば、ロールツーロールで成形加工す
る際の張力による弾性変形量を小さくできるため、寸法
安定性の点で好ましい。具体的には500kg/mm2
以上が好ましく、より好ましくは550kg/mm2
上、特に好ましくは600kg/mm2以上である。ま
た、ポリイミドフィルムが低吸水率であれば、半田耐熱
性に対して良好な結果を与え、常態および吸湿後の半田
耐熱性ともに向上して好ましい。具体的には、吸水率は
3.0%以下が好ましく、さらに2.0%以下が好まし
く、より好ましくは1.8%以下、特に好ましくは1.
5%以下である。さらに、ポリイミドフィルムが低吸湿
膨張係数ならびに低線膨張係数であることは、接着フィ
ルムに成形加工する際の加熱工程や銅張り積層体のエッ
チング・洗浄・乾燥工程等で寸法変化が低く抑えられ、
パターン密度の向上や信頼性向上の点で好ましい。吸湿
膨張係数は、12ppm以下が好ましく、より好ましく
は10ppm以下、特に好ましくは8ppm以下であ
る。線膨張係数は、15ppm以下が好ましく、より好
ましくは14ppm以下、特に好ましくは12ppm以
下である。
【0138】本発明の接着フィルムの接着剤層の形成に
は、上述の本発明のポリイミドフィルムを用いてのフレ
キシブルプリント配線板用積層体の製造の場合と同様
に、公知の接着剤を適宜選択して用いることができ、そ
の例として、熱可塑性ポリイミド接着剤、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂等をはじめとする熱硬化性接着剤等
が挙げられる。また、必要に応じて、ベースフィルムの
ポリイミドフィルム上に接着剤層を形成させる前に、前
処理として、ポリイミドフィルムに対し、加熱処理、コ
ロナ処理、大気圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理、カ
ップリング剤処理などの公知の接着強度改善技術を適用
することができる。
【0139】上記前処理の加熱処理、コロナ処理、大気
圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理、カップリング剤処
理は、上述の本発明のポリイミドフィルムを用いてのフ
レキシブルプリント配線板用積層体の製造の場合の各前
処理に準じて行うことができる。これらの前処理は、2
種以上を組み合わせて行うことができる。また、これら
の前処理を行うことは、ポリイミドフィルムと接着剤層
の界面接着強度が向上して、好ましいことである。
【0140】また、接着剤層の形成に用いる熱可塑性ポ
リイミド接着剤としては、特に限定されないが、一般
に、上述の一般式(13)や一般式(14)で表される
熱可塑性ポリイミドが用いられる。これらの熱可塑性ポ
リイミドからなる接着剤層をベースフィルムのポリイミ
ドフィルム上に設けるには、特に限定されないが、一般
に、上述の熱可塑性ポリイミド接着剤を用いてのフレキ
シブルプリント配線板用積層体の製造の場合に準じて行
うことができる。すなわち、熱可塑性ポリイミドの溶
液、またはその前駆体であるポリアミド酸の溶液を、ポ
リイミドフィルム上に流延し、または、ロールコーター
やバーコーター等で塗布し、加熱乾燥させることによっ
て接着剤層を設ける方法、あるいは、フィルム状または
粉末状の熱可塑性ポリイミドを、例えば加熱・加圧装置
とエンドレスベルトを備えた所謂ダブルベルトプレス機
を用いて、ポリイミドフィルム上に加熱圧着することに
よって接着剤層を設ける方法によって行うことができ
る。
【0141】また、接着剤層の形成に用いる熱硬化性接
着剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等をはじ
めとし、メラミン樹脂、キシレン樹脂、シアン酸エステ
ル樹脂等が挙げられる。これらの内でも、エポキシ樹脂
およびフェノール樹脂が絶縁性に優れるため好適であ
る。接着剤層における熱硬化性樹脂の添加量は、熱硬化
性樹脂以外の樹脂成分、所謂ゴム成分100重量部に対
して5〜400重量部、好ましくは50〜200重量部
である。熱硬化性樹脂の添加量を5重量部以上にする
と、高温での弾性率低下を防止でき、半導体装置を実装
した機器の使用中に半導体集積路接続用基板の変形が防
止され、加工工程における取り扱いの作業性の向上がは
かられて好ましい。また熱硬化性樹脂の添加量を400
重量部以下とすることにより適度な弾性率と適度な線膨
張係数の接着剤層とすることができて好ましい。接着剤
層を形成する熱硬化性樹脂に硬化剤、効果促進剤等を添
加することは何ら制限されない。
【0142】上記熱硬化性接着剤を用いての接着フィル
ムの製造方法の一例について以下説明する。 (a)接着剤組成物を溶剤に溶解した溶液を、離型性を
有するポリエステルフィルム等の上に塗布乾燥する。乾
燥条件は100〜200℃、1〜5分が好ましい。溶剤
は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベ
ンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン等のケトン
系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
非プロトン系の極性溶媒などが挙げられる。 (b)上記(a)のフィルムをベースフィルムのポリイ
ミドフィルムにラミネートした後、離型性のポリエステ
ルフィルムを取り除く。その後100〜200℃の温度
にて10〜20時間キュア処理を行い、接着フィルムを
得る。
【0143】上記の如く接着フィルムは、ポリイミドフ
ィルムのベースフィルムと接着剤層により構成されてい
るが、次にそれぞれの層の好ましい厚みについてに述べ
る。このベースフィルムの厚みは、15〜90μmの範
囲内に選定することが好ましい。ベースフィルムの厚み
が15μmより薄いと、ポリイミド接着フィルムは、機
械的特性が大きく異なる層を有する積層体であるため、
打ち抜き加工時にバリが発生し易い。打ち抜き切断不良
が多発すると、打ち抜き時に凹金型と凸金型との間に屑
が詰まってしまい、連続的な打ち抜き加工ができないと
いう問題や、貼付加工時に貼付位置ずれが生じる。ま
た、90μmより厚くなると、打ち抜き加工時に高い圧
力を必要とし、フィルムが変形したり割れ欠けが生じ
る。接着剤層は、一般に熱硬化性接着剤あるいは熱可塑
性ポリイミド接着剤からなるが、接着剤層の厚みは、2
〜30μmの範囲に選定することが好ましい。接着剤層
の厚みが、2μmよりも薄いと十分な接着力が得られ
ず、信頼性を損ねることになる。一方、30μmよりも
厚くなると打ち抜き加工時にバリが多発することにな
る。バリの発生メカニズムについては明らかではない
が、打ち抜き加工時にベースフィルムが接着剤層よりも
先に完全に切断されてしまうと、接着剤層が伸びてちぎ
れるように切断されてしまい、接着剤層の伸びた部分が
バリになってしまうと推定される。したがって、バリの
発生を防ぐためには打ち抜き時に切断し易い範囲でベー
スフィルムを厚くし、接着剤層を貼付信頼性を損なわな
い程度に薄くなるようにすることが好ましい。具体的に
は、ベースフィルムが全体厚みの30〜90%の範囲に
選定することが好ましい。以上、本発明の接着フィルム
について詳細に述べてきたが、これらの接着フィルムの
片面または両面に銅箔を貼着して得られる銅張り積層体
は、その半田耐熱性が300℃×60秒間以上であり、
半導体を実装する上で品質、効率の向上等の好ましい結
果を与える。
【0144】次に、本発明のポリイミドフィルムを磁気
記録フィルムのベースフィルムとして用いる場合につい
てより具体的に説明する。
【0145】従来から、ベースフィルム表面に金属薄膜
を形成したシートが、種々の技術分野で使用されてい
る。例えば、磁気記録の分野では、高分子フィルムの表
面に強磁性材料の磁性層を形成して、磁気記録フィルム
(例えば、フロッピーディスク、磁気記録テープ等)と
して使用されている。この磁気記録の分野においては、
記録の高密度化に伴い、従来の酸化物塗布型の磁気記録
媒体から、メタル塗布型、蒸着型の磁気記録媒体へと研
究が進んでいる。さらに、従来の面内磁気記録方式の限
界を凌ぐ、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体も開発され
ている。また、磁気記録媒体の製造方法も著しく変化し
ており、例えば、磁気性能を有する金属粉をバインダー
に混ぜて、その混合物を塗布する従来の方法から、Co
−Ni、Co−Crなどの合金を形成するときのよう
に、真空蒸着法、スパックリング法、あるいはイオンプ
レーテイング法などの新しい薄膜堆積法に変わりつつあ
る。これらの薄膜堆積法では、べ一スフィルム上への磁
性層の成膜中に、ベースフィルムが蒸発源からの掃射
熱、蒸着粒子の運動エネルギーの放出によりかなりの高
温に曝される。また、Co−Cr膜のように充分に大き
な保磁力を持たせる必要から、磁性層を形成する際にベ
ースフィルムの温度を100℃以上、特に160℃以上
にあげる場合もある。このように、薄膜堆積法では、金
属箔のベースフィルムにかなりの耐熱性が要求される。
【0146】しかし、従来の磁気記録媒体のベースフィ
ルムには、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエス
テルフィルムが多く用いられている。ポリエステルフィ
ルムは、耐熱温度が低いために、蒸着法で磁性層を形成
する際には、キヤン温度を氷点下に冷却すると共に、ベ
ースフィルムとキヤンとを充分に密着させて熱の逃げを
良くする必要があった。それでもポリエチレンテレフタ
レートフィルムの場合は、部分的に熱的損傷を受けた
り、熱分解生成物であるオリゴマーなどが発生して表面
に小突起を生じていたのである。また、ポリエチレンテ
レフタレートは、瞬間的にでも160℃を超える熱履歴
を受ける磁性層の形成には使用することは困難であっ
た。
【0147】一方、耐熱性フィルムとしては、従来から
ポリイミドフィルムやポリアミドフィルムが知られてい
た。ポリイミドフィルムは、高分子材料としては極めて
耐熱温度が高く、250℃で連続使用が可能である。従
来のポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水物
(以下、PMDAと略す)とジアミノジフェニルエーテ
ル(以下、ODAと略す)との重合物、ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略す)とOD
Aとの重合物、あるいはBPDAとパラフェニレンジア
ミン(以下、p−PDAと略す)との重合物から形成さ
れたフィルムなどがある。これら3種のポリイミドフィ
ルムなどは、線膨張係数が30ppm(20℃〜300
℃)以上と高すぎるか、4ppm(20℃〜300℃)
以下と低すぎるかで、耐熱性または機械的物性において
充分ではなかった。従来のポリイミドフィルムやポリア
ミドフィルムの表面に、蒸着法あるいはスパックリング
法で合金の薄膜を形成した磁気記録媒体は大きなカール
を生じやすい問題点があった。
【0148】上記磁気記録媒体のカールの原因として
は、(a)磁性層の応力、(b)ベースフィルム層と磁
性層の線膨張係数の差、およびベースフィルム層の熱収
縮により生じる熱応力、(c)磁性層を形成中にベース
フィルムに加わる機械的応力などが考えられる。特に垂
直磁気記録媒体となるCo−Cr系の膜のように磁気特
性からの要請によって、磁性層の形成中のべースフィル
ムの温度をかなり高く上げる必要のある磁気記録媒体に
おいては、ベースフィルムと磁性層との線膨張係数の差
がカール発生の大きな原因となる。しかし、現在とこ
ろ、カールの除去に対する有効な手段が見い出されてい
ない。また、磁気記録媒体の剛性に関係のあるベースフ
ィルムの引張弾性率は、従来のポリイミドフィルムが約
300kg/mm2 程度であり、芳香族ポリアミドフィ
ルムが約1000〜1200kg/mm2 であり、ポリ
エチレンテレフタレートに比べて軟らかすぎるか、硬す
ぎるものであって、適度な引張強度を有するものではな
かった。このために、従来の磁気記録媒体は、走行性の
悪いものであり、また、巻きムラを生じたり、さらにヘ
ッドタッチの不良を起こし易い等の問題が生じていた。
【0149】本発明のポリイミドフィルムを磁気記録フ
ィルムのベースフィルムとして用いれば、上記の従来の
磁気記録フィルムなどの磁気記録媒体の問題を解決する
ことができる。一般に、磁気記録媒体用フィルムに要求
される特性は、(a)巻き姿が正常で、表面の凹凸や巻
き硬さのムラが無く、厚みムラがないこと、(b)引張
弾性率が500〜800kg/mm2 と適度に高いこ
と、(c)耐熱性に優れていること、(d)温度、湿度
による寸法安定性の良いこと、すなわち、熱収縮率、熱
膨張率、吸湿膨張率が小さく、フィルム面内の異方性が
無いことであるが、磁気記録フィルムのベースフィルム
として本発明のポリイミドフィルムを用いれば、上記要
求される諸特性を備え、上記カール発生の問題も解決さ
れた優れた性能の磁気記録フィルムを得ることができ
る。
【0150】磁気記録フィルムのベースフィルムとして
用いるポリイミドフィルムは、弾性率が500kg/m
2 以上、好ましくは550kg/mm2 以上であり、
20℃〜300℃の温度範囲での平均線膨張係数が1〜
20ppm、好ましくは1〜16ppmであって、しか
も、フィルムの長手方向(MD方向)と横断方向(TD
方向)との線膨張係数の比が1/5〜5、好ましくは1
/3〜3、さらに好ましくは1/2〜2であり、さら
に、30%RH〜80%RHの範囲での平均吸湿膨張係
数が2〜20ppm、好ましくは1〜15ppm、より
好ましくは1〜10ppmであって、さらに、常温から
300℃まで昇温し、300℃に2時間維持する加熱を
行った前後の常温でのフィルムの加熱収縮率が−1.0
%〜1.0%以下であり、さらに、厚み50μm以下、
2〜15μmにまで薄くしても、上記の特性を有し得る
ものが好ましい。
【0151】
【実施例】以下、本発明の好ましい態様を実施例で説明
するが、これらの実施例は本発明を説明するためのもの
であり、限定するためのものではない。当業者は、本発
明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、およ
び改変を行い得る。以下の比較例および実施例におい
て、以下の略号を用いる。 PMDA:ピロメリット酸二無水物 TMHQ:p −フェニレンビス(トリメリット酸モノエステ
ル酸無水物) ODA :4 ,4 ’−ジアミノジフェニルエーテル p −PDA :パラフェニレンジアミン DMF :ジメチルホルムアミド DMAc:ジメチルアセトアミド AA:無水酢酸 IQ:イソキノリン
【0152】(比較例1)セパラブルフラスコにDMF を
とり、ODA を1 当量とり、ODA が完全に溶解するまで室
温でよく撹拌した。次に、PMDA O.85当量を粉体で徐々
に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.15当量
をDMF に溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷
却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDMF の
使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無
水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにし
た。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス
板上に流延塗布し、約100℃に約5 分間乾燥後、ポリア
ミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固
定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒
間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加
熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルム
を得た。
【0153】(実施例1) 成分A セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2当量、p−P
DA を3当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌した。次に、TMHQを 4.25当量を粉体で
徐々に加え、その後40分撹拝した。そして、TMHQを0.7
5当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1
時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なお
DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン
酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよ
うにした。 成分B セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−P
DA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌した。次に、PMDAを3.4当量を粉体で徐
々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6 当
量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間
冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDMF
の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二
無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるように
した。次に成分A と成分B の重量比が1 :1 ずつとり撹
拌混合した。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合
し、ガラス板上に流延塗布し、約100℃に約5 分間乾燥
後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を
支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃
で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約
30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミド
フィルムを得た。
【0154】(実施例2)セパラブルフラスコにDMAcを
とり、ODA を4 当量、p−PDA を2 当量とり、ODA,P−P
DA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、T
MHQを6 当量加え、その後40分撹拝した。そして、ODA
を1 当量、p−PDA を3 当量を加え、その後40分撹拌し
た。そしてPMDAを3.5 当量加え、40分間撹拌した。次
に、PMDA O.5 当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加
え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶
液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族
テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18
重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をA
A、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100℃に約
5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、
その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分
間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、
約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm
のポリイミドフィルムを得た。
【0155】(実施例3)セパラブルフラスコにDMAcを
とり、ODA を4 .5 当量、p−PDA を 5.5 当量とり、O
DA ,P−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌し
た。次に、PMDAを5当量加え、その後40分撹拌した。そ
して、TMHQを 4.5 当量加え、40分間撹拌した。次に、
TMHQ O.5 当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、こ
のあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得
た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラ
カルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%
となるようにした。次に、ボリアミド酸溶液をAA、IQと
混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100℃に約5 分間
乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗
膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約30
0 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃
で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイ
ミドフィルムを得た。
【0156】(実施例4)セパラブルフラスコにDMAcを
とり、ODA を5 当量、p−PDA を5 当量とり、ODA,p−P
DA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、T
MHQを5 当量加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA
を 4.5 当量加え、40分間撹拌した。次に、PMDA O.5
当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時
間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDM
Acの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよう
にした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガ
ラス板上に流延塗布し、約100℃に約5 分間乾燥後、ポ
リアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠
に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30
秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間
加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィル
ムを得た。比較例1 および実施例1 〜4 で得られたフィ
ルムの線膨張係数、吸湿膨張係数、弾性、吸水率、比誘
電率を測定した。得られた結果を表1 に示す。
【0157】
【表1】
【0158】なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気
製TMA−8140により測定した20〜300℃での線膨張係数を
言う。吸湿度膨張係数は下記の算出方法および測定装置
によって決定される。 (1)湿度伸び率の算出方法:湿度を図2のように変化さ
せ、湿度変化量とサンプルの伸び率を同時に測定して湿
度伸び率を算出する(測定温度50℃) 湿度伸び率={吸湿伸び量(d)÷(サンプル長さ+
c)}÷湿度変化量(b) bは低湿側:35%RH、高湿側:75%RH cはサンプルセット後室温から測定温度に上がるときの
熱膨張 (2)測定装置(図3)概要: (1)測定温度のコントロールは温水槽の温調にて行う。 (2)恒温槽の加湿は水蒸気発生槽にN2を入れ、湿度条
件はマントルヒ−ターをプログラムで昇温して行い、恒
温槽間(導入部)は結露防止のため温調している。 (3)湿度センサーにはセンサー温度を恒温槽温度と同じ
ようにするよう温調している。但し、温調箇所は恒温槽
外のセンサー胴部。 (4)長さ(伸び)は島津製TMA(TMC−140)で
測定。引張弾性率は、ASTM−D882による。吸水率は、フ
ィルムを150 ℃で30分間乾燥させたものの重量をWlと
し、24時間蒸留水に浸漬した後表面の水滴を拭き取った
ものの重量をW2とし、下記式により算出する。 吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO 誘電率測定は、下記の通りである。試験片厚みは、容積
比重法により算出した。 電極形状:JIS −K6911 に準拠する。 試験環境:22±2 ℃、60±5 %RH 周波数 :100Hz ,1kHz,10kHz ,100kHz,1MHz 温度 :一50℃、0 ℃、22℃、100 ℃、200 ℃
【0159】(実施例5)セパラブルフラスコにDMAcを
とり、ODA を8 当量、p−PDA を5 当量とり、ODA,p−P
DA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、T
MHQを5 当量、PMDA 6.05当量を粉体で徐々に加え、そ
の後40分撹拌した。そして、PMDA l.95当量をDMAcに溶
かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、
ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジ
アミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモ
ノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、
ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延
塗布し、約150℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜
をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その
後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃
で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉
環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
【0160】(実施例6)セパラブルフラスコにDMAcを
とり、ODA を12当量、p−PDA を11当量とり、ODA,p−P
DA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、T
MHQを15当量、PMDA 4.55当量を粉体で徐々に加え、そ
の後40分撹拌した。そして、PMDA 3.45当量をDMAcに溶
かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、
ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジ
アミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物顛のモ
ノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、
ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延
塗布し、約100℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜
をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その
後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃
で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉
環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
【0161】(実施例7)実施例1と同様な方法で約1
0μmのポリイミドフィルムを得た。
【0162】(実施例8) 成分A セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2 当量、p−P
DA を3 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌した。次に、TMHQを 4.25当量を粉体で
徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを 0.
75当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1
時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なお
DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン
酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよ
うにした。 成分B セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−P
DA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌した。次に、PMDAを 3.4 当量を粉体で
徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6
当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時
間冷却撹拌し、ボリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDM
F の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよう
にした。次に成分A と成分B の重量仕が2 :1 ずつとり
撹拌混合した。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合
し、ガラス板上に流延塗布し、約100℃に約5 分間乾燥
後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を
支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃
で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約
30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミド
フィルムを得た。
【0163】(実施例9)実施例3と同様な方法で約10
μm のポリイミドフィルムを得た。
【0164】(実施例10)実施例2と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。
【0165】(実施例11)実施例4と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。比較例1 及び実施
例5〜11で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張
係数、弾性率を測定した。得られた結果を表2 に示す。
なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製TMA −8140
により測定した20〜300 ℃での線膨張係数を言う。吸湿
膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方法で
算出する。引張弾性率、引張伸び率は、ASTM D882によ
る。吸水率は、フィルムを150 ℃で30分間寵燥させたも
のの重量をWlとし、24時間蒸留水に浸漬した後表面の水
滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出
する。 吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO プラズマエッチング性の評価は、ULVAC 製平行平板型RI
E 装置:RMD −450Bを使用。実験条件は、エッチングガ
ス:02+20%CF。、ガス流量:400SCCM 、ガス圧;100m
Torr、RFパワー;0.6W/cm2 、電極温度:40℃
【0166】
【表2】
【0167】(比較例2)セパラブルフラスコにDMF
をとり、ODAを1当量とり、ODAが完全に溶解する
まで室温でよく撹拌した。次に、PMDA0.85当量
を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、
PMDA0.15当量をDMFに溶かした溶液を徐々に
加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDM
F溶液を得た。なおDMFの使用量はジアミン類および
芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度
が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリ
アミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンド
レスベルト上に流延塗布し、100℃で5分間乾燥後、
自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き
剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連
続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30
秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行っ
た。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除
冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥が
した。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、
フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
【0168】(実施例12)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を4 当量、p−PDA を2 当量とり、ODA,p
−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次
に、TMHQ、5.95当量を粉体で徐々に加え、その後40分
撹拌した。そして、ODA l当量、p−PDA 3当量を添加
し、40分間撹拌した。このあと、PMDA、4 当量を粉体で
徐々に加え、1 時間撹拌した。次に、PMDA 0.05当量を
DMAcに溶解させた酸溶液を徐々に添加し、このあと1 時
間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDM
Acの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよう
にした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混
合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布
し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレ
フィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィル
ム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉
内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、
510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、
室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところ
でピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルム
のフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD
方向とし、諸特性を測定した。
【0169】(実施例13)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を1 当量、p−PDA を3 当量とり、ODA,p
−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次
に、PMDA、3.95当量を粉体で徐々に加え、その後40分
撹拌した。そして、ODA4当量、p−PDA 2当量を添加し、
40分間撹拌した。このあと、TMHQ、6 当量を粉体で徐々
に加え、1 時間撹拌した。次に、TMHQ、0.05当量をDMA
cに溶解させた酸溶液を徐々に添加し、このあと1 時間
冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAc
の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二
無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるように
した。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合
し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、
100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィ
ルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両
端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に
搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、51
0℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温
までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピ
ンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフ
ィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向
とし、諸特性を測定した。
【0170】(実施例14)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を4 当量、p−PDA を1 当量とり、ODA,p
−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌しした。次
に、TMHQ、 4.95当量を粉体で徐々に加え、その後40分
撹拌した。そして、ODA を 0.5 当量、p−PDA を 4.5
当量を添加し、40分間撹拌した。このあと、PMDA5 当
量を粉体で徐々に加え、1 時間撹拌した。次に、PMDA
0.05当量をDMAcに溶解させた酸溶液を徐々に添加し、
このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を
得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テト
ラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量
%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とA
A、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上
に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を
有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、
プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフ
ィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃
で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除
冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出
したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られ
たフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断
方向をTD方向とし、諸特性を測定した。比較例2 及び
実施例12〜14で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨
張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表3 に示
す。なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製 TMA−
8140により測定した20〜300 ℃での線膨張係数を言う。
吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方
法で算出する。引張弾性率は、ASTM−D882による。吸水
率は、フィルムを150 ℃で30分間乾燥させたものの重量
をWlとし、24時間蒸留水に漫漬した後表面の水滴を拭き
取ったものの重量をW2とし、下記式により算出する。 吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO
【0171】
【表3】
【0172】(実施例15)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を8 当量、p−PDA を5 当量とり、ODA、p
−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次
に、TMHQを5 当量、PMDA 6.05当量を粉体で徐々に加
え、その後40分撹拌した。そして、PMDA l.95当量をDM
Acに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用
量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物
顛のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。
次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ス
テンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100
℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムと
しベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把
持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送し
て、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で
30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までな
だらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンから
フィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム
流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、
諸特性を測定した。
【0173】(実施例16)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を12当量、p−PDA を11当量とり、ODA,p
−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次
に、TMHQを15当量、PMDA 4.55当量を粉体で徐々に加
え、その後40分撹拌した。そして、PMDA 3.45当量をDM
Acに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用
量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水無
水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにし
た。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合
し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、
100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィ
ルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両
端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に
搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、51
0℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温
までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピ
ンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフ
ィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向
とし、諸特性を測定した。
【0174】(実施例17) 成分A セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2 当量、p−P
DA を3 当量とり、ODA、p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌しした。次に、TMHQを 4.25当量を粉体
で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを
0.75当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあ
と1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。
なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカル
ボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%とな
るようにした。 成分B セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−P
DA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌した。次に、PMDAを 3.4 当量を粉体で
徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6
当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時
間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDM
F の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよう
にした。次に成分A と成分B の重量仕が1 :1 ずつとり
撹拌混合した。次に、得られたポリアミド酸とAA、I
Qを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延
塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有する
プレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフ
ィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルム
を炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30
秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉に
て、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したと
ころでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィ
ルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向を
TD方向とし、諸特性を測定した。
【0175】(実施例18) 成分A セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2 当量、p−P
DA を3 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌した。次に、TMHQを 4.25当量を粉体で
徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを 0.
75当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1
時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なお
DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン
酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよ
うにした。 成分B セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−P
DA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで
室温でよく撹拌した。次に、PMDAを 3.4 当量を粉体で
徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6
当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時
間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDM
F の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるよう
にした。次に成分A と成分B の重量比が2 :1 ずつとり
撹拌混合した。次に、得られたポリアミド酸とAA、I
Qを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延
塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有する
プレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフ
ィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルム
を炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30
秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉に
て、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したと
ころでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィ
ルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向を
TD方向とし、諸特性を測定した。
【0176】(実施例19)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を 4.5 当量、p−PDA を 5.5 当量と
り、ODA ,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次に、PMDAを5当量加え、その後40分撹拌し
た。そして、TMHQを 4.5 当量を加え、その後40分撹拌
した。そしてTMHQを 0.5 当量DMAcに溶かした溶液を徐
々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸の
DMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および
芳香族テトラカルボン酸二無水物額のモノマー仕込濃度
が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリア
ミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレ
スベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自
己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥
がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続
的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30
秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行っ
た。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除
冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥が
した。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、
フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
【0177】(実施例20)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を4 当量、p−PDA を2 当量とり、ODA,p
−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次
に、TMHQを6 当量加え、その後40分撹拌した。そして、
ODA を1 当量、p−PDA を3 当量とり、その後40分撹拌
した。次にPMDAを3.5 当量を加え、その後40分撹拌し
た。そしてPMDAを0.5 当量DMAcに溶かした溶液を徐々
に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDM
Ac溶液を得た。なおDMACの使用量はジアミン類および芳
香族テトラカルボン酸二無水物顛のモノマ−仕込濃度
が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリア
ミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレ
スベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自
己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥
がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続
的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30
秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行っ
た。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除
冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥が
した。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、
フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
【0178】(実施例21)セパラブルフラスコにDMAc
をとり、ODA を5 当量、p −PDA を5 当量とり、ODA,p
−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次
に、TMHQを5 当量加え、その後40分撹拌した。そして、
PMDAを4.5 当量を加え、その後40分撹拌した。そしてP
MDAを0.5 当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、この
あと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得
た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラ
カルボン酸二無水物顛のモノマー仕込濃度が、18重量%
となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とA
A、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上
に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を
有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、
プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフ
ィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃
で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除
冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出
したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られ
たフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断
方向をTD方向とし、諸特性を測定した。比較例2及び
実施例15〜21で得られたフィルムの線膨張係数、吸
湿膨張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表4 に
示す。
【0179】
【表4】
【0180】なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気
製TMA−8140により測定した20〜300℃での線膨張係数を
言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同
様な方法で算出する。引張弾性率は、ASTM−D882によ
る。カールの程度は、比較例2及び実施例15〜21のフィ
ルム上に、電子ビーム加熱連続蒸着装置を用い、Coを斜
方蒸着法により積層し磁性層とした。磁性層の厚みは、
いずれも 0.12μm で、キヤンの温度は250 度であっ
た。また、磁性層の堆積層の堆積速度はおよそ 0.1 μ
m/sec であった。
【0181】(実施例22)実施例5と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。
【0182】(実施例23)実施例6と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。
【0183】(実施例24)実施例1と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。
【0184】(実施例25)実施例8と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。
【0185】(実施例26)実施例3と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。(実施例27)実
施例2と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを
得た。
【0186】(実施例28)実施例4と同様な方法で約
10μm のポリイミドフィルムを得た。比較例1 及び実施
例22〜28で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨
張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表5 に示
す。
【0187】
【表5】
【0188】なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気
製TMA −8140により測定した20〜300 ℃での線膨張係数
を言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と
同様な方法で算出する。引張弾性率は、ASTM D882によ
る。吸水率は、フィルムを150 ℃で30分間乾燥させたも
のの重量をWlとし、24時間蒸留水に漠漬した後表面の水
滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出
する。 吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO 密度測定は、JIS K7112 6.4D法(密度勾配管による測
定方法)による。接着強度の測定は以下の通りである。
得られたポリイミドフィルムをナイロンエポキシ系接着
剤と鋼箔(三井金属製電解銅箔3EC−VLP )を用いて積
層して、ポリイミドフィルム/接着剤/銅箔の3層積層
体を作製した。この積層体をJIS −6472−1995−第8 項
に準じ測定を実施した。3 層銅張積層体のカール性の測
定は以下の通りである。 (1)比較例1 及び実施例22〜28と同様のポリイミ
ドフィルム作成方法によりそれぞれ50μm のフィルムを
得た。 (2)得られたポリイミドフィルムをナイロンエポキシ
系接着剤と鋼箔(三井金属製電解鋼箔3EC−VLP )を用
いて積層して、ポリイミドフィルム/接着剤/鋼箔の3
層積層体を作製した。 (3 )(2 )において得られた3 層積層体を35mm(以
下、TD方向と略す)×40mm(以下、MD方向と略す)に切
り出し、試験片を23℃/相対湿度55%の雰囲気下24時間
放置する。その後、図1 のように凹面が下向きになるよ
うに静置して最大浮き上がり長さをダイヤルゲージにて
測定した。測定結果を表6 に示す。
【0189】
【表6】
【0190】(実施例29)実施例5と同様な方法で約
10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0191】(実施例30)実施例6と同様な方法で約
10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0192】(実施例31)実施例3と同様な方法で約
10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0193】(実施例32)実施例2と同様な方法で約
10μmのポリイミドフィルムを得た。
【0194】(実施例33)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量と
り、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室温でよ
く撹拌しした。次に、TMHQを5当量加え、その後4
0分撹拌した。そして、PMDAを4.5当量を加え、
その後40分撹拌した。そしてPMDAを0.5当量D
MAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷
却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおD
MAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%とな
るようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと
混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100℃に約1分
間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その
塗膜を支持枠に固定し、その後約100℃で約1分間、
約200℃で約1分間、約300℃で約1分間加熱し、
約400℃で約1分間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10
μmのポリイミドフィルムを得た。比較例1及び実施例
29〜33で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張
係数、弾性率を測定した。得られた結果を表7に示す。
【0195】
【表7】
【0196】なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気
製TMA 8140により測定した20〜300℃での
線膨張係数を言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施
例1〜4と同様な方法で算出する。吸水率は、フィルム
を150℃で30分間乾燥させたものの重量をW1と
し、24時間蒸留水に浸漬した後表面の水滴を拭き取っ
たものの重量をW2とし、下記式により算出する。 吸水率(%)=(W2−W1)÷W1×100
【0197】(比較例3)比較例1にて得られたフィル
ム(10μm)の片面に3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸
二無水物、及び2,2’ビス(4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル)プロパンを主成分とするTgが190
℃の熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸有
機溶媒溶液を塗布・乾燥して厚さ17μmのポリイミド
積層体を得た。得られたポリイミド積層体と銅箔(三井
金属製電解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプ
レスにより加熱圧着(30kgf/cm2/240℃/
20分間)し、非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイ
ミド/銅箔の3層積層体を得た。得られた積層体につい
て非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド界面の接
着強度を測定した。
【0198】(比較例4)比較例1にて得られたフィル
ム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分
間の加熱処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較
例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
【0199】(比較例5)比較例1にて得られたフィル
ム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分
間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・
min/m2 のコロナ処理を実施した。該ポリイミドフ
ィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定し
た。
【0200】(比較例6)比較例1にて得られたフィル
ム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分
間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・
min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ
処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実
施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法
にて接着強度を測定した。
【0201】(比較例7)比較例1にて得られたフィル
ム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分
間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・
min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、イソホロ
ンジアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコータ
ーにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフ
ィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定し
た。
【0202】(比較例8)比較例1にて得られたフィル
ム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分
間の加熱処理を実施した後、プラズマ処理密度2000
w・min/m2のプラズマ処理を実施した。更に、イ
ソホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)にてバ
ーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリ
イミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を
測定した。
【0203】(比較例9)実施例33にて得られたフィ
ルム(10μm)を比較例3と同様の方法にて接着強度
を測定した。
【0204】(比較例10)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)を比較例3と同様の方法にて接着強
度を測定した。
【0205】(実施例34)実施例29にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した。更に、イソホロンジアミ
ンのメタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗
布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを
比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
【0206】(実施例35)実施例29にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。該ポリイミ
ドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定
した。
【0207】(実施例36)実施例29にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、プラズマ処理密度20
00w・min/m 2 のプラズマ処理を実施した。該ポ
リイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度
を測定した。
【0208】(実施例37)実施例29にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラ
ズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理
を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の
方法にて接着強度を測定した。
【0209】(実施例38)実施例29にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、イソ
ホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコ
ーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミ
ドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定
した。
【0210】(実施例39)実施例29にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラ
ズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理
を実施した。更に、イソホロンジアミンのメタノール溶
液(5wt%)をバーコーターにて塗布後70℃・1分
間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の
方法にて接着強度を測定した。
【0211】(実施例40)実施例30にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラ
ズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理
を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の
方法にて接着強度を測定した。
【0212】(実施例41)実施例31にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラ
ズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理
を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の
方法にて接着強度を測定した。
【0213】(実施例42)実施例32にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラ
ズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理
を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の
方法にて接着強度を測定した。
【0214】(実施例43)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、イソホロンジアミンの
メタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗布後
70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較
例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
【0215】(実施例44)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、ジエチレントリアミン
のメタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗布
後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比
較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
【0216】(実施例45)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、N−アミノエチルピペ
ラジンのメタノール溶液(5wt%)にてバーコーター
にて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィ
ルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
【0217】(実施例46)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。該ポリイミ
ドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定
した。
【0218】(実施例47)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、プラズマ処理密度20
00w・min/m 2 のプラズマ処理を実施した。該ポ
リイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度
を測定した。
【0219】(実施例48)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間
1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300
w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラ
ズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理
を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の
方法にて接着強度を測定した。
【0220】(実施例49)実施例33にて得られたフ
ィルム(10μm)にプラズマ処理密度2000w・m
in/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフ
ィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定し
た。
【0221】[ポリイミドフィルムの作成]以下に示す
手順で6種類のポリイミドフィルム(PIフィルム−1
〜6)を作成した。作成したポリイミドフィルムの各特
性値測定方法は次の通りである。 (線膨張係数)10℃/minの昇降温速度にて室温〜
400℃の加熱と冷却とを窒素気流下で繰り返し、2回
目昇温時の20〜300℃での平均線膨張係数を測定し
た。測定機器としては理学電気製TMA8140を使用
した。 (吸湿膨張係数)吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例
1〜4と同様な方法で算出する。 (引張弾性率)引張弾性率は、ASTM D882の方
法によった。 (吸水率)吸水率は、フィルムを150℃で30分間乾
燥させたものの重量をW1とし、24時間蒸留水に浸漬
した後表面の水滴を拭き取ったものの重量をW2とし、
下記式により算出した。 吸水率(%)=(W2−W1)÷W1×100
【0222】(PIフィルム−1) セパラブルフラス
コにDMFをとり、ODAを10当量とりODAが完全
に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDA
8.5当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌し
た。そして、PMDA1.5当量をDMFに溶かした溶
液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミ
ド酸のDMF溶液を得た。なおDMFの使用量はジアミ
ン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポ
リアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となる
ようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混
合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥
後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を
支持枠に固定し、その後300℃で1分間、400℃で
1分間、510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミ
ドフィルムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨
張係数は32ppm、吸湿膨張係数は20ppm、弾性
率は300kg/mm2 、吸水率は3.0%であった。
【0223】(PIフィルム−2) セパラブルフラス
コにDMAcをとり、ODAを8当量、p−PDAを5
当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室
温でよく撹拌した。次に、TMHQを5当量、PMDA
6.05当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌し
た。そして、PMDA1.95当量をDMAcに溶かし
た溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリ
アミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量
はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕
込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量
%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、
IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5
分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、そ
の塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1分間、4
00℃で1分間、510℃で1分間加熱し、50μmの
ポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミドフィル
ムの線膨張係数は12ppm、吸湿膨張係数は7pp
m、弾性率は550kg/mm2 、吸水率は1.0%で
あった。
【0224】(PIフィルム−3) セパラブルフラス
コにDMAcをとり、ODAを12当量、p−PDAを
11当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するま
で室温でよく撹拌した。次に、TMHQを15当量、P
MDA4.55当量を粉体で徐々に加え、その後40分
撹拌した。そして、PMDA3.45当量をDMAcに
溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌
し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAc
の使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わ
せた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、
18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液
をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、10
0℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より
剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1
分間、400℃で1分間、510℃で1分間加熱し、5
0μmのポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミ
ドフィルムの線膨張係数は10ppm、吸湿膨張係数は
4ppm、弾性率は700kg/mm2 、吸水率は0.
8%であった。
【0225】(PIフィルム−4) セパラブルフラス
コにDMAcをとり、ODAを4.5当量、p−PDA
を5.5当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解す
るまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを5当量加
え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを4.5
当量を加え、その後40分撹拌した。そしてTMHQを
0.5当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、この
あと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を
得た。なおDMAcの使用量はジアミン化合物と酸二無
水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重
量に対する濃度が、18重量%となるようにした。次
に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板
上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド
酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定
し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、51
0℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィルムを
得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は9p
pm、吸湿膨張係数は5ppm、弾性率は630kg/
mm2 、吸水率は1.4%であった。
【0226】(PIフィルム−5) セパラブルフラス
コにDMAcをとり、ODAを4当量、p−PDAを2
当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室
温でよく撹拌した。次に、TMHQを6当量加え、その
後40分撹拌した。そして、ODAを1当量、p−PD
Aを3当量とり、その後40分撹拌した。次にPMDA
を3.5当量を加え、その後40分撹拌した。そしてP
MDAを0.5当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加
え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMA
c溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン化合物
と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド
酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となるようにし
た。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガ
ラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリ
アミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に
固定し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、
510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィル
ムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は
8ppm、吸湿膨張係数は4ppm、弾性率は680k
g/mm2 、吸水率は0.9%であった。
【0227】(PIフィルム−6) セパラブルフラス
コにDMAcをとり、ODAを5当量、p−PDAを5
当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室
温でよく撹拌した。次に、TMHQを5当量加え、その
後40分撹拌した。そして、PMDAを4.5当量を加
え、その後40分撹拌した。そしてPMDAを0.5当
量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時
間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。な
おDMAcの使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合
物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対す
る濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリア
ミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗
布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガ
ラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後3
00℃で1分間、400℃で1分間、510℃で1分間
加熱し、50μmのポリイミドフィルムを得た。作成し
たポリイミドフィルムの線膨張係数は9ppm、吸湿膨
張係数は5ppm、弾性率は600kg/mm2 、吸水
率は1.2%であった。
【0228】[PIフィルムの処理]作成したPIフィ
ルムに対して施した処理を以下に示す。 (処理A) 加熱処理温度500℃・処理時間1分間の
加熱処理を実施した。 (処理B) 加熱処理温度500℃・処理時間1分間の
加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・mi
n/m2 のコロナ処理を実施した。 (処理C) プラズマ処理密度2000w・min/m
2 のプラズマ処理を実施した。 (処理D) 加熱処理温度500℃・処理時間1分間の
加熱処理を実施した後に、イソホロンジアミンのメタノ
ール溶液(5wt%)をバーコーターで塗布し70℃で
1分間乾燥した。 比較例3〜10及び実施例34〜49で得られたフィル
ムの接着強度を測定した。結果を表8に示す。
【0229】
【表8】
【0230】[接着フィルムの作成] (比較例11)処理を施していないPIフィルム−1の
片面に3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3´,4,4´−エチレングリコ
ールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物、及び
2,2´−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパンを主成分とするTg=190℃の熱可塑性
ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液を
塗布・乾燥して厚さ60μmの片面接着フィルムを得
た。得られた接着フィルムの接着強度と半田耐熱性の測
定を後述の方法で行った結果は、接着強度が0.1kg
f /cmで半田耐熱性が280℃、300℃ともに「不
良」であった。
【0231】(比較例12)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−
1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kg
f /cmであった。
【0232】(比較例13)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−
1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kg
f /cmであった。
【0233】(比較例14)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−
1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kg
f /cmであった。
【0234】(比較例15)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−
1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kg
f /cmであった。
【0235】(比較例16)処理を施していないPIフ
ィルム−1の片面に3,3´,4,4´−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−エ
チレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無
水物、及び2,2´−ビス(4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル)プロパンを主成分とするTg=190℃
の熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸有機
溶媒溶液を塗布・乾燥し、厚さ60μmの片面接着フィ
ルムを得た。次にもう一方の面に上記と同様の操作を行
って厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた
接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った
結果は、280℃、300℃ともに「不良」であった。
【0236】(比較例17)PET(ポリエチレンテレ
フタレート)フィルムの片面にナイロンエポキシ系接着
剤を塗布乾燥させ、接着剤層がBステージ化したPET
接着シートを作成した。このPET接着シートの接着剤
層の厚みは10μmであった。次いで処理を施していな
いPIフィルム−1と前記PET接着シートをそれぞれ
1枚ずつ、PIフィルム、接着剤層、PETフィルムの
順になるように重ね合わせ、5kgf/cm2 の圧力下
で120℃5秒間加熱し、PETフィルムで接着剤面が
覆われた片面接着フィルムを得た。尚PETフィルムは
接着剤面のカバーフィルムとしてこの後は機能し、接着
フィルム使用前に剥がし取られる。得られた接着フィル
ムの接着強度と半田耐熱性の測定を後述の方法で行った
結果は、接着強度が0.1kgf /cmで半田耐熱性が
280℃、300℃ともに「不良」であった。
【0237】(比較例18)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−
1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面
接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度
の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /c
mであった。
【0238】(比較例19)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−
1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面
接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度
の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /c
mであった。
【0239】(比較例20)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−
1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面
接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度
の測定を後述の方法で行った結果は、0.4kgf /c
mであった。
【0240】(比較例21)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−
1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面
接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度
の測定を後述の方法で行った結果は、0.4kgf /c
mであった。
【0241】(比較例22)比較例17で使用したPE
T接着シート2枚の間に、処理を施していないPIフィ
ルム−1を、PETフィルム、接着剤層、PIフィル
ム、接着剤層、PETフィルムの順になるように重ね合
わせ、5kgf/cm2 の圧力下で120℃5秒間加熱
し、PETフィルムで両面が覆われた両面接着フィルム
を得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後
述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに
「不良」であった。
【0242】(実施例50)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−2を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0243】(実施例51)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−3を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0244】(実施例52)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−4を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0245】(実施例53)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−5を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0246】(実施例54)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の接着強度と半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結
果は、接着強度が0.2kgf /cmで半田耐熱性が2
80℃、300℃ともに「良好」であった。
【0247】(実施例55)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.9kg
f /cmであった。
【0248】(実施例56)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.1kg
f /cmであった。
【0249】(実施例57)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.2kg
f /cmであった。
【0250】(実施例58)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.3kg
f /cmであった。
【0251】(実施例59)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−2を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0252】(実施例60)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−3を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0253】(実施例61)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−4を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0254】(実施例62)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−5を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0255】(実施例63)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−6を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0256】(実施例64)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−2を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0257】(実施例65)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−3を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0258】(実施例66)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−4を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0259】(実施例67)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−5を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0260】(実施例68)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60
μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の接着強度と半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結
果は、接着強度が0.2kgf /cmで半田耐熱性が2
80℃、300℃ともに「良好」であった。
【0261】(実施例69)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.1kg
f /cmであった。
【0262】(実施例70)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.2kg
f /cmであった。
【0263】(実施例71)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.4kg
f /cmであった。
【0264】(実施例72)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−
6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μm
の片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接
着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.3kg
f /cmであった。
【0265】(実施例73)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−2を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0266】(実施例74)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−3を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0267】(実施例75)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−4を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0268】(実施例76)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−5を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0269】(実施例77)処理を施していないPIフ
ィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィル
ム−6を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70
μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルム
の半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、28
0℃、300℃ともに「良好」であった。
【0270】[接着フィルムの接着強度と半田耐熱性の
測定]先ず比較例11〜22及び実施例50〜77で得
た接着フィルムに銅箔(三井金属製35μm電解銅箔3
EC VLP)を貼着した。貼着方法は適用した接着剤
層の種類及び片面・両面別に次の通り行った。
【0271】(片面に熱可塑性ポリイミド層を有する比
較例11〜15及び実施例50〜58の接着フィルムの
場合)片面接着フィルムと銅箔(三井金属製35μm電
解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスによ
り加熱圧着(30kgf/cm2 240℃ 20分間)
し、PIフィルム/熱可塑性ポリイミド/銅箔の3層積
層体を得た。
【0272】(両面に熱可塑性ポリイミド層を有する比
較例16及び実施例59〜63の接着フィルムの場合)
接着フィルムの両面に銅箔(三井金属製35μm電解銅
箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスにより加
熱圧着(30kgf/cm2 240℃ 20分間)し、
銅箔/熱可塑性ポリイミド/PIフィルム/熱可塑性ポ
リイミド/銅箔の5層積層体を得た。
【0273】(片面に熱硬化性接着剤層を有する比較例
17〜21及び実施例64〜72の接着フィルムの場
合)カバーフィルムであるPETフィルムを予め剥がし
取った片面接着フィルムと銅箔(三井金属製35μm電
解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスによ
り予備加熱圧着(10kgf/cm2 120℃ 1分
間)し、PIフィルム/ナイロンエポキシ系接着剤/銅
箔の3層積層体を得た。得られた3層積層体に120℃
4時間、160℃4時間、120℃4時間の3段階の加
熱を施しナイロンエポキシ系接着剤の硬化を完了させ
た。
【0274】(両面に熱硬化性接着剤層を有する比較例
22及び実施例73〜77の接着フィルムの場合)カバ
ーフィルムであるPETフィルムを予め剥がし取った両
面接着フィルムの両面に2枚の銅箔(三井金属製35μ
m電解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレス
により予備加熱圧着(10kgf/cm2 120℃ 1
分間)し、銅箔/ナイロンエポキシ系接着剤/PIフィ
ルム/ナイロンエポキシ系接着剤/銅箔の5層積層体を
得た。得られた5層積層体に120℃4時間、160℃
4時間、120℃4時間の3段階の加熱を施しナイロン
エポキシ系接着剤の硬化を完了させた。以上の方法によ
り得られた銅張り積層体の接着強度と半田耐熱性の測定
を行った。それぞれの測定方法は次の通りである。
【0275】(接着強度)JIS 6472−1995
−第8項の方法によって測定した
【0276】(半田耐熱性)半田耐熱性については常態
で評価を行った。銅張り積層体を20mm×50mmに
切り出し、その後、280℃または300℃の溶融半田
上に1分間に浮遊させた後に、銅箔をエッチングにより
除去し発泡状態を観察した。評価は、発泡、シワ、亀
裂、剥がれ、変形等の異常が全くない場合を「良好」と
し、発泡、シワ、亀裂、剥がれ、変形等の異常が発生し
た場合は「不良」とした。比較例11〜22、実施例5
0〜77の接着強度の測定結果と半田耐熱性の評価結果
を一覧表にしたものが表9である。
【0277】
【表9】
【0278】(比較例23)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODA1当量、p−PDAを3当量とり、
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にPMDA3.5当量を粉体にて徐々に加
え、その後40分間撹拌した。そして、PMDA0.5
当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後
1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。
尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラ
カルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるよ
うにした。次に、実施例1と同様にして25、50、7
5μmのフィルムを得た。支持枠固定後の加熱条件は以
下の通り。 25μm 100℃×5分+(300、400、510
℃で各30秒間ずつ) 50μm 100℃×5分+(300、400、510
℃で各60秒間ずつ) 75μm 100℃×5分+(300、400、510
℃で各90秒間ずつ)
【0279】(実施例78)実施例4と同様にして2
5、50、75μmのフィルムを得た。支持枠固定後の
加熱条件は以下の通り。 25μm 100℃×5分+(300、400、510
℃で各30秒間ずつ) 50μm 100℃×5分+(300、400、510
℃で各60秒間ずつ) 75μm 100℃×5分+(300、400、510
℃で各90秒間ずつ) 比較例23、実施例78にて得られたフィルムを用い、
JIS規格に準じて透湿度・酸素透過率を測定した。透
湿度の温度依存性については、25μmのフィルムを用
いた。測定結果を表10〜12に示す。
【0280】
【表10】
【0281】
【表11】
【0282】
【表12】
【0283】PIフィルムの透湿度、酸素透過率の重要
性について以下に述べる。 (1)[透湿度] ベースフィルムの吸水・透湿度が高いと透電率が変化
し、FPCの電気特性が変化する。一般に回路設計は電
気特性の変化範囲を考慮に入れて行われるが、考慮すべ
き特性範囲が広ければそれだけ小型化や薄型化に制限を
加える結果となる。特に2層FPCの場合、ベースフィ
ルムと銅が直接接しているため吸水の影響をより受けや
すく2層FPC用途ではベースフィルムの低吸水率・低
透湿度の重要性は高い。 (2)[酸素透過率] FPCのベースフィルム側から酸素が透過すると3層F
PCの場合、接着剤の劣化による接着性不良を引き起こ
す場合がある。2層FPCの場合は銅の劣化により電気
特性の低下が起こるため低酸素透過性を有するポリイミ
ドフィルムが望まれている。
【0284】(比較例24)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODA1当量、p−PDAを2当量とりO
DA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌
した。次にTMHQ2.5当量を粉体にて徐々に加え、
その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.5当量
をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時
間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、D
MAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボ
ン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにし
た。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミ
ドフィルムを得た。
【0285】(比較例25)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODA2当量、p−PDAを3当量とりO
DA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌
した。次にTMHQ4.5当量を粉体にて徐々に加え、
その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.5当量
をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時
間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、D
MAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボ
ン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにし
た。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミ
ドフィルムを得た。
【0286】(比較例26)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODA1当量、p−PDAを1当量とりO
DA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌
した。次にTMHQ1.8当量を粉体にて徐々に加え、
その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.2当量
をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時
間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、D
MAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボ
ン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにし
た。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミ
ドフィルムを得た。
【0287】(比較例27)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODA3当量、p−PDAを1当量とりO
DA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌
した。次にTMHQ3.6当量を粉体にて徐々に加え、
その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.4当量
をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時
間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、D
MAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボ
ン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにし
た。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミ
ドフィルムを得た。
【0288】(比較例28)支持枠固定後の加熱温度が
100℃×5分+(200、300、400℃で各2分
間ずつ)である以外は比較例24と同じ方法で厚み1
2.5μmのポリイミドドフィルムを得た。
【0289】(実施例79)実施例4と同様にして約1
0μmのフィルムを得た。
【0290】(実施例80)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ6当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを3.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0291】(実施例81)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ7当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを2.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0292】(実施例82)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ4当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを5.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0293】(実施例83)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ3当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを6.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0294】(実施例84)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを7当量、p−PDAを3当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ5当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを4.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0295】(実施例85)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを3当量、p−PDAを7当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ5当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを4.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0296】(実施例86)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを7当量、p−PDAを3当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ7当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを2.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0297】(実施例87)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを7当量、p−PDAを3当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ3当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを6.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0298】(実施例88)セパラブルフラスコにDM
Acをとり、ODAを3当量、p−PDAを7当量とり
ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹
拌した。次にTMHQ6当量を粉体にて徐々に加え、そ
の後40分間撹拌した。そして、PMDAを6.5当量
加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をD
MAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪
拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMA
cの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸
類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。
次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフ
ィルムを得た。
【0299】(実施例89)支持枠固定後の最終ステッ
プの加熱温度を510℃から480℃に変更した以外は
実施例79と同じ方法で厚さ12.5μmのポリイミド
フィルムを得た。
【0300】(実施例90)支持枠固定後の最終ステッ
プの加熱温度を510℃から450℃に変更した以外は
実施例79と同じ方法で厚さ12.5μmのポリイミド
フィルムを得た。
【0301】(実施例91)支持枠固定後の最終ステッ
プの加熱温度を510℃から400℃に変更した以外は
実施例79と同じ方法で厚さ12.5μmのポリイミド
フィルムを得た。
【0302】以上の実施例にて得られたフィルムの動的
粘弾性を以下の要領にて測定した。 測定機器:セイコー電子(株)製 DMS200 サンプル形状:9mm×40mm プロファイル:20℃×400℃ 3℃/min 周波数:10Hz Lamp:20 Fbase:0 F0gain:
3.0 上記設定で測定を実施した。350℃でのE'(貯蔵弾
性率)およびΔE'/ΔTが最小値を示す温度Tg
(℃)(昇温時にE'の低下が最も激しい温度です。)
を測定した結果を表13以下に示す。
【0303】
【表13】
【0304】次に、比較例24〜28及び実施例79〜
91を用い耐加水分解性試験を以下の要領にて実施し
た。フィルム厚み:12.5μm 耐加水分解性試験の指標として引裂伝播抵抗値を用い
た。測定方法は、ASTM D−1938に準じた。 初期値として引裂伝播抵抗値を測定。 加水分解性の試験としてフィルムサンプルを平山製作
所製PC305Sを用い、150℃/100%RH/4
気圧に24時間暴露後、引裂伝播抵抗値を測定した。 比較例24〜28については、暴露後フィルムが粉々
に崩れ測定不可であった。評価結果を表14に示す。
【0305】
【表14】
【0306】(1)動的粘弾性 比較例28は、厚みは異なるが特開平10−36506
号の実施例1に相当する。まず、350℃でのE'の意
味を以下に述べる。ポリイミドフィルムは高温(400
℃以上)のテンター炉で両端を把持して幅方向に張力を
掛けた状態で連続的に成形される。高温での弾性率が著
しく低下すると幅方向の張力が係り難くなりテンター炉
内にてフィルムが垂れてしまうことがあり安定的に製造
することができない。本発明者等の検討によりE'が
1.0×109以下であるとその可能性が高まることが
分かった。したがって、特開平10−36506号に記
載の実施例のフィルムは連続的な生産は安定的に出来な
い可能性がある。また、上記では昇温時においてE'が
最も激しく低下する温度をもってTgとしている。Tg
が250℃以下の場合は、次の不具合が起こる可能性が
高くなる。 1.熱可塑性ポリイミドを接着剤として用いる場合、そ
の工程中において250〜300℃程度の温度がかけら
れ、かつ、プレスにより熱圧着するため、ベースフィル
ムが変形し、冷却後、反りや歪みが生じる。 2.作成したFPCを高温環境下にて使用する場合、変
形が生じる可能性がある。以上の理由で、Tgが250
℃以上、350℃でのE'が1.0×109以上であるこ
とが好ましい。 (2)耐加水分解性 ポリイミドフィルムをベースフィルムとして用いたFP
Cにおいて、FPCの使用環境は、年々多岐に渡ってい
る。その中でも高温高湿化での使用が最もFPCにおい
ては過酷な条件の1つであると考えられる。このような
条件にてFPCが用いられた場合、ベースフィルムの劣
化(加水分解)により以下のような不具合が生じると推
定される。加水分解によるフィルムの劣化により、3
層FPCの場合、PIフィルムと接着材との界面接着強
度の低下、2層FPCの場合、PIフィルムと銅積層
体との界面接着強度の低下、機械的強度の劣化によっ
て、折り曲げ収納、摺動屈曲部位での使用に耐えられな
くなる、PIフィルムの電気特性の低下等が起こる。
【0307】
【発明の効果】本発明によれば、上述のように十分に高
弾性率、低線膨張係数、低吸水率、低吸湿膨張係数、低
線膨脹係数、高寸法安定性である優れた特性を有するポ
リイミドフィルム、および当該ポリイミドフィルムを用
いた優れた性能の各種電気・電子機器用基板、すなわち
フレキシブルプリント配線板、半導体実装用の接着フィ
ルム、磁気記録フィルムおよびハードディスクサスペン
ジョン配線基材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1および実施例22〜28における、3
層積層体のカール性測定試験に関する図である。
【図2】比較例1および2および実施例1〜33におけ
る、吸湿膨張係数測定試験に関する図である。
【図3】比較例1および2および実施例1〜33におけ
る、吸湿膨張係数測定装置に関する図である。
【符号の説明】 1;銅箔 2;接着剤 3;フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 79:08 (31)優先権主張番号 特願平10−314132 (32)優先日 平成10年11月5日(1998.11.5) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平10−314133 (32)優先日 平成10年11月5日(1998.11.5) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−121875 (32)優先日 平成11年4月28日(1999.4.28) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−193937 (32)優先日 平成11年7月8日(1999.7.8) (33)優先権主張国 日本(JP) Fターム(参考) 4F071 AA60 AF10 AF10Y AF15 AF15Y AF45 AF45Y AH13 AH14 BA02 BB02 BC01 BC10 4J043 PA02 PC016 PC116 PC136 PC146 QB31 RA35 SA06 SA42 SA43 SA44 SA52 SA53 SA54 SA62 SA72 TA06 TA14 TA42 TA43 TA44 TA45 TA46 TA47 TA66 TA67 TA68 TB01 TB02 UA121 UA122 UA131 UA141 UA142 UA152 UA262 UB012 UB052 UB061 UB062 UB121 UB122 UB132 UB151 UB152 UB162 UB172 UB281 UB291 UB301 UB302 VA021 VA022 VA041 VA062 XA14 XA16 XA17 XA19 YA06 YA07 YA13 YA28 YA30 ZA04 ZA32 ZA42 ZA60 ZB11 ZB47 ZB50 ZB58 5D006 CB02 CB07

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張り弾性率が700kg/mm2 以下
    で、吸湿膨張係数が20ppm以下であるポリイミドフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 100〜200℃における線膨張係数が
    5〜15ppmである請求項1に記載のポリイミドフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 吸水率が3.0%以下である請求項1ま
    たは2に記載のポリイミドフィルム。
  4. 【請求項4】 吸水率が2.0%以下である請求項1〜
    3のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
  5. 【請求項5】 下記一般式(1)で表される繰り返し単
    位を分子中に含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリ
    イミドフィルム。 【化1】 {式中、R1 は、 【化2】 から選ばれる2価の有機基(式中、R4 はCH3−、C
    l−、Br−、F−またはCH3O−である)であり、
    Rは、 【化3】 (式中、nは1〜3の整数、Xは、水素、ハロゲン、カ
    ルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数
    6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を
    表す。)、または 【化4】 (式中、Y、Zは、水素、ハロゲン、カルボキシル基、
    炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6以下の低級ア
    ルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表し、Y、Zは
    同じ置換基でも異なった置換基でもよく、Aは、−O
    −,−S−,−CO−,−SO−,−SO2−,−CH2
    −から選ばれる2価の連結基を表す。)で表される2価
    の有機基である。}
  6. 【請求項6】 上記一般式(1)で表される繰り返し単
    位に加えて、下記一般式(2)で表される繰り返し単位
    を分子中に含む請求項5に記載のポリイミドフィルム。 【化5】 (式中、Rは、一般式(1)のRと同じであり、R
    3 は、 【化6】 から選ばれる4価の有機基である。)
  7. 【請求項7】 下記一般式(3)で表される繰り返し単
    位を分子中に含む請求項5または6に記載のポリイミド
    フィルム。 【化7】 (式中、Rは、一般式(1)のRと同じである。)
  8. 【請求項8】 下記一般式(4)で表される繰り返し単
    位と、下記一般式(5)で表される繰り返し単位とを分
    子中に含む請求項5または6に記載のポリイミドフィル
    ム。 【化8】 (式中、R2 は、 【化9】 または 【化10】 から選ばれる2価の有機基である。) 【化11】 (式中、R2 は、一般式(4)のR2 と同じであり、R
    3 は、一般式(2)のR 3 と同じである。)
  9. 【請求項9】 分子中に含まれる主たる繰り返し単位
    が、下記一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単位
    である請求項5または6に記載のポリイミドフィルム。 【化12】
  10. 【請求項10】 上記分子中の一般式(6)〜(9)で
    表される繰り返し単位の数をそれぞれa、b、c、dと
    し、a+b+c+dをsとしたとき、(a+b)/s、
    (a+c)/s、(b+d)/s、(c+d)/sのい
    ずれもが0.25〜0.75を満たす請求項9に記載の
    ポリイミドフィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のポ
    リイミドフィルムの少なくとも片面に金属層を設けてな
    るフレキシブルプリント配線板用積層体。
  12. 【請求項12】 金属層が熱硬化性接着剤を介して積層
    された請求項11に記載のフレキシブルプリント配線板
    用積層体。
  13. 【請求項13】 金属層が熱可塑性ポリイミド接着剤を
    介して積層された請求項11に記載のフレキシブルプリ
    ント配線板用積層体。
  14. 【請求項14】 ポリイミドフィルムの少なくとも片面
    に、加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、カップリン
    グ剤処理から選ばれる少なくとも1種の処理が施された
    請求項11〜13のいずれかに記載のフレキシブルプリ
    ント配線板用積層体。
  15. 【請求項15】 請求項1〜10のいずれかに記載のポ
    リイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤層を設けて
    なる接着フィルム。
  16. 【請求項16】 接着剤層が熱硬化性接着剤よりなる請
    求項15に記載の接着フィルム。
  17. 【請求項17】 接着剤層が熱可塑性ポリイミド接着剤
    よりなる請求項15に記載の接着フィルム。
  18. 【請求項18】 磁気記録用ベースフィルム用である請
    求項1〜10のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
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