JP2001064020A - マンガン酸リチウムの製造方法 - Google Patents

マンガン酸リチウムの製造方法

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lithium manganate
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Koichi Numata
幸一 沼田
Janko Marinov Todorov
ヤンコ マリノフ トドロフ
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温かつ短時間で、高性能のマンガン酸リチ
ウムを製造する。 【解決手段】 一般式がLi[Mn2-xMex]O4(Me
=Fe、Co、Ni、0<x<1)と表されるマンガン酸リ
チウムの原料と、溶融塩とを混合して、500℃〜90
0℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とするマンガ
ン酸リチウムの製造方法である。また、一般式がLi
[Mn2-xMex]O4(Me=Fe、Co、Ni、0<x<
1)と表されるマンガン酸リチウムの原料と、溶融塩と
を混合して、500℃〜900℃の温度範囲で加熱処理
した後、溶融塩を水洗・除去することを特徴とするマン
ガン酸リチウムの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンガン酸リチウムの
製造方法に関し、詳しくは高エネルギー密度のリチウム
二次電池に適用されるマンガン酸リチウムの製造方法に
関する。
【0002】
【従来技術】近年のパソコンや電話等のポータブル化、
コードレス化の急速な進歩により、それらの駆動用電源
としての二次電池の需要が高まっている。その中でも非
水電解質二次電池は、小型かつ高エネルギー密度を持つ
ため特に期待されている。非水電解質二次電池の正極材
料としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニ
ッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウ
ム(LiMn2O4)等がある。これらの複合酸化物は、
リチウムに対し4V以上の電圧を有していることから、
高エネルギー密度を有する電池となる。
【0003】上記の複合酸化物の内、コバルト酸リチウ
ム、ニッケル酸リチウムは理論容量が280mAh/g
程度であるのに対し、マンガン酸リチウムは148mA
h/g程度と小さい。一方、マンガン酸リチウムは原料
となるマンガン酸化物が豊富で安価であり、電池性能に
ついてもニッケル酸リチウムのような充電時の熱的不安
定性がないことから、EV用途に適していると考えられ
ている。
【0004】しかしながら、マンガン酸リチウムの製造
方法において、一般式がLi[Mn2-xMex]O4(M
e=Fe、Co、Ni、0<x<1)と表されるマンガン酸
リチウムを製造する場合、Meをマンガン酸リチウムに
固溶させるには、900℃より高い温度で加熱する必要
があった。この従前公知の製造方法では、ニッケル酸化
物などの不純物が生成して、電池性能を劣化させるとい
う問題があった。一方、加熱温度が750℃以下では反
応が進行せず、合成に長時間かかった。
【0005】また、特開平11−171551号には、
低融点酸化物を含むリチウム・マンガン複合酸化物及び
その製造方法が示されている。しかし、この場合は、低
融点酸化物を含むリチウム・マンガン複合酸化物に関す
るものであり、低温で合成できないマンガン酸リチウム
を、溶融塩を加えて低温で合成できるようにするという
本発明の目的とは異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一般
式がLi[Mn2-xMex]O4(Me=Fe、Co、N
i、0<x<1)と表されるマンガン酸リチウムの原料を用
いて、マンガン酸リチウムを製造する方法において、溶
融塩を加えて低温で焼成することによりニッケル酸化物
などの不純物が生成することなく、短時間で合成する方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、一般
式がLi[Mn2-xMex]O4(Me=Fe、Co、N
i、0<x<1)と表されるマンガン酸リチウムの原料と、
溶融塩とを混合して、500℃〜900℃の温度範囲で
加熱処理することを特徴とするマンガン酸リチウムの製
造方法である。また、一般式がLi[Mn2-xMex]O
4(Me=Fe、Co、Ni、0<x<1)と表されるマンガ
ン酸リチウムの原料と、溶融塩とを混合して、500℃
〜900℃の温度範囲で加熱処理した後、溶融塩を水洗
・除去することを特徴とするマンガン酸リチウムの製造
方法である。また、 溶融塩が、硫酸リチウム、硫酸カ
リウム、ホウ酸リチウム、バナジン酸リチウムの中から
選ばれる1種以上である前記記載のマンガン酸リチウム
の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、一般式がLi[Mn2-xMex]O4(Me
=Fe、Co、Ni、0<x<1)と表されるように、リチ
ウム原料、マンガン原料、Me原料を混合し、更に、溶
融塩を混合して焼成する。リチウム原料としては、炭酸
リチウム(Li2CO3)、硝酸リチウム(Li2NO
3)、水酸化リチウム(LiOH)等が挙げられる。ま
た、マンガン原料としては二酸化マンガン(MnO
2)、Me原料としては、Fe、Co、Niの各酸化物
が挙げられる。
【0009】これらの原料は、より大きな反応面積を得
る為に、原料混合前あるいは後に粉砕することも好まし
い。秤量・混合された原料はそのままでも、あるいは造
粒して使用してもよい。造粒方法は、湿式でも乾式でも
よい。なお、マンガン酸リチウムに対する、溶融塩の混
合比率は、4%〜6%が好ましく、2%程度では、その
効果が少なく、6%以上としてもその効果に特段の変化
は見られない。
【0010】これらの原料を焼成炉内に投入し、500
℃〜900℃の温度範囲で焼成することにより、本発明
のマンガン酸リチウムが得られる。溶融塩を混合してい
る為、上記温度範囲でもMeが充分、マンガン酸リチウ
ムに固溶する。なお、500℃以下では、溶融塩を混合
していても、反応が充分に進行しない。ここで用いられ
る焼成炉としては、ロータリーキルン或いは静置炉等が
例示される。焼成時間は、均一な反応を得る為1時間以
上、好ましくは5〜20時間である。また、焼成の後、
溶融塩を水洗・除去してもよい。ここで合成されたマン
ガン酸リチウムは、4V級だけでなく5V級の非水電解
質二次電池の正極材料として用いられる。
【0011】ここで、非水電解質二次電池に関して、上
記正極材料とカーボンブラック等の導電材と、テフロン
(商品名:ポリテトラフルオロエチレン)バインダー等
の結着剤とを混合して正極合剤とし、また、負極にはリ
チウム合金、またはカーボン等のリチウムを脱・吸蔵で
きる材料が用いられ、非水系電解質としては、六フッ化
リン酸リチウム(LiPF6)等のリチウム塩をエチレ
ンカーボネート−ジメチルカーボネート等の混合溶媒に
溶解したもの、あるいはそれらをゲル電解質にしたもの
が用いられる。
【0012】
【実施例】実施例1 Li:Mn:Ni=1:1.6:0.4となるように炭
酸リチウム、水酸化ニッケル、電解二酸化マンガンを秤
量混合した。添加する溶融塩であるホウ酸リチウムの原
料としては、Li2B4O7を用い、バナジン酸リチウム
の原料としては、V2O5を用いた。また、電解二酸化マ
ンガンには1.2重量%の硫酸根(SO4--)が含まれ
ていたので、硫酸リチウム(Li2SO4)とするのに必
要な炭酸リチウムを添加した。こうして、ホウ酸リチウ
ム、バナジン酸リチウム、硫酸リチウムからなる溶融塩
を前記秤量混合物に対して、4%添加して850℃で2
0時間焼成した。得られた焼成物を冷却した後、解砕、
混合して750℃で20時間焼成した。さらにもう一
度、得られた焼成物を冷却した後、解砕、混合して、7
50℃で20時間焼成した。こうして得られた焼成物を
X線回折測定したところ、(111)面にNiOのピー
クが現れず、未反応NiOの残留は認められなかった。
即ち、マンガン酸リチウムの単一相が得られた。
【0013】また、実施例1で得られたマンガン酸リチ
ウムを用いて、前述の方法で非水電解質電池を作成し
て、電池性能を測定した。この場合、比較例1で得られ
たマンガン酸リチウムを用いて作成した非水電解質電池
に対して、電圧も高く、放電時間も長く、実施例1のエ
ネルギー密度を100とすると、比較例1が80であっ
た。
【0014】実施例2 Li:Mn:Ni=1:1.6:0.4となるように炭
酸リチウム、水酸化ニッケル、電解二酸化マンガンを秤
量混合した。添加する溶融塩であるバナジン酸リチウム
の原料としては、V2O5を用いた。また、電解二酸化マ
ンガンには1.2重量%の硫酸根(SO4--)が含まれ
ていたので、硫酸リチウム(Li2SO4)とするのに必
要な炭酸リチウムを添加した。こうして、バナジン酸リ
チウム、硫酸リチウムからなる溶融塩を前記秤量混合物
に対して、4%添加して、850℃で20時間焼成し
た。得られた焼成物を冷却した後、解砕、混合して、7
50℃で20時間焼成した。さらにもう一度、得られた
焼成物を冷却した後、解砕、混合して、750℃で20
時間焼成した。こうして得られた焼成物を水洗して、溶
融塩を除去し、乾燥した後、X線回折測定したところ、
(111)面にNiOのピークが現れず、未反応NiO
の残留は認められなかった。即ち、マンガン酸リチウム
の単一相が得られた。
【0015】実施例2で得られたマンガン酸リチウムを
用いて、前述の方法で非水電解質電池を作成して、電池
性能を測定した。この場合、比較例1で得られたマンガ
ン酸リチウムを用いて作成した非水電解質電池に対し
て、電圧も高く、放電時間も長く、実施例1のエネルギ
ー密度を100とすると、比較例1が75であった。
【0016】比較例1 Li:Mn:Ni=1:1.6:0.4となるように炭
酸リチウム、水酸化ニッケル、電解二酸化マンガンを秤
量混合した。溶融塩を添加することなく、850℃で2
0時間焼成した。得られた焼成物を冷却した後、750
℃で20時間焼成した。この焼成、冷却を6回繰り返し
たが、得られた焼成物をX線回折で測定したところ、
(111)面にNiOのピークが現れ、未反応NiOの
残留が認められ、マンガン酸リチウムの単一相が得られ
なかった。
【0017】
【発明の効果】本発明では、マンガン酸リチウムの焼成
温度を高温としないので、NiOが生成することなく高
性能のマンガン酸リチウムとすることができ、しかも短
時間で合成ができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA04 AB01 AB03 AB06 AC06 AE05 5H003 AA08 BA01 BA02 BA03 BB05 BC01 BD00 BD01 5H014 AA01 BB01 BB03 BB06 EE10 HH00 HH08 5H029 AJ14 AK03 AL06 AL12 AM03 AM05 AM07 CJ02 CJ08 CJ12 CJ28 HJ02 HJ14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式がLi[Mn2-xMex]O4(Me
    =Fe、Co、Ni、0<x<1)と表されるマンガン酸リ
    チウムの原料と、溶融塩とを混合して、500℃〜90
    0℃の温度範囲で加熱処理することを特徴とするマンガ
    ン酸リチウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式がLi[Mn2-xMex]O4(Me
    =Fe、Co、Ni、0<x<1)と表されるマンガン酸リ
    チウムの原料と、溶融塩とを混合して、500℃〜90
    0℃の温度範囲で加熱処理した後、溶融塩を水洗・除去
    することを特徴とするマンガン酸リチウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融塩が、硫酸リチウム、硫酸カリウ
    ム、ホウ酸リチウム、バナジン酸リチウムの中から選ば
    れる1種以上である請求項1または請求項2記載のマン
    ガン酸リチウムの製造方法。
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