JP2001058843A - 基板用ガラスおよびガラス基板 - Google Patents
基板用ガラスおよびガラス基板Info
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Abstract
性に優れる基板用ガラスおよびガラス基板の提供。 【解決手段】質量百分率表示で、SiO2:40〜5
9、Al2O3:5〜20、B2O3:0〜8、MgO:0
〜10、CaO:0〜12、SrO:2〜20、Ba
O:0〜2、Na2O:0〜10、K2O:0〜12、T
iO2:0〜10、ZrO2:0〜5、MgO+CaO+
SrO+BaO≧15である基板用ガラス。
Description
ディスク等の情報記録媒体の基板、PDP(プラズマデ
ィスプレイパネル)、FED(フィールドエミッション
ディスプレイ)等のフラットディスプレイの基板、等に
用いられる基板用ガラスおよびガラス基板に関する。
イパネル基板、等に用いられる基板用ガラスとして、ソ
ーダライムシリカガラスが広く用いられている。
シリカガラスからなる基板は、いわゆる白ヤケ現象によ
りその在庫中に表面性状が著しく変化するおそれがあっ
た。特に磁気ディスク基板の場合には、前記基板上に形
成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜がはがれやすく
なる。
によって白ヤケ現象が起りにくくなる。しかし化学強化
処理には、工程が増加する、化学強化処理後の基板表面
によごれが付着しやすい、等の問題がある。本発明は、
化学強化処理等の付加処理を行わなくとも耐候性に優
れ、白ヤケ現象が起りにくい基板用ガラスの提供を目的
とする。
示で実質的に、 SiO2 40〜59%、 Al2O3 5〜20%、 B2O3 0〜8%、 MgO 0〜10%、 CaO 0〜12%、 SrO 2〜20%、 BaO 0〜2%、 Na2O 0〜10%、 K2O 0〜12%、 TiO2 0〜10%、 ZrO2 0〜5%、 からなり、かつ、MgO+CaO+SrO+BaO≧1
5%である基板用ガラスを提供する。また、前記基板用
ガラスからなるガラス基板であって、120℃、2気圧
の水蒸気雰囲気に20時間保持した該ガラス基板表面に
存在する大きさが10μm以上の付着物の数が1個/c
m2以下であり、大きさが1μm以上10μm未満の付
着物の数が105個/cm2以下であるガラス基板を提供
する。
ィスク、光ディスク等の情報記録媒体の基板、PDP、
FED等のフラットディスプレイの基板等に用いられ
る。本発明の基板用ガラスの50〜350℃における平
均線膨張係数は、ソーダライムシリカガラスと同程度ま
たはそれ以上、すなわち70×10-7/℃以上であるこ
とが好ましい。より好ましくは75×10-7/℃以上で
ある。以下、50〜350℃における平均線膨張係数を
熱膨張係数という。
記録媒体基板に対しては、基板に取り付けるハブの金属
の熱膨張係数(典型的には100×10-7/℃以上)に
より近い熱膨張係数、少なくとも従来使用されているソ
ーダライムシリカガラスの熱膨張係数以上、が求められ
ているからである。フラットディスプレイパネル基板に
対しては、シール等に従来使用されているガラスフリッ
ト等の従来の無機材料粉末の熱膨張係数がソーダライム
シリカガラス基板の熱膨張係数に整合しており、前記従
来の無機材料粉末の熱膨張係数と整合させやすくするた
めである。
00℃以上であることが好ましい。より好ましくは61
0℃以上、最も好ましくは620℃以上である。上記の
ガラス転移点が好ましい理由は、情報記録媒体用基板に
対しては、記憶密度の増大が容易になるからである。す
なわち、記憶密度増大のためには、磁気記録層である磁
性層の保磁力を増加させることが有効であり、そのため
には磁性層形成に際して行われる熱処理をより高い温度
で行う必要がある。情報記録媒体用基板に用いられるガ
ラスのガラス転移点が600℃未満では所望の温度で前
記熱処理を行えないおそれがある。
対しては、ディスプレイ製造時における熱処理によって
ガラス基板に生じる変形または収縮といった寸法変化を
抑制しやすいからである。すなわち、寸法が著しく変化
すると前面基板および背面基板の位置合わせが困難とな
るが、ディスプレイの高精細化により、近年では寸法変
化の許容値がますます厳しくなってきている。フラット
パネルディスプレイ基板に用いられるガラスのガラス転
移点が600℃未満では、前記熱処理によってガラス基
板に生じる変形または収縮等により寸法変化が大きくな
り、前記許容値を満たせなくなるおそれがある。本発明
の基板用ガラスはフロート成形できることが好ましい。
で実質的に、 SiO2 40〜59%、 Al2O3 5〜20%、 B2O3 0〜8%、 MgO 0〜10%、 CaO 0〜12%、 SrO 2〜15%、 BaO 0〜2%、 Na2O 0〜10%、 K2O 0〜12%、 TiO2 0〜10%、 ZrO2 0〜5%、 からなり、かつ、MgO+CaO+SrO+BaO≧1
5%であることが好ましい。
て、質量百分率表示で以下に説明する。SiO2はガラ
スの骨格を形成する必須成分である。40%未満では、
ガラスが不安定になる。また、化学的耐久性、特に耐酸
性が低下するおそれがある。好ましくは41%以上、よ
り好ましくは45%以上、特に好ましくは49%以上、
最も好ましくは50%以上である。59%超では、熱膨
張係数が小さくなりすぎる。好ましくは58.5%以下
である。
を有し、必須成分である。また、ガラス転移点を高くす
る効果も有する。5%未満では前記効果が小さい。好ま
しくは6%以上である。20%超では溶融ガラスの粘度
が高くなりすぎ成形、特にフロート成形が困難になる。
また、液相温度も高くなりすぎる。好ましくは19%以
下、より好ましくは17%以下、特に好ましくは15%
以下である。
候性を高くする効果を有し、8%まで含有してもよい。
8%超では熱膨張係数が小さくなりすぎるおそれがあ
る。好ましくは7%以下である。B2O3を含有する場
合、1%以上含有することが好ましい。
スの粘度を低下させガラスを溶融しやすくする効果を有
し、10%まで含有してもよい。10%超ではガラスが
不安定になるおそれがある。好ましくは9%以下であ
る。MgOを含有する場合、1%以上含有することが好
ましい。
スの粘度を低下させガラスを溶融しやすくする効果を有
し、12%まで含有してもよい。12%超ではガラスが
不安定になるおそれがある。好ましくは11%以下であ
る。CaOを含有する場合、1%以上含有することが好
ましい。なお、耐候性をより向上させたい場合、または
液相温度をより低下させたい場合にはCaOを実質的に
含有しないことが好ましい。
ガラスの粘度を低下させガラスを溶融しやすくする効果
を有し、必須である。2%未満では前記効果が小さい。
好ましくは3%以上、より好ましくは6%以上、特に好
ましくは9%以上、最も好ましくは10%以上である。
20%超ではガラスが不安定になる。好ましくは17%
以下、より好ましくは15%以下、特に好ましくは1
4.5%以下、最も好ましくは14%以下である。
を大きくし、また溶融ガラスの粘度を低下させガラスを
溶融しやすくする効果を有し、2%まで含有してもよ
い。2%超ではガラスの耐候性を低下させるおそれがあ
る。好ましくは1.8%以下である。BaOを含有する
場合、0.2%以上含有することが好ましい。なお、耐
候性をより向上させたい場合にはBaOを実質的に含有
しないことが好ましい。
量は15%以上である。15%未満では、溶融ガラスの
粘度が大きくなりすぎガラスの溶融が困難になる、また
は熱膨張係数が小さくなりすぎる。好ましくは15.2
%以上である。
数を大きくし、また溶融ガラスの粘度を低下させガラス
を溶融しやすくする効果を有し、10%まで含有しても
よい。10%超ではガラスの耐候性を低下させるおそれ
がある。好ましくは8%以下である。Na2Oを含有す
る場合、2%以上含有することが好ましい。
を大きくし、また溶融ガラスの粘度を低下させガラスを
溶融しやすくする効果を有し、12%まで含有してもよ
い。12%超ではガラスの耐候性を低下させるおそれが
ある。好ましくは10%以下、より好ましくは8%以
下、特に好ましくは6%以下、最も好ましくは3.5%
未満である。K2Oを含有する場合、2%以上含有する
ことが好ましい。
%以下であることが好ましい。14%超では耐候性が低
下するおそれがある。より好ましくは13%以下、特に
好ましくは12%以下である。
数を大きくし、ガラスの耐候性を高くし、またはガラス
転移点を高くする効果を有し、10%まで含有してもよ
い。10%超ではガラスが不安定になるおそれがある。
好ましくは9%以下である。TiO2を含有する場合、
1%以上含有することが好ましく、2%以上含有するこ
とがより好ましい。なお、分相または着色をより抑制し
たい場合、または液相温度をより低下させたい場合には
TiO2を実質的に含有しないことが好ましい。
上であることが好ましい。11%未満では耐候性が低下
するおそれがある。より好ましくは13%以上、特に好
ましくは15%以上、最も好ましくは16%以上であ
る。
耐候性を高くし、またガラス転移点を高くする効果を有
し、5%まで含有してもよい。5%超ではガラスが不安
定になるおそれがある、または液相温度が高くなりすぎ
るおそれがある。好ましくは4%以下である。ZrO2
を含有する場合、1%以上含有することが好ましい。
るが、この他に以下に例示する成分を、本発明の目的を
損なわない範囲で含有してもよい。上記成分以外の成分
の含有量の合計は10%以下であることが好ましく、5
%以下であることがより好ましい。SO3、Cl、As2
O3、Sb2O3等の清澄剤、Fe2O3、NiO、CoO
等の着色剤、を合量で1%まで含有してもよい。
粘度を低下させガラスを溶融しやすくするためにZn
O、Li2Oを合計で2%まで含有してもよい。Li2O
を含有する場合、その含有量は0.1〜1.9%である
ことがより好ましい。Li2Oの含有量が1.9%超で
は耐候性が低下するおそれがある。より好ましくは1.
5%以下、特に好ましくは1%以下である。ZnOまた
はLi2Oを合計で2%まで含有する場合、BaO、L
i2O、Na 2OおよびK2Oの合量は14%以下である
ことが好ましい。14%超では耐候性が低下するおそれ
がある。より好ましくは13%以下、特に好ましくは1
2%以下である。
に、P2O5、V2O5等を、ヤング率を大きくするために
La2O3、Y2O3等の希土類金属酸化物を、それらの合
量で2%まで含有してもよい。
ディスク等の情報記録媒体、PDP、FED等のフラッ
トディスプレイ、等の基板として用いられる。本発明の
ガラス基板は本発明の基板用ガラスからなり、表面を充
分洗浄して付着物が認められない状態にした後、120
℃、2気圧の水蒸気雰囲気に20時間保持したとき、該
ガラス基板表面に存在する大きさが10μm以上の付着
物の数NLは1個/cm2以下であり、大きさが1μm以
上10μm未満の付着物の数N Sは105個/cm2以下
である。
cm2超では、ガラス基板在庫中にガラス基板表面に付
着物(白ヤケ)が発生し、磁気ディスクにおいてはガラ
ス基板上に形成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜が
はがれやすくなる。また、フラットディスプレイパネル
においてはガラス基板が曇り、また、端子取り出し部に
発生した前記付着物により絶縁破壊が起こりフラットデ
ィスプレイパネルの信頼性を低下させる。この付着物
は、空気中の水分や炭酸ガスの影響によりガラス基板に
生成付着した反応生成物であると考えられ、拭いても除
去できないものである。NLは好ましくは0.5個/c
m2以下、より好ましくは0.2個/cm2以下である。
NSは好ましくは0.8×105個/cm2以下、より好
ましくは0.6×105個/cm2以下である。
製造方法は特に限定されず、各種方法を適用できる。た
とえば、通常使用される各成分の原料を目標組成となる
ように調合し、これをガラス溶融窯で加熱溶融する。バ
ブリング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化
し、周知のフロート法、プレス法、またダウンドロー法
などの方法により所定の厚さの板ガラスに成形し、徐冷
後必要に応じて研削、研磨などの加工を行った後、所定
の寸法・形状のガラス基板とされる。成形法としては、
特に、大量生産に適したフロート法が好適である。
の欄に質量百分率表示で示した組成となるように調合
し、白金るつぼを用いて1550〜1650℃の温度で
3〜5時間溶解した。次いで溶融ガラスを流し出して板
状に成形し、徐冷した。なお、表のRO計は、MgO、
CaO、SrOおよびBaOの質量百分率表示の含有量
の合計である。
張係数α(単位:×10-7/℃)、前記NL(単位:個
/cm2)、前記NS(単位:104個/cm2)、密度ρ
(単位:g/cm3)、ガラス転移点Tg(単位:℃)、
液相温度TL(単位:℃)、粘度が104Pとなる温度T
4(単位:℃)、および粘度が102Pとなる温度T
2(単位:℃)を、以下に示す方法により測定した。結
果を表に示す。なお、表中の「−」は測定しなかったこ
とを示す。
参照試料として室温から5℃/分の割合で昇温した際の
ガラスの伸び率を、ガラスが軟化してもはや伸びが観測
されなくなる温度、すなわち屈伏点まで測定し、得られ
た熱膨張曲線から50〜350℃における平均線膨張係
数を算出した。
cm×4cmのガラス板の両面を鏡面研磨し、炭酸カル
シウムおよび中性洗剤を用いて洗浄した後、超加速寿命
試験器(不飽和型プレッシャークッカーTPC−41
0、タバイエスペック(株))に入れて120℃、2気
圧の水蒸気雰囲気に20時間静置した。取り出したガラ
ス板の表面200μm角の範囲を微分干渉顕微鏡で観察
し、大きさが10μm以上の付着物の個数と大きさが1
μm以上10μm未満の付着物の個数をカウントし、こ
れら個数と前記観察面積200μm×200μmから算
出した。
おける屈曲点に相当する温度をガラス転移点とした。 TL:ガラスを乳鉢で2mm程度のガラス粒に粉砕し、
このガラス粒を白金ボートに並べて置き、温度傾斜炉中
で24時間熱処理した。結晶が析出しているガラス粒の
温度の最高値を液相温度とした。フロート成形を行うた
めには、TLはT4以下であることが好ましい。 T4、T2:回転粘度計により測定した。
6のガラスはソーダライムシリカガラス、例17のガラ
スは磁気ディスクに従来使用されているアルミノシリケ
ートガラス、例18のガラスはPDPに従来使用されて
いるアルミノシリケートガラス、例19〜21のガラス
は米国特許第5780371号明細書に記載されている
磁気ディスク用の化学強化ガラスであり、アルミノシリ
ケートガラスである。例16〜21のガラスはいずれも
比較例である。
する情報記録媒体用ガラス基板、フラットディスプレイ
用ガラス基板を提供できる。 (1)化学強化処理がなくとも耐候性に優れ、在庫中に
付着物(白ヤケ)が発生しにくい。 (2)熱膨張係数が従来使用されているソーダライムシ
リカガラスと同程度またはそれ以上である。 (3)ガラス転移点が高く、情報記録媒体の記録密度を
増加させることができ、またフラットディスプレイ画像
をより精細にできる。
Claims (7)
- 【請求項1】質量百分率表示で実質的に、 SiO2 40〜59%、 Al2O3 5〜20%、 B2O3 0〜8%、 MgO 0〜10%、 CaO 0〜12%、 SrO 2〜20%、 BaO 0〜2%、 Na2O 0〜10%、 K2O 0〜12%、 TiO2 0〜10%、 ZrO2 0〜5%、 からなり、かつ、MgO+CaO+SrO+BaO≧1
5%である基板用ガラス。 - 【請求項2】Li2OまたはZnOを含有し、Li2O+
ZnO≦2%である請求項1に記載の基板用ガラス。 - 【請求項3】BaO+Li2O+Na2O+K2O≦14
%である請求項2に記載の基板用ガラス。 - 【請求項4】Al2O3+TiO2≧11%である請求項
1、2または3に記載の基板用ガラス。 - 【請求項5】50〜350℃における平均線膨張係数が
70×10-7/℃以上である請求項1、2、3または4
に記載の基板用ガラス。 - 【請求項6】ガラス転移点が600℃以上である請求項
1〜5のいずれかに記載の基板用ガラス。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の基板用ガ
ラスからなるガラス基板であって、120℃、2気圧の
水蒸気雰囲気に20時間保持した該ガラス基板表面に存
在する大きさが10μm以上の付着物の数が1個/cm
2以下であり、大きさが1μm以上10μm未満の付着
物の数が105個/cm2以下であるガラス基板。
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