JP2000159540A - 情報記録媒体基板用ガラス - Google Patents
情報記録媒体基板用ガラスInfo
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Abstract
を得る。 【解決手段】外径が65mm超のドーナツ盤状の情報記
録媒体基板に用いられるガラスであって、20℃におけ
る酸素原子密度が7.9×10-2モル/cm3以上であ
る情報記録媒体基板用ガラス。
Description
る抵抗力が大きい情報記録媒体基板用ガラス、すなわち
破壊じん性の大きな情報記録媒体基板用ガラス、特に磁
気ディスク基板用ガラスに関する。
ディスク(ハードディスク)基板材料としては、アルミ
ニウム、ガラス、セラミックス、カーボンなどが用いら
れてきた。現在では、サイズや用途に応じて主にアルミ
ニウムおよびガラスが実用化されている。なかでもガラ
ス基板は、表面の平滑性や機械的強度が優れているた
め、その使用範囲が拡大してきている。
として、窓ガラス等に広く用いられているソーダライム
シリカガラス、ガラス表面をイオン交換で強化して用い
る化学強化用ガラス(特開平10−1329、等)、結
晶化ガラス、等が知られている。
ブにおいては、近年、高記録密度化に加えて読み書き
(read/write)速度の向上が求められてお
り、ディスク回転の高速化が提言されている。現在のデ
ィスク回転数は7200rpm程度であるが、将来的に
は15000rpm、さらにはそれ以上にすることが予
想され、特に大量のデータ処理が必要なサーバー用のハ
ードディスクドライブにはこの要求が強くなると予想さ
れる。
ムが主として使用されているが、耐衝撃性などの機械的
強度、または表面平滑性においてガラスなど他の材料に
劣り、機械的信頼性が不十分である。これに対しガラス
は耐衝撃性などの機械的強度、または表面平滑性におい
て優れているためアルミニウムに代替する材料として注
目され、ノートブックパソコン等、特に耐衝撃性が求め
られる場合に使用されている。そのディスクはいわゆる
2.5インチディスクであり、そのディスク基板の外径
は65mmである。
いわゆる3インチディスクまたは3.5インチディスク
が用いられている。ディスク基板の外径は、前者におい
ては84mm、後者においては95mmである。サーバ
ーにとってデータの破損は致命的なトラブルとなるた
め、基板材料には高い機械的信頼性が要求される。先に
挙げた化学強化用ガラスまたは結晶化ガラスをディスク
基板材料として用いた場合、特に高速回転時にディスク
の割れが発生しやすく、サーバー用ディスク基板材料と
して用いるには機械的信頼性が不十分である。また、結
晶化ガラスをディスク基板材料として用いた場合には化
学強化用ガラスに比べ表面平滑性が劣り、高記録密度化
に対応できない。
ラスが使われていた外径2.5インチ相当のディスク基
板に比べ大きく、したがって表面積も大きくなるため、
ガラスの破壊原因となるキズの存在確率も高い。
用いる場合、円形加工、芯抜き、内外周面面取り(チャ
ンファリング)、等多数のガラス加工処理が必要とな
る。これらのガラス加工処理中に、ガラスのエッジ部に
はガラスの破壊原因となるキズがつくのが通常である。
この問題を解決すべく、たとえば特開平9−30173
3には、密度が小さく、かつキズがつきにくい基板用ガ
ラスが開示されている。しかしキズがつきにくいという
特性は、破壊起点となるキズがガラス加工処理後の製造
工程においてキズがつく場合には有効であるが、キズが
前記製造工程前の切断等のガラス加工処理中にキズがつ
く場合には必ずしも有効とはいえない。
るには、本質的に引張応力による破壊の進行に対する抵
抗力が高いガラス、すなわち破壊じん性が大きいガラス
を提供する必要がある。本発明は以上の課題を解決する
情報記録媒体基板用ガラスの提供を目的とする。
m超のドーナツ盤状の情報記録媒体基板に用いられるガ
ラスであって、20℃における酸素原子密度が7.9×
10-2モル/cm3以上である情報記録媒体基板用ガラ
ス(第1の態様)、および、ドーナツ盤状の情報記録媒
体基板に用いられるガラスであって、20℃における酸
素原子密度が8.57×10-2モル/cm3以上である
情報記録媒体基板用ガラス(第2の態様)、を提供す
る。
ガラスとは、磁気ディスク、光ディスク、等の情報記録
媒体の基板に用いられるガラスである。
密度(以下単に酸素原子密度という。)Dは、成分Ai
とそのモル分率Ciにより表わされるガラス組成および
20℃におけるガラスの密度(d、単位はg/cm3)
から次のようにして算出される。単位はモル/cm3で
ある。各成分の分子量をmi、各成分のモル分率の百分
率表示すなわちモル%表示をci、各成分の酸素数を
xi、ガラスの平均分子量をm、とする。ここで、m=
Σ(mi×ci/100)、ci=Ci×100であり、Σ
はガラスのすべての成分について足し上げることを意味
する記号である。 D=d×Σ(xi×ci/100)/m 前記酸素原子密度とガラスの破壊じん性との間には強い
相関がある。すなわち、酸素原子密度増加とともに破壊
じん性も大きくなる。この理由は明らかではないが、酸
素原子が密に詰まった構造を持つガラスにおいては、破
壊の進行に対する抵抗力が高くなる、すなわち破壊じん
性が大きくなる、と解釈できる。
のドーナツ盤状の情報記録媒体基板に用いられるガラス
に関するものである。以下、ドーナツ盤状の情報記録媒
体基板を単に情報記録媒体基板という。また、外径が6
5mmの情報記録媒体基板は通常2.5インチサイズと
呼ばれている基板である。酸素原子密度が7.9×10
-2モル/cm3未満では、破壊じん性が小さくなりす
ぎ、外径が65mm超の情報記録媒体基板として使用す
ることが困難になるおそれがある。好ましくは8.0×
10-2モル/cm3以上、より好ましくは8.2×10
-2モル/cm3以上である。
で、 SiO2 30〜60、 Al2O3 4〜40、 B2O3 0.5〜20、 MgO 0〜40、 CaO 0〜20、 Li2O 0〜12、 ZrO2 0〜10、 TiO2 0〜20、 Y2O3 0〜15、 Ta2O5 0〜10、 Nb2O5 0〜10、 La2O5 0〜10、 からなることが好ましい。上記組成に限定した理由を以
下に述べる。
必須である。30モル%未満ではガラスの安定性が低下
する。好ましくは32モル%以上である。60モル%超
では酸素原子密度が小さくなりすぎる。好ましくは58
モル%以下である。
であり必須である。4モル%未満では酸素原子密度が小
さくなりすぎる。好ましくは6モル%以上である。40
モル%超ではガラスの溶融状態での粘度が大きくなりす
ぎ、溶解が困難になる。好ましくは38モル%以下であ
る。
あり必須である。0.5モル%未満では酸素原子密度が
小さくなりすぎる。好ましくは1モル%以上である。2
0モル%超ではガラスの分相化傾向が強くなり、ガラス
の安定性および均質性が低下する。好ましくは18モル
%以下である。
大のために40モル%まで含有してもよい。40モル%
超ではガラスの安定性が低下する。好ましくは38モル
%以下である。
態での粘度を小さくしガラスの溶解を促進するために2
0モル%まで含有してもよい。20モル%超では酸素原
子密度が小さくなりすぎるおそれがある。好ましくは1
8モル%以下である。
状態での粘度を小さくしガラスの溶解を促進するために
12モル%まで含有してもよい。12モル%超では酸素
原子密度が小さくなりすぎるおそれがある。好ましくは
10モル%以下である。
増大のために10モル%まで含有してもよい。10モル
%超ではガラスの溶融状態での粘度が大きくなりすぎ、
溶解が困難になるおそれがある。好ましくは8モル%以
下である。
増大のために20モル%まで含有してもよい。20モル
%超ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好ま
しくは19モル%以下である。
大のために15モル%まで含有してもよい。15モル%
超ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好まし
くは14モル%以下である。
増大のために10モル%まで含有してもよい。10モル
%超ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好ま
しくは9モル%以下である。
増大のために10モル%まで含有してもよい。10モル
%超ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好ま
しくは9モル%以下である。
増大のために10モル%まで含有してもよい。10モル
%超ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好ま
しくは9モル%以下である。
るが、以下の各種成分を合量で5モル%まで含有しても
よい。SO3、As2O3、Sb2O3、等の清澄剤を合量
で1モル%まで含有してもよい。Fe2O3、NiO、C
oO、等の着色剤を合量で1モル%まで含有してもよ
い。
の効果を得るために、またNa2O、K2Oを、Li2O
と同様の効果を得るために、それぞれ1モル%以下、そ
れらの合量が2モル%以下、の範囲で含有してもよい。
前記範囲を超えて含有すると酸素原子密度が小さくなり
すぎるおそれがある。P2O5、V2O5、等を、ガラスの
溶融状態での粘度を小さくしガラスの溶解を促進するた
めに、またはガラスの安定性を向上させるために、含有
してもよい。
用いられるガラスに関するものである。酸素原子密度が
8.57×10-2モル/cm3未満では、破壊じん性が
小さくなりすぎ、情報記録媒体基板として使用すること
が困難になるおそれがある。
で、 SiO2 30〜50、 Al2O3 4〜30、 B2O3 0.5〜15、 MgO 4〜40、 CaO 0〜15、 Li2O 0〜6、 ZrO2 0〜10、 TiO2 2〜20、 Y2O3 0〜10、 Ta2O5 0〜6、 Nb2O5 0〜6、 La2O5 0〜6、 からなることが好ましい。上記組成に限定した理由を以
下に述べる。
必須である。30モル%未満ではガラスの安定性が低下
する。好ましくは32モル%以上である。50モル%超
では酸素原子密度が小さくなりすぎる。好ましくは48
モル%以下である。
であり必須である。4モル%未満では酸素原子密度が小
さくなりすぎる。好ましくは6モル%以上である。30
モル%超ではガラスの溶融状態での粘度が大きくなりす
ぎ、溶解が困難になる。好ましくは28モル%以下であ
る。
あり必須である。0.5モル%未満では酸素原子密度が
小さくなりすぎる。好ましくは1モル%以上である。1
5モル%超ではガラスの分相化傾向が強くなり、ガラス
の安定性および均質性が低下する。好ましくは13モル
%以下である。
あり必須である。4モル%未満では酸素原子密度が小さ
くなりすぎる。好ましくは6モル%以上である。40モ
ル%超ではガラスの安定性が低下する。好ましくは38
モル%以下である。
態での粘度を小さくしガラスの溶解を促進するために1
5モル%まで含有してもよい。15モル%超では酸素原
子密度が小さくなりすぎるおそれがある。好ましくは1
3モル%以下である。
状態での粘度を小さくしガラスの溶解を促進するために
6モル%まで含有してもよい。6モル%超では酸素原子
密度が小さくなりすぎるおそれがある。好ましくは4モ
ル%以下である。
増大のために10モル%まで含有してもよい。10モル
%超ではガラスの溶融状態での粘度が大きくなりすぎ、
溶解が困難になるおそれがある。好ましくは8モル%以
下である。
であり必須である。2モル%未満では酸素原子密度が小
さくなりすぎる。好ましくは4モル%以上である。20
モル%超ではガラスの安定性が低下するおそれがある。
好ましくは19モル%以下である。
大のために10モル%まで含有してもよい。10モル%
超ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好まし
くは9モル%以下である。
増大のために6モル%まで含有してもよい。6モル%超
ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好ましく
は5モル%以下である。
増大のために6モル%まで含有してもよい。6モル%超
ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好ましく
は5モル%以下である。
増大のために6モル%まで含有してもよい。6モル%超
ではガラスの安定性が低下するおそれがある。好ましく
は5モル%以下である。
るが、以下の各種成分を合量で5モル%まで含有しても
よい。SO3、As2O3、Sb2O3、等の清澄剤を合量
で1モル%まで含有してもよい。Fe2O3、NiO、C
oO、等の着色剤を合量で1モル%まで含有してもよ
い。
効果を得るために、Na2O、K2OをLi2Oと同様の
効果を得るために、それぞれ1モル%以下、それらの合
量が2モル%以下、の範囲で含有してもよい。前記範囲
を超えて含有すると酸素原子密度が小さくなりすぎるお
それがある。P2O5、V2O5等を、ガラスの溶融状態で
の粘度を小さくしガラスの溶解を促進するために、また
はガラスの安定性を向上させるために、含有してもよ
い。
媒体基板用ガラスは、分相現象が起こっていないガラス
であることが好ましい。分相現象が起ると破壊じん性が
小さくなるおそれがあるためである。
方法は特に限定されず、各種のガラス製造方法を採用で
きる。たとえば、通常使用される各成分の原料を目標組
成となるように調合し、これを溶解炉中で加熱溶融す
る。バブリング、清澄剤添加、撹拌、等によってガラス
の均質化を行い、周知のプレス法、ダウンドロー法、フ
ロート法などの方法により所定の板厚に成形する。以上
のようにして得られたガラスを徐冷後研削、研磨などの
加工を行い、所定のサイズ・形状の情報記録媒体基板を
得る。
うに原料を調合し、白金ルツボを用いて1550〜16
50℃で3〜5時間溶解後、溶融ガラスを流し出して板
状に成形し、徐冷した。このようにして得られたガラス
の破壊じん性(単位:MPa・m1/2)、密度(単位:
g/cm3)および酸素原子密度(単位:10-2モル/
cm3)を、同じく表1に示す。例1、2は実施例、例
3は比較例である。なお、破壊じん性および密度は以下
の方法により測定した。
定した。まず、厚み8mm、幅8mm、長さ80mmの
試験片の中央部にシェブロン型ノッチを形成した。次に
テンシロン型強度試験装置を用いて、スパン64mmに
支持した試験片のノッチ先端から安定破壊が起こるよう
にクロスヘッド速度0.005mm/分で4点曲げ試験
を行い、破壊じん性を求めた。水分によるガラスの疲労
効果を避けるため、乾燥N2雰囲気中で測定を行った。
密度:約20gの試料について、アルキメデス法により
測定した。
報記録媒体基板用ガラスを提供できる。このガラスを用
いた磁気ディスク基板は機械的信頼性においても優れ、
特にサーバー用に好適である。
Claims (4)
- 【請求項1】外径が65mm超のドーナツ盤状の情報記
録媒体基板に用いられるガラスであって、20℃におけ
る酸素原子密度が7.9×10-2モル/cm3以上であ
る情報記録媒体基板用ガラス。 - 【請求項2】実質的にモル%表示で、 SiO2 30〜60、 Al2O3 4〜40、 B2O3 0.5〜20、 MgO 0〜40、 CaO 0〜20、 Li2O 0〜12、 ZrO2 0〜10、 TiO2 0〜20、 Y2O3 0〜15、 Ta2O5 0〜10、 Nb2O5 0〜10、 La2O5 0〜10、 からなる請求項1に記載の情報記録媒体基板用ガラス。
- 【請求項3】ドーナツ盤状の情報記録媒体基板に用いら
れるガラスであって、20℃における酸素原子密度が
8.57×10-2モル/cm3以上である情報記録媒体
基板用ガラス。 - 【請求項4】実質的にモル%表示で、 SiO2 30〜50、 Al2O3 4〜30、 B2O3 0.5〜15、 MgO 4〜40、 CaO 0〜15、 Li2O 0〜6、 ZrO2 0〜10、 TiO2 2〜20、 Y2O3 0〜10、 Ta2O5 0〜6、 Nb2O5 0〜6、 La2O5 0〜6、 からなる請求項3に記載の情報記録媒体基板用ガラス。
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