JP4161509B2 - 情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板 - Google Patents

情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高いヤング率を有する情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録媒体用基板、特に磁気ディスク(ハードディスク)用基板としてガラス基板が用いられており、モル%で表示した組成が、SiO2:65.3%、Al23:8.6%、ZrO2:3.5%、Li2O:12.5%、Na2O:10.1%、であるガラス(以下「従来ガラス」という。)からなる基板が例示される。この従来ガラスは通常化学強化処理されて使用される。
【0003】
近年記憶容量を増すために、基板の薄板化による搭載枚数の増加が求められている。一方、記憶密度を増すために磁気ディスクと読み取り磁気ヘッドの間隔は小さくなっており、前記基板の薄板化にともなう基板のたわみや反りの増大は磁気ディスク破損の原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この問題、すなわち基板のたわみや反りの問題を解決するためにヤング率の高いガラスが求められている。なお、前記従来ガラスのヤング率は82GPaである。
また、情報記録媒体用基板には、その在庫中に表面性状が著しく変化し、前記基板上に形成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜がはがれやすくなることがないこと、すなわち耐候性が求められる。
前記従来ガラスの耐候性は決して高くはないが、化学強化処理によって耐候性は許容されるレベルになる。これは、従来ガラスの耐候性を低下させる主因と考えられるアルカリ成分が、化学強化処理によってガラス表面から抽出除去されるためと考えられる。しかし化学強化処理には、工程が増加する、化学強化処理後の基板表面によごれが付着しやすい、等の問題がある。
【0005】
また、記憶密度を増すためには磁気記録層である磁性層の保磁力を増加させることが有効であり、そのためには磁性層形成に際して行われる熱処理をより高い温度で行う必要がある。この観点から、基板に用いられるガラスのガラス転移点が高いことが求められている。なお、前記従来ガラスのガラス転移点は500℃である。
【0006】
磁気ディスク用ガラス基板は従来、ノートブックパソコン等に用いられる2.5型基板(ガラス基板外径:65mm)が主であったが、今後はサーバー等に用いられるより大きな基板、すなわち3.0型基板(ガラス基板外径:84mm)、3.5型基板(ガラス基板外径:95mm)、等も増加する可能性が高い。したがって、このようなガラス基板に使用されるガラスは大量生産に適したものであることが求められている。
【0007】
ガラスの大量生産はガラス溶融窯により行われる。ガラス溶融窯の溶融ガラスと直接接触する部分には通常AZS(Al23−ZrO2−SiO2)系電鋳煉瓦が使用される。したがって、AZS系電鋳煉瓦に対する溶融ガラスの侵食性が小さいことも求められている。
【0008】
さらに、板ガラスの大量生産はフロート法をはじめとする連続成形法により広く行われている。このような連続成形法として、フロート法以外にフュージョン法、ダウンドロー法が例示される。したがって、フロート成形等の連続成形が可能なガラスであることが求められている。
【0009】
WO99/06333には、ヤング率が90GPa以上であり、モル%表示で、TiO2:0.1〜30、CaO:1〜45、MgO+CaO:5〜40、Na2O+Li2O:3〜30、Al23:0〜15、SiO2:35〜65、であるガラスをダイレクトプレス成形することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法が開示されている。なお、ダイレクトプレス成形は連続成形法ではない。
【0010】
本発明者は、WO99/06333に開示されているガラスの一部について追試した(後掲表5中の例41、例42)。その結果、WO99/06333に開示されているガラスに対し連続成形法を適用して板ガラスを製造することは困難ではないか、と考えた。
本発明は、上記課題を解決する情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、モル%表示で実質的に、
SiO2 60〜72、
Al23 2〜9、
MgO 3〜9、
CaO 2〜10、
SrO 0〜15、
ZnO 0〜4、
TiO2 0〜8、
ZrO2 0〜4、
Li2O 1〜12、
Na2O 0〜8、
2O 0〜5、
23 0〜5、
La23 0〜5、
Li2O+Na2O+K2O 4〜15、
からなり、ヤング率が85GPa以上である情報記録媒体基板用ガラスを提供する。
また、前記情報記録媒体基板用ガラスであって、SrOの含有量が0.5〜15モル%、K 2 Oの含有量が0.1〜5モル%、Y 2 3 の含有量が0.2〜5モル%、SiO 2 とAl 2 3 の含有量の合計が66モル%以上であるものを提供する。
また、前記情報記録媒体基板用ガラスであって、SrOの含有量が6.9〜15モル%、K 2 Oの含有量が0.1〜5モル%、SiO 2 とAl 2 3 の含有量の合計が66モル%以上であるものを提供する。
また、前記情報記録媒体基板用ガラスからなる情報記録媒体用ガラス基板を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の情報記録媒体基板用ガラス(以下単に本発明のガラスという。)のヤング率は85GPa以上である。85GPa未満では基板のたわみや反りの問題が発生する。好ましくは88GPa以上、より好ましくは90GPa以上である。
【0013】
本発明のガラスのガラス転移点は550℃以上であることが好ましい。550℃未満では磁性層形成熱処理温度を充分高くできず、磁性層の保磁力増加が困難になるおそれがある。より好ましくは560℃以上、さらに好ましくは570℃以上、一層好ましくは580℃以上、特に好ましくは600℃以上、最も好ましくは610℃以上である。
【0014】
本発明のガラスの液相温度をTL(単位:℃)、粘度が104P(ポアズ)となる温度をT4(単位:℃)として、TL−T4<50であることが好ましい。TL−T4≧50ではフロート成形が困難になるおそれがある。より好ましくはTL−T4<40、特に好ましくはTL−T4<30である。
【0015】
本発明のガラスの組成について以下モル%を単に%と表示して説明する。
なお、本発明のガラスは実質的に、
SiO2 60〜72、
Al23 2〜8、
MgO 3〜8、
CaO 3〜10、
SrO 0〜8、
ZnO 0〜4、
TiO2 1〜8、
ZrO2 0.2〜4、
Li2O 1〜12、
Na2O 0〜3、
2O 0〜2、
23 0〜5、
La23 0〜5、
Li2O+Na2O+K2O 4〜14、
からなることが好ましい。
【0016】
また、実質的に、
SiO2 62〜70、
Al23 3〜7、
MgO 3.5〜7.5、
CaO 3.5〜8、
SrO 0.5〜7、
ZnO 0〜3.5、
TiO2 1.5〜7、
ZrO2 0.4〜3、
Li2O 2〜10、
Na2O 0.1〜2.5、
2O 0.1〜1.5、
23 0.2〜4、
La23 0〜4、
Li2O+Na2O+K2O 4.5〜13、
からなることがより好ましい。
【0017】
また、実質的に、
SiO2 63〜69、
Al23 4〜6、
MgO 4〜7、
CaO 4〜7、
SrO 1〜5、
ZnO 0〜3、
TiO2 2〜6、
ZrO2 0.6〜2、
Li2O 4〜8、
Na2O 0.2〜2、
2O 0.2〜1、
23 0.5〜3、
La23 0〜3、
Li2O+Na2O+K2O 5〜10、
からなることが特に好ましい。
【0018】
SiO2はガラスの骨格を形成する必須成分である。60%未満では、TLが高くなりすぎる。好ましくは60.5%以上、より好ましくは61%以上、特に好ましくは62%以上、最も好ましくは63%以上である。72%超では、ヤング率が低下する。好ましくは70%以下、より好ましくは69%以下である。
【0019】
Al23はヤング率を高くし、また耐候性を高くする必須成分である。2%未満では前記効果が小さい。好ましくは3%以上、より好ましくは4%以上である。9%超ではTLが高くなりすぎ、またAZS系電鋳煉瓦に対する侵食性も大きくなる。好ましくは8%以下、より好ましくは7.5%以下、特に好ましくは7%以下、最も好ましくは6%以下である。
【0020】
SiO2とAl23の含有量の合計は66%以上であることが好ましい。66%未満では、TLが高くなりすぎるおそれがある、またはT4が低くなりすぎるおそれがある、またはTL−T4が大きくなりすぎるおそれがある。より好ましくは66.5%以上、特に好ましくは67%以上である。
【0021】
MgOは、ヤング率を高くし、またガラスの溶解性を向上させる効果があり必須成分である。3%未満では前記効果が小さい。好ましくは3.5%以上、より好ましくは4%以上、最も好ましくは5%以上である。9%超ではTLが高くなりすぎる。好ましくは8%以下、より好ましくは7.5%以下、特に好ましくは7%以下である。
【0022】
CaOは、ヤング率を高くし、またガラスの溶解性を向上させる効果があり必須成分である。2%未満では前記効果が小さい。好ましくは3%以上、より好ましくは3.5%以上、特に好ましくは4%以上である。10%超ではTLが高くなりすぎる。好ましくは8%以下、より好ましくは7.5%以下、特に好ましくは7%以下である。
【0023】
SrOは必須成分ではないが、TLを低下させ、またガラスの溶解性を向上させる効果があり、15%まで含有してもよい。15%超ではヤング率が低下するおそれがある。好ましくは10%以下、より好ましくは9.5%以下、さらに好ましくは9%以下、一層好ましくは8%以下、特に好ましくは7%以下、最も好ましくは5%以下である。また、SrOを含有する場合、その含有量は好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上である。
【0024】
ZnOは必須成分ではないが、ヤング率を高くし、またガラスの溶解性を向上させる効果があり、4%まで含有してもよい。4%超ではTLが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは3.5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2.5%以下である。
【0025】
TiO2は必須成分ではないが、ヤング率を高くし、また耐候性を高くする効果があり、8%まで含有してもよい。8%超ではTLが高くなりすぎるおそれがある、または分相現象が起りやすくなるおそれがある。好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。また、TiO2を含有する場合、その含有量は1%以上であることが好ましい。より好ましくは1.5%以上、特に好ましくは2%以上である。
なお、TLを下げたい場合、分相現象を抑制したい場合、等においてはTiO2を実質的に含有しないことが好ましい。典型的には0.05%以下、より好ましくは0.02%以下である。
【0026】
ZrO2は必須成分ではないが、ヤング率を高くする効果があり、4%まで含有してもよい。4%超ではTLが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。また、ZrO2を含有する場合、その含有量は0.2%以上であることが好ましい。より好ましくは0.4%以上、特に好ましくは0.6%以上である。
【0027】
Li2Oはヤング率を高くする必須成分である。1%未満では前記効果が小さい。好ましくは2%以上、より好ましくは4%以上である。12%超ではTLが高くなりすぎる。好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下である。
【0028】
Na2Oは必須成分ではないが、ガラスの溶解性を向上させる効果があり、8%まで含有してもよい。8%超ではヤング率が低下するおそれがある。好ましくは6%以下、より好ましくは5.5%以下、さらに好ましくは5.2%以下、特に好ましくは2.5%以下、最も好ましくは2%以下である。また、Na2Oを含有する場合、その含有量は好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上である。
【0029】
2Oは必須成分ではないが、ガラスの溶解性を向上させる効果があり、5%まで含有してもよい。5%超ではヤング率が低下するおそれがある。好ましくは4.7%以下、より好ましくは4.4%以下、特に好ましくは1.5%以下、最も好ましくは1%以下である。また、K2Oを含有する場合、その含有量は好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上である。
【0030】
23は必須成分ではないが、ヤング率を高くする効果があり、5%まで含有してもよい。5%超ではTLが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。また、Y23を含有する場合、その含有量は好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.5%以上である。
【0031】
La23は必須成分ではないが、ヤング率を高くする効果があり、5%まで含有してもよい。5%超ではTLが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
【0032】
Li2O、Na2OおよびK2Oの含有量の合計は4%以上15%以下である。4%未満ではガラスの溶解性が低下し、またTLが高くなりすぎる。好ましくは4.5%以上、より好ましくは5%以上である。15%超ではヤング率が低下し、耐候性が低下し、またAZS系電鋳煉瓦に対する侵食性も大きくなる。好ましくは14%以下、より好ましくは13%以下、特に好ましくは11%以下、最も好ましくは10%以下である。
【0033】
本発明のガラスは実質的に上記成分からなるが、この他に以下に例示する成分を、本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
SO3、Cl、As23、Sb23等の清澄剤を合計で1%まで含有してもよい。
SrOと同様の効果を得るためにBaOを2%まで含有してもよい。
TiO2と同様の効果を得るためにSnO2を2%まで含有してもよい。
23と同様の効果、すなわち、ヤング率を高くし、また耐候性を高くする等の効果を得るためにTa25、Nb25、CeO2等の希土類金属酸化物を合計で3%まで含有してもよい。
ガラスの溶解性や安定性を向上させるために、B23、P25、V25等を合計で3%まで含有してもよい。
【0034】
なお、TLをより低下させたい場合は、Sc23、Y23、La23、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23、Lu23、のいずれも実質的に含有しないようにすることが好ましい。
【0035】
本発明の情報記録媒体用ガラス基板(以下単に本発明のガラス基板という。)は本発明のガラスからなり、所定の寸法・形状に切断されたガラス板である。
本発明のガラス基板は、120℃、2気圧の水蒸気雰囲気に20時間保持したとき、該ガラス基板表面に存在する、大きさが10μm以上の付着物の数NLが1個/cm2以下であり、大きさが1μm以上10μm未満の付着物の数NSが105個/cm2以下であることが好ましい。
【0036】
Lが1個/cm2超またはNSが105個/cm2超では、ガラス基板在庫中にガラス基板表面に付着物(白ヤケ)が発生し、ガラス基板上に形成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜がはがれやすくなる。この付着物は、空気中の水分や炭酸ガスの影響によりガラス基板に生成付着した反応生成物であると考えられ、拭いても除去できないものである。NLはより好ましくは0.5個/cm2以下、特に好ましくは0.2個/cm2以下である。NSはより好ましくは0.8×105個/cm2以下、特に好ましくは0.6×105個/cm2以下である。
【0037】
本発明のガラスおよびガラス基板の製造方法は特に限定されず、各種方法を適用できる。たとえば、通常使用される各成分の原料を目標組成となるように調合し、これをガラス溶融窯で加熱溶融する。バブリング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化し、周知のフロート法、プレス法、フュージョン法またダウンドロー法などの方法により所定の厚さの板ガラスに成形し、徐冷後必要に応じて研削、研磨などの加工を行った後、所定の寸法・形状のガラス基板とされる。成形法としては、特に、大量生産に適したフロート法が好適である。また、フロート法以外の連続成形法、すなわち、フュージョン法、ダウンドロー法等にも好適である。
本発明のガラスおよびガラス基板は、特に磁気ディスク基板に好適である。
【0038】
【実施例】
各成分の原料を表のSiO2からLa23までの欄にモル%表示で示した組成となるように調合し、白金るつぼを用いて1450〜1550℃の温度で3〜5時間溶解した。溶解にあたっては、白金スターラを溶融ガラス中に挿入し、2時間撹拌してガラスを均質化した。次いで溶融ガラスを流し出して板状に成形し、徐冷した。なお、表のR2O計は、Li2O、Na2OおよびK2Oの含有量(単位:モル%)の合計である。
【0039】
こうして得られたガラス板について、ヤング率E(単位:GPa)、ガラス転移点Tg(単位:℃)、液相温度TL(単位:℃)、粘度が104Pとなる温度T4(単位:℃)、前記NL(単位:個/cm2)および前記NS(単位:105個/cm2)を、以下に示す方法により測定した。結果を表に示す。
【0040】
E:厚さが10〜20mm、大きさが4cm×4cmのガラス板について、超音波パルス法により測定した。
g:示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料として室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸び率を、ガラスが軟化してもはや伸びが観測されなくなる温度、すなわち屈伏点まで測定し、得られた熱膨張曲線における屈曲点に相当する温度をガラス転移点とした。
【0041】
L:ガラスを乳鉢で2mm程度のガラス粒に粉砕し、このガラス粒を白金ボートに並べて置き、温度傾斜炉中で24時間熱処理した。結晶が析出しているガラス粒の温度の最高値を液相温度とした。
4:回転粘度計により測定した。
【0042】
L、NS:厚さが1〜2mm、大きさが4cm×4cmのガラス板の両面を鏡面研磨し、炭酸カルシウムおよび中性洗剤を用いて洗浄した後、超加速寿命試験器(不飽和型プレッシャークッカーTPC−410、タバイエスペック(株))に入れて120℃、2気圧の水蒸気雰囲気に20時間静置した。取り出したガラス板の表面200μm角の範囲を微分干渉顕微鏡で観察し、大きさが10μm以上の付着物の個数と大きさが1μm以上10μm未満の付着物の個数をカウントした。
【0043】
例1〜11、13〜30、32〜38のガラスは実施例、例12、31、39のガラスは参考例、例40〜42のガラスは比較例である。例40は従来ガラスであり、例41および例42はWO99/06333に開示されているガラスである。
【0044】
【表1】
Figure 0004161509
【0045】
【表2】
Figure 0004161509
【0046】
【表3】
Figure 0004161509
【0047】
【表4】
Figure 0004161509
【0048】
【表5】
Figure 0004161509
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような特長を有する情報記録媒体用ガラス基板を提供できる。
(1)ヤング率が高く、基板のたわみや反りが小さく、基板を薄板化できる。これにより、記憶装置の磁気ディスク搭載枚数を増加できる。
(2)化学強化処理がなくとも耐候性に優れ、在庫中に付着物(白ヤケ)が発生しにくい。したがってこの付着物に起因する、下地膜、磁性膜、保護膜等の膜はがれが起こりにくい。
【0050】
(3)ガラス転移点が高く、磁性層形成熱処理温度を高くできる。これにより、磁性層の保磁力を増加でき記憶密度を増加できる。
(4)AZS系電鋳煉瓦に対する侵食性が小さく、ガラス溶融窯を用いた大量生産ができる。
(5)フロート法、フュージョン法、ダウンドロー法等の連続成形法による成形ができ、高品質のガラス基板を大量生産できる。

Claims (6)

  1. モル%表示で実質的に、
    SiO2 60〜72、
    Al23 2〜9、
    MgO 3〜9、
    CaO 2〜10、
    SrO 0.5〜15、
    ZnO 0〜4、
    TiO2 0〜8、
    ZrO2 0〜4、
    Li2O 1〜12、
    Na2O 0〜8、
    20.1〜5、
    23 0.2〜5、
    La23 0〜5、
    Li2O+Na2O+K2O 4〜15、
    からなり、SiO 2 とAl 2 3 の含有量の合計が66モル%以上であり、ヤング率が85GPa以上である情報記録媒体基板用ガラス。
  2. モル%表示で実質的に、
    SiO 2 60〜72、
    Al 2 3 2〜9、
    MgO 3〜9、
    CaO 2〜10、
    SrO 6.9〜15、
    ZnO 0〜4、
    TiO 2 0〜8、
    ZrO 2 0〜4、
    Li 2 O 1〜12、
    Na 2 O 0〜8、
    2 O 0.1〜5、
    2 3 0〜5、
    La 2 3 0〜5、
    Li 2 O+Na 2 O+K 2 O 4〜15、
    からなり、SiO2とAl23の含有量の合計が66モル%以上であり、ヤング率が85GPa以上である情報記録媒体基板用ガラス。
  3. ガラス転移点が550℃以上である請求項1または2に記載の情報記録媒体基板用ガラス。
  4. 液相温度をTL(単位:℃)、粘度が104Pとなる温度をT4(単位:℃)として、TL−T4<50である請求項1、2または3に記載の情報記録媒体基板用ガラス。
  5. 請求項1、2、3または4に記載の情報記録媒体基板用ガラスからなる情報記録媒体用ガラス基板。
  6. 請求項5に記載の情報記録媒体用ガラス基板であって、120℃、2気圧の水蒸気雰囲気に20時間保持した該ガラス基板表面に存在する、大きさが10μm以上の付着物の数が1個/cm2以下であり、大きさが1μm以上10μm未満の付着物の数が105個/cm2以下である情報記録媒体用ガラス基板。
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