JPH11322358A - 耐熱性ガラス組成物 - Google Patents

耐熱性ガラス組成物

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JPH11322358A
JPH11322358A JP13796998A JP13796998A JPH11322358A JP H11322358 A JPH11322358 A JP H11322358A JP 13796998 A JP13796998 A JP 13796998A JP 13796998 A JP13796998 A JP 13796998A JP H11322358 A JPH11322358 A JP H11322358A
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JP
Japan
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glass
weight
temperature
devitrification
transition point
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JP13796998A
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Akihiro Koyama
昭浩 小山
Tetsuro Yoshii
哲朗 吉井
Hiroyuki Tanaka
弘之 田中
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • C03C3/085Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では、表面が平滑で大量に生産でき
るフロートガラス製造法により溶解し、かつ、失透する
ことなく板状に成形できる、630℃以上のガラス転移
点と膨張率が75〜95×10-7/℃の範囲内のプラズ
マディスプレイパネル用途に適したガラス組成物はなか
った。 【解決手段】 重量%で表示して、SiO2 50〜6
5、Al23 5.5〜14、ZrO2 1〜6、B2
3 0〜5、Li2O 0〜1、Na2O 0〜5、K2
9.5〜15、MgO 4.5〜10,CaO 0〜
10、SrO 0〜15、BaO 0〜4.5、TiO
2 0〜3、ZnO 0〜2、SO3+Sb23 0〜
1、Li2O+Na2O+K2O 12.5〜21、Mg
O+CaO+SrO+BaO 19.5〜25のガラス
組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、建築用の窓ガラス
として用いられるソーダライムガラスと同程度の膨張率
と、そのガラスが有する転移点より高い転移点を有する
耐熱性ガラス組成物に関し、液晶ディスプレイパネル、
エレクトロルミネッセンスディスプレイパネル、プラズ
マディスプレイパネル(以下PDPという)、フィール
ドエミッションディスプレイパネルおよび蛍光表示管等
の表示装置のガラス基板、とりわけPDP用のガラス基
板として好適に用いられる耐熱性ガラス組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】表示装置に用いられるガラス基板は、表
示装置の形式に応じて各種のガラス組成物が工夫され開
示されている。PDPは大面積で直視型の壁掛けハイビ
ジョンTV用表示装置として注目されており、PDPに
用いられるガラス基板は、フロートガラス製造法で製造
される一般建築用のソーダライムシリカ組成のガラス板
が用いられてきた。
【0003】PDPの製造工程では、ガラス基板上への
電極の焼き付け、誘電体の形成、隔壁の形成、蛍光体の
形成等を行う工程で500〜600℃の熱処理がなされ
る。これらの熱処理工程で発生するカラス基板の熱収縮
は、表側のガラス基板と裏側のガラス基板とをはり合わ
せる際の位置ずれの原因となる。
【0004】このため、大型もしくは高精細のPDPを
製造するには、ガラス基板の熱収縮率の値およびそのば
らつきを制御することが必要である。さらに上記の熱処
理には、PDPの製作に用いられる絶縁ペースト、シー
リングフリット等の材料が用いられるので、ガラス基板
はこれらの材料と膨張率がマッチングすることが要求さ
れる。このためガラス基板の50〜350℃の平均熱膨
張率は、75〜95×10-7/℃程度が必要である。
【0005】上記熱処理によるガラスの寸法の収縮を小
さくするには、ガラス転移点の高いガラスを使用する必
要がある。液晶表示装置に用いられる無アルカリガラス
基板は、高い転移点を有するが、膨張率が小さいためP
DPの用途には適さない。
【0006】一方上記のソーダライムガラス組成は、大
面積のガラス板を安価に製造できるフロートガラス製造
法で製造され、膨張率の値はPDP用の要求値を満たす
が、ガラス転移点は552℃であり、500〜600℃
の熱処理を行うと大きな熱収縮を生じ、大型もしくは高
精細のPDPには必ずしも適しているとはいえない。
【0007】この問題を解決するために、特開平3−4
0933号公報には、600℃付近の熱処理においても
ほとんど変形せず、また膨張率もソーダライムガラス並
のガラス組成物が開示されている。さらに、特開平9−
202641号公報には、ガラスの溶解性が改善されフ
ロートガラス製造法により溶融、成形(製板)ができる
ガラス組成物が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−40933号公報に記載のガラスは、アルカリ成分
(Li2O、Na2O、K2O)が少ないので、ガラスの
溶融に高温を必要とし、ガラスの高温度での粘度が高
く、フロートガラス製造法で板状に成形するのに必ずし
も適さないという問題点があった。
【0009】また、特開平9−202641号公報に記
載のガラスは、アルカリ成分が比較的多く含まれ溶解性
は改善されているものの、BaO(酸化バリウム)の含
有量が多いため、ガラスの失透温度(以下失透温度とい
う)が高いという特性を有する。このためガラスの作業
温度(以下作業温度という)が失透温度より十分に高く
なく、あるいは逆に失透温度が作業温度より高い特性を
有している。このため、フロートガラス製造法によりガ
ラスを溶融、成形することは容易ではない。
【0010】本発明の課題は上記の従来技術が有する問
題点を克服し、すなわちガラス転移点の高いガラス板
を、ガラスの失透が生ずることなくフロートガラス製造
法で製造するのに適したガラス組成物を提供することで
ある。
【0011】さらにPDP用途のガラス基板としては、
PDPの軽量化が要求されているのに呼応し、ガラスの
比重が小さいことが最近要求されるようになってきてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、重量
%で表示して、 SiO2 50〜65 Al23 5.5〜12 ZrO2 1〜6 B23 0〜5 Li2O 0〜1 Na2O 0〜5 K2O 9.5〜15 MgO 4.5〜10 CaO 0〜10 SrO 0〜15 BaO 0〜4.5 TiO2 0〜3 ZnO 0〜2 SO3+Sb23 0〜1 Li2O+Na2O+K2O 12.5〜21 MgO+CaO+SrO+BaO 19.5〜25 である耐熱性ガラス組成物である。
【0013】請求項2の発明は、重量%で表示して、 SiO2 50〜65 Al23 5.5〜12 ZrO2 1〜6 B23 0〜5 Li2O 0〜1 Na2O 0〜3.5 K2O 9.5〜15 MgO 4.5〜10 CaO 0〜10 SrO 0〜15 BaO 0.3〜4.5 TiO2 0〜3 ZnO 0〜2 SO3+Sb23 0〜1 Li2O+Na2O+K2O 12.5〜17 MgO+CaO+SrO+BaO 19.5〜25 である耐熱性ガラス組成物である。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、ガラスの作業温度(℃)−ガラスの失透温度
(℃)≧10(℃)で、かつ、ガラス転移点が630℃
以上としたことを特徴とする耐熱性ガラス組成物であ
る。
【0015】請求項4の発明は、請求項3において、ガ
ラスの作業温度(℃)−ガラスの失透温度(℃)≧30
(℃)としたことを特徴とする耐熱性ガラス組成物であ
る。
【0016】請求項5の発明は、比重が2.75以下で
ある請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性ガラス組成
物である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明における組成限定理由は以
下の通りである。 SiO2:SiO2は、ガラスのネットワークフォーマー
である。50重量%未満ではガラスの転移点が低くな
る。一方、65重量%を越えると溶解性が悪くなる(溶
解性が悪いとは、定性的にはガラス原料をガラス溶融状
態にするのにより高い温度を必要とすることで、定量的
には後述の溶融温度で評価される)なるとともに、フロ
ートガラス製造法で連続的に板状に成形するのが困難に
なる。従って50〜65重量%、さらには54〜61重
量%の範囲が好適に用いられる。
【0018】Al23:Al23は、ガラスの転移点を
上げるのに有効な成分である。5.5重量%未満ではガ
ラスの転移点が低下し、12重量%を越えるとガラスの
失透が起こりやすくなる。従って、5.5〜12重量
%、さらには5.5〜10重量%の範囲が好適に用いら
れる。
【0019】ZrO2:ZrO2は、Al23と同様にガ
ラスの歪点や転移点を上げるのに有効な成分である。ま
た、Al23に比べて失透の発生を抑える作用がある。
1重量%未満ではガラスの歪点や転移点の向上の効果が
見られず、6重量%を越えるとガラス融液中に未溶解成
分として残存しやすくなり、またガラスの比重が大きく
なる。従って1〜6重量%、さらには2〜5重量%の範
囲が好適に用いられる。
【0020】B23:B23は、必須成分ではないが溶
解性の向上に有効である。しかし、5重量%を越えると
膨張率が小さくなる。従って0〜5重量%、さらには0
〜2重量%が好適に用いられる。
【0021】Li2O:Li2Oは、必須成分ではないが
溶解性向上に有効である。しかし、1重量%を越えると
ガラスの転移点が著しく低下する。また、Al23との
相互作用で失透が起こりやすくなる。従って0〜1重量
%、さらには0〜0.5重量%の範囲が好適に用いられ
る。
【0022】Na2O:Na2Oは、必須成分ではないが
溶解性向上のためと膨張率を一定以上に保つために、少
量含有させるのがよい。ただし、5重量%より多いとガ
ラスの転移点が低下し、また膨張率が大きくなりすぎ、
体積抵抗も低下する。従って0〜5重量%、さらには
0.1〜3.5重量%の範囲が好適に用いられる。
【0023】K2O:K2Oは、9.5重量%未満ではガ
ラスの転移点の向上が見られず、15重量%を越えると
軟化点が大きく低下する。従って9.5〜15重量%、
さらには9.5〜13重量%の範囲が好適に用いられ
る。
【0024】Li2O+Na2O+K2O:アルカリ成分
の合計Li2O+Na2O+K2O(合計量をR2Oと表
示)が多いと、溶解性が改善され、膨張率が増加する。
2Oが12.5重量%未満では溶解性が悪く、かつ膨
張率が小さくなる。21重量%を越えるとガラスの軟化
点が低下するか、ガラスの失透が起こりやすくなる。従
って12.5〜21重量%、さらには12.5〜17重
量%の範囲が好適に用いられる。
【0025】MgO:MgOは、CaOほど失透温度を
上げることがない。ガラスの溶解性を向上させつつ軟化
点を上げるのに有効であるが、4.5重量%未満ではそ
の効果は不十分である。しかし、10重量%を越えると
失透が起こりやすくなる。従って4.5〜10重量%、
さらには4.5〜8重量%の範囲が好適に用いられる。
【0026】CaO:CaOは、MgOと同様に溶解性
向上に有効であるばかりでなく、転移点を上げるのに有
効である。しかし、8重量%を越えると失透が起こりや
すくなる。従って0〜8重量%、さらには2〜6重量%
の範囲が好適に用いられる。
【0027】SrO:SrOは、必須成分ではないが溶
解性向上に有効であるばかりでなく、転移点を上げるの
に有効である。しかし、15重量%を越えると失透が起
こりやすくなるとともに比重が大きくなる。従って0〜
15重量%、さらには3〜12重量%の範囲が好適に用
いられる。
【0028】BaO:BaOは、必須成分ではないが溶
解性向上に有効である。しかし、4.5重量%を越える
と失透温度が高くなり、かつ、比重が大きくなる。従っ
て0〜4.5重量%の範囲が好適に用いられる。また、
ガラスの転移点を高くする上で、0.3重量%以上含有
させるのが好ましい。
【0029】MgO+CaO+SrO+BaO:MgO
+CaO+SrO+BaO(合計をR’Oで表示)は、
ガラスの溶解性向上に有効である。合計量で19.5重
量%未満では、フロートガラス製造法で必要な溶解性が
得られない。25重量%を越えると失透しやすくなる。
従って19.5〜25重量%の範囲が好適に用いられ
る。
【0030】TiO2:TiO2は、必須成分ではないが
化学的耐久性向上に効果がある。3重量%を越えるとガ
ラスが着色するので好ましくない。従って0〜3重量
%、さらには0〜1重量%の範囲が好適に用いられる。
【0031】ZnO:ZnOは、必須成分ではないが溶
解性向上に有効である。しかし、2重量%を越えるとガ
ラス溶融時の揮発が大きく溶融炉の寿命を短くする。従
って0〜2重量%、さらには0〜1重量%の範囲が好適
に用いられる。
【0032】SO3+Sb23:SO3+Sb23は、必
須成分ではないが清澄剤として用いられる。ガラス中の
含有量としては1重量%以下が好ましい。
【0033】なお、本発明においては、ガラスの透過率
を調整し、PDP等の表示装置としての表示コントラス
トを上げるために、V、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Mo、Ru、Ce等の酸化物を着色成分とし
て添加してもよい。
【0034】本発明のガラス組成物においては、PDP
の組立製造に用いる他の材料と膨張率をマッチングさせ
るために、50〜350℃の平均膨張率を75〜95×
10-7/℃とすることができる。さらに80〜90×1
-7/℃の範囲とすることができる。
【0035】また、PDP製造工程中の熱処理工程でガ
ラスの熱収縮を許容範囲以下に押さえるために、ガラス
の転移点を630℃以上とすることができ、さらにより
好ましい650℃以上とすることができる。
【0036】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 表1の実施例1の欄で示されるガラス組成(重量%)と
なるように各原料(SiO2は珪砂を、B23は硼砂
を、Al23とMgOは酸化物を、その他は炭酸塩を用
いた)を調合した。このとき清澄剤としてボウ硝を用い
た。調合したバッチをルツボに投入し、1500℃で4
時間溶融した後、流し出して板状に形成した後通常の徐
冷操作を行った。このようにして得られたガラス試料の
溶融温度(粘度が102ポアズの温度)、作業温度(粘
度が104ポアズの温度)、失透温度、転移点、歪点、
膨張率、比重、体積抵抗を測定した。
【0037】溶融温度および作業温度の測定は以下のよ
うにした。70ccの白金ルツボにガラスを入れて15
50℃で溶融して測定用サンプルとした。このサンプル
を試料引き下げ式高温粘度測定装置にセットして測定用
サンプルに白金球をつるし、容器ごと試料を引き下げる
ときに白金球にかかる粘性抵抗を荷重として測定し、各
温度での粘度を求めた。900℃〜1550℃の温度範
囲で温度と粘度の関係より溶融温度と作業温度を求め
た。
【0038】失透温度の測定は以下のようにした。ガラ
ス試料の一部を粉砕して2830μmのフルイを通り、
1000μmのフルイ上に留まったガラス粒25gを計
り取り、幅12mm、長さ200mm、深さ9mmの白
金製ボートに上記ガラス粒を敷き詰め、ボートの長さ方
向に適当な温度勾配を持つように温度設定された加熱炉
内で2時間保持する。炉から取り出した白金ボートを自
然放冷させた後に、白金ボート上のガラスを50倍の顕
微鏡を用いて観察し、失透が発生している最高温度をも
って失透温度とした。
【0039】熱膨張率の測定は以下のようにした。ガラ
ス試料から直径5mm、高さ15mmの円柱状のガラス
ロッドを作製し、25℃からガラスの降伏点まで温度と
ガラスの伸びを測定し、50℃から350℃の間の膨張
率を求める方法によった。
【0040】転移点の測定は以下のようにした。膨張率
測定時の膨張曲線の最初の屈曲点の前後で折線を引き、
その交点に相当する温度を転移点とした。
【0041】歪点の測定は以下のようにした。縦3m
m、横3mm、長さ50mmの直方体のガラス棒を作製
した。このガラス棒をビーム曲げ式粘度測定装置にセッ
トし、試料の長辺側の両端を固定して中央部分に荷重を
加えてガラスのたわむ速度と温度との関係より歪点を求
める方法によった。
【0042】比重の測定は以下のようにした。ガラス試
料からガラスブロックを約1cm×2cm×3cmの直
方体に切り出し、アルキメデス法を用いて測定した。
【0043】体積抵抗の測定は以下のようにした。鏡面
研磨した一辺50mm、厚み3mmの板状試料を作製
し、裏面は前面に金を蒸着し、表面は中央部分に直径3
0mmの円形に金蒸着を行い、その円から5mm隙間を
あけ5mmの帯状にその円形の金蒸着部の周囲にアース
用の金蒸着を行った。試料を250℃に保持し、裏面と
表面の間に直流電圧を印加し、その時の電流値より抵抗
率を求めた。
【0044】このガラスは、溶融温度が1486℃、作
業温度が1125℃、失透温度が1112℃であった。
溶融ガラスを加熱した錫浴上へ流し出して板状に成形す
るフロートガラス製造法においては、ガラスの溶融温度
が1550℃以下であることがガラスを均質に溶融する
上で好ましく、また溶融したガラスを板状に成形すると
きの温度に関係するガラスの作業温度が1150℃以下
であることが好ましい。さらに、溶融ガラスの成形に際
して、ガラスの失透現象が生じないようにするために、
作業温度は失透温度よりも10℃以上高いことが好まし
く、さらに30℃以上高いと失透現象をより生じさせる
ことなく安定して板状に成形できる。
【0045】
【表1】
【0046】以上のことから、実施例1で得られたガラ
ス組成物は、フロートガラス製造法でガラス板を製造す
るのに適したガラス組成であることが分かる。また、こ
のガラスは転移点が671℃と高いので、PDP用のガ
ラス基板として用いたときの熱収縮量が小さいことが期
待され、さらに膨張率についてもPDP用途として要求
される75〜95×10-7/℃の範囲内であるので、P
DP製作時のガラスフリット等の材料との熱膨張のバラ
ンスがよいことが分かった。
【0047】実施例2〜実施例10 ガラス組成を変更して、実施例1と同じようにしてガラ
スサンプルを得、上記の各特性を測定した結果を、表1
の実施例の2〜10の欄にガラス組成とともにに示し
た。実施例2〜10のガラス試料はいずれも、50〜3
50℃の平均膨張率が80〜90×10-7/℃、転移点
が630℃以上、比重が2.75以下のガラスであり、
PDPの用途に適する特性を有していることが分かる。
【0048】すなわち、これらのガラス組成物を用いた
ガラス基板は、PDP製造工程で受ける熱処理による収
縮が小さいことが期待される。またこれらのガラスのい
ずれも、その溶融温度が1550℃以下であり、また作
業温度(Tw)と失透温度(Tl)との差Tw−Tlが
10℃以上であることから、フロートガラス製造法によ
り失透現象を生じることなく溶融、成形できる特性を有
していることが分かる。
【0049】なかでも実施例4〜8のガラス組成物は、
作業温度と失透温度との差が30℃以上であり、ガラス
板の成形時に失透が生じる可能性が低く、安定してフロ
ートガラス製造法により成形(製板)することができる
ことが分かる。また本発明の実施例によれば2.75以
下の比重とすることができることが分かる。さらに、比
重を2.70以下にすることができることが分かる。
【0050】次に比較例として表2に示す4種の組成の
ガラス試料を作成し、実施例で得たガラス試料と同様の
方法でガラスの特性を測定した。
【0051】比較例1 このガラス試料は、ガラス溶融温度が1535℃であ
り、作業温度が1135℃と低く、作業温度が失透温度
よりも67℃高いので、フロートガラス製造法によりガ
ラス板を製造するについてはとくに問題点がないが、ガ
ラスの転移点が623℃と低く、PDPの製造工程の熱
処理工程で、収縮が生じないガラス組成ではない。ま
た、このガラスは比重が2.78と大きく、PDPの軽
量化という要求に対して必ずしも満足できる小さい比重
特性を有しているとはいえない。
【0052】比較例2 このガラス試料は、転移点や膨張率の両特性からPDP
の用途として満足できる特性を有するが、BaOが6.
0重量%、Al23が13.0重量%とともに多く、ま
たアルカリ成分合計量R2Oが9.0重量%と少ないの
で、溶融温度および失透温度がともに高くなり、かつ失
透温度が作業温度近くまで上昇(その差が2℃)してい
るので、フロートガラス製造法ではガラスの失透を生じ
させることなく溶融、成形することが困難である。
【0053】比較例3 このガラス試料は、転移点や膨張率の両特性からPDP
の用途として満足できる特性を有するが、BaO成分が
8.0重量%と多く、アルカリ成分合計量R2Oが7.
7重量%と少ないので、作業温度(1155℃)が失透
温度(1231℃)より低く、極めて失透しやすいガラ
スになっている。したがって、フロートガラス製造法で
失透現象を生じさせることなく安定してガラス板を製造
することは困難である。
【0054】
【表2】
【0055】比較例4 このガラスは、フロートガラス製造法で工業的に大量に
製造されているいわゆるソーダライムシリカ組成のガラ
ス組成であって、作業温度(1039℃)が低く、失透
温度(991℃)との差が48℃と大きいので、失透の
問題がなく、容易に溶融、成形できるという、ガラス板
製造上の観点からみると極めて優れた組成である。しか
しながら、このガラスは、Na2Oが13.2重量%、
アルカリ成分合計量R2Oが14重量%と多く含み、A
23が1.5重量%と少ないので、ガラスの転移点が
552℃と低く、PDPの製造工程で受ける熱工程でガ
ラスの熱収縮量が大きいという欠点を有する。
【0056】
【発明の効果】本発明のガラス組成物からなるガラス基
板は、ガラスの転移点が高いのでプラズマディスプレイ
パネルの製造時の熱処理を受けてもガラス基板の熱収縮
が極めて小さい。また、その膨張率はPDP用基板とし
て適切な値を有している。
【0057】また、本発明のガラス組成物は、ガラス溶
融温度、作業温度および失透温度の特性が、フロートガ
ラス製造法での失透現象の発生を抑制されるように定め
られているので、ガラス板をフロートガラス製造法で安
定して溶融し、板状に成形できる。これによりフロート
ガラス製造法により安定して大量のガラス基板を製造す
ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // G09F 9/30 310 G09F 9/30 310

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で表示して、 SiO2 50〜65 Al23 5.5〜12 ZrO2 1〜6 B23 0〜5 Li2O 0〜1 Na2O 0〜5 K2O 9.5〜15 MgO 4.5〜10 CaO 0〜10 SrO 0〜15 BaO 0〜4.5 TiO2 0〜3 ZnO 0〜2 SO3+Sb23 0〜1 Li2O+Na2O+K2O 12.5〜21 MgO+CaO+SrO+BaO 19.5〜25 である耐熱性ガラス組成物。
  2. 【請求項2】 重量%で表示して、 SiO2 50〜65 Al23 5.5〜12 ZrO2 1〜6 B23 0〜5 Li2O 0〜1 Na2O 0〜3.5 K2O 9.5〜15 MgO 4.5〜10 CaO 0〜10 SrO 0〜15 BaO 0.3〜4.5 TiO2 0〜3 ZnO 0〜2 SO3+Sb23 0〜1 Li2O+Na2O+K2O 12.5〜17 MgO+CaO+SrO+BaO 19.5〜25 である耐熱性ガラス組成物。
  3. 【請求項3】 ガラスの作業温度(℃)−ガラスの失透
    温度(℃)≧10(℃)、ガラス転移点が630℃以上
    としたことを特徴とする請求項1または2に記載の耐熱
    性ガラス組成物。
  4. 【請求項4】 ガラスの作業温度(℃)−ガラスの失透
    温度(℃)≧30(℃)とした請求項3に記載の耐熱性
    ガラス組成物。
  5. 【請求項5】 比重が2.75以下である請求項1〜4
    のいずれかに記載の耐熱性ガラス組成物。
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