JP2001050064A - 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング制御装置

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JP2001050064A JP11223065A JP22306599A JP2001050064A JP 2001050064 A JP2001050064 A JP 2001050064A JP 11223065 A JP11223065 A JP 11223065A JP 22306599 A JP22306599 A JP 22306599A JP 2001050064 A JP2001050064 A JP 2001050064A
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 始動時にカム軸位相のロックが解除されるこ
とを防止する。 【解決手段】 ロックピン58のロックを解除するため
のロック解除室60には、遅角室のみから油圧を供給す
る構成とし、エンジン始動時には、進角室のみに油圧を
供給するように油圧制御弁29を制御して、ロック解除
室60(遅角室)には油圧がかからないように制御す
る。これにより、始動時にロックピン58のロックが解
除されてしまうことを未然に防止する。その後、始動完
了から、カム軸位相を制御するのに十分な油圧を供給で
きる状態になるまでに必要な時間が経過した時点で、油
圧制御弁29のソレノイド53の制御電流を、カム軸位
相の位置を保持する保持電流Ih に切り換えて、進角室
と遅角室の両方に均等に油圧を供給する。これにより、
遅角室からロック解除室60にも油圧が供給され、ロッ
クピン58のロックが解除される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の停止中
及び始動時にカム軸位相をその調整可能範囲の略中間位
置(中間ロック位相)でロックする機能を備えた内燃機
関の可変バルブタイミング制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両に搭載される内燃機関におい
ては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減を目
的として、可変バルブタイミング制御装置を採用したも
のが増加しつつある。例えば、ベーン方式の可変バルブ
タイミング制御装置の基本的な構成は、図23に示すよ
うに、エンジンのクランク軸に同期して回転するハウジ
ング1と、吸気(又は排気)バルブのカム軸に連結され
たロータ2とを同軸状に配置し、ハウジング1に形成さ
れた流体室3をロータ2に設けられたベーン4で進角室
5と遅角室6とに区画する。そして、進角室5と遅角室
6の油圧を油圧制御弁で制御してハウジング1とロータ
2(ベーン4)とを相対回動させることで、クランク軸
に対するカム軸の回転位相(以下「カム軸位相」とい
う)を変化させて、バルブタイミングを可変制御するよ
うにしている。
【0003】従来のベーン方式の可変バルブタイミング
制御装置は、始動時のベーン4の振動による騒音を防止
するために、エンジン停止時(油圧低下時)に、カム軸
位相を最も遅角させた最遅角位相で、ハウジング1とロ
ータ2(ベーン4)との相対回動をロックピン7でロッ
クするようにしている。従って、始動時には、最遅角位
相で始動することになるため、最遅角位相は、始動に適
した位相に設定されている。
【0004】しかしながら、この構成では、最遅角位相
が始動時の位相(ロック位相)で制限されてしまうた
め、バルブタイミング(カム軸位相)の調整可能範囲が
ロック位相で制限されてしまい、バルブタイミングの調
整可能範囲が狭いという欠点がある。
【0005】そこで、特開平9−324613号公報に
示すように、エンジン停止時のロック位相をカム軸位相
の調整可能範囲の略中間位置に設定することで、バルブ
タイミング(カム軸位相)の調整可能範囲を拡大するこ
とが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カム軸位相
をロックするロックピン7は、スプリングでロック方向
に付勢され、ロック解除は、ロックピン7に対して進角
室5と遅角室6の両方の油圧をロック解除方向に作用さ
せるようにしている。エンジン停止中は、油圧が低下す
るため、スプリング力によりロックピン7がロック穴に
嵌り込んでカム軸位相が中間ロック位相でロックされた
状態に保持される。従って、エンジン始動時は、カム軸
位相が中間ロック位相でロックされた状態で始動され、
その後のエンジン回転数(オイルポンプ回転数)の上昇
に伴う油圧の上昇により、進角室5と遅角室6の油圧が
上昇すると、その油圧によってロックピン7がロック穴
から押し出されてロックピン7のロックが解除される。
【0007】しかし、この構成では、常に、ロックピン
7に対して進角室5と遅角室6の両方の油圧がロック解
除方向に作用するため、エンジン始動時に、エンジン回
転数(オイルポンプ回転数)の上昇に伴う油圧の上昇に
より、進角室5と遅角室6のいずれか一方の油圧が先に
高くなると、他方の油圧が低いにも拘らず、ロックピン
7が解除されてしまうことがある。このような状態でロ
ックが解除されても、他方の油圧が低いために、ロック
解除の瞬間にカム軸位相が急変してバルブタイミングを
目標値に制御することができず、その結果、不適正なバ
ルブタイミングで始動することになるため、始動性が悪
くなり、エンジン始動時間が長くなったり、始動後のエ
ンジン運転状態が油圧が上昇するまで不安定になってし
まう。しかも、油圧が上昇するまでベーン4の位置が固
定されないため、ベーン4がハウジング1に衝突して騒
音を発生するという問題も生じる。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、始動時に不用意にカ
ム軸位相のロックが解除されてしまうことを確実に防止
できる内燃機関の可変バルブタイミング制御装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の可変バルブタイミン
グ制御装置では、始動時にロック手段のロック解除室に
ロック解除を起こさせる流体圧力(以下「ロック解除圧
力」という)がかからないようにロック解除制御手段で
流体圧力制御手段を制御する。このようにすれば、始動
時に不用意にカム軸位相のロックが解除されてしまうこ
とを確実に防止でき、不用意なロック解除による始動性
悪化、エンジン制御性悪化、騒音等の問題を回避するこ
とができる。
【0010】この場合、請求項2のように、ロック解除
室を遅角室と連通させて遅角室からロック解除室に流体
圧力が供給される構成とし、始動時に進角室のみに流体
圧力を供給するように流体圧力制御手段を制御するよう
にしても良い。このようにすれば、遅角室の流体圧力を
制御する制御弁(流体圧力制御手段)をロック解除室の
流体圧力を制御する制御弁として兼用できるので、ロッ
ク解除室の流体圧力のみを制御する専用の制御弁を必要
とせず、しかも、ロック解除室への流体圧力の供給通路
の構成を簡単化することができ、コストダウンできる。
【0011】また、請求項3のように、ロック解除室を
進角室と連通させて進角室からロック解除室に流体圧力
が供給される構成とし、始動時に遅角室のみに流体圧力
を供給するように流体圧力制御手段を制御するようにし
ても良い。この場合も、上記請求項2と同じく、ロック
解除室の流体圧力のみを制御する専用の制御弁を必要と
せず、しかも、ロック解除室への流体圧力の供給通路の
構成を簡単化することができ、コストダウンできる。
【0012】但し、本発明は、請求項4のように、ロッ
ク解除室を、進角室と遅角室とは別の経路でロック解除
室に流体圧力に供給されるように構成し、始動時にロッ
ク解除室にロック解除圧力がかからないように制御して
も良い。このようにしても、始動時に不用意にカム軸位
相のロックが解除されてしまうことを確実に防止するこ
とができ、不用意なロック解除による始動性悪化、エン
ジン制御性悪化、騒音等の問題を回避することができ
る。
【0013】また、始動が完了しても、カム軸位相(ベ
ーンの位置)を制御するのに十分な流体圧力が供給され
るまでには、ある程度の時間がかかる。もし、流体圧力
が十分な圧力に上昇する前にカム軸位相のロックが解除
されると、その瞬間にカム軸位相が急変してバルブタイ
ミングを目標値に制御することができず、エンジン運転
状態が不安定になってしまう。
【0014】この点を考慮して、請求項5のように、始
動完了から所定期間が経過するまで、ロック解除室にロ
ック解除圧力がかからない制御を継続するようにしても
良い。このようにすれば、カム軸位相(ベーンの位置)
を制御するのに十分な流体圧力が供給されるのに必要な
時間が経過してから、カム軸位相のロックを解除するこ
とができ、カム軸位相を制御可能な状態となる前に、カ
ム軸位相のロックが解除されてしまうことを防止でき
る。
【0015】この場合、十分な流体圧力が供給されるの
に必要な時間は、その時の流体粘度(流体の流動性)に
応じて変化し、流体粘度は流体温度に応じて変化するた
め、請求項6のように、所定期間を流体温度に応じて設
定するようにしても良い。このようにすれば、流体温度
(流体粘度)によって、十分な流体圧力が供給されるの
に必要な時間が変化するのに対応して、ロック解除を禁
止する所定期間を適正に設定できる。
【0016】また、流体温度は、冷却水温や機関温度と
相関関係があり、冷却水温や機関温度は、内燃機関に一
般的に設けられているセンサの出力信号から検出又は推
定できるため、請求項7のように、所定期間を冷却水温
又は機関温度に応じて設定するようにしても良い。この
ようにすれば、流体温度を検出するセンサを新たに設け
る必要がなく、低コスト化できる。
【0017】また、請求項8のように、流体圧力制御手
段で制御する流体圧力が所定圧力以上になったときにロ
ック解除室への流体圧力の供給を開始するようにしても
良い。このようにすれば、流体圧力が、実際にカム軸位
相(ベーンの位置)を制御するのに十分な圧力に上昇し
てから、カム軸位相のロックを解除してバルブタイミン
グ制御を開始することができる。
【0018】ところで、ロック手段のロックを解除する
際には、請求項9のように、進角室と遅角室の少なくと
も一方に流体圧力を供給した状態で、ロック解除室に流
体圧力を供給してロック手段のロックを解除すると良
い。
【0019】例えば、進角室と遅角室のいずれか一方の
室からロック解除室に流体圧力を供給するシステムで
は、他方の室に流体圧力を供給した状態で、一方の室に
流体圧力を供給しながらロック解除室に流体圧力を供給
してロック手段のロックを解除する。また、進角室と遅
角室とは別の経路でロック解除室に流体圧力に供給する
システムでは、進角室と遅角室の両方に流体圧力を供給
した状態で、ロック解除室に流体圧力を供給してロック
手段のロックを解除する。このようにすれば、いずれの
場合も、進角室と遅角室の両方に均等に流体圧力をかけ
た状態でロック手段のロックを解除することができるの
で、ロックが解除された瞬間から流体圧力でカム軸位相
を中間ロック位相付近に保持することができる。これに
より、ロック解除直後にカム軸位相が急変することを防
止できて、ロック解除直後からバルブタイミング(カム
軸位相)を目標値に制御することができる。
【0020】また、進角室と遅角室のいずれか一方の室
からロック解除室に流体圧力を供給するシステムでは、
請求項2,3のように、始動時に他方の室のみに流体圧
力を供給するように制御し、始動完了後、請求項10の
ように、進角室と遅角室の両方に流体圧力を供給するよ
うに流体圧力制御手段を制御してロック手段のロックを
解除すすれば良い。このようにすれば、進角室と遅角室
の流体圧力を制御する流体圧力制御手段をそのまま利用
してロック解除の制御も行うことができ、制御系の構成
を簡単化してコストダウンすることができる。
【0021】一方、進角室と遅角室とは別の経路でロッ
ク解除室に流体圧力に供給するシステムでは、進角室と
遅角室の両方に流体圧力を同時に供給しても良いが、そ
うすると、装置内部に入り込んだエアーの抜け道が無く
なってしまい、進角室や遅角室にエアーが溜まって流体
圧力の供給が妨げられてしまうおそれがある。
【0022】この対策として、請求項11のように、ロ
ック手段のロックを解除する際に、進角室と遅角室の一
方の室に流体圧力を供給してエアーを抜いてから、他方
の室に流体圧力を供給して両方の室に流体圧力をかけた
状態で、ロック解除室に流体圧力を供給してロック手段
のロックを解除するようにすると良い。このようにすれ
ば、ロック解除を行う毎に装置内部のエアー抜きを行う
ことができて、進角室や遅角室にエアーが溜まることを
防止でき、エアーによる流体圧力の供給不良を防止する
ことができる。
【0023】また、請求項12のように、カム軸位相を
保持する流体圧力制御手段の制御電流を保持電流学習手
段によって保持電流として学習し、ロック手段のロック
を解除する際の流体圧力制御手段の制御電流を、保持電
流学習手段で学習した保持電流付近に設定するようにし
ても良い。このようにすれば、ロック手段のロックを解
除する際に、進角室と遅角室の両方に流体圧力をかけた
状態でロック手段のロックを解除できるので、ロックが
解除された瞬間から流体圧力でカム軸位相を中間ロック
位相付近に保持することができて、ロック解除直後のカ
ム軸位相の急変を防止することができ、エンジン運転状
態の安定性を損なうことなく、ロック解除することがで
きる。
【0024】また、保持電流は、流体粘度(流動性)に
応じて変化し、流体粘度は、流体温度に応じて変化する
ため、請求項13のように、流体温度又はその代用情報
である冷却水温、機関温度等の温度情報に基づいて保持
電流を保持電流算出手段によって算出し、ロック手段の
ロックを解除する際の流体圧力制御手段の制御電流を、
保持電流算出手段で算出した保持電流付近に設定するよ
うにしても良い。このようにすれば、ロック解除時に、
流体圧力制御手段の制御電流を流体粘度に応じた適正な
保持電流に設定することができ、ロック解除直後のカム
軸位相の急変を防止することができる。
【0025】更に、請求項14のように、ロック手段の
ロックを解除する際の流体圧力制御手段の制御電流を、
保持電流を所定値オフセットさせた値に設定するように
しても良い。つまり、学習又は算出した保持電流を現在
の運転状態や制御仕様等に応じてオフセットさせれば、
ロック解除時の流体圧力制御手段の制御電流を更に最適
化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明
を吸気バルブの可変バルブタイミング制御装置に適用し
た実施形態(1)を図1乃至図12に基づいて説明す
る。図1に示すように、内燃機関であるDOHCエンジ
ン11は、クランク軸12からの動力がタイミングチェ
ーン13により各スプロケット14,15を介して吸気
側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるように
なっている。但し、吸気側カム軸16には、クランク軸
12に対する吸気側カム軸16の進角量を調整するバル
ブタイミング調整装置18が設けられている。また、吸
気側カム軸16の外周側には、カム角を検出するカム角
センサ19が設置され、一方、クランク軸12の外周側
には、クランク角を検出するクランク角センサ20が設
置されている。
【0027】これらクランク角センサ20及びカム角セ
ンサ19の出力信号は、エンジン制御回路21に入力さ
れ、このエンジン制御回路21によって吸気バルブの実
バルブタイミングが演算されると共に、クランク角セン
サ20の出力パルスの周波数からエンジン回転数が演算
される。また、エンジン運転状態を検出する各種センサ
(吸気圧センサ22、水温センサ23、スロットルセン
サ24等)の出力信号と、イグニッションスイッチ25
やタイマ26の出力信号もエンジン制御回路21に入力
される。
【0028】このエンジン制御回路21は、これら各種
の入力信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御を行うと
共に、後述する可変バルブタイミング制御を行い、吸気
バルブの実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実進
角量)を目標バルブタイミング(目標進角量)に一致さ
せるようにバルブタイミング調整装置18をフィードバ
ック制御する。このバルブタイミング調整装置18の油
圧回路には、オイルパン27内のオイルがオイルポンプ
28により油圧制御弁29(流体圧力制御手段)を介し
て供給され、その油圧を油圧制御弁29によって制御す
ることで、吸気側カム軸16の実進角量(実バルブタイ
ミング)が制御される。
【0029】次に、図2乃至図5に基づいてバルブタイ
ミング調整装置18の構成を説明する。バルブタイミン
グ調整装置18のハウジング31(第1の回転体)は、
吸気側カム軸16の外周に回動自在に支持されたスプロ
ケット14にボルト32で締め付け固定されている。こ
れにより、クランク軸12の回転がタイミングチェーン
13を介してスプロケット14とハウジング31に伝達
され、スプロケット14とハウジング31がクランク軸
12と同期して回転するようになっている。
【0030】一方、吸気側カム軸16は、シリンダヘッ
ド33とベアリングキャップ34により回転可能に支持
され、この吸気側カム軸16の一端部に、ロータ35
(第2の回転体)がストッパ36を介してボルト37で
締め付け固定されている。このロータ35は、ハウジン
グ31内に相対回動自在に収納されている。
【0031】図3及び図4に示すように、ハウジング3
1の内部には、複数の流体室40が形成され、各流体室
40が、ロータ35の外周部に形成されたベーン41に
よって進角室42と遅角室43とに区画されている。そ
して、ロータ35の外周部とベーン41の外周部には、
それぞれシール部材44が装着され、各シール部材44
が板ばね45(図2参照)によって外周方向に付勢され
ている。これにより、ロータ35の外周面とハウジング
31の内周面との隙間及びベーン41の外周面と流体室
40の内周面との隙間がシール部材44でシールされて
いる。
【0032】図2に示すように、吸気側カム軸16の外
周部に形成された環状の進角溝46と遅角溝47が、そ
れぞれ油圧制御弁29の所定ポートに接続され、エンジ
ン11の動力でオイルポンプ28が駆動されることによ
り、オイルパン27から汲み上げたオイルが油圧制御弁
29を介して進角溝46や遅角溝47に供給される。進
角溝46に接続された進角油路48は、吸気側カム軸1
6の内部を貫通してロータ35の左側面に形成された円
弧状進角油路49(図3参照)に連通するように形成さ
れ、この円弧状進角油路49が各進角室42に連通して
いる。一方、遅角溝47に接続された遅角油路50は、
吸気側カム軸16の内部を貫通してロータ35の右側面
に形成された円弧状遅角油路51(図4参照)に連通す
るように形成され、この円弧状遅角油路51が各遅角室
43に連通している。
【0033】油圧制御弁29は、ソレノイド53とスプ
リング54で弁体を駆動する4ポート3位置切換弁であ
り、弁体の位置を、進角室42に油圧を供給する位置
と、遅角室43に油圧を供給する位置と、進角室42と
遅角室43のいずれにも油圧を供給しない位置との間で
切り換えるようになっている。ソレノイド53の通電停
止時には、スプリング54によって弁体が進角室42に
油圧を供給する位置に自動的に切り換えられ、カム軸位
相を進角させる方向に油圧が働くようになっている。
【0034】進角室42と遅角室43に所定圧以上の油
圧が供給された状態では、進角室42と遅角室43の油
圧でベーン41が固定されて、クランク軸12の回転に
よるハウジング31の回転がオイルを介してロータ35
(ベーン41)に伝達され、ロータ35と一体的に吸気
側カム軸16が回転駆動される。エンジン運転中は、進
角室42と遅角室43の油圧を油圧制御弁29で制御し
てハウジング31とロータ35(ベーン41)とを相対
回動させることで、クランク軸12に対する吸気側カム
軸16の回転位相(以下「カム軸位相」という)を制御
して吸気バルブのバルブタイミングを可変する。尚、ス
プロケット14には、進角制御時にロータ35を進角方
向に相対回動させる油圧力をばね力で補助するねじりコ
イルばね55(図2参照)が収容されている。
【0035】また、図3及び図4に示すように、いずれ
か1つのベーン41の両側部には、ハウジング31に対
するロータ35(ベーン41)の相対回動範囲を規制す
るストッパ部56が形成され、このストッパ部56によ
ってカム軸位相の最遅角位相と最進角位相が規制されて
いる。更に、他のベーン41に形成されたロックピン収
容孔57には、ハウジング31とロータ35(ベーン4
1)との相対回動をロックするためのロックピン58
(ロック手段)が収容され、このロックピン58がハウ
ジング31に設けられたロック穴59(図2参照)に嵌
り込むことで、カム軸位相がその調整可能範囲の略中間
位置(中間ロック位相)でロックされる。この中間ロッ
ク位相は、始動に適した位相に設定されている。
【0036】図6及び図7に示すように、ロックピン5
8は、ロックピン収容孔57の内周に嵌合された円筒部
材61内に摺動可能に挿入され、スプリング62によっ
てロック方向(突出方向)に付勢されている。ロック穴
59内の隙間はロック解除室60となっており、ロック
ピン58と円筒部材61との間に形成されたロック解除
溝63がロック解除室60に連通している。そして、遅
角室43からロック解除溝63を通してロック解除室6
0に油圧を供給するために、ベーン41には、ロック解
除溝63と遅角室43とを連通させる連通孔65が形成
されている。
【0037】図6に示すように、ロックピン58のロッ
ク時には、スプリング62によってロックピン58がロ
ック穴59に嵌まり込んだ状態に保持され、カム軸位相
が中間ロック位相で保持される。
【0038】エンジン停止中は、ロック解除室60の油
圧(遅角室43の油圧)とロック解除溝63の油圧が低
下するため、スプリング62によってロックピン58が
ロック位置に保持される。従って、エンジン始動は、ロ
ックピン58がロック位置に保持された状態(中間ロッ
ク位相)で行われ、エンジン始動後に、ロック解除室6
0の油圧(遅角室43の油圧)とロック解除溝63の油
圧が高くなると、その油圧によって次のようにしてロッ
クピン58のロックが解除される。エンジン始動後に、
遅角室43から連通孔65とロック解除溝63を通して
ロック解除室60に供給される油圧(ロック解除方向の
力)が、スプリング62のばね力よりも大きくなると、
ロック解除室60の油圧とロック解除溝63の油圧によ
ってロックピン58がロック穴59から押し出されて図
7のロック解除位置に移動し、ロックピン58のロック
が解除される。
【0039】エンジン運転中は、ロック解除室60の油
圧(遅角室43の油圧)とロック解除溝63の油圧が高
くなっているため、その油圧でロックピン58がロック
解除位置に保持され、ハウジング31とロータ35とが
相対回動可能な状態(つまりバルブタイミング制御が可
能な状態)に保持される。
【0040】エンジン運転中は、エンジン制御回路21
は、特許請求の範囲でいうバルブタイミング制御手段と
しても機能し、図8の制御ブロック図に示すように、実
進角量演算部66で、クランク角センサ20及びカム角
センサ19の出力信号に基づいて吸気側カム軸16の実
進角量(吸気バルブの実バルブタイミング)を演算する
と共に、目標進角量演算部67で、エンジン回転数、吸
気量、冷却水温等のエンジン運転状態信号に基づいて吸
気側カム軸16の目標進角量(吸気バルブの目標バルブ
タイミング)を演算する。そして、PD制御部68で、
実進角量と目標進角量との偏差に基づいてフィードバッ
ク制御電流Ifbを算出し、後述するようにして保持電流
学習部69で学習した保持電流Ih にフィードバック電
流Ifbを加算して制御電流I(I=Ih +Ifb)を求
め、この制御電流Iで油圧制御弁29ソレノイド53の
電流をフィードバック制御する。これにより、バルブタ
イミング調整装置18の進角室42と遅角室43の油圧
を制御してハウジング31とロータ35とを相対回動さ
せることで、カム軸位相を変化させて吸気カム軸16の
実進角量を目標進角量に一致させる。
【0041】ここで、保持電流Ih は、カム軸位相の進
角速度を0にする制御電流(図9参照)、つまり、カム
軸位相を一定位置に保持する油圧制御弁29の制御電流
である。前述した保持電流学習部69は、図10に示す
ように、実進角量と目標進角量とに基づいて定常状態
(カム軸位相の進角速度が0)であるか否かを判定し、
定常状態であれば、定常信号を出力して、その時の制御
電流Iを保持電流Ih として更新する。この保持電流学
習部69が特許請求の範囲でいう保持電流学習手段とし
ての役割を果たす。
【0042】一方、エンジン11を停止させる際に、エ
ンジン回転数が低下すると、オイルポンプ28の吐出圧
が低下するため、進角室42や遅角室43の油圧が低下
してくる。これにより、ロック解除室60の油圧(遅角
室43の油圧)が低下して、スプリング62のばね力が
この油圧に打ち勝つようになると、スプリング62のば
ね力によってロックピン58が突出してロック穴59に
嵌まり込むようになる。但し、ロックピン58がロック
穴59に嵌まり込むには、両者の位置が一致しているこ
と、つまり、カム軸位相が中間ロック位相に一致してい
ることが条件となる。
【0043】エンジン11が停止する際には、エンジン
回転数(オイルポンプ28の回転数)が低下して油圧が
低下するため、カム軸16の負荷トルクによりカム軸位
相が自然に遅角側に変化していき、その過程で、図6に
示すように、ロックピン58をロック穴59に嵌まり込
ませてカム軸位相を中間ロック位相でロックする。尚、
カム軸位相を中間ロック位相で確実にロックするため
に、エンジン11が停止する際に、カム軸位相を進角さ
せるように油圧制御弁29を制御するようにしても良
い。
【0044】ところで、前述したように、エンジンの始
動は、ロックピン58がロック位置に保持された状態
(中間ロック位相)で行われ、ロック解除室60の油圧
(遅角室43の油圧)又はロック解除溝63の油圧が高
くなると、その油圧によってロックピン58のロックが
解除される。しかし、エンジン始動時にロック解除室6
0(遅角室43)又はロック解除溝63に油圧が供給さ
れるようになっていると、エンジン回転数(オイルポン
プ28の回転数)の上昇に伴う油圧の上昇により、エン
ジン始動時にロックピン58のロックが解除されてしま
うおそれがある。もし、始動完了前にロックピン58の
ロックが解除されると、カム軸位相が始動に適した中間
ロック位相からずれてしまい、不適正なバルブタイミン
グで始動することになるため、始動性が悪くなり、エン
ジン始動時間が長くなったり、始動後のエンジン運転状
態が油圧が上昇するまで不安定になってしまう。
【0045】そこで、エンジン制御回路21は、図11
に示すロック解除制御プログラムを実行することで、エ
ンジン始動時に、ロック解除室60(遅角室43)とロ
ック解除溝63に油圧がかからないように進角室42の
みに油圧を供給して、始動時のロックピン58のロック
解除を防止する。そして、始動完了後に、進角室42と
遅角室43の両方に油圧をかけるように油圧制御弁29
を制御して、ロック解除室60とロック解除溝63にロ
ック解除油圧をかけてロックピン58のロックを解除す
る。
【0046】図11のロック解除制御プログラムは、イ
グニッションスイッチ25のオン後に周期的に実行さ
れ、特許請求の範囲でいうロック解除制御手段としての
役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ス
テップ101で、ロックピン58のロック状態であるか
否かを判定し、既にロック解除されている場合は、ステ
ップ102以降のロック解除処理を行うことなく本プロ
グラムを終了する。
【0047】一方、上記ステップ101で、ロック状態
と判定された場合は、ステップ102に進み、油圧制御
弁29のソレノイド53の制御電流Iを例えば0に設定
して、油圧制御弁29のスプリング54によって弁体を
進角室42のみに油圧を供給する位置に制御する。この
場合、遅角室43に油圧が供給されないため、ロック解
除室60には油圧がかからない。
【0048】その後、ステップ103に進み、冷却水温
をパラメータとする所定時間Tのマップを検索して、現
在の冷却水温に応じた所定時間Tを求める。ここで、所
定時間Tは、始動完了から、カム軸位相を制御するのに
十分な油圧を供給できる状態となるのに必要な時間より
も若干長い時間に設定される。一般に、十分な油圧を供
給できる状態となるのに必要な時間は、その時の油圧回
路のオイルの粘度(オイルの流動性)に応じて変化し、
オイルの粘度は油温に応じて変化する。従って、油温の
代用情報である冷却水温をパラメータするマップにより
所定時間Tを設定すれば、十分な油圧を供給できる状態
となるのに必要な時間が油温によって変化するのに対応
して所定時間Tを適正に設定できる。尚、冷却水温の代
わりに油温又は機関温度をパラメータとする所定時間T
のマップを用いて所定時間Tを求めるようにしても良
い。また、マップに代えて関数式を用いて所定時間Tを
算出するようにしても良い。
【0049】所定時間Tの算出後、ステップ104に進
み、始動完了からの経過時間を計時する始動後カウンタ
(図12参照)のカウント値により、始動完了から所定
時間Tが経過したか否かを判定し、所定時間Tが経過し
ていなければ、まだ、カム軸位相を制御するのに十分な
油圧を供給できないと判断して、ステップ104で待機
する。
【0050】その後、ステップ104で、始動完了から
所定時間Tが経過したと判定された時に、カム軸位相を
制御するのに十分な油圧を供給できると判断して、ステ
ップ105に進み、油圧制御弁29のをソレノイド53
の制御電流Iを、前回のエンジン運転中に学習した保持
電流Ih に設定して、進角室42と遅角室43の両方に
油圧を供給する。これにより、遅角室43からロック解
除室60とロック解除溝63にも油圧が供給されて、ロ
ック解除油圧がロックピン58のスプリング62のばね
力よりも大きくなると、ロック解除油圧によりロックピ
ン58がロック穴59から押し出されて、ロックピン5
8のロックが解除された状態となる。
【0051】以上説明した実施形態(1)のロック解除
制御の実行例を図12のタイムチャートを用いて説明す
る。イグニッションスイッチ25のオンによりエンジン
11のクランキングが開始されると、オイルポンプ28
が回転して油圧が上昇し始めるが、進角室42のみに油
圧を供給するように油圧制御弁29のソレノイド53の
制御電流を制御して、ロック解除室60(遅角室43)
とロック解除溝63には油圧がかからないようにする。
【0052】このロック解除室60とロック解除溝63
にロック解除油圧がかからない制御は、始動完了から所
定時間Tが経過するまで継続され、始動完了から、カム
軸位相を制御するのに十分な油圧を供給できる状態にな
るまでに必要な所定時間Tが経過した時点で、油圧制御
弁29のソレノイド53の制御電流を、前回のエンジン
運転中に学習した保持電流Ih に切り換えて、進角室4
2と遅角室43の両方に油圧を供給する。これにより、
遅角室43からロック解除室60とロック解除溝63に
も油圧が供給され、ロックピン58のロックが解除され
る。
【0053】以上説明した実施形態(1)によれば、始
動時には、ロック解除室60とロック解除溝63に油圧
を供給しないように油圧制御弁29を制御するので、始
動時に不用意にカム軸位相のロックが解除されてしまう
ことを確実に防止でき、不用意なロック解除による始動
性悪化、エンジン制御性悪化、騒音等の問題を回避する
ことができる。
【0054】また、始動が完了しても、カム軸位相を制
御するのに十分な油圧を供給できる状態となるまでに
は、ある程度の時間がかかることを考慮して、始動完了
から、カム軸位相を制御するのに十分な油圧を供給でき
る状態になるまでに必要な所定時間Tが経過するまで、
ロック解除室60とロック解除溝63にロック解除油圧
がかからない制御を継続し、所定時間Tが経過してか
ら、ロックピン58のロックを解除するようにしている
ので、カム軸位相を制御可能な状態となる前に、ロック
ピン58のロックが解除されてしまうことを回避するこ
とができる。
【0055】しかも、本実施形態(1)では、十分な油
圧を供給できる状態になるまでに必要な所定時間Tが、
その時の油温(オイルの粘度)に応じて変化することに
着目して、所定時間Tを油温の代用情報である冷却水温
に応じて設定するようにしているので、油温を検出する
センサを新たに設ける必要がなく、低コスト化すること
ができる。
【0056】また、本実施形態(1)では、ロック解除
室60を遅角室43と連通させて遅角室43からロック
解除室60とロック解除溝63に油圧を供給する構成と
し、始動時に進角室42のみに油圧を供給するように油
圧制御弁29を制御し、始動完了後に、進角室42と遅
角室43の両方に油圧を供給するように油圧制御弁29
を制御してロックピン58のロックを解除するようにし
ているので、ロック解除室60への油圧の供給通路の構
成を簡単化することができると共に、進角室42と遅角
室43の油圧を制御する油圧制御弁29をそのまま利用
してロック解除の制御も行うことができて、制御系の構
成も簡単化することができ、総じてコストダウンするこ
とができる。
【0057】更に、本実施形態(1)では、ロックピン
58のロックを解除する際に、油圧制御弁29のソレノ
イド53の制御電流を、前回のエンジン運転中に学習し
た保持電流Ih に制御して、進角室42と遅角室43の
両方に油圧を供給した状態で、カム軸位相のロックを解
除するので、ロックが解除された瞬間から油圧でカム軸
位相を中間ロック位相付近に保持することができ、ロッ
ク解除直後にカム軸位相が急変することを防止できて、
エンジン運転状態の安定性を損なうことなく、ロック解
除することができると共に、ロック解除直後からバルブ
タイミング(カム軸位相)を目標値に制御することがで
きる。
【0058】尚、保持電流Ih を学習する機能(保持電
流学習部69)に代えて、油温、冷却水温、エンジン温
度等の温度情報に基づいて保持電流Ih を算出する保持
電流算出手段を設け、ロックピン58のロックを解除す
る際の油圧制御弁29の制御電流を、算出した保持電流
Ih 付近に設定するようにしても良い。つまり、保持電
流Ih は、オイルの粘度(流動性)に応じて変化し、オ
イルの粘度は、油温に応じて変化するため、油温又はそ
の代用情報である冷却水温、エンジン温度に基づいて保
持電流Ih を算出することができる。このように、保持
電流Ih を算出しても、これを学習する場合とほぼ同様
の効果を得ることができる。
【0059】[実施形態(2)]次に、本発明の実施形
態(2)を図13乃至図15を用いて説明する。
【0060】上記実施形態(1)では、ロック解除室6
0を遅角室43と連通させて遅角室43からロック解除
室60とロック解除溝63に油圧を供給する構成とした
が、本実施形態(2)では、図13及び図14に示すよ
うに、ロック解除溝63と進角室43とを連通する連通
孔70をベーン41に形成して、進角室42からロック
解除溝63を通してロック穴59内のロック解除室60
に油圧を供給する構成としている。更に、オイルポンプ
28の吐出側には、油圧を検出する油圧センサ(図示せ
ず)が設けられている。尚、油圧センサを設けずに、例
えば、クランキング開始からの経過時間、冷却水温(又
は油温)、エンジン回転数等のエンジン運転状態パラメ
ータから油圧を推定するようにしても良い。その他の構
成は、上記実施形態(1)と同じである。
【0061】本実施形態(2)で実行される図15のロ
ック解除制御プログラムは、図11のステップ102を
ステップ102aの処理に変更し、ステップ103,1
04をステップ104aの処理に変更したものであり、
これ以外のステップの処理は図11と同じである。
【0062】本プログラムでは、ステップ101でロッ
ク状態と判定されると、ステップ102aに進み、油圧
制御弁29のソレノイド53の制御電流Iを、遅角室4
3のみに油圧を供給するように制御する。この場合、進
角室42に油圧が供給されないため、ロック解除室60
とロック解除溝63には油圧がかからない。
【0063】その後、ステップ104aに進み、オイル
ポンプ28から吐出される油圧が所定圧力P以上か否か
を判定する。ここで、所定圧力Pは、カム軸位相を制御
するのに十分な油圧に設定される。もし、オイルポンプ
28から吐出される油圧が所定圧力P未満であれば、ま
だ、カム軸位相を制御するのに十分な油圧を供給できな
いと判断して、ステップ104aで待機する。その後、
オイルポンプ28から吐出される油圧が所定圧力P以上
に上昇した時点で、カム軸位相を制御するのに十分な油
圧を供給できると判断して、油圧制御弁29のソレノイ
ド53の制御電流Iを保持電流Ih に設定して、進角室
42と遅角室43の両方に油圧を供給し、進角室42か
らロック解除室60とロック解除溝63に油圧を供給し
てロックピン58のロックを解除する(ステップ10
5)。
【0064】以上説明した実施形態(2)においても、
始動時には、ロック解除室60とロック解除溝63に油
圧を供給しないように制御するので、始動時に不用意に
カム軸位相のロックが解除されてしまうことを確実に防
止することができ、不用意なロック解除による始動性悪
化、エンジン制御性悪化、騒音等の問題を回避すること
ができる。
【0065】しかも、本実施形態(2)では、オイルポ
ンプ28から吐出される油圧が所定圧力P以上に上昇し
てからロック解除室60とロック解除溝63に油圧を供
給するようにしているので、油圧が実際にカム軸位相を
制御するのに十分な圧力に上昇してから、ロックピン5
8のロックを解除してバルブタイミング制御を開始する
ことができる。
【0066】尚、本実施形態(2)では、オイルポンプ
28から吐出される油圧が所定圧力P以上に上昇してか
らロック解除室60とロック解除溝63に油圧を供給す
るようにしたが、前記実施形態(1)と同じく、始動完
了から所定時間Tが経過してからロック解除室60に油
圧を供給するようにしても良い。
【0067】[実施形態(3)]次に、本発明の実施形
態(3)を図16乃至図18を用いて説明する。但し、
前記実施形態(1)と実質的に同じ部分には同一符号を
付して説明を省略する。本実施形態(3)では、図17
及び図18に示すように、ロックピン58の中央外周部
に形成された弁部71によって、円筒部材61とロック
ピン58との隙間が、ロック油圧室72とロック解除保
持用の油圧室73とに区画されている。そして、ロック
油圧室72とロック解除保持用の油圧室73に進角室4
2から油圧を供給するために、ベーン41には、進角室
42に連通するロック油路74とロック解除保持用の油
路75が形成されている。また、ハウジング31には、
ロック解除室60と遅角室43とを連通するロック解除
油路76が形成されている。
【0068】図17に示すように、エンジン停止中は、
スプリング62によってロックピン58がロック位置に
保持される。エンジン始動は、ロックピン58がロック
位置に保持された状態(中間ロック位相)で行われ、ま
ず、進角室42のみに油圧が供給される。ロックピン5
8のロック時には、ロックピン58の弁部71がロック
解除保持用の油路75を塞いで、ロック油路74をロッ
ク油圧室72に連通させた状態となっている。このた
め、進角室42からロック油圧室72に油圧が供給さ
れ、この油圧とスプリング62によってロックピン58
がロック穴59に嵌まり込んだ状態に保持され、カム軸
位相が中間ロック位相で保持される。
【0069】そして、エンジン始動完了後、進角室42
と遅角室43の両方に油圧が供給されると、その油圧に
よって次のようにしてロックピン58のロックが解除さ
れる。遅角室43からロック解除油路76を通してロッ
ク解除室60に供給される油圧によって生じるロック解
除方向の力が、ロック油圧室72の油圧とスプリング6
2によって生じるロック方向の力よりも大きくなると、
ロックピン58がロック穴59から押し出されて図18
のロック解除位置に移動し、ロックピン58のロックが
解除される。
【0070】このロック解除状態では、図18に示すよ
うに、ロックピン58の弁部71がロック油路74を塞
いで、ロック解除保持用の油路75をロック解除保持用
の油圧室73に連通させた状態となる。これにより、進
角室42からロック解除保持用の油圧室73に油圧が供
給され、このロック解除保持用の油圧室73の油圧(進
角室42の油圧)とロック解除室60の油圧(遅角室4
3の油圧)とによってロックピン58がスプリング62
に抗してロック解除位置に保持される。
【0071】エンジン運転中は、進角室42と遅角室4
3のいずれかの油圧が高くなっているため、その油圧で
ロックピン58がロック解除位置に保持され、ハウジン
グ31とロータ35とが相対回動可能な状態(つまりバ
ルブタイミング制御が可能な状態)に保持される。
【0072】エンジン11を停止時に、エンジン回転数
の低下(オイルポンプ28の吐出圧が低下)により、進
角室42や遅角室43の油圧が低下すると、ロック解除
保持用の油圧室73の油圧(進角室42の油圧)とロッ
ク解除室60の油圧(遅角室43の油圧)が低下して、
スプリング62のばね力がこれらの油圧に打ち勝つよう
になると、スプリング62のばね力によってロックピン
58が突出してロック穴59に嵌まり込むようになる。
【0073】本実施形態(3)では、エンジン制御回路
21は、前記実施形態(1)と同じ図11のロック解除
制御プログラムを実行して、エンジン始動時に、ロック
解除室60(遅角室43)に油圧がかからないように進
角室42のみに油圧を供給して、始動時のロックピン5
8のロック解除を防止する。そして、始動完了後、所定
のロック解除実行条件が成立した時に、進角室42と遅
角室43の両方に油圧をかけるように油圧制御弁29を
制御して、ロック解除室60にロック解除油圧をかけて
ロックピン58のロックを解除する。ここで、ロック解
除実行条件は、例えば、始動から所定時間が経過してい
ること、又は、オイルポンプ28から吐出される油圧が
所定値以上に上昇したこと等である。
【0074】以上説明した実施形態(3)では、ロック
ピン58がロック位置にある状態では、進角室43の油
圧をロックピン58のロック方向に作用させ、ロックピ
ン58がロック解除位置にある状態では、進角室43の
油圧をロックピン58のロック解除方向に作用させるよ
うにしているので、始動時のロック解除防止効果をより
高めることができると共に、始動完了後はロックピン5
8をロック解除位置に安定して保持することができる。
【0075】尚、上記実施形態(3)とは逆に、ロック
解除室60を進角室42に連通させ、ロック油圧室72
とロック解除保持用の油圧室73を遅角室43に連通さ
せた構成としても良く、この場合、エンジン始動時に遅
角室43のみに油圧を供給し、始動完了後に進角室42
と遅角室43の両方に油圧をかけるように油圧制御弁2
9を制御すれば良い。
【0076】[実施形態(4)]上記各実施形態(1)
〜(3)では、ロック解除室60を進角室42又は遅角
室43と連通させて進角室42又は遅角室43からロッ
ク解除室60に油圧を供給する構成としたが、図19乃
至図22に示す本発明の実施形態(4)では、進角室4
2と遅角室43とは別の経路でロック穴59内のロック
解除室60に油圧を供給する構成としている。以下、前
記実施形態(1)と異なる部分について、異符号を付し
て説明する。
【0077】図19乃至図21に示すように、進角室4
2と遅角室43の油圧を制御する油圧制御弁29の他
に、ロック解除専用の解除油圧制御弁78(流体圧力制
御手段)が設けられている。吸気側カム軸16の外周部
に追加形成された環状の解除溝77が解除油圧制御弁7
8に接続され、オイルポンプ28で汲み上げられたオイ
ルが解除油圧制御弁78を介して解除溝77に供給され
る。解除溝77に接続された解除油路79は、吸気側カ
ム軸16及びボルト37の内部を貫通してロータ35内
部に形成された連通孔80に連通するように形成され、
この連通孔80がロック解除溝63に連通している(図
20及び図21参照)。
【0078】解除油圧制御弁78は、ソレノイド82と
スプリング81で弁体を駆動する2ポート3位置切換弁
であり、弁体の位置を、ロック解除室60とロック解除
溝63に油圧を供給する位置と、ロック解除室60とロ
ック解除溝63をドレンに接続する位置と、ロック解除
室60とロック解除溝63をオイルポンプ28とドレン
のいずれにも接続しない位置との間で切り換えるように
なっている。
【0079】本実施形態(4)では、エンジン制御回路
21は、図22のロック解除制御プログラムを実行す
る。本プログラムでは、ステップ201でロック状態と
判定されると、ステップ202に進み、解除油圧制御弁
78のソレノイド82の制御電流を、ロック解除室60
とロック解除溝63に油圧を供給しない位置(例えばロ
ック解除室60とロック解除溝63をドレンに接続する
位置)に弁体が切り換わるように制御する。
【0080】その後、ステップ203に進み、油圧制御
弁29のソレノイド53の制御電流を遅角室43のみに
油圧を供給するように制御し、次のステップ204で、
遅角室43への油圧供給開始から所定時間Sが経過した
か否かを判定する。ここで、所定時間Sは、油圧の供給
によって装置内部のエアーが抜けるのに必要な時間に設
定される。もし、所定時間Sが経過していなければ、ま
だ、装置内部のエアー抜きが十分でないと判断して、ス
テップ204で待機する。
【0081】その後、ステップ204で、遅角室43へ
の油圧供給開始から所定時間Sが経過したと判定された
とき、装置内部のエアー抜きがされたと判断して、ステ
ップ205に進み、油圧制御弁29のソレノイド53の
制御電流Iを保持電流Ih に設定して、進角室42と遅
角室43の両方に油圧を供給し、次のステップ206
で、始動完了から所定時間Tが経過したか否かを判定す
る。この所定時間Tは、冷却水温、機関温度、流体温度
等に応じてマップ又は関数式により算出され、始動完了
からカム軸位相を制御するのに十分な油圧を供給するの
に必要な時間よりも若干長い時間に設定される。始動完
了から所定時間Tが経過していなければ、まだ、カム軸
位相を制御するのに十分な油圧を供給できないと判断し
て、ステップ206で待機する。
【0082】その後、ステップ206で、始動完了から
所定時間Tが経過したと判定された時に、カム軸位相を
制御するのに十分な油圧が供給されたと判断して、ステ
ップ207に進み、解除油圧制御弁78のソレノイド8
2の制御電流をロック解除室60とロック解除溝63に
油圧を供給するように制御して、ロックピン58のロッ
クを解除する。
【0083】以上説明した実施形態(4)においても、
始動時にロック解除室60とロック解除溝63に油圧を
供給しないので、始動時にロックピン58のロックが解
除されてしまうことを確実に防止でき、始動性悪化、エ
ンジン制御性悪化、騒音等の問題を回避することができ
る。
【0084】ところで、本実施形態(4)のように、進
角室42と遅角室43とは別の経路でロック解除室60
とロック解除溝63に油圧を供給するシステムでは、ロ
ックピン58のロックを解除する際に、進角室42と遅
角室43の両方に油圧を同時に供給するようにしても良
いが、そうすると、装置内部に入り込んだエアーの抜け
道が無くなってしまい、進角室42や遅角室43にエア
ーが溜まって油圧の供給が妨げられてしまうおそれがあ
る。
【0085】その点、本実施形態(4)では、ロックピ
ン58のロックを解除する際に、まず、遅角室43に油
圧を供給して装置内部のエアー抜きをし、エアーが抜け
るのに必要な所定時間Sが経過してから、進角室42と
遅角室43の両方に油圧を供給するようにしているの
で、ロック解除を行う毎に装置内部のエアー抜きを行う
ことができて、進角室42や遅角室43にエアーが溜ま
ることを防止することができ、エアーによる油圧の供給
不良を防止することができ、動作信頼性を向上すること
ができる。
【0086】尚、上記実施形態(4)では、遅角室43
に油圧を供給してから両室42,43に油圧を供給する
ようにしたが、進角室42に油圧を供給してから両室4
2,43に油圧を供給するようにしても良い。
【0087】また、進角室42と遅角室43の油圧制御
と、ロック解除室60とロック解除溝63の油圧制御を
別々の制御弁(油圧制御弁29と解除油圧制御弁78)
で行うようにしたが、進角室42と遅角室43の油圧制
御と、ロック解除室60とロック解除溝63の油圧制御
を1つの制御弁で行うようにしても良い。
【0088】以上説明した各実施形態では、ロックピン
58のロックを解除する際に、油圧制御弁29(ソレノ
イド53)の制御電流を、学習又は算出した保持電流I
h に設定するようにしたが、油圧制御弁29の制御電流
を、学習又は算出した保持電流Ih を現在の運転状態や
制御仕様等に応じてオフセットさせた値に設定するよう
にしても良い。このようにすれば、ロック解除時の油圧
制御弁29の制御電流を更に最適化することができる。
【0089】また、上記各実施形態は、本発明を吸気バ
ルブの可変バルブタイミング制御装置に適用したもので
あるが、本発明は、排気バルブの可変バルブタイミング
制御装置に適用しても良い。その他、本発明は、バルブ
タイミング調整装置の構造を適宜変更しても良く、要
は、カム軸位相を中間ロック位相でロックする方式のバ
ルブタイミング調整装置であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)を示す制御システム全
体の概略構成図。
【図2】実施形態(1)のバルブタイミング調整装置の
縦断面図
【図3】図2のA−A線に沿って示す断面図
【図4】図2のB−B線に沿って示す断面図
【図5】図4のC−C線に沿って示す断面図
【図6】実施形態(1)のロックピンのロック状態を示
す部分拡大断面図
【図7】実施形態(1)のロックピンのロック解除状態
を示す部分拡大断面図
【図8】エンジン制御回路のバルブタイミング制御を説
明するための制御ブロック図
【図9】カム軸位相の進角速度特性を示す図
【図10】保持電流学習部の保持電流学習方法を説明す
るためのブロック図
【図11】実施形態(1)のロック解除制御プログラム
の処理の流れを示すフローチャート
【図12】実施形態(1)の制御例を示すタイムチャー
【図13】本発明の実施形態(2)のバルブタイミング
調整装置の断面図
【図14】実施形態(2)のロックピンのロック状態を
示す部分拡大断面図
【図15】実施形態(2)のロック解除制御プログラム
の処理の流れを示すフローチャート
【図16】本発明の実施形態(3)のバルブタイミング
調整装置の断面図
【図17】実施形態(3)のロックピンのロック状態を
示す部分拡大断面図
【図18】実施形態(3)のロックピンのロック解除状
態を示す部分拡大断面図
【図19】本発明の実施形態(4)のバルブタイミング
調整装置の縦断面図
【図20】図19のD−D線に沿って示す断面図
【図21】実施形態(4)のロックピンのロック状態を
示す部分拡大断面図
【図22】実施形態(4)のロック解除制御プログラム
の処理の流れを示すフローチャート
【図23】従来のバルブタイミング調整装置の断面図
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…クランク軸、1
4,15…スプロケット、16…吸気カム軸、17…排
気カム軸、18…バルブタイミング調整装置、19…カ
ム角センサ、20…クランク角センサ、21…エンジン
制御回路(バルブタイミング制御手段,ロック解除制御
手段)、28…オイルポンプ、29…油圧制御弁(流体
圧力制御手段)、31…ハウジング(第1の回転体)、
35…ロータ(第2の回転体)、40…流体室、41…
ベーン、42…進角室、43…遅角室、53…ソレノイ
ド、54…スプリング、58…ロックピン(ロック手
段)、59…ロック穴、60…ロック解除室、69…保
持電流学習部(保持電流学習手段)、72…ロック油圧
室、73…ロック解除保持用の油圧室、78…解除油圧
制御弁(流体圧力制御手段)、79…解除油路。
フロントページの続き (72)発明者 井上 正臣 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G016 AA19 BA23 BA28 CA04 CA24 CA26 CA36 DA06 DA22 DA23 GA01 GA03 GA04 GA07 3G084 BA23 CA01 CA07 DA08 DA39 EB11 EB17 FA10 FA11 FA20 FA33 FA36 FA38 3G092 AA11 DA01 DA02 DA09 DF04 DF05 DF06 DG02 DG05 EA09 EA11 EA12 EA13 EA14 EA15 EA17 EB02 EB03 EC01 EC05 FA00 FA09 FA14 FA31 FA50 GA01 GA10 HA05Z HA06Z HA13X HA13Z HE00Z HE01Z HE03Z HE08Z HF19Z

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク軸と同期して回転す
    る第1の回転体と、 前記第1の回転体と同軸状に配置され、吸気バルブ又は
    排気バルブを開閉駆動するカム軸に連結された第2の回
    転体と、 前記第1の回転体と前記第2の回転体のいずれか一方に
    設けられ、両回転体間に形成された流体室を進角室と遅
    角室とに区画するベーンと、 前記進角室と前記遅角室に供給する流体圧力を制御する
    流体圧力制御手段と、 前記流体圧力制御手段を制御して前記進角室と前記遅角
    室の流体圧力をそれぞれ変化させて前記第1の回転体と
    前記第2の回転体とを相対回動させることで、前記クラ
    ンク軸に対する前記カム軸の回転位相(以下「カム軸位
    相」という)を変化させてバルブタイミングを可変制御
    するバルブタイミング制御手段と、 内燃機関の停止中及び始動時に前記カム軸位相をその調
    整可能範囲の中間ロック位相でロックするように付勢さ
    れたロック手段と、 前記ロック手段による前記カム軸位相のロックを解除す
    る流体圧力が供給されるロック解除室とを備えた内燃機
    関の可変バルブタイミング制御装置において、 始動時に前記ロック解除室にロック解除を起こさせる流
    体圧力がかからないように前記流体圧力制御手段を制御
    するロック解除制御手段を備えていることを特徴とする
    内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ロック解除室は、前記遅角室と連通
    されて該遅角室から流体圧力が供給され、 前記ロック解除制御手段は、始動時に前記進角室のみに
    流体圧力を供給するように前記流体圧力制御手段を制御
    することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変
    バルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ロック解除室は、前記進角室と連通
    されて該進角室から流体圧力が供給され、 前記ロック解除制御手段は、始動時に前記遅角室のみに
    流体圧力を供給するように前記流体圧力制御手段を制御
    することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変
    バルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロック解除室は、前記進角室と前記
    遅角室とは別の経路で流体圧力が供給され、 前記ロック解除制御手段は、始動時に前記ロック解除室
    にロック解除を起こさせる流体圧力がかからないように
    制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    可変バルブタイミング制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ロック解除制御手段は、始動完了か
    ら所定期間が経過するまでは、前記ロック解除室にロッ
    ク解除を起こさせる流体圧力がかからない制御を継続す
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  6. 【請求項6】 前記ロック解除制御手段は、前記所定期
    間を流体温度に応じて設定することを特徴とする請求項
    5に記載の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ロック解除制御手段は、前記所定期
    間を冷却水温又は機関温度に応じて設定することを特徴
    とする請求項5に記載の内燃機関の可変バルブタイミン
    グ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記ロック解除制御手段は、前記流体圧
    力制御手段で制御する流体圧力が所定圧力以上になった
    ときに前記ロック解除室への流体圧力の供給を開始する
    ことを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の内燃機関の可変バルブタイミング制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ロック解除制御手段は、前記ロック
    手段のロックを解除する際に、前記進角室と前記遅角室
    の少なくとも一方に流体圧力を供給した状態で、前記ロ
    ック解除室に流体圧力を供給して前記ロック手段のロッ
    クを解除することを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    かに記載の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  10. 【請求項10】 前記ロック解除制御手段は、前記ロッ
    ク手段のロックを解除する際に、前記進角室と前記遅角
    室の両方に流体圧力を供給するように前記流体圧力制御
    手段を制御して前記ロック手段のロックを解除すること
    を特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の内燃機
    関の可変バルブタイミング制御装置。
  11. 【請求項11】 前記ロック解除制御手段は、前記ロッ
    ク手段のロックを解除する際に、前記進角室と前記遅角
    室の一方の室に流体圧力を供給してから他方の室に流体
    圧力を供給して両方の室に流体圧力をかけた状態で、前
    記ロック解除室に流体圧力を供給して前記ロック手段の
    ロックを解除することを特徴とする請求項4に記載の内
    燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  12. 【請求項12】 前記カム軸位相を保持する前記流体圧
    力制御手段の制御電流を保持電流として学習する保持電
    流学習手段を備え、 前記ロック解除制御手段は、前記ロック手段のロックを
    解除する際の前記流体圧力制御手段の制御電流を、前記
    保持電流学習手段で学習した保持電流付近に設定するこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の内
    燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  13. 【請求項13】 流体温度、冷却水温、機関温度等の温
    度情報に基づいて前記カム軸位相を保持する前記流体圧
    力制御手段の制御電流を保持電流として算出する保持電
    流算出手段を備え、 前記ロック解除制御手段は、前記ロック手段のロックを
    解除する際の前記流体圧力制御手段の制御電流を、前記
    保持電流算出手段で算出した保持電流付近に設定するこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の内
    燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  14. 【請求項14】 前記ロック解除制御手段は、前記ロッ
    ク手段のロックを解除する際の前記流体圧力制御手段の
    制御電流を、前記保持電流を所定値オフセットさせた値
    に設定することを特徴とする請求項12又は13に記載
    の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
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