JP2007198168A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関のクランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転部材2と、駆動側回転部材2に対して相対回転可能に同軸に配置され、内燃機関の弁開閉用のカムシャフトに対して一体回転する従動側回転部材1とを備え、駆動側回転部材2に対する従動側回転部材1の相対回転位相が中間位相状態にロックされている内燃機関の始動時において、第1流体給排手段76は、進角室43又は遅角室42の一方に流体を充填した後、流体が充填された一方を流体の排出可能な状態にしながら進角室43又は遅角室42の他方に流体を充填し、第2流体給排手段77は、相対回転位相の中間位相状態におけるロック解除を行う。
【選択図】図3
Description
このようなロック解除制御を行うことで、ロック解除された時点では既に進角室及び遅角室の両方に流体が充填されている。その結果、ロック解除されると直ぐに進角室又は遅角室への流体の供給及び排出を行うことで相対回転位相の制御を開始できる。
尚、進角室及び遅角室の両方へ流体が充填される前にロック解除されると、ロック解除されたときに、流体が充填されていない方へ相対回転位相が急変動するという問題がある。また、進角室及び遅角室への流体の充填が終了するまでは相対回転位相の制御を行えないので、ロック解除後も進角室及び遅角室への流体の供給を継続しなければならない。
前記駆動側回転部材に対して相対回転可能に同軸に配置され、前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトに対して一体回転する従動側回転部材と、
前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材とにより形成される流体圧室であって、前記流体圧室のうち、前記流体が供給されることにより前記駆動側回転部材に対する前記従動側回転部材の相対回転位相を前記相対回転の方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と前記相対回転位相を前記相対回転の方向のうち進角方向に移動させる進角室と、
前記相対回転位相を中間位相状態にロックするロック機構と、
前記進角室へ流体を供給可能であり且つ前記遅角室から流体を排出可能である状態と、前記進角室から流体を排出可能であり且つ前記遅角室へ流体を供給可能な状態との間で、前記進角室及び前記遅角室への流体の供給量及び排出量を調節可能な第1流体給排手段と、
前記進角室及び前記遅角室への流体の供給及び排出とは別に、前記ロック機構への流体の供給及び前記ロック機構からの流体の排出を行って、前記相対回転位相の前記中間位相状態におけるロック及びロック解除を行う第2流体給排手段と、
前記第1流体給排手段及び前記第2流体給排手段による流体の給排状態を制御する制御手段と、を備える弁開閉時期制御装置であって、
前記相対回転位相が前記中間位相状態にロックされている前記内燃機関の始動時において、
前記第1流体給排手段は、前記進角室又は前記遅角室の一方に流体を充填した後、流体が充填された一方を流体の排出可能な状態にしながら前記進角室又は前記遅角室の他方に流体を充填し、
前記第2流体給排手段は、前記相対回転位相の前記中間位相状態におけるロック解除を行う点にある。
更に、上述したように流体を供給しても進角室及び遅角室の容積は変化しないことが確保されている。容積が減少すると、そこに存在する流体を強制的に排出しようとする圧力が加わることになるのだが、本発明の弁開閉時期制御装置では、進角室への流体供給中に遅角室の容積が減少することや、その逆は発生しないので、一旦供給された流体は強制的に排出されること無く、そのまま存在することになる。そして、第2流体給排手段は、相対回転位相の中間位相状態におけるロック解除を行うので、ロック解除された時点において進角室及び遅角室の両方に流体が充填されている状態が得られる。その結果、ロック解除されると直ぐに進角室又は遅角室への流体の供給を行って、相対回転位相の制御に移行できる。
従って、内燃機関の始動を迅速に行うことができ、且つ、始動後に直ちに相対回転位相の制御を開始できる弁開閉時期制御装置を提供できる。
ところが本特徴構成における弁開閉時期制御装置では、制御手段が、進角室及び前記遅角室の両方に流体を充填した後において、第1流体給排手段に対して、進角室及び遅角室の両方への流体の供給を停止する制御を開始させた後で、第2流体給排手段に対してロック解除を行うように指示する。その結果、ロック解除を行うとき、相対回転位相が進角方向又は遅角方向の何れの方向にも付勢されていない。従って、相対回転位相をロックするロック機構の構成部品へは、進角方向又は遅角方向の何れの方向にも荷重が加えられておらず、ロック解除が阻害されないようにできる。
ところが本特徴構成における弁開閉時期制御装置では、制御手段が、進角室及び遅角室の両方に流体を充填した後において、第1流体給排手段に対して、進角室及び遅角室へ流体を交互に供給する制御を開始させた後に、第2流体給排手段に対して、ロック解除を行うように指示する。その結果、ロック解除の際、進角室に流体圧力を供給する期間と、遅角室に流体圧力を供給する期間との間で、相対回転位相をロックするロック機構の構成部品へは、進角方向又は遅角方向の何れの方向にも荷重が加えられない期間を作り出すことができる。従って、ロック解除が阻害されないようにできる。
以下に、図面を参照して本発明の第1実施形態に係る弁開閉時期制御装置について説明する。図1は、本実施形態に係る弁開閉時期制御装置の全体構成を示す側断面図であり、図2は、流体制御弁(OCV)の作動構成を示す図である。また、図3〜図6は、弁開閉時期制御装置の各作動状態における図1のA−A断面図である。
上記外部ロータ2は、上記内部ロータ1に対して所定の相対回転位相の範囲内で相対回転可能に外装され、フロントプレート22、リアプレート23及び外部ロータ2の外周に一体的に設けたタイミングスプロケット20を備える。
タイミングスプロケット20とエンジンのクランクシャフトに取り付けられたギアとの間には、タイミングチェーンやタイミングベルト等の動力伝達部材24が架設される。
また、相対回転位相を中間位相状態にロックするロック機構6も設けられている。
〔流体圧室40〕
図3に示すように、上記外部ロータ2には、径内方向に突出するシューとして機能する突部4の複数個が回転方向に沿って互いに離間して並設されている。そして、外部ロータ2の隣接する突部4の夫々の間には、内部ロータ1と外部ロータ2との間で規定される流体圧室40が形成されている。
以上のように、上記流体制御弁(OCV)76は本発明の「第1流体給排手段」に相当する。
以上のように、上記OSV77は本発明の「第2流体給排手段」に相当する。
図1〜図6に示すように、油圧回路7は、上記進角通路11及び上記遅角通路10を介して進角室43及び遅角室42の一方若しくは両方に対する作動油としてのエンジンオイルの給排出を実行し、ベーン5の流体圧室40での相対位置を変更して、外部ロータ2に対する内部ロータ1の相対回転位相(以下、相対回転位相と呼ぶ。)を最進角位相(進角室43の容積が最大となるときの両ロータ1,2の相対回転位相)と最遅角位相(遅角室42の容積が最大となるときの両ロータ1,2の相対回転位相)との間で調整可能な相対回転位相調整機構として機能する。
以上のように、エンジンオイルは本発明の「流体」に相当する。
この油圧回路7において、上記進角通路11及び上記遅角通路10が上記OCV76の所定のポートに接続され、上記ロック油通路63が上記OSV77の所定のポートに接続されている。
図1に示すように、内部ロータ1と外部ロータ2との間には、両ロータ1,2の相対回転位相を進角側に付勢する付勢機構としてのトーションスプリング8が設けられている。
このトーションスプリング8は、例えば図3において、S1で示す方向に外部ロータ2を内部ロータ1に対して付勢する。
内部ロータ1と外部ロータ2との間には、両ロータ1,2の相対回転位相が最進角位相と最遅角位相との間に設定された所定の中間位相状態(ロック位相)にあるときに、両ロータ1,2の相対回転を拘束可能なロック機構6が設けられている。本願では、この中間位相がエンジン始動時の位相である。
即ち、油圧回路7は、ロック油通路63を介して、ロック油室62にロック油としてのエンジンオイルの給排出を実行するように構成され、OSV77からロック油室62にロック油が供給されると、図6に示すように、ロック体60が外部ロータ2側に引退して、両ロータ1,2の相対回転のロック状態が解除される。
第2実施形態の弁開閉時期制御装置のロック解除制御は、ECU9が、進角室43及び遅角室42の両方に流体を充填した後において、OCV76に対して、進角室43及び遅角室42へ流体を交互に供給する制御を開始させた後に、OSV77に対してロック解除を行うように指示することに特徴がある。以下に、第2実施形態のロック解除制御について図9及び図10を参照して説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
具体的には、図10は、第2実施形態のロック解除制御のフローチャートであり、ステップ#20〜ステップ#23及びステップ#25は、図8に示した第1実施形態のステップ#10〜ステップ#13及びステップ#15と同様である。従って、図10のステップ#24について以下に詳細に説明する。
<1>
上記実施形態では、図7及び図9を参照してECU9による制御タイミングについて説明したが、各制御タイミングは変更可能である。
例えば、第1実施形態の改変例として図11に示すように、図7に示した時刻t4と時刻t5とは同時でもよい。但し、図11では時刻t5(=t4)のみを示している。具体的には、進角室43及び遅角室42の両方への作動油の供給を停止する制御を開始させる時刻(t4)と、OSV77に対してロック解除を行うように指示する時刻(t5)とは同時でもよい。
同様に、図示はしないが、図9において時刻t14と時刻t15とは同時でもよい。具体的には、進角室43及び遅角室42へ流体を交互に供給する制御を開始させる時刻(t14)と、OSV77に対してロック解除を行うように指示する時刻(t15)とは同時でもよい。
上記実施形態では、進角室43に対して作動油を充填した後で遅角室42に対して作動油を充填する例について説明したが、作動油を充填する順序は変更可能である。つまり、本発明における弁開閉時期制御装置では、OCV76は、進角室43又は遅角室42の一方に作動油を充填した後、作動油が充填された一方を作動油の排出可能な状態にしながら進角室43又は遅角室42の他方に流体を充填すればよい。
上記実施形態では、ポンプ70を単一の装置で説明したが、例えば、機械式ポンプ及び電動式ポンプの2つのポンプによって実現してもよい。このとき、機械式ポンプはエンジンが回転している状態、主に相対回転位相の制御を行う場合に作動する。他方で、電動式ポンプは、機械式ポンプからのエンジンオイルの供給圧が不十分となるとき(例えば、始動制御時及び停止制御時)に働く。また、機械式ポンプと電動式ポンプとの配置は、オイルパン75に対して並列配置とすることが好ましい。このような並列配置では、機械式ポンプ及び電動式ポンプの両方がオイルパン75と直接連通するので、エンジンの停止中であっても、必要な部位へエンジンオイルの供給を行える。
2 外部ロータ(駆動側回転部材)
3 カムシャフト
6 ロック機構
9 電子制御ユニット(ECU、制御手段)
40 流体圧室
42 遅角室
43 進角室
76 流体制御弁(OCV、第1流体給排手段)
77 流体切換弁(OSV、第2流体給排手段)
Claims (4)
- 内燃機関のクランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転部材と、
前記駆動側回転部材に対して相対回転可能に同軸に配置され、前記内燃機関の弁開閉用のカムシャフトに対して一体回転する従動側回転部材と、
前記駆動側回転部材と前記従動側回転部材とにより形成される流体圧室であって、前記流体圧室のうち、流体が供給されることにより前記駆動側回転部材に対する前記従動側回転部材の相対回転位相を前記相対回転の方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と前記相対回転位相を前記相対回転の方向のうち進角方向に移動させる進角室と、
前記相対回転位相を中間位相状態にロックするロック機構と、
前記進角室へ流体を供給可能であり且つ前記遅角室から流体を排出可能である状態と、前記進角室から流体を排出可能であり且つ前記遅角室へ流体を供給可能な状態との間で、前記進角室及び前記遅角室への流体の供給量及び排出量を調節可能な第1流体給排手段と、
前記進角室及び前記遅角室への流体の供給及び排出とは別に、前記ロック機構への流体の供給及び前記ロック機構からの流体の排出を行って、前記相対回転位相の前記中間位相状態におけるロック及びロック解除を行う第2流体給排手段と、
前記第1流体給排手段及び前記第2流体給排手段による流体の給排状態を制御する制御手段と、を備える弁開閉時期制御装置であって、
前記相対回転位相が前記中間位相状態にロックされている前記内燃機関の始動時において、
前記第1流体給排手段は、前記進角室又は前記遅角室の一方に流体を充填した後、流体が充填された一方を流体の排出可能な状態にしながら前記進角室又は前記遅角室の他方に流体を充填し、
前記第2流体給排手段は、前記相対回転位相の前記中間位相状態におけるロック解除を行う弁開閉時期制御装置。 - 前記制御手段は、前記進角室及び前記遅角室の両方に流体を充填した後において、前記第1流体給排手段に対して、前記進角室及び前記遅角室の両方への流体の供給を停止する制御を開始させた後で、前記第2流体給排手段に対して、前記ロック解除を行うように指示する請求項1記載の弁開閉時期制御装置。
- 前記制御手段は、前記進角室及び前記遅角室の両方に流体を充填した後において、前記第1流体給排手段に対して、前記進角室及び前記遅角室へ流体を交互に供給する制御を開始させた後に、前記第2流体給排手段に対して、前記ロック解除を行うように指示する請求項1記載の弁開閉時期制御装置。
- 前記第1流体給排手段は、前記進角室及び前記遅角室に接続される流路の途中に設けられ、流路を開閉可能なスプールを有するソレノイド式の流体制御弁を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
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