JP2001039289A - 車両の路面摩擦係数推定装置 - Google Patents

車両の路面摩擦係数推定装置

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JP2001039289A JP11217508A JP21750899A JP2001039289A JP 2001039289 A JP2001039289 A JP 2001039289A JP 11217508 A JP11217508 A JP 11217508A JP 21750899 A JP21750899 A JP 21750899A JP 2001039289 A JP2001039289 A JP 2001039289A
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vehicle
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】累積誤差の影響がなく、外乱にも強く、また、
位相遅れも小さく、推定可能な範囲が広く、確実に高精
度な路面摩擦係数の推定を行う。 【解決手段】高μ路基準推定部11は高μ路車両運動
モデルで高μ路基準のヨーレートと前輪すべり角を演算
し、低μ路基準推定部12は低μ路車両運動モデルで
低μ路基準のヨーレートと前輪すべり角を演算し、実際
推定部13は車両運動モデルによるオブザーバで
ーレートと前輪すべり角を演算する。ヨーレート比較
路面μ推定部14は各ヨーレートを比較し路面摩擦係数
を推定し、この路面摩擦係数が得られない場合、リサー
ジュ図処理部15、リサージュ図路面μ推定部16は各
ヨーレート間で形成したリサージュ図を基に路面摩擦係
数を推定し、更に路面摩擦係数が得られない場合、前輪
すべり角比較路面μ推定部17は各前輪すべり角を比較
し路面摩擦係数を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、幅広い車両運動領
域で精度良く路面摩擦係数を推定する車両の路面摩擦係
数推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両においてはトラクション制
御,制動力制御,或いはトルク配分制御等について様々
な制御技術が提案され、実用化されている。これらの技
術では、必要な制御パラメータの演算、或いは、補正に
路面摩擦係数を用いるものも多く、その制御を確実に実
行するためには、正確な路面摩擦係数を推定する必要が
ある。
【0003】この路面摩擦係数を推定する技術は、本出
願人も、例えば特願平10−242030号で、高μ路
での車両運動モデルによる高μ路基準車体すべり角、低
μ路での車両運動モデルによる低μ路基準車体すべり
角、車両運動モデルで形成したオブザーバによる推定車
体すべり角をそれぞれ演算し、これら高μ路基準車体す
べり角,低μ路基準車体すべり角,推定車体すべり角か
ら路面摩擦係数を推定する技術を提案している。
【0004】この路面摩擦係数推定の技術では、路面摩
擦係数に応じて操舵に対する応答特性が大きく変化する
車体すべり角を利用して路面摩擦係数を推定するため、
路面摩擦係数の推定が困難な微小操舵領域においても、
確実に、高精度な路面摩擦係数の推定を行うことが可能
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術では、路面摩擦係数推定のために求める車体すべ
り角は積分計算により求められるため、演算を繰り返す
うちに累積誤差が生じて正しい路面摩擦係数が得られに
くくなるという新たな課題が生じた。
【0006】また、車体すべり角は非常に小さい値であ
るため外乱に弱く、路面状態変化による微小な変化を求
めるためのパラメータとしてはあまり適当ではないこと
が確認されてきた。
【0007】さらに、上記先行技術に示すような車両運
動比較による路面摩擦係数推定は、基本的にコーナリン
グフォースが路面摩擦係数によって変化することを利用
している。しかし、車体すべり角は、コーナリングフォ
ースの発生により変動する量であるが、幾何学的な条件
でも変動してしまうため、コーナリングフォースとの関
連性が比較的弱く、推定できる範囲が狭いといった問題
も生じた。具体的には、車速40〜50km/hの範囲で、
通常操舵を行うと車体すべり角は0に近い値となり、パ
ラメータ比較による推定が困難になってしまう。
【0008】また、車体すべり角は、路面状態などの影
響により位相反転や位相遅れが生じやすく、大きさの比
較によって路面摩擦係数を求める際には、これが誤判定
の要因となる可能性もある。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、累積誤差の影響がなく、外乱にも強く、また、位相
遅れも小さく、推定可能な範囲が広く、確実に、高精度
な路面摩擦係数の推定を行うことができる車両の路面摩
擦係数推定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明による車両の路面摩擦係数推定装
置は、車両の運動状態を検出する運動状態検出手段と、
車両の運動モデルによりオブザーバを形成し、このオブ
ザーバに検出した車両運動状態を入力してヨーレートと
横加速度の少なくとも一方のパラメータを基本パラメー
タとして推定する基本パラメータ推定手段と、高μ路面
における車両の運動モデルを予め形成し、この高μ路車
両運動モデルに検出した車両運動状態を入力して高μ路
面における上記パラメータを高μ路基準パラメータとし
て推定する高μ路基準パラメータ推定手段と、低μ路面
における車両の運動モデルを予め形成し、この低μ路車
両運動モデルに検出した車両運動状態を入力して低μ路
面における上記パラメータを低μ路基準パラメータとし
て推定する低μ路基準パラメータ推定手段と、上記基本
パラメータと上記高μ路基準パラメータと上記低μ路基
準パラメータを基に路面摩擦係数を推定する路面μ推定
手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】上記請求項1記載の車両の路面摩擦係数推
定装置は、まず、運動状態検出手段で車両の運動状態を
検出する。車両の運動モデルによりオブザーバを形成し
た基本パラメータ推定手段では、このオブザーバに検出
した車両運動状態を入力してヨーレートと横加速度の少
なくとも一方のパラメータを基本パラメータとして推定
する。高μ路面における車両の運動モデルを予め形成し
た高μ路基準パラメータ推定手段では、この高μ路車両
運動モデルに検出した車両運動状態を入力して高μ路面
における上記パラメータを高μ路基準パラメータとして
推定する。低μ路面における車両の運動モデルを予め形
成した低μ路基準パラメータ推定手段では、この低μ路
車両運動モデルに検出した車両運動状態を入力して低μ
路面における上記パラメータを低μ路基準パラメータと
して推定する。そして、路面μ推定手段は、上記基本パ
ラメータと上記高μ路基準パラメータと上記低μ路基準
パラメータを基に路面摩擦係数を推定する。
【0012】また、請求項2記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、請求項1記載の車両の路面摩
擦係数推定装置において、上記路面μ推定手段は、予め
設定した条件が成立するとき、上記基本パラメータと上
記高μ路基準パラメータとでリサージュ図を形成して高
μ路側のリサージュ図面積を演算すると共に、上記基本
パラメータと上記低μ路基準パラメータとでリサージュ
図を形成して低μ路側のリサージュ図面積を演算し、こ
れら高μ路側リサージュ図面積と低μ路側リサージュ図
面積との関係から過去に推定した路面摩擦係数を補正し
て今回の路面摩擦係数を推定することを特徴とするもの
で、舵角入力に対する遅れが生じる場合であっても、遅
れに対して敏感に変化するリサージュ図面積の関係から
路面摩擦係数を補正して路面摩擦係数を精度良く推定す
る。
【0013】さらに、請求項3記載の本発明による車両
の路面摩擦係数推定装置は、請求項1又は請求項2記載
の車両の路面摩擦係数推定装置において、上記基本パラ
メータ推定手段は、上記オブザーバによりさらに前輪す
べり角を基本パラメータとして推定し、上記高μ路基準
パラメータ推定手段は、上記高μ路車両運動モデルによ
りさらに高μ路面における前輪すべり角を高μ路基準パ
ラメータとして推定し、上記低μ路基準パラメータ推定
手段は、上記低μ路車両運動モデルによりさらに低μ路
面における前輪すべり角を低μ路基準パラメータとして
推定し、上記路面μ推定手段は、ヨーレートまたは横加
速度に関する基本パラメータ、高μ路基準パラメータ、
低μ路基準パラメータから推定された路面摩擦係数と、
前輪すべり角に関する基本パラメータ、高μ路基準パラ
メータ、低μ路基準パラメータから推定された路面摩擦
係数とから最終的な路面摩擦係数を推定することを特徴
とするもので、応答性を重視したパラメータである前輪
すべり角を基に得られる路面摩擦係数をも用いて最終的
な路面摩擦係数を推定する。
【0014】また、請求項4記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、車両の運動状態を検出する運
動状態検出手段と、車両の運動モデルによりオブザーバ
を形成し、このオブザーバに上記車両運動状態を入力し
て前輪すべり角を基本パラメータとして推定する基本パ
ラメータ推定手段と、高μ路面における車両の運動モデ
ルを予め形成し、この高μ路車両運動モデルに上記車両
運動状態を入力して高μ路面における前輪すべり角を高
μ路基準パラメータとして推定する高μ路基準パラメー
タ推定手段と、低μ路面における車両の運動モデルを予
め形成し、この低μ路車両運動モデルに上記車両運動状
態を入力して低μ路面における前輪すべり角を低μ路基
準パラメータとして推定する低μ路基準パラメータ推定
手段と、上記基本パラメータと上記高μ路基準パラメー
タと上記低μ路基準パラメータを基に路面摩擦係数を推
定する路面μ推定手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】上記請求項4記載の車両の路面摩擦係数推
定装置は、まず、運動状態検出手段で車両の運動状態を
検出する。車両の運動モデルによりオブザーバを形成し
た基本パラメータ推定手段では、このオブザーバに上記
車両運動状態を入力して前輪すべり角を基本パラメータ
として推定する。高μ路面における車両の運動モデルを
予め形成した高μ路基準パラメータ推定手段では、この
高μ路車両運動モデルに上記車両運動状態を入力して高
μ路面における前輪すべり角を高μ路基準パラメータと
して推定する。低μ路面における車両の運動モデルを予
め形成した低μ路基準パラメータ推定手段では、この低
μ路車両運動モデルに上記車両運動状態を入力して低μ
路面における前輪すべり角を低μ路基準パラメータとし
て推定する。そして、路面μ推定手段は、上記基本パラ
メータと上記高μ路基準パラメータと上記低μ路基準パ
ラメータを基に路面摩擦係数を推定する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図9は本発明の実施の形態
を示し、図1は路面摩擦係数推定装置の構成を示す機能
ブロック図、図2は4輪車の等価的な2輪車モデルを示
す説明図、図3はオブザーバの構成を示す説明図、図4
は2つの波形により描かれるリサージュ図面積の演算の
説明図、図5は2つの波形により描かれるリサージュ図
の説明図、図6は路面摩擦係数推定のフローチャート、
図7は図6の続きのフローチャート、図8は図7の続き
のフローチャート、図9は図8の続きのフローチャート
である。
【0017】図1において、符号1は車両に搭載され、
路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置を示し、
この路面摩擦係数推定装置1の制御部2には、前輪舵角
センサ3、車速センサ4、横加速度センサ5およびヨー
レートセンサ6の運動状態検出手段が接続され、それぞ
れ、前輪舵角δfs,車速Vs ,横加速度(d2 y/dt
2 )s ,ヨーレート(ヨー角速度)(dψ/dt)s が
入力されるようになっている。尚、各パラメータの添字
sは、センサ値であることを区別するためのものであ
る。
【0018】上記制御部2は、高μ路基準推定部11、
低μ路基準推定部12、基本パラメータ推定部13、ヨ
ーレート比較路面μ推定部14、リサージュ図処理部1
5、リサージュ図路面μ推定部16、前輪すべり角比較
路面μ推定部17、最終路面μ設定部18から主要に構
成されており、路面摩擦係数μを推定して出力する。
【0019】上記高μ路基準推定部11は、車速Vs と
前輪舵角δfsが入力され、予め設定しておいた高μ路に
おける車両の運動方程式に基づく車両運動モデルによ
り、検出した車速Vs 、前輪舵角δfsに対応するヨーレ
ートを高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H として推
定演算し、ヨーレート比較路面μ推定部14に出力する
高μ路基準パラメータ推定手段として形成されている。
【0020】また、高μ路基準ヨーレート(dψ/d
t)H は、リサージュ図処理部15に対しても出力され
るようになっている。さらに、高μ路基準推定部11か
らは、上記高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H に加
え、それぞれ高μ路基準のヨー角加速度(d2 ψ/dt
2 )H 、前輪すべり角βfH、車体すべり角速度(dβ/
dt)H 、横加速度(d2 y/dt2 )H が出力され
る。そして、高μ路基準ヨー角加速度(d2 ψ/dt
2 )H はヨーレート比較路面μ推定部14とリサージュ
図処理部15に、高μ路基準前輪すべり角βfHは前輪す
べり角比較路面μ推定部17にそれぞれ入力される。さ
らに、高μ路基準車体すべり角速度(dβ/dt)H は
前輪すべり角比較路面μ推定部17に、高μ路基準横加
速度(d2 y/dt2 )H はヨーレート比較路面μ推定
部14と前輪すべり角比較路面μ推定部17にそれぞれ
入力される。尚、上記高μ路基準推定部11から出力さ
れる各パラメータの添字Hは、高μ路基準のパラメータ
であることを示す。
【0021】上記低μ路基準推定部12は、車速Vs と
前輪舵角δfsが入力され、予め設定しておいた低μ路に
おける車両の運動方程式に基づく車両運動モデルによ
り、検出した車速Vs 、前輪舵角δfsに対応するヨーレ
ートを低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L として推
定演算し、ヨーレート比較路面μ推定部14に出力する
低μ路基準パラメータ推定手段として形成されている。
【0022】また、低μ路基準ヨーレート(dψ/d
t)L は、リサージュ図処理部15に対しても出力され
るようになっている。さらに、低μ路基準推定部12か
らは、上記低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L に加
え、それぞれ低μ路基準のヨー角加速度(d2 ψ/dt
2 )L 及び前輪すべり角βfLが出力される。そして、低
μ路基準ヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )L はヨーレー
ト比較路面μ推定部14とリサージュ図処理部15に、
低μ路基準前輪すべり角βfLは前輪すべり角比較路面μ
推定部17にそれぞれ入力される。尚、上記低μ路基準
推定部12から出力される各パラメータの添字Lは、低
μ路基準のパラメータであることを示す。
【0023】上記高μ路基準推定部11及び低μ路基準
推定部12で用いる車両運動モデルと、各パラメータの
演算について、図2を基に説明する。すなわち、図2の
車両運動モデルについて車両横方向の並進運動に関する
運動方程式は、前後輪のコーナリングフォース(1輪)
をFf,Fr、車体質量をM、横加速度を(d2 y/d
2 )として、 M・(d2 y/dt2 )=2・Ff+2・Fr …(1) で与えられる。
【0024】一方、重心点まわりの回転運動に関する運
動方程式は、重心から前後輪軸までの距離をLf,L
r、車体のヨーイング慣性モーメントをIz、ヨー角加
速度を(d2 ψ/dt2 )として、 Iz・(d2 ψ/dt2 )=2・Ff・Lf−2・Fr・Lr …(2) で示される。
【0025】また、車体すべり角をβ、車体すべり角速
度(dβ/dt)とすると、横加速度(d2 y/dt
2 )は、 (d2 y/dt2 )=V・((dβ/dt)+(dψ/dt)) …(3) で表される。
【0026】コーナリングフォースはタイヤの横すべり
角に対して1次遅れに近い応答をするが、この応答遅れ
を無視し、更に、サスペンションの特性をタイヤ特性に
取り込んだ等価コーナリングパワーを用いて線形化する
と以下となる。 Ff=−Kf・βf …(4) Fr=−Kr・βr …(5) ここで、Kf,Krは前後輪の等価コーナリングパワ
ー、βf,βrは前後輪の横すべり角である。
【0027】等価コーナリングパワーKf,Krの中で
ロールやサスペンションの影響を考慮するものとして、
この等価コーナリングパワーKf,Krを用いて、前後
輪の横すべり角βf,βrは、前輪舵角をδfとして以
下のように簡略化できる。 βf=β+Lf・(dψ/dt)/V−δf …(6) βr=β−Lr・(dψ/dt)/V …(7) 以上の運動方程式をまとめると、以下の状態方程式が得
られる。 (dx(t) /dt)=A・x(t) +B・u(t) …(8) x(t) =[β (dψ/dt)]T u(t) =[δf 0]T a11=−2・(Kf+Kr)/(M・V) a12=−1−2・(Lf・Kf−Lr・Kr)/(M・
2 ) a21=−2・(Lf・Kf−Lr・Kr)/Iz a22=−2・(Lf2 ・Kf+Lr2 ・Kr)/(Iz
・V) b11=2・Kf/(M・V) b21=2・Lf・Kf/Iz b12=b22=0 上記高μ路基準推定部11では、上記(8)式に、例え
ば路面μが1.0における等価コーナリングパワーK
f,Krを予め設定しておき、そのときどきの車両運動
状態(車速Vs 、前輪舵角δfs)における(dx(t) /
dt)=[(dβ/dt) (d2 ψ/dt2 )]T
計算することで、高μ路基準の車体すべり角速度(dβ
/dt)H とヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )H を演算
する。そして、演算した高μ路基準の車体すべり角速度
(dβ/dt)H とヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )H
を積分することにより、高μ路基準の車体すべり角βH
とヨーレート(dψ/dt)H が得られる。また、高μ
路基準の車体すべり角βH とヨーレート(dψ/dt)
H を前記(6)式に代入することにより、高μ路基準前
輪すべり角βfHが算出される。更に、高μ路基準の車体
すべり角速度(dβ/dt)H とヨーレート(dψ/d
t)H を前記(3)式に代入することにより、高μ路基
準横加速度(d2 y/dt2 )H が算出される。
【0028】同様に、上記低μ路基準推定部12では、
上記(8)式に、例えば路面μが0.3における等価コ
ーナリングパワーKf,Krを予め設定しておき、その
ときどきの車両運動状態(車速Vs 、前輪舵角δfs)に
おける(dx(t) /dt)=[(dβ/dt) (d2
ψ/dt2 )]T を計算することで、低μ路基準の車体
すべり角速度(dβ/dt)L とヨー角加速度(d2 ψ
/dt2 )L を演算する。そして、演算した低μ路基準
の車体すべり角速度(dβ/dt)L とヨー角加速度
(d2 ψ/dt2 )L を積分することにより、低μ路基
準の車体すべり角βL とヨーレート(dψ/dt)L が
得られる。また、低μ路基準の車体すべり角βL とヨー
レート(dψ/dt)L を前記(6)式に代入すること
により、低μ路基準前輪すべり角βfLが算出される。
【0029】上記基本パラメータ推定部13は、車速V
s 、前輪舵角δfs、横加速度(d2y/dt2 )s 及び
ヨーレート(dψ/dt)s が入力され、実際の車両の
挙動をフィードバックしつつ、ヨーレートを基本ヨーレ
ート(dψ/dt)O として推定演算する、車両運動モ
デルにより形成したオブザーバであり、基本パラメータ
推定手段として形成されている。基本パラメータ推定部
13で推定演算された基本ヨーレート(dψ/dt)O
は、ヨーレート比較路面μ推定部14及びリサージュ図
処理部15に対して出力される。
【0030】また、基本パラメータ推定部13からは、
上記基本ヨーレート(dψ/dt)O に加え、基本ヨー
角加速度(d2 ψ/dt2 )O がヨーレート比較路面μ
推定部14及びリサージュ図処理部15に対して出力さ
れる。
【0031】更に、基本パラメータ推定部13では、前
輪すべり角が基本前輪すべり角βfOとしてオブザーバに
より演算されて、前輪すべり角比較路面μ推定部17に
出力されるようになっている。尚、上記基本パラメータ
推定部13から出力される各パラメータの添字Oは、オ
ブザーバからのパラメータであることを示す。
【0032】ここで、本実施の形態によるオブザーバの
構成を図3により説明する。測定できる(センサで検出
できる)出力が、以下で示されるとき、 y(t) =C・x(t) …(9) オブザーバの構成は次のようになる。 (dx'(t)/dt)=(A−K・C)・x'(t)+K・y(t) +B・u(t) …(10)
【0033】ここで、このオブザーバを車両運動モデル
に適用すると、x(t) は状態変数ベクトル(x'(t)
の「’」は推定値であることを示す)、u(t) は入力ベ
クトル、A、Bは状態方程式の係数行列であり、これら
は前述したものに対応する。また、y(t) は観測可能な
センサ出力ベクトルで、 y(t) =[βs (dψ/dt)s ]T であり、センサによる車体すべり角βs は、前記(3)
式の関係から、センサによる横加速度(d2 y/dt
2 )s 及びヨーレート(dψ/dt)s を基に得られる
センサによる車体すべり角速度(dβ/dt)s を積分
することにより求められる。さらに、Cはセンサ出力と
状態変数の関係を示す行列(本実施形態では単位行
列)、Kは任意に設定可能なフィードバックゲイン行列
であり、以下のように示される。
【0034】これらの関係から、オブザーバにより基本
ヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )Oと基本車体すべり角
速度(dβ/dt)O が以下の(11)、(12)式で
推定演算される。 (d2 ψ/dt2 )O =a11・(dψ/dt)O +a12・βO +b11・δfs +k11・((dψ/dt)s −(dψ/dt)O ) +k12・(βs −βO ) …(11) (dβ/dt)O =a21・(dψ/dt)O +a22・βO +k21・((dψ/dt)s −(dψ/dt)O ) +k22・(βs −βO ) …(12)
【0035】そして、これらにより演算される基本ヨー
角加速度(d2 ψ/dt2 )O と基本車体すべり角速度
(dβ/dt)O を積分することにより、基本ヨーレー
ト(dψ/dt)O と基本車体すべり角βO を演算す
る。さらに、基本車体すべり角βO と基本ヨーレート
(dψ/dt)O を前記(6)式に代入することによ
り、基本前輪すべり角βfOが算出される。
【0036】尚、上記高μ路基準推定部11、低μ路基
準推定部12、基本パラメータ推定部13での演算は、
車速Vs =0では、0による除算となり演算が行えな
い。このため、極低速(例えば、10km/hに達しない速
度)では、ヨーレート及び横加速度はセンサ値とする。
すなわち、 (dψ/dt)H =(dψ/dt)L =(dψ/dt)
O =(dψ/dt)s (d2 y/dt2 )O =(d2 y/dt2 )s とする。また、車体すべり角については、定常円旋回の
幾何学的関係から、 βH =βL =βO =δfs・Lr/(Lf+Lr) とする。このとき、コーナリングフォースは発生してい
ないので、前輪すべり角は全て0となる。 βfH=βfL=βfO=0
【0037】上記ヨーレート比較路面μ推定部14に
は、車速Vs 、前輪舵角δfsのセンサ値と、高μ路基準
のヨーレート(dψ/dt)H 、ヨー角加速度(d2 ψ
/dt2 )H 、横加速度(d2 y/dt2 )H と、低μ
路基準のヨーレート(dψ/dt)L 、ヨー角加速度
(d2 ψ/dt2 )L と、基本ヨーレート(dψ/d
t)O 及び基本ヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )O が入
力される。また、リサージュ図処理部15からは、後述
する高μ路側位相相当成分PH 及び低μ路側位相相当成
分PL が入力される。そして、後述する実行条件が満た
される場合に、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H
と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L と基本ヨーレ
ート(dψ/dt)O とにより、以下(13)式に基づ
き新たな路面摩擦係数μγnを演算する。
【0038】ここで、μH は、高μ路基準推定部11に
おいて予め想定した路面摩擦係数(例えば1.0)を、
μL は、低μ路基準推定部12において予め想定した路
面摩擦係数(例えば0.3)をそれぞれ示している。 μγn=((μH −μL )・(dψ/dt)O +μL ・(dψ/dt)H −μH ・(dψ/dt)L )/((dψ/dt)H −(dψ/dt)L ) …(13)
【0039】すなわち、この(13)式では、高μ路基
準ヨーレート(dψ/dt)H と低μ路基準ヨーレート
(dψ/dt)L から一次関数を形成し、この一次関数
に基本ヨーレート(dψ/dt)O を代入することによ
り路面摩擦係数を求め、新たな路面摩擦係数μγnとす
る。尚、この新たな路面摩擦係数μγnは、所定の上限
値(例えば、1.0)と下限値(例えば、特に低μ路に
おいて精度良く求めた他の路面摩擦係数値)の間で制限
するものとする。
【0040】そして、前回推定した路面摩擦係数μn-1
に、今回の路面摩擦係数μγnと前回の路面摩擦係数μ
n-1 とで得られる所定の増分を加える(加重平均する)
ことでヨーレート比較による路面摩擦係数μγを演算し
て、リサージュ図路面μ推定部16に対して出力するよ
うになっている。
【0041】 μγ=μn-1 +κ1 ・(μγn−μn-1 ) …(14) ここで、κ1 は、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)
H と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L との差が大
きいほど信頼性が高い推定値と考え、予め以下のように
定めた。 κ1 =0.3・|(dψ/dt)H −(dψ/dt)L | /|(dψ/dt)H | …(15)
【0042】また、上記ヨーレート比較路面μ推定部1
4で、ヨーレート比較による路面摩擦係数μγを演算す
る条件として次の条件を予め設定しておく。
【0043】(1−1)本来、多自由度系である車両
を、横移動+鉛直軸周りの2自由度で近似し、且つ2輪
モデルとしているため、実車両との挙動差が大きくな
る、低速走行、大転舵時には演算を行わない。例えば、
車速Vs が10km/hに達しない場合、前輪舵角δfsの絶
対値が500deg より大きい場合には演算を行わない。
【0044】(1−2)センサ入力値の電気ノイズや、
モデル化の段階で考慮されていない外乱等の影響を考慮
し、ノイズや外乱等の影響の割合が相対的に大きくなる
ヨーレートの絶対値が小さい場合には演算を行わない。
例えば、基本ヨーレート(dψ/dt)O の絶対値が
1.5deg/s に達しない場合には演算を行わない。
【0045】(1−3)路面摩擦係数によってコーナリ
ングフォースに差が現れることを利用した路面摩擦係数
推定であるため、路面摩擦係数の影響に対してノイズや
外乱等の影響の割合が相対的に大きくなるコーナリング
フォースが小さい場合、すなわち、コーナリングフォー
スに比例する横加速度の絶対値が小さい場合には演算を
行わない。例えば、高μ路基準横加速度(d2 y/dt
2 )H の絶対値が0.15Gに達しない場合には演算を
行わない。
【0046】(1−4)舵角入力に対するヨーレート応
答は、路面摩擦係数により変化し遅れを生じる場合があ
る。この遅れが生じている時に路面摩擦係数の推定を行
うと誤差が大きくなる。従って、遅れが大きい場合や、
遅れによる誤差が大きくなると判断できる場合には演算
を行わない。例えば、高μ路側位相相当成分PH 及び低
μ路側位相相当成分PL が大きく遅れが大きい場合には
演算を行わない。また、ヨーレートの立ち上がり時以外
の遅れによる誤差が大きくなると判断できる場合には演
算を行わない。ここで、ヨーレートの立ち上がりは、
(ヨーレート)・(ヨー角加速度)で判定する。
【0047】(1−5)高μ路基準ヨーレートと低μ路
基準ヨーレートとの差の絶対値がノイズや外乱等の影響
に対して十分な大きさを有しない場合は演算を行わな
い。例えば、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H と
低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L との差の絶対値
が1deg/s に達しない場合は演算を行わない。
【0048】(1−6)前記(15)式で0除算を避け
るため、例えば、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)
H の絶対値が1deg/s に達しない場合は演算を行わな
い。
【0049】このように、本実施の形態では、路面摩擦
係数の推定に車体すべり角ではなくヨーレートを用いる
ようになっている。ヨーレートは、車体すべり角と比較
して変化量も大きく、ヨーレート推定の精度に対して強
く影響を及ぼすヨーレートセンサからのセンサ値の精度
も高い。また、位相遅れも車体すべり角の位相遅れと比
較して非常に小さく、さらに、外乱の影響は受けるもの
の累積誤差の心配がないため、確実に、高精度な路面摩
擦係数の推定を行うことができるのである。
【0050】尚、本実施の形態では、路面摩擦係数の推
定にヨーレートを用いているが、横加速度を用いて路面
摩擦係数を推定しても、確実に、高精度な路面摩擦係数
の推定を行うことができる。この場合、高μ路基準横加
速度と低μ路基準横加速度とオブザーバにより推定演算
した基本横加速度を用いて、これらを基に路面摩擦係数
を推定する。横加速度を用いて路面摩擦係数を推定する
各ロジックは、略同様にして導出することができるの
で、詳しい説明は省略する。
【0051】一方、上述の如くヨーレート比較路面μ推
定部14は、舵角入力に対するヨーレート応答に遅れが
生じて誤差が大きくなる場合等の条件では、路面摩擦係
数の推定は行わないようになっているため、推定頻度が
低い。従って、このような条件でも路面摩擦係数の推定
が可能なように、リサージュ図処理部15及びリサージ
ュ図路面μ推定部16を設けて、リサージュ図形面積を
用い、ヨーレート応答の遅れを利用して路面摩擦係数の
推定を行うようになっている。
【0052】以下具体的に説明すると、リサージュ図処
理部15には、車速Vs と、高μ路基準のヨーレート
(dψ/dt)H 、ヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )H
と、低μ路基準のヨーレート(dψ/dt)L 、ヨー角
加速度(d2 ψ/dt2 )L と、基本ヨーレート(dψ
/dt)O 及び基本ヨー角加速度(d2 ψ/dt2 )O
が入力される。
【0053】上記リサージュ図処理部15では、基本ヨ
ーレート(dψ/dt)O と高μ路基準ヨーレート(d
ψ/dt)H とでリサージュ図を形成し、このリサージ
ュ図の面積を高μ路側リサージュ図面積SH として演算
してリサージュ図路面μ推定部16に出力する。また、
リサージュ図処理部15は、基本ヨーレート(dψ/d
t)O と低μ路基準のヨーレート(dψ/dt)L とで
リサージュ図を形成し、このリサージュ図の面積を低μ
路側リサージュ図面積SL として演算してリサージュ図
路面μ推定部16に出力する。さらに、リサージュ図処
理部15では、リサージュ図を形成する2つのパラメー
タ間の遅れに相当する量を位相相当成分として演算し、
高μ路側リサージュ図から求められる高μ路側位相相当
成分PHと、低μ路側リサージュ図から求められる低μ
路側位相相当成分PL を、ヨーレート比較路面μ推定部
14と前輪すべり角比較路面μ推定部17に出力する。
【0054】すなわち、舵角入力に対してヨーレート
は、高μ路走行時の遅れは小さく、低μ路走行時の遅れ
は大きくなる。リアルタイムに遅れを演算することは困
難であるため、リサージュ図処理部15でリサージュ図
面積を求め、リサージュ図路面μ推定部16で遅れを含
んだ量のリサージュ図面積を比較することで、正確な路
面摩擦係数を求めようとするものである。
【0055】一般に、図5(a),(b),(c)に示
すように、サイン波状の信号Aと信号Bとで形成したリ
サージュ図は、2つの信号間に遅れが生じると面積が大
きくなる。このため、図4(a)に示すような、各ヨー
レート(dψ/dt)O 、(dψ/dt)H 、(dψ/
dt)L において、基本ヨーレート(dψ/dt)Oと
高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H とで形成した高
μ路側リサージュ図面積SH と、基本ヨーレート(dψ
/dt)O と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L と
で形成した低μ路側リサージュ図面積SL の大小を比較
することにより、路面摩擦係数の低μ或いは高μ寄りを
判定するのである。
【0056】リサージュ図処理部15では、図4(b)
に示すように、高μ路側リサージュ図面積SH 或いは低
μ路側リサージュ図面積SL を、例えば微少な三角形の
面積を積分することにより求める。例えば、高μ路側リ
サージュ図面積SH を演算する場合では、(xHn-1,y
On-1)を(xHn,yOn)の1サイクル前(Δt=10ms
前)の値とすると、高μ路側リサージュ図面積SH の微
少な三角形面積ΔSHは、 ΔSH =(1/2)・|xHn-1・(dyOn-1/dt) −yOn-1・(dxHn-1/dt)|・Δt …(16) で演算される。
【0057】尚、高μ路側リサージュ図面積SH 或いは
低μ路側リサージュ図面積SL の演算は、車速Vs が、
例えば10km/hに達しない低速走行の場合、或いは基本
ヨーレート(dψ/dt)O が、例えば1.5deg/s に
達しない場合は、誤差が大きくなるので実行せず初期化
(クリア)する。
【0058】また、リサージュ図処理部15は、高μ路
側位相相当成分PH と低μ路側位相相当成分PL の演算
は、例えば、以下(17)、(18)式により演算す
る。 PH =ΔSH /(|xHn-1|・|yOn-1|) …(17) PL =ΔSL /(|xLn-1|・|yOn-1|) …(18)
【0059】上記リサージュ図路面μ推定部16では、
上記ヨーレート比較路面μ推定部14で路面摩擦係数μ
γの演算が行われなかった場合、今までに推定されてい
た路面摩擦係数μn-1 を補正することにより、現在の路
面摩擦係数μn を推定する。
【0060】具体的には、高μ路側リサージュ図面積S
H が、低μ路側リサージュ図面積SL より十分大きい
(例えば、低μ路側リサージュ図面積SL の105%よ
り大きい)場合は、現在の路面摩擦係数μn は低μ路寄
りと判定し、後述するリサージュ低μ路処理を実行す
る。逆に、高μ路側リサージュ図面積SH が、低μ路側
リサージュ図面積SL より十分小さい(例えば高μ路側
リサージュ図面積SH の105%が低μ路側リサージュ
図面積SL より小さい)場合は、現在の路面摩擦係数μ
n は高μ路寄りと判定し、後述するリサージュ高μ路処
理を実行する。
【0061】上記リサージュ低μ路処理は、例えば、2
段階に設定しておき、低μ路側リサージュ図面積SL が
大きい場合には、位相遅れが大きく、低μ路を走行して
いる可能性が非常に高いので、今までに推定されていた
路面摩擦係数μn-1 を低μ路側に大きく補正して現在の
路面摩擦係数μn を推定する。逆に、低μ路側リサージ
ュ図面積SL が小さい場合には、位相遅れが小さく、低
μ路を走行している可能性が高いので、今までに推定さ
れていた路面摩擦係数μn-1 を低μ路側に小さく補正し
て現在の路面摩擦係数μn を推定する。
【0062】また、上記リサージュ高μ路処理は、例え
ば、2段階に設定しておき、高μ路側リサージュ図面積
SH が大きい場合には、位相遅れが大きく、高μ路を走
行している可能性が高いので、今までに推定されていた
路面摩擦係数μn-1 を高μ路側に小さく補正して現在の
路面摩擦係数μn を推定する。逆に、高μ路側リサージ
ュ図面積SH が小さい場合には、位相遅れが小さく、高
μ路を走行している可能性が非常に高いので、今までに
推定されていた路面摩擦係数μn-1 を高μ路側に大きく
補正して現在の路面摩擦係数μn を推定する。
【0063】ところで、本実施の形態においては、前輪
すべり角比較路面μ推定部17を設けて前輪すべり角を
用いて、路面摩擦係数を推定できるようにしている。こ
れは、ヨーレート比較による路面摩擦係数μγが推定で
きず、上述のリサージュ図による路面摩擦係数μn の推
定も困難である場合、例えば、レーンチェンジなど、小
舵角でも比較的クイックな操舵を行った場合に応答性よ
く対処するためである。
【0064】上記前輪すべり角比較路面μ推定部17
は、車速Vs と、高μ路基準の前輪すべり角βfH、車体
すべり角速度(dβ/dt)H 、横加速度(d2 y/d
2 )H と、低μ路基準前輪すべり角βfL及び基本前輪
すべり角βfOが入力される。また、リサージュ図処理部
15からは、高μ路側位相相当成分PH 及び低μ路側位
相相当成分PL が入力される。そして、後述する実行条
件が満たされる場合に、高μ路基準前輪すべり角βfHと
低μ路基準前輪すべり角βfLと基本前輪すべり角βfOと
により、以下(19)式に基づき新たな路面摩擦係数μ
βfnを演算する。この(19)式は、前記(13)式に
対応する式となっている。 μβfn=((μH −μL )・βfO+μL ・βfH−μH ・βfL) /(βfH−βfL) …(19)
【0065】すなわち、上記(19)式も、前記(1
3)式と同様に、高μ路基準前輪すべり角βfHと低μ路
基準前輪すべり角βfLから一次関数を形成し、この一次
関数に基本前輪すべり角βfOを代入することにより路面
摩擦係数を求め、新たな路面摩擦係数μβfnとする。そ
して、この新たな路面摩擦係数μβfnを、所定の範囲に
制限してフィルタ処理することにより前輪すべり角比較
による路面摩擦係数μβf を演算して、最終路面μ設定
部18に対して出力するようになっている。
【0066】また、上記前輪すべり角比較路面μ推定部
17で、前輪すべり角比較による路面摩擦係数μβf を
演算する条件として、前記ヨーレート比較路面μ推定部
14と同様に、次の各条件を予め設定しておく。
【0067】(2−1)車速Vs が比較的低い(例え
ば、30km/hに達しない)場合には、正確な路面摩擦係
数の推定のため、路面摩擦係数の推定を行わない。
【0068】(2−2)基本前輪すべり角βfOが設定範
囲(例えば、0.5deg 〜5deg の範囲)にない場合
は、誤差が大きいとして路面摩擦係数の推定を行わな
い。
【0069】(2−3)コーナリングフォースに比例す
る横加速度の絶対値が小さい場合には演算を行わない。
例えば、高μ路基準横加速度(d2 y/dt2 )H の絶
対値が0.2Gに達しない場合には路面摩擦係数の推定
を行わない。
【0070】(2−4)高μ路基準前輪すべり角βfH、
低μ路基準前輪すべり角βfL、基本前輪すべり角βfO間
の遅れは比較的少ないため、高μ路基準前輪すべり角β
fH、低μ路基準前輪すべり角βfL、基本前輪すべり角β
fOが全て同符号でなければ路面摩擦係数の推定を行わな
い。
【0071】(2−5)各前輪すべり角の遅れが大きい
場合や、遅れによる誤差が大きくなると判断できる場合
には路面摩擦係数の推定を行わない。例えば、高μ路側
位相相当成分PH 及び低μ路側位相相当成分PL が大き
く遅れが大きい場合には路面摩擦係数の推定を行わな
い。
【0072】(2−6)高μ路基準前輪すべり角βfHと
低μ路基準前輪すべり角βfLとの比が設定範囲より大き
い場合(例えば、βfH/βfL>1.05の場合)には、
誤差が大きいと判断して路面摩擦係数の推定を行わな
い。
【0073】(2−7)高μ路基準前輪すべり角βfHと
低μ路基準前輪すべり角βfLとの差の絶対値が設定値
(例えば、0.1deg )に達しない場合は外乱の影響に
より誤差が大きくなるため路面摩擦係数の推定を行わな
い。
【0074】(2−8)レーンチェンジ等で、小舵角で
も比較的クイックな操舵を行った時に高μ路基準前輪す
べり角βfHと低μ路基準前輪すべり角βfLとの差が現れ
やすい。特に、前輪すべり角の立ち上がり時に差が現れ
やすい。このため、例えば、高μ路基準車体すべり角速
度(dβ/dt)H の絶対値が1deg/s 以上の場合のみ
路面摩擦係数の推定を行う。
【0075】(2−9)ヨーレート比較による路面摩擦
係数μγ、或いは、リサージュ図による路面摩擦係数μ
n が推定されている場合には、路面摩擦係数の推定を行
わない。
【0076】このように、本実施の形態においては、ヨ
ーレート比較による路面摩擦係数が得られない時にリサ
ージュ図による路面摩擦係数μn の推定も困難であった
場合には、応答性を重視したパラメータとして前輪すべ
り角を用いて、路面摩擦係数を設定できるようにしてい
るので、応答性が良く、さらに広い範囲での路面摩擦係
数の設定が可能になっている。尚、後輪すべり角を用い
て、路面摩擦係数を設定できるようにしても同様の効果
が得られる。
【0077】而して、上記最終路面μ設定部18には、
ヨーレート比較による路面摩擦係数μγ、リサージュ図
による路面摩擦係数μn 、或いは、前輪すべり角比較に
よる路面摩擦係数μβf の何れかが入力され、入力され
た路面摩擦係数を最終的な現在の路面摩擦係数μとして
設定し出力する。
【0078】すなわち、本実施の形態においては、ヨー
レート比較路面μ推定部14、リサージュ図処理部1
5、リサージュ図路面μ推定部16、前輪すべり角比較
路面μ推定部17及び最終路面μ設定部18で、路面μ
推定手段が構成されている。
【0079】次に、上記構成による路面摩擦係数推定装
置での処理を、図6〜図9のフローチャートで説明す
る。このプログラムは所定時間(例えば、10ms)毎に
実行される。まず、ステップ(以下、「S」と略称)1
01で、前輪舵角センサ3から前輪舵角δfs、車速セン
サ4から車速Vs 、横加速度センサ5から横加速度(d
2 y/dt2 )s 、ヨーレートセンサ6からヨーレート
(dψ/dt)s を読み込む。
【0080】次いで、S102に進み、車速Vs が設定
値(例えば、10km/h)以上か否か判定し、設定値以上
であり0による除算の可能性がない場合には、S10
3、S104、S105の処理へと進む。
【0081】S103では、高μ路基準推定部11で、
高μ路における車両運動モデルにより、高μ路基準ヨー
レート(dψ/dt)H 、高μ路基準のヨー角加速度
(d2ψ/dt2 )H 、前輪すべり角βfH、車体すべり
角速度(dβ/dt)H 、横加速度(d2 y/dt2
H が演算される。
【0082】S104では、低μ路基準推定部12で、
低μ路における車両運動モデルにより、低μ路基準ヨー
レート(dψ/dt)L 、低μ路基準のヨー角加速度
(d2ψ/dt2 )L 、前輪すべり角βfLが演算され
る。
【0083】S105では、基本パラメータ推定部13
で、車両運動モデルにより形成したオブザーバにより、
基本ヨーレート(dψ/dt)O 、基本ヨー角加速度
(d2ψ/dt2 )O 、基本前輪すべり角βfOが演算さ
れる。
【0084】一方、上記S102で、車速Vs が設定値
より小さい場合には、S106へと進み、各パラメータ
(各車体すべり角βH ,βL ,βO 、各ヨーレート(d
ψ/dt)H ,(dψ/dt)L ,(dψ/dt)O 、
横加速度(d2 y/dt2 )O )をセンサ値、或いは幾
何学的演算により求められる極低速時の値とする。
【0085】S103、S104、S105の処理、或
いは、S106の処理の後は、S107以降へと進む。
S107〜S115の判定処理は、それぞれ、ヨーレー
ト比較路面μ推定部14でのヨーレート比較による路面
摩擦係数μγを演算する条件が成立しているか否か判定
するものである。
【0086】即ち、前記(1−1)の条件で説明したよ
うに、S107では車速Vs が設定値(例えば、10km
/h)以上であるか、S108では前輪舵角δfsの絶対値
が設定値(例えば、500deg )以下か判定する。
【0087】また、前記(1−2)の条件で説明したよ
うに、S109では基本ヨーレート(dψ/dt)O の
絶対値が設定値(例えば、1.5deg/s )以上か判定す
る。
【0088】更に、前記(1−3)の条件で説明したよ
うに、S110では高μ路基準横加速度(d2 y/dt
2 )H の絶対値が設定値(例えば、0.15G)以上か
判定する。
【0089】また、前記(1−4)の条件で説明したよ
うに、S111では高μ路側位相相当成分PH 及び低μ
路側位相相当成分PL が設定値(例えば、0.06)以
下か判定し、S112では各(ヨーレート)・(ヨー角
加速度)が設定値(例えば、−0.15deg2/s3 )以上
か判定する。
【0090】また、前記(1−5)の条件で説明したよ
うに、S113では高μ路基準ヨーレート(dψ/d
t)H と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L との差
の絶対値が設定値(例えば、1deg/s )以上か判定す
る。
【0091】更に、前記(1−6)の条件で説明したよ
うに、S114では高μ路基準ヨーレート(dψ/d
t)H の絶対値が設定値(例えば、1deg/s )以上か判
定する。
【0092】そして、これらS107〜S114の全て
の判定が成立する、ヨーレート比較による路面摩擦係数
μγの演算条件成立の場合はS115へと進み、ヨーレ
ート比較路面μ推定部14でヨーレート比較による路面
摩擦係数μγを推定演算してS116へと進む。一方、
S107〜S114の判定の一つでも成立しない場合
は、S115での演算は行わずにS116へとジャンプ
する。
【0093】S116、そしてその後のS117は、高
μ路側リサージュ図面積SH 或いは低μ路側リサージュ
図面積SL の演算が可能か判定するものであり、S11
6では車速Vs が設定値(例えば、10km/h)以上か判
定する。また、S117では基本ヨーレート(dψ/d
t)O が設定値(例えば、1.5deg/s )以上か判定す
る。
【0094】そして、S116及びS117の条件が成
立する場合は、リサージュ図が精度良く求められると判
定して、S118へと進み、リサージュ図処理部15で
高μ路側リサージュ図面積SH と低μ路側リサージュ図
面積SL を演算して、S120〜S131のリサージュ
図路面μ推定部16におけるリサージュ図を用いた処理
に進む。
【0095】また、S116或いはS117の条件の一
方でも不成立の場合は、リサージュ図は求めず、S11
9へと進み、高μ路側リサージュ図面積SH と低μ路側
リサージュ図面積SL を初期化(クリア)して、S13
2へとジャンプする。
【0096】S118で高μ路側リサージュ図面積SH
と低μ路側リサージュ図面積SL を演算してS120に
進むと、既にS115の処理でヨーレート比較による路
面摩擦係数μγの推定演算が行われたか否か判定され
る。
【0097】そして、ヨーレート比較による路面摩擦係
数μγの推定演算が実行されていない場合には、リサー
ジュ図を利用して、今までに推定されていた路面摩擦係
数μn-1 を補正して現在の路面摩擦係数μn を推定すべ
くS121に進む。
【0098】また、既にS115の処理でヨーレート比
較による路面摩擦係数μγの推定演算が行われている場
合には、リサージュ図を利用した現在の路面摩擦係数μ
n の推定は実行せずS131へとジャンプする。
【0099】S121では高μ路側リサージュ図面積S
H が、低μ路側リサージュ図面積SL より十分大きい
(例えば、低μ路側リサージュ図面積SL の105%よ
り大きい)か否か判定される。
【0100】S121で、高μ路側リサージュ図面積S
H が低μ路側リサージュ図面積SLより十分大きい場
合、すなわち、高μ路側から大きく離れている場合は、
現在の路面摩擦係数μn は低μ路寄りであり、S122
〜S125のリサージュ低μ路処理を実行する。
【0101】S122では低μ路側リサージュ図面積S
L が所定帯域内の大きな値か判定し、低μ路側リサージ
ュ図面積SL が所定帯域内の大きな値の場合には、位相
遅れが大きく、明らかに低μ路を走行していると判断で
きるので、S123で今までに推定されていた路面摩擦
係数μn-1 を低μ路側に大きく補正して現在の路面摩擦
係数μn を推定し、S131へと進む。
【0102】また、S122で低μ路側リサージュ図面
積SL が所定帯域内の大きな値ではないと判定した場合
はS124に進み、低μ路側リサージュ図面積SL が所
定帯域内の小さい値か判定する。そして、低μ路側リサ
ージュ図面積SL が所定帯域内の小さな値の場合には、
低μ路を走行している可能性が高いので、S125で今
までに推定されていた路面摩擦係数μn-1 を低μ路側に
小さく補正して現在の路面摩擦係数μn を推定し、S1
31へと進む。
【0103】また、S124で低μ路側リサージュ図面
積SL が所定帯域内の小さな値ではないと判定された場
合は、リサージュ図を利用した現在の路面摩擦係数μn
の推定は実行せずS131へと進む。
【0104】一方、上記S121で、高μ路側リサージ
ュ図面積SH が低μ路側リサージュ図面積SL より十分
大きいと判定されなかった場合は、S126へと進み、
高μ路側リサージュ図面積SH が低μ路側リサージュ図
面積SL より十分小さい(例えば高μ路側リサージュ図
面積SH の105%が低μ路側リサージュ図面積SLよ
り小さい)か否か判定される。
【0105】S126で高μ路側リサージュ図面積SH
が低μ路側リサージュ図面積SL より十分小さいと判定
された場合、すなわち、低μ路側から大きく離れている
場合は、現在の路面摩擦係数μn は高μ路寄り寄りであ
り、S127〜S130のリサージュ高μ路処理を実行
する。
【0106】S127では高μ路側リサージュ図面積S
H が所定帯域内の大きな値か判定し、高μ路側リサージ
ュ図面積SH が所定帯域内の大きな値の場合には、高μ
路を走行している可能性が高いので、S128で今まで
に推定されていた路面摩擦係数μn-1 を高μ路側に小さ
く補正して現在の路面摩擦係数μn を推定し、S131
へと進む。
【0107】また、S127で高μ路側リサージュ図面
積SH が所定帯域内の大きな値ではないと判定した場合
はS129に進み、高μ路側リサージュ図面積SH が所
定帯域内の小さな値か判定する。そして、高μ路側リサ
ージュ図面積SH が所定帯域内の小さな値の場合には、
位相遅れが小さく、明らかに高μ路を走行していると判
断できるので、S130で今までに推定されていた路面
摩擦係数μn-1 を高μ路側に大きく補正して現在の路面
摩擦係数μn を推定し、S131へと進む。
【0108】また、S129で高μ路側リサージュ図面
積SH が所定帯域内の小さな値ではないと判定された場
合は、リサージュ図を利用した現在の路面摩擦係数μn
の推定は実行せずS131へと進む。
【0109】更に、上記S126で高μ路側リサージュ
図面積SH が低μ路側リサージュ図面積SL より十分小
さいと判定されない場合は、S131へと進む。
【0110】S131では、高μ路側リサージュ図面積
SH 或いは低μ路側リサージュ図面積SL を利用して、
上記S111と後述のS136で用いる高μ路側位相相
当成分PH と低μ路側位相相当成分PL の演算を行う。
【0111】その後、S132以降へと進む。S132
〜S140の判定処理は、それぞれ、前輪すべり角比較
路面μ推定部17での前輪すべり角比較による路面摩擦
係数μβf を演算する条件が成立しているか否か判定す
るものである。
【0112】即ち、前記(2−1)の条件で説明したよ
うに、S132では車速Vs が設定値(例えば、30km
/h)以上か判定する。
【0113】また、前記(2−2)の条件で説明したよ
うに、S133では基本前輪すべり角βfOが設定範囲
(例えば、0.5deg 〜5deg の範囲)内か判定する。
【0114】更に、前記(2−3)の条件で説明したよ
うに、S134では高μ路基準横加速度(d2 y/dt
2 )H の絶対値が設定値(例えば、0.2G)以上か判
定する。
【0115】また、前記(2−4)の条件で説明したよ
うに、S135では高μ路基準前輪すべり角βfH、低μ
路基準前輪すべり角βfL、基本前輪すべり角βfOが全て
同符号か判定する。
【0116】更に、前記(2−5)の条件で説明したよ
うに、S136では高μ路側位相相当成分PH 及び低μ
路側位相相当成分PL が設定値(例えば、0.06)以
下か判定する。
【0117】また、前記(2−6)の条件で説明したよ
うに、S137では高μ路基準前輪すべり角βfHと低μ
路基準前輪すべり角βfLとの比が設定範囲(例えば、β
fH/βfL>1.05)内か判定する。
【0118】更に、前記(2−7)の条件で説明したよ
うに、S138では高μ路基準前輪すべり角βfHと低μ
路基準前輪すべり角βfLとの差の絶対値が設定値(例え
ば、0.1deg )以上か判定する。
【0119】また、前記(2−8)の条件で説明したよ
うに、S139では高μ路基準車体すべり角速度(dβ
/dt)H の絶対値が設定値(例えば、1deg/s )以上
か判定する。
【0120】更に、前記(2−9)の条件で説明したよ
うに、S140ではヨーレート比較による路面摩擦係数
μγ、或いは、リサージュ図による路面摩擦係数μn が
推定されていないか判定する。
【0121】そして、これらS132〜S140の全て
の判定が成立する、前輪すべり角比較による路面摩擦係
数μβf の演算条件成立の場合はS141へと進み、前
輪すべり角比較路面μ推定部17で前輪すべり角比較に
よる路面摩擦係数μβf を推定演算してS142へと進
む。一方、S132〜S140の判定の一つでも成立し
ない場合は、S141での演算は行わずにS142へと
ジャンプする。
【0122】そして、S142では、ヨーレート比較に
よる路面摩擦係数μγ、リサージュ図による路面摩擦係
数μn 、前輪すべり角比較による路面摩擦係数μβf の
うち、演算された一つを最終的な路面摩擦係数として設
定して出力する(最終路面μ設定部18)。
【0123】このように、本実施の形態では、高μ路及
び低μ路における車両運動モデルにより推定されるヨー
レートと、車両運動モデルにより形成したオブザーバに
より推定されるヨーレートを比較して路面摩擦係数を求
めることを基本としている。このため、外乱やノイズに
よる誤差、位相遅れによる誤差、更に累積誤差が小さく
精度の良い路面摩擦係数を求めることができる。
【0124】また、ヨーレート比較で路面摩擦係数を求
める際に、なお、誤差(特に入力に対するヨーレートの
遅れで生じる誤差)の影響が無視できない場合には、ヨ
ーレートで描いたリサージュ図を用いて遅れそのものを
比較し、路面摩擦係数を推定するようになっている。こ
のため、入力に対するヨーレートの遅れが生じるような
車両運動領域においても正確な路面摩擦係数を推定でき
る。
【0125】さらに、ヨーレート比較の路面摩擦係数、
或いは、リサージュ図による路面摩擦係数でも誤差に対
応できない車両運動領域であっても、コーナリングフォ
ースの発生と密接に関係した前輪すべり角で正確な路面
摩擦係数を推定できるようになっている。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、車両の運動モデルにより形成したオブザーバ
と高μ路車両運動モデルと低μ路車両運動モデルから、
ヨーレートと横加速度の少なくとも一方のパラメータに
関して、基本パラメータと高μ路基準パラメータと低μ
路基準パラメータを推定し、これら各パラメータを基に
路面摩擦係数を推定するので、累積誤差の影響、外乱や
ノイズによる誤差、パラメータの位相遅れによる誤差等
が小さく確実に精度の高い路面摩擦係数の推定を行うこ
とができる。
【0127】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の発明において、基本パラメータと高μ路基準
パラメータとで形成した高μ路側リサージュ図面積と、
基本パラメータと低μ路基準パラメータとで形成した低
μ路側リサージュ図面積との関係から過去に推定した路
面摩擦係数を補正して今回の路面摩擦係数を推定するよ
うにすれば、遅れに対して敏感に変化するリサージュ図
面積の関係から過去の路面摩擦係数を補正して今回の路
面摩擦係数を精度良く推定することができ、より広範な
領域での正確な路面摩擦係数の推定が可能になる。
【0128】更に、請求項3記載の発明によれば、請求
項1又は請求項2記載の発明において、ヨーレートまた
は横加速度に関する基本パラメータ、高μ路基準パラメ
ータ、低μ路基準パラメータから推定された路面摩擦係
数と、前輪すべり角に関する基本パラメータ、高μ路基
準パラメータ、低μ路基準パラメータから推定された路
面摩擦係数とから最終的な路面摩擦係数を推定するよう
にしたので、請求項1又は請求項2による効果に加え、
コーナリングフォースの発生と密接に関係した前輪すべ
り角で推定された正確な路面摩擦係数によって、より広
範な領域での正確な路面摩擦係数の推定が可能になる。
【0129】また、請求項4記載の発明によれば、車両
の運動モデルにより形成したオブザーバと高μ路車両運
動モデルと低μ路車両運動モデルから、前輪すべり角に
関して、基本パラメータと高μ路基準パラメータと低μ
路基準パラメータを推定し、これら各パラメータを基に
路面摩擦係数を推定するので、コーナリングフォースの
発生と密接に関係した前輪すべり角で推定された正確な
路面摩擦係数によって、広範な領域での正確な路面摩擦
係数の推定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】路面摩擦係数推定装置の構成を示す機能ブロッ
ク図
【図2】4輪車の等価的な2輪車モデルを示す説明図
【図3】オブザーバの構成を示す説明図
【図4】2つの波形により描かれるリサージュ図面積の
演算の説明図
【図5】2つの波形により描かれるリサージュ図の説明
【図6】路面摩擦係数推定のフローチャート
【図7】図6の続きのフローチャート
【図8】図7の続きのフローチャート
【図9】図8の続きのフローチャート
【符号の説明】
1 路面摩擦係数推定装置 3 前輪舵角センサ(運動状態検出手段) 4 車速センサ(運動状態検出手段) 5 横加速度センサ(運動状態検出手段) 6 ヨーレートセンサ(運動状態検出手段) 11 高μ路基準推定部(高μ路基準パラメータ推定
手段) 12 低μ路基準推定部(低μ路基準パラメータ推定
手段) 13 基本パラメータ推定部(基本パラメータ推定手
段) 14 ヨーレート比較路面μ推定部(路面μ推定手
段) 15 リサージュ図処理部(路面μ推定手段) 16 リサージュ図路面μ推定部(路面μ推定手段) 17 前輪すべり角比較路面μ推定部(路面μ推定手
段) 18 前輪すべり角路面μ補正部(路面μ推定手段)
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月3日(2000.4.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明による車両の路面摩擦係数推定装
置は、所定の車両運動パラメータの実際値を演算する実
際値演算手段と、高μ路車両運動モデルに基づいて上記
所定車両運動パラメータの高μ路基準値を演算する高μ
路基準値演算手段と、低μ路車両運動モデルに基づいて
上記所定車両運動パラメータの低μ路基準値を演算する
低μ路基準値演算手段と、上記高μ路基準値と上記低μ
路基準値に対する上記実際値の関係に基づいて路面摩擦
係数を推定する路面摩擦係数推定手段とを備えたことを
特徴とする。すなわち、実際値演算手段で所定の車両運
動パラメータの実際値を演算し、高μ路基準値演算手段
で高μ路車両運動モデルに基づいて所定車両運動パラメ
ータの高μ路基準値を演算し、低μ路基準値演算手段で
低μ路車両運動モデルに基づいて所定車両運動パラメー
タの低μ路基準値を演算する。そして、路面摩擦係数推
定手段は、高μ路基準値と低μ路基準値に対する実際値
の関係に基づいて路面摩擦係数を推定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、請求項2記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、請求項1記載の車両の路面摩
擦係数推定装置において、上記所定車両運動パラメータ
は、ヨーレートと横加速度の少なくともいずれか一方で
あることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】更に、請求項3記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、請求項1又は請求項2記載の
車両の路面摩擦係数推定装置において、上記実際値演算
手段は、車両の運動モデルによりオブザーバを形成し、
このオブザーバに車両運動状態のセンサ検出値を入力し
て上記実際値を推定することを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、請求項4記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、請求項1乃至請求項3の何れ
か一つに記載の車両の路面摩擦係数推定装置において、
上記実際値と上記高μ路基準値とでリサージュ図を形成
して高μ路側のリサージュ図面積を演算するとともに、
上記実際値と上記低μ路基準値とでリサージュ図を形成
して低μ路側のリサージュ図面積を演算し、これら高μ
路側のリサージュ図面積と低μ路側のリサージュ図面積
との関係から上記路面摩擦係数を補正する手段を備えた
ことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】更に、請求項5記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、ヨーレートあるいは横加速度
の実際値と前輪すべり角の実際値を演算する実際値演算
手段と、高μ路車両運動モデルに基づいてヨーレートあ
るいは横加速度の高μ路基準値と前輪すべり角の高μ路
基準値を演算する高μ路基準値演算手段と、低μ路車両
運動モデルに基づいてヨーレートあるいは横加速度の低
μ路基準値と前輪すべり角の低μ路基準値を演算する低
μ路基準値演算手段と、ヨーレートあるいは横加速度に
ついての上記高μ路基準値と上記低μ路基準値に対する
上記実際値の関係に基づいて第1の路面摩擦係数を推定
するとともに、前輪すべり角についての上記高μ路基準
値と上記低μ路基準値に対する上記実際値の関係に基づ
いて第2の路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手
段とを備え、上記路面摩擦係数推定手段は、所定条件が
満足されたときに、上記第1の路面摩擦係数に代えて第
2の路面摩擦係数を採用することを特徴とする。すなわ
ち、実際値演算手段でヨーレートあるいは横加速度の実
際値と前輪すべり角の実際値を演算し、高μ路基準値演
算手段で高μ路車両運動モデルに基づいてヨーレートあ
るいは横加速度の高μ路基準値と前輪すべり角の高μ路
基準値を演算し、低μ路基準値演算手段で低μ路車両運
動モデルに基づいてヨーレートあるいは横加速度の低μ
路基準値と前輪すべり角の低μ路基準値を演算する。そ
して、路面摩擦係数推定手段は、ヨーレートあるいは横
加速度についての高μ路基準値と低μ路基準値に対する
実際値の関係に基づいて第1の路面摩擦係数を推定する
とともに、前輪すべり角についての高μ路基準値と低μ
路基準値に対する上記実際値の関係に基づいて第2の路
面摩擦係数を推定して、所定条件が満足されたときに、
第1の路面摩擦係数に代えて第2の路面摩擦係数を採用
する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、請求項6記載の本発明による車両の
路面摩擦係数推定装置は、前輪すべり角の実際値を演算
する実際値演算手段と、高μ路車両運動モデルに基づい
て前輪すべり角の高μ路基準値を演算する高μ路基準値
演算手段と、低μ路車両運動モデルに基づいて前輪すべ
り角の低μ路基準値を演算する低μ路基準値演算手段
と、前輪すべり角についての上記高μ路基準値と上記低
μ路基準値に対する上記実際値の関係に基づいて路面摩
擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段とを備えたこと
を特徴とする。すなわち、実際値演算手段で前輪すべり
角の実際値を演算し、高μ路基準値演算手段で高μ路車
両運動モデルに基づいて前輪すべり角の高μ路基準値を
演算し、低μ路基準値演算手段で低μ路車両運動モデル
に基づいて前輪すべり角の低μ路基準値を演算する。そ
して、路面摩擦係数推定手段は、前輪すべり角について
の高μ路基準値と低μ路基準値に対する実際値の関係に
基づいて路面摩擦係数を推定する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】図1において、符号1は車両に搭載され、
路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置を示し、
この路面摩擦係数推定装置1の制御部2には、前輪舵角
センサ3、車速センサ4、横加速度センサ5およびヨー
レートセンサ6が接続され、それぞれ、前輪舵角δfs,
車速Vs ,横加速度(dy /dt )s ,ヨーレー
ト(ヨー角速度)(dψ/dt)s が入力されるように
なっている。尚、各パラメータの添字sは、センサ値で
あることを区別するためのものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】上記制御部2は、高μ路基準推定部1
1、低μ路基準推定部12、実際値推定部13、ヨー
レート比較路面μ推定部14、リサージュ図処理部1
5、リサージュ図路面μ推定部16、前輪すべり角比較
路面μ推定部17、最終路面μ設定部18から主要に構
成されており、路面摩擦係数μを推定して出力する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】上記高μ路基準推定部11は、車速Vs
と前輪舵角δfsが入力され、予め設定しておいた高μ路
における車両の運動方程式に基づく車両運動モデルによ
り、検出した車速Vs 、前輪舵角δfsに対応するヨーレ
ートを高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H として推
定演算し、ヨーレート比較路面μ推定部14に出力す
る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、高μ路基準ヨーレート(dψ/d
t)H は、リサージュ図処理部15に対しても出力され
るようになっている。さらに、高μ路基準推定部11
からは、上記高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H に
加え、それぞれ高μ路基準のヨー角加速度(d ψ/
dt )H 、前輪すべり角βfH、車体すべり角速度
(dβ/dt)H 、横加速度(d y/dt )H が
出力される。そして、高μ路基準ヨー角加速度(d
ψ/dt )H はヨーレート比較路面μ推定部14と
リサージュ図処理部15に、高μ路基準前輪すべり角β
fHは前輪すべり角比較路面μ推定部17にそれぞれ入力
される。さらに、高μ路基準車体すべり角速度(dβ/
dt)H は前輪すべり角比較路面μ推定部17に、高μ
路基準横加速度(d y/dt )H はヨーレート比
較路面μ推定部14と前輪すべり角比較路面μ推定部1
7にそれぞれ入力される。尚、上記高μ路基準推定部
11から出力される各パラメータの添字Hは、高μ路基
準のパラメータであることを示す。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】上記低μ路基準推定部12は、車速Vs
と前輪舵角δfsが入力され、予め設定しておいた低μ路
における車両の運動方程式に基づく車両運動モデルによ
り、検出した車速Vs 、前輪舵角δfsに対応するヨーレ
ートを低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L として推
定演算し、ヨーレート比較路面μ推定部14に出力す
る。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】また、低μ路基準ヨーレート(dψ/d
t)L は、リサージュ図処理部15に対しても出力され
るようになっている。さらに、低μ路基準推定部12
からは、上記低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L に
加え、それぞれ低μ路基準のヨー角加速度(d ψ/
dt )L 及び前輪すべり角βfLが出力される。そし
て、低μ路基準ヨー角加速度(d ψ/dt )L は
ヨーレート比較路面μ推定部14とリサージュ図処理部
15に、低μ路基準前輪すべり角βfLは前輪すべり角比
較路面μ推定部17にそれぞれ入力される。尚、上記低
μ路基準推定部12から出力される各パラメータの添
字Lは、低μ路基準のパラメータであることを示す。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】上記高μ路基準推定部11及び低μ路基
推定部12で用いる車両運動モデルと、各パラメー
タの演算について、図2を基に説明する。すなわち、図
2の車両運動モデルについて車両横方向の並進運動に関
する運動方程式は、前後輪のコーナリングフォース(1
輪)をFf,Fr、車体質量をM、横加速度を(d
/dt )として、 M・(d y/dt )=2・Ff+2・Fr …(1) で与えられる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】等価コーナリングパワーKf,Krの中で
ロールやサスペンションの影響を考慮するものとして、
この等価コーナリングパワーKf,Krを用いて、前後
輪の横すべり角βf,βrは、前輪舵角をδfとして以
下のように簡略化できる。 βf=β+Lf・(dψ/dt)/V−δf …(6) βr=β−Lr・(dψ/dt)/V …(7) 以上の運動方程式をまとめると、以下の状態方程式が得
られる。 (dx(t) /dt)=A・x(t) +B・u(t) …(8) x(t) =[β (dψ/dt)] u(t) =[δf 0] a11=−2・(Kf+Kr)/(M・V) a12=−1−2・(Lf・Kf−Lr・Kr)/(M・
) a21=−2・(Lf・Kf−Lr・Kr)/Iz a22=−2・(Lf ・Kf+Lr ・Kr)/(I
z・V) b11=2・Kf/(M・V) b21=2・Lf・Kf/Iz b12=b22=0 上記高μ路基準推定部11では、上記(8)式に、例
えば路面μが1.0における等価コーナリングパワーK
f,Krを予め設定しておき、そのときどきの車両運動
状態(車速Vs 、前輪舵角δfs)における(dx(t) /
dt)=[(dβ/dt) (d ψ/dt )]
を計算することで、高μ路基準の車体すべり角速度
(dβ/dt)H とヨー角加速度(d ψ/dt
H を演算する。そして、演算した高μ路基準の車体すべ
り角速度(dβ/dt)H とヨー角加速度(d ψ/
dt )H を積分することにより、高μ路基準の車体
すべり角βH とヨーレート(dψ/dt)H が得られ
る。また、高μ路基準の車体すべり角βH とヨーレート
(dψ/dt)H を前記(6)式に代入することによ
り、高μ路基準前輪すべり角βfHが算出される。更に、
高μ路基準の車体すべり角速度(dβ/dt)H とヨー
レート(dψ/dt)H を前記(3)式に代入すること
により、高μ路基準横加速度(d y/dt )H が
算出される。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】同様に、上記低μ路基準推定部12で
は、上記(8)式に、例えば路面μが0.3における等
価コーナリングパワーKf,Krを予め設定しておき、
そのときどきの車両運動状態(車速Vs 、前輪舵角δf
s)における(dx(t) /dt)=[(dβ/dt)
(d ψ/dt )] を計算することで、低μ路
基準の車体すべり角速度(dβ/dt)L とヨー角加速
度(d ψ/dt )Lを演算する。そして、演算し
た低μ路基準の車体すべり角速度(dβ/dt)Lとヨ
ー角加速度(d ψ/dt )L を積分することによ
り、低μ路基準の車体すべり角βL とヨーレート(dψ
/dt)L が得られる。また、低μ路基準の車体すべり
角βL とヨーレート(dψ/dt)L を前記(6)式に
代入することにより、低μ路基準前輪すべり角βfLが算
出される。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】上記実際値推定部13は、車速Vs 、前輪
舵角δfs、横加速度(dy /dt )s 及びヨーレ
ート(dψ/dt)s が入力され、実際の車両の挙動を
フィードバックしつつ、実際のヨーレート(dψ/d
t)O 推定演算する、車両運動モデルにより形成した
オブザーバである実際値推定部13で推定演算された
ヨーレート(dψ/dt)O は、ヨーレート比較路面
μ推定部14及びリサージュ図処理部15に対して出力
される。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】また、実際値推定部13からは、上記
ーレート(dψ/dt)O に加え、ヨー角加速度(d
ψ/dt )O がヨーレート比較路面μ推定部14及
びリサージュ図処理部15に対して出力される。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】更に、実際値推定部13では、前輪すべ
角βfOオブザーバにより演算されて、前輪すべり角
比較路面μ推定部17に出力されるようになっている。
尚、上記実際値推定部13から出力される各パラメータ
の添字Oは、オブザーバからのパラメータであることを
示す。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】これらの関係から、オブザーバによりヨ
角加速度(d ψ/dt )O と車体すべり角速度
(dβ/dt)O が以下の(11)、(12)式で推定
演算される。 (d ψ/dt )O =a11・(dψ/dt)O +a12・βO +b11・δfs +k11・((dψ/dt)s −(dψ/dt)O ) +k12・(βs −βO ) …(11) (dβ/dt)O =a21・(dψ/dt)O +a22・βO +k21・((dψ/dt)s −(dψ/dt)O ) +k22・(βs −βO ) …(12)
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】そして、これらにより演算されるヨー角加
速度(d ψ/dt )O と車体すべり角速度(dβ
/dt)O を積分することにより、ヨーレート(dψ
/dt)O と車体すべり角βO を演算する。さらに、車
体すべり角βO とヨーレート(dψ/dt)O を前記
(6)式に代入することにより、前輪すべり角βfOが
算出される。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】尚、上記高μ路基準推定部11、低μ路
基準推定部12、実際値推定部13での演算は、車速
Vs =0では、0による除算となり演算が行えない。こ
のため、極低速(例えば、10km/hに達しない速度)で
は、ヨーレート及び横加速度はセンサ値とする。すなわ
ち、 (dψ/dt)H =(dψ/dt)L =(dψ/dt)
O =(dψ/dt)s (d y/dt )O =(d y/dt )s とする。また、車体すべり角については、定常円旋回の
幾何学的関係から、 βH =βL =βO =δfs・Lr/(Lf+Lr) とする。このとき、コーナリングフォースは発生してい
ないので、前輪すべり角は全て0となる。 βfH=βfL=βfO=0
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】上記ヨーレート比較路面μ推定部14に
は、車速Vs 、前輪舵角δfsのセンサ値と、高μ路基準
のヨーレート(dψ/dt)H 、ヨー角加速度(d
ψ/dt )H 、横加速度(d y/dt )H
と、低μ路基準のヨーレート(dψ/dt)L 、ヨー角
加速度(d ψ/dt )L と、ヨーレート(dψ
/dt)O 及びヨー角加速度(d ψ/dt )O が
入力される。また、リサージュ図処理部15からは、後
述する高μ路側位相相当成分PH 及び低μ路側位相相当
成分PL が入力される。そして、後述する実行条件が満
たされる場合に、高μ路基準ヨーレート(dψ/dt)
H と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)Lとヨーレ
ート(dψ/dt)O とにより、以下(13)式に基づ
き新たな路面摩擦係数μγnを演算する。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】ここで、μH は、高μ路基準推定部11
において予め想定した路面摩擦係数(例えば1.0)
を、μL は、低μ路基準推定部12において予め想定
した路面摩擦係数(例えば0.3)をそれぞれ示してい
る。 μγn=((μH −μL )・(dψ/dt)O +μL ・(dψ/dt)H −μH ・(dψ/dt)L )/((dψ/dt)H −(dψ/dt)L ) …(13)
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】すなわち、この(13)式では、高μ路基
準ヨーレート(dψ/dt)H と低μ路基準ヨーレート
(dψ/dt)L から一次関数を形成し、この一次関数
ヨーレート(dψ/dt)O を代入することにより
路面摩擦係数を求め、新たな路面摩擦係数μγnとす
る。尚、この新たな路面摩擦係数μγnは、所定の上限
値(例えば、1.0)と下限値(例えば、特に低μ路に
おいて精度良く求めた他の路面摩擦係数値)の間で制限
するものとする。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】(1−2)センサ入力値の電気ノイズや、
モデル化の段階で考慮されていない外乱等の影響を考慮
し、ノイズや外乱等の影響の割合が相対的に大きくなる
ヨーレートの絶対値が小さい場合には演算を行わない。
例えば、ヨーレート(dψ/dt)O の絶対値が1.
5deg/s に達しない場合には演算を行わない。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】尚、本実施の形態では、路面摩擦係数の推
定にヨーレートを用いているが、横加速度を用いて路面
摩擦係数を推定しても、確実に、高精度な路面摩擦係数
の推定を行うことができる。この場合、高μ路基準横加
速度と低μ路基準横加速度とオブザーバにより推定演算
た横加速度を用いて、これらを基に路面摩擦係数を推
定する。横加速度を用いて路面摩擦係数を推定する各ロ
ジックは、略同様にして導出することができるので、詳
しい説明は省略する。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】以下具体的に説明すると、リサージュ図処
理部15には、車速Vs と、高μ路基準のヨーレート
(dψ/dt)H 、ヨー角加速度(d ψ/dt
H と、低μ路基準のヨーレート(dψ/dt)L 、ヨー
角加速度(d ψ/dt )L と、ヨーレート(d
ψ/dt)O 及びヨー角加速度(d ψ/dt )O
が入力される。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】上記リサージュ図処理部15では、ヨー
レート(dψ/dt)O と高μ路基準ヨーレート(dψ
/dt)H とでリサージュ図を形成し、このリサージュ
図の面積を高μ路側リサージュ図面積SH として演算し
てリサージュ図路面μ推定部16に出力する。また、リ
サージュ図処理部15は、ヨーレート(dψ/dt)
O と低μ路基準のヨーレート(dψ/dt)L とでリサ
ージュ図を形成し、このリサージュ図の面積を低μ路側
リサージュ図面積SL として演算してリサージュ図路面
μ推定部16に出力する。さらに、リサージュ図処理部
15では、リサージュ図を形成する2つのパラメータ間
の遅れに相当する量を位相相当成分として演算し、高μ
路側リサージュ図から求められる高μ路側位相相当成分
PH と、低μ路側リサージュ図から求められる低μ路側
位相相当成分PL を、ヨーレート比較路面μ推定部14
と前輪すべり角比較路面μ推定部17に出力する。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】一般に、図5(a),(b),(c)に示
すように、サイン波状の信号Aと信号Bとで形成したリ
サージュ図は、2つの信号間に遅れが生じると面積が大
きくなる。このため、図4(a)に示すような、各ヨー
レート(dψ/dt)O 、(dψ/dt)H 、(dψ/
dt)L において、ヨーレート(dψ/dt)O と高
μ路基準ヨーレート(dψ/dt)H とで形成した高μ
路側リサージュ図面積SH と、ヨーレート(dψ/d
t)O と低μ路基準ヨーレート(dψ/dt)L とで形
成した低μ路側リサージュ図面積SL の大小を比較する
ことにより、路面摩擦係数の低μ或いは高μ寄りを判定
するのである。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】尚、高μ路側リサージュ図面積SH 或いは
低μ路側リサージュ図面積SL の演算は、車速Vs が、
例えば10km/hに達しない低速走行の場合、或いは
ーレート(dψ/dt)O が、例えば1.5deg/s に達
しない場合は、誤差が大きくなるので実行せず初期化
(クリア)する。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】上記前輪すべり角比較路面μ推定部17
は、車速Vs と、高μ路基準の前輪すべり角βfH、車体
すべり角速度(dβ/dt)H 、横加速度(d y/
dt)H と、低μ路基準前輪すべり角βfL及び前輪
すべり角βfOが入力される。また、リサージュ図処理部
15からは、高μ路側位相相当成分PH 及び低μ路側位
相相当成分PL が入力される。そして、後述する実行条
件が満たされる場合に、高μ路基準前輪すべり角βfHと
低μ路基準前輪すべり角βfLと前輪すべり角βfOとに
より、以下(19)式に基づき新たな路面摩擦係数μβ
fnを演算する。この(19)式は、前記(13)式に対
応する式となっている。 μβfn=((μH −μL )・βfO+μL ・βfH−μH ・βfL) /(βfH−βfL) …(19)
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】すなわち、上記(19)式も、前記(1
3)式と同様に、高μ路基準前輪すべり角βfHと低μ路
基準前輪すべり角βfLから一次関数を形成し、この一次
関数に前輪すべり角βfOを代入することにより路面摩
擦係数を求め、新たな路面摩擦係数μβfnとする。そし
て、この新たな路面摩擦係数μβfnを、所定の範囲に制
限してフィルタ処理することにより前輪すべり角比較に
よる路面摩擦係数μβfを演算して、最終路面μ設定部
18に対して出力するようになっている。
【手続補正34】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】(2−2)前輪すべり角βfOが設定範囲
(例えば、0.5deg 〜5deg の範囲)にない場合は、
誤差が大きいとして路面摩擦係数の推定を行わない。
【手続補正35】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】(2−4)高μ路基準前輪すべり角βfH、
低μ路基準前輪すべり角βfL、前輪すべり角βfO間の
遅れは比較的少ないため、高μ路基準前輪すべり角βf
H、低μ路基準前輪すべり角βfL、前輪すべり角βfO
が全て同符号でなければ路面摩擦係数の推定を行わな
い。
【手続補正36】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】すなわち、本実施の形態においては、ヨー
レート比較路面μ推定部14、リサージュ図処理部1
5、リサージュ図路面μ推定部16、前輪すべり角比較
路面μ推定部17及び最終路面μ設定部18で、路面
擦係数推定手段が構成されている。
【手続補正37】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】S103では、高μ路基準推定部11
で、高μ路における車両運動モデルにより、高μ路基準
ヨーレート(dψ/dt)H 、高μ路基準のヨー角加速
度(d ψ/dt )H 、前輪すべり角βfH、車体す
べり角速度(dβ/dt)H 、横加速度(d y/d
)H が演算される。
【手続補正38】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】S104では、低μ路基準推定部12
で、低μ路における車両運動モデルにより、低μ路基準
ヨーレート(dψ/dt)L 、低μ路基準のヨー角加速
度(d ψ/dt )L 、前輪すべり角βfLが演算さ
れる。
【手続補正39】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】S105では、実際値推定部13で、車両
運動モデルにより形成したオブザーバにより、ヨーレ
ート(dψ/dt)O 、ヨー角加速度(d ψ/dt
)O 、前輪すべり角βfOが演算される。
【手続補正40】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】また、前記(1−2)の条件で説明したよ
うに、S109ではヨーレート(dψ/dt)O の絶
対値が設定値(例えば、1.5deg/s )以上か判定す
る。
【手続補正41】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】S116、そしてその後のS117は、高
μ路側リサージュ図面積SH 或いは低μ路側リサージュ
図面積SL の演算が可能か判定するものであり、S11
6では車速Vs が設定値(例えば、10km/h)以上か判
定する。また、S117ではヨーレート(dψ/d
t)O が設定値(例えば、1.5deg/s )以上か判定す
る。
【手続補正42】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正内容】
【0113】また、前記(2−2)の条件で説明したよ
うに、S133では前輪すべり角βfOが設定範囲(例
えば、0.5deg 〜5deg の範囲)内か判定する。
【手続補正43】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正内容】
【0115】また、前記(2−4)の条件で説明したよ
うに、S135では高μ路基準前輪すべり角βfH、低μ
路基準前輪すべり角βfL、前輪すべり角βfOが全て同
符号か判定する。
【手続補正44】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】このように、本実施の形態では、高μ路及
び低μ路における車両運動モデルにより推定される基準
ヨーレートと、車両運動モデルにより形成したオブザー
バにより推定されるヨーレートを比較して路面摩擦係
数を求めることを基本としている。このため、外乱やノ
イズによる誤差、位相遅れによる誤差、更に累積誤差が
小さく精度の良い路面摩擦係数を求めることができる。
【手続補正45】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正内容】
【0126】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至請求項
記載の発明によれば、車両の運動モデルにより形成し
たオブザーバと高μ路車両運動モデルと低μ路車両運動
モデルから、ヨーレートと横加速度の少なくとも一方の
パラメータに関して、実際値と高μ路基準と低μ路基
を推定し、これら各を基に路面摩擦係数を推定す
るので、累積誤差の影響、外乱やノイズによる誤差、パ
ラメータの位相遅れによる誤差等が小さく確実に精度の
高い路面摩擦係数の推定を行うことができる。
【手続補正46】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正内容】
【0127】また、請求項記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項3記載の発明において、実際値と高μ路
基準とで形成した高μ路側リサージュ図面積と、実際
と低μ路基準とで形成した低μ路側リサージュ図面
積との関係から過去に推定した路面摩擦係数を補正して
今回の路面摩擦係数を推定するようにすれば、遅れに対
して敏感に変化するリサージュ図面積の関係から過去の
路面摩擦係数を補正して今回の路面摩擦係数を精度良く
推定することができ、より広範な領域での正確な路面摩
擦係数の推定が可能になる。
【手続補正47】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正内容】
【0128】更に、請求項記載の発明によれば、ヨ
レートまたは横加速度に関する実際値、高μ路基準
低μ路基準から推定された路面摩擦係数と、前輪すべ
り角に関する実際値、高μ路基準、低μ路基準から
推定された路面摩擦係数とから最終的な路面摩擦係数を
推定するようにしたので、請求項1による効果に加え、
コーナリングフォースの発生と密接に関係した前輪すべ
り角で推定された正確な路面摩擦係数によって、より広
範な領域での正確な路面摩擦係数の推定が可能になる。
【手続補正48】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正内容】
【0129】また、請求項記載の発明によれば、車両
の運動モデルにより形成したオブザーバと高μ路車両運
動モデルと低μ路車両運動モデルから、前輪すべり角に
関して、実際値と高μ路基準と低μ路基準を推定
し、これら各を基に路面摩擦係数を推定するので、コ
ーナリングフォースの発生と密接に関係した前輪すべり
角で推定された正確な路面摩擦係数によって、広範な領
域での正確な路面摩擦係数の推定が可能になる。
【手続補正49】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】路面摩擦係数推定装置の構成を示す機能ブロッ
ク図
【図2】4輪車の等価的な2輪車モデルを示す説明図
【図3】オブザーバの構成を示す説明図
【図4】2つの波形により描かれるリサージュ図面積の
演算の説明図
【図5】2つの波形により描かれるリサージュ図の説明
【図6】路面摩擦係数推定のフローチャート
【図7】図6の続きのフローチャート
【図8】図7の続きのフローチャート
【図9】図8の続きのフローチャート
【符号の説明】 1 路面摩擦係数推定装置 3 前輪舵角セン 4 車速セン 5 横加速度セン 6 ヨーレートセン 11 高μ路基準推定部(高μ路基準値演算手段) 12 低μ路基準推定部(低μ路基準値演算手段) 13 実際値推定部(実際値演算手段) 14 ヨーレート比較路面μ推定部(路面摩擦係数
定手段) 15 リサージュ図処理部(路面摩擦係数推定手段) 16 リサージュ図路面μ推定部(路面摩擦係数推定
手段) 17 前輪すべり角比較路面μ推定部(路面摩擦係数
推定手段) 18 前輪すべり角路面μ補正部(路面摩擦係数推定
手段)
【手続補正50】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運動状態を検出する運動状態検出
    手段と、 車両の運動モデルによりオブザーバを形成し、このオブ
    ザーバに検出した車両運動状態を入力してヨーレートと
    横加速度の少なくとも一方のパラメータを基本パラメー
    タとして推定する基本パラメータ推定手段と、 高μ路面における車両の運動モデルを予め形成し、この
    高μ路車両運動モデルに検出した車両運動状態を入力し
    て高μ路面における上記パラメータを高μ路基準パラメ
    ータとして推定する高μ路基準パラメータ推定手段と、 低μ路面における車両の運動モデルを予め形成し、この
    低μ路車両運動モデルに検出した車両運動状態を入力し
    て低μ路面における上記パラメータを低μ路基準パラメ
    ータとして推定する低μ路基準パラメータ推定手段と、 上記基本パラメータと上記高μ路基準パラメータと上記
    低μ路基準パラメータを基に路面摩擦係数を推定する路
    面μ推定手段と、 を備えたことを特徴とする車両の路面摩擦係数推定装
    置。
  2. 【請求項2】 上記路面μ推定手段は、予め設定した条
    件が成立するとき、上記基本パラメータと上記高μ路基
    準パラメータとでリサージュ図を形成して高μ路側のリ
    サージュ図面積を演算すると共に、上記基本パラメータ
    と上記低μ路基準パラメータとでリサージュ図を形成し
    て低μ路側のリサージュ図面積を演算し、これら高μ路
    側リサージュ図面積と低μ路側リサージュ図面積との関
    係から過去に推定した路面摩擦係数を補正して今回の路
    面摩擦係数を推定することを特徴とする請求項1記載の
    車両の路面摩擦係数推定装置。
  3. 【請求項3】 上記基本パラメータ推定手段は、上記オ
    ブザーバによりさらに前輪すべり角を基本パラメータと
    して推定し、上記高μ路基準パラメータ推定手段は、上
    記高μ路車両運動モデルによりさらに高μ路面における
    前輪すべり角を高μ路基準パラメータとして推定し、上
    記低μ路基準パラメータ推定手段は、上記低μ路車両運
    動モデルによりさらに低μ路面における前輪すべり角を
    低μ路基準パラメータとして推定し、上記路面μ推定手
    段は、ヨーレートまたは横加速度に関する基本パラメー
    タ、高μ路基準パラメータ、低μ路基準パラメータから
    推定された路面摩擦係数と、前輪すべり角に関する基本
    パラメータ、高μ路基準パラメータ、低μ路基準パラメ
    ータから推定された路面摩擦係数とから最終的な路面摩
    擦係数を推定することを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の車両の路面摩擦係数推定装置。
  4. 【請求項4】 車両の運動状態を検出する運動状態検出
    手段と、 車両の運動モデルによりオブザーバを形成し、このオブ
    ザーバに上記車両運動状態を入力して前輪すべり角を基
    本パラメータとして推定する基本パラメータ推定手段
    と、 高μ路面における車両の運動モデルを予め形成し、この
    高μ路車両運動モデルに上記車両運動状態を入力して高
    μ路面における前輪すべり角を高μ路基準パラメータと
    して推定する高μ路基準パラメータ推定手段と、 低μ路面における車両の運動モデルを予め形成し、この
    低μ路車両運動モデルに上記車両運動状態を入力して低
    μ路面における前輪すべり角を低μ路基準パラメータと
    して推定する低μ路基準パラメータ推定手段と、 上記基本パラメータと上記高μ路基準パラメータと上記
    低μ路基準パラメータを基に路面摩擦係数を推定する路
    面μ推定手段と、 を備えたことを特徴とする車両の路面摩擦係数推定装
    置。
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