JPH0958514A - 車両用タイヤ・路面間摩擦状態推定装置 - Google Patents

車両用タイヤ・路面間摩擦状態推定装置

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JPH0958514A
JPH0958514A JP24081095A JP24081095A JPH0958514A JP H0958514 A JPH0958514 A JP H0958514A JP 24081095 A JP24081095 A JP 24081095A JP 24081095 A JP24081095 A JP 24081095A JP H0958514 A JPH0958514 A JP H0958514A
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清志 若松
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好恭 飽田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御の容量や計算能力を大きく高めることな
くタイヤ・路面間の摩擦状態を求める車両用タイヤ・路
面間摩擦状態推定装置を提供する。 【解決手段】 ヨーレイトセンサと、標準ヨーレイト出
力部23と、標準ヨーレイト信号と実ヨーレイト信号と
から装着タイヤ及び走行路面の両者間の摩擦状態を推定
する推定パラメータを算出して当該推定パラメータに基
づき推定ヨーレイト信号を算出して出力する推定ヨーレ
イト算出部25と、標準ヨーレイト信号と実ヨーレイト
信号と推定ヨーレイト信号とに基づき推定パラメータを
同定して摩擦状態を推定する推定パラメータ同定部26
とを設ける。 【効果】 標準ヨーレイト信号と実ヨーレイト信号と推
定ヨーレイト信号とに基づき推定パラメータを同定する
ことにより、別個にセンサを設けることなく、また高次
の伝達関数を求める必要もなく摩擦状態を推定すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4輪操舵装置など
の車両の旋回挙動を制御する旋回挙動制御装置に用いる
のに適する車両用タイヤ・路面間摩擦状態推定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行状態の変化に対して能動的に
4輪を操舵するようにした4輪操舵車両があった。その
車両にあって、ステアリング操舵角と車速との関数を用
いると共に、パワーステアリング装置のシリンダ内圧セ
ンサの出力に応じて、タイヤ・路面間の摩擦係数を推定
する手段を設けたものがある。
【0003】上記従来の4輪操舵車両にあっては、1つ
のタイヤ及び1つの路面状況により一義的に設けた規範
ヨーレイトを設定した場合に、タイヤや路面状況が設定
条件に対して著しく変化(例えば標準装着タイヤに対し
て高性能タイヤやスタッドレスタイヤに変えたり、乾燥
路に対して雨天や積雪時の路面を走行)すると、その変
化に対応した最適な応答特性を実現することが困難であ
るという問題があり、そのために各状態を判別可能な各
種センサなどを追加するのでは価格の高騰化かつ重量増
となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記各種センサを設け
るのではなく、4輪操舵制御装置などの車両の旋回挙動
を制御する旋回挙動制御装置に用いるヨーレイトセンサ
を用いて、車両の応答特性から、タイヤ・路面間の摩擦
状態(例えば摩擦係数)を間接的に推定することができ
る。しかしながら、車両の応答特性は、例え線形領域で
あっても高次(少なくとも2次以上)の伝達関数で表さ
れ、車速によっても変化する。そのため、上記車両の応
答特性を同定するためのアルゴリズムが複雑化し、4輪
操舵制御に用いているECUの容量及び計算能力を大き
く高めるなどしなければならず、装置が高騰化するばか
りでなく、上記伝達関数は直接路面状態を表すものでは
なく、さらに何らかの計算を追加しなければならないと
いう問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決し
て、制御の容量や計算能力を大きく高めることなくタイ
ヤ・路面間の摩擦状態を求め得ることを実現するため
に、本発明に於いては、車両のヨーレイトを検出して実
ヨーレイト信号を出力するヨーレイトセンサと、標準タ
イヤで標準路面を走行した状態において少なくともステ
アリングホイールの操舵角と車速とに基づいて表れるこ
とになる標準ヨーレイト信号を出力する標準ヨーレイト
出力部と、前記標準ヨーレイト信号と前記実ヨーレイト
信号とから装着タイヤ及び走行路面の両者間の摩擦状態
による変動を推定する推定パラメータに基づき推定ヨー
レイト信号を算出して出力する推定ヨーレイト算出部
と、前記標準ヨーレイト信号と前記実ヨーレイト信号と
前記推定ヨーレイト信号とに基づき前記推定パラメータ
を同定して前記摩擦状態を推定する推定パラメータ同定
部とを有するものとした。特に、前記標準ヨーレイト信
号と前記実ヨーレイト信号とが、前記推定ヨーレイト出
力部と前記推定パラメータ同定部とにローパスフィルタ
を介して出力されたり、あるいは、前記推定された摩擦
状態から定数を求めて、当該定数に対応させて前記標準
ヨーレイト信号を減少させると共に、該定数の減少を前
記推定パラメータを同定する同定パラメータに応じて段
階的に変化させる摩擦状態定数設定部を有し、前記標準
ヨーレイト信号を前記定数に応じて減少させ、当該減少
した標準ヨーレイト信号を前記実ヨーレイト信号と一致
させるように車輪の転舵角を制御する操舵装置を制御す
ると良い。
【0006】このように、標準ヨーレイト信号と実ヨー
レイト信号とから推定パラメータを求めて推定ヨーレイ
ト信号を出力し、標準ヨーレイト信号と実ヨーレイト信
号と推定ヨーレイト信号とに基づき推定パラメータを同
定することにより、別個にセンサを設けることなく、ま
た高次の伝達関数を求める必要もなく摩擦状態を推定す
ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された具体
例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明す
る。
【0008】図1は、本発明が適用された車両用前後輪
操舵装置の全体構成を図式的に示している。ステアリン
グホイール1を一端に固着されたステアリングシャフト
2は、前輪転舵装置3の転舵ロッド4と機械的に連結さ
れている。この転舵ロッド4の両端は、左右前輪5を支
持する各ナックルアーム6にタイロッド7を介してそれ
ぞれ連結されている。
【0009】車両の後部に配置された後輪転舵装置8
は、車幅方向に延在する転舵ロッド9を、アクチュエー
タとしての電動モータ10で駆動するようになってい
る。そして転舵ロッド9の両端は、前輪5側の転舵ロッ
ド4と同様に、左右後輪11を支持するナックルアーム
12にタイロッド13を介してそれぞれ連結されてい
る。
【0010】前後両転舵装置3・8には、各転舵ロッド
4・9の位置を検知して各車輪5・11の転舵量を測定
するために、舵角センサ14・15が装着されている。
また、ステアリングシャフト2には、ステアリングホイ
ール1の操舵量を検知するための舵角センサ16が取り
付けられている。これに加えて、各車輪5・11には、
それぞれ車速センサ17が設けられ、車体の適所には、
横加速度センサ18並びにヨーレイトセンサ19が設け
られている。
【0011】これらの各センサ14〜19は、電動モー
タ10を駆動制御するコンピュータユニット20に電気
的に接続されている。
【0012】本装置に於ては、ステアリングホイール1
を運転者が操舵すると、前輪転舵装置3の転舵ロッド4
が機械的に駆動されて前輪5が転舵される。と同時に、
ステアリングホイール1の操舵量および転舵ロッド4の
移動量が、各舵角センサ14〜16を介してコンピュー
タユニット20にそれぞれ入力される。そしてこれら前
輪転舵角、車速、横加速度、及びヨーレイトの各入力値
に基づいて求めた車両の走行状況によりコンピュータユ
ニット20が後輪11の最適転舵量を決定し、電動モー
タ10を駆動して後輪11を転舵するようになってい
る。
【0013】次にコンピュータユニット20内における
制御について図2及び図3を参照して説明する。
【0014】図2は、実際の車両におけるヨーレイトを
求めるためのモデル化したブロック図である。図では、
車両の走行時にヨーレイトセンサ19により検出されて
出力されるヨーレイト信号と同一の実ヨーレイト信号γ
が、ステアリングホイール1の操舵角θhと後輪転舵角
δrとの各信号に基づき実車両ヨーレイト応答部21に
より求められるが、その実車両ヨーレイト応答部21
を、標準タイヤを装着し標準路面を走行する際のヨーレ
イトが路面状態やタイヤの違いにより変動すると仮定し
て、標準ヨーレイト出力部22と実走行変動要素23と
により構成し得る。このようにモデル化したものでは、
標準走行状態(標準タイヤ・標準路面)で表れることに
なる標準ヨーレイト信号uをステアリングホイール1の
操舵角θhと車速により変化する後輪転舵角δrとの各信
号に基づき標準ヨーレイト出力部22にて算出し、その
標準ヨーレイト信号uに基づき実走行変動要素23を介
することにより実ヨーレイト信号γが得られていること
から、逆に標準ヨーレイト信号uと実ヨーレイト信号γ
とから実走行変動要素23を求め得ることが解る。な
お、標準ヨーレイト出力部は前後輪操舵装置であること
から操舵角θhと車速により変化する後輪転舵角δrとで
求めているが、前輪のみ操舵する車両においては操舵角
θhと車速のみとで求め得る。
【0015】本発明では、上記操舵角θh及び後輪転舵
角δrと、ヨーレイトセンサ19により検出される実ヨ
ーレイト信号γとにより、路面・タイヤ間の摩擦状態を
判定するものであり、そのモデル化したブロック図を図
3に示す。図3には、図2で示した実車両ヨーレイト応
答部21を同定する手段としてのヨーレイト同定部24
が示されており、このヨーレイト同定部24は、上記と
同様の標準ヨーレイト出力部22と、その標準ヨーレイ
ト出力部22から出力される標準ヨーレイト信号uを入
力される推定ヨーレイト算出部25及び推定パラメータ
同定部26とにより構成されている。
【0016】次に、図4のフローチャートに基づき上記
ヨーレイト同定部24の作動要領について以下に示す。
先ず、第1ステップST1で操舵角θhを読み込み、次
の第2ステップST2で後輪転舵角δrを読み込み、次
の第3ステップST3で車速Vを読み込む。そして、第
4ステップST4で標準タイヤで標準路面を走行した状
態における標準ヨーレイトuを計算する。この標準ヨー
レイトuの計算方法を以下に示す。
【0017】まず、2輪モデル伝達関数
【0018】
【数1】 より、
【0019】 u=Pf(s)・θh+Pr(s)・δr …(2)
【0020】と表せる。ここで、Msは車重、Jzはヨー
慣性モーメント、Nfはステアリングギア比、Lf及びL
rは前輪及び後輪から重心までの各距離、Kf及びKr
前輪及び後輪の各コーナリングパワー、Vは車速、L=
f+Lr、Sはラプラス演算子である。
【0021】そして、式(2)を双一次変換で離散化す
ると、
【0022】 u(n-T)=B0(V)・(θh(n-T)+θh(n-1・T)+B2(V)・(θh((n-1)・T) +C0(V)・(Sr(n-T)+δr((n-1)・T) +C2(V)・(δr((n-1)・T))+δr((n-1)・T)) +A1(V)・u((n-1)・T)+A2(V)・u((n-2)・T) …(3)
【0023】と表せる。ここで、パラメータA1、A2
0、B2、C0、C2は、車速によるマップパラメータで
ある。
【0024】そして、第5ステップST5で実ヨーレイ
ト信号γを読み込み、次の第6ステップST6で、推定
パラメータを用いてヨーレイト変動の推定値
【0025】
【外1】
【0026】を推定ヨーレイト算出部25にて計算す
る。ここで、ヨーレイト変動γ(nT)が1次式で表せる
とすると、
【0027】 γ(nT)=−a・γ((n-1)・T)+b・u((n-1)・T) …(4)
【0028】となる。式誤差に基づく重み付き最小2乗
法でパラメータa、bを推定する。式(4)に対する逐
次同定モデルは、
【0029】
【数2】
【0030】と表せる。
【0031】第7ステップST7では同定可能状態であ
るか否かを判別し、同定可能状態であれば第8ステップ
ST8に進む。その第8ステップST8では推定パラメ
ータ
【0032】
【外2】
【0033】の同定ゲインの計算を推定パラメータ同定
部26にて行い、次の第9ステップST9では推定パラ
メータ
【0034】
【外2】
【0035】の同定ゲインの更新を行う。
【0036】この第8ステップST8及び第9ステップ
ST9で行う逐次同定ロジックとして、上記式(5)に
おいて、
【0037】
【数3】
【0038】とおくと、同定誤差ε(nT)は、
【0039】
【数4】
【0040】となる。ε(nT)→0のときに
【0041】
【外3】
【0042】となる同定則として次の式(8)の形のも
のを用いる(重み付き最小2乗法)。
【0043】
【数5】
【0044】ここで、ρは過去の値をどれだけ重視する
かを示す忘却係数で、0<ρ=<1である。従って、式
(8)より、逐次推定パラメータ
【0045】
【外4】
【0046】が計算される。
【0047】そして、第9ステップST9を経た後の第
10ステップST10にて、切り替えを行う他のブロッ
クへ進む処理を行う。なお、第7ステップST7で同定
可能状態でないと判別された場合には第11ステップS
T11に進み、その場合には推定パラメータ
【0048】
【外2】
【0049】の同定ゲインの保持を行って、第10ステ
ップST10に進む。このようにして図3に示されるブ
ロック図による処理が行われ、同定したパラメータ
【0050】
【外2】
【0051】の値に応じて、4WS制御補償器(規範ヨ
ーレイト等)のパラメータを切り替える。
【0052】なお、上記フローにおいて、第4ステップ
ST4と第5ステップST5との間で標準ヨーレイトu
に対してのフィルタ計算を図3の想像線で示されるフィ
ルタ27にて行うと良い。このフィルタ27は、高周波
数領域(速い操舵)での標準ヨーレイトuと実ヨーレイ
トγとの不一致を回避するためのローパスフィルタ(2
次のバタワース・フィルタ)であると良い。
【0053】ローパスフィルタの連続時間領域の伝達関
数は、
【0054】
【数6】
【0055】となる。式(9)において、ωn=2π
n、fnはカットオフ周波数である。そこで、入力を
u、出力をu′として、式(9)を双一次変換で離散化
すると、
【0056】 u′(nT)=β・(u(nT)+2u((n-1)・T)+u((n-2)・T) +α1・u′((n-1)・T)+α2・u′((n-2)・T) …(10)
【0057】となる。なお、第5ステップST5と第6
ステップST6との間で実ヨーレイトγに対してもフィ
ルタ計算を図3の想像線で示されるフィルタ28にて行
うと良い。この実ヨーレイトγの場合も上記と同様であ
り、式(10)中でuをγにし、u′をγ′に置き換え
る。
【0058】このようにして、標準ヨーレイトがタイヤ
・路面の状況に応じて変化することにより、装着タイヤ
の種類に応じかつ様々な道路状態に適した外乱(横風・
スプリットμ制動)抑制機能の向上が図られ、また一般
走行においてヨーレイト偏差が少なくなるため、4WS
における後輪が無駄に動かず、違和感もなくなり、制御
特性が向上する。
【0059】また、個々の特長として、車輌モデルを全
て同定するよりも簡単なアルゴリズムで構成することが
できる。また、同定アルゴリズム部分を車速に依存しな
いアルゴリズムで構成できる。また、同定されるパラメ
ータは、0次モデルの場合にはゲインの比、1次モデル
の場合にはゲインの比とカットオフ周波数に相当するパ
ラメータになるので、それらの値で路面とタイヤとの状
態を直接判定できる。これらの効果により、制御装置に
必要な計算負荷やROM・RAMの容量を軽減できる。
【0060】なお、ヨーレイト信号以外にも横G等の車
両応答信号を用いても良い。また、4WS制御以外に
も、例えばABS(アンチロックブレーキ)やTCS
(トラクションコントロール)や4WD(4輪駆動)の
各制御に適用可能であり、4WS制御以外のデバイスの
制御パラメータの切り替えや警報にも適用可能である。
【0061】また、図3の同定ロジックを特に限定する
ものではなく、最小2乗法や最尤法やカルマンフィルタ
などが挙げられる。また図2の同定パラメータ
【0062】
【外2】
【0063】は、ベクトルになっても良い。
【0064】ところで、図2の標準ヨーレイト出力部2
2のモデルの精度が悪くなる状況では図2の同定精度も
悪くなる。そこで、事前にそのような状況を検知しかつ
判定できる場合(第7ステップST7から第11ステッ
プST11に進む場合)には、図3の同定ロジックを停
止して、同定パラメータ
【0065】
【外2】
【0066】を保持しておく。このような場合として
は、低速時や大舵角時や高G領域などである。また、直
進状態(微小舵角)でも同定精度が悪くなるので、同様
に処理すると良い。
【0067】また、同定精度の悪化を判定することが困
難な場合には、前記したようにフィルタ27・28を用
いて同定に必要な外部信号を前処理することにより、同
定精度の悪化を防止する。なお、高周波領域の場合には
ローパスフィルタを用い、極低周波領域の場合にはハイ
パスフィルタを用いると良い。
【0068】次に、路面状態判定ロジックの例を図5及
び図6を参照して以下に示す。図5は、標準タイヤ・標
準路面で走行した場合の標準ヨーレイトuの変化を実線
で示し、実走行時であって標準状態とほぼ等しい走行状
況の場合の実ヨーレイトγを想像線で示している。そし
てリアルタイムで判定するが、あるタイミングで標準ヨ
ーレイトuがMであり、実ヨーレイトγがY1であった
とすると、図においてはY1/M≒1であることから、
ドライ路であると判定できる。
【0069】図6は、圧雪路を走行した場合の実ヨーレ
イトγを想像線で示しており、この場合に、あるタイミ
ングで標準ヨーレイトuがMであり、実ヨーレイトγが
Y2であったとすると、Y2/M<<1になる。そし
て、上記標準走行状態の場合と圧雪路走行状態の場合と
の各比を複数の段階に分けることにより、種々の路面状
態を判定でき、図6の場合には圧雪路であると判定でき
る。
【0070】また、車線変更を行った場合の適応目標ヨ
ーレイト特性を図7及び図8を参照して以下に示す。図
においてドライ路(標準路面)を走行した場合を実線で
示し、圧雪路を走行した場合を想像線で示している。な
お、標準路面を走行した場合のヨーレイト値Dに対する
実走行時のヨーレイト値Sの比が、S/D=1の場合に
はドライ路走行であり、概ねS/D=0.3の場合に圧
雪路走行になる。
【0071】次に、路面判定ロジックを図7のブロック
図を参照して以下に示す。図7において、操舵角θ
hが、F/F(フィードフォワード)補償器31と標準
ヨーレイト計算部(前記標準ヨーレイト出力部22と同
機能)32とにそれぞれ入力している共に、車速Vも同
様にF/F補償器31と標準ヨーレイト計算部32とに
それぞれ入力する。また、F/F補償器31の出力δFF
が標準ヨーレイト計算部32に入力するようになってい
る。
【0072】標準ヨーレイト計算部32の出力uが路面
状態判定ロジック部33に入力し、その路面状態判定ロ
ジック部33には実ヨーレイトγが入力され、その路面
状態判定ロジック部33の出力u及び
【0073】
【外2】
【0074】が摩擦状態定数設定部としての目標ヨーレ
イト計算部34に入力するようになっている。その目標
ヨーレイト計算部34の出力が比較器35で実ヨーレイ
トγを減算され、その結果u0がF/B(フィードバッ
ク)補償器36に入力する。F/B補償器36には車速
Vも入力して、そのF/B補償器36の出力δFBと上記
F/F補償器31の出力δFFとを加算器37で加算した
結果が後輪転舵角δrとして出力されるようになってい
る。
【0075】この図7のブロック図において、標準ヨー
レイト計算部32と路面状態判定ロジック部33とが前
記ヨーレイト同定部24に相当し、その路面状態判定ロ
ジック部33の出力値から目標ヨーレイトuの計算を目
標ヨーレイト計算部34にて行うが、その求め方を図8
を参照して示す。路面状態判定ロジック部33では、標
準ヨーレイトuと実ヨーレイトγとから路面状態(例え
ば標準舗装路から圧雪路まで)を判別し、その路面状態
に応じた推定ゲイン
【0076】
【外2】
【0077】を定め、目標ヨーレイト計算部34では、
図8に示されるようなマップから推定ゲイン
【0078】
【外2】
【0079】に基づいて推定定数kを求める。なお、図
8においてk=1は標準舗装路に対応し、kの最低値は
圧雪路に対応している。
【0080】そして、目標ヨーレイト計算部34では、
図8に示されるマップから求めたkを用いて、
【0081】 u←u×k …(11)
【0082】として、目標ヨーレイトuの計算を行う。
このようにして、路面状態判定ロジックを用いてアクテ
ィブ制御を行うことができる。
【0083】また、ドライ路における車線変更では、適
応目標ヨーレイトが図9の実線に示されるように変化し
て、初期には応答性を早くし、移った車線では回頭性を
良くして素早い立て直しを行って、最後に収斂性が良く
なり、このヨーレイト特性を実現するためには、図10
の実線で示されるように後輪を転舵させる。
【0084】次に、圧雪路における車線変更では、適応
目標ヨーレイトが図9の想像線に示されるように変化し
て、初期に安定性を良くして滑らかに車線変更動作に移
り、車線変更中では並進性を確保して安定した横移動を
行って、最後にドライ路と同様に収斂性が良くなり、こ
のヨーレイト特性を実現するためには、図10の想像線
で示されるように後輪を転舵させる。
【0085】このようにして路面状態を判定し、その路
面状態判定結果に応じて適応目標ヨーレイトを切り替え
て、種々の条件に最適な操安特性を得ることができる。
【0086】
【発明の効果】このように本発明によれば、標準タイヤ
(ノーマルタイヤ)から高性能タイヤや雪道用タイヤに
変えたり、標準路面(ドライ路)から砂利道や雪道に変
わったりなど、タイヤ・路面間の摩擦状態の変化に対応
でき、常に安定した操安特性を得られる。例えば低μ路
などでタイヤの発生するコーナリングフォースが小さい
状態では、標準(規範)ヨーレイトに実ヨーレイトが達
しないため、そのままでは転舵量を大きくしようとして
しまうが、本発明によればタイヤ・路面間の摩擦状態を
推定でき、過渡に転舵してしまうこと抑える制御を行わ
せることができる。また、大幅に摩擦状態が変化したと
きのみ定数を変化させることにより、小さい変化に対し
ては追従することなく、舵角の再現性を高めることがで
き、運転者に違和感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用前後輪操舵装置の全
体構成を図式的に示す平面図。
【図2】実ヨーレイト信号γを求めるためのモデル化し
たブロック図。
【図3】路面・タイヤ間の摩擦状態を判定するモデル化
したブロック図。
【図4】本発明に基づく制御のフローチャート。
【図5】路面状態判定ロジックのドライ路の例を示す
図。
【図6】路面状態判定ロジックの圧雪路の例を示す図。
【図7】路面判定ロジックを用いたブロック図
【図8】目標ヨーレイトの計算を行うために用いられる
マップに対応する線図。
【図9】適応目標ヨーレイトを示す図。
【図10】後輪転舵特性を示す図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 前輪転舵装置 4 転舵ロッド 5 前輪 6 ナックルアーム 7 タイロッド 8 後輪転舵装置 9 転舵ロッド 10 電動モータ 11 後輪 12 ナックルアーム 13 タイロッド 14・15 舵角センサ 16 舵角センサ 17 車速センサ 18 横加速度センサ 19 ヨーレイトセンサ 20 コンピュータユニット 21 実車両ヨーレイト応答部 22 実走行変動要素 23 標準ヨーレイト出力部 24 ヨーレイト同定部 25 推定ヨーレイト算出部 26 推定パラメータ同定部 27・28 フィルタ 31 F/F補償器 32 標準ヨーレイト計算部 33 路面状態判定ロジック部 34 目標ヨーレイト計算部 35 比較器 36 F/B補償器 37 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池谷 学 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のヨーレイトを検出して実ヨーレイ
    ト信号を出力するヨーレイトセンサと、標準タイヤで標
    準路面を走行した状態において少なくともステアリング
    ホイールの操舵角と車速とに基づいて表れることになる
    標準ヨーレイト信号を出力する標準ヨーレイト出力部
    と、前記標準ヨーレイト信号と前記実ヨーレイト信号と
    から装着タイヤ及び走行路面の両者間の摩擦状態による
    変動を推定する推定パラメータに基づき推定ヨーレイト
    信号を算出して出力する推定ヨーレイト算出部と、前記
    標準ヨーレイト信号と前記実ヨーレイト信号と前記推定
    ヨーレイト信号とに基づき前記推定パラメータを同定し
    て前記摩擦状態を推定する推定パラメータ同定部とを有
    することを特徴とする車両用タイヤ・路面間摩擦状態推
    定装置。
  2. 【請求項2】 前記標準ヨーレイト信号と前記実ヨーレ
    イト信号とが、前記推定ヨーレイト出力部と前記推定パ
    ラメータ同定部とにローパスフィルタを介して出力され
    ることを特徴とする請求項1に記載の車両用タイヤ・路
    面間摩擦状態推定装置。
  3. 【請求項3】 前記推定された摩擦状態から定数を求め
    て、当該定数に対応させて前記標準ヨーレイト信号を減
    少させると共に、該定数の減少を前記推定パラメータを
    同定する同定パラメータに応じて段階的に変化させる摩
    擦状態定数設定部を有し、前記標準ヨーレイト信号を前
    記定数に応じて減少させ、当該減少した標準ヨーレイト
    信号を前記実ヨーレイト信号と一致させるように車輪の
    転舵角を制御する操舵装置を制御することを特徴とする
    請求項1若しくは請求項2に記載の車両用タイヤ・路面
    間摩擦状態推定装置。
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