JP2001039069A - スクラッチカード - Google Patents

スクラッチカード

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JP2001039069A
JP2001039069A JP21360299A JP21360299A JP2001039069A JP 2001039069 A JP2001039069 A JP 2001039069A JP 21360299 A JP21360299 A JP 21360299A JP 21360299 A JP21360299 A JP 21360299A JP 2001039069 A JP2001039069 A JP 2001039069A
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resin
acid
layer
biodegradable
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JP21360299A
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English (en)
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Toshifumi Imai
敏文 今井
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廃棄後に放置されても自然に分解して廃棄性の
向上を図ることが可能な、廃棄処理を考慮したスクラッ
チカードの提供をする。 【解決手段】機密事項を隠蔽するために、スクラッチ隠
蔽層がシート基材上に施されているスクラッチカードに
おいて、シート基材21がポリグリコール酸、ポリ乳酸
または乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーを主成分と
する生分解性を有する樹脂と有機/無機顔料を混合して
なるスクラッチカード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片面に文字または
絵柄のデータ記録層が形成され、そのデータ記録層の一
部若しくは全部を削り取りまたは剥離により除去可能な
隠蔽するスクラッチインキ層が施されたスクラッチカー
ドに関するもので、さらに詳しくはこれらが自然環境中
に置かれたときの廃棄問題に対応した、生分解性を有す
るカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カード類は身分を証明するIDカード、
会員カードや金銭的価値を有するキャッシュカード、ク
レジットカード、プリペイドカード、定期券、回数券を
はじめ多くの分野で使用されており、その数は増加の一
途をたどっている。
【0003】これらのカードの中で特に数量的な増加率
が高いものとして一定単位の金額を予め支払い、その金
額分の価値情報を利用できるいわゆるプリペイドカード
がある。
【0004】これらのカードには価値情報、識別情報が
基材に印字または印刷表示した絵柄・文字情報として記
録され、また、基材上に設けられた磁気記録部または光
学記録部、場合によってはICチップに機械読み取り情
報として記録され、用途に応じた様々な情報が記録され
る。
【0005】一方、従来のテレホンカードにおいては価
値情報、識別情報がカードそのものに記録されている
が、最近特に、カードにはランダムな番号のみを印字し
ておいて、コンピュータのホスト上に番号に対応した価
値データを持たせ、カードの使用者がそのホストにアク
セスした時に利用金額分の通話を行うことができるとい
う、いわゆるスクラッチオフ方式のテレホンカードが実
用化しており、その発行数量も多くなってきている。
【0006】スクラッチカードは、番号がわかれば悪意
の第三者でも利用することができるため、その番号が簡
単に盗まれない様に削り取り(スクラッチ)が可能な隠
蔽層を設けている。また、この様なスクラッチ方式の可
変情報を持たせた媒体としては、テレホンカードの他に
その場で当選番号がわかるインスタント抽選券などにも
用いられている。
【0007】通常これらのカードや抽選券は使用環境に
対してある程度の耐性を持つもので、主にポリエチレン
テレフタレート(PET)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等
のプラスチック、あるいはポリエチレン樹脂等をコーテ
ィングした紙を基材として構成しており、それに加えて
文字・絵柄等の印刷も悪い環境に耐え得るように設計さ
れている。
【0008】これらは利用者に販売または提供された
後、その利用者が金額分の価値を使い終われば廃棄する
ことになり、こういった使用後の廃棄処理は現在のとこ
ろ焼却または廃棄物として埋め立て等によって処分され
ている。
【0009】しかしながら、プラスチックを含む廃棄物
は焼却による焼却温度の高熱化が起こり、焼却炉の耐久
性の問題、有毒な燃焼ガス等の公害の問題、さらには埋
め立て処分の場合や万が一ゴミとして自然環境中に散乱
したりした場合には、そのままの形で残るため半永久的
にゴミとなり、自然環境へ与える影響が社会問題となっ
ている。
【0010】このため、これらのカード類が環境に与え
る影響を考慮し、プラスチックによる自然環境への影響
問題をなくすため最近、例えば、「特開昭57−150
393号公報」、「特開昭59−220192号公
報」、「特開昭51−93991号公報」、「特開昭6
3−260912号公報」、に示されている様な、光ま
たは地中等の自然環境下で分解可能なプラスチックが開
発され、特に使い捨て型の商品に用いられるようにな
り、現在一部で商品化されている。
【0011】ここで、生分解性とは黴、細菌、酵母等の
環境中に存在する微生物が産生する酵素の作用または光
によって、ポリマーがオリゴマーやモノマー、あるいは
さらに低分子の物質にまで分解される性質のことであ
り、最終的には、水、炭酸ガス、メタン等にまで分解さ
れることが好ましい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に着目してなされたもので、テレホンカードやイ
ンスタント抽選券の支持体として生分解性樹脂を用いる
ことにより、使用後焼却されずに埋め立てられたり自然
環境中に散乱した場合でも、媒体全体が分解性を有する
ものとして、廃棄後に放置されても自然に分解して廃棄
性の向上を図ることが可能な、廃棄処理を考慮したスク
ラッチカードの提供をすることを課題とする。
【0013】
【発明を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1に記載の本発明は、機密事項を隠蔽
するために、スクラッチ隠蔽層がシート基材上に施され
ているスクラッチカードにおいて、シート基材がポリグ
リコール酸、ポリ乳酸または乳酸とオキシカルボン酸の
コポリマーを主成分とする生分解性を有する樹脂と有機
/無機顔料を混合してなることを特徴とするスクラッチ
カードである。
【0014】また請求項2に記載の本発明は、生分解性
を有するシート基材が、ヒドロキシアルカノエートユニ
ットを有する脂肪族ポリエステル樹脂であることを特徴
とする請求項1記載のスクラッチカードである。
【0015】また請求項3に記載の本発明は、生分解性
を有するシート基材が、化学式(1)、又は化学式
(2)で示されるポリエステル樹脂であることを特徴と
する請求項1記載のスクラッチカードである。
【化3】 mは上記式の数平均分子量が10,000〜100,0
00となるのに必要な重合度であり、Mは0または1以
上の数である。R1及びR2は炭素数2〜10のアルキレ
ン基、シクロ環基、またはシクロアルキレン基である。
ただし、分岐もあり得る。R3はジ−、またはポリイソ
シアナート残基である。
【化4】 mは上記式の数平均分子量が25,000〜70,00
0となるのに必要な重合度であり、 R1及びR2は炭素
数2〜10のアルキレン基、シクロ環基、またはシクロ
アルキレン基である。ただし、分岐もあり得る。
【0016】また請求項4に記載の本発明は、生分解性
を有するシート基材が、上記請求項1〜4の内の樹脂の
2種以上の混合体あるいは積層体であることを特徴とす
る請求項1記載のスクラッチカードである。
【0017】また請求項5に記載の本発明は、カード基
材として上記請求項1〜4の生分解性を有する樹脂の片
面あるいは両面に、紙等の自然分解性材料を積層してな
ることを特徴とする請求項1記載のスクラッチカードで
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図を用いて
詳細に説明する。
【0019】図1に示す様にスクラッチカードの基本構
造は、基材(11)上に可変情報である機密事項(1
2)が印字やパターン化されていおり、これを隠蔽する
ためにスクラッチ隠蔽層部(14)を設け、このスクラ
ッチ隠蔽層部(14)を傷等から保護するための保護層
(15)からなっているものである。そのスクラッチ隠
蔽層部を爪やコイン等で剥離することにより、機密事項
である印刷部が判読可能となるものである。
【0020】図2は、本発明の実施の形態を示す一例
で、プラスチック基材(21)上に文字または絵柄等の
隠蔽したい情報が印刷された第一印刷層である機密事項
(22)が形成されており、その上層に機密事項等の保
護を目的とした透明アンカーコート層(23)がコーテ
ィング等により形成されている。透明アンカーコート層
(23)の上層には通常シルクスクリーン印刷によりス
クラッチ隠蔽層部(24)が形成されている。スクラッ
チ隠蔽層部(24)の上層には必要に応じて文字、絵柄
等が第二印刷層(26)として印刷されており、最終的
に保護層(25)が形成されている。
【0021】本発明に用いる生分解性を有するプラスチ
ック基材(21)としては、例えば、ポリグリコール
酸、ポリ乳酸または乳酸とオキシカルボン酸の共重合体
を主成分とする熱可塑性樹脂、ポリカプロラクトン等の
脂肪族ポリエステル樹脂、3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒ
ドロキシ吉草酸共重合体(以下、P(3HB−3HV)
とする)等のヒドロキシアルカノエートユニットを有す
る脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンサクシネー
ト、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネ
ートとアジピン酸の共重合体、ポリブチレンサクシネー
トとコハク酸の共重合体等で、化学式(1)や化学式
(2)に示される化学合成ポリエステル系樹脂、デンプ
ンとポリビニルアルコール等の複合樹脂などが使用でき
るが、生分解性を有していればこれに限ることはなく、
これらの生分解性を有するプラスチック同士の混合体や
積層体でもよく、土壌中あるいは活性汚泥中で黴、細
菌、酵母等の環境中に存在する微生物が産生する酵素の
作用によって、ポリマーがオリゴマーやモノマー、ある
いはさらに低分子の物質にまで分解されるものである。
【0022】さらには、これらの生分解性を有するプラ
スチックに、重量比で50%以下であれば、各種添加剤
やポリマー等の非分解性の物質を添加してもよい。ただ
し、非分解性の物質を50%以上添加することは、生分
解性が著しく低下したり、加工上の問題が生じたり好ま
しくない。
【0023】第一印刷層である機密事項(22)はビニ
ル系等の、グラビア印刷インキ、オフセット印刷インキ
やシルクスクリーン印刷インキ等の通常の印刷インキを
用いて形成することができる。また、ドットインパクト
プリンターや感熱プリンターを用い印字することも可能
である。
【0024】透明アンカーコート層(23)の構成材料
としては種々の合成樹脂が使用できる。例えば、ポリメ
チルメタクリレート樹脂と他の熱可塑性合成樹脂(塩化
ビニル/酢酸ビニル共重合体やニトロセルロース樹脂
等)との混合物、ポリメチルメタクリレート樹脂とポリ
エチレンワックスとの混合物、酢酸セルロース樹脂と熱
硬化性樹脂(エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン
樹脂やアクリル樹脂等)との混合物を使用することがで
きる。特にこれらの樹脂モノマーやプレポリマーを用い
た紫外線硬化型インキや電子線硬化型インキ等も用いる
ことができる。
【0025】スクラッチ隠蔽層部(24)は、データ記
録層(機密事項(22))の一部若しくは全部を隠蔽す
る隠蔽層であり、データ記録層の上の透明アンカーコー
ト層(23)に対して低接着性を備え、層内にて凝集破
壊しやすい脆弱性の樹脂を溶剤に溶かした樹脂バインダ
ー中に、隠蔽性の顔料としてアルミニウム粉末(銀
色)、真鍮粉末(金色)、銅粉末(赤色)などの金属粉
末を20〜30%添加したもの、あるいはタルク、カオ
リン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタンなど
の白色の体質顔料を混合したものあるいは、これに適宜
色の着色顔料や染料を混合したものが使用できる。
【0026】前記凝集破壊しやすい樹脂としては、異種
の樹脂を適宜な配合比率でブレンドした樹脂が使用で
き、例えば、ポリエチレン、アクリル系樹脂、ビニル系
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、スチレン系重合体、スチレン−ブタ
ジエンゴム、ポリブタジエン、アクリルニトリル−ブタ
ジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
天然ゴム、塩化ゴム、各種ワックス、ロジン、テルペン
系樹脂、テルペン系重合体などの樹脂のうちのいずれか
2種以上を適宜比率にて配合したブレンド樹脂が使用で
き、この樹脂を溶解する溶剤としては、トルエン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、
シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチレングリコールモノブ
チルエーテルなどのグリコール誘導体など、またはこれ
らの混合溶剤が使用できる
【0027】更に、スクラッチ隠蔽層部(24)の上層
には必要に応じて、文字または絵柄等が印刷された第二
印刷層(26)を形成することができ,更に金、銀の転
写箔やホログラム箔で画像を形成することもできる。こ
れは、スクラッチして隠蔽された情報を確認した後、塗
料を塗布する等してスクラッチ前の状態に偽造しようと
すると、スクラッチ層上の文字または絵柄等の印刷も復
元しなければならず、偽造がより煩雑になり、不正利用
を防止することができる。
【0028】最後にこれらの印刷層の上層に、必要によ
り保護層(25)を形成するが、これは、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロセルロ
ースなどの樹脂をトルエン、キシレンなどの溶剤に溶か
した塗液をロールコート法、ナイフエッジ法、グラビア
印刷法、スクリーン印刷法等の塗布、印刷方法を用いて
厚さ1〜3μm程度に形成する。
【0029】生分解性を有するプラスチックを基材とし
たスクラッチカードへの印刷・加工は、従来の紙、プラ
スチックの場合と同じ方法、すなわち、オフセット印刷
法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等の印刷法で文
字或いは絵柄を印刷した後、打抜機を用いてカード化が
行える。
【0030】
【作用】本発明のスクラッチカードにおいては、従来使
用されている支持体は非分解性であったため、使用後、
焼却しない限りほぼ永久にその形態を保持していたとこ
ろを、支持体に生分解性を有するプラスチックを用いる
ことにより、カード自体が生分解性となり、埋立処理場
や自然環境中において分解する。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0032】(実施例1)図2は、実施例1を説明する
構成図である。数平均分子量80000のL−乳酸のコ
ポリマーから数平均分子量800000の高分子量ポリ
乳酸を合成したものを55wt%、数平均分子量500
00の化学式(1)で示される脂肪族ポリエステル樹脂
5wt%、添加剤としてマイカ35wt%(HAR16
0 白石工業社製)、酸化チタン10wt%(200℃
24時間乾燥)をベント式押し出し機にて混練後、これ
をTダイ溶融押し出し機により加工温度200℃で規定
の厚さに押し出し後、2軸延伸加工を行い、厚さ188
μmのシートを作製し基材(21)とした。このシート
は折り曲げ弾性率が48000kgf/cm2 を示し、
ポリエチレンテレフタレート樹脂シートに近い特性が得
られた。
【0033】このシートに機密事項(22)を感熱プリ
ンターで印字し、その上に機密事項の保護、印刷用紙の
目止めやスクラッチオフ性向上としてエチレン系ワック
スの透明アンカーコート層(23)をグラビア方式にて
形成した。次にスクラッチ隠蔽層部(24)を下記の組
成のインキを使用し、スクリーン印刷で約10μmのス
クラッチ隠蔽層を形成した。
【0034】
【0035】このスクラッチ隠蔽層部(24)の上に、
このスクラッチ隠蔽層部を傷等から保護する目的で、全
面に透明な保護層(25)を施すことによって、本発明
の目的であるスクラッチカードを得た。
【0036】(実施例2)ポリヒドキシブチレート−バ
リレート共重合体(米:モンサント社製「バイオポー
ル」D600)80wt%、添加剤として酸化チタン8
wt%、マイカ12wt%をベント式押し出し機にて混
練後、これをTダイ溶融押し出し機により加工温度18
5℃で規定の厚さに押し出し、厚さ200μmのシート
を作製し基材(31)とした。その後、実施例1と同じ
方法で図3に示すようなスクラッチカードを得た。
【0037】(実施例3)数平均分子量80000のL
−乳酸と6−ヒドロキシカプロン酸の3:2のコポリマ
ーからなる共重合体樹脂と、ポリヒドキシブチレート−
バリレート共重合体(米:モンサント社製「バイオポー
ル」D600)の3:2の混合物80wt%、添加剤と
して酸化チタン8wt%、マイカ12wt%をベント式
押し出し機にて混練後、これをTダイ溶融押し出し機に
より加工温度195℃で押し出し後、2軸延伸加工を施
し、20μm厚のフィルムを得た。その後該フィルムに
透過光を遮蔽するためにAlで反射金属薄膜層(47)
を100nmで設け、両面に接着剤を塗布した後80g
/m2 の紙(48a、48b)を貼り合わせて基材とし
た。その後、実施例1と同じ方法で図4に示すようなス
クラッチカードを得た。
【0038】ここで、反射金属薄膜層(47)は例え
ば、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Ag、Ge、A
l、Mg、Sb、Cd、Bi、Sn、Se、In、G
a、Rb等の金属酸化物、窒化物などで単独、あるいは
2種以上を組み合わせて形成することができ、蒸着法、
スパッタリング法、CVD法等の方法やメッキによって
形成することができる。
【0039】実施例1,2,3のスクラッチカードはカ
ードに要求される耐水性、耐薬品性、耐久性などは実使
用上問題ないものであった。このスクラッチカードの生
分解性を土中埋設法により評価した。スクラッチカード
を畑土壌中に埋設し、定期的に分解状態を観察したとこ
ろ、約12ヵ月経過後には形状を保持できない状態であ
り、約半分程度のみ残存する状態で、十分な生分解性を
示した。
【0040】(比較例1)厚み188μmの生分解シー
トの代わりに、ポリエチレンテレフタレート樹脂シート
(51)を用いた以外は、実施例1と同様にして図5に
示すようなスクラッチカードを作製した。
【0041】(比較例2)実施例3の代わりに、図6に
示す様に紙製シートとして、アルミニウム箔(61)の
両面に用紙(68a、68b)を貼り合わせたシート材
を使用した以外は、上記実施例3と同様の層構成であ
る。
【0042】かかる比較例1,及び2のスクラッチカー
ドはカードに要求される耐水性、耐薬品性、耐久性など
は実施例1,2,3と同様であった。また、この比較例
1、2のスクラッチカードの生分解性を土中埋設法によ
り評価した。これらのスクラッチカードを畑土壌中に埋
設し、定期的に分解状態を観察したところ、比較例1は
約12ヵ月後には全く同じ形状を保持し、表面にわずか
な黴の繁殖が認められる程度であり、比較例2は表面の
紙が形状は保持していなかったが、アルミニウム箔は全
く同じ形状は保持していた。
【0043】以上のように比較例1、2のスクラッチカ
ードは基材自体に分解性を有していないため廃棄処理で
埋め立てをした場合には廃棄性に優れないという問題点
を有している。
【0044】これに対して実施例1,2,3のスクラッ
チカードでは、基材が分解性を有しているために極めて
廃棄性に優れたカードといえることができる。
【0045】従って、使い捨て型のスクラッチカードや
インスタント抽選券として使用できると同時に支持体が
分解性を有するものとして、廃棄後に自然界に放置され
ても生分解して廃棄性の向上を図ることが可能となり、
もって前述したような自然環境への影響をなくするもの
である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスクラッ
チカードは、支持体として生分解性樹脂を用いたため、
使用後焼却されずに埋め立てられたり自然環境中に散乱
した場合でも、媒体全体が分解性を有するものとして、
廃棄後に放置されても自然に分解して廃棄性の向上を図
ることが可能な、廃棄処理を考慮したスクラッチカード
の提供をすることができる。
【0047】また、本発明の情報記録媒体に使用できる
生分解性を有するプラスチックは、以前から使用されて
いる各種プラスチックに比べて物性や加工性で劣る面も
あるが、複数の生分解性プラスチックを複合したり、生
分解性を低下させない程度に添加剤や非分解性のプラス
チックを混合することも可能であり、従来のスクラッチ
カードに性能的に劣らない生分解性を有するものを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクラッチカードを説明する構成断面である。
【図2】本発明の実施例1のスクラッチカードを説明す
る構成断面である。
【図3】本発明の実施例2のスクラッチカードを説明す
る構成断面である。
【図4】本発明の比較例3のスクラッチカードを説明す
る構成断面図である。
【図5】比較例1のスクラッチカードを説明する構成断
面図である。
【図6】比較例2のスクラッチカードを説明する構成断
面図である。
【符号の説明】
11…基材 12…機密
事項 13…アンカーコート層 14…スク
ラッチ隠蔽層部 15…保護層 21…基材(生分解性樹脂) 22…機密
事項 23…アンカーコート層 24…スク
ラッチ隠蔽層部 25…保護層 26…第2
印刷層 31…基材(生分解性樹脂) 32…機密
事項 33…アンカーコート層 34…スク
ラッチ隠蔽層部 35…保護層 36…第2
印刷層 41…基材(生分解性樹脂) 42…機密
事項 43…アンカーコート層 44…スク
ラッチ隠蔽層部 45…保護層 46…第2
印刷層 47…反射金属薄膜層 48a,4
8b…紙 51…基材(PET樹脂) 52…機密
事項 53…アンカーコート層 54…スク
ラッチ隠蔽層部 55…保護層 56…第2
印刷層 61…基材(アルミニウム箔) 62…機密
事項 63…アンカーコート層 64…スク
ラッチ隠蔽層部 65…保護層 66…第2
印刷層 68a,68b…紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機密事項を隠蔽するために、スクラッチ隠
    蔽層がシート基材上に施されているスクラッチカードに
    おいて、 シート基材がポリグリコール酸、ポリ乳酸または乳酸と
    オキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする生分解性
    を有する樹脂と有機/無機顔料を混合してなることを特
    徴とするスクラッチカード。
  2. 【請求項2】生分解性を有するシート基材が、ヒドロキ
    シアルカノエートユニットを有する脂肪族ポリエステル
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載のスクラッチ
    カード。
  3. 【請求項3】生分解性を有するシート基材が、化学式
    (1)、又は化学式(2)で示されるポリエステル樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載のスクラッチカー
    ド。 【化1】 mは上記式の数平均分子量が10,000〜100,0
    00となるのに必要な重合度であり、Mは0または1以
    上の数である。R1及びR2は炭素数2〜10のアルキレ
    ン基、シクロ環基、またはシクロアルキレン基である。
    ただし、分岐もあり得る。R3はジ−、またはポリイソ
    シアナート残基である。 【化2】 mは上記式の数平均分子量が25,000〜70,00
    0となるのに必要な重合度であり、 R1及びR2は炭素
    数2〜10のアルキレン基、シクロ環基、またはシクロ
    アルキレン基である。ただし、分岐もあり得る。
  4. 【請求項4】生分解性を有するシート基材が、上記請求
    項1〜4の内の樹脂の2種以上の混合体あるいは積層体
    であることを特徴とする請求項1記載のスクラッチカー
    ド。
  5. 【請求項5】カード基材として上記請求項1〜4の生分
    解性を有する樹脂の片面あるいは両面に、紙等の自然分
    解性材料を積層してなることを特徴とする請求項1記載
    のスクラッチカード。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001987A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Toppan Printing Co Ltd カード

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