JP2003001987A - カード - Google Patents

カード

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JP2003001987A
JP2003001987A JP2001186039A JP2001186039A JP2003001987A JP 2003001987 A JP2003001987 A JP 2003001987A JP 2001186039 A JP2001186039 A JP 2001186039A JP 2001186039 A JP2001186039 A JP 2001186039A JP 2003001987 A JP2003001987 A JP 2003001987A
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JP
Japan
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card
sheet
resin
biodegradable resin
biodegradable
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JP2001186039A
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English (en)
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Yasushi Oba
泰 大場
Toshifumi Imai
敏文 今井
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カード用基材として、エンボス加工での変形が
少なく、廃棄後に放置されても自然に分解して廃棄性の
向上を図ることが可能なカードを提供する。 【解決手段】生分解性の樹脂に木質成分30〜60重量
部含有させて作製したシート基材1を用い、これに使用
する生分解性の樹脂として、3−ヒドロキシバリレー
ト、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシカプロ
レート、3−ヒドロキシヘプタノエート等のヒドロキシ
アルカノエートユニットを有する脂肪族ポリエステルを
もちいたカードである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば切符、定期
券、回数券、通行券、入場券、会員証、プリペイドカー
ド等に用いられる情報記録媒体に関するもので、さらに
詳しくは、これらが自然環境中に置かれても殆どすべて
が生分解性を有するようにしたカードに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、コンピューターおよびコンピ
ューターを利用した電子機器の外部記憶装置としては、
フレキシブルディスク、カセットテープ等の磁気記録媒
体が広く利用されているが、近年では取り扱い易さ、小
型化を図るべく、RAM、ROM等の半導体メモリを備
えたカード状、或いはパッケージ状の記録媒体が用いら
れてきている。一方、クレジットカード、IDカード、
キャッシュカード等の分野においては、磁気カードに代
わるカードとして、カード素材にマイクロプロセッサや
RAM、ROM等の半導体メモリを含むICモジュール
を搭載してなるいわゆるICカードが、情報記録容量が
非常に大きいこと、および高セキュリティ性を有するこ
とから開発されてきている。
【0003】これらのICカードは、読み取りを接触式
で行うタイプと非接触式で行うタイプに大別される。接
触式タイプは、カード表面に露呈された外部端子に直接
リーダー側端子を接触、接続し電源供給、情報通信を行
うタイプのもので、現在ICカードのタイプとしては殆
どがこの範疇に入る。このタイプのカードの読み取り
は、良好なカードに対してのエラー率は極めて低い反
面、外部端子が汚れていたり、摩耗により損傷を受ける
と電気導通性が失われるため読み取りができなくなる恐
れがある。また乾燥した環境下でもカード表面に帯電し
た静電気により読み取りエラーの原因となることが問題
としてある。
【0004】そこで、近年ではメモリ用のICチップと
データ通信を行うための静電プレート、および電磁誘導
による電力供給を受けるためのコイルから構成される非
接触型ICモジュールが開発されてきている。このタイ
プのICモジュールは、通信を非接触で行うため、プラ
スチック等でカード化した時に通信用端子をカード表面
に露呈する必要はないため、前述したような外部端子の
汚れや静電気等によるエラーの心配がないことからもこ
の種のタイプのICモジュールのカード化が望まれてき
ている。
【0005】特にこの種の非接触型のICカードが期待
される利用分野としては、公共性の高い交通分野であ
り、鉄道の定期券、高速道路の通行券などがアプリケー
ションとして最も伸びていく事が予想される。
【0006】ところで、このようなプラスチック製品や
一部プラスチックを使用した製品を使用後に廃棄する際
には、現在のところ、焼却または廃棄物として埋め立て
等によって処分されている。
【0007】しかしながら、プラスチックを含む廃棄物
は焼却による焼却温度の高熱化が起こり、焼却炉の耐久
性の問題、燃焼ガス等の公害の問題、または埋め立て地
の不足など多々問題を含んでいる。そして、交通機関を
利用する道具という使用方法から考えて、屋内よりは屋
外におかれる可能性の方が高く、万が一ゴミとして自然
環境中に散乱したりした場合には、そのままの形で残る
ため半永久的にゴミとして残り、自然環境への影響が問
題となっている。
【0008】このため、プラスチックによる自然環境へ
の影響問題をなくすため最近、例えば、「特開昭57−
150393号公報」、「特開昭59−220192号
公報」、「特開昭51−93991号公報」、「特開昭
63−260912号公報」、に示されている様な、光
または地中等の自然環境下で分解可能なプラスチックが
開発され、特に使い捨て型の商品に用いられるようにな
り、現在一部で商品化されている。
【0009】ここで、生分解性とは黴、細菌、酵母等の
環境中に存在する微生物が産生する酵素の作用または光
によって、ポリマーがオリゴマーやモノマー、あるいは
さらに低分子の物質にまで分解される性質のことであ
り、最終的には、水、炭酸ガス、メタン等にまで分解さ
れることが好ましい。
【0010】そこで、これらの生分解性樹脂でカード化
するとエンボス(浮き文字)加工を施したとき、カード
の反り(カール)が大きくなってしまい変形が大きいと
いうことだけでなく、ATMやCDの機械読み取りの際
に搬送系で詰まってしまうという可能性がある。カール
の原因は、定かではないが、凸凹の型で文字をエンボス
した時に塑性変形し易いPVCカードと、弾性変形し易
い基材のカードでは文字の周りの歪みの出方が異なり、
後者の方では変形が助長されて反りが大きくなると考え
られる。生分解性樹脂では反り(エンボスカール)が大
きくなってしまう。
【0011】ところで近年、ポリ塩化ビニル樹脂をベー
スに、木粉を複合した材料としてMウッドが紹介されて
いる。木材は建築用材料として広く利用されているが、
熱可塑性樹脂の様に長さや形はもちろん、曲げる、ねじ
るといった造作が容易に加工できない。そこで、数μm
単位の木片と生分解性樹脂を混合し、樹脂の持つ加工性
と木材の持つ特性を併せ持つこととなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に着目してなされたもので、カード用基材として
ポリ塩化ビニル樹脂の代わりに、木質成分を生分解性樹
脂を主成分とした樹脂シートを作製した後、磁気記録層
やICチップ等の情報記録媒体を積層したことにより、
エンボス加工での変形の少ない、そして基材全体が分解
性を有するものとして、廃棄後に放置されても自然に分
解して廃棄性の向上を図ることが可能な、廃棄処理を考
慮したカードを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた請求項1に記載の発明は、生分解性の樹脂
に木質成分30〜60重量部含有させて作製したシート
基材を用いたことを特徴とするカードである。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、前記生分
解性の樹脂が、3−ヒドロキシバリレート、3−ヒドロ
キシブチレート、3−ヒドロキシカプロレート、3−ヒ
ドロキシヘプタノエート等のヒドロキシアルカノエート
ユニットを有する脂肪族ポリエステルであることを特徴
とする請求項1に記載のカードである。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、前記生分
解性の樹脂が、化学式(1)、または化学式(2)で示
されるポリエステルであることを特徴とする請求項1、
2に記載のカードである。
【化3】 mは上記式の数平均分子量が10,000〜100,0
00となるのに必要な重合度であり、Mは0または1以
上の数である。R1及びR2は炭素数2〜10のアルキ
レン基、シクロ環基、またはシクロアルキレン基であ
る。ただし、分岐をあり得る。R3はジ−、またはポリ
イソシアナート残基である。
【化4】 mは上記式の数平均分子量が10,000〜100,0
00となるのに必要な重合度である。R1及びR2は炭
素数2〜10のアルキレン基、シクロ環基、またはシク
ロアルキレン基である。ただし、分岐をあり得る。
【0016】また、請求項4に記載の発明は、生分解性
の樹脂が、デンプンとポリビニルアルコールの複合樹脂
であることを特徴とする請求項1記載のカードである。
【0017】また、請求項5に記載の発明は、前記生分
解性を有するシート基材が、請求項2〜5の生分解性樹
脂の少なくとも2種以上と、及びフィラーとを混練して
なることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記
載のカードである。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、生分解性
樹脂シートを主成分とする樹脂シートと木質成分との混
合シートが押し出し法によりシート化されたことを特徴
とした請求項1〜5のいずれか1項に記載のカードであ
る。
【0019】また、請求項7に記載の発明は、生分解性
の樹脂に木質成分30〜60重量部含有させて作製した
シート基材上に、磁気記録層、ICチップなどの情報を
記録する層を積層したことを特徴とする請求項1〜6の
いずれか1項に記載のカードである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いる生分解性を有するプラスチックと
しては、紙と同等もしくはそれ以上の生分解性を有する
プラスチックであれば何でもよく、例えば、3−ヒドロ
キシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重合体(以下、P
(3HB−3HV)とする)等の微生物産生ポリエステ
ル、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネ
ート、ポリブチレンサクシネートとアジピン酸の共重合
体、ポリブチレンサクシネートとコハク酸の共重合体等
で、化学式(1)や化学式(2)に示される化学合成ポ
リエステル系、デンプンとポリビニルアルコールの複合
樹脂、ポリ乳酸または乳酸とオキシカルボン酸の共重合
体を主成分とする熱可塑性樹脂、ポリカプロラクトン等
の脂肪族ポリエステル等が使用でき、また、これらの生
分解性を有するプラスチック同士の混合体や積層体であ
ってもよい。
【0021】さらには、これらの生分解性を有するプラ
スチックに、重量比で50%以下であれば、各種添加剤
やポリマー等の非分解性の物質を添加してもよい。ただ
し非分解性の物質を50%以上添加することは、生分解
性が著しく低下したり、加工上の問題が生じたりするた
め好ましくない。
【0022】生分解性を有するプラスチックを支持体に
用いたICカードを製造する方法としては、ラミネート
方式、或いは射出成形方式が検討されている。
【0023】ラミネート方式は、ICモジュールを搭載
した生分解性センターコアの片面あるいは両面に、さら
には片側に2層以上用途に応じて積層する。両面あるい
は片側に2層以上積層する場合には、用いる生分解性を
有するプラスチックの種類が異なっていてもよい。その
後加熱溶融プレスによりカード素材を一体化する方法で
ある。上記ラミネート方式の場合、加熱プレス時にIC
モジュールが搭載されたセンターコア部とオーバーシー
ト部との間に凹凸のギャップがあると、オーバーシート
に破れ、歪み等が生じるために、印刷された文字、絵柄
がそれに対応して歪むことが懸念される。
【0024】ラミネート方式によるICカードの印刷・
加工は、従来の紙、プラスチックの場合と同じ方法、す
なわち、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、グラビ
ア印刷法等の印刷法で文字或いは絵柄を印刷した後、打
抜機を用いてカード化が行える。
【0025】射出成形によりカード化する上での課題と
しては、如何に少ない工程でカード化するかにある。即
ち、ICモジュールをカード内に収めるため如何に金型
内でICモジュールを固定し、同時に絵付けが行えるか
にある。
【0026】ICモジュールの固定方法として、例えば
特開平3−24000号公報には、はじめにICモジュ
ールを固定する土台を射出成形により一次成形し、IC
モジュールを土台に設置固定した後に再び射出成形しカ
ード化する提案がなされている。しかし本提案ではカー
ド化するのに2回の射出工程を必要とするため生産効率
上好ましいとは言えない。また特開昭61−22271
3号公報では上下金型表面のそれぞれにICモジュール
付PCB基板を設置しておき、その間に樹脂を射出によ
り一体成形した後、印刷を施した化粧用ラミネートシー
トを表裏にそれぞれ貼付しカード化する提案がなされて
いる。本提案によると、上下PCB基板に隙間を生じる
ことなく、強固に接着された一定厚みのカードを安定し
て得られる長所を有している。
【0027】射出成形法に用いられるラベルとしては印
刷を施した生分解性プラスチックフィルム、若しくはそ
れらの材料を組み合わせた複合体によるシート等が適用
できる。これらの材料は押し出し成形法、カレンダーロ
ール成形法等により得られたプラスチックフィルム、ま
たはシートである。厚みとしては印刷適性を考慮し、1
0μm〜200μm程度の範囲から選択すればよい。
【0028】ラベル上には文字、絵柄印刷が施される
が、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印
刷法等公知の印刷方法により設けることができるが、分
解性を著しく損なうデザインや素材は避けるべきであ
る。そして、文字、絵柄印刷層の摩耗等の耐性を向上さ
せる目的で保護層を設ける事ができる。
【0029】また、ラベルの印刷層とは反対面、又は同
一面上にはICモジュールを固定する。ICモジュール
は、メモリ用のICチップとデータ通信を行うための静
電プレート、および電磁誘導による電力供給を受けるた
めのコイルメモリー用ICと電磁誘導による通信用アン
テナの機能としてのコイルからなっている。これらのモ
ジュールは取り扱いにおける利便性の点からエポキシ樹
脂、ポリプロピレン樹脂等により封止されているのが普
通であるが、ここでは、生分解性樹脂を用いる。
【0030】また未封止状態のICモジュールにおいて
は、シート上に接着剤等により固定、若しくは固定する
と同時に封止する方法が挙げられる。これらの封止兼ベ
ースシート上への固定用樹脂としては同じく熱可塑性の
生分解性樹脂を用いる。何れの場合も、上記により得ら
れた絵柄、文字印刷が施され、更にICモジュールが固
定されているラベルを、金型内カードの表面、若しくは
裏面にあたる一方の位置にインサート、吸着させる。吸
着はエアーの吸引等による方法で行えばよい。上記方法
により金型内にインサートさせた両ラベル間に成形用樹
脂を、金型を型締めした後射出、充填することによりカ
ード化する。また、表裏両ラベル間の薄肉部への樹脂の
充填性を向上させる目的で、射出圧縮成形法によりカー
ド化しても良いことは言うまでもない。射出、若しくは
射出圧縮後、成形用樹脂を金型内で冷却させカード化す
る。
【0031】通常、カード形状になった後は、エンボッ
サーにより浮き文字をエンボスし、その文字の上に熱転
写箔によりティッピングして色付けしたり、磁気ストラ
イプに磁気情報をエンコードしたり、場合によっては顔
写真やバーコード等を転写しカードを仕上げる。そし
て、文字、絵柄印刷層の摩耗等の耐性を向上させる目的
で保護層を設ける事もできる。このようにしてICカー
ドを作製する。
【0032】ところで磁気カードであるが、片面あるい
は両面に磁気記録層を積層するが、従来から用いられて
いる熱転写タイプの磁気テープを転写したり、或いは基
材に直に磁気記録層を印刷する方法が用いられる。
【0033】このようなカードを製造する方法としては
加熱プレス機による溶融ラミネート方式が用いることが
できる。ラミネート方式は、印刷された基材の両面に透
明な保護シートを積層するが、その際両面の保護シート
の種類は異なっていてもよい。溶融ラミネート法は一回
り大きい鏡面板で挟み込み、その後加熱溶融プレスによ
りカード素材を一体化する方法である。この時に用いる
鏡面板は、ニッケル−クロムメッキした銅板、表面を研
磨したステンレス板、表面を研磨したアルミ板などを用
いることができる。また、基材への印刷は、従来の紙、
プラスチックの場合と同じ方法、すなわち、オフセット
印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等の公知の
印刷法で文字或いは絵柄を印刷することができる。
【0034】溶融ラミネート後はカード素材を鏡面板か
ら剥がし、片刃またはオス-メスの金型による打ち抜き
でカード形状に打ち抜く。
【0035】通常、カード形状になった後は、エンボッ
サーにより浮き文字をエンボスし、その文字の上に熱転
写箔によりティッピングして色付けしたり、磁気ストラ
イプに磁気情報をエンコードしたり、場合によっては顔
写真やバーコード等を転写しカードを仕上げる。そし
て、文字、絵柄印刷層の摩耗等の耐性を向上させる目的
で保護層を設ける事もできる。このようにして磁気カー
ドを作製する。
【0036】
【作用】本発明のICカードにおいては、従来使用され
ている支持体は非分解性であったため、使用後、焼却し
ない限りほぼ永久にその形態を保持していたところを、
支持体に生分解性を有するプラスチックを用いることに
より、カード自体が生分解性となり、埋立処理場や自然
環境中において分解することになった。さらに、木質材
成分を30〜60重量部で生分解性の樹脂に混合させて
シート化した後、磁気記録層を積層したことにより、エ
ンボス加工での変形の少ない、廃棄処理を容易にしたカ
ードを提供することになった。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 (実施例1、図1(a)参照)生分解性の樹脂としてポ
リ乳酸(「レイシア」;三井化学(株)製)100重量
部に、15重量部の酸化チタン及び30μm 以下の木
粉を50重量部混合し、溶融混練した後Tダイ型押し出
し機にて厚み760μmのシート(1)を作製した。し
かる後、オフセット印刷法により絵柄印刷層(2,3)
を膜厚1μmで設け、その上に保護層(5)をオフセッ
ト印刷により膜厚2μmでシート全面に設けた。更に磁
気テープ(4)を転写して、表面を平滑にしたステンレ
ス板で挟み込み、100℃で20分間圧着熱融着させて
冷却固化させた後カード形状に打ち抜いてカード化し
た。
【0038】(実施例2、図2(a)参照)生分解性の
樹脂としてポリ乳酸(「レイシア」;三井化学(株)
製)100重量部に、15重量部の酸化チタン及び30
μm 以下の木粉を50重量部混合し、溶融混練した後
Tダイ型押し出し機にて厚み560μmのシート(6)
を作製し、これをベースシートとしてモジュール部分に
座ぐりを入れ、エポキシ封止されたICモジュール
(7)を接着、固化させた。次に、厚み100μmのポ
リヒドキシブチレート−バリレート共重合体(英:ゼネ
カ社製「バイオポール」D600)シート(8)上にオ
フセット印刷法により絵柄印刷層(9)を膜厚1μで設
け、その上に保護層(10)をオフセット印刷法により
膜厚2μでシート全面に設け、表裏のシートを得た。こ
のシートと前述のICモジュール(7)を接着、固化さ
せた560μmのシート(6)とを表面を平滑にしたス
テンレスシートで挟み、150℃で30分間熱融着させ
て冷却固化させた後カード形状に打ち抜いてカード化し
た。
【0039】実施例1,2のカードはカードに要求され
る耐熱性、耐光性、耐薬品性などは実使用上問題ないも
のであり、特に高速エンボッサー(データカード社:D
C9000)でエンボスしたときのエンボスカールは2
mm以内であるのでクレジットカードやキャッシュカー
ドに使用するに十分であった。
【0040】このカードの生分解性を土中埋設法により
評価した。カードを畑土壌中に埋設し、定期的に分解状
態を観察したところ、約6ヵ月経過後には形状を保持で
きない状態であり、約半分程度のみ残存する状態で、十
分な生分解性を示した。
【0041】(比較例1、図1(b)参照)厚み760
μmのシート(1)の代わりにポリ乳酸(「レイシ
ア」;三井化学(株)製)100重量部に、15重量部
の酸化チタンを溶融混練し、Tダイ型押し出し機にて作
製したシート(11)を用いた以外は実施例1と同様に
作った。
【0042】(比較例2、図1(c)参照)厚み760
μmの白色ポリ乳酸シート(1)の代わりに、厚み76
0μmの非晶性ポリエステルPET−G(イーストマン
・ケミカル(株)製)樹脂を用いたPET-Gシート
(三菱樹脂:ディアフィクス)(12)を用いた以外は
実施例1と同様に作った。
【0043】(比較例3、図2(b)参照)厚み560
μmの白色ポリ乳酸シート(7)の代わりに、厚み56
0μmの非晶性ポリエステルPET−G(イーストマン
ケミカル(株)製)樹脂を用いたPET−Gシート(1
3)を、また厚み100μmのポリヒドキシブチレート
−バリレート共重合体(英:ゼネカ社製「バイオポー
ル」D600)シート(8)の代わりにPET−Gシー
ト(14)を用いた以外は実施例2と同様に作った。
【0044】かかる比較例1、2,及び3のカードはカ
ードに要求される耐光性、耐薬品性などは実施例1、2
と同様であったが、木粉が入っていないため、エンボス
カールが大きく、5mm近くもあり、カードとしては使
用に耐えうるものではなかった。また比較例2、3のカ
ードに生分解性を土中埋設法により評価した。これらの
カードを畑土壌中に埋設し、定期的に分解状態を観察し
たところ、約12ヵ月後には全く同じ形状を保持し、表
面にわずかな黴の繁殖が認められる程度であった。
【0045】以上のように比較例1、2、3のカードは
基材自体が弾性変形しやすいために高速エンボッサーで
エンボスしたときにエンボスカールがが著しく大きく使
用に耐えないという問題点を有している。また、比較例
2、3のカードは基材自体に分解性を有していないため
廃棄処理で埋め立てをした場合には廃棄性に優れないと
いう問題点を有している。
【0046】これに対して実施例1、2のカードでは、
基材として生分解性の樹脂に木質成分30〜60重量部
を含有させたので、塑性変形しやすくエンボスカールの
少ないカードとなる。また同時に、支持体が分解性を有
するものとして、廃棄後に自然界に放置されても生分解
して廃棄性の向上を図ることが可能となり、もって前述
したような自然環境への影響をなくするものである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気カー
ドは、カード用基材としてポリ塩化ビニル樹脂の代わり
に、生分解性の樹脂に木質成分30〜60重量部を含有
させたので、エンボスカールの少ない、さらには使用後
焼却されずに埋め立てられたり自然環境中に散乱した場
合でも、媒体全体が分解性を有するものとして、廃棄後
に放置されても自然に分解して廃棄性の向上を図ること
が可能な、廃棄処理を考慮したカードの提供をすること
ができる。
【0048】また、本発明の情報記録媒体に使用できる
生分解性を有するプラスチックは、以前から使用されて
いる各種プラスチックに比べて物性や加工性で劣る面も
あるが、複数の生分解性プラスチックを複合したり、生
分解性を低下させない程度に添加剤や非分解性のプラス
チックを混合することも可能であり、従来のICカード
に性能的に劣らない生分解性を有するものを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、及び比較例1,2を説明す
るものであり、(a)は実施例1、(b)は比較例1、
(c)は比較例2、をそれぞれ示す構成断面図である。
【図2】本発明の実施例2及び比較例3を説明するもの
であり、(a)は実施例2、(b)は比較例3、をそれ
ぞれ示す構成断面図である。
【符号の説明】
1、6…木質混合生分解性樹脂シート 2,3、9…絵柄印刷層 4…磁気記録層 7…ICモジュール 8…生分解性シート 10…保護層 11…生分解性シート 12、13、14…非晶性ポリエステル(PET−G)
シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 3/02 C08L 3/02 29/04 29/04 B 67/04 67/04 101/16 ZBP 101/16 ZBP G06K 19/077 //(C08L 101/16 C08L 97:02 97:02) G06K 19/00 K Fターム(参考) 2C005 HA21 HB01 HB04 HB13 JA02 JA15 JA26 JB02 KA15 KA26 KA70 LA03 LA20 LA29 LA30 MA11 MB03 NA09 PA14 PA18 RA04 RA07 RA09 RA10 RA11 RA30 4F071 AA01 AA08 AA29 AA43 AA73 AA81 AE17 AF52 AH14 BA01 BB06 BC01 4J002 AA011 AB041 AH002 BE021 CF181 DE136 FD016 GF00 GS00 5B035 AA00 AA08 BA05 BB02 BB09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性の樹脂に木質成分30〜60重量
    部含有させて作製したシート基材を用いたことを特徴と
    するカード。
  2. 【請求項2】前記生分解性の樹脂が、3−ヒドロキシバ
    リレート、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシ
    カプロレート、3−ヒドロキシヘプタノエート等のヒド
    ロキシアルカノエートユニットを有する脂肪族ポリエス
    テルであることを特徴とする請求項1に記載のカード。
  3. 【請求項3】前記生分解性の樹脂が、化学式(1)、ま
    たは化学式(2)で示されるポリエステルであることを
    特徴とする請求項1、2に記載のカード。 【化1】 mは上記式の数平均分子量が10,000〜100,0
    00となるのに必要な重合度であり、Mは0または1以
    上の数である。R1及びR2は炭素数2〜10のアルキ
    レン基、シクロ環基、またはシクロアルキレン基であ
    る。ただし、分岐をあり得る。R3はジ−、またはポリ
    イソシアナート残基である。 【化2】 mは上記式の数平均分子量が10,000〜100,0
    00となるのに必要な重合度である。R1及びR2は炭
    素数2〜10のアルキレン基、シクロ環基、またはシク
    ロアルキレン基である。ただし、分岐をあり得る。
  4. 【請求項4】生分解性の樹脂が、デンプンとポリビニル
    アルコールの複合樹脂であることを特徴とする請求項1
    記載のカード。
  5. 【請求項5】前記生分解性を有するシート基材が、請求
    項2〜5の生分解性樹脂の少なくとも2種以上と、及び
    フィラーとを混練してなることを特徴とする請求項2〜
    4のいずれか1項に記載のカード。
  6. 【請求項6】生分解性樹脂シートを主成分とする樹脂シ
    ートと木質成分との混合シートが押し出し法によりシー
    ト化されたことを特徴とした請求項1〜5のいずれか1
    項に記載のカード。
  7. 【請求項7】生分解性の樹脂に木質成分30〜60重量
    部含有させて作製したシート基材上に、磁気記録層、I
    Cチップなどの情報を記録する層を積層したことを特徴
    とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカード。
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