JP2001034003A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2001034003A
JP2001034003A JP11204616A JP20461699A JP2001034003A JP 2001034003 A JP2001034003 A JP 2001034003A JP 11204616 A JP11204616 A JP 11204616A JP 20461699 A JP20461699 A JP 20461699A JP 2001034003 A JP2001034003 A JP 2001034003A
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Japan
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surface protective
compound
fine particles
layer
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JP11204616A
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Shigeaki Tokutake
重明 徳竹
Sadako Edo
貞子 江戸
Keiichi Inagaki
圭一 稲垣
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面保護層と感光層との接着性および耐久時
の画像品質に優れた電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層、表
面保護層を順次設けてなる電子写真感光体において、該
表面保護層が少なくとも、含フッ素ポリシロキサン、紫
外線吸収剤および導電性微粒子からなることを特徴とす
る電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
し、詳しくはデジタル画像の複写機に適用され得る電子
写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電子写真の分野で使用されてい
る感光体においては、クリーニング部材等による感光層
の摩耗を防止したり、感光層への表面電荷の注入を防止
する目的から、導電性支持体上に形成された感光層の上
に、さらに表面保護層を形成するのが一般的である。表
面保護層化合物として耐久性の観点からシロキサン結合
(Si−O−Si結合)が三次元的に繰り返されてなる
シリカが好ましいことが知られているが、シリカのみか
らなる保護層では、表面にクラック(亀裂)が発生した
り、感光層との接着性が悪化したり、感光層の静電特性
が低下して問題となっていた(例えば、特公平5−46
940号公報および特開昭53−39131号公報
等)。
【0003】そこで、アクリル樹脂、ウレタンエラスト
マーやポリアミド等のポリマーを、シリカ原料としての
オルガノシランと混合して用い、当該混合液(表面保護
液)を感光層上に塗布し、硬化させてなる表面保護層が
報告されている(例えば、特開平3−141365号公
報、特開平1−293660号公報、特開平3−135
575号公報、特開平5−341551号公報、特開平
3−135577号公報等)。しかしながら、このよう
な表面保護層は感光層との接着性が向上するものの、感
度が悪く、耐久時に電位が上昇し、画像品質においてカ
ブリ等の弊害が生じている。この電位の上昇を抑制する
ために、導電性金属酸化物を添加することが提案されて
いるが、高温・高湿環境下での耐久時に像流れや像ボケ
が発生するという弊害が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、表面保護層と感光層との接
着性および耐久時の画像品質に優れた電子写真感光体を
提供することを目的とする。
【0005】本発明はまた、クラック等の問題が発生せ
ず、感度等の静電特性に優れた電子写真感光体を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に少なくとも感光層、表面保護層を順次設けてなる電
子写真感光体において、該表面保護層が少なくとも、含
フッ素ポリシロキサン、紫外線吸収剤および導電性微粒
子からなることを特徴とする電子写真感光体に関する。
【0007】本発明の電子写真感光体の表面保護層を構
成する含フッ素ポリシロキサンは、シロキサン結合が繰
り返されてなる線状、環状または網状のポリシロキサン
骨格にフッ素原子またはフッ素原子を含む基を有してな
る。好ましくは、含フッ素ポリシロキサンは網状のポリ
シロキサン骨格にフッ素原子またはフッ素原子を含む基
を有してなる。より好ましくは、含フッ素ポリシロキサ
ンは網状のポリシロキサン骨格にフッ素原子またはフッ
素原子を含む基を均一に有してなる。「均一」とはフッ
素原子またはフッ素原子を含む基が層中のある部分に局
在することなく、層全体に広く均一に分散含有されてな
る状態をいう。
【0008】含フッ素ポリシロキサンは、フッ素原子ま
たはフッ素原子を含む基を有するポリシロキサンが得ら
れれば、公知の化合物を原料として公知の方法により製
造されてよい。例えば、含フッ素ポリシロキサンが、オ
ルガノシランと含フッ素シランカップリング剤を反応さ
せてなる場合、ポリシロキサンにフッ素原子またはフッ
素原子を含む基を導入してなる場合等が挙げられる。本
発明において含フッ素ポリシロキサンはオルガノシラン
と含フッ素シランカップリング剤を反応させてなること
が好ましい。以下、含フッ素ポリシロキサンがオルガノ
シランと含フッ素シランカップリング剤を反応させてな
る場合について説明する。
【0009】含フッ素ポリシロキサンを得るためのオル
ガノシランとしては、シロキサン結合を3次元的に繰り
返してなる構造を有する網状ポリシロキサンを形成でき
れば、いかなる化合物であってよく、例えば、下記一般
式(I); (R1nSi(OR24-n (I) (式中、R1は炭素数1〜8の有機基、R2は水素原子、
炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル
基を示す;nは0〜3の整数である)で表される化合物
が挙げられる。一般式(I)において、R1の炭素数1
〜8の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチ
ル基等のアルキル基のほか、γ−クロロプロピル基、ビ
ニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリ
シドキシプロピル基、フェニル基、γ−メタクリルオキ
シプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル基等が挙げられる。また、
2の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−
ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、炭素数1〜4
のアシル基としては、例えば、アセチル基等が挙げられ
る。なお、上記式中において、OR2基が複数個存在す
る場合、全てのOR2基が同一でなければならないとい
うわけではなく、すなわち全てのOR2基は上記範囲内
でそれぞれ独立して選択され得る。また、R1基が複数
個存在する場合、OR2基が複数個存在する場合におい
てと同様に、全てのR1基は上記範囲内でそれぞれ独立
して選択され得る。また、上記式中においてn=2また
は3の化合物を用いるとき、n=0または1の化合物を
併用することが好ましい。シロキサン結合の3次元化が
容易になるためである。
【0010】このようなオルガノシランの具体例として
は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロ
ピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシ
ラン、i−プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジ
メトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−
プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキ
シシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i
−プロピルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシ
ラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メ
タクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルメトキシシラン、3,4−エポキシ
シクロヘキシルエチルエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシラ
ン等が挙げられ、好ましくはメチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシランである。オルガノシラン
は単独でまたは2種以上混合して使用することができ
る。
【0011】メチルトリメトキシシランとして、例え
ば、市販のTSL8113(東芝シリコーン社製)、D
031A(チッソ社製)、ソルガードNP−720(日
本ダクロシャムロック社製)、トスガード510(東芝
シリコーン社製)、KP−64(信越化学工業社製)等
を使用することができる。
【0012】また、本発明においてはオルガノシランの
代わりに、またはオルガノシランとともに、上記のオル
ガノシランの具体例として列挙した化合物の部分縮合に
よる二量体、三量体等の低分子量体を用いてもよい。当
該低分子量体は2以上、好ましくは3以上のアルコキシ
基または水酸基を有することが好ましい。
【0013】本発明において含フッ素シランカップリン
グ剤は、下記一般式(II);
【化2】 (式中、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子また
は炭素数1〜3のアルキル基を示す;mは1〜7の整
数、pは1または2、qは2または3を示す)で表され
得る。なお、上記式中において、OR3基が複数個存在
する場合、全てのOR3基が同一でなければならないと
いうわけではなく、すなわち全てのOR3基は上記範囲
内でそれぞれ独立して選択され得る。
【0014】含フッ素シランカップリング剤の具体例と
して、例えば、CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33、CF3(CF27CH2CH2Si(OCH32
CH3、CF3(CF27CH2Si(OCH33、CF3
(CF26CH2CH2Si(OCH33、CF3(C
26CH2CH2Si(OCH32CH3、CF3(CF
26CH2Si(OCH33、CF3(CF27CH2
2Si(OC253、CF3(CF27CH2CH2
i(OC373等が例示できる。これらの中でも、C
3(CF27CH2CH2Si(OCH33、CF3(C
27CH2CH2Si(OC373、CF3(CF27
CH2CH2Si(OC253を用いることが好まし
い。含フッ素シランカップリング剤は単独でまたは2種
以上混合して使用することができる。
【0015】CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33として、例えば、市販のKBM−7803(信越
化学工業社製)を使用することができる。また、CF3
(CF27CH2CH2Si(OC373として、例え
ば、市販のXC95−A9715(東芝シリコーン社
製)を使用することができる。
【0016】含フッ素シランカップリング剤は、感光体
感度の悪化および耐久時の残留電位の上昇の観点から、
オルガノシラン100重量部に対して1〜20重量部、
好ましくは3〜12重量部使用されていることが望まし
い。
【0017】本発明の表面保護層には紫外線吸収剤が含
有されている。紫外線吸収剤を含有させることにより、
接着性を良くし、クラックを抑制できる。紫外線吸収剤
は感光体の分野で公知の紫外線吸収剤が使用可能であ
り、中でも、水酸基を有し、かつ当該層の形成に用いら
れるアルコールに可溶なものが好ましく用いられる。こ
のような紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾフェノン
系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾエート
系化合物およびサリシレート系化合物等が使用可能であ
る。具体例として、ベンゾフェノン系化合物としては、
例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(例え
ば、商品名;Viosorb100)、2,2’,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン(例えば、商品名;Viosor
b105)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
(例えば、商品名;Viosorb110)、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(例えば、
商品名;Viosorb111)、2−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノン(例えば、商品名;Viosorb130)
等が挙げられる。
【0018】ベンゾトリアゾール系化合物としては、例
えば、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール(例えば、商品名;Vios
orb510)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール(例えば、商品名;Viosorb5
20)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチ
ル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール(例えば、商品名;Viosorb550)、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール(例えば、商品
名;Viosorb580)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール(例えば、商品名;Viosorb582)、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール(例えば、商品名;Viosorb583)、2−
[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”
−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチル
フェニル]ベンゾトリアゾール(例えば、商品名;Vios
orb590)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(例え
ば、商品名;Viosorb591)等が挙げられる。
【0019】ベンゾエート系化合物としては、例えば、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(例え
ば、商品名;Viosorb80)等が挙げられる。サリシレー
ト系化合物としては、例えば、p−tert−ブチルフ
ェニルサリシレート(例えば、商品名;Viosorb90)等
が挙げられる。
【0020】本発明においては、上記紫外線吸収剤の中
でも2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
を用いることが好ましい。
【0021】このような紫外線吸収剤は、感光層との接
着性、クラックの発生、感度の低下、および耐久時の残
留電位上昇の観点から、オルガノシラン100重量部に
対して0.1〜20重量部、好ましくは0.1〜10重
量部含有されていることが望ましい。紫外線吸収剤は単
独でまたは組み合わせて用いてよく、組み合わせて用い
る場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよ
い。
【0022】また、本発明の表面保護層には導電性微粒
子が分散されている。導電性微粒子を分散させることに
より、表面保護層自体の電気抵抗を制御して、電子写真
プロセスの繰り返しにおける感光体内での残留電位の上
昇を防止することができる。
【0023】導電性微粒子としては、導電性を有する材
料からなっていれば特に制限されないが、金属酸化物微
粒子を用いることが好ましい。金属酸化物微粒子として
は、例えば、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イ
ンジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモン
をドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウ
ム等の微粒子を用いることができる。導電性微粒子は2
種以上混合して用いてよい。導電性微粒子の平均一次粒
径は、表面保護層の透過率の観点から、0.01〜1.
0μm、好ましくは0.01〜0.3μmであることが
好ましい。
【0024】上記導電性微粒子は、耐環境性の観点か
ら、下記一般式(III);
【化3】 (式中、R5、R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞ
れ独立してメチル基またはエチル基を示す;nは1以上
の整数、好ましくは2〜50の整数、より好ましくは3
〜10の整数を示す)で表される処理剤によって表面処
理されていることが好ましい。より好ましくは、上記式
中、R5、R6、R7、R8、R9およびR10が同時にメチ
ル基またはエチル基である処理剤を用いる。また、上記
処理剤の重量平均分子量は300〜5000、好ましく
は300〜1000であることが望ましい。導電性微粒
子を上記処理剤によって表面処理して用いることによ
り、全環境において電子写真プロセスを繰り返し行う際
に保護層の電気抵抗を制御することが容易になる。
【0025】表面処理の方法は、上記処理剤を0.1〜
10%程度の濃度となるように適当な溶媒で希釈し、そ
の中に導電性微粒子を添加するか、またはそれを導電性
微粒子にスプレーし、充分撹拌した後、空気中で熟成し
溶媒を除去し乾燥すれば良い。急加熱を行うと皮膜にク
ラックが入り易く脆くなる。さらに処理液中に反応促進
の為の触媒を添加してもかまわない。
【0026】上記のような導電性微粒子は、感光体感度
の低下、耐久時の残留電位の上昇、および高温高湿環境
下における像ボケの観点から、オルガノシラン100重
量部に対して0.1〜60重量部、好ましくは1〜30
重量部含有されていることが望ましい。導電性微粒子は
単独でまたは組み合わせて用いてよく、組み合わせて用
いる場合、それらの合計含有量が上記範囲内であればよ
い。
【0027】以上のような材料からなる表面保護層は、
前記の含フッ素ポリシロキサン中に紫外線吸収剤および
導電性微粒子が含有されてなる構成の表面保護層が得ら
れればいかなる方法によって製造されてよい。本発明に
おいて表面保護層は、オルガノシランおよび含フッ素シ
ランカップリング剤を一旦、反応させてなる反応物に、
少なくとも紫外線吸収剤および導電性微粒子を添加、混
合して得られる表面保護液を、感光層上に塗布し、硬化
させることによって製造されることが好ましい。
【0028】詳しくは、まず、前記のオルガノシランお
よび含フッ素シランカップリング剤を反応させる。オル
ガノシランと含フッ素シランカップリング剤の反応重量
比は、含フッ素シランカップリング剤のオルガノシラン
に対する使用量が前記範囲内になるような比率であれば
よい。
【0029】このとき、反応系中に、加水分解反応の促
進の観点から、触媒として酸を添加することが好まし
い。本発明においては酸を添加することがより好まし
い。酸としては、例えば、酢酸、塩酸、蟻酸、プロピオ
ン酸、安息香酸等が使用可能である。上記触媒の使用量
はオルガノシラン100重量部に対して0.01〜6重
量部、好ましくは0.03〜4重量部が好ましい。
【0030】また、反応系中には、加水分解促進の観点
から水が存在することが好ましい。水の使用量は使用さ
れたオルガノシラン100重量部に対して10〜50重
量部、好ましくは20〜40重量部が好適である。
【0031】さらに、反応系に、後述の硬化促進剤を添
加してもよい。このとき添加される硬化促進剤の添加量
はオルガノシラン100重量部に対して0.05〜20
重量部、好ましくは0.1〜10重量部が好適である。
【0032】反応条件は、使用されるオルガノシランお
よび含フッ素シランカップリング剤の反応性に依存し、
得られる反応物が3次元的に繰り返されるシロキサン結
合を有さず、かつ反応物が、後述のような表面保護液の
粘度制御が可能なように、適度な重合度を有せば特に制
限されない。例えば、オルガノシランとしてメチルトリ
メトキシシランを、含フッ素シランカップリング剤とし
てCF3(CF27CH2CH2Si(OCH33を使用
する場合、0〜20℃、好ましくは0〜10℃にて、1
0時間以上、好ましくは12〜20時間反応させること
が望ましい。
【0033】次に、オルガノシランと含フッ素シランカ
ップリング剤との反応物に、少なくとも紫外線吸収剤お
よび導電性微粒子を添加、混合して得られる表面保護液
を、感光層上に塗布し、硬化させる。このとき、表面保
護液には硬化促進剤を添加することが好ましい。硬化促
進剤を添加することによってオルガノシランと含フッ素
シランカップリング剤との加水分解および/または縮合
反応がより促進され、シロキサン結合の3次元化を確実
に達成することができる。
【0034】硬化促進剤としては、ナフテン酸、オクチ
ル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカ
リ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのア
ルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p−トル
エンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレン
ジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エ
タノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬
化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系
化合物;(C492Sn(OCOC11232、(C4
92Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C4
92Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C8
172Sn(OCOC11 232、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOCH32、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOC492、(C8172
n(OCOCH=CHCOOC8172、Sn(OCO
CC8172、などのカルボン酸型有機スズ化合物;
(C492Sn(SCH2COO)2、(C492Sn
(SCH2COOC8172、(C8172Sn(SC
2COO)2、(C8172Sn(SCH 2CH2CO
O)2、(C8172Sn(SCH2COOCH2CH2
COCH2S)2、(C8172Sn(SCH2COOC
2CH2CH2CH2OCOCH2S)2、(C8172
n(SCH2COOC8172、(C8172Sn(S
CH2COOC12252
【0035】
【化4】 などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0036】
【化5】 などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0037】(C492SnO、(C8172Sn
O、(C492SnO、(C8172SnOなどの有
機スズオキサイドとエチルシリケート、エチルシリケー
ト40、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フ
タル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物
などの有機スズ化合物;後述の金属キレート化合物など
が使用される。これらの硬化促進剤は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。本発明におい
ては、下地の感光層との接着性の観点から、アミン系化
合物として例示した化合物を用いることが好ましい。
【0038】金属キレート化合物は、ジルコニウム、チ
タンおよびアルミニウムの群から選ばれる金属のキレー
ト化合物である(以下、金属キレート化合物(IV)とい
う)。このような金属キレート化合物(IV)の例として
は、一般式 Zr(OR11a(R12COCHCOR134-a、 Ti(OR11b(R12COCHCOR134-b または Al(OR11c(R12COCHCOR133-c で表される化合物、あるいはこれらの化合物の部分加水
分解物が挙げられる。金属キレート化合物(IV)におけ
るR11およびR12は、それぞれ独立に炭素数1〜6の1
価の炭化水素基、具体的には、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
シクロヘキシル基、フェニル基等を示し、R13は、R11
およびR12と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基の
ほか、炭素数1〜16のアルコキシ基、具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブ
トキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基等を
示す。また、aおよびbは0〜3の整数、cは0〜2の
整数である。
【0039】このような金属キレート化合物(IV)の具
体例としては、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセ
テートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テ
トラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、
テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等
のジルコニウムキレート化合物;ジ−i−プロポキシ・
ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−
プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、
ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニ
ウム等のチタンキレート化合物;ジ−i−プロポキシ・
エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポ
キシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポ
キシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム、トリス(エチルアセテート)アルミニウム、トリス
(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチル
アセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウム等のアルミニウムキレート化合物等が挙げられ
る。これらの化合物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチ
ルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ
・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−
プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ト
リス(エチルアセトアセテート)アルミニウムが好まし
い。これらの金属キレート化合物(IV)は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。
【0040】表面保護液に添加される硬化促進剤の添加
量(2種以上用いる場合は、その合計量)は、膜の強度
および塗液のポットライフの観点から、上記の反応で使
用されたオルガノシラン100重量部に対して0.1〜
50重量部、好ましくは0.1〜10重量部が好適であ
る。
【0041】表面保護液には前記の紫外線吸収剤および
導電性微粒子が添加される。添加量はそれぞれの表面保
護層中の含有量が前記範囲内になるような量とする。
【0042】表面保護層にその他所望の添加剤を含有さ
せる場合、表面保護液に当該添加剤を添加させるとよ
い。表面保護液に添加され得るその他所望の添加剤とし
ては、例えば、界面活性剤、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤等が挙げられる。界面活性剤の具体
例としては、例えば、酢酸ナトリウム、変性ポリシロキ
サン(BYK300:ビックケミー社)等が挙げられ
る。
【0043】表面保護液の粘度は、形成される表面保護
層の膜厚を後述の範囲内に制御でき、かつ当該保護層を
均一に形成できる粘度とする。
【0044】表面保護液の調製に際しては、当該保護液
の全固形分濃度を調整し、併せて粘度も調整するため
に、有機溶媒を使用することができる。このような有機
溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、エー
テル類、ケトン類、エステル類等の有機溶剤を使用する
ことが好ましい。アルコール類としては、例えば1価ま
たは2価のアルコールを挙げることができ、具体的には
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec
−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキ
シルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノn
−ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチル
エーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル
等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜8
の1価の飽和脂肪族アルコールが好ましい。また、前記
芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等を挙げることができ、前記エーテル類の
具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を
挙げることができ、前記エステル類の具体例としては、
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、炭酸
プロピレン等を挙げることができる。これらの有機溶媒
は、単独または2種以上を混合して使用することができ
る。有機溶媒の添加方法は特に限定されるものではな
く、表面保護液を調製する際および/または調製後の適
宜の段階で添加することができる。
【0045】ここで使用される有機溶媒は下地の感光層
を侵さないように、アルコール系溶媒/他溶媒の重量比
率を80/20〜100/0、好ましくは90/10〜
100/0とすることが望ましい。
【0046】このような表面保護液を感光層上に塗布す
るにあたっては、形成される表面保護層の膜厚を後述の
範囲内に制御でき、かつ当該保護層を均一に形成できれ
ば特に制限されるものではなく、公知の方法、例えば、
刷毛塗り法、スプレー塗装法、浸漬法、ロール塗装法、
フローコート法、真空塗装法、エアーナイフ法、ドクタ
ーブレード法等を採用することができる。これらの塗布
方法は、バッチ式、半連続式あるいは連続式で実施する
ことができる。
【0047】表面保護液の感光層上への塗布後は、硬
化、すなわちシロキサン結合の3次元化が行われる。具
体的には、当該溶液が塗布された感光層を、温度60〜
125℃、好ましくは80〜120℃で、10〜60分
間、好ましくは10〜40分間静置する。温度が125
℃を越えると感光層の感度等の静電特性が劣化し、一
方、60℃未満ではシロキサン結合の3次元化が不完全
になり易く、かえって膜が脆くなる。
【0048】表面保護層の膜厚は、感度の低下および耐
久時の残留電位上昇の観点から、0.03〜5μm、好
ましくは0.1〜3μmに制御されていることが好まし
い。
【0049】上記のような表面保護層を形成可能な感光
層としては、導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷輸
送層を順次積層した形態、電荷輸送層及び電荷発生層を
順次積層した形態、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含
む単層型の形態のいずれであってもよい。以下、導電性
支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した形
態の感光層について説明する。
【0050】導電性支持体としては、銅、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル等の箔あるいは板をドラム状にしたも
のが使用される。またこれらの金属をプラスチックフィ
ルム等に真空蒸着、スパッタリング、無電解メッキした
もの、あるいは導電性ポリマー酸化インジウム、酸化ス
ズ等の導電性化合物の層を紙あるいはプラスチックフィ
ルム上に塗布もししくは蒸着、スパッタリングによって
設けたものも使用可能である。一般的に円筒状のアルミ
ニウムが使用されるが、具体的には、例えば押し出し加
工後、冷間引き抜き加工したもの(ED管)、押し出し
加工後、引き抜き加工を施したアルミニウムパイプを切
断し、その外表面をダイヤモンドバイト等の切削工具を
用いて約0.2〜0.3mm切断し仕上げたもの(切削
管)アルミニウム円板をインパクト加工してカップ状と
した後、外表面をしごき加工により仕上げたもの(EI
管)、アルミニウム円板を深絞り加工して後、外表面を
しごき加工により仕上げたもの(DI管)等が挙げられ
る。またこれらの表面をさらに切削したもの、陽極酸化
したものを使用してもよい。
【0051】このような導電性支持体上に電荷発生層お
よび電荷移動層が順次形成されるが、それに先立って導
電性支持体からの電荷注入の防止の目的から下引層を形
成することが好ましい。
【0052】下引層を設ける場合、その材料としてはポ
リイミド、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート
等のポリマーをそのまま、または酸化スズや酸化インジ
ウムなどの低抵抗化合物を分散させたもの、または酸化
アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの蒸着膜等が
適当である。この場合、下引層の膜厚は1μm以下であ
ることが望ましい。
【0053】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着す
るか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布する
か、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を
溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾
燥して形成される。
【0054】電荷発生材料としては、例えばビスアゾ系
顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オ
キサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、
スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系染料、キア
クドリン系染料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多
環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、イン
ダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニ
ン系顔料等の有機物質が挙げられる。この他、光を吸収
して極めて高い効率で電荷担体を発生する材料であれ
ば、いずれの材料であっても使用することができる。
【0055】電荷輸送層は上記電荷発生層上に、電荷輸
送材料を結着樹脂を溶解させた溶液中に分散させて作製
した塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成され
る。
【0056】電荷輸送材料としては、有機物質が好まし
く、例えばヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチ
リル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾ
ール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、
エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルア
ミン化合物、テトラフェニルベンジジ化合物、アジン化
合物等種々の材料が挙げられる。
【0057】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012
Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例え
ば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することがで
きる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン
架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、ブチ
ラール樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、セルロースエステル、ポリイミド、スチロー
ル樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等
の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリビニルカルバゾー
ル、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ
ビニルピロール等の光導電性樹脂等が挙げられ、これら
の結着樹脂は単独もしくは2種以上組み合わせて使用す
る。
【0058】なお電荷輸送材料がそれ自身バインダーと
して使用できる高分子電荷輸送材料である場合は、他の
結着樹脂を使用しなくてもよい。
【0059】感光層には、結着樹脂とともにハロゲン化
パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレ
ン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可塑
性剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フ
タル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感
剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。
【0060】感光層の塗布は公知のものなど各種の塗布
装置を用いて行うことができ、具体的には、例えば、ア
プリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディ
ップコーター、ロールコーター、ドクタブレード等を用
いて行うことができる。
【0061】以上のような電子写真感光体は、表面保護
層と感光層との接着性、耐久性および感度等の静電特性
に優れており、クラック等の問題が発生しない。以下、
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、特
記しない限り、「部」は「重量部」を意味するものとす
る。
【0062】
【実施例】シリコンハードコート液(A)の合成 メチルトリメトキシシラン(TSL8113:東芝シリ
コーン)50部と下記構造式; CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33 で表される含フッ素シランカップリング剤(KBM−7
803;信越化学工業)5部を、蒸留水20部と酢酸2
部を溶解した溶液に、液温度0〜10℃に保ちながら添
加撹拌し、16時間反応させた。その後、液温度を20
℃とし、n−プロパノール15部と酢酸ナトリウム0.
05部を混合し、実施例のハードコート液(A)を調整
した。
【0063】導電性微粒子(A)の製造 平均粒径0.02μmのアンチモンをドープした酸化ス
ズ微粒子(T−1;三菱マテリアル)100部をミキサ
ーで撹拌しながら、メタノール100部とシリコーン剤
(XC96−B0446;東芝シリコーン)2部の混合
液をスプレーし、両者混合した。その後、空気中で12
時間熟成し、130℃、2時間加熱処理し、導電性微粒
子(A)を得た。
【0064】実施例1 JIS5657円筒状のアルミニウム合金(外径100
mm、長さ350mm、厚さ2mm)の表面を切り刃に
天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。これ
を、脱脂剤として界面活性剤トップアルクリーン161
(奥野製薬工業社製)30g/lを用いて60±5℃で
5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。100g/l
の硝酸溶液に5分間浸漬し、エッチング処理を行った
後、流水で洗浄した。次に、電解液として150g/l
の硫酸を用いて、電流密度1(A/dm2)、液温20
℃で15分間陽極酸化処理を行い、厚さ8μmの陽極酸
化層を形成した。これを、純水にて流水洗浄した後、酢
酸ニッケル含有の封孔剤(シーリングソルトAS:クラ
リアントジャパン社製)を8g/lとした水溶液を用い
て90℃、30分間封孔処理を行った。次に、このよう
にして陽極酸化層を封孔処理した感光体基体上に、以下
のようにして、感光層を形成した。
【0065】X型フタロシアニン(8120B:大日本
インキ工業社製)4.5部とブチラール樹脂(エスレッ
クBH−3:積水化学社製)2.5部およびフェノキシ
樹脂(PKHH:ユニオンカーバイド社製)2.5部を
ジクロロエタン500部とともにサンドミルにより分散
した。得られた分散液を上記感光体基体上に、乾燥後の
膜厚が0.3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成
した。その後、下記式;
【0066】
【化6】 示されるスチリル化合物40部とポリカーボネート樹脂
(TS−2050:帝人化成社製)60部とフェノール
化合物ブチルヒドロキシトルエン(特級:東京化成社
製)2部をテトラヒドロフラン400部に溶解させてな
る塗布液を、上記電荷発生層上に塗布乾燥させて20μ
mの電荷輸送層を形成させた。
【0067】次に下記のように表面保護液を得た。シリ
コンハードコート液(A)100部に紫外線吸収剤(Vi
osorb110;共同薬品)3部、導電性微粒子(A)15部
を添加してサンドミルで48時間混合し、表面保護液を
調整した。得られた表面保護液を上記電荷輸送層上に、
乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布し、100℃、
30分間乾燥させて表面保護層を形成して、電子写真感
光体を作成した。
【0068】実施例2 表面保護層を下記のように形成する以外は実施例1と同
様にして、電子写真感光体を作成した。紫外線吸収剤を
Viosorb105(共同薬品)に代えた。得られた表面保護液
を上記電荷輸送層上に、乾燥後の膜厚が2μmとなるよ
うに塗布し、120℃、10分間乾燥させて表面保護層
を形成した。
【0069】実施例3 表面保護層を下記のように形成する以外は実施例1と同
様にして、電子写真感光体を作成した。紫外線吸収剤を
Viosorb520(共同薬品)に代えた。得られた表面保護液
を上記電荷輸送層上に、乾燥後の膜厚が2μmとなるよ
うに塗布し、120℃、10分間乾燥させて表面保護層
を形成した。
【0070】比較例1 紫外線吸収剤と導電性微粒子を添加しない以外は実施例
1と同様にして、電子写真感光体を形成した。 比較例2 紫外線吸収剤を添加しない以外は実施例1と同様にし
て、電子写真感光体を形成した。
【0071】比較例3 アクリルポリオールレタンPG60(関西ペイント)2
0部、ポリアミド樹脂CM8000(東レ)2部を分散
させて表面保護液を調整する以外は比較例1と同様にし
て、電子写真感光体を形成した。
【0072】評価 得られた感光体を市販の電子写真複写機(Di620:
ミノルタ社製)に搭載し、−6KVに帯電させ、初期表
面電位(V0(V))、初期電位を1/2にするために
要した露光量:感度(E1/2(μJ/cm2))およ
び画像電位(Vi(1.5μJ/cm2))を測定し
た。Viが高いとトナーの濃度が薄く、コピー画像がす
れる。
【0073】接着性について評価をした。(JIS K5400
に準じる。) 上記の各感光体における感光層の接着性については、こ
れらの感光体を製造し、温度30℃、湿度85%の高温
・高湿度下で1日放置した後のものを用い、各感光体の
表面にそれぞれカッターナイフで1cm四方に1mmの
ピッチで基盤状の傷を付け、この上に接着テープを貼
り、この接着テープを瞬間的に剥離させて、各感光体に
おける感光層の剥離状態を調べるようにした。そして、
下記の表においては、切り傷の1本ごとが細くて両側が
滑らかで切り傷の交点と正方形の1目1目に剥がれがな
い場合を10、切り傷の交点に僅かな剥がれがあるが正
方形の1目1目に剥がれがなく、欠損部の面積が全正方
形面積の5%以内の場合を8、切り傷の両側と交点とに
剥がれがあって欠損部の面積が全正方形面積の5〜15
%の場合を6、切り傷における剥がれの幅が広くて欠損
部の面積が全正方形面積の15〜35%の場合を4、切
り傷における剥がれの幅が4点よりも広くて欠損部の面
積が全正方形面積の35〜65%の場合を2、剥がれに
よる欠損部の面積が全正方形面積の65%以上の場合を
0で表示した。
【0074】クラックについて評価した。得られた感光
体を目視により観察し、感光体表面にクラック(亀裂)
が発生していないものには「○」、クラックが発生して
いるものには「×」とランク付けした。なお、「×」の
場合はクラックが発生している領域(全面または一部
分)を併記した。
【0075】また、初期および連続コピー10000枚
後の複写画像の品質について評価をした。上記感光体を
市販の電子写真複写機(Di620:ミノルタ社製)に
搭載して複写し、初期および10000枚後の複写画像
を以下にしたがってランク付けした。なお、上記評価は
10℃/15%、23℃/45%および30℃/85%
の各環境下において行った。カブリ、画像ボケ、像流れ
が生じていないものを「○」、カブリが生じたものを
「カブリ」、画像ボケが生じたものを「画像ボケ」、像
流れが生じたものを「像流れ」と表記した。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、表面保護層
を少なくとも含フッ素ポリシロキサン、紫外線吸収剤お
よび導電性微粒子からならしめることにより、当該保護
層と感光層との接着性、ならびに全環境下における耐久
時の画像品質および静電特性が向上し、クラック等の問
題が発生しないという優れた効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 圭一 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA04 AA05 BA12 BA16 BA58 BB57 FA01 FA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層、表
    面保護層を順次設けてなる電子写真感光体において、該
    表面保護層が少なくとも、含フッ素ポリシロキサン、紫
    外線吸収剤および導電性微粒子からなることを特徴とす
    る電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 含フッ素ポリシロキサンがオルガノシラ
    ンと含フッ素シランカップリング剤との反応物である請
    求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 表面保護層が、オルガノシランおよび含
    フッ素シランカップリング剤を一旦、反応させてなる反
    応物に少なくとも紫外線吸収剤および導電性微粒子を添
    加、混合して得られる表面保護液を感光層上に塗布し、
    硬化させてなることを特徴とする請求項1または2に記
    載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収剤がベンゾフェノン系化合
    物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾエート系化合
    物およびサリシレート系化合物からなるグループから選
    択される1種以上の化合物である請求項1〜3いずれか
    に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 導電性微粒子が、下記一般式(III); 【化1】 (式中、R5、R6、R7、R8、R9およびR10はそれぞ
    れ独立してメチル基またはエチル基を示す;nは1以上
    の整数を示す)で表される処理剤によって表面処理され
    ている請求項1〜4いずれかに記載の電子写真感光体。
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