JP2001305770A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2001305770A
JP2001305770A JP2000125616A JP2000125616A JP2001305770A JP 2001305770 A JP2001305770 A JP 2001305770A JP 2000125616 A JP2000125616 A JP 2000125616A JP 2000125616 A JP2000125616 A JP 2000125616A JP 2001305770 A JP2001305770 A JP 2001305770A
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surface protective
protective layer
polysiloxane
vinyl
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JP2000125616A
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English (en)
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Shigeaki Tokutake
重明 徳竹
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面保護層と感光層との接着性、耐久性およ
び感度等の静電特性に優れ、クラックの問題が発生せ
ず、画像ノイズを長期にわたって防止できる電子写真感
光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層およ
び表面保護層を順次設けてなる電子写真感光体であっ
て、表面保護層が少なくともポリシロキサンと反応性基
を有する櫛形ポリマーからなることを特徴とする電子写
真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
する。
【0002】
【従来の技術】最近、画像形成装置等の電子写真装置に
用いられる感光体においては、クリーニング部材等によ
る感光層の摩耗を防止したり、感光層への表面電荷の注
入を防止する観点から、有機系の感光層表面に表面保護
層を形成して用いるのが一般的である。
【0003】表面保護層を形成する材料としてはシロキ
サン結合(Si-O-Si結合)が繰り返されてなるポリシロ
キサンが知られている。しかしながら、ポリシロキサン
を単独で用いると、有機材料上に無機材料を積層するこ
とになるため、これらの材料の熱膨張係数の差により、
特に保護層の層厚が薄い場合、保護層にクラック(亀
裂)が発生したり、感光層と保護層との接着性に問題が
生じていた。また、ポリシロキサンは比較的表面エネル
ギーが高く、また摩擦係数が高いため、フィルミングや
ブラックスポット(BS)等の画像ノイズの問題が生じて
いた。
【0004】そこで、ポリシロキサン中に樹脂をブレン
ドした表面保護層が提案されているが、得られる表面保
護層は膜として緻密性に劣り、表面硬度が低いため、耐
久性、特に摩耗性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、表面保護層と感光層との接
着性、耐久性および感度等の静電特性に優れ、かつクラ
ックの問題が発生しない電子写真感光体を提供すること
を目的とする。
【0006】本発明はまた、表面保護層と感光層との接
着性、耐久性および感度等の静電特性に優れ、クラック
の問題が発生せず、画像ノイズを長期にわたって防止で
きる電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に少なくとも感光層および表面保護層を順次設けてな
る電子写真感光体であって、表面保護層が少なくともポ
リシロキサンと反応性基を有する櫛形ポリマーからなる
ことを特徴とする電子写真感光体に関する。
【0008】本発明の電子写真感光体の表面保護層は、
少なくともポリシロキサンおよび反応性基を有する櫛形
ポリマーからなり、ポリシロキサンおよび反応性基を有
する櫛形ポリマーが化学的に結合してなっている。すな
わち、本発明の表面保護層においてポリシロキサンはシ
ロキサン結合が一次元〜三次元的に繰り返されてなりな
がら、反応性基を有する櫛形ポリマーにおける反応性基
と化学的に結合している。このように本発明の表面保護
層においては、ポリシロキサンと櫛形ポリマーが化学的
に結合されていることから、櫛形ポリマーはポリシロキ
サン中、長期にわたって均一に存在することができるた
め、耐久性、特に磨耗性が向上するだけでなく、長期
間、感光体表面の離型性向上の効果を維持でき、画像ノ
イズ(黒スジ、フィルミング、BS)を防止することがで
きると考えられる。
【0009】表面保護層において櫛形ポリマーと結合さ
れるポリシロキサンはシロキサン結合が複数個連なった
構造を有し、好ましくはシロキサン結合が3次元的に繰
り返されてなる構造を有している。中でも、ポリシロキ
サンは下記一般式(I); (R1nSi(OR24-n (I) (式中、R1は炭素数1〜8の有機基、R2は炭素数1〜
5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示し、
nは0〜2の整数である。)で表されるオルガノシラン
(以下、オルガノシラン(I)という。)が重縮合した
構造を有することが好ましい。一般式(I)において、
1の炭素数1〜8の有機基としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基等のアルキル基のほか、γ−クロロ
プロピル基、γ−ブロモプロピル基、3,3,3−トリ
フロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−
(メタ)アクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプ
ロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−ジメチルアミノ
プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。R1
は好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−ト
リフロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ
−(メタ)アクリルオキシプロピル基、γ−メルカプト
プロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチル基、ビニル基、フェニル基である。
【0010】また、R2の炭素数1〜5のアルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、se
c−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げ
られ、炭素数1〜4のアシル基としては、例えば、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
2は好ましくはメチル基、エチル基、アセチル基であ
る。nは好ましくは0または1である。nが2のとき、
nが0および/または1のオルガノシラン(I)を併用す
ることが好ましい。本明細書中、「(メタ)アクリル」
は「アクリル」および「メタクリル」を意味するものと
し、例えば、(メタ)アクリル酸メチルはアクリル酸メ
チルおよびメタクリル酸メチルを包含して意味するもの
とする。
【0011】このようなオルガノシラン(I)の好まし
い具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n
−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメト
キシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピル
トリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3,4−エポ
キシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエ
トキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ
−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジ
メトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、
ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン等のアルコキシシラン類;テトラアセトキシシ
ラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセト
キシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジエチルジ
アセトキシシラン等のアシルオキシシラン類等が挙げら
れ、より好ましくはメチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシランである。オルガノシラン(I)は
単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0012】表面保護層中、上記のようなポリシロキサ
ンに結合される「反応性基を有する櫛形ポリマー」は、
主鎖としてビニル系ポリマー部および側鎖としてシリコ
ーン部又は含フッ素部を含み、反応性基を有してなる。
そのような櫛形ポリマーが有する反応性基は、結果とし
て表面保護層中、上記ポリシロキサンとの化学的な結合
が当該基によって達成されれば特に制限されず、例え
ば、上記のオルガノシラン(I)と反応し得る基が挙げ
られる。このような反応性基としてはケイ素原子に対し
て求核的に攻撃し得る基が挙げられ、具体的には、ヒド
ロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ
基、グリシジル基等が一般に例示できる。
【0013】例えば、反応性基としてのエポキシ基およ
びグリシジル基は一旦、水と反応してヒドロキシル基を
生成し、当該ヒドロキシル基がケイ素原子を求核的に攻
撃すると考えられる。またイソシアネート基は一旦、加
水分解してアミノ基を生成し、当該アミノ基がケイ素原
子を求核的に攻撃すると考えられる。
【0014】櫛形ポリマーがこのような反応性基を有し
ていないと、表面保護層中において櫛形ポリマーとポリ
シロキサンとの化学的結合が達成されず、長期にわたっ
て感光体表面の優れた離型性を維持することができな
い。櫛形ポリマーは表面保護層に含有させることによっ
て当該表面の離型性を向上させる効果を奏すると考えら
れる。しかしながら、当該櫛形ポリマーは表面エネルギ
ーが比較的小さいため、櫛形ポリマーが反応性基を有し
ていないと、当該櫛形ポリマーはポリシロキサンと結合
することなく、表面保護層中、遊離し、時間の経過とと
もに最表面に移動する。このため、繰り返しの使用によ
って表面保護層表面が削られると、保護層最表面に存在
する櫛形ポリマーが顕著に減少するため、長期間、櫛形
ポリマーの優れた離型性が維持できず、画像ノイズ(黒
スジ、フィルミング、BS)が比較的早期に発生すると考
えられる。
【0015】以下、側鎖にシリコーン部を含む「反応性
基を有する櫛形ポリマー」を単にシリコーン系櫛形ポリ
マーといい、側鎖にケイ素原子を含まず、フッ素原子を
含む含フッ素部を含む「反応性基を有する櫛形ポリマ
ー」を単にフッ素系櫛形ポリマーという。
【0016】本発明におけるシリコーン系櫛形ポリマー
は、当該ポリマーの表面保護層への添加によって層表面
に離型性を付与できる程度にシリコーン部と反応性基を
含むビニル系ポリマーであれば特に制限されず、例え
ば、下式(II)で表されるビニル系モノマー、下式(II
I)で表される反応性基を有するビニル系モノマーおよび
末端にビニル基を有するシリコーンマクロモノマーを共
重合して得られる:
【0017】
【化1】 [式中、R3は水素原子、メチル基を示し、R4は −COOR5 (式中、R5は炭素数1〜25、好ましくは1〜5のアルキル
基、炭素数7〜10のアラルキル基、アリール基またはこ
れらの基における水素原子がフッ素原子に置換された基
を示す)、アリール基、シアノ基、イミダゾール基、塩
素原子、フッ素原子、または −OCOR6 (式中、R6は炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル
基を示す)を示す]。
【0018】上式(II)で表されるビニル系モノマーの
好ましい具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、
(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベ
ヘニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル等の(メタ)
アクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、(メタ)アク
リロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化
ビニル、フッ化ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、
シクロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げられ、これら
は単独または二種以上併用して使用できる。
【0019】
【化2】 (式中、R3は上記のR3と同様であり、Xは前記の反応
性基を有する基を示す)。
【0020】上式(III)において、X基(反応性基を有
する基)としては、例えば、 −COOR7 [式中、R7はヒドロキシル基、−NR8R9(式中、R8
よびR9はそれぞれ独立して水素原子、メチル基または
エチル基を示す)、イソシアネート基、エポキシ基また
はグリシジル基を有する炭素数1〜10、好ましくは1〜5
のアルキル基、または −(R10O)nH(式中、R10は炭素数1〜10のアルキレン基
を示し、nは1〜6の整数を示す)を示す]、または −CONHR11 [式中、R11はヒドロキシル基、−NR8R9(式中、R8
よびR9はそれぞれ独立して水素原子、メチル基または
エチル基を示す)、イソシアネート基、エポキシ基また
はグリシジル基を有する炭素数1〜5のアルキル基を示
す]等が挙げられる。
【0021】上式(III)で表される反応性基を有するビ
ニル系モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレ
ングリコール、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらは単独ま
たは二種以上併用して使用できる。
【0022】シリコーン系櫛形ポリマーの構成成分とな
るシリコーンマクロモノマーは、シリコーンの末端に少
なくともビニル基、例えば、(メタ)アクリロイル基を
有するマクロモノマーである。シリコーンマクロモノマ
ーは、得られる保護層の離型性および潤滑性ならびに当
該モノマーの重合性の観点から、数平均分子量1,000〜5
0,000を有することが好ましい。
【0023】シリコーンマクロモノマーとして、例え
ば、下式(IV-1)〜(IV-3)の化学式に表されるモノマ
ーが例示できる。好ましくは下式(IV-1)で表されるシ
リコーンマクロモノマーである。
【0024】
【化3】 (式中、R3は上記のR3と同様であり、R12はそれぞれ
独立して水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル
基を示し、アルキル基の水素原子はフッ素原子で置換さ
れていてもよい;mは2〜6の整数を示す;Ysiはシリコ
ーン部を示す)。
【0025】上記の式(IV-1)〜(IV-3)中において、
シリコーン部(Ysi)はそれぞれ独立して、シロキサン結
合が繰り返されてなり、その側基として炭素数1〜5の低
級アルキル基、好ましくはメチル基、またはフェニル基
等のアリール基を有してなり、アルキル基の水素原子は
フッ素原子で置換されていてもよい。シリコーン部のシ
ロキサン結合は好ましくは一次元的に繰り返されてい
る。また、シリコーン部の分子量、すなわちシリコーン
部の大きさはシリコーンマクロモノマーの数平均分子量
が上記範囲内であるような量であることが好ましい。
【0026】シリコーンマクロモノマーは、例えば、以
下に示す方法等により製造することができる。すなわ
ち、アニオン重合法を利用した製造方法としては、リチ
ウムトリアルキルシラノレート等の重合開始剤を使用
し、環状トリシロキサンまたは環状テトラシロキサン等
を重合してシリコーンリビングポリマーを得、これとγ
−メタクリロイルオキシプロピルモノクロロジメチルシ
ラン等を反応させる製造方法等があり(例えば特開昭59
-78236号公報)、また縮合反応を利用した製造方法とし
ては、特開昭58-167606号公報及び特開昭60-123518号公
報に開示されている、末端にシラノール基を有するシリ
コーンとγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキ
シシラン等との縮合反応によるマクロモノマーの製造方
法が挙げられる。
【0027】上記したようなシリコーンマクロモノマー
の市販品として、例えば、マクロモノマーAK-32、AK-3
0、AK-5(いずれも東亞合成化学工業社製)等が入手可
能である。
【0028】上式(II)で表されるビニル系モノマー、
上式(III)で表される反応性基を有するビニル系モノマ
ーおよび末端にビニル基を有する上記シリコーンマクロ
モノマーの反応重量比はそれぞれ、膜強度、膜の安定性
の観点から、全モノマー重量に対して、順に、90〜40重
量%、5〜30重量%および5〜30重量%とする。特に、式
(III)で表される反応性基を有するビニル系モノマーの
含有量が5重量%より少ないと、表面保護層の膜硬化が
不十分となり、十分な膜強度が得られない。また、その
量が30重量%より多いと、相分離して安定な保護層が得
られない。
【0029】シリコーン系櫛形ポリマーを製造するため
の上記モノマーの重合法としては、例えば放射線照射
法、ラジカル重合開始剤を用いる方法等の公知の方法を
使用できるが、ラジカル重合開始剤を用いる方法が重合
操作の容易さ、生成する櫛形ポリマーの分子量調節の容
易さの点で好ましく、溶液重合、乳化重合または懸濁重
合等によって重合できる。
【0030】ラジカル重合開始剤としては、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素等の無機系ラジカル重合開始剤、
ならびに2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オク
タン、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルクミ
ルパーオキサイド、過酸化ベンゾイルおよび2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル等の有機系ラジカル重合開
始剤が挙げられる。
【0031】生成される重合体の分子量の調整のため
に、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プ
ロパンチオール、2−メルカプトエタノール、エチルメ
ルカプトアセテート、チオフェノール、チオグリセロー
ル、およびドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を重合
系に適量添加してもよい。重合温度としては、50〜150
℃程度が好ましく、重合時間は3〜100時間が適当であ
る。
【0032】溶液重合に用いる好ましい有機溶剤として
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
酢酸エステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、エチルセロソルブ、ブチロセロソル
ブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラ
ヒドロフランおよび塩化メチレンが挙げられる。シリコ
ーン系櫛形ポリマーの溶解性に優れ、かつ塗布後の揮発
性が良く、低毒性である点で、イソプロパノールが特に
好ましい。
【0033】本発明におけるフッ素系櫛形ポリマーは、
当該ポリマーの表面保護層への添加によって層表面に離
型性を付与できる程度にフッ素と反応性基を含むポリマ
ーであれば特に制限されず、例えば、ビニル系モノマ
ー、反応性基を有するビニル系モノマーおよび含フッ素
マクロモノマーをラジカル重合させて得られる。
【0034】ビニル系モノマーとしては、例えば、シリ
コーン系櫛形ポリマーの説明で例示した上式(II)のビ
ニル系モノマーの具体例と同様の化合物、ならびにテト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジ
クロロジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピ
レンおよびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)な
どが例示される。
【0035】反応性基を有するビニル系モノマーとして
は上式(III)で表される反応性基を有するビニル系モノ
マーが使用でき、具体例として前記のシリコーン系櫛形
ポリマーの説明においてと同様の化合物が例示できる。
【0036】含フッ素マクロモノマーは、本発明が目的
とするフッ素系櫛形ポリマーの枝成分(グラフト鎖)を
構成するものであって、特に限定されないが、例えば、
下記式(V)で表されるマクロモノマーが好ましい。 H(CFX−CYZ)qCHR20O−A (V) (式中、X、YおよびZはそれぞれ独立して水素原子、フ
ッ素原子または塩素原子を示し、R20は水素原子、メチ
ル基またはエチル基を示し、Aは不飽和結合を含む基を
示し、qは正数を示す。)
【0037】含フッ素マクロモノマーの数平均分子量は
1000〜50000が好ましい。前記マクロモノマーは、例え
ば、Polymer Bulletin 16, 481-485(1986)に記載の製法
に準じて製造でき、具体的には、まず第1段階として、
下記式(VI)に示すように、アルコールを連鎖移動剤と
してフルオロオレフィンをラジカル重合させて末端に水
酸基を有するマクロモノマー前駆体(以下、「プレポリ
マー」という)を製造した後、下記式(VII)に示すよう
に不飽和基を結合させて含フッ素マクロモノマーを製造
する。
【化4】 (式中、X、YおよびZはそれぞれ独立して水素原子、フ
ッ素原子または塩素原子を示し、R20は水素原子、メチ
ル基またはエチル基を示し、Aは不飽和結合を含む基を
示し、Bは水素原子と反応しかつ脱離可能な基を示し、
qは正数を示す。)
【0038】前記マクロモノマーの製造に使用されるフ
ルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、
クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、
フッ化ビニリデン、フッ化ビニルおよびヘキサフルオロ
プロピレンなどが例示され、後記するアルコールの連鎖
移動性および反応収率の点からテトラフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレ
ンおよびフッ化ビニリデンの1種類またはクロロトリフ
ルオロエチレンとフッ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレンとヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン
とヘキサフルオロプロピレンなど2種以上のフルオロオ
レフィンを組合わせて使用することが望ましい。更に、
成形性の向上およびコストの削減のため、共重合可能な
モノマーを併用してもよい。かかるモノマーとしては、
エチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ビニルエーテル類、ビニルエステル類お
よびクロトン酸エステル類などが例示される。該モノマ
ーはフルオロオレフィンの使用量の等モル以下で使用す
ることが望ましい。
【0039】前記式(VI)で表されるプレポリマーは、
ラジカル発生型開始剤の存在下に、アルコールを連鎖移
動剤として、前記フルオロオレフィンをラジカル重合さ
せることにより製造される。前記アルコールとしては、
メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロ
パノール等が例示され、これらの中でも反応性の点から
メタノールが好ましい。前記ラジカル発生型開始剤とし
ては、ターシャリブチルパーオキサイド、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパー
オキシジカーボネート、ターシャリブチルパーオキシヒ
バレートおよびターシャリブチルパーオキシイソブチレ
ートなどの有機パーオキサイド、アゾビスイソブチロニ
トリルおよびアゾビスシクロヘキサンカルボニトリルな
どのアゾ化合物ならびに過硫酸アンモニウムなどの無機
パーオキサイドが例示される。
【0040】上記の重合における好ましい条件における
好適な温度は20℃〜200℃、好適な圧力は3〜10atmおよ
び好適な反応時間は1〜24時間である。さらに、反応器
の腐食を防ぐため、炭酸カリウム、リン酸2−ナトリウ
ム、硫酸水素ナトリウムおよびホウ酸ナトリウムなどの
除酸剤を加えてもよい。
【0041】次に、前記式(VII)で表されるマクロモ
ノマーは、有機溶剤の存在下に、上記で得られたプレポ
リマーと、該プレポリマー中の水酸基と反応性の官能基
を有する不飽和基含有化合物を反応させることにより製
造される。前記不飽和基含有化合物としては、(メ
タ)アクリル酸、ビニル酢酸およびビニルノナン酸など
の有機酸、(メタ)アクリル酸クロライド、アリルク
ロリド、クロロエチルビニルエーテルおよびクロロ酢酸
ビニルなどの塩素含有化合物ならびに酢酸ビニルなど
が例示される。の場合は脱水エステル化反応、の場
合は脱塩酸反応、の場合は脱酢酸反応により前記プレ
ポリマーと反応する。これらの中でも、反応の容易さの
面から、およびの化合物が好ましい。これらの化合
物を使用する場合、前記式(VII)のBは水酸基、塩素原
子またはオキシアセチル基を示すことになる。
【0042】前記有機溶剤としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、トルエンおよびキシレンなどが挙げられ
る。パラトルエンスルホン酸および硫酸などの有機・無
機酸類、トリエチルアミンおよびキノリンなどのアミン
類および水酸化ナトリウムなどの無機塩基類を使用して
反応を促進させることが好ましい。好ましい反応条件に
おける好適な反応温度は10℃〜100℃および好適な反応
時間は1〜24時間である。また、不飽和基含有化合物の
重合を防ぐため重合禁止剤を加えても良く、かかる重合
禁止剤としてはメトキシハイドロキノン、ハイドロキノ
ンおよびフェノチアジンなど通常のものが挙げられる。
【0043】上記含フッ素マクロモノマーの中でも下式
(VIII)で表されるマクロモノマーを用いることがより
好ましい。
【化5】 ここで、X、Y、Zはそれぞれ独立して水素原子、フッ素
原子または塩素原子を示す。R20は水素原子、メチル基
またはエチル基である。R21は水素原子、メチル基を示
す。qは正数である。
【0044】前記フッ素系櫛形ポリマーを製造する反応
は、ラジカル発生型重合開始剤の存在下に前記のビニル
系モノマーおよび反応性基を有するビニル系モノマー、
および前記の含フッ素マクロモノマーをラジカル重合さ
せる反応である。重合方法としては、水性媒体中での懸
濁重合および乳化重合、有機溶剤中での溶液重合などが
採用可能である。有機溶剤としては、シリコーン系櫛形
ポリマーの製造で用いられ得る前記の有機溶剤と同様の
溶剤が使用され得る。
【0045】前記ラジカル発生型重合開始剤としては、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリ
ーブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサ
イドおよびラウロイルパーオキサイド等の有機パーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイ
ソバレロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム
および過硫酸カリウム等の無機パーオキサイドが使用で
きる。これらの使用量は全単量体100重量部に対し、0.0
01〜10重量部が好ましい。乳化重合の場合の乳化剤とし
ては、パーフルオロオクタノイックアシドカリウム塩ま
たはアンモニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸
アンモニウム塩、高級アルコール硫酸エステルナトリウ
ム塩およびポリエチレングリコールエーテル等が例示さ
れる。
【0046】生成される重合体の分子量調整のために、
シリコーン系櫛形ポリマーの製造で使用され得る連鎖移
動剤と同様の連鎖移動剤を重合系に添加してもよい。
【0047】上記ビニル系モノマー、上記の反応性基を
有するビニル系モノマーおよび含フッ素マクロモノマー
の反応重量比はそれぞれ、膜強度、膜の安定性の観点か
ら、全モノマー重量に対して、順に、90〜30重量%、5
〜30重量%および5〜40重量%とする。特に、反応性基
を有するビニル系モノマーの含有量が5重量%より少な
いと、表面保護層の膜硬化が不十分となり、十分な膜強
度が得られない。また、その量が30重量%より多いと、
相分離して安定な保護層が得られない。
【0048】以上のようなシリコーン系櫛形ポリマーお
よびフッ素系櫛形ポリマーはシリコーン又はフッ素原子
に由来する離型性、潤滑剤の性質の十分な発現ならびに
膜強度の観点から、数平均分子量が1000〜100000程度に
制御されていることが好ましい。
【0049】上記のようなシリコーン系櫛形ポリマーの
市販品として、US450、GS1015、US270(東亞合成社製)
等が入手可能である。フッ素系櫛形ポリマーの市販品と
して、GF-2000(東亞合成社製)等が入手可能である。
【0050】シリコーン系櫛形ポリマー又はフッ素系櫛
形ポリマーは、画像ノイズ(黒スジ、フィルミング、B
S)および膜強度の観点から、表面保護層中、ポリシロキ
サン100重量部に対して0.1〜40重量部、好ましくは1〜2
0重量部配合されていることが望ましい。上記櫛形ポリ
マーは組み合わせて用いてよく、その場合、合計量が上
記範囲内であればよい。
【0051】また、表面保護層には、感光体表面の硬度
や粗さを調整するために、無機フィラーおよび/または
有機微粒子等が配合されていてよい。無機フィラーとし
ては、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化
物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫化物、窒
素ケイ素、窒素アルミニウム等の金属窒化物が挙げら
れ、特に良好なものとしてはシリカ、酸化チタンが挙げ
られる。無機フィラーは1種または2種以上混合して用
いてよい。有機微粒子としては、フッ素樹脂、シリコー
ン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられ、
特に良好なものとしてはポリテトラフルオロエチレン、
ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂ならびにポリエチ
レン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂が挙げられ
る。有機微粒子は1種または2種以上混合して用いても
よい。
【0052】無機フィラーおよび有機微粒子の大きさと
しては、平均体積粒径あるいは粒子投影像の最大長さと
して0.01〜1.0μm、好ましくは0.01〜0.3μmであること
が望ましい。無機フィラーおよび有機微粒子は、感光体
の感度および耐刷時の残留電位の上昇の観点から、表面
保護層中、ポリシロキサン100重量部に対して100重量部
以下、好ましくは10〜80重量部配合されていることが望
ましい。
【0053】表面保護層の膜厚は0.03〜5μm、好ましく
は0.1〜3μmが好適である。
【0054】本発明の感光体の表面保護層は、ポリシロ
キサンと反応性基を有する櫛形ポリマーにおける反応性
基とが化学的に結合してなる上記のような表面保護層が
形成されればいかなる方法によって形成されてよい。例
えば、表面保護層は、少なくとも前記のポリシロキサン
を形成し得るポリシロキサン原料、例えば、オルガノシ
ラン(I)と前記の反応性基を有する櫛形ポリマーを含有
する表面保護液を感光層上に塗布し、硬化させてなって
よいし、または上記ポリシロキサン原料を予め重合させ
て得られるポリシロキサン中間体と前記の反応性基を有
する櫛形ポリマーを含有する表面保護液を感光層上に塗
布し、硬化させてなってよい。
【0055】以下、ポリシロキサン原料を予め重合させ
て得られるポリシロキサン中間体と前記の反応性基を有
する櫛形ポリマーを含有する表面保護液を感光層上に塗
布し、硬化させて、表面保護層を得る場合について説明
する。
【0056】ポリシロキサン原料としては、シロキサン
結合を好ましくは3次元的に繰り返してなる構造を有す
る前記のポリシロキサンを形成できれば、いかなる構造
を有していてもよく、例えば、前記のオルガノシラン
(I)の具体例として列挙した単量体、およびそれらの
二量体、三量体等の低分子量体等が挙げられる。これら
のうち、前記のオルガノシラン(I)の具体例として列
挙した単量体が好ましく用いられ、さらに好ましくは前
記のオルガノシラン(I)の好ましい具体例として列挙
した単量体が用いられる。
【0057】ポリシロキサン中間体は上記ポリシロキサ
ン原料を公知の方法により重縮合させて得られ、上記ポ
リシロキサン原料が1次元的または2次元的に連なった
構造を有することが好ましい。このようなポリシロキサ
ン中間体として市販のHPC7003(JSR社製)、GO-100(日
興社製)、GM1-92(日坂研究所製)、NP730(日本ダグ
ロシャムロック社製)等を使用することができる。
【0058】反応性基を有する櫛形ポリマーの使用量は
ポリシロキサン全重量に対して0.1〜40重量%、好まし
くは1〜20重量%が好適である。
【0059】少なくとも上記のようなポリシロキサン中
間体および反応性基を有する櫛形ポリマーを含む表面保
護液を、感光層上に塗布し、硬化させる。
【0060】反応性基としてイソシアネート基、エポキ
シ基またはグリシジル基を有する櫛形ポリマーを用いる
場合、ヒドロキシル基またはアミノ基を一旦、生成させ
る必要があるため、表面保護液には適量の水が添加され
る。
【0061】また、表面保護液には、後述の硬化促進剤
(1)および/または硬化促進剤(2)をさらに添加す
ることが好ましい。これらの硬化促進剤を添加すること
により、シロキサン結合の三次元化だけでなく、ポリシ
ロキサンと櫛形ポリマーとの化学的結合の形成が促進さ
れると考えられる。
【0062】硬化促進剤(1)としては、ナフテン酸、
オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などの
アルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p
−トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エ
チレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのア
ミン系化合物、(C492Sn(OCOC11232
(C492Sn(OCOCH=CHCOOCH32
(C492Sn(OCOCH=CHCOOC492
(C8172Sn(OCOC11232、(C8172
Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C8172
Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C817
2Sn(OCOCH=CHCOOC8172、Sn(O
COCC8172、などのカルボン酸型有機スズ化合
物;(C492Sn(SCH2COO)2、(C492
Sn(SCH2COOC8172、(C8172Sn
(SCH2COO)2、(C8172Sn(SCH2CH2
COO)2、(C8172Sn(SCH2COOCH2
2OCOCH 2S)2、(C8172Sn(SCH2CO
OCH2CH2CH2CH2OCOCH2S)2、(C
8172Sn(SCH2COOC8172、(C817
2Sn(SCH 2COOC12252
【0063】
【化6】 などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【化7】 などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0064】(C492SnO、(C8172Sn
O、(C492SnO、(C8172SnOなどの有
機スズオキサイドとエチルシリケート、エチルシリケー
ト40、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フ
タル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物
などの有機スズ化合物などが使用される。
【0065】硬化促進剤(2)としては、ジルコニウ
ム、チタンおよびアルミニウムの群から選ばれる金属の
キレート化合物(以下、金属キレート化合物(V)とい
う)が挙げられる。このような金属キレート化合物
(V)の例としては、一般式 Zr(OR13p(R14COCHCOR154-p、 Ti(OR13q(R14COCHCOR154-q または Al(OR13r(R14COCHCOR153-r で表される化合物、あるいはこれらの化合物の部分加水
分解物が挙げられる。金属キレート化合物(V)におけ
るR13およびR14は、それぞれ独立に炭素数1〜6の1
価の炭化水素基、具体的には、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、フェニル基等を示し、R15は、R13およ
びR14と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほ
か、炭素数1〜16のアルコキシ基、具体的には、メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキ
シ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基等を示
す。また、pおよびqは0〜3の整数、rは0〜2の整
数である。
【0066】このような金属キレート化合物(V)の具
体例としては、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセ
テートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テ
トラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、
テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等
のジルコニウムキレート化合物;ジ−i−プロポキシ・
ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−
プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、
ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニ
ウム等のチタンキレート化合物;ジ−i−プロポキシ・
エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポ
キシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポ
キシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モ
ノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物等が
挙げられる。これらの化合物のうち、トリ−n−ブトキ
シ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、
ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニ
ウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム
が好ましい。これらの金属キレート化合物(V)は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0067】上記硬化促進剤(1)および(2)の添加
量は、膜強度および塗液のポットライフの観点から、ポ
リシロキサンの全重量に対して0.01〜50重量%、好まし
くは0.5〜10重量%が好適である。上記硬化促進剤
(1)および(2)を併用する場合においてはそれらの
合計量が上記範囲内であればよい。
【0068】表面保護層に前記の無機フィラーおよび有
機微粒子等の添加剤を含有させる場合、表面保護液に当
該添加剤を添加するとよい。
【0069】このとき無機フィラーおよび有機微粒子ぞ
れぞれの添加量は、表面保護層中のポリシロキサンに対
する配合量が前記範囲内になるような量であればよい。
通常、ポリシロキサン全重量に対して0.5〜45重量%、
好ましくは5〜35重量%が好適である。
【0070】表面保護液の粘度は、形成される表面保護
層の膜厚を前記範囲内に制御でき、かつ当該保護層を均
一に形成できる粘度とする。
【0071】表面保護液の調製に際しては、当該保護液
の全固形分濃度を調整し、併せて粘度も調整するため
に、有機溶媒を使用することができる。このような有機
溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、エー
テル類、ケトン類、エステル類等の有機溶剤を使用する
ことが好ましい。前記アルコール類としては、例えば1
価または2価のアルコールを挙げることができ、具体的
にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−
ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモ
ノn−ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメ
チルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエー
テル等を挙げることができる。これらのうち、炭素数1
〜8の1価の飽和脂肪族アルコールが好ましい。また、
前記芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等を挙げることができ、前記エーテル
類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等を挙げることができ、前記エステル類の具体例として
は、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、
炭酸プロピレン等を挙げることができる。これらの有機
溶媒は、単独または2種以上を混合して使用することが
できる。反応性基としてイソシアネート基、エポキシ基
またはグリシジル基を有する櫛形ポリマーを用いるた
め、表面保護液に水等が添加される場合においては、上
記の有機溶媒の中でも、表面保護液を均一系に保持でき
るような溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒の添加
方法は特に限定されるものではなく、表面保護液を調製
する際および/または調製後の適宜の段階で添加するこ
とができる。
【0072】ここで使用される有機溶媒は下地の感光層
を侵さないように、アルコール系溶媒/他溶媒の重量比
率を80/20〜100/0、好ましくは90/10〜100/0とすること
が望ましい。
【0073】このような表面保護液を感光層上に塗布す
るにあたっては、形成される表面保護層の膜厚を前記範
囲内に制御でき、かつ当該保護層を均一に形成できれば
特に制限されるものではなく、公知の方法、例えば、刷
毛塗り法、スプレー塗装法、浸漬法、ロール塗装法、フ
ローコート法、真空塗装法、エアーナイフ法、ドクター
ブレード法等を採用することができる。これらの塗布方
法は、バッチ式、半連続式あるいは連続式で実施するこ
とができる。
【0074】表面保護液の感光層上への塗布後は、硬化
が行われる。当該硬化工程においては、櫛形ポリマーの
反応性基が、ポリシロキサン中間体における当該中間体
の形成に供されなかった反応性残基、例えば、ポリシロ
キサン原料としてオルガノシラン(I)を用いた場合にお
いて、中間体の形成に供されなかった−OR2(一般式
(I)参照)と反応しながら、シロキサン結合が3次元的
に繰り返されてなるポリシロキサンの形成が行われる。
このため、結果としてポリシロキサンと反応性基を有す
る櫛形ポリマーが化学的に結合してなる表面保護層が得
られると考えられる。硬化工程においては、櫛形ポリマ
ーにおける反応性基とポリシロキサン中間体における反
応性残基との反応性、シロキサン結合の3次元化および
静電特性の観点から、詳しくは、表面保護液が塗布され
た感光層を、温度50〜150℃、好ましくは80〜130℃で、
5〜120分間、好ましくは30〜60分間静置することが望ま
しい。
【0075】上記のような表面保護層を形成可能な感光
層としては、導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷輸
送層を順次積層した形態、電荷輸送層及び電荷発生層を
順次積層した形態、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含
む単層型の形態のいずれであってもよい。以下、導電性
支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した形
態の感光層について説明する。
【0076】導電性支持体としては、銅、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル等の箔あるいは板をドラム状にしたも
のが使用される。またこれらの金属をプラスチックフィ
ルム等に真空蒸着、スパッタリング、無電解メッキした
もの、あるいは導電性ポリマー酸化インジウム、酸化ス
ズ等の導電性化合物の層を紙あるいはプラスチックィル
ム上に塗布もししくは蒸着、スパッタリングによって設
けたものも使用可能である。一般的に円筒状のアルミニ
ウムが使用されるが、具体的には、例えば押し出し加工
後、冷間引き抜き加工したもの(ED管)、押し出し加工
後、引き抜き加工を施したアルミニウムパイプを切断
し、その外表面をダイヤモンドバイト等の切削工具を用
いて約0.2〜0.3mm切断し仕上げたもの(切削管)、アル
ミニウム円板をインパクト加工してカップ状とした後、
外表面をしごき加工により仕上げたもの(EI管)、アル
ミニウム円板を深絞り加工して後、外表面をしごき加工
により仕上げたもの(DI管)等が挙げられる。またこれ
らの表面をさらに切削したもの、陽極酸化したものを使
用してもよい。
【0077】このような導電性支持体上に電荷発生層お
よび電荷移動層が順次形成されるが、それに先立って導
電性支持体からの電荷注入の防止の目的から下引層を形
成することが好ましい。
【0078】下引層を設ける場合、その材料としてはポ
リイミド、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート
等のポリマーをそのまま、または酸化スズや酸化インジ
ウムなどの低抵抗化合物を分散させたもの、または酸化
アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの蒸着膜等が
適当である。この場合、下引層の膜厚は1μm以下である
ことが望ましい。
【0079】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着す
るか、電荷発生材料をアミン等の溶媒に溶解せしめて塗
布して乾燥させるか、あるいは電荷発生材料を、適当な
溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を溶解させた溶液中
に分散させて作製した塗布液を塗布し、乾燥させること
により形成される。
【0080】電荷発生材料としては、例えばビスアゾ系
顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オ
キサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、
スチリル系色素、ピリリウム系染料、アゾ系染料、キア
クドリン系染料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多
環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、イン
ダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニ
ン系顔料等の有機物質が挙げられる。この他、光を吸収
して極めて高い効率で電荷担体を発生する材料であれ
ば、いずれの材料であっても使用することができる。
【0081】電荷輸送層は上記電荷発生層上に、電荷輸
送材料を結着樹脂を溶解させた溶液中に分散させて作製
した塗布液を塗布し、乾燥させることにより形成され
る。
【0082】電荷輸送材料としては、有機物質が好まし
く、例えばヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチ
リル化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾ
ール化合物、カルバゾール化合物、スチルベン化合物、
エナミン化合物、オキサゾール化合物、トリフェニルア
ミン化合物、テトラフェニルベンジジ化合物、アジン化
合物等種々の材料が挙げられる。
【0083】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012Ω・
cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例えば、そ
れ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹
脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することができる。
具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレ
フィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、ポリカーボネート、ブチラール樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエス
テル、ポリイミド、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹
脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹
脂;ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリ
ビニルアントラセン、ポリビニルピロール等の光導電性
樹脂等が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしくは2
種以上組み合わせて使用する。
【0084】なお電荷輸送材料がそれ自身バインダーと
して使用できる高分子電荷輸送材料である場合は、他の
結着樹脂を使用しなくてもよい。
【0085】感光層には、結着樹脂とともにハロゲン化
パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタレ
ン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可塑
性剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フ
タル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感
剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。感光層の塗布は公知の各種塗布装置を用い
て行うことができる。
【0086】以上のような電子写真感光体は、表面保護
層と感光層との接着性、耐久性および感度等の静電特性
に優れており、クラックの問題が発生せず、画像ノイズ
を長期にわたって防止できる。
【0087】
【実施例】本実施例中、「部」は特記しない限り、「重
量部」を意味するものとする。 実施例1 JIS5657円筒状のアルミニウム合金(外径100mm、長さ35
0mm、厚さ2mm)の表面を切り刃に天然ダイヤモンドを用
いたバイトで切削加工した。これを、脱脂剤として界面
活性剤トップアルクリーン161(奥野製薬工業社製)30g
/lを用いて60±5℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄
した。100g/lの硝酸溶液に5分間浸漬し、エッチング処
理を行った後、流水で洗浄した。次に、電解液として15
0g/lの硫酸を用いて、電流密度1(A/dm2)、液温20℃
で15分間陽極酸化処理を行い、厚さ8μmの陽極酸化層を
形成した。これを、純水にて流水洗浄した後、酢酸ニッ
ケル含有の封孔剤(シーリングソルトAS:クラリアント
ジャパン社製)を8g/lとした水溶液を用いて90℃、30分
間封孔処理を行った。次に、このようにして陽極酸化層
を封孔処理した感光体基体上に、以下のようにして感光
層を形成した。
【0088】X型フタロシアニン(8120B:大日本イン
キ工業社製)4.5部とブチラール樹脂(エスレックBH-
3:積水化学社製)2.5部およびフェノキシ樹脂(PKHH;
ユニオンカーバイド社製)2.5部をジクロロエタン500部
とともにサンドミルにより分散した。得られた分散液を
上記感光体基体上に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるよう
に塗布し電荷発生層を形成した。その後、下記一般式;
【化8】 で示されるスチリル化合物40部とポリカーボネート樹脂
(TS-2050:帝人化成社製)60部とフェノール化合物ブ
チルヒドロキシトルエン(特級:東京化成社製)2部を
テトラヒドロフラン400部に溶解させてなる塗布液を、
上記電荷発生層上に塗布乾燥させて20μmの電荷輸送層
を形成させた。
【0089】次に下記のように表面保護液を得た。ま
ず、反応性基を有するシリコーン系櫛形ポリマーを合成
した。撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を取
りつけたガラスフラスコに、蒸留水300部、燐酸カルシ
ウム懸濁液(日本化学工業社製スーパータイト10)10
部、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム(花王社
製ペレックスNBL)0.2部を仕込んだ。上記滴下ロート
に、末端にメタクリロイル基を持つシリコーンマクロモ
ノマー(東亞合成化学工業社製マクロモノマー;AK-3
2)30部、メタクリル酸メチル50部、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル20部、ドデシルメルカプタン1.5部、
アゾビスイソブチロニトリル2.5部を含む溶液を入れ、
フラスコを加熱して内液の温度を80℃に設定した後、滴
下ロートの溶液を1分かけて滴下した。その後、80℃で
7時間保ち、重合を完結させた。反応後濾過、減圧乾燥
して、固体状の、反応性基を有するシリコーン系櫛形ポ
リマーを得た。
【0090】次に、ポリアルキルシロキサン溶液(HPC7
003;JSR社製、ポリアルキルシロキサン濃度20重量%)
30部と、上記の、反応性基を有するシリコーン系櫛形ポ
リマー5部、スズ系化合物からなる硬化剤(HPC404;JS
R社製)3部およびイソプロピルアルコール20部を混合
し、表面保護液を調製した。得られた表面保護液を上記
電荷輸送層上に、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布
し、120℃、10分間乾燥させて表面保護層を形成して電
子写真感光体を作製した。表面保護層にクラックは発生
しなかった。
【0091】実施例2 実施例1において、表面保護層を下記のように形成した
こと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。酸化アルミニウムを含有したポリアルキルシロキ
サン溶液(GO-100:日興社製、ポリアルキルシロキサン
濃度12重量%)30部と反応性基を有するシリコーン系櫛
形ポリマー(US450:東亜合成社製)4部、硬化剤(HPC
404:JSR社製)3部およびイソプロピルアルコール20部
を混合し、表面保護液を調製した。得られた表面保護液
を上記電荷輸送層上に、乾燥後の膜厚が2μmとなるよう
に塗布し、120℃、10分間乾燥させて表面保護層を形成
して電子写真感光体を作成した。表面保護層にクラック
は発生しなかった。
【0092】実施例3 実施例1において、表面保護層を下記のように形成した
こと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。酸化アルミニウムとアミノ樹脂を含有したポリア
ルキルシロキサン溶液(GM1-92:日板研究所製、ポリア
ルキルシロキサン濃度18重量%)30部と反応性基を有す
るシリコーン系櫛形ポリマー(GS1015:東亜合成社製)
4部、ジルコニウム系化合物からなる硬化剤(HPC406:
JSR社製)3部およびイソプロピルアルコール20部を混
合し、表面保護液を調製した。得られた表面保護液を上
記電荷輸送層上に、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗
布し、120℃、10分間乾燥させて表面保護層を形成して
電子写真感光体を作成した。表面保護層にクラックは発
生しなかった。
【0093】実施例4 実施例1において、表面保護層を下記のように形成した
こと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。ポリアルキルシロキサン溶液(NP730:日本ダグ
ロシャムロック社製、ポリアルキルシロキサン濃度23重
量%)30部と反応性基を有するシリコーン系櫛形ポリマ
ー(US270:東亜合成社製)4部、硬化剤(HPC406:JSR
社製)3部およびイソプロピルアルコール20部を混合
し、表面保護液を調製した。得られた表面保護液を上記
電荷輸送層上に、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布
し、120℃、10分間乾燥させて表面保護層を形成して電
子写真感光体を作成した。表面保護層にクラックは発生
しなかった。
【0094】実施例5 実施例4において、表面保護液にさらに、平均粒径0.3
μmの有機微粒子(ポリテトラフルオロエチレンKD-500A
S;喜多村社製)15部を加えたこと以外は実施例4と同
様にして電子写真感光体を作成した。
【0095】比較例1 実施例1において、反応性基を有する櫛形ポリマーを除
く以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0096】比較例2 実施例1において、ポリシロキサンであるグラスカHPC7
003(JSR社製)9部、硬化剤(HPC404:JSR社製)0.3
部、アクリルポリオール(レタンPG60:関西ペイント社
製)2部、ポリアミド樹脂(CM8000:東レ社製)0.6部
をイソプロピルアルコール20部に分散溶解させて表面保
護液を調製したこと以外は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作成した。
【0097】比較例3 実施例1において、反応性基を有する櫛形ポリマーを反
応性基を有しないフッ素系櫛形ポリマー(GF300:東亜
合成社製)に変えたこと以外は実施例1と同様にして電
子写真感光体を作成した。
【0098】比較例4 実施例1において、反応性基を有する櫛形ポリマーを反
応性基を有しないシリコーン系櫛形ポリマー(GS30:東
亜合成社製)に変えたこと以外は実施例1と同様にして
電子写真感光体を作成した。
【0099】実施例6 (プレポリマーの合成)撹拌機を付けた2リットルのオ
ートクレーブにメタノール400g、ジノルマルプロピルパ
ーオキシジカーボネートを30g仕込み、脱気と窒素置換
を3回繰り返した後、脱気し、クロロトリフルオロエチ
レン(CTFE)130gとフッ化ビニリデン(VdF)390gを仕込
んだ。40℃まで昇温し24時間反応を行なったところ、圧
力が25atmから20atmに低下した。残圧をパージしてから
オートクレーブを開放した。メタノールを留去した後、
ヘキサンに投入して、プレポリマーを412g得た。組成分
析の結果、CTFE/VdF=25/75(wt/wt)であった。
【0100】(マクロモノマーの合成)撹拌機、滴下ロ
ート、温度計の付いた1リットルのフラスコに、上記で
得たプレポリマー200gと酢酸エチル200gを仕込み均一に
溶解した後、トリエチルアミン5.5g、モノメトキシハイ
ドロキノン0.5gを添加し、40℃に加温した。次に、アク
リル酸クロリド8.6gと酢酸エチル40gの混合液を滴下ロ
ートから10分かけて滴下した。4時間反応を行ない、常
温まで冷却した後、酢酸エチルを留去した後、大量の水
で洗浄し、過剰のアクリル酸クロリドとトリエチルアミ
ンを除去した。50℃で乾燥し、マクロモノマーを182g得
た。
【0101】(フッ素系櫛形ポリマーの合成)撹拌機を
備えた1リットルのオートクレーブに酢酸エチル290g、
上記のマクロモノマー(プレポリマー組成:CTFE/VdF=2
5/75、反応性基:CH2=CHCOO-)50g、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル(HEMA)25g、ビバリン酸ビニル(VP
v)80gを仕込み、脱気と窒素置換を3回繰り返した。そ
の後、64℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリル3.
75g投入し、重合を14時間行なった。オートクレーブを
開放して共重合体溶液を得た。得られた溶液をヘキサン
に投入し洗浄ならびに乾燥して、反応性基を有する共重
合体(フッ素系櫛型ポリマー)を98g得た。共重合体の
組成は、マクロモノマー/HEMA/VPv=32/16/52(wt/wt)で
あった。
【0102】実施例4において、シリコーン系櫛形ポリ
マーの代わりに上記フッ素系櫛形ポリマーを用いたこと
以外、実施例4と同様にして電子写真感光体を作成し
た。
【0103】(評価)得られた感光体を市販の電子写真
複写機(Di620:ミノルタ社製)に搭載し、初期表面電
位(V0(V))、初期電位を1/2にするために要した露光
量:感度(E1/2(μJ/cm2)および5秒間暗中に放置し
た時の表面電位の減衰率DDR5(%)を測定した。
【0104】接着性について評価をした(JIS K5400に
準じる)。上記の各感光体における感光層の接着性につ
いては、これらの感光体を製造した初期と、温度30℃、
湿度85%の高温・高湿度下で1日放置した後のものとを
用い、これらの各感光体の表面にそれぞれカッターナイ
フで1cm四方に1mmのピッチで碁盤状の傷を付け、この上
に接着テープを貼り、この接着テープを瞬間的に剥離さ
せて、各感光体における感光層の剥離状態を調べるよう
にした。そして、下記の表においては、切り傷の1本ご
とが細くて両側が滑らかで切り傷の交点と正方形の1目
1目に剥がれがない場合を10、切り傷の交点に僅かな剥
がれがあるが正方形の1目1目に剥がれがなく、欠損部
の面積が全正方形面積の5%以内の場合を8、切り傷の
両側と交点とに剥がれがあって欠損部の面積が全正方形
面積の5〜15%の場合を6、切り傷における剥がれの幅
が広くて欠損部の面積が全正方形面積の15〜35%の場合
を4、切り傷における剥がれの幅が4点よりも広くて欠
損部の面積が全正方形面積の35〜65%の場合を2、剥が
れによる欠損部の面積が全正方形面積の65%以上の場合
を0で表示した。
【0105】クラックについて評価した。得られた感光
体を目視により観察し、感光体表面にクラック(亀裂)
が発生していないものには「○」、クラックが発生して
いるものには「×」とランク付けした。
【0106】また、摩耗量は、連続コピー10000枚後の
感光体について評価した。詳しくは12個所の磨耗量を膜
厚計(EC8e2Ty;フィッシャー社製)により測定し、そ
れらの平均値を求めた。
【0107】画像ノイズについて評価した。各感光体を
市販の電子写真複写機(Di620:ミノルタ社製)に搭載
し、B/W比5%の画像を1万枚連続コピーしたときの複写
画像を目視により観察した。複写画像上、黒スジが発生
している場合には「黒スジ」と表記し、複写画像上、ク
リーニング不良に起因するフィルミングあるいはBSが発
生している場合には「クリーニング不良」と表記した。
【0108】評価結果を以下に示す。なお、比較例1に
おいては、感光体表面にクラックが発生したため耐久に
よる摩耗量および画像の評価はしなかった。
【表1】
【0109】
【発明の効果】本発明により、表面保護層と感光層との
接着性、耐久性および感度等の静電特性に優れ、クラッ
クの問題が発生せず、画像ノイズを長期にわたって防止
できる電子写真感光体を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層およ
    び表面保護層を順次設けてなる電子写真感光体であっ
    て、表面保護層が少なくともポリシロキサンと反応性基
    を有する櫛形ポリマーからなることを特徴とする電子写
    真感光体。
  2. 【請求項2】 表面保護層が、少なくともポリシロキサ
    ンと反応性基を有する櫛形ポリマーが化学的に結合して
    なることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光
    体。
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